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委員会会議録

委員会補足文書

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平成22年10月産業連携推進特別委員会
参考人の意見陳述 伊豆体験型観光協議会 会長 鈴木 達志氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/26/2010 会派名:


○鈴木 達志氏
 本日はお招きいただきまして、まことにありがとうございます。伊豆体験型観光協議会会長をやらせていただいております鈴木達志と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、私どもがすでに、もうやっている体験型観光という形で、特に漁業関係者とつながりまして、やっていくプランニング、プログラムを紹介させていただいた上で6次産業としてのかかわり方というのを見ていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、プロジェクターで始めさせていただきます。漁業の新しいあり方としまして、私たちは地域の活性化を本物の体験という形で行っていこうというふうに、今、とらえてやっております。西伊豆町を中心として行っているいきいき漁村活性化協議会というのを前年度に立ち上げました。美しい海、豊かな水産資源を利用して活動をしようと思っているんですが、そこには問題が山積しております。まず、漁師の高齢化が進んでおります。後継者不足、そして、重労働であり、残念ながら低所得であるというのが現状ですね。魚も今とても安くなってしまっています。ということは今、まさに漁業の衰退化、1次産業の衰退化というのが目に見えて行われているというのが西伊豆町ならずして、伊豆の現状というふうにとらえております。
 そこで、体験型観光という形で、私ども、どういうふうにやっていくかということで、まず、観光客の目的というのを分析をしています。昔はこんな感じでしたね。温泉や宴会、職場旅行などの団体旅行が中心であったのが、現在では田舎を目指してやってくるお客様をターゲットにしなくてはいけない。そのお客様は、昔はどこへ行くという名目だったのが、今は何をできるの、ここに、田舎に行って、伊豆に行って何ができるの、だから行くんだよという、そういうようなお客様のニーズに変わってきました。私どもとしては漁師体験プログラムを開発し、行っております。どういうことかといいますと、まずは漁師さん、本物の漁師さんの経験と知識をもとに体験プログラムを開発します。それを、都会から来られるお客様、観光客のお客様に提供する。要は体験していただくという形ですね。そこには、やはり漁師と体験のインストラクターが協力してプログラムを開発するということが求められます。コーディネーターという形で私たちが仲介に入らないと漁師さんだけではプログラムなんかできっこないし、それを販売までもっていくチャンネルというのは、彼らは持っていないんですね。そこをやはりコーディネーターとして第三者が仲介に入るという形で売っていくというのを、行っております。
 漁村地域の活性化として2つあると私たちは考えて行動しています。まず、1つめは、経済的な活性化です。これは体験料をいただきます。要は私たちはボランティアでは一切やっておりません。すべて料金を徴収させていただいて、それを体験インストラクター、お土産屋さんに還元させていただくような形でやっております。体験料としまして、もちろんインストラクターの収入、これは漁師さんの収入になりますね。そして、漁協直売所、市場、それと宿泊ですね、この3つが絡んだ形で、行っております。そして、もう1つは社会的な活性化というのも考えなければいけないということです。お客様側は、人を知りたいんですね、要は田舎に行って、田舎の方言で漁師さん、ふだんは絶対にかかわりを持てないような方たちと直接、お話ができる。それが楽しみであり、そして、漁業を知りたいというのも、とても大きなニーズであります。そして、私どもが一番最初に考えているのが、最終的には地域に根づいて、この右肩下がりになっている漁業を、もちろん活性化してもらいたい。要は漁師の二代目、三代目は、もういないんですよ。なり手がないんです。であれば、都会からの漁業の就労業者に来ていただけるような形に持っていけないかということも、常に考えています。
 そして、受入側、私たちや、漁師側の思いは、こんな感じですよね。地域、漁業のよさを伝えたい、お客様によさを知ってもらいたい。そして、誇りを持つということもあります。そして、お客様とのかかわりですよね、直接会話を通して漁師たちによろこび、やりがい、責任を持ってもらっています。これが社会的活性化につながると考えています。
 そして、そこに先ほども出てきましたコーディネーターの必要性、これを考えてみたいと思います。まず、漁協さん、そして、漁師さん、お土産物、これは干物ですとか、かつおぶしですとか、地域ならではもの、そして、お客様が来て泊まる、漁家宿泊ですね、お父さん、お母さんは漁師であったり、お母さんが海女であったりする漁家民宿、このばらばらな4つを、どうにかつなげて1つのプログラムにして活性化していくということで、体験を軸としてすべてがつながっていくという形で考えております。
 そこで、私のジョイズ、伊豆体験型観光協会に、ジョイ伊豆で「ジョイズ」という愛称をつけさせていただいていますが、――ここには「体験型観光」と、「着地型観光」というのを主な二本柱に考えて、活動をしております。伊豆半島全体で考えているというのがジョイズの取り組みです。そこには地域の人たち、要は人です。漁業関係者、農業関係者、あとは民宿、旅館業、それからお土産屋さん、もちろん、そこには、先ほど言った体験インストラクター等々を全部絡み合わせて、お客様のニーズに合わせた体験プランをつくり上げていこうということです。それには、小さな枠にとらわれないで、伊豆半島全体で考えていくというような活動を今、しております。
 そして、その伊豆体験型観光協議会と西伊豆町の漁業協同組合と、西伊豆町の3つを連携してつくったのが、西伊豆いきいき漁村活性化協議会で、昨年度、これを立ち上げさせていただきました。これはジョイズ、私たちの伊豆体験型観光協議会と漁業協働組合を結びつけ、ほとんどというか、漁業の体験をつくり上げるという協議会でございます。そこに観光協会さんと商工会さんも一緒に手を組んでいただく形になっていまして、今は、この5つのメンバーで、ともに活動を展開中でございます。
 では、どんなことが西伊豆町にはあるのかと、美しい海、これがお客様への一番のアピールではないか、こんなことでいいんですね。。そこにはよそのものの視点というのが必ず必要なんですね。地元の漁師さんは美しい海、これは当たり前の話で、何にも感動を得られていないんですね。あって当たり前、こんなものでええんかというような会話がかなり聞こえてきます。こういう言葉が聞こえてくるのは、やはりな慣れ切ってしまっているんですね。よそものの目というのは都会から来られる観光客の目です。その目によって、たったこれだけのものでいいのかというのに、実は販売チャンネル、観光客へのアピール度というのが潜んでおります。そういう小さなものをつないでプログラムにしていくというのが、私どもの役割なのかなと考えております。まず、こういうような熱帯魚がいる海ですかとか、あとこんなものも西伊豆町にありますね。堂ヶ島のトンボロ現象ですね、この陸繋島といわれる、引き潮になると、こうやって陸地があらわれて、海が割れるみたいな、これは世界的にも有名ですね。日本でも、これだけできるのは堂ヶ島ならではなんですね。これを売らないで、何を売るんだというようなことも今やっております。そして、私たちが本当に欲しいのは、この子供たちの笑顔なんですね。やはり本物の体験を私たちと漁師さんたちがやることによって、子供たちの笑顔、これを見ると漁師のおじいちゃん、海女のおばあちゃんたちは、大いに喜びます。やりがい、生きがい、これが生まれてくるんですね。そして、こんな生物を見るのも、子供たちには楽しい話ですよね。
 そして、やはりここにはガイドインストラクター――私なんですけれども、ガイドインストラクターが、ほらこうやって見てごらん、こういうところには、こういうような生物がいますよ、この生物は、こういうところにはどうしているのか。そして、引き潮というのはどうなるかというのとを必ず教えるようにしています。それは何かといいますと、この体験というのは、ただの体験ではなくて、やはり学習を伴う体験に結びつけなければ、ただの遊びになってしまいます。私たちは、これを、体験を学習と結びつけることによって、さらなるお客様のニーズ、修学旅行ですとか、要は体験型学習と呼ばれる学生たちを持ってくるということも、先のことを考える中に入れてございます。そして、西伊豆町ならではの海に浮かぶ富士山、それは、海に出てみないと見えないんですね。そこにはやはり、こういうようなカヤック体験、これも1つの漁業体験のうちに入ってきます。
 今、伊豆半島はですね、ジオパークという形で進めているのは、皆さん御承知のことだと思いますが、一番いいのは、このように海から見る、これはたまたま、カヤックでの案内をしているところなんですが、小さな漁船でも、もちろん構わないです。海から見るのが一番いいジオサイトなんですね、特に伊豆半島は。そういうようなことも観光のプログラムの1つのものとしてやっております。
こんな感じに見えます。これは柱状節理が、右側は柱状節理が一気に立ち上がって、海から立ち上がっているところなんですね。手で触れるぐらい近寄って見れます。ほかのところだと、なかなか見れないです。もちろん海からでしか見れない。そういうような場所が多々あります。これを見せられるのも漁業関係者、要は漁師さんの船で、小船で行くというようなことも非常に大事です。この左側は断層がすべて連なっています。そして、この穴があくのは、何でなのということを教えていくのも体験型の観光になります。
 そして、こちらは西伊豆町田子というところの地域に代々伝わる櫓こぎ船です。昔、田子という町はかつお船の栄えた町で、昔は防波堤というか、波止場もなかったものですから、沖に大型船はとまって、その間を小さな伝馬船で行き来をしていた。ただ、今はもう船外機が主になってしまっていますので、櫓こぎ船が伏せられている。そこで、この漁師さん、もうOBですね、OBさんたちが、漁師のおじいちゃんたちが、これは何とかせにゃならんということで、伝統を残そうということで櫓こぎの会というのを立ち上げました。この小さな伝馬船を櫓一つでこいでいく。これは相当テクニックが要るんですが、去年までは、この櫓こぎの会の方たちは、田子の小学校の子供たちに教えていただけだったんですね。そこで、それだけでは非常にもったいない、もっといっぱいやりましょうよということで、昨年の暮れから、この西伊豆いきいき漁村活性化協議会とタイアップをしまして、広く観光客のお客様にやっていこうよと、それにはボランティアではなくて、ちゃんとしたビジネスモデルとしてやっていきましょうという形で今、スタートをしています。とても人気があります。ただ、船をこぐだけでおもしろいんですが、そこは、やはりひとつ何らかのアクションを起こしてですね、沖に浮かぶ生けすの中に鯛の稚魚が入っていまして、その鯛の稚魚にえさをあげるために行くとか、そういうような目的も持たせて、今、やっております。とても楽しいです。
 そして、こちらは漁船です。漁師さんの持っている船ですね、船に乗って漁師体験をしましょうという、そういうプランも、今、行っております。実際に西伊豆町の漁師さんたちは、平均年齢がかなり高くて、ほとんどの方がもう年金をもらっていらっしゃるんですね。そうすると水揚げしないでもいいやと、とりあえず自分家の食べ物だけ、魚だけとってくればいいわという方が多くいらっしゃいます。残念ながら、そこの漁師を継ぐという息子さんはなかなかいらっしゃらないのが現状ですね。ということは漁師さんは暇なんですよ、じゃあお客様、東京とか都会から来るお客様は何をしたいかというと、漁船に乗りたい。そして、漁師たちが、どんな仕事をやっているのか見てみたいということで、プロデュースしました。
 私が必ずやっていきたいのが本物の体験ということで全部プロデュース、コーディネートをします。何が本物かというと、漁師さんたちが常日ごろ使っているさお、リール、えさ、それをすべて使います。要は観光用の小さなさおですとか、そういうのは使わないです。だから、この左側の子供たち、とても重いんですが、電動リールというのを使っています。大体5キロぐらいありますかね、さおも入れて、かなり重いです。だから、もう本当にね、子供たちにとってはさおを持つだけで必死ですね。あとは女性、お母さんたちも必死です。でも、それを持たせることによって漁師の実際の仕事をわかってもらう。そして、この右の子は、カツオを持っています。このカツオも時期により西伊豆の駿河湾に入ってきますので、それを引き縄でとります。何をとるかというのは、漁師さんの、その日の考えで変わります。きょうは何を釣るぞ、やはり漁師ならではの発想の転換、きょうはこれをとるぞということでお客様には、きょうは何をとるのか、乗ってみないとわかりませんと、こういうふうにお話をしてやっております。2時間です。説明をし終わって、すべて安全対策の説明をし終わって、船に乗って帰ってきて2時間ですね。
 こんなものも釣れますね。キダイ、アマダイですね、ここに来るお客様は、すべてが初めての方がほとんどです。初めての方でも、やはり漁師さんたちは釣らせちゃうんですね。これがやはり仕立て船とは違うところですよね。すべて用意をします。漁師さんと一緒に釣ってくださいというのがメーンですね。子供たち、これカサゴなんですが、魚をさわるのはほとんど初めてです。この魚をさわるということが、やはり子供たちにとって、とても新鮮な体験につながっているんですね。
 そして、釣った魚はですね、漁師さんの手ほどきで三枚におろして食べます。刺身にして食べます。これは生きのいいアジが釣れていますけれども、この女の子は、実は、もちろん包丁は持ったことはありますけれども、出刃包丁を持ったのは生まれて初めてなんです。とても喜んでやりました。やはり子供たちにとって初めての体験というのは非常に楽しい体験で、かつ漁師さんが、実は先生になる。漁師さんに教わるということで、子供たち、子供たち以外にお父さん、お母さんもいらっしゃるんですが、とても真剣にやってくれます。そして、一番変わったのは漁師さんが変わりました。こんなもんでいいのかよというような漁師さんが、昔はしゃべらない、漁師さんて基本的にはしゃべらない人が多い、むっつりしてて、体がでかくて恐いというようなイメージが、だんだんだんだん変わって、次のお客さんはいつ来るんだいというような待ちの体制に、今、なっています。これはとてもいいことだというふうに思っています。地元自体がどんどんどんどんお客様を受け入れる、活性化するほうに今、向かいつつあります。
 そして、夕方ですね、西伊豆町は町として夕日の町宣言をしている町です。そこで、では海から夕日を見ようじゃないかということですね。これも漁船です。漁師さんに乗せていただいて、ほんの10分ぐらい出ると、もう大海原に出ますので、そこから夕日を見ると。ただ、それだけの体験です。とても人気があります。こんな感じですね。
 そして、のりかき――冬の風物詩ののりかき、これも観光客が、ただ1人でやると、違反です。漁師さんに怒られます。ただし、漁業関係のお母さんたちと一緒にお手伝いをするという形で、今、実際にやっていただいています。これもそうです、テングサ拾い、ただ拾うだけじゃないんですね。やはり拾ったものを干して、その手伝いをして、最後に自分たちでつくって食べてみるということですね。この右側に映っている、奥にいる方は愛媛大学の教授です。来てもらって、実際に体験をしていただいています。その人が、やはりここの漁師たちは生きているねというふうにおっしゃっていただいて、皆さんで喜んでいます。
 そして、ひじき漁、このひじき漁もドラム缶でやるんですが、これやはりおじいちゃん、おばあちゃんにとっては大変重労働なんですね、そこをお客様に手伝っていただき、かつ、お金もいただき、それで一緒にやっていきましょうということでやっています。これも大喜びです。やはりお客様のニーズは、ひじきというのは水で戻して食べるもの、でもこの日だけは揚がったものを生で食べられること。マヨネーズとしょうゆをかけて食べる、このおいしさを味わえるのも体験です。漁師体験、こういうところで実はひそかに盛り上がりを見せています。
 そして、魚問屋の生けすには昼間は何も変化がない。ただし、夜になると、こうやってにょこにょこと歩き始めるんですね。これは本当に子供たちにとっては、びっくりすることだそうです。昼間、見て、夜、見る。これも漁師ならではの、漁師しかできないことですよね。だから、漁師さんと協力しないと、こういうような体験は子供たち、大人もそうですが、できない。こんなことでもやっています。
 そして、これは三重県の答志島というところに行ってきたときの写真なんですが、これワカメ、メカブとか、ワカメ漁の最盛期のときです。猫の手も借りたいというところです。ここに、答志島はグリーン・ツーリズムインストラクターが、実は10人もいます。そこのインストラクターを中心として、すべてお客様を呼んで、これを手伝ってもらう。そして、とれたばかりのメカブを食べてもらうというような体験で、今、盛り上がっております。これは本当、成功した事例の1つですね、もう既に行われています。
 西伊豆に戻ります。これは仁科の漁協で揚がった魚を漁師さんたちに手伝ってもらって、ぶっかけにして食べています。そういう体験です。これはまた、違う日なんですが、こんなこともやっています。仁科は、イカの水揚げが特に有名ですので、じゃあ揚がったばかりのイカを自分で生けすじゃないですけれども、かごの中からとってきます。これ海女さんです。海女さんのお母さんが先生になってもらって、この子供たちに教えています。それを漁協の前のところで、こうやって食べているんですね、ただこれだけです。ただ、これだけがとても喜ばれます。こんなことがありました。この海女のお母さんに、「何で、このイカ、腐っているじゃん」と言った子供がいます。何でか聞いたら、イカは白いものですと。この茶色になっているのは腐っているんでしょうと、こういうような質問をした子供さんもいらっしゃいました。そこで、お母さんはびっくりしたそうです。やはり生きているのはこうなんだよと言って、さわってみて、色がちらちら変わるのなんかを体験させたと言っていました。
 そして、これは漁師さんです。漁師さんに干物づくりを教わっています。自分でさばいて、これ漁協との協働です。漁協さんの網を使って、漁協さんのところで干しています。それを地元のレストランさんと、今度はコラボします。その干物をおいしく食べるために地元の、これは黒米、黒米をたきあげたものと、地元の野菜を使ったもので、この干物を一番うまく食べられる方法を考えてよということで、漁協と体験とレストランと組んでやっています。すべてがもうかるシステムを今、つくっています。
 そして、こちらはかつおぶし屋さんに行っています。これは四代目のおじいちゃんが、かつおぶしをつくるさばきを見ています。そして、これは今度、五代目です。五代目の御主人がかつおぶしの削り方をレクチャーしているところなんですね。かつおぶしを削ったことないという人が、今の時代、ほとんどです。さらにかつおぶしの目によって削り方を変えると味も変わってくるんだよということまで、教えてもらってやっています。これをやると、かつおぶしを買って帰るんですね。必ず買って帰ります。やはり体験をしないと味もわからないし、人に伝えられない。だから買わないです。ところが、これをやることによって、すべて、何袋も買っていっていただけるんですね。購買につなげるためには、やはり体験、それで自分でやってみるというようなことが、これからはどんどん必要になってくると思います。
 塩かつおですね、西伊豆町の冬の風物詩、「正月魚」と書いて「しょうがつうお」、もう本当にしょっぱいんですが、これも、このわら細工をするというところから始めて、持って帰るという体験までを、今、つくり上げております。そして、ここは今度は食事どころさん等とのコラボレーションです。これは団体向けでできるプログラムですので、ここは大きな大きな食堂なんですね。そこで実際に焼いていただき、こうやって皆さんで食べています。やはり食べることによってお土産につながっていきます。購買につながるんですね。お客様にとっては、思い出が残るのは食べたもの、あそこに行って、何を見たねじゃないんですね。何を食べたね、何を体験したねというのが親子の中でずっと繰り返されることなんですね。だから、とても重要なワードになっています。体験と食べるということですね。食べると、大体、人に伝えたくなってリピーターにつながっていきますね。そして、やはり、このメニューの開発というのも大事なんですね。今までやってきたものだけではなくて、じゃあこの魚を使って、こういうのをやったらどうかという、このお母さんたちですね、お母さんたちとみんなでアイデアを出しながら、ああでもない、こうでもないと言って、開発をしております。
 そして、漁家民宿、ただ、泊まるだけではなくて、やはりお父さん、お母さんとのお話し合い、飲んでお話し合いをしても全然、構わないのですが、こうやって和気あいあいと聞く座を必ず設けさせていただいております。そうすると、やはり質問がいっぱい出るんですね。昔はどうだった、こうだったとか、今はどうなんですか、海女さんて疲れないんですかみたいな、素朴な質問も全部出てきます。それをやはり漁家民宿のお父さん、お母さんは聞きたい。お話をしたいんですね。要は都会の人たちと民宿のお母さんとを結びつける機会をつくってあげれば、とても喜ばれます。そして、リピーター化にも、実はつながっております。
 本物の体験、そして、田舎ならではの体験、それを漁村と漁師との交流に結びつけます。やはり私たちがやってはいけないのはイベントなんですね。イベントは、もう祭りのように、花火のように上げるのはいつでもできるんですけれども、それだと、やはり活性化にはつながらないですね。地道に、地道に365日つなげていくというのが活性化につながると思っています。イベントだと花火を上げても、そのまましぼんじゃったりする。それは、私たちはやりたくないということで365日の体験というのを、今、考えて実際にやっております。やはり人に始まり、人に終わる。今までの体験型観光は外部のインストラクターがメーンであったんです。ところが、実はそうではないよと、地元で暮らす人がメーンだと。要は人を中心にした体験プランをつくっていくことによって、地元は潤ってくるということでやっております。
 これだけなんですね、地域資源。要は箱物は要らないです。もう絶対に要らないですね。箱物じゃなくて、人です。人と地域資源、これをどう組み合わせて活用するかという、要はコーディネートとプロデュースですね。これで漁業の観光をつくりあげていくというふうに私たちは、今、進んでいます。
 そして、人の中でも、特に田舎の人たち。ふだん観光をやられていないわけです。漁業関係者、農業関係者。あとは、そこに暮らす人たち。その人たちが、お客様が町を歩き、田舎の自分たちの町を歩き、自分たちに声をかけてくれて、一緒に会話をする。それだけのことで、やっぱりやりがいが生まれ、生きがいになるんですね。そして、やはり幸せを地元の人たちに感じてもらおうということで、私たちの体験型観光協議会は、今、進んでおります。これがひいては地域の活性化、地域の社会的活性化につながっていけばいいと思い、実際にやっています。そういう形で行っております。ありがとうございました。(拍手)

○野澤(洋)委員長
 どうもありがとうございました。
 これより質疑に入りますが、委員の方、何かありましたら。
 その前に、一問一答方式でやってください。御質問は座ったままで、どうぞ。

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