• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成27年11月地方分権推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:11/27/2015
会派名:自民改革会議


○森委員
 先生、2点お尋ねしたいんですが、1点目は、先生のこの著書にもあるように、私どももお話のように富山の港町岩瀬へ行ってきました。造り酒屋の若大将が、非常にリーダーシップを持って、レトロ調、江戸時代のまちづくりをしている。これはやっぱりこのリーダーと、そして商店街の皆さんがこれに全面協力していっている。非常にいい人材がいるということはわかりました。
 一方、鯖江、ここはもう長い間、歴史的に地場産業、特に眼鏡のフレームをつくってる。私たちがお会いした会社の経営者は40前後の若い人で、それで仲間もいらっしゃる。人材がやっぱり勝負だなという、そんな印象を持ったんですが、全国で例えば地域づくり、あるいは商店街の活性化の人材養成を、こういうところではこんなことをやってるよとかと、そういう例があれば、教えてもらいたいと。
 
 それからもう1つは、法令の面での地方分権について。私は伊豆の下田なんですけれども、私たちの伊豆半島は、国立公園法という非常に厳しい法令があった。この法令は昭和6年前後にできたんですけれども、当時は厚生省、環境省がない時代です。私ども伊豆の先輩の皆さんは、国立公園法という新しい法律ができる、国が何か公園をつくってくれるんじゃないかと、各地で指定を受けるために立ち上がった。ところが、その中身は環境の規制だったわけですね。例えば旅館、ホテルをつくるにも、環境庁の許可が1年とか2年とかかかるという。今、私がかかわっているのが、天城山の国道を少し広げること。たかだかわずかなんですが、そうすることによって、観光バスが非常に利用しやすくなる。それを、県の道路局から国にお願いをしてるんだが、1年半もかかっちゃってる。工事は1カ月かそこらでできちゃう。こういうように、規制の緩和をやってもらう必要がたくさん、私たちのほうはあるわけですけれども、例えば商店街をもっと活性化する、あるいは地域を活性化させるには、こういう規制を緩和したほうがいいとか、こういう法律を地方に移譲したほうがいいとか、何かそういうお話があれば、お聞かせ願いたい。2点ですけれども、法令の問題、要するに規制緩和の。それから人づくり、この2点で、先生のお考えあるいは地方の状況を知っている例があれば、お話しいただきたいと思います。

○藤吉雅春氏
 そういう話は、先生方のほうが専門家ですので、私よりも詳しいと思うんですけれども、法令について具体例で申し上げると、おもしろいなと思ったのが、地方再生で有名になっていますけれども、秋田県に仙北市というところがあります。秋田県というのは日本で一番人口が自然減少してまして、年間1万数千人が減少しています。一番過疎化が進んでいる県なんですが、秋田県の仙北市というのは、今、小泉進次郎さんなんかが非常に力を入れているところでして、何で力を入れているかというと、不思議なんですけれども、世界中の若者が仙北市を目指して遊びに来るんですね。何でかというと、口コミで世界中の若者に広がったんですけれども、農家民泊という。もともと仙北市がやっていたのは、東京に住んでいる都会の子供たちを夏休みに農家に宿泊させて農作業を教える、都会の子供の農村体験というのをやってたんです。それがなぜか世界中に広がっていって、欧米だけじゃなくて東ティモールとかインドとか、ムスリムの国とかからも仙北市にやってきて、農家民泊といって、農家のおじいちゃん、おばあちゃんたちと一緒に大根を洗ったりとか、山菜とりに行ったりする。もうきゃっきゃ言って喜んで、民泊でやるわけですね。ただ、これはもちろん規制があって、旅館業法などがありますから、そんなこと普通やっちゃいけないんですよね。ところが、もうどんどん押し寄せてくるし、しかも、普通に、おじいちゃん、おばあちゃんに囲炉裏できのこ鍋つくってもらって、きょう山からとってきたきのこだって言われてるだけで、その若者たちが感動して泣いて帰りたくないと言い出すと。これ、じいさん、ばあさんから見たら意味がわからないんですよ。何でこんな受けるのかと。普通の農作業やってるだけだと。行政に、この規制撤廃したらどうだみたいな話が、下からボトムアップでくるわけですよ。そうすると、仙北市は、じゃあ特区を申請しようと、旅館業法などいろいろありますけれども、農家民泊でこれは地域再生だし、世界でこんな知らない間に有名になっちゃった、バックパッカーたちがやってくると。しかも、これをたまたま僕が読売新聞のある部長に話したら、いや、僕、この間の夏休み、夫婦で行ってきましたよと。サイクリングで農家に泊まってやってきましたと。もう調べてたんですね。今、農家民泊と、ドローン特区とも言われていて、ドローンの実証実験も、おもしろそうな町だから仙北市でやろうということでドローン特区とも言われているんですけれども、そういうのもあって東北の中で非常に注目を浴びています。小泉進次郎議員なんかが仙北市を宣伝し始めて、この相乗効果でどんどんまた有名になっているんです。確かに規制緩和ってなかなか時間がかかって非常に面倒なんですけれども、何かムーブメント的なもので。若者たちが何で集まっているのかというのは、多分インターネットとかだと思うんですが、どこから火がつくかって実は全然わからないんですよね、地元にいると。そういうもので突破口を切り開いて、特区申請とか何かできるんではないかなと。法令に関しては私もそんなに詳しくないんですけれども、事例としてはそういう事例があるなと思いました。
 
 もう1つ、人づくりなんですけれども、人づくりというので富山県がやっているのが、観光課ですね。人を集めて、富山のブランド化、つまり、おすしとか全部含めて富山湾というブランドをつくろうという人材教育をやってるんですが、1つの特徴は、これはみんなで富山県観光課で学習するんですけれども、その学習する若者たちから授業料をとってるんですよね。お金とって教えるってどういうことって思うんですけれど、これ何でお金払ってわざわざ違う地域から来る人がいるんだろうと非常に不思議なんですけれども、何かつぼにはまっているというか、できてるんだなと思います。ただ人づくりの養成講座をつくったからといって、本当にリーダーが生まれるのかというのは、私は実はちょっと疑問でして、それが成功するかどうかはわからないなとは思ってるんですが、でも人づくりがうまくいく例というのは、一つ傾向があります。どういう人がリーダーになるか、あるいはどういう人がそのフォロワーになっていくかというと、もうめちゃくちゃ困ってる人ですね。困っている人たちというのは、何とかしなきゃいけないとの思いがある。
 四国のうどんの町なんですけれども、食品加工業者がいっぱいいる町で、やはり人口が減って寂れてきて、しかも食品加工業というのは1社当たりの従業員数も少なくて小さいんですね。小規模事業者が多くて、担い手が大体同族企業ですから、2世、3世ってなるときに、なかなかその担い手もいなくなってきた。市役所の振興課の人も、実は経済のことが全くわからないと。2年交代でみんなかわっちゃいますから。そういうときどうしたらいいかということで、市役所の人が商工会議所に訪ねて行くんですよ、地域振興やりましょうと。ところが、商工会議所のトップというのは大体商店街の土地を持ってる不動産業者だったりとかで、商売をやったことのない人が商工会議所のトップだったりするわけですね。そうすると、市役所の人が相談に行っても話がうまくかみ合わないわけです。どうやったらシャッター商店街をよくするかというアイデアは、実は商工会議所になくて、商工会議所の加入率というのは、実はそんなに高くないと。じゃあどうしようかということで、裏通りに入っていって、小さい店舗を1件1件市役所の行政マンたちが訪ね歩くわけです。何で訪ね歩いたかというと、一緒にチームをつくりませんかという話をするんですね。これは何がモデルかというと、この本の中にも書いている、コロラド市のリトルトンという小さな町が、軍需産業である工場がなくなってからエコノミック・ガーデニングで復活していく話なんですけれども、1社の企業誘致もせずに、税収が15年間で3倍にふえて、雇用が2倍にふえたという成功事例なんです。地元の小さい会社を育てて全国規模に大きくしていくと。この仕組みをその四国の町の市役所の人たちがやろうとして、1件1件訪ねて、これをやりませんかと、エコノミック・ガーデニングを。そうすると、ちょっとおもしろかったのは、若い世代、2世、3世ですから、みんなくすぶってるわけですよね。先ほど申し上げたミレニアム世代と言われている若い人たちは、インターネットで世界的にはつながっているんですけれども、じゃあ自分たちはこの町でどうしていったらいいかわからない。そういうときに、市役所の人がわざわざ家をこんこんと訪ねてきて、何かやりましょうよ、場をつくりましょうよ、会議室貸しますよって言ってきた。そこで、2世、3世たちが集まって、みんな30代ぐらいの若者たちなんですけれども、じゃあ何から始めようかと。そうすると、食品加工業ですから、何かお歳暮のセットを共同でつくろうじゃないかとか、いろんなアイデアが集まればやっぱり出てくるわけですよね。1回目はそんなにうまくいかないです。でもこれを続けていくことで固定客をつくっていって、徐々に徐々に業績は上がっていくわけです。何かやらなきゃいけない、でもどうやっていいかわからないというのを、うまくマッチングして、つなげていくことで、自然とリーダーというのは生まれてくるんじゃないかなと思います。それはやっぱり困っているからで、必要に迫られている人というのは、実は行政側からつつくとほいほい出てきて、この本で書いてるように、民間人が活躍しているというのは、そういうことなんじゃないかなと、私はこう思いましたね。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp