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委員会会議録

質問文書

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平成28年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:佐野 愛子 議員
質疑・質問日:07/11/2016
会派名:ふじのくに県民クラブ


○佐野委員
 お願いします。たくさん聞きたいことがあってあれですが、分割質問方式にしておきます。
 全然、説明外のことから入って大変恐縮ですけれども、民生委員について少し最初に伺いたいと思います。
 民生委員の改選が、ことし近づいていて、地域の方から民生委員の課題についてたくさんの提案を伺います。
 まず、選出に大変苦労しているということ、民生委員の受け手がないということが言われています。さまざまな手当のことだとか、1年間にたくさん出なければならないということで人選に大変苦労しているということを伺います。
 私は何周年とかいう記念の大会に行ったことがありますが、そもそも何年も前から、民生委員の制度が現在のこの多様化、多面化、そして情報化の時代とそのままの昔の制度と、少し現実と合ってない面がありまして、頼みに行く町内会長も大変頼みにくいということを伺っていますが、民生委員の実態と仕事内容については、県はどのように捉えているんでしょうか。

○山内地域福祉課長
 今、9番委員からお話がありましたように、民生委員の活動日数は1年間で1人当たり134日、訪問回数も127回と大変お忙しい状況であると。手当は、活動費が年額5万8200円という活動の中で、なかなかなり手がないというお話を聞いております。
 平成25年に年齢を75歳未満まで引き上げまして、またことしの一斉改選につきましては、実際、9番委員からお話が出てしまっているんですけども、なり手がないということで、昨年度までに市町に対して説明会を開いて、早目早目に取りかかれるような工夫はして、ことしに臨んでいるわけですけれども、確かにそういうお話は聞こえてきます。民生委員の役員の方からも民生委員をやっていることについてもっと周知してほしい、国から委嘱されている大事な仕事だということをもっとちゃんと普及啓発してほしいという意見も聞いておりまして、機会あるごとにそういう話をして、民生委員の活動について理解を求めているところでございます。

○佐野委員
 民生委員というのは、そうやって地域の担当が決められていて、そのお宅に出向いて様子を伺ったり、今的に言うと大変アナログな仕事なんですよね。それが個人情報の保護だとか、プライバシーの侵害とかという感じで、昔ながらの制度は大変やりにくいのも十分うかがえます。
 そして、昔は民生委員というと障害の方だとか生活困窮者に対する対応が多かったと思うんですが、現在は老人の介護とかおむつの支給とか、老人の介護に関する相談がほとんどだそうです。そうすると、介護に関してはケアマネジャーとか介護保険という制度がちゃんとできたわけですよね。ですので民生委員の方も、自分が民生委員でありながら、できることが少ないというか、自分がどこまで入り込んでいいのかということも迷いますし、はっきり言って、やりがいがないというか、そういうところも感じられているようです。
 障害者の方もどこのおうちに障害者がいるという情報も余り知らせられなくて、やはり現状の介護保険や障害者自立支援法に合わせた民生委員の制度の改革が必要だと思うんですが、県で変えることはできないんですが、担当課としての見解はいかがでしょうか。
 あと、民生委員が足りているかどうか、空白の地域は県内にどれくらい人数はあるでしょうか。

○山内地域福祉課長
 先ほどの生活困窮者の相談件数についてですけれども、窓口に来ていただく方以外に、やはり相談に来れない方がいらっしゃいます。そういう方について、アウトリーチして、こちらから出向いて地域の実情を把握していかなくてはならないんですけども、そういう場合にも、地域の事情に精通している民生委員、児童委員の果たす役割は大変多いと感じております。
 今回の一斉改選で、なり手がないという中でも、市町からの要望で、36名の増員をしているということで、確かに高齢者のおむつの相談が多いとかという話も伺いますけれども、地域のニーズはまだまだ重要な役割を果たされていると感じております。
 前回の改選時には、127名の欠員がいました。平成28年の4月1日で現在55名の空白ということになっております。72名が確保されたわけですけども、今でも現状で55の空白地域があります。
 そういう中でも、空白があっても、またさらに36名の必要がある状況でございます。

○佐野委員
 生活困窮者自立支援法は、市役所の窓口に相談に行かないと全ての相談事業も就職支援も受けれないわけですよね。ですので、やはり民生委員がきめ細やかに市役所に行ったらいかがですかとか言ってあげることが本当に大事だなと思います。
 地域を知っている方の役割というのは大変重要だということはわかるんですが、先ほど申し上げたように、昨今さまざまな情報の不足だとか、今まで民生委員が受けたことも、法律により市役所の相談窓口ができたので、そこに行けばある程度困窮者の自立支援に対する筋道はあるわけですよね。
 ですので、法律の施行また介護保険の施行に対しての対応が必要だなと、それは私の意見ですので、また県からもそのような実態を国に上げていくべきではないかと思います。

○山内地域福祉課長
 済みません。9番委員ありがとうございました。先ほど空白地域は55あると言ったんですけども、55名の定員を満たしてないということで空白地域はございません、その空白になったところについては、地区の民生委員・児童委員協議会でグループでカバーしているということで、空白地域と言えば、ないということです。済みません、申しわけございません。

○佐野委員
 わかりました。任期も1期やるとやはり大変でやめてしまいたいと辞表を出す方と、それでも2期、3期やってくださいといって頼まれてやる方と1期だけ頼まれたからやるという方と極端に分かれるようです。ですので、やはりやりがいと必要性、また待遇がしっかりしていけば、ある程度定着したというか、地域の人材を生かす場になると思いますので、またそういったことも国に要望していただいたり、県としても方向性を市町に指導していただきたいと思います。

 あと、もう1つちょっと変なことですけれども、民生委員を断る理由に、選挙にかかわれないから、支持政党とか、そういうことを言ってはいけないと言われている。例えば立会演説会とか、街頭演説会とか、そういうところにも絶対民生委員は行ってはいけませんという指導を受けるそうです。実際にそういうことを地元で聞いています。
 公務員も選挙活動はできないんですが、公民として有権者として演説を聞きにいったりすることは認められているわけですよね。民生委員も地位利用、公務員も地位利用さえしなければ、後援会活動等、個人の意思でやるのはいいと思うんですけれども、この辺が余りにも間違った指導でかた過ぎるというか、認識が異なっている指導をなされていると思うんですが、その辺、県はいかがでしょうか。

○山内地域福祉課長
 9番委員おっしゃるとおり、民生委員も公務員ですので、そう認識しているというところで誤解を得ないような活動をしているのではないかと考えておりますけれども、それについては、そう指導がされているのであれば、少し検討をしていかなければなりません。

○佐野委員
 なり手がない理由も、そのような余りにも厳し過ぎるというか、間違った認識での指導がされていて、そんなに厳しいことを言われるんだったらできないというような、なり手がないという理由とも聞きます。ですので、やはり公務員としてできることと、一有権者として、一社会人としてできることとしてはいけないことをしっかりと正しく研修を受けさせるように、今度の改選に当たりましては、こちらを御配慮いただきたいと思います。意見で結構です。

 次に、子供の貧困対策について伺います。
 新聞をあけると子供の貧困対策、また保育園落ちた、日本死ねのどっちかのことが、ずっとずっとニュースになっていますが、子供の貧困対策について伺います。
 県も計画をつくったようですが、子供の貧困、静岡県は10%くらいという数字が出ているようですが、子供の貧困に対して、まず実態調査から始まると思うんですけれども、どんな調査をして、どのように実態をつかんでいるでしょうか。

○鈴木こども家庭課長
 子供の貧困対策関係で、実態調査の御質問がありました。国で示している子供の貧困率は全国で16.3%という数字がございます。これは国の統計、全国調査の中でオールジャパンの数字が出ておるんですけれども、各県別のデータが出ておりません。これについて、国にも問い合わせをしておりますけれども、個別の県のデータは出ないということで、それぞれの自治体において独自の指標を設けたりということでやっております。
 本県の場合は、昨年子供の貧困対策計画をつくりましたけれども、その中に1つの考察として、本県独自の就学援助率というものがありまして、その就学援助率から、子供の人口割合で試算をしてみたら、どれくらいの規模がいるのかということをやってみました。
 それによりますと、就学援助率が6.41%という数字がありますので、これを当てはめますと、県内に3万8000人という数字を試算という形でお出ししているところでございます。

○佐野委員
 今の答弁にちょっと驚いたんですけれども、国の子供の貧困率の16.3%と静岡県の10.8%ですか、これは基準が違うということですよね。国の基準を出した後、各県独自の基準で貧困率を調査してくださいということなんですか。

○鈴木こども家庭課長
 具体的に、本県は国で言っているところの16.3%に相当する調査という形では実施しておりませんで、10%という数字を個別に出しているものではございません。
 この調査の仕方も、いろいろな考え方があるということで、国としても、どういうやり方がいいのかを検討するようになっているところでございます。また市町において、それぞれ身近な自治体で状況把握が必要だということで、個別に調査をなさるところもございます。

○佐野委員
 県の計画もいいんですが、まず実態ありきで、静岡県の実態をしっかりつかんだ上で貧困対策等を立てないと意味がないと思うので、余り国に流されないでしっかりと県の実態をつかむべきだと意見として申し上げます。
 あと、学校では、本当にこの子朝御飯ずっと食べてこないとか、1本のリコーダーを3人の兄弟であわせて使っているとか、生活保護を受けている受けてないにかかわらず、さまざまな実態があると思うんです。
 ですので、貧困の中でもどんな原因なのか、シングルなのか、親がいても子供にお金を回さないとか、さまざまな虐待めいたこともあります。言葉だけで子供の貧困というのが踊っているような気がします。どんなことが子供の貧困になっているのか、県も実態をしっかりと把握して対応すべきだと意見をしたいと思います。

 そして、生活困窮者自立支援法で学習支援教室がありますよね。今年度東部へもふやすということですが、これは任意なので、実施している市町はどれくらいあるでしょうか。

○山内地域福祉課長
 平成28年度は、21市町で実施を予定しております。

○佐野委員
 市の負担もあるので、県、国、市なので、どうしても全部の市町ではできないのかもしれないんですが、ほかの事業もそうですが、結局国で子供の貧困対策ということで策定した事業なので、全ての市町で実施できるような投げかけを県にもしていただきたいと思います。

 そして、磐田市のように学生ボランティアだとか、地域のNPOとか、地域の人材を利用して、子供たちに勉強を教えてくれるというのは大変効果的だと思うんですが、謝礼等も少なくて済むと思うんですが、ほとんどの市は人材派遣会社に丸投げなんですよね。この人材派遣会社に年間800万円とか1000万円とか払って、その人たちが使いたい放題にお金を使って、実際に子供のところに返っている効果が少ないような気がするんですが、このような内容の実態についてはどのように捉えているのでしょうか。

○山内地域福祉課長
 県が所管している12町について、通所型の学習支援をやっているんですけれども、これについても委託でやっているんですけれども、やっぱり丸投げということではなくて、9番委員が今おっしゃったように、その中に地域の人材を活用してやっていくことを委託の仕様書の中に入れて、それを守るようにして実施しております。

○佐野委員
 その辺の指示をぜひ強く県から指導していただきたいと思います。やっていただくのはいいんですけれども、ちゃんとやり方まで立ち入らないと、効果的な運用はできないと思います。ぜひとも今地域の学校も地域のとともに生きる学校づくりとか、学校の教育も子供たちの教育に地域の人材を生かすというような方向に来ていますので、丸投げということを絶対しないように、学生のうちから地域の人材活用をすることをある程度条件づけるくらいにしていただきたいと思います。そして、市の職員の方もしっかりとかかわっていくようにしていただきたいと思います。

 そして、学校教育との連携はどのようになっているでしょうか。

○山内地域福祉課長
 生活困窮世帯、生活保護を除く世帯につきましては、家庭の状況等の機微な情報にかかわるということから、参加対象者の把握や周知が難しい面がございます。こういうときに、教育委員会初め学校等の関係機関との連携を強化することで、先ほども申し上げましたけども、今、県で行っています通所型学習支援やことしからやります合宿型の学習支援につきましても、実施前に必ず教育委員会と調整をとってからやるようにしております。

○佐野委員
 この事業に関しては、クラスの先生からあなたこういうのがあるから、あなたのうちちょっと塾に行けそうもないから、こういう勉強をただで教えてくれる塾みたいなところがあるから行ってごらんと言いたいんだけれども、それはできないんですよね。
 学校の先生が一番実態を知っていて、もっとこの子を伸ばしてあげたい、進学させるのに行かせてあげたいという気持ちが一番あると思うんですが、あくまでもこれは市役所に自立支援の相談に行った人、世帯の中から、こういうのがありますよと相談に行かないとチャンスがないわけなんですよね。
 ですので、この事業も本当に行くべきところに行く事業かなという疑問が生じます。それは制度だから仕方がないのかもしれないんですが、ぜひ学校教育と連携をとって、本当に行くべき子、一部の子だけではなくて、必要としている児童生徒に行き渡るような事業になっていただきたいと要望をします。
 この子がそういう事業に行っているよとかということは学校に連絡があるようなんですが、それだけでは少しもったいないかなという気がします。

 ことし始める合宿型というのはどんなものか、少し説明してください。

○山内地域福祉課長
 通所の学習支援をやりまして、学習の基礎となる生活習慣の改善が必要な子供もいるということで、夏休みを利用しまして、生活習慣の改善や自立心の育成を目的に学習の場を提供する合宿型の学習支援を夏休みから実施するように、子供たちが将来にわたって希望を持てるように支援していきたいということを目的に始めるものでございます。

○佐野委員
 そちらのほうも市役所に相談に行った家庭の方に、市役所の福祉事務所、福祉指導課からこういう事業がありますよと御案内するんでしょうか。

○山内地域福祉課長
 この合宿型、その前の通所型の前段で子ども健全育成支援員を置きまして個別支援をやっています。そこの個別支援は、県の場合は、12の町の社協のコンソーシアムに対して委託しておりまして、社協と役場という形で相談に行ったところと連携をとって対象者を選定しているということです。

○高橋福祉長寿局長
 生活困窮者自立支援制度の仕組みでございますけれども、県は、郡部を所管してございます。郡部の町でございます。市は市独自で行っておりますので、私たち県が所管する分については、今地域福祉課長が申し上げましたとおり、郡部の町、町社協、地域の実情に詳しい方々が窓口として接していただいておりますので、そちらの方がいろいろな情報をいただいている。さらに学校との連携でございますけれども、教育委員会でありますとか、学校現場、また学校のスクールソーシャルワーカーと情報を共有しまして、カリキュラムでありますとか、事業の実施方法については、綿密に打ち合わせをして進めているところでございます。

○佐野委員
 県は郡部をやるというのはわかっているんですけれども、県は総括する立場として、各市に指導をお願いしたいという意味で言っています。

 スクールソーシャルワーカーを全市に配置、増員ということなんですが、今年度の事業で、教育委員会で雇用している、拡大しているスクールソーシャルワーカーと健康福祉部で雇用するスクールソーシャルワーカーとの兼ね合いはどのようになっているんでしょうか。

○鈴木こども家庭課長
 今、9番委員から御質問がありましたスクールソーシャルワーカーにつきましては、教育委員会の事業で拡充をするということで、子供の貧困対策計画に位置づけさせていただいております。
 具体的に、数値目標として、昨年計画を立てたときに、平成26年度の実績では4市3町にしかまだ配置されてなかったんですけれども、これを31年までに全市町に配置をするという目標で教育委員会でやっておられるということで、連携して取り組んでいきたいと考えております。

○佐野委員
 わかりました。やはり連携が必要だと思います。子供のことだからといって、全て教育委員会任せ、教育委員会の予算でやれというのではなくて、やはり福祉、そして子供対策と多くかかわっていることですので、ぜひ皆さんで連携して予算も出し合ってやるべきだと思います。意見として言っておきます。

 次に、こども食堂について伺います。
 こども食堂も大変今にぎわっていますよね。マスコミとか新聞に出ていますが、県でこども食堂の実態はどのようにお考えでしょうか。

○鈴木こども家庭課長
 こども食堂についての御質問ですけれども、子供の居場所づくりという中で、重要な取り組みの1つであると考えております。
 こども食堂は、NPO法人であるとか、あるいは社会福祉法人、あるいは個人的にやられているということがありまして、なかなか詳細な実態がつかみにくいところがありますけれども、我々が把握している中でも10団体ぐらい活動されているということでございます。
 今年度、県では母子家庭、ひとり親家庭等について、このこども食堂――食事の場を提供できるような居場所をつくることが重要だということで、モデル事業として東・中・西で1カ所ずつ事業展開を図っていきたいと考えております。こういう取り組みの中で事例を紹介しながら、市町に事業を広げていきたいと考えております。

○佐野委員
 これから夏休みが近くなりまして、給食で栄養をとっているような子のお昼等が気になるわけですよね。ですので、こども食堂の開設に当たっては、なるべく7月と8月の夏休み中には開設できるようにしていただけるとありがたいと思います。
 そして、やはり材料費だとか、働く人はボランティアで賄うことが多いと思うんですが、資金的に寄附を募ったり、大変苦しい運営になると思うんです。そして無料で食べさせるところもあるし、少しお金を取るところもあるし、いろいろやるに当たっては、さまざまな課題があると思うんですが、県としては予算づけはできているんでしょうか。

○鈴木こども家庭課長
 御質問のありました県の予算ですけれども、ひとり親家庭の対策の中で事業費を計上しておりますけれども、これはモデル事業ということで、初期投資に係る、例えば機材を購入したり、あるいはボランティアを雇う人件費等の対応ということで予算を計上させていただいております。

○大石健康福祉部理事
 ただいまのこども食堂についてですけれども、県内でも幾つかできておりますが、政府主導で民間からの寄附を募る子供の未来応援基金が平成27年10月に創設されまして、今こども食堂をやる方に募集がかかっておりますので、市町を通じて周知を図っております。こども食堂をやる方はその基金の活用が該当するということであります。

○鈴木こども家庭課長
 子供の居場所づくりの関係で、ひとり親家庭に対する委託事業ということで、予算としますと、374万2000円を計上しております。

○佐野委員
 県の予算も、三百数十万円ついていて、国の基金もあるということですね。国も県社協を通じて募集をしているということも、県社協を通じて、どっちなのかな。ぜひ県もそのような実態を捉えて、必要なところに必要な予算組みをしていっていただければありがたいと思います。
 静岡県の子供の貧困率が10%ということは、10人に1人はもしかしたらお昼も食べれない子がいるということも考えられるんですよね。
 ですので、全て県の税金で賄うのもいかがなものかと思いますが、運営できるようなシステムづくり等も県で指導していただけるとありがたいと思います。

 関連して、フードバンクの事業もだんだん定着してきましたが、フードバンクについては、県はどのような支援をするんでしょうか。

○山内地域福祉課長
 企業や家庭で処分せざるを得ない食品の寄贈を受けて、食料の必要な家庭に提供する事業をNPO法人フードバンクふじが平成26年5月から開始してございます。フードバンクふじにおける取り扱いは年々増加しておりまして、昨年度の取り扱いは、入庫が42トン、必要な方にお届けした出庫は38トンに上りまして、活動は県内に今広がっております。
 引き続きフードバンク事業のPRを図ることによって、処分せざるを得ない食品の有効活用を促進して、供給量の増加を図って、生活に困窮し食に事欠いている方々に届けることができるように、市町や関係機関と連携してまいりたいと思います。

○佐野委員
 そのようなフードバンク事業をしているNPOに対して、県は県民に対しての周知だとか、働きかけだとか、応援をぜひしていただきたいと思います。
 県がお金を出さなくても、そのような取り組みを民間でしている方たちがいるので、ぜひ支援をお願いしたいと思います。

 あと、保育関係の質問に移ります。
 やはり保育士の待遇改善、保育士の増員、その辺が今一番の課題となっていますが、県内の保育士の待遇は一概には答えられないと思うんですけれども、待遇の実態と待遇改善の方策について伺います。

○鈴木こども未来課長
 保育士の平均賃金という部分ですけども、平成27年度の賃金構造基本統計調査によりますと、これは年齢とか勤続年数が違っておりますので、一概には比べられないと思うんですけども、年収、全国は平均323万3000円に比べて、静岡県は320万4000円。それから月収にいたしますと、全国が21万9000円で静岡県は20万3000円。年齢が全国平均は35歳、静岡県は36.8歳、勤続年数が全国は7.6年で、静岡県は6.9年ということで、若干静岡県のほうが低めに出ているのかなとは思うんですが、これは東京とか大都市ではかなり待遇をよくして保育士を集めている現状がありますので、そういうところで、若干静岡県の平均が低いのかなというところもございます。
 保育士の確保対策といたしましては、平成26年度に社会福祉協議会の中に保育士・保育所支援センターを開設いたしまして、保育人材に特化した無料の職業紹介相談などの事業を実施しまして、雇用のミスマッチ解消に努めております。
 今年度は、さらに保育士バンクのシステムを構築いたしまして、多くの潜在保育士に登録を促しまして、求人情報や活用可能な各種の支援制度など、きめ細かな情報提供を行うとともに、学生向けには現場の体験実習などを実施いたしまして、保育人材としてのやりがいや魅力を実際に体験していただく事業を実施するなどいたしまして、同センターにおける事業の充実を図っているところでございます。
 また、新たに保育士資格取得を目指す学生でありますとか、保育士資格を持ちながら保育業務に従事していない潜在保育士、さらには保育士資格取得を目指す保育補助者を新たに雇用する保育事業者に対しまして、一定の要件に該当した場合は、返還が免除される貸付金を貸し付ける保育士修学資金等貸付事業を今年度から実施いたしまして、保育人材の確保を図っているところでございます。

○佐野委員
 保育人材の確保で、修学資金で16億円と結構大きなお金を使っているんですが、少し内容を教えてください。

○鈴木こども未来課長
 この保育士修学資金等貸付事業につきましては、4つのメニューがございます。1つは保育士修学資金等貸付事業といいまして、指定保育士養成施設に在学して保育士資格の取得を目指す学生さんに対するものです。
 これは、養成施設への入学が条件になりますが、月額最高5万円を最大2年間貸し付けする。養成施設入学準備金として20万円、それから就職準備金として20万円、それから生活費加算月額として最高3万8290円といったものになっております。返済免除条件としましては、卒業後県内の保育施設において保育士として5年間従事ということがございます。
 それから、2つ目としまして、離職防止のための勤務環境改善事業ということで、これは保育士資格を持たない保育補助者を雇用する保育事業者に貸し付けするものでございます。保育補助者の雇用が貸付条件です。これは年額295万3000円で、最大3年間貸し付けをいたします。保育補助者がその3年間で保育士資格を取得した場合には返還免除になっております。
 それから、あと2つは潜在保育士に対する貸し付けになっておりますが、1つは未就学児を持つ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業です。未就学児を有する潜在保育士の方が現場に復帰するときの貸し付けで、保育施設への勤務及び未就学児の保育施設の利用が条件となっております。これは月額最高2万7000円で、最大1年間の貸し付けとなっております。県内の保育施設において、保育士として2年間従事すると免除されます。
 最後に、潜在保育士の再就職支援で、対象が潜在保育士で、保育施設での勤務が貸付条件なんですが、これは1回限り20万円という貸付額となっております。県内の保育施設において、保育士として2年間従事すれば返還が免除されると、この4つのメニューとなっております。

○佐野委員
 丁寧にありがとうございました。
 今までは介護士に当てはまるような待遇改善が、そっくりこのごろは保育士に来ているなという思いをしています。今の修学資金等貸付は1人ざっと200万円くらいもらえるわけですよね。5年間じゃ短いなという思いがします。5年間ということはもう結婚前でやめてしまうというようなことですので、もう少し保育士が結婚しても働き続けてキャリアを積み重ねていけるような制度になるべきだと思います。
 介護士と保育士とどっちもどっちで介護士もキャリアパス制度とか、いろいろつくっていますけれども、保育士の待遇改善についても、これだけのお金をかけてやっているので、実効あるものになっていただきたいなと感想です。

 前にあった子育ては大事な仕事で、保育士の資格を取る事業がありますよね。あれはどうなったんでしょうか。

○鈴木こども未来課長
 それはチャレンジ応援事業だと思うんですけども、資格を取ることを目的としてやっているものですけれども、今年度もやっております。最初は藤枝市と富士市で平成25年度から始まったんですけども、現在は35市町全ての方が参加できるように県内9カ所で実施しております。

○佐野委員
 保育士のことはわかりました。
 保育所の整備も必要だと思うんですけれども、認定こども園に移行する場合に、保育園から認定こども園にする場合と、幼稚園から認定こども園にする場合と、いろいろ壁があると思うんですが、幼稚園の場合は私学助成で経営している園もあるんですが、認定こども園の整備に対する課題はいかがでしょうか。

○鈴木こども未来課長
 認定こども園の整備の課題ということでしたけれども、認定こども園は保護者の就労状況にかかわらず、子供が安定して教育、保育を受けられる施設ですので、大変いいものだと思っております。
 幼稚園から認定こども園に移る場合には、幼稚園は御承知のとおり3歳からを見ておりますので、0、1、2歳の子供を預かるところが不安という声がございまして、そういうところが進まない1つのことであります。あと運営費の部分でも、認定こども園がいいのか、それとも幼稚園のままでいるのがいいのかとかというところも、経営者の方たちはどちらにしようか迷っているということは聞いております。

○佐野委員
 いろいろ課題はあると思うんですけれども、認定こども園は、保育士と幼稚園教員の免許の課題等もあると思います。最近も免許を失効して指導していたということもありましたね。そのような複雑な手続、免許更新制度等ありますので、そんな課題も県として報告していただきたいと思います。

 企業内保育所について伺います。
 メロンハウスですけれども、掛川市ですね、見に行って、企業で働く親に対して企業内で保育園をつくるというのは大変理にかなった制度だと思います。ちょっと語弊があるかもしれませんが、働く親のために税金を投じて保育をしてあげるというのは、税金が幾らあっても足りないなという気もします。ですので、やはり企業内保育で企業が保育所をつくって、通勤と送り迎えがちょうどマッチングしていい制度だと思います。
 国は企業内保育所の制度を緩和した、支援をふやしたと伺いましたが、県はどのようなかかわりをしているでしょうか。

○鈴木こども未来課長
 内閣府では、9番委員御指摘の企業主導型保育事業をこの4月から開始いたしました。これは内閣府が公益財団法人児童育成協会に委託をいたしまして、ここが窓口となっているものです。
 こども未来局では、そういったものは経済団体を通じまして、県内の企業の方に御案内を差し上げています。ただ企業の方も、県や市町を通らないものですから、なかなか直接は大変だと思いますので、出し方がわからないとか、内容がわからないといったときにはこども未来課にお問い合わせくださいということで、文書で今お流しをしているところです。
 県といたしましても、この企業主導型保育事業に企業としてどんどん手を挙げて整備していってもらいたいなと思っております。

○佐野委員
 ぜひ県で、推進の手だてをとっていただきたいと思います。県が予算的にかかわらないからではなくて、仲立ちをしてあっせんしていく態度が大事だと思います。
 私ちょっと驚いたのは、企業内保育所をつくって、そこに勤め始めた保育士が、今までほかの保育園に勤めていて、企業内保育所に勤めたら大変賃金が上がったと言うんですね。私は逆で賃金が下がったのかと思ったら、その会社の社員並みの待遇になったわけですよね。そうしたらすごく収入が上がったと聞いて驚きました。
 やはり企業も、保育士を一社員として同じ扱いにしてくださって運営してくださるようなそういう理解のある企業もあります。ぜひそのような企業を推薦したり、県も奨励していただければと思います。

 あと商業施設で、美容院だとかスーパーとか、そういうところにもこのごろ保育所がふえましたが、県はどのようにかかわっているでしょうか。

○鈴木こども未来課長
 藤枝市にもプティ保育園というのが西友の駐車場の跡地にできたかと思います。それも特に県を通してということではありませんけれども、企業内保育所につきましては、県に届け出をしていただくことになっております。届け出をしていただいた企業内保育所については指導監査に入りますし、企業内保育所でも地域枠と言いまして、従業員の子供だけではなく、地域の子供を受け入れてくれているところもございますので、そういったところには当然、給付費も相応の額をお支払いしている形になります。

○佐野委員
 保育園が公設でなければならないというのではないので、ぜひともそのような企業内保育に対して、さまざまな施設の保育等に対して県は奨励していただきたいと思います。

 放課後児童クラブについても伺いますが、今これだけ保育園がふえていて、保育の需要が増大するということは、そのままその子供たちが小学校へ行くと、放課後児童クラブも必要になるということですよね。
 県も今年度は651カ所助成ということですが、今後の見通しや事業計画とか、どのようなものが立っているんでしょうか。

○鈴木こども未来課長
 放課後児童クラブにつきましては、今年度53カ所1,628人分の施設整備の予算化をお願いしましたけれども、平成29年4月1日開設予定としましては50カ所1,554人分になっております。
 量の見込みと確保策につきましては、昨年度からスタートいたしましたふじさんっこ応援プランの中で、各市町がその見込みの数字と確保策の数字を積み上げたものを県のプランとして出しています。その中で適正にやっているかどうかを確認しながら、市町に対しても働きかけていきたいと思っております。

○佐野委員
 地域医療構想について聞きます。
 この地域医療構想は、医療構想と言うので全県民対象かなと思ったんですが、高齢者だけなんでしょうか。この辺、見てわからないんですが、急性期とか回復期とかありますよね。何かまるで高齢者だけを対象にしているように思うんですが、その辺を教えてください。

○石田医療政策課長
 地域医療構想につきましては、もともと数字を出すときに、2013年のレセプトデータを全部集計に反映しています。その中には当然お子さんも入っていれば、成人の方も入っておりますので、数字的には全部の数字で出しております。

○佐野委員
 高齢者だけを対象にした構想なのかなと思っちゃいました。全部入っているわけですね。子供から大人まで。わかりました。

 あと、10年で3,000床減らすということですが、急性期、回復期で回復期が足りなくなるということですが、急性期が減って回復期が足りなくなるという仕組みを1分で簡単にお答えください。

○石田医療政策課長
 高齢者がふえてくる中で、どちらかというと、急性期にかかる病気よりも回復期が重要になってくる、在宅へ復帰するためのケアが必要になってくるということで、回復期のほうが重要になってくるということでございます。

○佐野委員
 訪問看護と在宅医療が必要になってくる体制というのはわかります。地域包括ケアシステムとか、退院時のカンファレンス等が大事になってくると思うんですけれども、要するに訪問医療、往診をしてくださる病院は地域の中で限られていると思うんですが、どのように訪問診療の増加を見込んでいるんでしょうか。

○石田医療政策課長
 地域医療構想の中で、在宅医療がたくさんふえると推計しております。この在宅は必ずしも自宅だけではなくて、特養等の施設も含めて在宅という扱いをしております。いわば診療所、病院以外で医療を受ける場所ということになっている。
 一方で、在宅をどうやってふやしていくのかというのは大きな課題でして、医師会の皆さん、それから訪問看護ステーションの人、あるいはそれに付随する地域の介護系の方々とかと協力しながら、今後の方策を調整会議等で検討してまいりたいと思っております。

○佐野委員
 特養とか老健とか含めての在宅という数字だということはわかるんですが、やはり皆さんは自宅で最期を迎えたいとか、自宅で介護されたいという思いが強いと思います。特養だったらお医者さんが行って一遍に診ればいいんですけれども、やはり在宅、自宅までしっかりと訪問、往診できるような体制を整えるべきだと思います。
 県としても、例えば藤枝志太地区は、三輪さんという医師会長が大変熱心で、退院時にはケアマネさんとか何から、全て在宅でも困らないようなカンファレンスをします。病床を減らすだけで急性期を減らす、それで病院からほっぽり出すというのでは県民の不安と不満が高まるだけだと思います。しっかりといい例を全県に周知して、カンファレンスのやり方だとか、丁寧な対応をしないで数字だけを追いかけると県民にとって不幸なことになると思うんですが、どのようにお考えでしょうか。

○石田医療政策課長
 今、9番委員御指摘のとおり、各圏域によっていろんな特性があるかと思います。高度急性期がなかなか足りていないところもあれば、先ほど三輪先生のお話が出ましたけども、既に退院調整を中心に、在宅医療にも取り組んでいらっしゃるところもある。その地域地域に応じてどうしていくのがいいかというところを、地域医療構想調整会議に医療の関係者だけではなくて、福祉の関係者ですとか、あるいは市町の方ですとかに入っていただく中で、その地域でどうやっていくのか、皆さんで一緒に話し合いの中で、その地域に合った形を検討していこうと思います。

○佐野委員
 医療、介護の垣根をなくして、地域の特性があるといっても、誰もがうちにいたいという気持ちは強いと思いますし、たとえそれが伊豆であろうと僻地であろうと、往診をして行ってあげる体制をつくるのが県民の一番幸せな姿ではないかと思います。
 地域の特性という言葉で片づけないで、ぜひともそのような体制をつくるように努力を重ねていっていただきたいと思います。

 最後、国保について、あと1分しかないので、1分で答えてください。
 今までずっと市町の赤字が七十数億円とかあるんですよね。県がやるようになると、市が持ち出ししていた分は、県が出すことになるんでしょうか。

○赤堀国民健康保険課長
 市町の赤字でございますけれども、まずは国が1700億円。また追加で公費を投入いたしますので、そういったところがまず現状よりは改善された状態で制度改革を迎えます。
 県がお示しした納付金額をお預かりするわけですけれども、市町における赤字につきましては、直接は県では補塡はいたしません。

○佐野委員
 私も少し勉強していきたいと思います。同じ榛原郡でも負担金が、吉田町が11万円で川根本町は7万円とか、町によってもすごく違うんですよね。そのような調整を全て県がやったり、負担金の調整も赤字の調整も県でやるのは、どのようにやるのかなと心配が浮かびました。。
 また私も勉強していきたいと思います。ありがとうございました。

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