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委員会会議録

質問文書

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平成23年8月大規模地震対策特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大石 哲司(牧之原市・榛原郡南部) 議員
質疑・質問日:08/05/2011
会派名:自民改革会議


○大石委員
 小林危機管理監にお伺いします。
 この特別委員会、きょうが実質的な第1回でございますし、これから1年かけて津波対策と原子力発電所の安全性について視察等も踏まえながら言及していくということで、自分もこの委員会に入れていただきましたので、原子力発電所から20キロ圏の――極めて10キロ圏に近い20キロ圏でございますが――それから津波が来れば、当然津波の被災対象になる地域にも居住しておりますので、そういったこと含めて強い関心を持って頑張りたいなと思っています。
 浜岡原子力発電所の安全性についての問題でございますが、この問題も非常に多くの要素を抱えておりますので、きょうの質問ですべて終わるという問題ではないと思うんですが、たまたまこの安全性の問題については、私が先ほど申しましたように地域に住んでおりまして、いろんな心配の声とか届いてきますので、そんな視点から7番委員の大変適切な御質問を踏まえて、もう一度ちょっとお聞きしたいと思います。
 浜岡原発につきましては、以前から安政大地震並みのレベルに対して、ガル数で言えば、安政が600ガルだとすると1000ガル以上の地震に対しても絶対に安全だということでずっと説明を受けていました。私ども、確かになるほどといって納得した部分が大変多かったわけですが、東日本大震災の特にあのような津波のすさまじい現状を見させていただきますと、新たな安全性に対する疑念が沸いてきたということは間違いないと思います。
 そういうことで、先ほどの御説明にもありましたように、18メートル、これは海抜ですね。そこから地下の岩盤に直接鉄骨を編んだような形で基礎をつくって、その上に鉄筋コンクリートの大きな防潮壁をつくるということで――見えるだけでも7、8メートルという高さになろうかと思いますが――それを中心にした安全策、これだったら東日本クラスのマグニチュード9、あるいは9を超える地震に対しても安全だという説明を中部電力の発電所の有力な方から直接御説明いただきました。万一この壁を破られた場合、あるいは給水口、排水口等から水が浸入してきた場合を想定しても、今度は建屋の非常用電源含めてあらゆるものに対して第2次の防壁をつくって、福島で起こった事実、あるいはそこで得た知見、そうしたことを踏まえて破られた場合の2次対策も万全にやるということで、言うなれば、原子力発電所を18メートルの高さの防御壁で囲みこんでしまうというような安全策を聞かされたわけです。これを聞きますとね、普通の人だったら絶対大丈夫だな、安全だなというふうに思うわけですが、一方では――小林危機管理監も御指摘されておりましたけども――吉田町で500名から600名ぐらい入って、東京大学の学者さんが過去の何千年来の地震の歴史を踏まえた上で、この浜岡には必ずマグニチュード9クラスのやつが来ると。だからここはもう安全じゃないんだ。地域がもう安全じゃないんだから廃炉にすべきだと。浜岡を再開するなんて、最後に私は言っておくけど、絶対再開しないほうがいいというような言い方をされて、あれを聞いた人はみんなそう思いますよね。だけど日本の国策としてのエネルギーの問題とかいろんな問題がありまして、それはもっと違う立場で議論するとしましても、浜岡に限定すれば、総理大臣がこの地域は危ない地域だと、浜岡の原子力発電所の安全性がいまいちじゃなくて、この地域にはでかい地震が来るからとめたほうがいいということでやっているわけです。人間の心は、安全の基準が防護壁の18メートルとか河川の水門の場合の安全の基準というのは想定できますけど、安心の基準というのはないわけですから、18メートルといったら、19メートルの津波が来たらどうなるかと、また放射能汚染になっていいのかという言い方をされればこれはないにこしたことはない。だけど、それは人間の知恵と自然との問題で非常にボーダーラインを引くことが難しい問題ですけど、私はここまで念には念を入れて仮にやった場合に、果たして菅総理大臣の言ったような地域が危ないからとか、あるいは学者さんが、ほかはともかくとして浜岡だけはだめだよという言い方でここの危険性を訴えておりますけどね、その辺についての小林危機管理監のお考え。それから、中電が今度1000億円という巨額を投下するわけですよね。普通は営利企業ですから、大変公的使命を持った会社であるということはもちろん前提ですが、しかし、利益を追求する企業が1000億円という、場合によっては幾ら大きな会社でも国家予算のある部分に匹敵するようなお金を投下してこういう安全策をするということは、単なるここに使用済み燃料があって危険だからそれをディフェンスするためにやりますという問題じゃないと思うんですよね。それだったら僕は国家がやるべきだと思うんですよね。国
や県が住民の安全のために。だけど、営利企業の中電がおやりになるということは、当然ここでまた再開して発電をやられるということが大前提だと思っております。そのことについて、中部電力さんに申し上げたら、まさにそのとおりですと。それについては、私どもは菅総理大臣の停止要請があったとき、経済産業大臣あるいは保安院から再開についての安全性、先ほど工程表の問題も出ていましたが、それらをすべてクリアした場合の何年か後、当然原子炉の再開について認めますよというお墨つきをもらってますと。確かにコピーを見せていただきました。そうするとですね、一方では、総理大臣はできれば廃炉にしたいというような話でそういう流れがあると、私どもも情報を報道だけですけど聞いております。一応国の施策としては、原子炉を廃止するのではなくて、安全性をチェックした上で再開するということについて、一番危ないと言われた浜岡についてもお墨つきが事前に来ているということになりますとですね、私はあえて言いますと、原子力というのは非常に有効な手段でございますので、これを国策として取り入れたことについては理解をします。しかし、危険な福島のようなことがあれば、長い時間かけて原子力に依存しないエネルギーにしていくべきだというふうには基本的には思っていますが、ただ、それについてはコストの問題とか時間の問題、やたら時間がかかります。日本の国力が落ちてもいけないと思いますので、そういう面からすれば当面安全性を厳重にチェックしながらやっていくと、していくということも一つの方策かなというふうに私は個人としては思っております。そういう中で、地域住民、特に小さなお子さん持っているお母さんとか、それから年配で、自分たちはいいけど次の世代、次々の世代の子供たちのためを思ったら、こんな危ないものは置いといてもらっちゃ困るという人も大勢地域としてはあるわけですね。だから、そのことについて、特に市議会とか町議会、あるいは市長、町長レベルでは、物すごく試行錯誤でお悩みになっていると思うんですがね。そういうことを考えますと、私は今度2年後あたりに再開という問題になってくると、単なる国に工程表出して、国がオーケーと言ったらオーケーだという、機械的な考えじゃなくて、県としてそういう県民世論、あるいは地域のことも考えながら、この問題にどう対応していくかという問題はね、今すぐお答えになれないかもしれませんけど、すごい大きな課題だというふうに私は思わざるをえません。その辺についてね、小林危機管理監、今まで本当に御苦労されていると思いますよ。答弁聞いていても本当にそういう県民のためと安全性といろんな形の中で御苦労されているお気持ちはわかります。ですから、今言ったような問題についてどう考えているか、これからこの委員として活動していく中で参考にさせていただきたいと思いますので、お聞きしたいと思います。

 それから先ほど7番委員からの御質問で水門の関係と防護壁の問題が出ております。たびたび私どもの勝間田川のお話も出させていただいて、あそこは外国人が持っている土地が湾内にあります。河川敷内にありまして、そのために随分着工がおくれましたが、県の皆さんが御苦労いただいてそれも解決して今もうじき敢行するというところまで来てありがたいなと思っています。また、代表質問で運行直下から流れ出る2級河川も全然手がついておりませんのでお願いしましたら、部長から前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひ調査を始めていただきたいというふうに、これは個別的な要望で申しわけありませんが。それで、これは第3次被害想定の中でも38河川のうち18河川しかでき上がってないと、これ着工中の4つで22河川になるわけですが、第3次被害想定で津波高6.2メートルぐらいを前提にして安全・安心という話なんですが、今度の東日本を踏まえてこの被害想定の見直しという問題もありますよね。ここで本当に漠然とした質問なんですが、1つは先ほども地図を見させていただいて、ここは津波高6.0メートルとか、高いところで10.2メートルだとあります。今度の被害想定を踏まえて考えた場合に、この津波高、仮にですね1メートルずつかさ上げになった場合、6メートルのところは7メートルになるわけです。これも実は8メートルが来たらどうするかという、住民の持つ漠然たる想定外不安というものは、たった1メートルではブロックできない面も出てきますよね。そのあたりの見直しというのを果たしてどうするか。仮にあと2メートルかさ上げすると、既存の防潮堤とか水門の2メートルかさ上げというのは、まず、構造的には不可能だと思いますよ。そこへ鉄筋を差し込んで上へ載せてもでかい波がくれば、ばきんと折れちゃうか、または風水害で老朽化した土台の上に鉄筋を差し込んでコンクリートで固めても危ない。だとしたらやり直す。やり直すとなると垂直のような形はちょっと無理だとすると、地所を買ってそこからやるとなると、また物すごくお金がかかりますよね。だからその辺についての見直しということは、図面上は可能なんですが、実際仕事をしていく中で、いろんな予算的な問題を含めて非常に難しい問題が出てくるかと思います。今、幾らどうこうということは聞かなくてもいいんですけど、そういう問題についてはどう考えてらっしゃるか。

 それと、これはちょっと意地悪な質問なんですが、中部電力が18メートルで万全だと言っているんだとしたら、遠州灘から駿河湾全部18メートルの壁をやらなければ、あれは原発だから特に危ない、だけど海岸線には教育機関もあるし、公的機関もある。福祉医療機関もあるわけですので、そこのところは7メートルやっておきゃ十分だと、だけど原発だけは18メートルというと、これはちょっとそういう発想はいいのかなと、せめて10メートルぐらいとか15メートル、これは意地悪な質問なんですけどね。そのあたりの人々の生活の安全性と原発の安全性との問題、これもしお答えできる方いたらお願いしたいと思います。以上です。

○小林危機管理監兼危機管理部長
 浜岡原発の話ですけれど、一番問題なのは何かと言ったら、我々が一生懸命今まで電力会社それから国、そういったところと築いてきた、いわゆる原子力というのはやっぱり信頼関係があって初めて成り立つものなんですね。その信頼関係が、結局福島の事故をきっかけに全く崩れてしまいました。私も委員会等の答弁でいつも言っていたのは、原子力に対して99.9%私は安全だと思うと。残りの0.1%というのは何かと言ったら、あくまで信頼されるか、されないかだと。そこのところで、だからどう考えても100%には安全対策って行かないんですね、残念ながら。やはり原子力を扱っている以上、その危険性というのを全く否定すると、どんなに安全対策を講じても危険性を否定するということはできないわけですね。その危険性を否定できない中で原子力を進めてきたというのは、やはりそこに信頼関係があるかないかなんですね。だからそれが今回ある意味ですべてつぶされてしまった。だからこういった信頼関係がすべてつぶれた中で運転再開をしていくためには、まずは国が今までの原子力政策そのものを抜本的にまず見直していただくと。どういう形でこれから原子力対策に取り組んでいくのかという、そういった基本的な考え方を、脱原発ではなくて、減原発というかですね、基本的に将来の方向としてそういった方向でいくということは、私は恐らく国民の大多数が賛成することだと思っています。だけども、今、現に原発がまず54基あるわけですので、その54基ある原発というものの存在を考えたときにそれに対してどういう基本的な方針で臨むのかと。それで結局浜岡だけは地震の発生の可能性が87%あるということで、停止要請に基づいてとめているわけですが、それについてもいろいろ議論のあるところで、私どもとしては東海地震の発生のおそれがあるというのは、今始まったことではないんですね。実はもう30年前からそれを前提にして浜岡原子力発電所というのは立地してきたわけですね。そのために我々も国それから中部電力に対して、万全な対策を講じるように機会あるごとに我々としては意見を述べてきたと。ですから、最初のころまるで浜岡原子力発電所に対して津波対策が全くなされていない、地震対策が全くなされていないような議論がなされたときには、そういったものに取り組んできた1人としては大変じくじたる思いがした。だけども、これから再開に向けてどうするのか、再開できるのかどうかも含めて、どうするのかということを考えていくには、やはり1つ1つ私は進めていくしかないと思います。それで、実際は中部電力がとめたにしても国の要請に基づいてとめたわけですので、そのとき国が約束してきたのは、やはりまだ中長期的な、特に津波対策を中心とする中長期対策が必要だから、それが終われば運転再開についても議論していただけるという話になっています。ですから我々としては、中部電力が運転再開を望むのであれば、少なくとも工程表についてしっかり国と話をする。どういう安全対策を講じることによって、国がもう1回評価をしてくれるかということが前提です。それで、評価されたことについて今までみたいに国がいいと言ったから大丈夫でしょうということで運転再開を議論するかというと、今、川勝知事が言っているのはそうではなくて、もう
少しその議論が出たときに、やはり原子力学術会議というのをつくりましたので、そこら辺の先生方にも何回か熱心に議論していただいて、本当にそういう国の考え方が、それから中電の対策が本当にいいのかどうかということを十分議論した上で、県として今度は独自に判断せざるを得ないだろうと。いわゆる法律の問題ではなくて、やはり県の役割としてそうやっていかないと。なかなか原子力の再開については非常にハードルが高いだろうと。そういうことを知事のほうは申しているわけです。そこのところまでどうやって持っていけるのか。それからもう1つ、非常に重要なことがありまして、たしか平成18年に新耐震基準というのがつくられて、それに伴って実はバックチェックの申請をしているんですね。保安院に評価してくださいっていう、それが結局まだできていないんです。ですから、今は旧耐震基準で600ガルの想定に基づく浜岡原子力発電所のプラントになっている。これが今の新耐震基準だと800ガルで中部電力は独自にさらに200ガル加えて耐震揺動を1000ガルまでにしてあるわけですね。我々は3.11が起こる前は8.11によってとまっていた5号機が運転再開できましたので、次はもう早くバックチェックを終えてくださいと、それでより東海地震に耐えられる安全性を十分備えているんだということを評価してくださいということをお願いしてきたわけですね。ですから、今回は何年か後に再開の議論が起きたときには、当然バックチェックが終わっている、終わっていないということが非常に重要になるわけですね。ですから、そこら辺のところもちゃんと並行して、ただ保安院はどうも今のままで継続しそうもありませんので、ですから保安院が新たに独立した組織となった場合には、その独立した保安院との間でもう1回そういった議論をしていかなければいけません。運転を再開するということに向けては、非常に高いハードルがいっぱいあります。ですからそれを1つ1つやっぱりつぶしていって、最終的には県民の方々がどう判断するかということで、その判断にやっぱり最終的にはゆだねていくということになると思います。ただ、今、現実問題としてとまっていますので、ある程度かなりの安全性は確保されていますが、それにしても中に崩壊熱を持った使用済み燃料が非常にたくさん入っていますので、やっぱり安全対策については、中部電力のほうに徹底して福島のような事故を起こさないように、そこについては引き続き中部電力にいろいろな対策を今求めています。それについて、中部電力ではそれぞれそのための対策は講じていただけるようになっていますので、そういったものも踏まえて、2年、3年先になるかもしれませんけれども、とりあえずは工程表をつくっていただいて、まずはその工程表に基づいて、国が評価できるような対策を講じていただいて、それをどう我々が静岡県として評価していくか、そこがまずは最初の道筋だと思っていますので、それに直ちにこれから取り組んでいきたいと思っております。以上です。

○守屋河川砂防局長
 津波対策施設についてお答えをいたします。
 まず、お手元の交通基盤部の資料6の先ほど見ていただいた図面の次の「海岸堤防の高さ」(3次想定津波高・高潮から決定)というこの図面をごらんいただきたいと思います。6の資料の次のページの裏面になろうかと思います。
 まず、県で整備しておりますこの防潮堤でございますが、第3次想定による津波高、それと台風時等の高潮のための施設でもあります。そのどちらか高いほうを使って整備をしております。そしてこの図面にあらわしました赤い線で県内を7分割におおむねしておりますけれども、西のほうがわかりやすいものですから西のほうで先に申し上げますが、愛知県境から浜名湖をへまして天竜川までにつきましては、高潮の高さに合わせまして8メートルで海岸堤防ができております。そこの津波の想定は4から5.6メートルということで、津波高に対しては多少余裕があるようなところもございます。また、先ほどの委員おっしゃっていただきました勝間田川におきましては、海岸の施設が6.2メートルでございまして、この地点での津波の想定高は4.7メートルということになっておりますが、前後に合わせて6.2メートルということでできております。ということで、これから中央防災会議等で津波の高さを3連動等で想定してくると思いますけれども、必ずしも今の高さにその部分がすぐ乗っかるかどうかというところにつきましては、ちょっと結果が出ないとわからないところでございます。それがまず、高さの話でございます。
 それからもう1点、現在の方針として出ておりますのは、100年から150年に一遍ぐらいの頻度の高い地震に対しては、こういった防潮施設で対応しなさいということになっておりますので、この先、3連動等出ましても、我々レベル1と言っているんですけども、多分そういった地震動になると思いますので、それに対応した施設になろうかと思います。ですから、それをやる方策を考えるというお話になろうかと思います。もう一方で、そういったものを今回の震災の中では、大きく超えた場合に施設が壊れてしまったということです。できるだけ壊れにくい施設、今の施設がかなり効果として津波の避難時間を稼いだであるとか、実際の波力をうまく抑えて、住宅が壊れるところを浸水だけで済んだとかっていう、そういう効果も認められていますものですから、そういった面からもしっかり整備をしなくてはいけないと考えております。それでそのやり方につきましても、現在調査が進んでいるところでございまして、国土交通省等を初めとして、その方針も出てまいると思いますので、そういったものを参考に一番効率的な方法を考えていきたいと思います。以上でございます。

○岩田危機報道監
 今、浜岡原発で18メートルということが提示されておりまして、逆に言いますとそれがほかの地域に対しても不安になるとか、そういったこともあります。実は津波の高さにつきましては、浜岡につきましてはもともと10メートル程度の津波を想定した施設であります。それに対して、ある意味では想定外にしないために、余力を持たせて18メートルというのが、今回中部電力から提示をされているというふうに私どもは理解しております。
 そういった概念は、4月に始めました津波対策検討会議の中でもそのような議論をさせていただきました。その中で、例えば、津波の今の想定手法1つ取ってみても、シミュレーションでいろいろ議論してもですね、やはりその中にはいろんなばらつきが出てきます。例えば、5メートルというふうに仮に計算では出てきても、実際に来る津波が確実に5メートルではなくて、それより若干上にのぼってきたり、下に下がったりということで、地域よってのばらつきも相当ございます。そういったものをどういうふうに今後クリアにしていくかということで、さまざまな議論をしている中で、今回この中間報告でも少しここについて触れさせていただきましたのは、津波対策検討会議の中間報告の6ページのAのところにですね、津波対策、津波高とか想定区域に対して余裕度についてということを提示させていただきました。この余裕度という考え方は、守るべき対象、地域に対して、想定高は仮に6メートルであったとして、それに対して一定の余力を少し持たせる。これは地震動につきましては、阪神・淡路大地震のときにもさまざまな議論をした中で、一定の余力を持たせるという概念が設計の中に取り入れられましたが、津波に対しては従来こういった議論はされていなくて、今回私どものほうから、例えば想定は6メートルであってもそれに対して安全性にどこまで余力を持たせるか、そういったことをきちんと議論したいということで、先日津波対策学術会議の中に設けました分科会の中でも私どものほうから提示をさせていただきました。それに対して学術会議の委員の中からは、ばらつきに対して定量的にきちんと分析をし、何らかの資料を出すということが非常に重要であるということが示されております。これは私どもこれから少し分析をさせていただきますが、政府の中央防災会議の中でも津波高について、第1段階のレベル1という津波高、それからレベル2というさらにそれを上回ったときの津波高という考え方が、今ちょうど議論されているところでありますので、例えば、非常に重要な絶対守らなきゃならない施設に対しての余裕度はどの程度持たせるべきなのかとか、それから一般の我々県民の命を守るためにはどの程度の余力を持たせるのか、それと拠点施設に対してどの程度の余力を持たせるのか、さまざまな対象に対してきちんと余力をどういうふうに定量的に位置づけるかということを、ぜひ私ども議論していきたいというふうに考えています。それについては、専門家の意見もいただきながら、今後整理をしてまとめていきたいというふうに考えています。そういった中で、静岡県を全体として俯瞰したときの守るべき対象とする津波というものをどういうふうに考えるのかということを早急に整理させていただきたいというふうに考えております。

○中谷委員長
 ではここでしばらく休憩いたします。再開は13時15分とします。

(休  憩)

○中谷委員長
 それでは、休憩前に引き続き委員会を開催します。
 質問等を継続いたします。では発言願います。

○大石委員
 ありがとうございました。ほかの方の質問時間もありますので、1つ質問で1つ意見。
 まず、小林危機管理監からのお話、非常に説得的で県としての立場はよくわかりました。99.9%安全、あと残りは信頼関係だということの中で、今まで3.11が起こる前からを含めて原発の安全性についてもチェックを重ねてその信頼関係を築くように努力されてきたわけですよね。ところが、あの事故とそれからあえて言うなら総理大臣の停止要請によって、それまで築いてきた安心・安全のチェックが根底から崩されちゃったわけですから、非常にこれからが大変だなというふうに思います。ただ、先ほど私が指摘したように停止を受け入れる条件として、中電と経産省の間で交わされたものというのは、厳然として生きているものですから、そういう意味でいえばハードルは高くなったけれども、1つ1つそれをチェック、クリアして、再開へ持っていければと、そこがクエスチョンマークになるわけですけど、そういう立場だということを一応私は今ここで確認させていただきたいと思います。
 それで、小林危機管理監が言われるように、国が抜本的見直しをし、また、脱原発などという前にこのエネルギーと安心・安全の問題について、もう少し具体的に国民に説明し、メッセージを送るべきだというような趣旨の御発言もあったと思うんです。私、全く同感なんですよね。だからその点について、ここでこれ以上言う必要ないかもしれませんけれど、今の政府が本当に内部で一本化した方針でこの原子力政策を進めているかといったら、私は全くばらばらだと思うんですよね。これをマスコミはおもしろおかしく報道してますが、今回、3人の原発に関係した経産省要職者の更迭の問題についても、だれが主導権をとるとかなんとか。この3人の方少なくとも海江田大臣の意向を受けて再開の方向で汗を流した人たちだと私は思っています。そういう中で菅総理大臣は、私見だけどということで、脱原発という非常に大まかでちょっと先があんまりはっきり見えませんが、政治的な意味を持つ発言を繰り返されているわけでありますので、そういう面では国の最高責任者と、原発をつかさどる経済産業大臣、あるいは今回交代させられる人たちが、本当に一環した方針の中でやっているのかどうか。または、わざわざ浜岡まで視察に来られてその翌日に総理大臣があのような停止命令をして、じゃその前の段階で保安院や経産省と電力会社がいろいろとやりとりをしていたことを、総理大臣は知っていた上でやっているのか。全く知らされてないのかということについては、もうこれはクエスチョンマークを持たざるを得ませんけれど、これは幾ら私が言っても仕方のない話かと思いますので、意見として申させていただきますけれど、私は浜岡だけが危ないところだという形でいけにえになるのはおかしいと思うんですよね。それによってこの地域はどんなにダメージを受けているか、それは議会で僕は申し上げたとおりなんですが。もっと端的なことを言えば、日本海側に原発銀座がありますけれど、もし国際政治の中で、あるいは世界の中で一番危険な国家といわれる北朝鮮が、いわゆるキム・ジョンイルさんが万一のことがあって次の後継がもめたりして内乱のようなことが起こった場合には、外交的手段で脅迫にかかってくる。原発に照準を合わせてもしかしたらテポドンを発射するかもしれない。そうなったときは地球の破滅なんですが。そういう意味での安全性ということを考えたら浜岡どころの話じゃないんですよね。だからそういう意味で浜岡だけ危ない危ないという前提でものを言われると、私ども住んでいる人間としては、大事な議論がどこかあいまいにされちゃってね、本当に腹が立つ思いがするんですが、そういう意味で浜岡イコール静岡県でありますので、やっぱり私は知事にもそういう点をしっかり言っていただいて、少なくとも平和な地球という前提の中で安全性ということを考えた場合には、どこかに基準を置いてやらなきゃできないんだということだけはね、みんな頭使って1つの議論をして、それから政治の執行者は判断していかなくちゃいけないというふうに私は思っております。これは意見です。
 あと1点、守屋局長にお尋ねしますが、私もいつも防潮堤の高さが何メートルというと、津波に対して6.2メートルとか、そういうことでいつも我々は、特に「3.11」以来は住民から聞かれたり、人に聞かれてそういう説明をしていたんですよね。ところが現実には高潮高が焼津漁港ところを見ますと6メートルから6.2メートル、津波高は2メートルから8メートルという、そういうような全然違う発想で、おおむね高潮高のほうが私は高いように思っているんですが。それで、数日前にあるテレビで実験をしていましたけど、津波の波がばーんとくると、高潮で台風のときの波というのは波足でばしょんと返る。そういう性質のものですけど、津波の場合はそっくり海が盛り上がってきて、だーんとくるわけですので、逆に言うと波返しがあると逆にそれを物すごい圧力でがーんとやると、こればきんと折れっちゃってかえって危ないではないかということを考えると、高さだけを基準にしていいだ悪いだという以前にそうなるとまた全然違う発想になっちゃいますけど、私どもの海岸もそうですよ。波返しのあるところがいっぱいあるわけですけど、一時的に乗り越えるということか、それとも5キロメートル、10キロメートル先まで波というより、海が侵入してくるという物すごい圧力を伴った事態を考えると、構造的なこととか高さだけに依存していいのか。私ども現地へ行きましても、皆さんももちろん行かれている中で、もろくも田老の10メートルの防潮堤は後からつくったものはなくなっちゃいました。昔からあった10メートルは残っております。だけど、それ以前に入り江とか小さな漁港にあるみるからに頑丈な波返しがみんな倒れちゃっているわけですよね。そういうことを考えると、これはまたお金もいろいろかかる話ですけど、ぜひそういう構造的なものを含めて本当に安全管理に関して先ほど余裕度という話を岩田危機報道監からいただきましたが、やはりそこまで考えていただいているかなということを含めてね、敬意を表しつつ、そういう防潮、高潮高と津波の想定高とごっちゃまぜでいいのかなというような感想をちょっと持ったものですから、そのことだけちょっとお聞きしたいと思います。

○守屋河川砂防局長
 お答えします。
 まず、今回お示ししましたこの高潮と津波高の高さでございますけども、ともすれば現在整備されているものよりも津波がこの先3連動等でやってくると、今の堤防よりももっとすごく高くなるんじゃないかというような御不安があるんじゃないかということで現実のものをお示したのが実情でございます。それからまた、委員御指摘のように津波と高潮とでは周期というか、いわゆる津波の場合は、5分とか10分とか長い時間ずっと海面が盛り上がるような波でございますし、高潮の場合は来ては返すような波のようなものですので、そういった点ではかなり違うと思います。そういう中で、今回、現地を国土交通省等がいろいろ調べた結果、今の施設よりも3メートルぐらい大きく越えたところについてはかなり壊れているというようなものがあります。それから、コンクリートの直立堤といってコンクリート無垢でつくる重力式の擁壁と、堤防形式で土を盛ってその周りにコンクリートを張ってというような建式があるんですが、そのどちらが優位なのかというようなところもいろいろなところで調査が進んでいるところですので、そういったものを参考にしまして、今おっしゃるような津波のエネルギーを真正面から受けたときにどうやって持たせるかというような話もこの先指針が示されると思いますので、そういったものを参考にしつつ、できるだけアンテナを高くしながら早いうちに対策、現在の津波対策会議の中で現状の施設がどういうものがどういうところにあるのかということを今調査全部かけているわけでございますが、それをできるだけ早く評価できるように情報収集をしていって、できるだけ安全なものになるように、また県民の皆様に情報がうまく発信できるように努めていきたいと思います。以上でございます。

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