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委員会会議録

委員会補足文書

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平成21年11月海外就航地交流推進特別委員会
委員討議の開始 、委員討議の終了 【 討議 】 発言日: 11/27/2009 会派名:


○天野(進)委員長
 それでは、これまで委員会で調査してきたことを踏まえて、調査報告書に盛り込む提言をどのようなものにするかについて、委員の皆さんから御意見をいただきたいと思います。
 本日の委員討議の材料としていただくために、これまで行いました執行部との質疑、韓国への視察、先日、行いました参考人への聴取について論点をまとめました資料を皆様に送付させていただきました。当委員会に付託された調査事項は「韓国との交流(教育・学術・文化・産業等)及び観光の推進に関する事項」であります。この資料を材料として、また資料に記載のないことも含めて、委員会として、この調査事項に対しどのように提言すべきかについて自由に御意見をいただきたいと思います。
 それでは、それぞれ御意見をお願いいたします。どうぞ。

○阿部(卓)委員
 まず、先に提言でよろしいんでしょうか。

○天野(進)委員長
 はい、結構です。提言でも、また意見でも結構です。

○阿部(卓)委員
 意見及び提言ですが、ここまで委員会をやらせていただいて特に感じたのは、静岡県、我々も含めて――私の個人的な認識としてかもしれませんが――まだまだ韓国のことを知らな過ぎるという感覚を非常に持ちました。韓国事務所も行かせていただいたんですが、韓国の情報を収集する能力、それから逆にこちらが情報を発信すること、それに対して、やはりあの韓国事務所の陣容ではまだまだ足りないのではないか。時代に逆行している話かもしれませんが、今後、真剣に韓国と静岡県の交流をさらに進めようとしたら、韓国事務所の増強が必要だということをまず提案いたします。
 その理由としては、韓国というのは――この委員会をやってきてずっと感じたのですが――やはりネットでの情報発信がかなりできると。これは、国内からも発信はできるんですが、やはり双方向にするためには、ネットに対して反響があった現場に職員が行って、その裏づけ調査をする。また逆に、向こうの求めている情報をこちらから発信するという作業が必要だと感じています。
 それからまた、産業という面では日本と韓国というのは非常に似通っている。外需依存のところがあります。ただ、韓国のほうが日本より外需依存度がさらに高いものですから、日本より先に景気の傾きを経験しています。それを今、いわば再建しようと努力をしていますが、そういう意味では、県内の産業界が学ぶところがあるのではないかというふうに感じています。
 また、同様に産業という側面で言うと、今後、アジア圏と考えたときには技術交流、それから技術者の人材の交流、そういうことでも時間的距離で言えば十二分に可能性があるのではないかというふうに感じています。そのあたりを、もう少し手厚くやれるようになればいいのではないかと思っております。とりあえず以上といたします。

○天野(進)委員長
 今、阿部委員から、現在ある韓国事務所そのものの力量からいうと、さらに人員をふやしていかなければいけないんだろうという御意見がございました。さらに、それによって双方向との情報の発信をより厚くするということ。それをするためにも、今の韓国事務所についての御意見がございました。
 また、産業分野については日韓ともに極めて似ていると。そういう意味で、県内産業界が学ぶところが韓国にはあるんじゃないかという御意見がありました。そして、アジア圏というよりグローバルな視点から言うならば、技術者の交流等を積極的に進めていく必要があるだろうという御意見がございました。
 この9番委員の意見に対する考え方でも結構ですし、また個人的にも、それぞれ皆様方がこれまで委員会を開いてきたその中での感想あるいは意見、そうしたものをお出しいただければ大変ありがたいと思います。

○野澤(義)委員
 交流という視点から見ると、参考人で来ていただいた先生のお話の中で、朝鮮通信使の事柄が非常に記憶に残っているわけです。向こうに行ってみても感じたことですが、とにかく現地の人たちは韓国人としてのアイデンティティーというか誇りを非常に強く持っていて、その自尊心を傷つけられると大変に敵対視するし、また歴史的にもそういう事実があったということになると、なかなか交流という視点から見ると厳しいものがあると。日本に対しても、少なからずもそういう気持ちや過去の事実をというようなことも彼らは持っていると思うんですが、特に、徳川家康は非常に人気があるというようなこともわかりました。また、その時代に朝鮮通信使で何回か交流をおこなって、この静岡県を通過しながら、記録にもしっかり残っている。そういう芽出しができておりますので、そういったところをしっかりと基盤整備と申しますか、県民、県内のそういう機運も少し盛り上げていく。あるいは、徳川家康についてはこの駿府公園とか、それから久能山東照宮とかにまだまだ遺産がたくさんありますから、そういうものももう少し韓国の人たちにもわかりやすいように、来やすいように整備をし、アピールをする。その辺の財産を大切にしながら交流を促進するということが、韓国の皆さんが静岡県に来ていただくということについて非常に大きなポイントになってくるのではないかなと、こんなふうに思っております。
 それから、これまでの委員会の中で、私も韓国語の習得について県内の状況等も聞いてみたんですが、学校レベル、それから民間レベルでもなかなか進んでいない。一方では、テレビドラマ等を中心に非常に韓流ブームが起こっておりますけれども、もしかしたら、そういうチャンスがあれば韓国語を習得したいというような希望者も大勢おるかもしれません。もう少し県内でそういった事柄が安易に取り組めるような環境をつくっていくことも大事ではないだろうかというふうに思っています。そうすることによって、静岡県でも韓国語が少しわかる人たちが一定数いたり、あるいは本当の意味での韓国理解が深まる中で、韓国の人たちも「じゃあ静岡県へ行ってみようか」という気持ちにさらになってくるような気もいたします。そういった韓国語の習得機会というようなことも、少し県として何ができるのか検討してみる必要があるのではないだろうかというふうに感じました。
 それから、教育旅行について、日本から韓国に行くケースはなかなか多数あるやに聞いておりますが、向こうからは修学旅行のような団体で来る教育旅行というのは余りないというようなお話も伺いました。小さなツアーでもいいと思います。そういう向こうから日本に来る教育旅行という意味でも、過去の歴史的な事実等をしっかり検証してもらう。それには静岡県だというようなことも大切ではないだろうかと思います。一般の人たちが静岡へ訪れるというような事柄とあわせて、特に若い学生さんたちにも、徳川家康とか、それから朝鮮通信使等々さまざまなことを充実させながらアピールをして、教育旅行等でも静岡県へ来ていただけるというような環境をつくるということも大事ではないかなと思います。その辺のところを、少し提言に盛り込んでいったらいかがかなと思っております。以上です。

○天野(進)委員長
 ただいま10番委員から、過日の参考人の方からいろいろ伺った話の中で、特に朝鮮通信使のことについては大変に重要なことだと。これをもっと静岡県としても多くの皆さんに御理解いただくための手法、手段、そうしたことを考えていくべきじゃないだろうかと。特に韓国人がそういう目を持って見てくれている徳川家康が、この静岡県には深いかかわり合いを持っている。そういうことからすれば、この家康が静岡の観光の情報発信の材料になってくるのではないかという御提言であります。
 そして一方では、ハングル――韓国語でありますけれども、ハングルをもっともっと楽に習得できる、勉強できる環境を整えること。そうしたことが、これからの日韓両国の交流、親善に大きく役立つ。そして同時に、日本には修学旅行があり、向こうにはありませんが、その教育という面でそれぞれの歴史を検証する。そういう意味では、静岡を舞台にして、韓国の若い学生さん等にもっともっと売り出していく手法を考えるべきではないかという、そういう提言がありました。
 現実、日本語と韓国語というのは、歴史の本では6000年前には同じ言葉であったというふうに言われております。実際、韓国の映画を見ていると日本語が出てくるんですね。要するに、同じ言葉なんですね。例えば、「掃除」という言葉は向こうも「ソウジ」です。また例えば、奈良県の「奈良」というのは、「ウリナラ」から来た言葉です。「我が国」という意味の「ウリナラ」。それは、韓国人がたくさん住んでいた、例えば百済の人々が今の奈良県周辺に住んでいて、「ここを私たちの国にしよう、ウリナラだ」ということが、いつの間にか奈良県の「奈良」になっていったということ。そうしたことを考えると、非常に日韓両国は深い因縁があることは事実です。むしろ歴史的には向こうのほうが上でして、朝鮮通信使ではなくて日本通信使をやらなきゃならない、昔はそうだったんだろうというふうには思っております。
 雑談を申し上げましたけれども、そういう10番委員からの御提言であります。

○野澤(義)委員
 ちなみに朝鮮通信使にかかわることで、我が家にも本当に――当時の農民の記録にすぎないんですが――残っているんですよね。
 というのは、朝鮮通信使、琉球通信使等々は東海道を通りますから、そのたびに普請が発生するし、税も年貢も上がるというようなことで負担がかかっていたようです。それで、それについて「少し減免をしてくれんか」と。「この前、協力したばかりじゃないか」と。「だから、この次に来るときには減免をしてほしい」というような、遠州の三十数箇所に及ぶ村の連盟の代表がそういう嘆願書を奉行所へ出したという覚書が――今で言うとコピーですけれども――残っているんですね。
 ですから、各地にそんなことでいろんな足跡が、まだまだ探せばあるわけで、少し運動として展開していくとおもしろいものになるのではないかなというふうに考えていますけれどね。

○天野(進)委員長
 確かに、そういうような歴史的なものは重要ですね。それはコピーですか。

○野澤(義)委員
 覚書です。

○天野(進)委員長
 本物ですか。

○野澤(義)委員
 それ自体は本物ですよ。

○天野(進)委員長
 早速、静岡県歴史博物館をつくりますので、そこに御寄贈ください。
 やっぱり、そういうのはとっておかないとね。

○野澤(義)委員
 覚書です。コピーではなく。当時、機械はありませんから。1つ出して、1つは控えとして記録にとっておいてね。

○天野(進)委員長
 非常に現実的な、昔の農家の方々、農民の苦しみというか、よくわかる資料ですね、それは。恐らく野澤さんは読めないんですけどね。そういうふうに書いてあるということが。

○野澤(義)委員
 博物館なんかにも解説をしてくれということでお願いをして、現代文に訳してもらったような努力もしたんですがね。「もし値打ちのあるものなら――今の浜松市ではなくて合併前の町ですけれども――町の資料館のほうに寄附をするよ」という話をしましたら、「当時の庶民の生活がわかる資料としては貴重ですね」くらいのことを言われたものですから、それ以上の値打ちはないということで、うちの倉庫に眠っています。そんなものも、探せばいろんなことが出てきて、おもしろいのではないかなというふうには感じますね。

○天野(進)委員長
 雑談ですけど、先日、うちの女房が地震でうちがぶっ壊れるんじゃないかと心配して――何か部屋の上のほうにいろいろ積んじゃうんだよね、もらったものを――部屋の上の花瓶だとかを全部引っ張り出したら、そうしたら物すごい数になるんですよ、あれ。それをみんな処分しちゃったんですけれども、そうしたら孫がそのうちに掛け軸で遊んでるんだよ、こうやって。「何をおまえ遊んでるんだ」って言って掛け軸をひょいと見たら、山岡鉄舟の掛け軸なんだよね。そして、山岡鉄舟がどこで書いたかということもちゃんと書いた紙が入っていた。私はどこでもらったかわからないけど、何しろうちにあるんですね。
 それで、それを静岡市の浅間神社の中にある文化財資料館へ持っいって、「これ本物だったらどうぞ」と。「うちへ置いておいてもしょうがないから、ここへ寄贈してもいいよ」というふうに言って置いてきてやった。うちがぶっ壊れれば、どうせあんなものも一緒になってぶっ壊れちゃうからと思って。やっぱり、歴史は大事にしたいと思いますので。

○藪田委員
 大変貴重なお話をありがとうございました。
 先ほど来、話が出ているように、交流を深めるための手法っていろいろあるし、また、こういう時代ですので、財源的にも県の財政上許される範囲とかいろいろあると思うんです。私は、交流について――韓国にしても中国にしても台湾にしてもそうですが――当委員会から提言する中で、いろんなことをやろうとしてもなかなか大変ですので、数年計画で日韓交流促進の計画をつくって、それで例えば来年は学術交流をと。全部をやらないのではなくて、この年は学術交流を中心にと。この年は教育交流をやろうとかそういうようにして、数年計画で充実させることが大切じゃないかなと思います。
 といいますのは、私どもの御前崎も本当に半島の外れで、大変観光客が来づらいところであるわけです。しかし、皆さんと一緒に韓国へ訪問させてもらったときいたただいたパンフレットに、富士山静岡空港のおかげで御前崎グランドホテルの紹介がハングル語で載っていたんですよね。たったあの1枚を見て来るのかどうかはわかりませんが、御前崎グランドホテルには、韓国からほぼ毎日お客さんが来るんですよ。大きいバスではないです。大きくてもマイクロバス程度。七、八人のグループとか三、四人のグループ。ほとんど切れ間がなくて、1週間で2日ぐらい韓国のお客さんが来ない日もありますが、ほとんど来てくれるというような状況になりました。御前崎で一番大きなホテルですので、市民を挙げて大変喜んでいるんです。そういう中でいろいろお聞きするのは――市でも今、蔚珍(ウルチン)という市と交流を進めたり、姉妹都市関係をつくったりしていろいろ努力をしているんですが――やはり今こういうふうに充実させるのはいいんだけど、県も計画を立てて、計画に基づいてこのテーマでことしはやっていこうとかということがいいんじゃないかなという意見が地元でも結構あります。全部やることはいいことなんですが。参考にしていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○天野(進)委員長
 今、7番委員からも具体的な提言がありました。
 やっぱり私もそうですけれども、言葉がわかる人がいるということは物すごく安心します。ですから、韓国語で書いてあるパンフレットがあれば大変にありがたいし、安心感を持つ。
 この前、3番委員に御紹介いただいた台湾の方々についても、台湾のお客様を物すごく大切にしながら観光を進めさせていただいているんですけれども、これは共通の思いじゃないのかな。

○藪田委員
 今、言葉の問題で委員長からも御指摘があったのですが、実は向こうからお客が来るということで、最初は地元のホテルで困って、富士山静岡空港にも関係する方から「ハングル語ができる子がいないもんだから、どうしたらいいかな。おまえちょっと骨を折れや」と言われたんです。ですから、私は、韓国から県立大や静岡大学へ来ている留学生に、アルバイトで通訳を頼みたいというような働きかけを始めていたんです。そうしたところが、もうそういう人を頼まなくても、このホテルに韓国からお客さんが来てるというと、周囲にいっぱいいるんですね、民間に住んでいる方とか日本人と結婚されている方が。そういう人がみんなもう、やっぱりふるさとから来ているお客さんということで、安く協力してくれます。
 結局、結論的には、大学生を頼まなくても近くにいっぱい協力してくれる方がいることがわかった。きっと御前崎市あたりでもそうですので、結構、県内にはいるんじゃないですかね。言葉ができるんだけど、今までのこういう状況の中で、出身がそういうところというのを公にしていなくて、しかしこういう時代になったものですから、「私もやるよ、私もやるよ」ってそういう方が結構地元でもいて、あるいは隣の市からも「協力するよ」ということで来てくれる方がいる。今は学生を頼まなくてもいいという状況になっているようですので、ぜひまたそういうところも広げていくことが大切ではないかなと思います。

○天野(進)委員長
 今、7番委員から具体的なお話があったんですけれども、私は、これはいつにかかって日韓両国の親善が深まっていった証拠だろうなと。かつて我々の小さいころは、韓国であることを黙っておりました。在日であることはタブーでした。それが今、韓国の発展、そうしたものがあって、お互いの認識が増したということから、案外、自由に自分が在日であるということを素直に言える社会になってきたということは、私は大変にいいことではないかなというふうに、今の7番委員のお話を伺って思いました。

○阿部(卓)委員
 今、藪田先生の御提案について、少し意見を述べさせていただきたいんですが、僕もそういうふうに3年計画ぐらいで静岡県と韓国の関係をどう組み立てるかというのは大変賛成です。
 各委員のお話を伺う中で、多分、文化の面と産業の面と、それから当然ながら空港の面ですね。この委員会でこの後、各先生方にお聞きしたいなと思うのは――僕も意見を述べますが――静岡空港は仁川(インチョン)空港をハブ空港として使っていくのか、いかないのか。今後、羽田や成田にやはり期待をかけていくのかという意味では、仁川を使ったほうが便利だと僕は思っています。国策として今まで航空政策がおくれていたのは事実で、今さらもう取り戻せないところがあると思いますので、もうこの際仁川のハブ化を静岡空港としてはやっていくんだという方針を出すか出さないかという議論は1つ必要だと思います。
 それから、今まで出た話の大前提である韓国と静岡県の友好提携について、静岡県として友好提携を結んでいないものですから、それを今後、結んでいくのかどうなのか。忠清南道とか全羅南道。来年の大百済祭ですか、そのために忠清南道が来られていて、全羅南道は浙江省との友好関係もあるものですからトライアングルでという議論もあるものですから、そのあたり、静岡県としてどうしていくのか。
 それかもしくは個別の州――向こうで言うと道ですね――道との関係を結ぶと、あの国は各道同士が非常に仲悪いものだから不都合が生じるということであれば、そうでないことも考えないといけないので、この県の友好提携というものをどうするかというのは研究すべきだと思います。議論をすべきだと思います。
 それともう1つ最後に、最近、韓国でウェルビーイングという言葉が政策としてはやりだそうです。ウェルビーイング政策、いわば健康増進。そう考えたら、観光の中で、例えば先般、3番委員の御地元の小山町で富士山のトレイルロードが整備されましたよね。富士山を見ながら、そういうトレッキングをしたらどうかというふうに、向こうで今トレンドになっているもので、静岡県のいろんな財産の中にアピールできるものがあると思うんですね。そういうふうに、韓国事務所なら韓国事務所に調べさせて、何がトレンドだと。韓国の人たちが、今何をはやりにして求めていて、静岡県がそれに対してどんな提供できる材料があるのかというのを研究していくのも1つの交流促進でもあるかなと思っています。
 もう1つだけ。アシアナと大韓の航空ダイヤの改善の要望だけは出しておきたいと思っています。以上です。

○天野(進)委員長
 今、9番委員から具体的な話がありました。
 それで、この委員会は今年度だけで終了するという方向で誕生したんですね。ことしだけで。そういう言い方をされるということは、9番委員は、これからも、例えば韓国との文化あるいは韓国との産業、そして空港のあり方、それぞれ含めて一つ一つ研究していく必要があるだろうということで、この海外就航地交流推進特別委員会は継承しろというような御意見だというふうに思っております。それは、今はペンディングしておいて、後ほどまた皆さん方に聞きます。それが1点。
 そして、静岡県は仁川をハブ空港として考えるかと。これは大変に大きな問題だと思うんですね。私ども静岡県が仁川をストレートにハブというふうに考えると、国内にあるハブ空港――成田あるいは関空等の方面から「ナショナリズムを無視したのか」ということでクレームが来そうな感じもしないわけではありませんけれども、現実には今、日本よりも韓国のこの仁川のほうがハブ化されつつあるということが確かにあります。そういうこと。
 その後のウェルビーイングについては、年齢の差を感ずるところであります。全然、私は知らなかった言葉ですから。これは、静岡県がもっと売るものを探して、そして韓国の若者たちにも理解を求めるという観光行政の1つということでしょうか。

○阿部(卓)委員
 そうです。的外れな材料をいろいろ提供しても売れないものですから、マーケティングを行って。韓国で今、国家や自治体がどんな政策を打っていて、それにこっちが合うものを提供できたらというふうに、政策面もそうですし、観光のいわば流行ですね、何を求めているかというのをマーケティングして、それに対する材料を提供する。「温泉を求めているなら、静岡にこういう温泉があるよ」、「こういう産業に力を入れているなら、こういう会社があるよ」という形で。いわばマーケティングをしてきた答えを提示してやることによって、交流も活発化するでしょうし、それが経済を回すことにもつながると。

○天野(進)委員長
 そういうことで、1つの確かな提言だと存じております。
 最後に韓国便のダイヤの問題。これはもう皆さんから言われることで、委員の皆さん自身も経験なさったと思います。韓国への視察の際は、我々の三日目の泊まりを仁川にしました。だからあれだけのゆとりはありましたけれども、ソウルに泊まったら朝6時にはもう出ていかなきゃならないということで、今現実に韓国から帰る方々は、朝6時ごろソウルから仁川に行き、そして飛行機に乗るということを続けている。そしてその結果、我々のところに「何とかしろ」という言葉がしばしば届いているわけです。結局、仕事をやるにしても一日余分に泊まらなきゃならないという認識になってしまう。韓国便の利用をもっともっと高めるために、このダイヤについては強く運動をしていかなきゃいけないだろうなと。これは、県の空港部の仕事かもわからないな。ぜひそういうことで、これは進めてまいりたいと思っております。

○中谷委員
 ちょっと、そもそも論なんですが、ことしのこの委員会は韓国がターゲットなんですが、特別委員会の設置に当初私もかかわっていました。自民党としてどのような委員会がいいのかと意見を求められたときに、この委員会を提案させてもらったのです。そのときにたしか代表者会議でも申し上げたのは、「まず一番身近な韓国からいってみようではないか」と。次は、静岡県と浙江省の関係もあったりしますので、ほかの都市――国でもいいんですが――との交流も促進することによって、最後は静岡空港がより活気ある空港になっていくのではないか、国際色豊かな空港になるのではないかというような思いで提案をさせていただいたと思っているんですよ。ですから、1年の期間だということ。相手の国を知るという意味で、また新たなターゲットを求めるということも今後の1つの方策だと思いますし、韓国との交流1点に絞ってもう少しやる、続けるというのも1つの方法だと思います。ただ当初、そもそも論としてはそういうことがあったということをちょっと申し上げておきたいと思います。
本題ですが、産業界など、いろんな意味での交流は、知事が行ったり、やれることはかなりやっていると思うんですね。相当やってきたと思います。しかし、頭打ち傾向にあるというのは、やはり景気の低迷、これが物すごく足を引っ張っている要因の1つであると思うので、その辺のところはいかんともしがたいことなんです。
 ですから、地道にやってきた今までの交流を、ここまでやってもだめだったからではなくて、続けていくということが、やっぱり最後には実を結ぶのではないかなと。ウォン安ということで、向こうから来る人も少なくなっているという状況もわかりますが、もともと出かけるのは好きな民族ですから、状況が変わればふえてくると思うので、より静岡県を発信すること。
大体、静岡県ってこれとこれとこれだよねなんていうのがありますが、新たに先ほどトレッキング、登山の話もありました。意外にそういうのが好きだということもよくわかりましたし、まだきっとほかにもあるのではないかなと思いますので、県を幅広く発信していくと。インターネットだけではなくて、そういったことも考えていくことも必要ではないかなというふうには思っています。

○天野(進)委員長
 今、5番委員がおっしゃったのは、この委員会が誕生するその代表者会議においては、まずは韓国、しかしその次にはということは念頭にはあったんだよということでありました。その念頭が、果たして海外交流地として考えてみた場合に、今のところ飛行機は行ってはいないんですね。ですから、名称を変更しなきゃいけないだろうなとは思いますけれども、そういうことに対してどうあるべきなのかと。
 ただ、韓国について、以上をもって終わるというよりも、まだまだ交流し、あるいは相手を知ること。そういう意味では、今、非常に厳しい経済環境の中であるけれども、継続してもっとやるべきことはあるのではないかという御意見がございました。
 それぞれ妥当な御意見かもわかりませんけれども、それに対して何かあればどうぞ。

○込山委員
 最近、新聞の旅行広告を注意深く見ているんですが、韓国旅行も今、県外の大手の旅行社が安く企画してやっている。これを見て、県内の旅行社はどうしているのかなと、若干寂しい思いをしております。
 また、このたび空港部がなくなって企画部と建設部に分かれたということ。今までは、空港の就航地の関係も空港部がやっておりましたけど、今度、企画部と合体をしたということですね。
 先ほど7番委員、9番委員からも話が出ましたが、中期、長期のこれらの対応についても、ここでもう一回串を刺し直して、全庁でこの就航地に関して韓国を含めてやっぱり足元から考える必要があるのかなと、見直しをする必要があるのかなと、そんな思いをして見ております。
 何か県の役割がぼやけて、飛行機が飛べばいいと、こんなところに今県はあるのかなと、そんな私の感想なんですが。今回、委員会に参加させていただいて、もう少し県もしっかりとした屋台骨を持って、やっぱり市町にもある程度その辺の就航関係が協力できるような形に持っていくことも必要かなと感じております。
 たまたま私のところは富士五湖と箱根の観光地のちょうど真ん中ということで、台湾、中国、また韓国の方も、ちょうどお昼どきにバスを連ねて毎日というほど来ております。きのうもそんな場面に出くわしたんですが、最近聞きますと、韓国が一番数が多いようですね。今までは台湾が多かったんですが、何かここのところ若干減っちゃって、韓国ということです。
 ただ、悲しいかな、ただ通り過ぎてお昼を食べて帰っちゃうと。この辺を何かもう少し仕掛けをつくっていただいて、1泊し、また箱根へ行くとか、成田から入ってこちらに1泊して静岡から帰るとか。このような仕掛けも、やっぱり県がもう少し力を入れて考えていただきたいと、こんな思いをしています。以上であります。

○天野(進)委員長
 3番委員から、県内業者はもうちょっと頑張ってくれという思いが話として出たわけでありますけれども、大変、今、円高で、海外へ行くには物すごく安い環境ができてきた。昨日も仲間と話をしたんですけれども、「3泊4日も2泊4日も同じ値段というのは、あれはどういうわけだ」と。「ホテルはただかい」という話をしました。そういう面では、県内業者も英知を絞っていただいて、この日韓両国の交流をさらに進めてもらいたい。あえて言うなら、脚下照顧してやってほしいということであったと思います。
 また、地元では富士五湖、箱根、このかいわいが大きな観光地になっている。そういうことで、地元には多くの韓国、台湾、中国からお客様が来るけれども、飯を食って、眺めて「以上終わり」でお帰りになっちゃったのでは困る。こういうお客を、何とか静岡県内で1泊をさせるというか、そういう仕掛けをつくっていく必要があるだろう。それが、これからのお迎えする側の観光行政の姿勢だろうという意見であったと思います。
 皆様方には、以前、執行部との質疑をしていただきましたが、この中で、いろいろと意見がありました。これをもう一度見ながら、どういうふうに提言をまとめていくかが一番重要でございまして、まとめる方法について御意見をいただきたいと思います。
 そこで、この委員会のこれまでの取り組みの中であった皆さんの意見を取りまとめ、提言の形で文章化したものをお配りいたします。「韓国からの誘客促進に向けた取り組み」、あるいは産業交流、教育・文化の交流、そのようなことについて、大別して3点にまとめてあります。これを見ていただき、何か御意見があればいただきたいと思います。

○杉山委員
 11月13日から18日にかけて3泊4日、2班で、私の後援会員が約100数十名で静岡空港から仁川空港に向いました。参加者の約8割以上が40代以上の女性。この時期、特に韓流ブームで、いろいろな観光地の中でも、ドラマだとかそういうものに対する観光をうたって集めたものですから、男の人よりも女性が非常に多かった。私も一緒に随行して行ってきたんですが、いずれにしても、静岡空港を一度使っていただかなければ利便性がわからない。口で幾ら「車で行く場合には成田や羽田よりもよほど利便性がいいよ」とか、それから「駐車場もしっかり完備されているよ」、「出てくるときの税関などにしても、時間的に非常に早く帰ってこられる」と言ってもね。
たまたまことしは決算特があったものですから、私は一日早くソウルを16日の朝6時に出まして、もう午後にはこちらの決算特に若干おくれて出席できたということで、確かに朝の時間は非常に早いんですが、ビジネスマンを考えると逆に利活用ができるのかなという部分もある。
 それからもう1つ、向こうの旅行会社に提言をしてきたのは、とにかく子供の時代に日本と韓国を体験させるということ。これが非常に大事なことなので、とにかく静岡県でも教育委員会にしっかりと、例えば高校の修学旅行については、静岡空港の利活用によって上海やそれから韓国に対する考え方をもうちょっとしっかりと教えて、修学旅行等についてはそちらに向けさせるというような努力をすることが、やっぱり静岡県では肝要だろうというふうに僕は思っています。
 向こうにもこちらに来てもらいたいということで、例えば、ゴルフのツアーなんかも旅行会社に提案してきましたけれども、やはり静岡県のゴルフ場は若干高いということを言われた。それから、九州のほうが近いので、そちらに行っている方々が多いんですが、やっぱり今の経済状況や、また韓国も仁川に新しいゴルフ場ができたりして比較的韓国人は安くプレーできるということで、九州へ行く方も、今、若干減りつつあるということなんです。しかし、こういうゴルフ場で泊まりで幾らぐらいでできますよというような話をしてきましたら、ぜひそれは利活用させてもらいたいということでした。それを今うちのほうの関係の旅行会社から提案をしていますが――先ほどどなたかが言われましたが――もう少し提案型の旅行も静岡から発信する必要があると。案外、知らないんですよ。聞いてみると。
 それと、自分の後援会の女性の方々が非常に喜んだのは、その韓流ブームのところや観光をオプションではなくてすべてつけて、食事も全部つけて、それから空港までのバスの往復もすべてつけて、約6万円強の価格でできたところで、「食事の苦労もなくて非常によかったよ」という声が多かったです。
 ウォンについてですが、本年の1月ぐらいには1万円をかえると16万ウォンぐらいになった。たしか、私どもが行ったときには13万四、五千ウォンぐらい。私が先日行ったときには、もう12万1000ウォンということで、ウォンが上がってきた。ただ、この円高で、きょうの朝聞いてきましたら、また13万二、三千ウォンまで落ちているということで、非常にウォンの変動も激しい。先ほどの委員長の「円高で旅行がしやすくなった」という言葉もありましたが、韓国のウォンの場合には非常にその変動が激しいと。7万5000ウォンから16万ウォンになって、1年間で12万ウォンまで上がって、また13万5000ウォンまで落ちているということで非常に変動が激しいので、その辺のことも考慮しながら、修学旅行なんかの場面でも利活用をしていったらどうかなと。
 例えば、もし韓国に行く場合には、比較的ウォンの安いときに、例えばソウル事務所の掛沢所長にお願いをして交換をしておくとかいうような、そういう少しずつの努力をして交流を深めていかないと、なかなか一遍にということはできないと思いますので、できるだけそんなような施策を。

○天野(進)委員長
 今おっしゃった旅行プランは御自分の企画でつくったものですね。大手の企画に乗ったんではなくて。

○杉山委員
 自分自身でつくったんです。

○天野(進)委員長
それで6万円ですんじゃった。

○杉山委員
6万2000円です。

○天野(進)委員長
それはうまくつくりましたね。

○杉山委員
 ホテルは、多分、三ツ星クラスです。それからもちろん部屋は・・・。

○天野(進)委員長
 泊まりは全部ソウルですか。

○杉山委員
 もちろんソウルです。
 部屋は2人部屋ですけれどね。

○天野(進)委員長
 1人部屋は男が請求するだけでね。

○杉山委員
 そうです。

○天野(進)委員長
 こちらの資料に書いてあるそれぞれの提言は、今まで委員会の中で指摘があったり、また御意見としてお話しいただいたことをもとに書かせていただいております。これをもとにして、最終の報告をつくりたいと思っておりますので、これについても御意見をちょっといただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ところで、この韓国観光公社というのはすごいね。本当に公社かね。この前、日本の新聞に韓国観光公社の広告が出ていて、そこでカジノを広告しているんですよね。韓国観光公社は親方日の丸なのかな。日本へも進出してきているんじゃないかな。

○田(泰)委員
 案として取りまとめをしていただいてありますけれども、さらにつけ加えて、具体的な課題等にも言及してもらったほうがいいかなと思います。   
東部では知事の3県サミットがありますが、富士、箱根、伊豆の市町村長レベルでのスカイサミットというのがあるんです。それは、毎年、静岡県側、山梨県側、そして神奈川県側の市町が持ち回りで会合設定をして、そこには各地域での特産品だとかB級グルメだとかというふうなものを紹介するコーナーなんかもできて、非常に盛り上がる状況にあります。
その中での意見として――先ほど来、御意見も出ていますが――静岡空港ができたことによって、東南アジア等々からもお客さんが入ると。だから、それにターゲットを当ててやればというような意見が多く出ていたんですけれども、具体的に、そういう各地域の観光協会あるいは産業関係、市町村レベルの行政と、今回のこの特別委員会の動き、県の動きというのが、まだ連携がうまくできていないなというような感じがします。
受け入れということでは、特に韓国についてですが、この前、視察に行ったときも、日本の富士山、それから温泉、それから静岡県から東京へ抜けるということで日本の大都市東京、というのは韓国人が日本を見たときの一番関心度の高いところだと。富士山、温泉、東京というところだよということを聞きました。ですから、やはり富士山周辺の富士、箱根、伊豆という観光地をかなり視野に入れた強い取り組みということで、その周辺のいろんな団体の皆さんともっと連携をして受け入れ体制を整える必要があるのではないのかなと。
 この間――個人的な話ですけれども――私のおふくろが米寿を迎えたので、時間がなかったけれども湯河原温泉に泊めてたまたま箱根をぐるっと回ってきたのですが、箱根は観光地にもハングル文字がしっかり掲示されて、韓国からのお客さんも大勢来られていたんです。一方で――1番委員には申しわけないけれど――伊豆地域へ行くと、まだなかなかそういう外国語の掲示について、ハングル文字も当然そうだし、中国語も英語も、そういう外からのお客さんを受け入れるような駅への表示もパンフレットもまだ十分じゃない。だけど、静岡県の温泉地というと、やっぱり伊豆ということになるわけだから、そういう地元の連携体制ということも非常に重要ではないのかなというような感じがします。
アクセスの問題もここに触れられていますけれども、関連する団体、行政との連携も深めて受け入れ体制をしっかり整えることが重要じゃないのかなと。それも提言、取り組みの中に入れていただいたらいかがかなというふうに思います。以上です。

○天野(進)委員長
 御指摘いただきましたけれども、そうですね。今、伊豆方面の外国語による表示というのが、ちょっとおろそかではないかという意見を時に耳にすることがあります。1番委員から何か意見がありましたら、どうぞ。

○石橋委員
 本当に静岡空港ができて、旅行の国際化がどんどん進んでいるにもかかわらず、私ども伊豆地域におきましては、観光業者の経営感覚の意識の中の国際化というものが非常におくれているということが1つあると同時に、またもう1つは、受け入れたくないという意識のほうが強いのではないのかなと感じております。
 その理由は、皆さん方御案内のとおり、価格が合わない。為替の問題もありますけれども、価格が合わないということ。また、文化が違うということで、今まで彼らが何十年、何百年続けてきた旅館、ホテルの経営手法の感覚では、韓国のお客様に対応する価格、サービス、こういったものに対応できない。これが1つの大きなネックになっているのではなかろうかと思います。
 ですから私たちは――私がいつも常に申し上げるんですが――その地域で本当に韓国あるいは中国のお客様、観光客を受け入れるということであるならば、それはそれなりの業者の選定とか、あるいは経営革新、言葉の問題、価格の問題ということもあわせて意識改革をしていかなければ、今の状態がずっと続くのではなかろうかというふうに考えているわけであります。
 特に、シンガポールなんかでは、中国から人間ドックに来る人だけでも年間30万人とも40万人とも言われております。そういった面で考えますと、静岡がんセンターがありますし、ほかにもいろいろとあります。伊豆は温泉もありますので、先ほど話が出ました健康、ウェルネスですね。そういった健康を中心にして、受け入れるということは非常にいいことだと思います。けれども、最大のネックはやっぱりホテルの価格、それからバスの価格、こういったものをいかに彼らの要求する価格に合わせていくかという経営努力、これが経営者の中に生まれてこなければ、難しいのではなかろうかと思っております。

○天野(進)委員長
 今、1番委員からお話がありましたけれども、伊豆方面の歴史のある旅館では、要らないわいというような、非常にお公家様の意識があるんですね。逆に言うと、自分たちの旅館の格が落ちるという認識もあるのかもわかりません。そんなことを時々聞くことがありますけれども、今、世界じゅうは、外国からのお客を迎えるためにさまざまな手法を考えております。
 例えば、シンガポールが人間ドックを利用している。そのシンガポールには、来年2月にカジノが誕生します。それを誕生させるために、全部で実は9000億円かけているんですよ、9000億円。ユニバーサルスタジオもそこへつくりますし、ホテルから何から物すごい数で今つくっております。そして、一気に客を集めようと。
 実は、ここ数年間、シンガポールはお客さんがふえていないんですよね。それで、観光客誘致という大きな目標に立って、もう1兆円にならんとする金を今使っているんです。これは、やっぱり発想の違いでね。日本はもう少し、そういう点では真剣に考えなきゃいけないんじゃないか。
 外国人がその国に来る順位で、世界で日本は今30番目でしょう。アジアで6番目ぐらい。1位中国、2位、まさかと思ったマレーシア、第3位香港、日本は6番目だってさ。がっかりしちゃうね。やっぱりもっと真剣に考えなきゃいけない。日本を売ることを考えなきゃ、やっぱりいけないでしょうね。

○野澤(義)委員
 韓国に限ったことではないんですけど、関連で。受け入れる側の日本の旅館等の価格を中心とした体制という話がありましたが、より来ていただくということについては、やっぱり若い人を中心に相当低価格でということが1つのポイントだと思うんですよね。
 前期に、オーストラリア、ニュージーランドのほうに議員視察に行ったときに、バックパッカーというんですかね、若い人たちがバックパックをしょって世界じゅうを歩くような方と現地で話をした。日本の人たちとも話をしたんですが、彼らも安い旅行をしながら、日本人として世界に関する見聞を広めていると。それで、オーストラリアに行くと、ヨーロッパあたりの人たちも随分来ているわけで、特にアジアには興味があって、インドだとか、それからタイ、それからマレー半島を経てオーストラリアまで来ると。「日本はどうだ」と言うと、「日本にももちろん行ってみたいけれども、高くてとても手が出ません」というような話なんです。
 バックパッカーの利用する料金体系って、大体世界で共通で、夕食で1000円以内ぐらい。それから朝、昼はもちろん安い。泊まるところも30ドルとか、せいぜい50ドル以内というぐらいで上げたいということ。世界をかなり広く見聞できるということで、特に若い人ですから、語学もかなり堪能な人もいるし、余り国境にこだわらずに若いうちに思い切り世界を見聞して勉強したいみたいな人も随分多いわけです。そういう人たちがファンになってくれれば、やっぱり終生リピーターとしてまた来ていただけるというようなこと。ですから、その受け入れということも日本として考える必要がある。もちろん日本旅館等、立派な旅館で、価格が高くても満足していただけるということも必要でしょうし、やはり両極ないと大変かなというような思いもするんですけどね。
 このごろは、食べるものでも500円ぐらいで1食食べられるようなファストフードなんかもありますしね。努力すれば、かなりのところまでそういうものもいけるかなというような感じはするのでね。

○天野(進)委員長
 恐らく海外から見たら、日本というのはどうしようもなく高いところでしょうね。

○野澤(義)委員
 どうしようもなく高いです。食べ物、宿泊代、移動の交通費。

○天野(進)委員長
タクシーでも乗ったらとんでもない話だね。

○石橋委員
 とんでもないです。

○天野(進)委員長
 とんでもないよな。メーターが、ぼんぼん上がっていくでしょう。韓国なんかへ行けば、幾ら走っても1000円だもんね。

○野澤(義)委員
 びっくりするぐらい安いね。

○石橋委員
 高過ぎますよね。

○天野(進)委員長
 新幹線だってそうでしょう。高いよ、あれは。東名代も高い。そのうち安くしてくれるようですけれども。

○阿部(卓)委員
 1つ、この取りまとめを見て思うんですが――これは試みとして個人的な提案ですが――さっき委員長がおっしゃいましたが、韓国観光公社がカジノの宣伝を大きく出してきたと。それは、やっぱり日本にないものですから引かれるわけですよね。
 だから、例えばちょっと今、簡単にメモ程度に書いたんですけど、静岡の売りってやっぱり富士山だと思うんですね。富士山をバックにしてこういう大きなポスターみたいな感じで、例えば産業ならこういうものがあるよ、食ならこういうお茶があるよとか、観光ならこういうことがあるよと。この提言に入っているようなことで、そういうような一種ポスター的なものを提言書の1つのまとめみたいなこととしてつくって、静岡の売りはこういうもんだと。
 前回、参考人としていらしたJNTOさんなどがつくっているこういうものもありますけど、こういうのに近い形で、委員会としてまとめた提言書ポスターみたいなものを1枚大きくつくるというのも、ある意味・・・

○天野(進)委員長
 それで全議員に配って、認識させると。

○阿部(卓)委員
 ある意味、斬新かなと思うんですが。

○天野(進)委員長
 それも斬新だね。斬新だけど、問題は金がない。

○阿部(卓)委員
 そうそう。
 だから、そんなのができるかどうかというのは事務局との御相談ですが。そういうのも交流を促進するうえで、1つの新たな手段かと。この文書だけだと、多分それぞれみんな読んで「なるほどな」と。ところが、そういうものを1枚渡すというのも1つの手だと思います。

○天野(進)委員長
 おもしろい提案だよ。委員会でそういうものをつくればおもしろい。
 ちょっとそれは非常に厳しいかもわからないけど、事務局でちょっと検討してみてください。
 さて、2番委員が何も発言していませんね。

○佐原委員
 いずれにしても、当局への提言ですよね。はっきり言って、あれもこれもたくさんあると、なかなか実現というのはできないんだよね。
 それで、僕の苦い思い出としては、昔、県議会の特別委員会で行革の特別委員会があったんです。そのときにSPACのことが出て、SPACについては、そのときから5年以内にいわゆる自活するという提言をしたわけ。ところが、いまだに自活なんてできていないわけ。だから当局なんか、こんなところで言ったって、はっきり言って聞いてないんだよ。
 ですから――さっきちょっといろいろ御提言があったけど――僕は基本的にはできることを二、三項目びしっとやってね、それをちゃんと検証していくということが必要だと思うんだよね。だから、そんな面において――さっきお話があったように――ソウル事務所のスタッフをもっとふやすとか。それとか、いろいろ事情はあるけれども、韓国から来るダイヤを改正させるとか。そんなような、これから先々ある程度具体的に何かできることをきちっと提言したほうが、かえってすっきりすると思っているわけ。
 だから、皆さん方の御提言は、全体としてはいい御提言が確かにいろいろあるけれども、ただ、そんなことばかり全部提言すると、何かぼやけてきちゃうような感じがするわけね。ですから、そんなことも含めながら考えたほうがいいということで、私は今までの経験の中で思ったことを、今申し上げました。
 それとともに、もう1点申し上げたいことは、私は以前、空港の関係で香港に行ったことがあったんですよね。そのときに、香港のある旅行社の方いわくですが――さっき日本は非常に高いからという話が出たんだけど――香港においては、富裕層の方々が結果的には「幾らでもいい」と。だから、言ってみれば、旅館でも部屋の中に温泉があるようなそういったところをぜひ提示してほしいという話があったんですよね。伊豆のほうには結構あると思うんだけれども、ただ中には、やっぱりなかなかそれだけの設備投資をするには大変だからということで、ちゅうちょされるような旅館も多分あると思うんだよね。だから、そういったこともあるということを皆様方に御報告しておきます。
 ですから、ある面においては、言ってみれば安くやりたい人もいれば、そうじゃない人もいる。やっぱり、旅館の方々もバランスをうまくとっていただいて旅行社の方とタイアップしていただければ、需要というのは非常にあるんじゃないかと僕らは思っているわけ。そんなこともちょっと御報告申し上げます。

○天野(進)委員長
 最近のチラシを見たら、とてつもなく安い旅館が出てきたね。8000円ぐらいの。伊豆方面の。

○佐原委員
 やっぱりよく、ほかでも言われることがあるけど、余り安く安くやるということは、やっぱりもうからんしね。

○天野(進)委員長
 そうなんだよ。おっしゃるとおり、自分の首を絞めて、最後はね。

○佐原委員
 決して、結果的にいいことはないと思うんですね。

○天野(進)委員長
 私もそう思う。
 それで、それはデフレと同じだよね。ジーパンが1000円切ってみんなびっくりしたら、何、700円になっちゃったよ。あんなばかなことをやって、だれがもうかるんだよ。だれももうからない。全部、お互いに自分たちの首を絞めることになっている。

○野澤(義)委員
 佐原先生のところが一番近いけれども、愛知県へ行って喫茶店へ入ったとき、最初、僕はびっくりしたんです。モーニングサービスでコーヒーだけでいいと思って、そうしたら、トーストとサラダとゆで卵か何かついて、まだフルーツか何かついて、たっぷりあるんですよね。「おれ、こんなもの頼んでないよ」と言ったら、「これ、モーニングセットですから」ということで、それで350円ですよ。愛知県もそうなんですよね。
 だから、朝飯を家で食べずに喫茶店で食べるというサラリーマンなんかがいる。「これでやれるの」と言ったら、「やれる」っていう話でね。信じられませんが。佐原先生のほうがお詳しいと思いますが。

○天野(進)委員長
 県民所得では静岡県が全国3位でしょう。これは、どう考えても実感わかないんですよ。でも、僕は、もしかするとこの静岡県は全国有数のインフレ都市じゃないのかと。もうあらゆる物価が高い。そして、その中で生活しているから、給料も余分になければ生活ができないし、そして払うほうもたくさん払う。
 例えば床屋で――私のおやじは床屋をやっていたんですけど――私の場合には4300円、洗うだけだと3000円。よそへ行くと、「えっ」て驚くんですね。別にそんなのは静岡市では常識なんですね。これって、やっぱりインフレのまちなんですね。そして、値切ることは一切しない。
我々は、そんなインフレの中で生活しているから、たくさんもらった覚えはないし、そして優雅にやっているとは思ってはいませんけれども、レベルで計算すると第3位という破格の数値が出てくる。やっぱり、このまちはインフレじゃないのかね。今話が出たように、ほかの県だとモーニングセットにそれだけついて350円とかね。静岡県では、みんな「それじゃ商売やらない」と言うよ。
 さて、今まで御意見をいただきましたけれども、これらを精査をしながら、正副委員長で委員長報告をつくるように努力させてもらいたいと思います。今、皆さんから御提言いただきましたことも含めてです。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
 また、この委員会が今後継続するかどうかはまた別のところで決定しますので、よろしくお願いいたします。

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