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委員会会議録

委員会補足文書

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平成28年11月スポーツ振興等特別委員会
公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 業務推進部長 園部さやか氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/25/2016 会派名:


○園部さやか氏
 スペシャルオリンピックス日本の園部と申します。きょうはこのようなお時間いただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
 では早速ですが、立ってお話ししてもよろしいですか。ふだん立っていつもお話しているので、済みません。失礼いたします。
 では、早速ですが、きょうは30分間で、スペシャルオリンピックスの活動と、それから知的障害のある人たちのスポーツの関係性について、お話しすることになっております。資料を御用意いたしました。前方にスライドでお示ししたいと思います。
 最初のスライドからなんですけれども、私たちスペシャルオリンピックスというのは、もう2018年で50周年を迎えるという、大変長い組織でございます。今、見ていただいていますのが、私たちの使命になります。3つのパートからなっていまして、私たちが何をやっているか、どうしてやっているのか、最終的に何を目指しているのかということが使命の中でうたわれています。
 では、何をしているかのところからお話しさせていただきます。
 スペシャルオリンピックスの使命は、年間を通じたさまざまなオリンピック形式のスポーツのトレーニングと競技会を知的障害のある人たちに提供するものです。対象となるのは、知的障害のある人たちです。行っているのが、オリンピックと同じ形式のスポーツになります。ここがちょっとポイントになります。年間を通じた、1年間ずっと継続的に活動しております。オリンピックやパラリンピック、それから国体のように、そのイベントのときだけ、その大会のときだけ開催されるものではなく、継続的にトレーニングですね。一緒に練習もしますし、それから大会のような発表の場も開催しています。この練習もするし、競技会、大会、試合も主催する。この両方をやっている団体というのは、非常に珍しいです。
 私どものこのスペシャルオリンピックスが、最初にどうしてじゃあトレーニングと競技会、両方をしようという話になったかと申し上げますと、そもそも、もう50年前、日本でも20年前、それから今もまだそういった環境が残っているんですけれども、知的障害のある、例えばお子さんがスポーツを始めたいと思いました。水泳を習いたいと思って、皆さんのお子さんだったら地域のスイミングスクールにすぐ通われると思うんですけれども、例えば行ったとします。すると、障害があるんだったら、ほかの子供たちと一緒に過ごせないだろうから、受け入れられませんというふうに断られる。サッカーもなかなか上達しないので、サッカーのクラブにも入りにくい。大人になったとしても、なかなかスポーツをする場所が、機会がないんですね。私たちは大会を開くだけではなくて、練習のところから一緒にやっていかないと、彼らのスポーツ環境は豊かにならないんじゃないか、その発想から、一緒に練習もするし、競技会、大会も開くというような組織運営をしています。
 オリンピックと同じ形式のというのは、つまり、オリンピックで世界中から集まった人たちが一緒に競技をできる、競い合えるというのは、世界共通のスポーツルールを使っているからなんですね。当たり前のようなんですけれども、スペシャルオリンピックスでも、その世界競技連盟、例えばFIFAとか、国際水泳連盟が定めているスポーツルールを使用しています。そうすることによって、知的障害のある人たちが上達していき、いつか障害のない人たちと競い合えるようなスキルを身につけたときに、誰とでも競技できるようにという配慮からです。
 知的障害があるというのは、スポーツルールを学ぶとか、それからスキルを身につけるというのが非常に難しいんですね。時間がとてもかかる人がいらっしゃいます。そういった人たちに配慮して、じゃあスペシャルオリンピックスだけ特別なルールでやろうかとなると、彼らはスペシャルオリンピックスの中でしか競技できなくなってしまいますので、オリンピック形式の、つまりは国際競技団体が定めているルールを使用して、この会を運営しているということになります。
 知的障害がある人が対象。1年間ずっと活動を続けています。それから、オリンピック形式のスポーツのトレーニングと競技会を開催しているという団体です。
 何のためにやっているかということが、2つ目の段落に入っていきます。
 皆さんも、スポーツをするのがお好きな方とか、昔はやっていた、今はもっとやっている、いろいろあると思います。ライフステージごとにスポーツのかかわりっていろいろだと思うんですけれども、スポーツっていいものですよね。そういう前提だと思います。精神的にストレスの発散になる。新しい自分の目標を持つことができる。それから、何か達成したときに、自分の目標を達成したときに達成感を得られる、それが自信につながる。健康面ではもちろんそうです。もうこれは申し上げる必要もないぐらいだと思います。認知の部分でもいいですね。ルールを理解する。自分が思った方向に体を動かすということも、これは認知力を使っています。社会性の面でもいいんですね。スポーツをすることによって、社会とのつながりができる。大げさな言い方なんですけれども、お友達ができる、仲間ができる、チームメイトができる。そういったスポーツのいいところを、知的障害のある人たちにも十分に享受してほしいな、それを目的に、私たちはこの活動をしています。
 最後、最終的に何を目指しているかというところになるんですけれども、私たちはその知的障害のある人たちにスポーツをする機会を提供するということを通じて、最終的には誰にとっても住みやすい世界、社会をつくっていきたいなというふうに思っています。後でいろいろと事例を御紹介するんですけれども、スポーツを通じて、まず家族の皆さんが自分の障害のあるお子さんのことを誇りに思うと。ボランティアに来た人たちが、障害のある人ってこういう人たちなのか、自分たちと変わらないんじゃないか、こういうところが困っているのか、そういった理解を深める。そんなことを重ねていくことによって、誰にとっても住みやすい、安心して暮らせるような、困ったときに助けてほしいと言えるような社会づくりというのを目指しています。
 前方にお示ししているのは、世界中のスペシャルオリンピックスの活動の様子です。夏のスポーツで、25競技をしております。冬の競技は今、8競技あります。国内ではトータルで24の競技なんですが、ここ静岡県でもボウリング、それからバドミントンをしていますし、これはお隣の山梨の選手が世界大会に出たときの写真なんですけれども、そういったスピードスケートとかサッカーとかバスケットボールとか、さまざまな競技を提供することで、知的障害のある人たちが、自分はこれをやりたいから選びますという選択肢を与えているという、そういったところにも配慮をしています。
 これちょっとおもしろいんですけれども、真っ白な写真でわかりにくいんですが、これ、雪の上を走っているんです。陸上競技を雪の上でするというものです。スノーシューイングと言っています。足元はかんじきをはいています。雪の上でやる競技なので、冬季の全国大会や世界大会で開催しているんですけれども、世界大会には雪のないアフリカの北のほうの国とか、それから中東の国の人たちも来られます。その彼らは砂漠の上でかんじきをはいて練習されているそうです。日本でも2005年に長野県で世界大会を開催したんですけれども、そこに参加された、世界中から来られた人たちは初めて雪を見て大喜びをされている。
 ちょっと一例として挙げさせていただいたんですが、世界大会と国際大会、全国大会も開くんですけれども、大会に参加するという機会を使って、彼らは海外旅行とか、国内旅行とか、そういった彼らにとっての旅行の機会もつくっています。
 始まりはもう50年近く前に、本当の始まりは1962年なので、50年以上前ですけれども、ユニス・ケネディ・シュライバーさんという方が始められました。ユニス・ケネディ・シュライバーさん、真ん中にケネディという言葉が入ってますが、ケネディ元大統領の御兄弟、妹さんに当たります。
 ケネディ家の同じ御兄弟の中に、お1人、知的障害のある方がいらっしゃいました。ユニスさんは、もともと、御主人もスポーツ大好きだったんですけれども、自分もスポーツ大好き。知的障害があるお姉さんもスポーツできるのに、社会的には当時のアメリカも非常に閉鎖的で、障害のある人とない人、全く別の生活送ってましたから、障害のある人たちは施設に、障害のない人たちは地域に住んでいるという環境があったためだと思うんですけれども、偏見が強く、障害がある人たちは、プールに入ったら沈んでしまうとか、トラックを一緒に走ることはできないというようなことを言われていました。でも、お姉さんに障害があって、ユニスさんも間近でその様子を見ていますので、そんなことはないと御存じだったんですね。それで、ケネディ家の大きなおうちの裏庭を地域の方に開放されまして、そこに知的障害のある人と、それから地域の大学生、全部で80人ぐらい呼ばれて、乗馬をしたり、水泳をしたり、それから陸上競技をしたりということをされたのが、スペシャルオリンピックスの始まりになります。
 その後、ケネディ財団も知的障害のある人たちを支援されているんですけれども、そのケネディ財団の支援を受けまして、1968年に正式に組織として立ち上がりました。
 こちらに書かせていただいたのは、シュライバーさんですね。私たち、シュライバーさんと呼んでるんですけれども、ユニス・ケネディ・シュライバーさんの思いをちょっと紹介させていただいて、今、スペシャルオリンピックスで大切なものは、最も強い体や、目を見張らせるような気力ではありません。それは各個人のあらゆるハンディに負けない精神である。この精神なくしては勝利のメダルは意味を失う。しかし、その気持ちがあれば、決して敗北はない。
 ここに書かれている言葉の意味なんですけれども、スペシャルオリンピックスは、パラリンピックとは大きく違う特徴があります。パラリンピックは4年に1回開催されていて、障害のある人たちのすばらしい星を見つける大会なんですね。技術が高くて、人間離れしているんじゃないかというようなすばらしいスキル、筋力、精神力を持った方が活躍される場です。私たちはそういう人たちの活躍を見て、障害のある人たち、こんなことできるのかということを驚かされたり、新たに学ぶことがあったりします。障害のある人たちの中では、私たちにもいつかこういうことができるんじゃないかというような見本になります。
 一方、スペシャルオリンピックスはというと、知的障害のある人だったら、誰でも参加ができます。どんなに障害の重い人でも、例えば、10メートル走る、歩いているというほうが正しい表現だと思いますが、10メートル歩くのも、こっちにおいで、ゴールこっちだよというふうな声をかけないと進めないような、そういった難しい、障害の重い方も参加ができるようになっています。
 そういった人たちが、パラリンピックのようなというか、エリートスポーツ、普通に勝ち負けを決めて1位から3位まで表彰するというような会に参加すると、ずっと負けっ放しで、やりがいがないということになりますので、私たちは大会を開くときに、必ず、例えば走る速さとか、ボウリングのスコアとか、そういった競技のレベル別にグループ分けをして、そのときそのときで誰が勝てるかわからないというような環境をつくっています。
 100メートルを走るのに11秒で走れる人たちは、11秒の人たちだけで走ってもらいます。1分かかる人も中にはいらっしゃいますが、その人たちは1分かかる人たちばかりで試合をしてもらっています。そうすることで、きょう、自分が精いっぱい頑張れば勝てるかもしれない。それがスポーツに対するやりがいだったり、自分の目標にしていたことを達成することから得られる自信、そういったことにつながっていきます。
 スペシャルオリンピックス、世界170の国と地域で、今もう約470万人の人たちが各層に参加をしています。
 一方、国内ではといいますと、この3つ目にあるんですけれども、まだ8,000人ほどしか活動に参加をしていません。日本で療育手帳ですね。知的障害のある人たちに発行されている障害者手帳、療育手帳の発行数が、ちょっと前のデータになるんですけれども、70万冊なんですね。それに対して、スペシャルオリンピックスの活動に参加している人たちが約8,000人ということは、1%しか、知的障害のある人たちの中でも、まだ1%しか参加ができていません。ですから、私たちはこの活動をもっと広げて、スポーツをやりたいなと思った人がいつでも参加できるような、そんな組織になっていきたいなと思っています。
 もともとは、1994年に熊本から組織が大きくなっていきました。現在は公益財団法人として東京に本部を持っておりまして、47の都道府県全てに地区組織と呼ばれるものがあり、それぞれで活動しています。その地区支部の大きさも、本当にさまざまで、例えば東京は一番大きいんですけれども、登録している障害者の人数が1,500名ぐらい。一方で、本当に地方の小さな都道府県になると、また30名ぐらいというところもあります。私たちの課題としては、全ての活動がボランティアによって運営をされており、その会を運営するという志を持ったボランティアがいらっしゃらないと、継続して会を続けることができないというところが、なかなか難しいところになっています。
 オリンピックとのつながりについても、少し触れておきたいと思います。
 スペシャルオリンピックスは、スはついているんですけれども、オリンピックという言葉が入っています。これはちゃんと、国際オリンピック委員会と、オリンピックという名称を使いますよということについて、協定書を交わしています。その中には、オリンピックという言葉を使うのであれば、オリンピックが一番大切にしているスポーツマンシップ、これを絶対に守るようにしてくださいね、というふうなことが書かれているんです。ですから、スペシャルオリンピックスはスペシャルオリンピックという名前を誇りにして、スポーツマンシップにのっとった大会運営、それから選手たちの育成をしています。
 スペシャルオリンピックスって、Sがついているのはどうしてですかってよく聞かれるんですけれども、これはふだん英語を使われる方は御存じなんですけれども、オリンピックって形容詞で、普通、オリンピックゲームとか、オリンピックムーブメントというふうに使われているんですね。オリンピックという言葉単体だと、いわゆる五輪のオリンピックもオリンピックスとつけることがあるんです。それはそれでさておきなんですけれども、私たちスペシャルオリンピックスの最後にSがついているのは、大会、世界大会とか全国大会とか、その単発のイベントとしての大会だけではなく、常に一緒に練習をしています。それが世界中、今この時間にもどこかで、スペシャルオリンピックスの活動がなされていることから、複数形をあらわすSを必ず後ろにつけてますよというふうに説明しています。大会の名前ではなく、継続した活動をあらわしています。
 よく、今度のスペシャルオリンピックス、いつあるんですかって声をかけられるんですけれども、そういう質問をされる方は、皆さん大会のことを意味していらっしゃるんですね。次の世界大会はいつですか、次の全国大会いつですかっていう意味で質問されるんですけれども、実際にはムーブメントを示す名前ですので、次の練習会場はここですよというようなお返事になりますね。
 あと2ページだけ資料を御用意しております。
 今までのところが、ざっとスペシャルオリンピックスはこういうことを、何を目指してどんな活動をしていますという御紹介だったのですが、あと2枚のスライドのほうで、ちょっと全体をまとめて、今の日本の社会とスポーツというところに結びつけてお話をさせていただこうと思います。
 スペシャルオリンピックスは、先ほどもお話ししましたが、スポーツを愛する全ての知的障害のある人たちを対象にした団体になります。国際的なスポーツ団体であるということも、1つ大きなセールスポイントだと私たちは思っています。ですから地域で、静岡県で一生懸命ボウリングを練習している選手が、いつの日か世界大会へ出るチャンスがある。そんな、国内だけ、都道府県の中だけではなくて、世界へつながる活動です。
 地域スポーツの拠点でもあります。下にちらっと書かせてもらったんですけれども、誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる社会づくりの一助として、総合型地域スポーツクラブが日本にも誕生していますが、総合型地域スポーツクラブと同じように、皆さんがお住まいの近くにある、繰り返しボウリングの話ばかりしますが、ボウリング場を拠点として練習をしている。ボウリングを習いたいなと思ったら、そこに行けば、障害のある人たちでもスポーツをする、ボウリングをすることができる、そんな活動になります。
 3つ目ですね。ボランティアによる運営を20年以上も日本国内でしています。スポーツボランティアの団体としては、日本国内で一番大きいと自負しています。しかも、20年以上ずっとそれを運営し続けているのも、すごいことだなと思います。私もその一員ではあるんですが、そこにはやはり知的障害のある人たちそのものの魅力とか、それからスペシャルオリンピックスという組織が、活動が社会を変える運動をしていて、目指すところに魅力を感じてくださる方がたくさんいらっしゃるんじゃないかな、そんなことも思ったりします。お話ししたとおり、全都道府県に支部があります。
 続いて、「する・見る・支える」の3要素を備えた活動という言葉が出てきました。
 今、スポーツは、「する・見る・支える」のこの3つのかかわり方ができるというふうに、よく表現をされます。スポーツは、以前は「する」だけだったんですけれども、スポーツをできる、スポーツをプレーするのって、皆さんの長いライフステージのうち、割と一時だと思うんですよね。成人して仕事をして忙しくなったら、それほど学生のときほど練習にかける時間もないし、体をつくるための時間もとれなかったり。それから、そうこうしているうちになんだかちょっと体力が衰えてきて、昔みたいに運動できないなってなったり。と思っていたら、定年退職した後に、急に時間ができたので、また熱心にスポーツをプレーできるようになったり。一生涯を通じて、スポーツとのかかわり方って強弱がいろいろですね。
 だけど、そのプレーだけではなく、スポーツってただ見るだけでも、それからボランティア活動として、ほかの人がスポーツするのを支えることでも、スポーツのよさ、楽しさ、よさのところで言うと、例えば社会とのつながりとか、ストレス発散になるとかいうところも出てくると思うんですけれども、そういったいいところというのを、やっぱり得ることができるんじゃないかなというふうに言われています。
 スペシャルオリンピックスは、もちろん知的障害のある人たちはスポーツをすることができます。障害のない人たちは、そのプレーをする彼らを見て、応援することができます。さらに、運営の全てを担うボランティアなんですけれども、彼らによって支える、障害のない人たちがその活動を支える、このスポーツの「する・見る・支える」の3要素全部を合わせ持った活動になります。
 ただ、その「する」の部分なんですけれども、今までは、するのは全て知的障害のある人たちだったんですね。この状況が、ちょっと外の人から見ると、スペシャルオリンピックスって、自分たちの中でだけ活動をしていて、外に広がりがないよねというふうに言われていました。が、この数年、あとこの最後のスライドで御紹介しますが、ユニファイドスポーツという取り組みに力を入れていまして、知的障害のない人にも、スペシャルオリンピックスでプレーしてもらう、スポーツをする楽しみを味わっていただいています。それによって、本当の意味での「する・見る・支える」の3要素が合わせ持たれたということが言えると思います。
 地域から全国、世界へ。大会での応援というふうに書かれています。ちょっとこれは余談なんですけれども、ボランティアの方々で、自分がずっと教えてきた、きょうはずっとボウリングの話をしますが、ボウリングをずっと指導してきたアスリートが世界大会へ出場することができたというので、世界大会に一緒について行って、もうすごい感動と喜びをもらって帰ってきたというようなこともありますが、そういったボランティア活動って、恐らくほかにないと思います。まちづくりとか、災害があったときのボランティアというのでは、そういった楽しみとか、将来性とか、喜びみたいなところはなかなか味わえませんので、この活動特有の、スポーツボランティア特有の喜びが味わえます。
 最後の大会での応援という言葉を説明させていただきたいと思うんですけれども、私たちも2年に一度、全国大会を開いています。そのたびに、その全国大会を開催した土地で、どんなレガシーを残していくのかというのを考えています。そのレガシーなんですけれども、私たちの今、目下の目標は、スペシャルオリンピックスという活動そのものを知っていただくということとあわせて、もちろん、紙面にも書かれているように、知的障害のある人たち、知的障害そのものへの社会での理解を深めていただきたいということですので、大会を開くときには、大会の1年前、それか2年ぐらい前からずっと学校を回って、スペシャルオリンピックスの説明をしたり、ロータリークラブとかライオンズクラブさんで卓話をさせていただいたり、企業に行ってお話をしたり、それから体験的な何かスポーツイベントを開いたりして、大会をその3日間開催するだけではなく、事前にさまざまな地域を巻き込むような仕組みを考えています。
 ことしの2月に新潟で、冬季競技の全国大会を開かせていただいたんですが、そのときには、もう開会式会場に入り切れないほどの人が集まってくださいました。障害者のスポーツ大会で、あれほどたくさん人が集まってくださるというのは、ほかにないんじゃないかなと。これは、新潟の皆さんへ感謝の思いでいっぱいなんですけれども、本当に開会式以外の競技の場面でもたくさんの人が応援に来てくださいました。
 最後のスライドになります。
 先ほど申し上げましたユニファイドスポーツですね。知的障害のある人とない人がほぼ半数ずつ、例えば、バスケットボールでしたら、3名の知的障害のある人と2名の障害のない人が一緒に5名でチームをつくって試合に臨みます。ただ、試合に臨むだけではなく、そこには当然、事前に一緒に練習もします。一緒に練習をして、試合での勝ち負けを味わい、そこで生まれてくる友情ですね。これを目指した活動になります。
 障害者スポーツの中で、本当にプロモーションをすごく頑張ってらっしゃるのがブラインドサッカーですね。視覚障害のある人たちのサッカーなんですけれども、私たちいつも、ブラインドサッカーさん、うらやましいなと思うのが、誤解がないように申し上げたいんですけれども、視覚障害というのは、例えばアイマスクをすることで、視覚障害のある人たちがどんなところに困っているのかということを皆さんも疑似体験することができますね。そうすることで、こういうところに困るんだろうから、こういう手伝いをしてあげようというような気づきを持つことができますが、知的障害の場合はその疑似体験ができないですね。私も知的障害ってこういうものですよって説明するんですけれども、なかなか本当に言葉では説明しにくい、理解しにくい、イコール、皆さんから、障害のない人たちにとっては理解しにくい障害です。ましてや、知的障害者って、自分がこういうところに困ってますとか、何々がしたいです、これ手伝ってくださいというようなのを自分で言えないという、そういったしんどさ、難しさも持っています。が、このユニファイドスポーツで一緒に練習をする、一緒にスポーツをすることによって、自然に、彼はこういうところがふだん苦手だから、これをカバーしてあげたいなと思わせる。友情の中から、ふだんのかかわりの中から、障害に対する理解が深まるということも狙いにしています。
 ユニファイドスポーツなんですけれども、数年前から始めまして、今、9月の第4土曜日に全国一斉にユニファイドスポーツのイベントをしています。ことしは33の都道府県でイベントを行いまして、報告が上がっているだけでも3,000名が参加をしてくださいました。来月、12月17日と18日にユニファイドスポーツのサッカーの大会を大阪で開催することになりました。もうサッカーと言えば静岡なので、静岡からも参加しませんかって言ったんですけれども、ちょっとメンバーが集まらず残念だったんですが、全部で18チームが集まり、サッカーの大会をすることになっています。
 以上で、スペシャルオリンピックスの活動についての御紹介、終わらせていただきます。

○山田委員長
 ありがとうございます。以上で、園部様からの意見陳述は終わりました。
 これより質疑に入ります。質問については、まとめてするのではなく、一問一答式でお願いをいたします。
 それでは、御質問、御意見等ありましたら、御発言願います。

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