• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成22年8月過疎・中山間地域振興特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:08/06/2010
会派名:平成21


○阿部(卓)委員
 各説明に関して順番に聞かせていただきます。
 まず、経営管理部の所管事項の中で過疎地域自立促進方針案としてパブコメに出すものの中で、ちょっと質問を幾つかいたします。11ページの中に「過疎地域自立促進の基本的な方向」ということで説明が出ていて、その中にア「過疎地域の魅力・強みを生かした地域づくり」、@「ライフスタイルのイノベーション」、A「大地・森・海の恵みを生かすルネッサンス」とありますが、こういうものは必ずそうなんですが、言葉は非常に美しいのですが、これは実は具体策がとても大切だと思います。それぞれ実施主体は市町であるということになるのかもしれませんが、県として、具体策として何かお持ちであるのか。あれば、開示をしていただきたいなと思います。@とAです。

 それから、Bの「輝く魅力による大交流」というのがありますが、過疎地域をこれからも衰退させないために交流で有効なのは何というふうにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 私の認識で言うと、都市との交流というのは、例えばクラインガルテンなんかの交流の場合があります。クラインガルテンをつくって、そこに都市住民に来てもらうと。一例ですが。その場合のいろんな事例を山梨県や長野県の資料を読むと、どうも来るのだけれども、都市住民に来てもらう1つの目的は、そこでお金を落としてもらうことなんですが、クラインガルテンですから、中長期滞在をしても、生活物資は都市部で買ってきてしまって、ここに暮らすことは暮らすんだけれども、実際はその村の商店から物を買わない。その村の経済に寄与しないという事例も多々あるそうです。そのあたり、この「交流人口の拡大」というところで、一過性のもので終わらないという考えをお持ちなのか。その辺のクラインガルテンとか、何というんですか、二重居住――都市と田舎に住宅、住まいを持つという場合でも、経済が回らなければ、来る人は満足するけれども、その地域としては何のメリットもないということが生まれてしまってはしようがないと思うので、そのあたりをもう少し突き詰めてお考えになってもいいと思うんですが、どうお考えか、お聞きしたいと思います。

 それから、この次の12ページに「生活基盤の整備」というのがあるんですが、これは道路、公共施設等があるんです。静岡県の場合は全域過疎の伊豆半島のまちと一部過疎として浜松市や島田市があるのですが、私は浜松市でありまして――中谷先生がおいでですが――天竜区については私の実感として、政令市になったがために、この生活基盤の整備がおくれたのではないかととらえています。これは所管が交通基盤部に行くのかもしれませんが、その辺はどうお考えなのか。どう感じておられるか、率直な意見をお聞かせいただきたいと思います。
 これは私の持論なんですが――中谷先生に怒られるかもしれませんが――天竜区は今のまま政令市でいるよりも、離婚をさせてやって県が面倒を見たほうが天竜区にとっては幸せじゃないかと、最近特に思います。その辺どうお感じなのか、率直にお聞かせいただきたいと思います。

 それから、文化・観光部の所管ですが、文化の資料の1にある「文化を支える分野別ミーティング」、これは非常にいいことだと思います。ただ、ここにどういう方々をお招きしているのか、もうメンバーが固まっておれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

 それから、これは教育委員会にもかかわってきますが、古典芸能の紹介として「県内の古典民俗芸能の活動を映像にまとめ、ホームページ上で公開する」とあります。また、「産業遺産再発見」というのがあります。先ほどの教育委員会の御説明の中で、「静岡県民俗芸能フェスティバル」というのがありましたね。これは、双方すばらしい取り組みだと思います。ただ、これを、ばらばらやっていても、もったいない気がします。どうせなら、これは協働をして、もっと大々的にやるべき。例えば、この教育委員会の資料を見ていると、東、中、西と順番でやっていますが、そうすると3年に一遍しか来ない。そうではなくて、東、中、西、必ず1カ所、年に1回やるというようにするとか。もしくは、私は2月議会で提案をしましたが、産業遺産もあわせて「静岡遺産」というまとめ方をしてしまい――九州遺産とか、北海道遺産とかやっていますが――そういうまとめ方をしてしまい、民放各局にも協力を求めて「静岡遺産」として番組を編集して県民に広く知っていただくとか、そういう情報発信をもっと強化をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 それから、あわせて、この古典芸能の発信は、全県を回るのは必要とは思いますが、発信拠点として、ここへ行けば、ある程度月に1回か2回は必ずその古典芸能をやっているというような発信拠点――ベースをつくるのも1つの案かとかねがね考えていますが、どのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

 それから、経済産業部です。鳥獣害が最近厳しいと。こういう過疎地域について特に厳しいんですが、この場合、何かと猟友会の皆様に御支援を仰ぐということになると思います。猟友会の皆さんに御支援を仰ぐのはいいんですが、猟友会の皆さんもなかなか最近は高齢化をされてきたり、実際そのメンバーも少なくなってきている。それで、猟友会の皆様からお聞きするのは、銃を撃つ練習をするところが大分老朽化をしていたり、場所が少ないと。こういう猟友会さんに対しての支援についてどうお考えなのか、もう一度お聞きしたいと思います。

 それからもう1つ、県産材についてですが、県産材の需要拡大を考えるときに、大工さんや工務店さんが主に県産材を使っていただいていますが、今、国の施策の中で、住宅を建ててもらおうというさまざまな施策がエコポイント等々、せっかく展開されています。大手メーカーのルートに乗せられないかと。大手メーカーのルートに乗せる努力というのを考えるのがいいと思うんですが、これは個々の製材所や材木業者さんが細々と売り込むよりも、静岡県挙げて、「静岡県の家」を静岡県で展開をしてほしいと。
 例えば積水さんとか、大和ハウスさんとか、そういうところの営業所があるわけですから、静岡バージョンとして、例えば床材、玄関材は地元産の木を使う。壁材は地元産の木を使う。「そういう静岡バージョンをつくろうよ、つくってくれよ」という働きかけも県としてできるのではないかと考えますが、いかがか、お伺いをします。

 最後に、教育委員会にお聞きします。
 教育委員会のこの民俗芸能に対する取り組みは非常に評価をするところですが、提案です。ちょっと所管をはみ出すかもしれませんが、提案です。
 今、教育委員会は高校の統合をお進めですが、私は2月の議会でも厳しく申し上げましたが、なぜ周辺部の高校だけを合併をするのか、おかしいと思っています。市立高校は都市部に立地せざるを得ない、経営上。だから、都市部の高校こそ過剰であって、都市部の高校を統廃合すべき。郡部の高校を統廃合していくというのは、ますます郡部の教育機会を奪っている。これは過疎化を教育委員会が促進してしまっている。私はそういうふうに感じています。ちゃんとそういう過疎化のことまで、過疎化をとめることまで考えて統廃合しているのかどうか、非常に不満を持っています。それについて、それは不満として申し上げますが、提案です。
 新設統合した高校には、総合学科というのをつくっていますと。総合学科はすばらしいんですという御説明を教育委員会の皆さんはされますが、実際、現場に行ってみると、すばらしくありません。何なんだと。前も教育委員会の方に申し上げましたが、総合学科のカリキュラムが3年間、組まれています。ところが、その3年目のカリキュラムを担当する先生がいません。「必ず来るんですか」と校長先生に聞くと、答えは「わかりません」です。そういういいかげんな形で周辺部、過疎地域の高校を統合してほしくない。そんな学科をつくらないでほしいというふうに私は思っていて、そんな学科をつくるぐらいだったら――ここから提案ですが――こういう地域に残る民俗芸能等を専攻する学科をつくったらどうかと。林業の技術を保全する学科をつくったらどうか。民俗芸能を伝承していく学科をつくったらどうか。そういうところにもっと頭を使っていただきたいと強く思っています。

 あわせてお聞きしますが、2月に、これも私は提案させてもらったんですが、文化芸大に「子供芸術大学」をつくったらどうかという御提案をしました。それについても、やはりこういう過疎地域に残る民俗芸能を子供たちに伝えていく。それによって、過疎地域のその踊りや風俗を継承している人たちは、「この大切なものをもっと伝えていかなければいかん、もっと守っていかなければいかん」という励みにもなりますし、場合によっては、子供たちがそこで感じることによって、これを本当に本物の過疎地域に見に行きたいというような形で、自然な形でその周辺にいる都市部の人たちの足が過疎地域に向く。過疎地域がずっと守ってきた大切な民俗芸能、風俗を肌で感じる、体感する。「この地域を守らなきゃいけない」という一体感を醸成していく。そういうことが県の過疎対策の取り組みではないかと思います。
 教育委員会以外にもはみ出しましたが、そのあたり、グランドデザインをきちんと描いてお答えができる方がいらっしゃることを期待して、質問をとりあえず終わりたいと思います。

○三ッ谷委員長
 要望でいいんですか、提案でいいんですか。今、最後の末尾がどうも中途半端でしたから。

○阿部(卓)委員
 提案についてどうお考えなのか、所見をいただきたいと思います。

○三ッ谷委員長
 所見だけでいいですね。

○阿部(卓)委員
 はい。

○鈴木自治行政課長
 過疎地域自立促進方針案の11ページに書いてある基本的な方向について、言葉はきれいだがということで、今、御質問をいただきました
 私どもとしますと、特に11ページのこの「快適な暮らし空間の実現」等につきまして、今、高齢化がこういう状況で進んでいる地域におきまして、特に集落の維持とか管理というところがやはり大きな問題として、今、浮かび上がっていると思っています。その中で、やはり1つには、住民の方がそこのところで高齢化になり、その地域の活性がなくなっているとともに、集落機能の低下ということになっているのだと思っています。
 この定住人口については、具体的に何かと言われますと――先ほど交流促進課等からありましたが――1つはやはりその地域との交流を通じて、交流が次に移住なりまた定住なりにつながるような施策をするというのが重要な点だろうと思っています。基本的には市町村が具体的な形で集落支援員の委嘱をしたりするようなやり方をしてきておりますけれども、その中を広域自治体たる県は、先ほどの交流促進課等の資料にありました交流なり、定住の促進の方向にということが施策だろうと思っております。
 また、産業等につきましては、6次産業化等のことも書いてございましたが、先ほどの説明の中にありました銘茶のブランド化と県産材の供給から需要へというようなことも含めて、また農家のいろんなレストランみたいなもの、先ほど「きらく市」の例が載っておりましたけれども、山村振興の1つのああいう事業を使いつつ行うというようなことでの施策を県が行うような、またそれを補助していくような施策になろうかと思います。

 あと、交流で有効なものは何かという御質問をいただいたんですけれども、一過性に終わらないというお話を先ほどされました。私どもは、集落の維持を1つ考える中で、施策として、その拠点となる集落のところで消費をする日用品の買い物をするような場所、やはりそこの部分、そこの機能というのは、交流人口なり、また観光で来られる方の消費につながるような形ですること。その都市の方が観光等で来られて、そこで消費をされる。そこが、その集落の機能を維持させる部分では大きな点だろうと思っておりますし、交流で何が有効なのかというところについては、それとともに、人と人が交流することがそこの地域を知ることにも当然つながるでしょうし、外へ出られている子供さん、またお孫さん等といろいろな形の交流というのは、そこの地域を支える部分での大きな点だろうと思っております。以上です。

○石川交流促進課長
 今の説明にちょっと私どもの課で関係ある、一過性に終わらない交流あるいは地域の経済的効果等々を含めて、一言申し上げたいと思います。
 私どもの交流促進課におきましては、まさしく今、先生がおっしゃいましたような交流の促進ということで、1つは、やはり過疎・中山間地域の持っている資源を生かした交流をしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っておりまして、その中で、やはり自然ですとか、農林漁業とか、そういったものを生かした交流という形で、グリーン・ツーリズムの促進というものを図ってございます。先ほど、子ども農山漁村交流プロジェクトという事業もありましたけれども、そういったものを通じて、まさに過疎・中山間地域にしかない資源を積極的に生かすことで交流を増していきたいというふうに思っております。
 その際には、一過性に終わるのではないか、あるいは経済効果はどうかというものもあるんですけれども、まずはお試し的な交流から始まって、より長期的、継続的な交流につなげていくということが重要だと思っておりまして、滞在型のグリーン・ツーリズムの促進ということで私どもの施策を進めていきたいと思っているところでございます。
 その交流のさらに進んだ形といたしまして、移住ですとか、定住という形も最終的にはあるのかなと思ってございます。そういったことを包括的、総合的に進めるための戦略を、今年度、策定することを検討しておりまして、今、その内容を関係する市町ですとか、もちろん庁内の関係課も含めて、どういった形で積極的な移住・定住促進策というものができるかということを検討してまいっているという状況にございます。以上でございます。

○澤田農山村共生課長
 銃を持つ人への支援という質問にお答えいたします。
 その前に、鳥獣害被害対策につきましては、鳥獣保護法――これは環境部が所管しておりますが――に基づく第10次鳥獣保護事業計画によって、防護さくなり、緩衝帯の設置など、有害鳥獣捕獲などを推進しているところでございますが、最近、イノシシ、シカ、猿などの野生鳥獣によりまして、農林水産業への深刻な被害が非常にふえてきたことから、20年2月、鳥獣被害防止特別措置法というものができ、うちの課で所管しているところでございます。
 それぞれの2つの法律がございますが、連携してやることが効果があるということもありまして、静岡県農林産物野生鳥獣被害対策連絡会というものを設置しまして、環境部の自然保護課さんとか、農業の関係である私たち、そして林業の関係者、農地の関係者なども入り、また民間では学識経験者、そして各地域の被害代表者、それと猟友会さんにも入っていただきながら、総合的に進めているところでございます。
 その中で、有害鳥獣駆除については――委員から説明がありましたように――猟友会さんには非常にお世話になっていると。課題としては、高齢化と、それによって人数が減ったこと。それに伴った事故があってはいけないものですから、そういうものに注意していきたいということでございます。
 質問に対しましては――鳥獣保護法に基づいた捕獲というのがありますが――担当する会議の中で出た話題を報告させていただきたいと思います。射撃場につきましては、県下7カ所、各地域バランスよく設置されているということを聞いております。これは県の教育委員会が所管しているということであり、補助した例はないということでございました。
 また、自然保護法に基づき、やはり安全な捕獲というのが重要でございます。環境部におきましては、狩猟技術の向上や狩猟事故防止のために狩猟事故防止対策事業ということで、約400万円ほどにより事業支援をしているところでございます。
以上でございます。

○村松道路企画課長
 天竜区の道路整備についてお答えいたします。
 天竜区が政令市になった後の事業費とか箇所数がどのようになっているかについては、ちょっと把握していないので、わかりかねるんですが、政令市になるときに合併支援重点道路整備事業等、事業費が集中的に入ったと。その後、事業費が薄くなってしまったという印象も1つはあるのではないかというふうに私は思います。それから、委員御存じのとおり、天竜区につきましては地形が急峻でありまして、事業費につきましても平地に比べてかなりお金がかかるという事情もあると思います。それで昨今の道路事業費につきましては――県もそうでございますが――かなり落ち込んでいますので、政令市においても、かなり苦慮しているのではないかというふうに考えます。以上でございます。

○後藤文化政策課長
 それでは、何点か御質問をいただきましたが、最初の分野別ミーティングのメンバーでございます。
 この分野別ミーティングにつきましては、全体会と、それから分科会の二本立てになっておりまして、まず全体会では、川勝知事が基調講演を行うということでございます。その後、衣・食・住の3つの分科会に分かれまして、それぞれコーディネーターは、衣の分野が伊坂正人、文芸大のデザイン学部の教授でございます。それから食のほうは、中村羊一郎、静岡産業大学の経営学部教授にお願いしております。それから住でございますけれども、宮川潤次、静岡文化芸術大学のデザイン学部の教授でございます。それで、これらの方々に分科会を仕切っていただくということでございますが、それぞれ地元のいろいろな生産にかかわる方、それから活動をしていらっしゃる方々何人かにそれぞれ事例発表をお願いをしてございます。

 次に、古典芸能の紹介、それから産業遺産、これらを教育委員会でやる民俗芸能フェスティバルと協働してやってみたらというような御提案をいただきました。
 これから協働の中身につきましては詰めたいと思いますけれども、我々のほうでも、せっかく古典芸能を取りまとめたビデオを作成しますので、例えば、その民俗芸能フェスティバルの会場で本番前にそういったビデオを放映するだとか、それから産業遺産の冊子や、去年、国文祭のときに郷土の先人を紹介する冊子をつくりましたが、そういった冊子なんかも見ていただけるような形がとれるんじゃないかなというように考えております。
 それから次に、いっそのこと、それらをまとめて「静岡遺産」として情報発信を強化していったらというような御提案でございます。
 確かに、ビデオをホームページ上で公開するとはいいましても、なかなかパソコンが手元にない環境にある方につきましては、なかなか見られないということであります。一番広範な方に見ていただける媒体はテレビでありますので、ビデオができ上がった段階で、どんな形で活用していただけるのか、いただけないのか、そこら辺をちょっとテレビ局に持ち込みをしまして働きかけを行いたいというふうに考えております。
 それから次に、古典芸能のベース――発信拠点をつくったらどうかという御提案でございます。
 これにつきましても、教育委員会のほうで毎年やっていただいております民俗芸能フェスティバルにおいて、いろんな地区の古典芸能を1カ所に集めて行うという方向ももちろん大事でしょうけれども、片や一方で、古典芸能とか民俗芸能は、それぞれの地域の風土だとか――何といいますか――生活に根差したものというようなことで、実際にその場所に行って見るということもとても大事なことなんじゃないかなと思っております。ですから、その場所に行って、その古典芸能を見ることに加えて、例えば食であるだとか、宿だとか、自然だとか、そういった情報を付加するような形で、それらの情報を組み合わせた形での情報発信をしていきたいというふうに考えております。

 それから、最後に、民俗芸能を子供芸術大学に取り入れたらというような御提案もございました。子供芸術大学につきましては、今、我々のところで、どんなカリキュラムでどんなスキームでというようなことを検討しているわけでございます。いずれにしましても、鑑賞するということよりか、実際に体験をしてもらうというようなことで、音楽だとか、踊りだとか、工芸だとか、どういうようなカリキュラムを取り込もうかというようなことを検討して、文芸大のほうともこれから協議に入るというような段取りでおりますので、その中で、民俗芸能もカリキュラムに加えられるかどうか、そこら辺も検討していきたいというふうに考えております。以上です。

○木村文化財保護課長
 今の文化政策課長さんの説明につけさせていただくという形で――幾つか所見ということでありましたので――3点ほどお話をさせていただきたいと思います。
 1点目ですけれども、この民俗芸能フェスティバルへの熱い思いを寄せていただきまして、本当にありがとうございます。御指摘のように、現在、東、中、西で開催をしております。これを毎年、東、中、西、1回ずつやったらどうかということで、もっと大々的にやったらどうかというお話だと思うんですけれども、私どもといたしましては、今、回数をふやすということよりも中身の充実ということで考えております。
 御存じのように、本課は文化財保護ということで、これに特化して今年度から新しいスタートを切っております。これまでさまざまな文化財の保護の活動をしてまいりましたけれども、その事業が本当に県民にとってニーズに合っているかとか、あるいは、ただそこで例えば演じるということだけではなくて、それぞれの伝えてきてくださっている方々の心とか、思いとか、願いとか、苦労とか、そういった芸能を超えて伝えるべきその役割というものがあるのではないかと考えています。
 教育委員会といたしましては、有徳の人づくりということを掲げておりますので、豊かな人づくりという視点から見て、この中身をもう一度精査してから考えていくということにしていきたいと思います。
 2点目ですけれども――先ほど文化政策課長さんのほうからもありましたけれども――古典芸能をここに行けば必ず見られるんだというふうに、情報発信をもっと積極的にやったらどうかという御指摘をいただいております。
 今、課長さんが言われたように、ビデオも既に作成して、例えば県立中央図書館等のほうには置いてあるということで、それぞれ貴重な国や県の指定文化財がわかるようにというふうには一応なっているんですけれども、それが実際に活用されているかどうかという点につきましては、これは今後も検討していく必要があると考えております。

 それから、最後の高校の統廃合にかかわることで、総合学科等が機能していないという御指摘、また、過疎化を教育委員会の施策が促進しているのではないかと、そういうふうなことがございました。
 私は文化財保護課の一課長でございますので、このことについて教育委員会を代表して今答えるという立場にないかもしれませんけれども、私は、基本的には、このカリキュラムというのは校長裁量で決めることであって、県が民俗芸能が大事だから、これを一律にというふうなことは、なかなか言えることではないのかなというふうには、ちょっと個人的には思います。やはり、どんな子供を育てたいかというそういう校長のビジョンがあって、だから民俗芸能がこういうことで活用していくんだとか、あるいは、うちの学校としては総合学科がいいということでやるんだというふうにやっぱりなっていくもので、学校の主体性というのが非常に大切なことかなと個人的には思っております。
 ただ、委員御指摘のように、さまざまな課題がございますので、冒頭申し上げましたように、文化財保護課として、子供たちに返るそういった施策として今後とも中身の充実に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○松本林業振興課長
 県産材を大手メーカーへのルートに乗せる施策も必要ではないかという点についてお答えいたします。
 現在、静岡県の製材工場でも、製材品を大手に出しているというような工場もございます。ただ、あくまでも国産材として、材料として出しているだけでありまして、静岡県産材という形で出していないというのが現状であります。
 大手の住宅メーカーも、近年、やはり国民、施主のほうから地産地消とか、環境配慮というような視点がございまして、地域材を使った住宅のオプションというものを用意する大手メーカーも出てきております。あくまでもオプションという形でありますけれども、ぜひ県としましても、こういうところに県産材を供給して県産材の住宅というものをぜひやっていきたいと、委員の御提案のような形でやっていきたいというふうに考えております。
 ただ、大手のほうの住宅につきましては、やはりどうしてもコスト、安定供給、品質というものはかなり厳しく求められます。この3点につきましては、大手に限らず、住宅に使うには必要なものでありますけれども、こういうこともありまして、先ほど資料のほうで説明いたしましたように、供給から需要まで一体的に創造するという中で、やはり低コストの生産であったり、流通の簡素化である直送であったり、あるいは加工工場は中小の製材工場が多いものですから、こういう製材工場のネットワーク化というものを促進したり、あと規模の拡大というものを促進していこうということを現在進めているところであります。
 これに加えまして――先ほども少し触れさせていただきましたけれども――現在、住宅をつくってくださっている企業というんですか、住宅メーカーあるいは材料の流通業者ですね、そういうところを訪問しております。それで、現場の声を聞くという取り組みをしておりまして、それを受けまして、やはり県産材を使ってもらうにはどういう取り組みがこれから必要かというものを、今、調査というんですか、取り組んでいるところであります。こういう取り組みの中で得られた情報等をまた反映するような形で、地場の製材工場のネットワーク化というようなものにも反映していきながら、コスト、安定供給、技術というものが整った製品が大手ハウスメーカー等に供給できるような形で何か生かしていければというふうに考えております。
 それで、参考までに、昨年、オール県産材の合板の開発というものに取り組みまして、今年度5月から合板が県内を流通するようになりました。この合板につきましては、やはり住宅がメーンでありまして、従来、外国産――いわゆる外材の材料ですね――合板とかを使っておりますツーバイフォー住宅に。ツーバイフォー住宅はほとんどが外材ですけれども。ことし新たにLVLといって、積層材というものを新たに開発しまして、これと合板を合わせますと、オール県産材のツーバイフォー住宅ができるというところまでになりまして、モデル的に今年度それをつくろうという計画でおります。こういう形でいろんな取り組みを進めながら、大手に限らず、住宅の中で県産材を使っていこうという取り組みを進めているところであります。以上です。

○阿部(卓)委員
 ありがとうございました。
 ちょっと質問を散らかしてしまったので、再質問は、ちょっと絞ってさせていただきます。
 まず、鈴木自治行政課長のお答えは、大変失礼ながら予想どおりのお答えですね。県という立場ではその程度の答えしかできないんだろうなというふうに感じましたが、あえて申し上げます。過疎対策というのは、いろんな事例を見ていくと、行き着くところは人材です。過疎地域成功事例があるところを全国見ると、必ず強力なリーダーシップを持った方がいて、その方がその地域のモチベーションを上げていったり、新しいいろんな取り組みをしているということに行き着くのではないかなと思います。それで、その人材がどこから供給されているのかというのをいろいろ調べてみると、結構多いのが、やっぱり町役場の方だったり、県の職員の方だったりということが各県の過疎を見ていくとあります。
 県が今できること。こういう自立促進方針というのを出すのであれば、文書だけでこうやって出して市町のやることを後押ししますというのでは、県は要らないじゃないかと。ただ国の方針の中で、間でこういうのをつくればいいか、それじゃだめなんですよ、これからの地方主権の時代の中で県がやるべき役目というのは。県は、じゃあ人材を供給しましょう。その人材を育てるシステムをつくるのを県がやりましょう。全国の事例を各市町が単独で集めるのは大変でしょうから、県が全国から、場合によっては全世界から集めましょう。それを提供します。そういうメニューがなければ、私はだめだと思います。それを提案いたしますが、どのようにお考えになるか、御答弁をいただきたいと思います。

 それから、石川交流促進課長にお聞きします。
 グリーン・ツーリズムですが、この資料によると、非常に意欲的な取り組みで、いいと思っています。ヨーロッパのグリーン・ツーリズム――イタリアではグリーン・ツーリズモと言うらしいんですが――そういうのを見ていても、イタリアなんかは国家として、もう過疎地域の農家には既得権として旅館業を営む権限を与えてしまうとか、国家として取り組みをしているので、それはすばらしいと思うんですが、そこまでは、なかなか今の日本の現状の中ではできないと認識はしています。
 ただ、ここに「農林漁業体験民宿の認定基準の創設」とありますが、この認定基準を今どのような範囲でお考えなのか、お教えいただきたいと思います。

 それから、現在、県内にこのような形態の民宿及び農家レストランというのがどのくらいあるのか、把握されているのか、お聞きをしたいと思います。

 それから、グリーン・ツーリズム協会ですが、この協会の実態というのはどうなんでしょう。非常に精力的に動けるものなのか、それとも形だけのものなのか――ちょっと私も不勉強ですので――お教えいただきたいと思います。

 それから、この「グリーン・ツーリズム推進団体の支援」の中で、「ショートステイ等、都市住民を受け入れる体制を整備する市町等を支援」というのがあります。伊東、熱海、東伊豆というのは――私は厚生委員会ですが――高齢者の流入率が都市部から非常に多いという事例があります。それで、グリーン・ツーリズムということに限ってこういう制度を設けているということなんでしょうけれども、今のような高齢者――退職後、まだお金もあられて健康であられるこういう皆さんに来ていただくというのは、本当は大歓迎だと思います。そこら辺のそれぞれのターゲット化をどうお考えなのか、お聞きをしたいと思います。

 それから交通基盤部で、先ほど質問しなかったことで1つ、答弁を聞いていて気がついたことをお聞きいたします。交通基盤部の資料3の4「課題と対応」の(2)「対応」の中で、「複数の所有者の森林を取りまとめて施業の集約化を図り低コストな利用間伐を推進」等々がありますが、今、東京都などは意図的に水源地の山林を東京都が買って、東京都が所有するという動きを強めています。これは、御承知のように日本の水については、自分の土地から出てくる地下水については、その出てきた土地の所有者のものだということが日本の法律で決まっておりますが、これにつけ込まれて――具体名は控えますが――外国の方が日本の水源地の山を買いあさっているという報道もされています。それに対処するために東京都はそのようなことを始めたという報道を聞いていますが、静岡県としてそのようなお考えがあるのか。また、そのような水源地の山林は所有者が今やはりお子さんへと世代交代していって、どんどん細かくなっていってしまっていて、地籍がはっきりしないという場合も多く出てきています。その問題をまずクリアしていかないと、この集約化というのに行き着かないと思うんですが、そのような問題について、その根本の部分をどうお考えなのか。これを新たにお聞きしたいと思います。

 それから、教育委員会の木村課長にもう一度お聞きをいたします。高校統廃合のことは所管外ですので、ぜひ教育長にお伝えいただきたいと思うんですが、先ほどの御答弁の中で私は違うと感じていることがあるので、もう一度お聞きします。校長裁量でお決めになって、それでその中で民俗芸能をやるかやらないかということなんですが、実際の学校裁量権について、課長が校長先生になられて、果たして校長裁量権が十分とお感じになるかどうか。私が校長だったら、不十分だと感じます。
 私は、高校をなるべく多く見に行こうと思って、――まだ100何校のうちの15、6校しか見ていませんが――校長先生方が口をそろえておっしゃるのは「学校裁量権が足りない」、「思うような学校経営ができない」ということを現場からお聞きしています。校長先生方がそうおっしゃっているのに、校長裁量で決められないと私は感じています。課長の範疇からこれも外れるかもしれませんが、異論がありますので、もう一度お答えをいただきたいと思います。

 それから、これは意見ですが、後藤課長の一連のお答えは非常に意欲的で楽しみにしております。文化とか風俗とかいうものは所管でおさまるものではないと私は考えますので、所管を越えて連携できる課があれば、連携できるところとはすべて連携を模索していくという姿勢で、ぜひ今後もやっていただきたいなと思います。以上です。

○鈴木自治行政課長
 要するに人材の供給、人材の確保というのが過疎地域の振興に大変重要だというところについては、先生おっしゃられるとおりだと思っております。
 平成21年の3月に議会の各先生方にもお分けさせていただいた「静岡県過疎地域の今後のまちづくりに向けて」という報告書は、過疎地域の8の市町の副市長等が入った検討委員会でまとめたものです。その中には、地域住民による地域づくり団体への支援――エンパワーメント施策というところがやはり一番の部分として書いてございますし、各市町村も、その部分につきましては十分意を尽くしてというところだと思っております。
 特に外部の人材を活用したというところで、今ありますのは――先ほどちょっと触れましたけれども――集落支援員という制度でございます。本県ですと、静岡市と浜松市が使っておると思いますが、静岡市のたしかお一人の方は駐在経験のある警察のOBの方だったように記憶しておりますけれども、そういう事例もございます。それとあと制度としては幾つかあり、都市圏からそこへ移る部分の「地域おこし協力隊」というような制度も国は制度として起こしている部分もありますけれども、まだ実際には本県では活用されていないところであります。
 あと――NPO法人になりますけれども――地球緑化センターというところが海外青年協力隊の国内版という形で、1年間「緑のふるさと協力隊」というものをつくっております。本県では浜松市とか川根本町とかで使っておりますけれども、そういう活用の仕方も含めて。また行政の経験者ということで、特に浜松市等からのお話の中では「農業に大変詳しい方」、「県のOBの方」を例えば集落支援員にとかいう声も具体的に上がっておりますし、そういう部分で実情に応じた人材の確保というところだと思います。
 私どもが所管するコミュニティ推進協議会というところがございまして、そちらへの助成を行っております。コミュニティ推進協議会では、本年1月、鹿児島の「やねだん」というところにコミュニティ・カレッジの卒業生の方が――たしか30人ほどだったと思いますけれども――行かれて、柳谷の豊重さんという大変すばらしいリーダーの方の指導を受けられた、そういう形の研修などを行っており、それらに対して県の支援を行っています。そういう人材的な部分というのは、委員おっしゃられるとおり、県の施策としては重要な部分だと思いますし、そのあたりは具体的には各市町等からの要請、要望の中で関係部局とまた話をしていきたいと思います。以上です。

○石川交流促進課長
 委員の御質問にグリーン・ツーリズムに関してということで5点ほどあったと思いますが、それについてお答えしたいと思っております。
 まずその前に、グリーン・ツーリズムという言葉をちょっと不用意に使ってしまいましたけれども、グリーン・ツーリズムというものにつきまして、ちょっと御説明させていただきます。農林水産省のホームページによりますと、「農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」ということで、これ自体が物見遊山的な観光とはちょっと違う、実際の体験などを通じたより深いものを学ぶ、感じる、そういった交流活動のことをいうものでございます。
 では、質問に答えさせていただきたいと思いますが、1点目です。「農林漁業体験民宿の基準」、これについての策定のスケジュール、内容等についてでございます。こちらにつきましては、国の関連法制におきまして規制緩和が進んでございまして、例えば旅館業法の許可に関しまして、従来は営業の面積が33平米以上でないと営業できないというものがございましたけれども、農家等がやる場合についてはそれも緩和できるというような状況になってございます。例えば、ほかにも食品衛生法等につきまして規制緩和が進んでおりまして、そういった一連のものにつきまして、県としての基準をつくってまいりたいということがその内容でございます。
 こちらにつきましては、今、関係課と調整を進めているところであり、また関係の団体とも話をしておるんですけれども、これを年度内に策定することを目指して鋭意取り組んでいるところでございます。

 2点目でございますが、そういった民宿というのが今どれほど県内にあるかというお話でございますが、現在のところ、これはございません。というのも、先ほど申しましたように基準もこれからでございますし、33平米未満の民宿という形では、今のところ存在してございません。通常の営業を行っている民宿、旅館業法上の宿泊業をやっているものの数というのは、また別途ございますけれども、そういった意味で異なるものでございます。
 3番に農家レストランの数ということでございました。これにつきましては、今、私どもの課の中でその調査をしているところでございます。実は、その農家レストランといったものをどこまで含めて農家であり、農家レストランであるかというところも含めて、よく検討していかなければいけないと思っております。農家自体がやる場合でなくても、農家とより密接な関係を持って地産地消などに取り組みながらやっているレストランなどもございますし、そういったものも含めるべきかどうかも含めて、どういったところを支援していくのかというところを検討しているところでございます。
 このレストランと民宿を合わせて今後連携させていくことにより、より滞在型の宿泊というものが進んでいくのではないかという考えのもとに取り組みを進めているところでございます。

 4点目でございますが、静岡県グリーン・ツーリズム協会の実態といいますか、現状につきまして御説明します。こちらの協会は、農業体験施設やあるいは農産物の直売をやっているような施設、そういった施設の方々185団体――これは本年の4月1日現在でございますけれども――そういった団体が構成している協会でございます。
 それで、こちらの協会につきましては、毎年度、研修会をやる、あるいは支部ごとにキャンペーンを張って普及啓発活動を行うなど精力的な取り組みをしているところでございますが、事務局で動ける人の数が数名程度と限られておりまして、そこを強化していき、さらに全県的な普及啓発あるいはグリーン・ツーリズムの推進を図っていくことが課題だと認識しております。

 続きまして、退職後、一定の所得のある方等について受け入れること――伊東、熱海、東伊豆等が例に出されておりましたが――そのあたりについての考え方ということでございます。
 私どもの課でやっているそのグリーン・ツーリズムの促進あるいは移住・定住人口の促進という取り組みにつきましては、大きなターゲットの一つとして、委員御指摘の退職後の方々、いわゆる団塊の世代と言っている方々も対象と考えてございます。当然、交流として来ていただくことも、2地域居住ということで週末だけ来ていただくような形もございますし、そういった方々も含めて積極的に施策を展開してまいりたいと思っているところでございます。説明は以上でございます。

○木村文化財保護課長
 校長の裁量権について、所見ということでまた述べさせていただきたいと思います。先ほど言葉が足りなかったかもしれないんですが、校長として決められることと、それから教育委員会のほうが決めることというふうに分けられているわけですが、教育課程のカリキュラムについては校長が責任を持って行うということを申し上げさせていただきたかったということです。
 それで、私のことで大変申しわけないんですが、私もここに来る前は中学校の校長をやらせていただいておりましたけれども、その中で、やはり校長の裁量権、主体性というんですかね、学校がそういったことを地域の子供に立脚して大切なことは発信していくということは、委員おっしゃるようにとても大事な考え方だと思っています。以上です。

○林森林計画課長
 先ほどの質問につきましては、外国人が水源地の山を買いあさっているけれども、本県としてどういう考えか、また山の地籍がはっきりしていないのではないかと。それらが、先ほど交通基盤部のほうから出しています資料3の「今後の森林・林業施策の方向」の中の「小規模山林の取りまとめ」の前段階として必要ではないかという御質問だと思います。
 まず、外国人が山を買いあさっている件につきましては、昨年の5月ぐらいから林野庁のほうから照会が来ております。昨年度は5月ぐらい、ことしにつきましても6月に同じように照会が来まして、私どものほうから、市町または森林組合等に照会を出しております。いずれも本県においては実例はないという報告を受けております。
 林野庁がこういう形で動き出した背景には、やっぱり平成19年ぐらいから各地の地方紙でそのような買い付けの動きがあるという報道がなされております。ただ、いずれも昨年の5月の段階で林野庁が全国に問い合わせた結果ですけれども、外国資本による売買情報は報告されていないということは承っております。
 それから、これにつきましては、ちょっと余談になるかと思いますけれども、森林関係におきましては、森林法において外国人が山を買っても特段の制限はないと。また、外国為替法及び外国貿易法においても、林業自体に外国資本が来たとしても、それに対しては特段の制限はないということが言われております。そうはいいましても、本県としましても、余り私どもが進める施策と反するような形でそういう山林売買がなされることは、余り芳しいことはないとは思います。そういうことがありますので、常時、市町とか森林組合と連携しながら、その辺の情報をとっていきたいと思っています。
 また、大きな土地の売買があった場合には、法務局のほうから市町村へ大規模な土地取引の連絡が行くのと、県庁内におきましても、大規模土地取引につきましては都市局、または農地局のほうと連携して情報交換に努めているところであります。

 それから、2点目の、山林の地籍というか境界線がはっきりしないという件につきましては、私どももそれは重々承知しております。ただ、山林が、県内で例えば民有林ですと40万ヘクタールと非常に広範囲であります。その中で、幾つかの国のほうの事業を使いまして山林の境界の明確化には努めております。1つは農地局のほうの事業を使ってみたり、または森林局においても、森林・林業再生加速化事業というものもありますし、または、森林法の中で決められている事業もありまして、それらを使いまして、全体面積に比べますと明確化できた面積は非常に少ないんですけれども、取り組みは行っております。
 なかなか明確化自体も、一人の所有者だけが「ここが私の境界線です」と言っても、それは境界線にはなり得ないんですね。相手の所有者、その相手の所有者も一人ではなくて、自分の山の周りの所有者全員が、はっきり言えば判こを押さないと確定はできないということもありますので、今のところ、大まかにここが境ですよというような、将来本格的に確定するための予備的なものとなっております。以上です。

○阿部(卓)委員
 1点だけ、先ほどちょっと漏らしました。松本林業振興課長にお聞きしますが、先ほどの取り組みは非常にいいと思うんですが、であれば、ぜひ大手メーカーさんのいわば静岡の営業所長、支店長、そういうクラスの人たちに現地を見せに行くそういうツアーを組んで、もっと大々的にアピールをすべき。でないと、それぞれせっかく取り組みをしていても、世間一般に静岡県が県産材にこれだけ力を入れて使ってもらおうとしているということがわかりません。そういう――ある意味パフォーマンス的な部分も入るかもしれませんが――政策もぜひ考えていただきたいと思います。

 それから、もう一度、鈴木自治行政課長にお聞きします。人材育成について御認識いただいているのはいいことなんですが、先ほど私が提案したような人材育成及び情報を収集して市町に提供するという施策を県として打つのか打たないのか、シンプルにお聞きしたいと思います。

○鈴木自治行政課長
 打つのか打たないのかというお話ですけれども、地域おこしのための人材については、私ども、地域振興という形の部分での人材のデータベースは持ち、また市町村からのアドバイザーの派遣等にはおこたえするような仕組みも今は持っておりますので、その部分の拡充なり、またそういう部分での専門分野というところの中でまた考えていきたいと思います。以上です。

○三ッ谷委員長
 それでは、ここで休憩いたします。再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

○三ッ谷委員長
 それでは、休憩前に引き続き委員会を開催します。
 質疑等を継続いたします。
 もう一度お願いしますが、委員会の調査事項から外れた事項はなるべく控え目に質疑をお願いします。答弁者も簡潔な答弁で、質疑に答えていただきますようお願いをして、再開します。
 では、発言を願います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp