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委員会会議録

委員会補足文書

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平成26年10月人口減少対策特別委員会
一般社団法人移住・交流推進機構 総括参事 後藤千夏子氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/21/2014 会派名:


○後藤千夏子氏
 ただいま御紹介いただきました一般社団法人移住・交流推進機構の後藤でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 では、本日はこちらの目次に沿ってお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず初めに、自己紹介を兼ねまして、私がおります組織の概要、そして活動内容というところを御説明させていただきます。その後、移住・交流の動向ということで、数値データなどを少し御紹介するとともに、今、全国の自治体さんが移住・交流施策ということで取り組まれておりますので、そのトレンドということで幾つか御紹介をさせていただきます。
 またその後、JOINのほうでは、自治体会員と法人会員のマッチング事例ということで、官民連携の事業というものを進めておりますので、そのあたりも少し触れさせていただくというような、こういった流れで御説明のほうをさせていただきたいと思います。
 私がおりますこの一般社団法人移住・交流推進機構、こちら、名称が少し長いということで、下の英語の文字をとりまして、JOINというふうに愛称で通常は組織のほうを呼ばせていただいております。こちらは平成19年10月に任意団体として設立されておりまして、活動方針の一番大きな目的と申しますのは、都市から地方への移住・交流を推進することで地域の活性化に寄与しようというところにございます。
 そもそもの設立なんですけれども、総務省のほうに人口減少自治体の活性化に関する研究会というものが平成18年に立ち上がりまして、ちょうどそのときが2007年問題、団塊の世代の一斉退職というところが着目されていた、そういったときに退職されたシニアの方々を地方に持ってくることで人口減少問題が解決できないかということ、そういったことを研究する委員会のほうが立ち上がりました。そのときの座長というのが、ここにあります会長の島田晴雄先生ということで、当時慶応大学の教授、あるいは内閣府の特命顧問ということで活躍されていた先生です。島田先生と総務省の自治行政局、それから研究会に参加されていた有識者の方々、研究会自体は単年度で終わってしまうけれども、この活動を継続させようということで立ち上がった組織となっております。
 当初は任意団体ということで設立されたんですけれども、ことしトップに椎川忍という元総務省の自治行政局の自治財政局長をされた方なんですけれども、椎川さんが来られまして、ぜひ一般社団法人化をしたいというお話もございまして、ことしの4月1日に一般社団法人化をしております。また、組織の中は基本的には自治体の会員さん、それから法人の会員さんという会員様の会費により運営するという組織になっております。
 自治体会員様の数ですけれども、今、東京、神奈川、大阪を除く44道府県とその配下の1,127の市町村が会員ということで御登録いただいております。こちら年会費というのがございまして、都道府県様には年会費30万円をいただいておりまして、その配下の市町村は無料ということで御登録いただいております。静岡県様は35市町全てが会員ということで、御登録いただいております。
 続きまして、こちらが法人会員の一覧になります。非常に多種多様な業種の企業様が御入会いただいております。最近ではまち・ひと・しごと創生本部ができたとか、いろいろ地域のビジネスが熱いのではないかということで、私どもの団体に入会したいという企業さんが結構たくさんお問い合わせをいただいたり、お話を聞きに来ていただいたりということで、かなり企業さんの業種の広がりを見せているような状況でございます。
 これが私どものほうの事務局スタッフのメンバーです。いろいろな自治体さんを回る際に、顔写真をつけてできるだけ親しみを持っていただこうということで、顔写真付のスライドを御用意しております。基本的に大体2年から3年間の出向者ということで、事務局のほうは運営しております。この写真で申しますと、上のほうがちょうど民間企業からの出向者、下が自治体からの出向者ということで構成されております。
 ちなみに、人件費のほうは全て出向元のほうで負担しておりますので、会員様からいただいております会費は全て移住・交流を推進するための事業費ということで使わせていただいております。
 では、続きまして具体的な事業概要というところを御説明させていただきたいと思います。
 こちらが今年度、年度当初に作成した事業計画というふうになっております。4つの柱がございますけれども、メインになるのが上の2つということで、1つが移住・交流を希望される個人の方々に情報発信を行う情報発信事業というのが1つの大きな柱になっております。2つ目は(2)、先ほど申しましたように自治体の会員さんと法人会員さん、この2つをマッチングさせることで新しいビジネスモデルをつくっていく、そういったところを事業の大きな柱ということで掲げております。
 こちらが私どもが運営するホームページです。JOINというところが運営しておりますニッポン移住・交流ナビというホームページのトップ画面になっております。これは、基本的にまだ具体的な移住の候補地が決まっていない、けれども何となく移住に興味がある、そういった方々にいかに情報を発信していくかというコンセプトで、いわゆる移住初心者という方をターゲットに置いてつくられているホームページになります。
 例えば、この@というところはJOINのほうで行っております調査報告などを発信しております。それからこのABというところは私どものほうでいろいろな特集記事というものを企画しております。赤い枠があるところです。ちょっと小さくて見にくいんですけれども、仕事情報と空き家バンク・住まい情報、それから移住お試しツアーなどのイベント・プログラム情報です。このCDEの部分というのは、各会員の自治体様が自分たちでIDとパスワードのほうを私どもが付与しますので、自由に発信できるという形で運営しているようなホームページになっております。
 例えば、先ほどの空き家バンク・住まい情報というところをクリックしますと、こういった日本地図が出てまいります。例えば静岡県さんの場合は東海という地域をクリックすると、こういった形で静岡県内の空き家バンクを運営している自治体さんの団体名とPR文、あと本当はここに顔写真を載せていただきたいなというふうに思っているんですけれども、なかなか顔写真を載せていただけている自治体さんは少ないんですけれども、お問い合わせをしたいというときにたらい回しにならないようにということで、市町村の名前とさらに担当部署ですね、そういったところのお名前も記載していただく、あるいは電話番号も掲載していただくという形で空き家バンクの情報を発信できる形になっております。
 それから、本来ですといろいろな新着物件もここの場所に、熱心なところはたくさんずらっと並ぶような、そういった形で発信ができる、そういった形になっております。この空き家バンクに関しては、大体月にページビュー11万人ということで、YahooとかGoogleなどの検索サイトに空き家とか空き家バンクというふうに入力しますと、JOINのサイトが結構トップのほうに表示をされるということで、自治体の皆さんにもぜひこのホームページのほうにも情報を登録していただくことで、全国ベースに空き家バンクの情報を発信していただく、そういった仕組みを構築して運営しております。
 これはJOINのホームページのアクセス数の推移ということで御紹介しているんですけれども、このホームページを開設したのが大体2009年のころというのが、大体10万ページビューを超えるぐらいだったんですけれども、どんどん数字が伸びまして、今では直近で60万を超えるぐらいのページビューということで、こういった割とニッチな市場に関して言えば、かなりホームページのアクセス数というのは伸びているのかなというふうに私どもも自負しております。
 次ですけれども、ネットだけではなくリアルの場でも情報発信ができる仕組みということで御提供しておりますのが、年に一度、JOINの移住・交流イベントというものと、総務省の地域おこし協力隊の募集説明会というもの、2つを合同で東京のビッグサイトでフェアというものを開催しております。今年度は1月18日の日曜日ということで、ビッグサイト西4ホールのほうでイベントを実施する予定になっております。大体昨年で130団体の自治体さんに御出展をいただいております。ことしも同じあるいはそれ以上の自治体さんに御出展をいただきたいというふうに、私ども今ちょうど出展者の募集を行っているところでございます。
 さて、今お話ししたのが情報発信事業の1つの柱。次の2番目の柱ということで、自治体会員と法人会員のマッチング支援事業ということで、具体的に何を行っているかというのを1枚にまとめたものがこちらの表になります。
 まず1つは、企画会議の実施ということで、法人会員さんの要望あるいは自治体会員さんがこんなことをやりたいんですというような御相談、そういったものを事務局のほうで受けまして、いろいろと企画会議というものを実施しております。後ほどまたその事例のほうを御紹介したいと思います。
 それから次のところなんですけれども、やはりビジネスモデルをつくるというときに、なかなかその企業さんで移住・交流の分野というのは余りその予算がつかないということで、新しいビジネスを立ち上げる最初の初期投資というところで、若干ではあるんですけれども、新コラボ企画事業費の助成事業ということで、お金の部分での御支援というものも私どものほうで行っております。タイプも2つございまして、大体この法人会員の会費というのは特別法人会員100万円、一般法人会員50万円なんですけれども、会費相当額の助成金をお出ししますよというお金の部分での御支援というのも行っております。
 それから、リアルマッチングの御支援ということで、いろいろなテーマ別プレゼン事業というのは、企業さんが自治体さんに向けてプレゼンを行っていただくリアルの場をセッティングしたりですとか、あるいはこういった企業さんと会いたいんですという自治体さんの御要望を聞いて、実際にお引き合わせをする、あるいは企業さんが自治体会員さんにこんなイベントの出展の募集をしたいとか、あるいはこういったイベントの開催をするので御案内をしたい、研修会を開催しますとか、そういった情報発信などのお手伝いということもさせていただいております。
 なかなかイメージがわきにくいと思いますので、後ほど事例のほうを御紹介する中でイメージしていただければいいのかなというふうに思います。
 次に、(3)移住・交流に関する自治体政策策定支援ということで、3つ目の柱というところで、私どものほうでも独自でいろいろな移住・交流にかかわる部分の調査報告書というのをまとめております。先ほどのホームページのトップページのバナーのところにもあったんですけれども、空き家バンクの自治体調査報告というのを、これは私のほうで担当してまとめたものなんですけれども、その報告書をホームページにアップしたところ、かなり新聞社さんのほうからもお問い合わせがございました。意外に国土交通省さんとかは、余り数字を空き家バンクの実態というところでまとめていらっしゃらない、統計がないということで、かなりたくさんの新聞記者の方からお問い合わせをいただきまして、JOINの名前も出していただくということで、こういった記事に掲載していただくことができましたので、御紹介だけさせていただきます。
 あと先ほど申しましたように、交流会の場を2つほどやっております。東京での交流会というのは次回は1月19日ということで、年3回ぐらい、自治体会員さんと法人会員さんがリアルでお会いして、例えば自治体の先進事例の発表などがあって、それを聞いた後に名刺交換ができる場ですとか、そういったものも私どものほうで運営させていただいております。
 最後に4番目ですけれども、総務省の地域おこし協力隊という制度、御存じかと思いますけれども、安倍総理が協力隊の隊員を3年間で今までの1,000人から今後3,000人に増員しようというお話があったかと思うんですけれども、その協力隊の総務省が進めていらっしゃる制度を、私どものほうでもいろいろと御支援をしていくという形をとらせていただいております。これは地域おこし協力隊のホームページというものも運営しておりまして、あの制度というのは自治体から募集情報というのを掲載するんですけれども、そういった自治体さんが今、隊員を募集していますよという情報をまとめたポータルサイトという形で運用をしております。
 そのほかにも、隊員希望者登録システムというのがございまして、逆マッチングということで、現在400名ぐらいの方に御登録いただいているんですけれども、余り地域を指定せずに隊員になりたいという方が、結構若い方でいらっしゃるんです。そういった方々の情報をこのシステムのほうに登録していただいて、自治体さんが例えば東京で募集の説明会を開催するですとか、そういったときにそのデータベースをCSVという形式でダウンロードして、その方々に案内を送る、そんな形で運営をできるようなものも御提供しております。
 協力隊に関しましては、これから3,000人にということで、総務省のほうでもなかなかその支援制度のところまで手が回らないというお話がございますので、JOINのほうもかなり手厚く御協力をしていく体制というのをとっていきたいというふうに今計画をしているところでございます。
 協力隊の隊員というのは大体3年間ですね、任期を終えた後、地域に定住してもらうというところが目的となっていると思うんですけれども、なかなかその起業をするためのスキルというところが今、隊員さんのほうに余り持ち得てない方が多いということで、そういった方々を対象にした研修会などもJOINのほうで開催しております。
 一通り活動状況ということで今お話ししてまいりましたけれども、ここからは少しデータを見まして移住・交流の最新動向ということでお話を続けさせていただきたいと思います。
 こちらが総務省のほうで住民基本台帳人口移動報告、平成25年度の結果というものが公表されている資料なんですけれども、都道府県別の転出・転入者数というところを見ますと、やはり転入超過というのは9つの都道府県に限られてしまっているというような状況がおわかりいただけるかと思います。まち・ひと・しごと創生本部の会議のほうででも、安倍総理が地方に仕事をつくって、新しい人の流れをつくって、東京への人口の一極集中、これを解消したいというお話をされていますけれども、やはり東京への一極集中というのは、このグラフをごらんいただいてもかなり進んでいるのだなというところが実感できるのではないかと思います。
 さらに、これは同じ調査報告のほうで、静岡県のほうの転出超過数ということでグラフのほうをお持ちしてみました。もう皆様よく御承知おきだと思うんですけれども、これを特集した日経新聞の記事を拝見したんですけれども、やはり県内35市町村のうち28市町村が社会減ということで、中でも沼津市さんが一番最多だというお話がございました。その理由というのが、日経新聞のほうを拝見すると、やはり企業の支店や支社などの閉鎖により雇用の場が失われている影響が大きいというコメントが掲載されておりました。
 私も民間の人間なんですけれども、確かに地域の私の会社はITの会社なんですけれども、SE会社を統廃合しようとか、あるいは工場を縮小するとかいうことに伴って、支社、支店が閉鎖されたりというような、そんなことも起きているのかなというふうに強く感じております。多分工場誘致とか、あるいは企業誘致というのは、かなり今、グローバルな競争ということもございますので、非常に厳しい状況なのではないかなというところを感じております。
 では、実際に東京に一極集中をしているという現状は今、おわかりいただけたかと思うんですけれども、実際に大都市圏に住む方々の移住への意向というのはどういったものかというのを、調査した調査報告書になっております。これは、大都市圏、東京、名古屋、大阪に住まわれている約6万7000人の方、25歳から75歳の方に移住の意向がありますかというのを調査した報告書になっております。この青い部分というのが具体的な計画がある方。この赤い部分というのは何となく移住を考えているということで、この2つを足したところが移住の意向がある方というふうにごらんいただければいいのかなと思います。それが全体でこの大都市圏の居住者の中の20.5%の方というのは、何となくも含めれば地方移住の意向があるというふうにこちらの調査で結果が出ております。また、女性よりもやはり男性のほうが移住という部分では非常に関心が高いということがうかがわれます。多分男性のほうが非常にロマンチストで、田舎暮らしにロマンを求めてということで、全体的に移住の意向が高いというところが見てとれるのではないかというふうに思います。
 それから、移住というと今までやはりシニアの方々が中心というふうに思われているんですけれども、これが意外に違って、女性の場合、一番移住の意向が高いのは、女性30代以下という、こういった若い女性の方々というのが意外に田舎暮らしに関心が高いという、そういったこともこのグラフから見てとれるのではないかと思います。
 それから男性の場合も、30代、40代、50代、ほとんど同率なんです。ですから、これまで移住というとリタイアされたシニア層の方々というのが対象と思われていると思うんですけれども、今、こういった6万7000人という結構分母の大きい調査でも、意外に大都市圏に住む若い方々が移住に関心を持ってくださっている、こういったニーズを掘り起こしていく必要があるというところがこの表のほうからおわかりいただけるのではないかというふうに思われます。
 さらに、詳しく見てまいりますと、その具体的に移住を検討していると答えた3,500人の方を対象としたその理由というところなんですけれども、全体の約6割弱というのが、やはり自然豊かな環境で暮らしたいというところが一番なんですけれども、男性の30代、40代以下、何が移住のきっかけになるかというと、働き方を変えたい、都会で終電まで働いて、朝満員電車に揺られてといった、そういう生活に少し疲れている方というのも結構多くて、働き方を変えたいという方が移住ということを選択肢として考えている方がいらっしゃるということだと思います。
 それから女性の場合は、子育てです。子育ての環境というところで移住に非常に関心をお持ちだということです。それから都会は非常に家賃も高くて住宅環境が悪いということもございますので、広々とした住宅を確保できるというところで、女性の若い方々というのは田舎暮らしに憧れを持っていらっしゃるということがおわかりいただけるのかと思います。
 では、続きまして、自治体の動向ということで、全国の自治体さんのほうで実施されている移住施策のトレンドということで少し御紹介したいというふうに思います。
 こちら、10月4日に日経新聞の夕刊の一面に出ていたんですけれども、例の消滅可能性都市とされた市区町村884の自治体を調査したところ、人口減に関する予算をふやす、あるいは新設するという意向の方が全体の4割というふうに回答が返ってきているということです。その中で内容はというと、子育て、婚活支援、あるいは定住促進、このあたりに予算をつけようということで、自治体さん、かなり予算の計上をされる予定だということがおわかりいただけるかと思います。
 それで、例えばこの記事の中には、大分県の豊後高田市さんというところがあるんですけれども、ここは100を超える支援制度をそろえているということがひとつの売りだというふうにおっしゃっています。豊後高田市のほうは、私、以前、空き家バンクの調査ということで実際にお伺いしたことがあるんですけれども、特に人口3万人弱ということで、特に地域としてそんなに何がアピールできるというのがあるわけではないということなんですけれども、支援制度を充実させるということで人を引っ張ってくるということで、成功している自治体さんの1つです。そこの女性の課長さんだったんですけれども、非常に熱心な課長さんがいらっしゃいまして、例えば空き家バンクの物件を発掘するために、市長の同窓会に自分も同席をして、空き家バンクの制度を宣伝して、地元の有力な方々に空き家バンクにぜひ物件を登録してほしいということを営業をかけていますとか、もうとにかく土日返上でその課長さん、かなり頑張って移住施策の取り組みということで動かれている、そういった自治体の方の熱意とやる気というところで成果を上げているのではないかなということがおわかりいただけると思います。
 なので、支援制度だけを整備すればいいということではないと思うんですけれども、今のトレンドとして自治体さんのほうでたくさんの支援制度を取りそろえられているというところが、ひとつ御紹介できる部分ではないかと思ってお持ちしております。
 これは、JOINのほうでも特集記事ということで、1年に1回、全国の自治体さんの支援制度をまとめた特集記事というのを発表しております。ことしも会員さん、皆さんに照会をかけまして、429の自治体さんが御回答をいただいて、2,922の支援制度を御紹介しております。それを、住まい、子育て、仕事、移住体験というふうに分野別に編集して掲載している。例えばキャッチなものですね、そういったものを個々に掲載するということで、一覧も見ることができます。この特集というのが非常に人気が高い。年間を通じてアクセス数が非常に多い特集なんですけれども、例えばシングルマザーの方がどこか田舎暮らしを考えるというときに、こういった全国の支援制度が一覧にまとまっているというところで、例えば子育てでどんな支援制度があるんだろうとか、学童保育の仕組みはあるのかとか、そういったところを全国を比較検討できるということで、この支援制度の一覧というのが活用されているのではないかというふうに思います。
 ただ、私的にはただ予算を用意するということだけではなくて、やはり支援制度をつくる、簡単に移住者がふえるという一足飛びな流れがあるわけではなく、やはりその町の今後の進みたい方向ですとか、あるいはうちの町はどんな人に来てほしいんだというところですね。そういったところを明確に示す、そのメッセージをこの支援制度で発信するということが非常に重要なのではないかなというふうに感じております。むやみやたらに、全方位に移住してきてくださいというふうにアピールしても、なかなかそれでは来てくれないんです。ですから、やはり自分たちの町は例えば子育て世代、若い方々に来てほしいとか、あるいは非常に医療施設が整っているので、シニアの方々に安心して暮らせる町を提供できるとか、自分たちのその地域の特性をきちっと分析した上で、こういった支援制度をつくっていくということが重要なんではないかというふうに感じております。
 次に御紹介しますトレンドというのが、移住の相談窓口というものになります。移住を考えられる方というのは、最初はまずテレビですとか雑誌とかウェブサイト、あるいは実際に移住された方からお話を聞いて、何か移住に関心あるなというふうに感じるわけです。その後、多分今の若い方々、かなりお年の方でもネットを使えますので、情報収集をされる。ある程度自分は、こういったここの県がいいなとか、ここに行ってみたいなというところが絞られてくると、今度は具体的な相談窓口というところに足を運ばれる。そういうプロセスがあるというふうに思うんです。これまでは移住相談会というものを、例えば東京、大阪で開催する自治体さんというのは多かったんですけれども、もう最近は、東京に皆さんアンテナショップを開設していると思うんですけれども、そのアンテナショップの一角に移住相談窓口を開くという、それが最近のトレンドとしてかなりきてると思います。
 今、JOINの調査でやったときも、27の県が50の移住相談窓口というのを東京、名古屋、大阪、広島、福岡というところに開設していて、それを一覧化したものというのをホームページのほうから御案内をしている、そんなことも私どものほうで行っております。
 ちなみに、事例として御紹介いたしますと、高知県さんというのは、やはりかなり移住・交流の部分、力を入れていらっしゃる自治体さんなんですけれども、2012年にこういった女性6人の移住コンシェルジュという仕組みを立ち上げております。女性の相談員ということで、非常にきめ細かいサポートができる。あと、住まいですとか仕事、あるいは子供の教育、そういったところをワンストップで御紹介できるということで、こういった移住コンシェルジュという仕組みを、県がパソナさんという会社に委託事業ということで出して、パソナさんが実際に彼女たちを雇って運営しているというものです。
 当初は高知県に6人いらっしゃったんですけれども、非常にこの仕組みが有効だということで、有楽町、銀座にある高知のアンテナショップ、まるごと高知というところに、この中の1人の女性が相談窓口ということで東京にずっと住んで、東京での窓口相談ということを受けております。高知県の会議なんかにも私、出席させていただいていますので、彼女とも親しいんですけれども、何が彼女がすごいかなというと、ハローワークなんかにも載っていない、例えばその仕事情報です。そういった仕事情報、地元企業さんの求人情報には出ないような仕事情報を彼女が自分のネットワークでたくさんデータベースを持ってらっしゃるんです。なので、来られた方全員にその情報を発信するわけじゃなくて、来た方でこの人なら経営者と気が合いそうだなと思う方に小出しにその情報を出してマッチングをするという、そういったきめ細かいサービスができるというところが強味ではないかというふうに思います。
 この相談窓口、今週末には長野県さんが今度アンテナショップを銀座のほうに開設するということなんですけれども、やはり新しく新設するアンテナショップのところにも移住相談窓口を置いて、大々的に移住政策、力を入れていかれるというお話も聞いておりますし、かなり今のトレンドとしては、東京などのアンテナショップに相談窓口を開設して、ワンストップで移住の御相談に乗る、こういったところが今の一つトレンドとしてきているのではないかというふうに思います。
 次に、もう1つだけ事例として、島根県の取り組みです。私どもの事務局のほうに、ふるさと島根定住財団からの出向者がおりますので、島根県の活動状況というのは手にとるように隣で動いてますのでよくわかるんですけれども、やはり人口が70万人を切っているということで、もうすごく熱心に、そして予算もたくさんかけて、かなり真剣さが違うなというのを隣で見ていて非常に実感するところでございます。
 島根県さんも、まず先ほど申しました相談窓口を東京、大阪、あと広島にも持っていらっしゃいます。ここに定住アドバイザーの方と、さらに人材誘致コーディネーターという女性の方も配置して、東京の場合2名の体制で相談窓口を運営しております。この定住アドバイザーというのは相談窓口の方なんですけれども、人材誘致コーディネーターという方は攻めの営業ということで、例えば大学を回ってUターンしませんかという働きかけをしたりですとか、企業を回って一緒に相談会を開設しませんかとか、そういった営業活動をされているんです。だから、島根県はしょっちゅう東京でいろんなイベントを開催しています。特にやはり若い世代に来てほしいということで、大学生を何とか取り込もうということで、日々そういったイベントを開催して、特に海士町の成功の事例とかというのが若い方にはすごく刺激的な事例だということで、結構その海士町で若い方で活躍している方をゲストに招いて、その方のお話を聞く会とかいうと、100人ぐらい人が集まったというようなお話も聞いております。
 あと、自治体のほうは県内の19市町村全てに定住支援員というものを配置をして、移住前から移住後のフォローまで現場でサポートする、そういった仕組みというのも島根県のほうは確立させていらっしゃるということで、この定住財団もすごく一生懸命やられているんですけれども、皆さんが一緒になって、一丸となって総合力で島根県の定住支援というのを取り組まれているんだなというところを実感しております。
 では、最後になりますが、私どものほうのマッチング事例というところを少し簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。
 1つ目は、仕事ということで、仕事をキーワードにした事例なんですけれども、業界最大級という転職希望者向けの求人情報サイト、DODAというサイトがあるんですけれども、そこを運営するインテリジェンスさんと楽園信州さん、これはU・Iターンの就職・転職情報を発信される県の推進協議会なんですけれども、この2つがマッチングした事例になります。
 このDODAの求人情報のサービスの中に、地方で働くU・Iターン求人特集というものをつくっていただいたんです。長野県さんの楽園信州というところのホームページには、県内の求人情報、いっぱいそろっているんですけれども、なかなかやはり全国版で見てもらえないというところで、では一般の民間の求人情報サイトに載せれば、もっと広くあまねく見てもらえるんじゃないかということで、この仕組みが誕生しております。この地方で働くU・Iターン求人特集という、こういったサイトをインテリジェンスさんのDODAのサイトにつくっていただきまして、そこにリンクを張っていただく、こんな仕組みをつくっております。このサイトを通じて、半年間で約40名ぐらいIターンの方が就職が決まったというふうに伺っています。
 これをまず長野県の事例をつくった後、インテリジェンスさんが全国47都道府県を回られて営業をかけたところ、昨年度30件ぐらい、有料で、大体掲載に20万円ぐらいかかるということだったんですけれども、登録いただいたという事例がございます。
 それから、次は北海道の名寄市というところで、多分余り御存じないと思うんですけれども、実はここ、モチ米の生産が非常に盛んで、赤福というお菓子のモチ米なんかは、この名寄市のモチ米を使っているそうです。あと、雪見大福というお菓子も名寄市のモチ米、だけどもなかなかモチ米は使われているけれども、名寄市自体の知名度が低いということで、ぐるなびさんと連携して何かできないかということで企画したのが次の事業になります。
 東京の表参道というおしゃれなところのレストランを1日貸し切りまして、名寄市の食材をアピールする名寄市の日というのを開催しています。このアイコというのは何か名寄の非常に有名な高級トマトなんですけれども、それを使ったカクテルとか、先ほどのモチ米を使ったデザートとか、そういったものを提供するという仕組みなんです。この方がお若いんですけれども、名寄の市長さんです。私も何回かお会いしたことがあるんですけれども、来場された方のところを皆さんぐるぐる回って御挨拶をされて、ここには名寄市への移住を考えている方なんかも出席していただいていると。あるいはこういった今、ブロガーという方がいらっしゃって、どうやって生計を立てているのかよくわからないんですけれども、非常に華やかなお姉さん方がおいしいものがあるというと来て、それを写真に写してfacebookとかそういったものにアップして、またこういったネットワークの中に名寄を発信する、何かそんな仕組みをつくって、おしゃれに宣伝をするという。シェフの方も名寄市出身の方が、自分の思いを持って対応してくださっているということで、名寄市のファンを獲得するためのイベントを実施したという事例になります。
 最後に、もう1つ、この前も婚活のお話だったというふうに伺っておりますけれども、長野県の飯島町とエキサイト株式会社さんというところのマッチング事例です。この飯島町さんというところは、首長さんが議会で何とかその男性陣、独身男性に出会いが少ないので、何とか私の力で頑張りますということを議会でお約束してしまって、それがおりてきた町の職員の方がどうしたものかと頭を抱えて、JOINに御相談に来られました。そこで、私どももわからないんで、エキサイトさんという会社さんとお引き合わせをして、新しい仕組みをつくろうということで、まず一つはエキサイト恋愛結婚というネットのところに、ふるさと婚活というページをつくっていただいて、ふるさとの情報と飯島町の独身男性の顔写真を出して、うちにお嫁に来てくださる方いませんかということを発信するという仕組みをつくりました。
 それから、実際には、リアルの婚活、お見合いパーティーです。そういったものも開催をされるということで、なかなか行政職員だけで企画をしても地味になってしまうということで、こういったエキサイトさんみたいなプロの方がいろんなアドバイスをしてということで、下期だけで4回ぐらいイベントを開催したんですけれども、開催案内というのをエキサイトと連携して発信をしたということで、全ての会に定員以上の申し込みをいただいたということでした。
 実は私も独身なので、一応取材という名目で、サクラでこの中に参加させていただいたんですけれども、私の感想としましては、非常に東京から来た30代後半の女性というのは婚活熱心です。本当は東京で多分結婚相手が見つかればよかったんだけれども、やっぱりなかなか東京でいい出会いがなかった。大体事務系のOLをやっている方というのは、だんだん若い子が入ってくると会社にもいづらくなるというようなことをおっしゃってたんですけれども、そういった意味で、とにかく収入があれば地方でもいいとか、あるいは看護師さんの資格を持ってて、私は地方に行っても働き口があるとか、そういった感じで皆さんすごく熱心に、東京の婚活パーティーで知り合った2人組で来ましたとか、東京の女性はパワフルでした。ただ、実際には地元の男性陣のほうがなかなか会話の糸口がつかめないみたいで、何か私もあわよくばと思って行ったんですけれども、なかなか盛り上げ役に徹してしまったという感じで、あんまり女性なれしていないかなという感じはしました。
 この事例を見て、ことしは青森県さんが1泊2日の旅行仕立てのお見合いパーティーというのを企画されたんです。エキサイトさんにさらにJTBも加わって、例えば弘前市でお見合いパーティーをやります、ただしお見合いパーティーは半日なので、それ以外にも弘前市の観光名所とかそういったところを回って地域の魅力を見ていただいて、すてきな男性に出会えなくても、町のファンに、地域のファンになってもらう、その仕組みを企画して、青森県さんのほうでもこういったふるさと婚活の仕組みというのを今実施していただいています。
 本当にまだまだ小粒ではあるんですけれども、行政だけでやるよりは、民間のいろんなノウハウとか、そういったものをうまく取り入れていただくというのも、こういった移住・交流施策を推進する上での一つの方法なんではないかというふうに考えております。
 今、人口減少対策ということだったので、一応婚活支援事業の例ということで、調査報告をまとめてる途中なんですけれども、各自治体さんでどんなことをやっているかというのを、まだ私も1件1件の内容を確認を終えていないんですけれども、御参考までにこういったものをお持ちしました。いろいろと皆さん、発想を膨らませて、いろんな形で出会いの場をつくるということに自治体さんが熱心に取り組まれている1つの事例かというふうに思います。
 ほかにも、最初のほうでお話ししたんですけれども、いろいろな助成金を出した中で、例えば吉本芸人さんを活用して、芸人さんが来る都市と農村の就農に関する意識創出事業ということで、イベントですね。そういったものにタレントさんを呼ぶことで、若い女子高生なんかにも人気を持ってもらおうとか、あるいはミサワホーム総研さんなんかは、単なるお試しツアーではなくて、移住を考える上では将来の資金計画とか、そういったことも重要だろうということで、そういったセミナーとあわせたイベントを企画されたりということで、ことしも助成事業の採択結果ということで、こんな事業が採択されております。
 最後に、少しだけ私のほうから総括としてお話をさせていただきたいと思います。
 人口減少という中で、正直、感じるのが、どこの自治体さんも――特に人口減少が激しい自治体さんというのは――すごく熱心に移住・交流施策を実施されているなというところを実感しております。残念ながら地域間競争ということであれば、少しでも早目にこういった政策に取り組む必要があるのではないかというふうに考えております。ただ、これまで人口減少対策イコール企業誘致ですとか工業誘致というところがあったのではないかというふうに思うんですけれども、そういった大企業が来て多くの人を呼び込む、でももし撤退してしまったときにその打撃は非常に大きいと思うんです。そうではなくて、それはそれで非常に重要な施策、でも2本柱で、2つ同時並行で人材誘致という観点で、今後の地域がどういう姿を、御自分たちの地域がどういうふうにこれから発展していくべきかというところの将来像を描いた中で人材誘致ということを進めていくのが重要なのではないかなというふうに思います。
 先ほどの婚活ではないんですけど、やっぱり結婚相手を選ぶのと同じだと思うんです。自分の地域にどんな地域の特性があるのか、理想だけ言っていてもだめだし、自分はこのぐらいの年齢でこのぐらいの容姿でとか、いろんなことを自分自身を客観的に判断をして、自分につり合う人はどういう人かなというのをきちっとわかっている人のほうが意外に早く結婚できるんだなというのを思うんです。例えばお金持ちだったら絶対という方は、お金持ちの人が見つかればぱっと結婚します。それと同じで、こういった移住施策も、地域の特性とか、自分たちの地域が何が魅力的なのか、あるいはどういう方向に引っ張っていくか。余りないものねだりをしてもだめで、自分たちの地域が戦える土壌で移住者を呼び込むような、そういう仕組みというのを、試行錯誤、PDCAを回していく中で、一つ一つ見出していくというのが重要なのではないかというふうに思います。
 皆さん、そんなに、もうこの一手を打ったら移住者がふえましたというふうな、そんな簡単な施策が実施できている自治体さんはないので、皆さんいろいろ苦労されてやられているんだというふうに思います。ですから、そういった意味ではいち早くこういった施策をやっていくことが、消滅可能性都市とかというお話もありますけれども、やはり生き残る一つの地域の道なのではないかなというふうに強く感じております。
 それからもう1つは、やはり先ほど申しましたように、移住・定住施策を推進するためには、行政単独で進めるのではなくて、民間企業というのは、それこそ東京資本の大企業もですけれども、やはり地場の企業さんです。そういったところともうまく連携して、移住者を呼び込むためには、雇用を創出することというのが非常に重要になりますので、企業誘致だけではなくて、地元に職、雇用を創出するような仕組みというのを、例えば移住は地域政策課がやっていて、雇用は産業政策課がやっていて、あと移住されてくる方は結構農業をやりたいという方がいらっしゃる。農業は農村振興課がやっていてということで、皆さん多分、縦割りになっているところをもう少しうまく連携をして、いかに雇用をつくっていくかというところをじっくり考えて、それで移住施策をやっていくという、そういう仕組みが非常に重要になってくるのではないかというふうに考えております。
 JOINが御支援できることというのは、本当に少ないと思います。主役はやはり地域の皆さんですし、あと行政だけではなく、やはり地域の住民の方の声とか、あるいは御一緒に頑張っているNPOの方とか、そういった方々をうまく巻き込んでいくことも重要なんですけれども、私どもとして情報発信の強化ですとか、最近、マスコミの取材なんかも非常に多いので、そういったところで若者、子育て世代に新たなライフスタイルということで提案をしていきたいというふうに思っております。
 それから、先ほど申しましたように、自治体の方が例えば民間のノウハウをということがあれば、JOINのほうに御相談いただければ、いろんな官民連携の仕組みづくりというところを御一緒にさせていただきたいというふうに思っております。
 以上、稚拙な説明ですけれども、私のほうからはまず御説明というところで、ここで御説明のほうを終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○池谷委員長
 ありがとうございました。
 以上で後藤様からの意見陳述は終わりました。
 それではこれより質疑に入ります。
 委員の方にお願いをいたします。
 質問はまとめてということでなく、なるべく一問一答方式でお願いをしたいと思います。
 それでは、御質問、御意見等がございましたら御発言をお願いいたします。

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