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委員会会議録

委員会補足文書

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平成21年10月海外就航地交流推進特別委員会
参考人の意見陳述 日本政府観光局海外プロモーション部 波多腰実氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/27/2009 会派名:


○波多腰実氏
 おはようございます。日本政府観光局、JNTOの波多腰でございます。
 きょうは、少しでも私の知識というか、知っていることで先生方の御参考になればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 プロフィールは書いてあるとおりでございまして、平成元年に鉄道会社のJR東日本という会社に入社をいたしまして、車掌ですとか、鉄道業を中心にやって、横浜駅では旗を振ったりとか、助役をやったりもしておりました。観光関係は、本社の営業部に入ってから旅行会社様とともにJR東日本のエリア内の観光地の開発とか、鉄道を使っての商品をつくっていただくようなお願いをしておりまして、そこからでございますので、約5年ぐらい観光をというような形になろうかと思います。
 今回、1年半ぐらい前にJNTOの方に出向をいたしまして、特に韓国市場を――最大市場ということでこちらの方を――担当させていただいております。どうぞ、きょうはよろしくお願いいたします。座って失礼いたします。
 それでは、スクリーンとお手元に資料をお配りしているんですけれども、こちらの方、ちょっと字が小さくなって大変恐縮でございます。一応そちらの方を御参照いただきながら、お聞きいただければと思います。
 まず、一番最初にお配りしておりますこちらの「観光を通じた韓国との相互交流」というペーパー、それからちょっと参考までに「MY JAPAN 私が感じた私だけの日本コンテスト体験旅行記」、こちらもちょっと参考になるエキスが入っているものですから、簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 あと、こちらは途中で出てまいりますけれども、静岡空港ですね、富士山静岡空港を題材としたガイドブックをJNTO、ビジット・ジャパン・キャンペーン事務局の本部の方でつくって、雑誌の中にこういった形で挟み込んだものを取り出せるようになっています。
 それでは、まず最初に、JNTOとビジット・ジャパン・キャンペーン――御存じかもしれませんけど――多少JNTOのPRをさせていただきたいと思います。
 JNTO日本政府観光局は、昨年の10月からこの通称名「日本政府観光局」という名前をいただいて、観光庁発足とともに、プロモーションや調査統計等、そのようなことを行う観光庁の実働部隊として通称名を使わせていただいております。
 本部は企画本部の総務企画という部分と、まさに私がおります事業本部――海外プロモーション部というところが中核となって事業を進めております。あと、強みとしてAの方にありますけれども、海外事務所が13カ所ございます。私が担当しておりますソウル――韓国もありますけれども、アメリカ、それからヨーロッパにもございます。また、東南アジアにもバンコク、シンガポールというような形で13カ所の事務所を持っておりまして、こちらの中で市場の情報の収集とか、分析とか、あとは向こうの旅行会社様とか、キャリアの方々、そういった方の訪日ツアーの商品造成の支援とか、宣伝とか、そういったようなことなども行っております。また、日本の情報なども幅広くいろんなメディアさんとか、そういったところにも情報提供というような形で業務を行っております。
 それから、海外事務所においては、向こうの方の情報が非常に多く取れるということで、分析の資料なども多く収集しておりまして、こちらの企画本部にある企画部の方でそういった調査統計の資料などを作成して、本などもつくって販売をするための基礎資料の情報収集も行っております。
 それから、ビジット・ジャパン・キャンペーンなんですけれども、こちらは2010年までに1000万人の外国のお客様を誘客するということを目標にしてスタートいたしまして、来年2010年がその最後の年となっております。
 重点市場については、韓国を初めとした大体私どもの事務所があるところを重点市場として事業展開をしております。主に――繰り返しにはなりますけれども――JNTOがビジット・ジャパン・キャンペーンの事務局を担っておりますので、認知度向上ですね、メディアへの情報配信とか、Webを使ったもの、それから旅行博とかそういったところに行って日本ブースを出店してPRをするとか、あとは誘客事業としては、旅行商品の販売・造成支援とか、青少年交流の拡大に向けた事業など、商談会的なことですね、旅行会社様と各自治体さんとか、業者の人たちが商談をできる場を年に数回設けるなどの事業を行っています。一番下に書いてありますけれども、官民一体となって参加するビジット・ジャパン・キャンペーンということで、実施本部――事務局を今、日本政府観光局の海外プロモーション部が担っているというようなことでございます。
 大臣の発言にもありますけれども、当初は2020年までに2000万人というような目標を掲げて、準備を進めておりましたけれども、ここで4年前倒しとか、もっとふやすというようなお話も出てきましたので、その辺のところも官公庁、またJNTO日本政府観光局と議論をしながら新たな次のビジット・ジャパン・キャンペーンというものを目指していかなければいけないかなというふうに思っております。
 それでは、訪日外国人旅行者の概況ということで、簡単に今の状況について御説明させていただきたいと思います。
 ビジット・ジャパン・キャンペーンの効果は、やはり非常に大きくて、ビジット・ジャパン・キャンペーンがスタートをしてから非常に効果を上げております。2007年に835万人ということで、非常に多くのお客様をお迎えするように至りました。残念ながら2008年は横ばいというようなことになってしまいました。これは非常に好条件が重なって、円安基調とか、ビザの緩和措置だとか、そういったものもあったりしたんですけれども、ことしは御存じのようにリーマンショック以来、経済が低迷したというようなこともあり、また、後で御説明しますけれども、最大市場である韓国も大幅な通貨の影響を受けまして非常に苦戦をしていると。また、インフルエンザとか、そういったものもありまして、非常に厳しい数値になっております。しかしながら、このビジット・ジャパン・キャンペーンを推進してきたということで、一定の効果があったというふうに見えるこの図でございます。
 それで、世界各国の地域への外国人旅行者数というようなことで、どこの国に一番外国のお客様がいらしているのかというと――地の利の部分、ヨーロッパは陸続きですとか、いろんな条件があるので、一概に同じ土壌では考えられないとは思いますけれども――フランスが圧倒的に多くのお客様を外国から誘致しているということでございます。もちろん、プロモーションも上手だということもありますでしょうけども、いろんな整備の部分で進んでいるというふうに言われております。日本は28位というようなことで、これは2008年です。2007年は31位でございましたので、多少順位を上げてきているということでございます。アジアの中では6位ということでございます。やはり香港とか、そういったところがいろんな部分で進んでいるというふうに言われておりまして、このようにアジアの中では今6位というようなことでございます。
 それでは、訪日外国人旅行者の国別の状況をちょっと御説明させていただきたいと思います。この円グラフを見ていただきますと、韓国が約3割ですね。去年238万人だったんですけれども、これが3割ということで一番多いということでございます。それから、続いて台湾が138万人、中国が100万人、香港が55万人というような数でございます。約6割から7割が、アジアの地域から日本へいらしていただいているという結果になっております。
 一番下に静岡県における入り込み客状況というような数値を出させていただきました。これはアジアが7割――72%ということでございます。それから、欧米も20.5%あるということで、静岡県においてもこの日本の状況と大体マッチしているのかなということでございます。これは、県とかによってまた大分違っておりまして、九州の方ですと、もう圧倒的に6割以上が韓国人とかいうような、そういう状況もあったりしますので、静岡県もアジアを中心にというようなプログラムを立てていかれるのがいいのかなと。ただ、欧米系も20%おりますので、こういったところも無視できないのかなというふうに見られるかと思います。
 それから、これは参考までにJNTOの訪日外客実態調査ということで、各空港とかでJNTOの職員がヒアリングをして行ったものです。宿泊数、それから訪問回数、それから訪問目的というようなことで、一応訪問地の方も静岡市と浜名湖、それから熱海、伊豆半島というようなことで分けて聞いております。訪問目的で見ますと、やはり浜名湖とか、熱海とか、伊豆半島というのは圧倒的に観光が多いというのが見えますし、静岡市は商用もある程度あるのかなというような部分が見える。また、訪問回数においても熱海とか浜名湖とか、観光の多いところは非常に訪問率の方が低くなっていて、やはりここを2回、3回来ていただけるようにPRをしていかなければいけないのかなというのがちょっと見えるかと思います。
 それから、宿泊の方を見ていただくと、1泊とか、その辺が多いんですけれども、静岡市ですと0泊もかなり多かったりとか――浜名湖も20%ありますが――静岡県の「その他」の地域や「不明」な地域に関しては0泊が多いというようなことで、1泊もしないことが多いというようなことが見えると思います。ただ、これは2007年から2008年の調査でございますので、富士山静岡空港ができてからは多少これは変わっているというふうに思われます。
 それでは、韓国人旅行者の訪問状況というのはどういうふうになっているのかというのを、ちょっと簡単に御紹介をいたします。
 韓国人の旅行者につきましては、これも訪日外客実態調査ということで2007年から2008年に実施しましたが、圧倒的に成田、羽田――東京から入ってくるのが非常に多いというのがこちらで見てとれると思います。あと博多港ですね、福岡というのもやっぱり地の利の部分ですね、釜山から近いというのもありまして、多いというのが見えると思います。あと関西も多いというようなことで、韓国人の旅行者というのが今現在どこに多くいらしているのかというのは、これで見えるのかなと思います。
 それから、地方別の訪問率というのをちょっと出させていただきました。これも先ほどのデータと同じようなことなんですけれども、東京、大阪とか、九州というような、いわゆる都市観光と九州に近いところが多く行かれていて、訪問率が高いというふうに見えます。
 あと、20代、30代の独身女性、働く女性がやはりショッピングとかグルメなどで人気が高いというようなデータも出ておりまして、比較的個人旅行者の比率が高くなってきているというようなことが言えております。
 それから、フェリーが就航している九州とか大阪のエリアでは、教育旅行を目的としたものが多くあるというデータも出ております。
 それでは、韓国人旅行者の都道府県別の訪問率が2006年からどうなっているのかというのをちょっと見ていただきたいと思います。
 先ほどの図と同じように、圧倒的に東京とか、大阪とか、福岡とかは多いんですけれども、そういった中では16番目に静岡県が入っているというようなことですね。全体の中での静岡県の比率が、2006年2.1%、2007年1.8%、2008年1.9%というふうに下がっているように見えますけど、全体数がふえておりますので、必ずしも人数が減っているというわけではありません。人数的にはふえております。
 それから、韓国人旅行者の訪問目的、それから旅行の形態というのがどんなものになっているのかというようなことを、ちょっと参考までに御紹介をいたします。
 これもJNTOが行いました訪日外客実態調査の中の資料なんですけれども、観光が63.1%ということで、非常に観光が多い市場だというふうに言えると思います。
 その観光をさらに詳しくということで、ちょっと右の方の円グラフを見ていただきますと、緑色が「ガイド付団体ツアー旅行への参加」というふうになっていますけども、これはいわゆる団体旅行で、4割弱ということですね。それから、左の真ん中辺にあります肌色のところですけども、「航空券、ホテルのみがセットになった個人自由型パッケージ」というのが16.5%。それから「個人で航空券、ホテル、現地ツアーなどを個人手配」というお客様が28.4%。「個人で航空券のみを個人手配」というのが15.5%。以上のように、半分以上がFITと言われている自由旅行というのを選んでいらっしゃるというのがわかると思います。
一番上の赤の「個人で航空券のみを個人手配」というのは、在日の韓国人の方のところに泊まるとか、そういったのも含まれておりまして、友人とかそういったところを訪ねていくというようなものも、この中には含まれております。
 いずれにいたしましても、訪問率もかなり高くなってきておりますし、日本に初めてというお客様が韓国では少なくなってきて、リピーターが多くなってきているんだというような認識をお持ちいただければなというふうに思います。
 特に、最近のブームの中で、特筆するものとして、自然健康を追及するWell-Beingがブームになっております。自然志向、健康志向というようなことで、温泉がちょっとブームになっていたりとか、あとはトレッキングですね、こちらが今かなり人気を博しております。韓国は、御存じのように余り山がなくて、ちょっとしたハイキングとかトレッキングみたいなのをするのにも、かなり郊外まで行かなければいけないというのと、本格的な山がそれほど多くないというのがございます。それから、温泉というのもそれほどなくて、向こうで言うと「スパ」と言ってスパリゾート・ハワイアンみたいな、ああいったものを楽しむぐらいしか温泉がないので、こちらの方のいわゆる露天ぶろがあるとか、そういったものにはかなりのあこがれがあるというような傾向がございます。
 また、こちらにもちょっと御紹介させていただいておりますけれども、海外の登山人口が約1万人いるんですけども、3000人程度が日本にいらして山を登っているというようなことでございます。ですので、当然のことながら今回の空港開港で富士山へのニーズも高まって多くの韓国の方がいらしたんだと思います。
 こちらは、韓国人旅行者の性別・年齢・訪日動機というようなことで御紹介をさせていただいております。ここでの特徴といたしましては、20代、30代ですね、実はここの層が比較的多いということをちょっとお示ししたいのと、いわゆる「ゴールドミス層」という言葉は御存じかもしれませんけれども、日本で言うとキャリアウーマンに当たるんでしょうか、キャリアウーマンとはまたちょっと違うんですけれども。年俸が比較的高くて、可処分所得が多いということで、30代から40代前半の女性がそのゴールドミスに当たるんですけれども、非常にふえてきていると。このゴールドミス層というのは、経済力もあって、比較的自由に時間を使えるそうでございますので、各旅行会社ですとか、あと旅行だけではなくて、いろんな会社がここをターゲットにして訴えて、趣味とかいったものにお金をかけていただこうという取り組みをしている企業が今ふえております。ビジット・ジャパン・キャンペーンの実施本部といたしましても、ここの層というのは牽引役でもありますので、ここにターゲットを当てた施策なども中心に行っているところでございます。
 それでは、静岡県の関係の取り組み状況をご紹介させていただきたいと思います。
 6月4日に富士山静岡空港が開港したというようなことがございまして、実はビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部の事務局といたしましても、韓国から日本への空港開港というのは非常にニュースソースになるということと、あとは富士山という韓国でも非常に認知度の高いところに空港ができたということで、向こうの旅行業者とか業体の方々と一緒になって、ここをまず切り口に2009年度はPRをしていこうというような取り組みをいたしました。
 下に出ておりますのが、大韓航空とアシアナ航空、それから未来ジャパンのツアーカタログを御紹介しています。大韓航空とアシアナ航空については、ここに商品広告スペースというのがあるんですけれども、旅行会社が自由に商品を入れられるようになっているものでございます。これはフリーペーパーですとか、雑誌とか、あとは三大紙、こっちで言う読売新聞とか、朝日新聞みたいなものとかに広告を出したものでございます。これに関して、VJC事務局としても金銭的な支援も行いまして、業体一緒になって富士山静岡空港についてのPRを行ったという御紹介でございます。
 次のページですけれども、こちらはお手元にちょっとお配りした韓国女性ファッション誌で紹介した内容のものでございます。こちらがそうなんですけれども、こういった雑誌がありまして、この雑誌に「アルバトリアル」と言って記事広告というような形で載せたものが1つですね。
そのほかにも、幾つか雑誌を出しまして、この「Singles」という雑誌なんですけど、この裏のところに小さく書いてあるんですけども、これはまさに20代、30代の有識女性――ゴールドミス層が一番よく読んでいる本なんですけども、そちらの方にとじ込みでこちらを入れさせていただきました。これは外すことができて、また旅行見本市などでも配ることができますので、ソウルとか釜山で行われた旅行見本市などにもこれを配っております。
 こちらの特徴といたしましては、韓国人の目線でつくっていただいてます。これは日本側の我々の事務局からは情報として与えているだけで、韓国の目線でどういうところが気になったのかとか、どういうところを取材したいのかということで自由に取材をしてもらいまして、つくってもらったものでございます。表紙に関しても韓国人のデザイナーがやっておりますので、非常に韓国では受けているものだそうです。私は、個人的に見ると、絵がこんな感じでいいのかなとか、いろいろあったりもしたんですけども、静岡のイメージをお茶であらわしたりとか、富士山を入れたりとかしております。
 あと、これはFIT向けにつくっておりますので、アクセス情報も非常に細かく入っております。富士山静岡空港からどうやったら行けるのだとか、そういったようなアクセス情報もきちんと書いておりまして、これ1冊あると自由に旅行に行けるようになっているというつくりをしております。こういったBook in Book式のものと、あと、先ほど御紹介した記事を広告にするというような手法で、本部事業として訴えてみました。
 この一番下の「LUXURY」というのがあるんですけども、これはかなり富裕層が読む雑誌ですので、ここには高級ホテルなども紹介をしているというようなことです。また、この「CeCi」というのは、10代から20代前半の女性が主な購読層ということで、アウトレットですとか、旅館も比較的リーズナブルなところを紹介するとか、その雑誌雑誌によってちょっと濃淡を変えて静岡を紹介したというような御紹介でございます。
 こちらが「Singles」ですね。今お手元のものですね。ここでは温泉の魅力とか、緑茶ですね、それから寸又峡とか、あと伊豆とか、熱海とか――富士山静岡空港ということで、当然山梨の方も多少紹介はしておりますけれども――こちらの空港を使ったものの紹介でございます。
 それでは、「競争力ある観光地となるための分析」ということで、ちょっと簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、相手を知るということが大切だということでございます。「市場特性の把握」とか、「訪日外客ニーズの把握」、「ターゲット市場の絞り込み」というのが大切になってきておりまして、先ほど来ちょっと御紹介いたしました韓国の状況などはこんな感じなのかなというようなことで、やはり現地の情報は、現地へ行ったりとか、現地の方から得る情報などで把握していくことが必要なのかなということでございます。
 それから、あとは自分を知るということで、「自分の地域のSWOT分析」をされるということも必要なのかなというふうに思います。やはり、自分のところの外客誘致上の強みは何だろうかとか、弱みとは何だろうかというようなことや、外部要因で外客誘致に使えるチャンスみたいなものって何だろうということ。逆に、ちょっとリスク対策をしなければいけない脅威になるものって何だろうというようなことを分析して、自分を知ることが必要なのかなと。
 それから、「観光魅力の掘起し・創出」と書いてあるんですけども、こちらも例えばボランティアとか、語り部とか、おもてなしとか、そういうことと、地域がしっかり自信を持って交流していくとか、エコなど何か体験のできるチャンスの提供はできないかとか、そのようなことですね、そういったものも必要なのかなと思います。
 こういったことを踏まえまして、知名度の向上、それから旅行商品を開発していく。また、受け入れ体制というのをしっかり整備していきながら、リピーターとかファンをふやしていって、最終的には多くのお客様に来ていただくようにしていくというようなことなのかなと思います。
 「静岡県の観光魅力のSWOT分析」ということで、JNTOによる分析例という形で御参考までに紹介いたします。これは私が感じたことなので、合っているかどうかというのはちょっと別なので、御参考までに聞いていただければなと思います。
いい影響、内部要因としては、やはり美しい景観。きょうも私、新幹線から見てきましたけども、非常に富士山はすばらしいですし、目の前に広がる美しい自然があったり、景観があったり、あとゴルフ場や温泉とかが非常に豊富にあると思います。それからまた、静岡県は徳川家康もずっとここで過ごしたように、非常に住みやすいところで、気候も非常に温暖でいいと思いますし、お茶とか果物とか、そういったものもおいしいのかなというようなのが非常にいいところだと思います。
 それから、悪影響というようなことでちょっとあるのが、残念ながら廊下のような形で、ゴールデンルートの通過都市になってしまっているというようなところがあるというふうに思います。それから、観光地とか、施設とか、イベントとか、そういったのが――多少ちょっと奥ゆかしいところがあってだと思うんですけども――不足しているところがあるんじゃないかなというようなことはちょっと感じますし、また、知名度の拡大というようなところで、県内統一のPRを「ガァーン」とやっていくような部分というのが少し弱いのではないかなというふうに感じております。
 それから、外部要因の好影響の方なんですけども、やはり富士山静岡空港が開港したということで、何度も何度も韓国からお客様が来ていただけるような環境が整ったということだと思います。それから、ゴールデンルート上の都市であるということで、逆に通過させないでこちらのところに来ていただくような形に持っていけばチャンスに変わるのかなというふうに思います。
 それから、悪影響の外部要因の方としては、やはり山梨県と比較して富士山を上手にPRの道具にできてないのかなというようなところがあるかと思います。あと、セントレアという空港が隣近くにあるというようなことが挙げられるかなというようなことで、ちょっと御紹介をさせていただきました。
 次に、他の地域の成功事例というのをちょっと御紹介したいと思います。
 こちら福島県、福島空港が韓国市場において取り組んだ成功事例でございます。ここは、ゴルフ、スキーで韓国からの誘客に成功ということでございます。一番最初にやはり手がけなければいけないのが韓国でのセールス活動、広告宣伝、プロモーション活動なんだと思います。知っていただくということがやはり大切ですので。
こちらがどのような形で活動したかと言いますと、やはり地道にまずは――5年ぐらい前だと思いますけど――JNTO主催のアウトバウンド商談会に参加しております。これは毎年6月には韓国のソウルで行っておりますけれども、ことしからは釜山の方でも行うようにしました。この商談会というのは、福島県の方が行かれて向こうの旅行会社、ランド会社の方々なんかと商談をいたします。そこで、やはり福島県に興味を持っていただく、スキーとかゴルフに興味を持っていただく旅行会社というのをシーリングしていっております。
そのあと、福島県単独で商談会を開催したというように聞いております。商談会と言っても、もう独自でやりますので、この旅行会社と決めて何社か有望な自分たちに向いてくれる旅行会社を商談会に呼んでというような形をとっています。
 それから、知事によるトップセールスも行っておりまして、これは旅行会社、またキャリア会社、向こうの観光のトップの方々なんかにもトップセールスをして売り込んだというふうに聞いています。
 それから、韓国の三大紙、朝鮮日報、中央日報、東亜日報に広告出稿をしたり、テレビCMなどを放映していると。これはかなりお金がかかることですので、どこまでこれをやってよかったのかという、今後参考になるのかというのはちょっと難しいところではありますけれども、いろんな部分で、すそ野を広げるという意味では、このやっぱり三大紙を使うとか、テレビCMというのは有効なんだなというふうに思っております。
 それから、下の方は受け入れ態勢ですね。アクセス交通というのはやはり大切でございまして、こちらは、スキーシーズンに向けてシャトルバスを運行したということでございます。これは、外国人観光客の受け入れを希望するスキー場とホテルと福島県が共同で出資して組合を結成して、しっかりバスが空港とホテルを回るようにアクセス交通を整備したということで、成功したという事例でございます。
 それから、「外国人観光客誘致に成功している各地の取り組み」として富山県、長野県、岐阜県の事例を挙げてあります。これは富山空港の活用なんですけども、台湾の市場の方で成功した事例でございます。こちらは台湾でございますので、非常に親日的な部分もあったりとか、あと温かい国ですから、雪とかそういったものが珍しいということで、立山黒部アルペンルートという素材もその成功の1つの要因になったのかなというふうに思います。また、韓国よりさらに台湾の人たちはリピーター率が非常に高くて、立山黒部アルペンルートで74%が台湾人ということで、台湾人が物すごく多くなったという例でございます。これは、同じようにセールスプロモーション活動をやっています。商談会へ参加して3県でプロモーションをしたと。
 あと1つ、繁体字によるパンフレットということで成功したいうことで、台湾というのは中国本土で使われている簡体字とは違い、繁体字を使用していますので、台湾用の繁体字のパンフレットをつくったと。両方の文字で一緒に印刷せずに、自分たちだけに特別に繁体字のものをつくってくれたというのが、この成功の事例の1つとなっております。
 それでは、静岡が外国人にとってどういうふうに思われているのかなというのをちょっと御紹介したいと思います。
 静岡というのは、なかなかまだ知られていないと思います。ただ富士山というのは、世界じゅうでもぜひ見たい、登りたいというようなことで有名なところでございます。また、富士山と和食、温泉というのは日本のナショナルブランドなんですけど、これがすべて静岡にはそろっているということでございます。
 それでは、静岡を認知してもらって、静岡での滞在を定着させるために、ゴールデンルート上の通過県という現状をちょっと打破するということで、どんなことが例としてあるのかなというのを、ちょっと参考に御紹介させていただきたいと思います。
 静岡側からの富士山の観光を最大限アピールするということが大切なんだなというふうに思います。ここに、ちょっとつらつらと書かせていただいておりますけれども、山梨県の方が、ちょっと外国人誘客を受け入れる宿泊施設が多いというようなこともあって、こういったところで、ちょっと山梨県の方が今多くなっているのかなというふうに思いますので、それを参考にされるとよろしいかなと思います。
 それから、本当に静岡側からの富士山の方がきれいですよね。山梨側からは、それほどきれいに見えないと思うんですけど、そういったところをやっぱり上手にPRしていかれたらいいのかなというふうに思います。またフェリーとか、海と富士山というのは本当にきれいで、静岡だけのものというようなこと。このブックカバーなんですけれども、非常に冨嶽三十六景の葛飾北斎の富士山というのは有名ですし、こういったものは非常に外国人にも受けますので、こういったところをアピールの1つにしていただければなと思います。
 それから、2番目に、教育旅行の誘致強化ということで、静岡県さんも取り組まれているとは思いますけれども、非常に修学旅行とかは大切だと思います。やはり、一方通行ではなかなか長続きしない。リピーターが多くなるということは、教育旅行の一生の思い出の中で、日本ってよかったな、また来たいというように再訪日につながっていくものだなというふうに思います。毎年、ソウルの市庁舎前で日本と韓国のお祭りをテーマとした「日韓交流おまつり」というものが開かれているんですけども、そこもお祭りを通じて高校生とかが一緒になって踊るんですけれども、そういったところの現場を見ていますと、また来たいとか、また行きたいというようなことで、思い出になったことというのは大切なのかなと。この時期に日本のファンをつくっておくというのは、非常に大切だと思いますので、この訪日教育旅行というのは大切なのかなと。
ただ、やはり訪日教育旅行なので、急に体験メニューを入れてくれだとか、キャンセルとか、そういったのもあったりとかして、非常にトラブルも多かったりしますので、そういったところも御理解いただけるようにしていければいいのかなというふうに思っております。
 それから、3番目に、産業観光、いわゆる観光以外のものでも非常にPRができる静岡県だと思います。もうヤマハにしてもそうですし、カワイにしてもそうですし、静岡でつくるものっていうのは本当に世界トップブランドでございますので、そういった産業界と一体となった受け入れ態勢なんかをつくられるとよろしいのかなというふうに思います。
 それから、よくあるんですけども、外国のお客様を呼ぶために必ず何か新しいものをつくらなければいけないなんていうふうに考えられる場合もあるんですけども、決してつくり上げることはなくて、既にあるものというものをしっかり再認識していただくと、こんなものも観光資源になるんだということがある。そういうことを意識していただくこと。あと、日本人に人気のある本物というのは、外国人にも受けていくんだということも意識していただければなというふうに思います。
 それから、大井川鉄道にはSLがあったり、また海産物とか、そういったものも非常にあったりすると思いますし、また、在日の外国人の御意見なんかを聞いて、そういった感覚も活用するとよろしいのかなというふうに思います。
 それから、5番目なんですけれども、観光関連だけじゃなくて、いろんな業種の県内の企業の方々と御協力をされるとよろしいかなというふうに思います。先ほどの繰り返しになりますけど、施設旅行というような形で産業観光を受け入れるとか、あと外貨の両替とかもできるようにする箇所をふやすとか、あとこれは韓国ではないですけども、クレジットカードが使用できるところや、銀連カードなどを使用可能にするとか、そういったようなことも大切かなと思います。
 それから、既に静岡にあるものの活用例ということで、徳川家康って非常に韓国人には人気がございます。豊臣秀吉は非常に人気がないんですけれども、秀吉をやっつけた徳川家康というのは非常に人気があるので、この家康を祀った東照宮ですとか、静岡で家康に関連したものというのは非常に受けるというふうに思います。
 それから、こちらは「富士山静岡空港を活用した観光促進」ということで、最後になりますけれども、富士山静岡空港のユニークさは観光資源に十分になりますと。空からあこがれの富士山をながめることが空港を出るときにできますし、こういう雑誌でも紹介されていますけど、本当に緑がきれいな癒しの空港だということだと思います。
 それから、観光分野では広域観光ルートの開発というようなことで、ニューツーリズムとか、産業観光、教育観光、それからインセンティブツアーなど、いろんな部分で可能性を持っているんだと思います。
 あと、こういった広域観光ルートを国内外にPRをすることがやっぱり大切でございますので、我々JNTOを御活用いただいたり、あと地元の企業や地元のマスコミにも協力をしていただく、また海外の事務所とか、そういったものも協力していただいてPRをしていくというのも必要なのかなというふうに思います。
 一応、以上で御報告を終わりにさせていただきまして、あとこちら、「MY JAPAN 私が感じた私だけの日本コンテスト 体験旅行記」の方なんですけども、こちらは実は6月に韓国で行われました「KOTFA」という国際観光展のときに、「あなたが感じた日本」というコンテストを行いました。それで約1000通の応募があったんですけれども、4人に日本の旅行をプレゼントいたしました。この人には、韓国と静岡の往復航空券、宿泊券をプレゼントしました。ただ、無料でプレゼントなんですけれども、帰ってきたらこういった体験旅行記を書いてくださいというお願いをしたものでございます。これは既に、9月からJNTOのホームページで紹介をされています。こちらは、ちょっと参考になることがございましたので、お配りさせていただいております。
めくっていただきまして、1ページ目の真ん中辺に「静岡県事務所で資料やパンフレットをもらい、オススメ観光地などをネットで検索してみた」というふうに書かれております。やはり情報を取るのはネットとか、こういった事務所とか、そういったところで取るというのがちょっと参考になるかなと思います。
 それから、一番下なんですけれども、「着陸の前に窓から手を振りながら迎えてくれる人々を見た」というようなお話も書かれております。こういったのは、ホスピタリティーというか、おもてなしの部分で非常に大切なのかなというふうに思います。
 二枚次のページなんですけれども、県庁の展望台――よく御存じだと思うんですけれども――「一般人に無料で開放されており、21階にはお茶を飲む場所もあった」なんていう話とか、「残念ながら富士山は見えなかった」なんていう話もあります。あとは、このページの真ん中辺のところに「駿府城に足を運んで徳川家康が」というようなことで、徳川家康というのがやっぱり知られているんだなと思ったところです。
 その前のページなんですけれども、やっぱり「お茶の郷」ということでお茶のイメージを非常に持っていらして、お茶のそういった風景を楽しんだんだろうなというふうに思います。
 二枚次のページにはラーメンとか、こういったB級グルメなんかも楽しむのかなというふうに思います。
 それから、その次のページの――ちょっと電車が出ているところですけれども――2日目のところで、「日本旅行で外せないのは温泉だと思う」というふうに、この方は言っていますね。やっぱり「静岡の温泉に行きたかった」ということで、本当に温泉、また静岡というのを題材としているんだなというのがわかると思います。
 あと、「日本が誇る新幹線にも乗れて」ということで、新幹線に乗るようなことも楽しむ1つに考えていらっしゃるんだなというのが見えると思います。
 このように当選された方の――ペアでしか御招待しなかったんですけれども、三人の御家族で、お母さんを連れて来てますね――そういった方の体験旅行記。これは本当に生の声なのかなというふうに思って、静岡を感じた、静岡に来る際にはこんな形で来たというものの、ちょっと御紹介でございます。
 つたない御説明ではございましたけれども、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○天野(進)委員長
 ありがとうございました。以上で波多腰さんからの意見陳述は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にはお願いいたします。質問はまとめてするんではなくて、一問一答方式でお願いをいたします。
 それでは、御質問、御意見等ありましたら、御発言をいただきたいと思います。どうぞ。

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