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委員会会議録

委員会補足文書

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平成29年11月農林水産・観光交流特別委員会
静岡県農業協同組合中央会 専務理事 渡邊芳文氏、静岡県農業協同組合中央会 農政営農部長 戸塚央男氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/22/2017 会派名:


○渡邊芳文氏
 おはようございます。農協中央会の渡邊でございます。本県農業に関しまして、このような機会を設けていただき、感謝申し上げるところであります。
 本日、資料は大きく2つ御用意させていただきました。
 1つは最近、私どもをめぐる状況について御理解いただいたほうがいいのかなということから、パワーポイントのようになっておりますけれども、資料を1つ用意させていただきました。
 もう1点は、県の来年度の予算編成が始まりますので、私ども、毎年それぞれの農協から来年度の県に対する政策要請ということで上がってまいりましたものを精査いたしました。先般、知事、県議会議長に対しまして要請をしたところであります。それらの内容について要請書をお持ちいたします。主にこの2点について御説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、着席で説明をさせていただきます。
 カラー刷りになったほうの資料をごらんいただきたいと思います。
 1ページおめくりいただきますと、本日、報告をさせていただきますポイントを5点ほど出してございます。1つ目が政府によります農協改革、今も国からいろいろ注文をつけられております。これに基づきました2つ目が農協法の改正の問題、3つ目がその改正に至る経過の中で、5年後条項というのがあります。5年間のうちにしかるべきことをやりなさいよという注文をつけられております。4つ目は、それらを受けまして、本県JAグループとしての取り組みの内容、最後に、それらを受けた県域としての私どもの取り組みの内容ということで、5つに整理をさせてもらっております。
 それでは、まず最初でありますけれども、2ページ目であります。
 政府によりますところの農協改革であります。事の発端は、安倍総理がアベノミクスによる3本の矢ということで政策の基本方向を示したわけであります。これに先立ちまして、そこにありますとおり安倍総理は、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙にわざわざ寄稿いたしました。日本経済にはびこる鬼退治を今からやるんだと。私がドリルとなってかたい岩盤を打ち破るといって始まったのが、この3本の矢の最後の規制緩和による構造改革の分野でありました。
 ここのところで特に農協について、当時、農業だけではなくて、労働だとか医療だとか、そういった分野も対象になっておったわけでありますが、私どもこの構造改革を進めるということで、大きく変革を求められたわけです。当初、政府のほうは農業改革をやるんだと、こういう論調で、農業所得の増大を目標に掲げてスタートしたわけでありますけれども、内容を詰めていきますと、当時の規制改革会議を通じて、農協改革に物事が変容していたという経過がある。私どもはそう見ているわけであります。実態は、農協改革であったということであります。
 そのもとになりますのは、在日の米国商工会議所があるわけでありますけれども、あそこが農協に関する意見書を出しておりまして、日本の農協というのは特殊だと農協の事業なのに農家じゃない人たちも対象にしてやっているじゃないか、これはおかしいと。本来の農業に戻せという意見を言っているわけでありまして、特に農協がやっております員外利用、組合員の人たちにも一部事業は利用して結構ですよという員外利用という制度があるんです。准組合員という制度があるんですね。農協は正組合員と准組合員と2つの組合員制度を持っておりますけれども、正組合員は本来農業をやっている方、准組合員は農協の管内に住んでいる方で農協の事業を利用してもらってもいいじゃないかという人たちです。
 それから、農協が生命保険の事業と損害保険の事業を2つやっているのはおかしい。民間を見てみろと、生活保護と損保と経営なんてやっていないぞというふうなことを言いがかりにして、農協改革をやれという意見書を出しているわけです。それが27年5月まで有効な意見書ということです。これが発端だったのじゃないかというふうに思っております。
 規制改革会議というのがあるんですけれども、御案内のとおりこれは政治家ではなくて、いわゆる民間議員と言われる人たちが政策提言をやって、それの提言に基づいて内閣による政策が実行されると、こんな運びになっているわけでありました。むしろ、民間議員による政策決定の政治の姿が今の姿じゃないかと思っております。
 次のページをお願いします。そういったいろいろな点におきまして、平成26年6月に規制改革実施計画なるものが閣議決定されて、これが内閣の方針となったわけであります。中身を見てまいりますと、中央会制度から新たな制度への移行、全農だとか経済連の事業の見直し、農協でやっている信用事業の農林中央金庫だとか信用農業協同組合連合会への事業の譲渡、それから理事会のあり方、組合員のあり方について、いろいろ改革をやっていくよということが計画の中に盛り込まれました。昭和22年に農協法が施行されましたけれども、農水省は70年ぶりの農協法の大改正を行ったということであります。
 その内容でありますけれども、4ページ、平成28年4月に農協法が改正されました。理事の構成の見直し、農協の理事の過半に認定農業者を入れろだとか、成年女性も入れたらどうだという理事会制度の見直しがされたわけであります。
 それから農協中央会制度の廃止、農協は農協法という特別法で設立をされておりますので、農協法の中にローカルの単位農協も連合会も中央会もその中に含まれて、設立がされているわけであります。この農協法の中から中央会制度を外したということであります。なぜ外したか。当時の政府の言い分は、中央会は農協の自由な経営を阻害しているんだと。だから農協から外すんだという話なんですね。農協の自由な意思決定を阻害している。その事実があるかと、かなり問題にしたわけでありますが、その内容は一切出てこない。まず結論ありきの議論だったわけであります。したがって、全国農協中央会がありますけれども、31年9月からは一般社団になります。都道府県の中央会は辛うじて農協法の附則に位置づけられました。何とか辛うじて残ったみたいな話です。そういう経過があります。
 それから、公認会計士監査も農協に導入しなさいと。会計監査は農協中央会が担っていたわけでありまして、そういった部署をつくっていたわけでありますが、農協の自由な経営を阻害している要因の1つだということから外されたわけです。さらには、株式会社だとか、生協だとか、医療法人に組織変更できるなどの農協法改正がされたわけであります。
 理事会制度は先ほど申し上げましたとおり、過半が認定農業者ですよという話であります。
 6ページであります。公認会計士監査の導入も先ほど申し上げましたとおりで、中央会から外しまして、農協は公認会計士の監査を受けなさいとなりました。したがって、私ども監査法人を立ち上げました。私どもがといいますと変ですけれども、会計士が中心になって農協のよくわかる監査法人の立ち上げを29年6月に行い、7月から業務が開始されたところであります。実際には、50人の公認会計士で全国の農協を監査するわけでありますが、その補助者としては、今、担っております中央会の職員である監査士が引き続き補助者として事に当たることとなっています。
 7ページです。全農の株式会社化ということであります。何で全農を株式会社にするんだという話です。もともと協同組合組織として発足しているわけであります。小規模農業者が結集をして大資本、大企業に対抗していこうということが設立の目的であったわけでありますが、政府の言い分は員外利用規制がなく、自由に競争できるように株式会社の道を開いた。余計なお世話だと思うんですけれども、政府はそう判断して全農も株式会社に変更できるような道を開いたと言っているわけです。
 次のページです。今度の農協法改正は冒頭申し上げましたとおり、農業所得の増大と利益増進を実現するための法改正でありました。今、申し上げました幾つかの農協法改正によって、どう農業所得が上がるのかと一切の説明がないまま農協法が改正され、今日に至っているわけであります。所得増大がかなわないのはその責任が農協にあるからだと。農協がきちっと農業振興をやらないからだとの話でありました。
 もともと農業所得をふやそうという農業改革ではなくて、冒頭申し上げましたとおり、アメリカ商工会議所からの意見書に近い形で動いているなと疑わざるを得ないわけでありますが、農協改革にその目的があったということではないかと思います。
 最近ですと、8月に農業強化支援法なるものが成立いたしました。全農も自己改革をしっかりやりますよと政府に約束をしたわけであります。今後、政府がさまざまな点でフォローアップをしていくということになっているところであります。民間企業に政府がフォローアップをするというのはどういうことだと疑問が湧かないわけではありません。
 次のページ。いわゆる5年後条項と言われるものでありますが、先ほど申し上げました26年6月に閣議決定をされました実施計画なるものがあるわけでありますが、この計画に沿って5年間を改革の集中期間と位置づけをして、JAは自己改革をしっかりやれということが言われたわけでありまして、26年6月から5年間ということでありますので、31年5月までにきちっと成果を出すようなことをやっていかないといけないということになっているわけであります。当時、あわせて課題とされました信用事業の譲渡の問題だとか、准組合員の利用規制、これは依然として残ったままということになりました。
 次のページをお願いします。もう一つの5年後条項というのがあります。農協法改正が28年4月にございます。これも5年間と猶予期間があるわけでありまして、33年3月を目途ということです。5年を目途に改革の実施状況を勘案しながら農協の制度について、もう一度検討して必要な措置を講じますよというふうにうたわれたわけであります。先ほどの准組合員制度の問題であるとか、農協のやっている信用事業の譲渡の問題、これらについてはもう一度見直しますよと突きつけられているわけです。准組合員の事業利用規制についても5年経過までに調査をした上で結論を得るというふうになっているところです。
 次の11ページです。政府はいずれの5年後条項についてもJAの自己改革の実施状況、取り組み状況を勘案して判断するんだとしております。政府は農協に対して行政指導の基準となります物差しをもっておりました。監督指針といわれるものです。これに基づいて行政庁は農協を指導しているわけであります。これも大幅に見直しがされたということであります。
 次のページのところに、その内容が載せてございました。農協は担い手農業者と徹底した話し合いでもって自己改革を進めなさいよと言われているわけであります。さらには今後、先ほどの5年後条項に基づいて調査をやります。だから農協はちゃんと協力しなさいよと。さらには信用事業の譲渡だとか、代理店化についても検討を進めなさいよと。生産資材価格の仕組みについても見直しをしなさいよと。さらには独占禁止法の適用も強化します。農協に限ってだけ独禁法の適用を強化したということです。独禁法は、あまねく一般の企業に向けて適用されるものでありますが、殊に農協だけ取り出して強化をするということです。もともと独禁法ですので、協同組合ですので適用除外、先ほど申し上げましたとおり、小規模農業者が集まって力をつけていろいろ価格交渉力をつけようというのがそもそも協同組合の成り立ちなんですね。そのことを理解して、法律上も独禁法は協同組合については適用除外という制度になっているわけでありますが、どうもJAグループの生産資材のシェアが高い。それは当然ですよね。そのために組織しているんです。生産資材のシェアが高いから、そこに競争原理が働かなくて、なかなかコストが下がらなかったという国の言い分なんです。したがって、農業分野だけ窓口を特別設けて監視をするということが今、行われているわけです。
 次のページをお願いします。文句を言っていても仕方ありませんので、本県JAグループもきちっと対応していこうということで、26年11月に本県としての自己改革の実践計画大綱を打ち出しました。自己改革をしっかりやって、取り組みの状況だとか、成果を内外にしっかり発信をして、政府からのJA攻撃には断固対抗していこうという方針のもとに、大綱をつくり県下農協を挙げて取り組みを始めたわけであります。
 次のページ。自己改革の取り組みの方針。協同組合として総合事業を行って、組合員の農業所得の向上だとか、地域でのサービス提供にしっかり取り組んでいこう。それらをもって組合員からJAがあってよかったという評価をきちっと得ようじゃないかということを方針に据えて、今取り組んでおります。わざわざ総合事業と言っているのは、農協はいろいろな事業ができるようになっています。今、国から言われているのは信用事業も外せ、そのうちアメリカ商工会議所が言っている共済事業も恐らく今から火の手が上がる。どうも農協の事業分離がされていくのじゃないかという懸念があるわけです。したがって、あえて総合事業をやっていくのだと宣言をしているわけであります。
 次のページです。本県JAグループの取り組み、組合員から評価を得るための取り組みということで、ヒト・モノ・カネ・情報、これらの経営資源を30%アップして取り組もうという打ち出しをさせていただきました。その間に、県内17農協、これに中央会含めて5連ありますけれども、3カ年計画という中期計画をつくって方向感を出して、それに向かって農協事業に取り組んでいこうということで進めてきました。
 先ほどの自己改革の大綱を実践するうえで、この3カ年計画の中に取り込んで今やっているところであります。この3カ年計画をつくるに当たりましては、認定農業者も含めてきちっと話し合いをやりましょうということで取り組んできたところであります。
 次のページ、16ページです。ヒト・モノ・カネ・情報の投入ということであります。平成31年度までに営農指導部門の経費の投入額の30%、大体18億円から20億円アップさせましょうと。60億円というのは、県下の農協が営農指導員だとか、営農指導士として投下しているお金なんですね。毎年60億円ぐらいをかけています。人件費を含めて。農協の経常利益が100億円ぐらいですから、かなりのボリュームなんですね。一生懸命農業振興をやって、その農家が得た利益、余剰でもって農協の事業が運営されているということになるわけであります。農協は組合員の金を回していることとなるわけです。
 既に、27、28年度での投入額は約18億円で、ほぼ計画どおり達成したなということであります。向こう3カ年を見てもまだ40億円近くの投入計画がある。施設をつくったり、あるいは指導員をふやしたりということも含んでいますので、そんな予定があるということであります。
 今、農協の経営環境は非常に厳しくなってきております。地銀もかなり厳しいということもありますし、今や信用金庫も合併が取り沙汰されております。農協もらち外ではありませんでして、非常に厳しい環境ではありますけれども、きちっとこのことを取り組んでいこうということで、今、県下17農協でやっているわけです。
 次のページです。役職員の意識改革もあわせてやろうということで、学習活動であるとか、自己改革宣言だとか、いろんなことを提案してやってもらっているところであります。18ページには、本県JAグループの自己改革の取り組み事例ということで幾つか代表的なものを載せてございます。助成制度の創設だとか、農機のレンタル化だとか、物流施設の整備だとか、選果機、あるいは生産資材価格の引き下げ等々、今、県下の農協で取り組んでいるところであります。
 次のページであります。農協は農協で、私どもは県域としては何をやるということになってくるわけであります。1つには、生産部会の強化ということで、農協にはいろいろな作物別の部会がありますので、生産部会をきちんと育成していくということが重要だろうということで、今の連合会あるいは農協から人を寄せて中央会に人を出向していただいて、今14人体制で担い手サポートセンターということで、生産部会強化策、もう1ページ後ろの農業法人などの大規模農業者への対応ということで、今取り組みを進めているところです。大規模化がだんだん進んでおります。平成28年には736法人が県内にあるということであります。このうちの110法人ほど私ども農業法人の事務局を務めております。特に私どもが事務局をやっている農業法人に向けていろいろな提案をしたり、御用聞きをしたりという関係性の強化、農協と一緒になって取り組んでいるところであります。
 特に、労働力の確保の問題というのは、農業界だけではなくて、さまざまな分野で取り沙汰されておりますけれども、農業界もらち外でありませんで、このことの要求が非常に強いもので、最近ですと求人情報誌を活用して農業を発信したり、あるいは求人サイトを開設したりして、労働力確保、なかなか好評でして、今までですと農協も無料の相談所などもつくったり、あるいは職安に出したりしておりましたが、こういう民間ベースのサイトを使うと、かなり今までになかった階層の人たちが手を挙げてくるということで、効果が出始めているところです。
 次のところ、21ページであります。戦略的な広報ということで、農協の取り組みを県民の皆さんにちゃんとお伝えしていこうということの取り組みをしております。最近ですと、15秒という短いコマーシャルですけれども、いろんな農協の自己改革の取り組み状況をスポットで今、流していただいております。夏ぐらいから始まりまして、来年の3月ぐらいまで17農協の取り組みをそれぞれ今、やっています。最近ですと、今、富士宮の農協が流れているかな。自主制作番組も持っておりますので、これらを活用してということで、取り組んでいるところです。
 最後であります。私たちは協同組合でありますので、根底にあるのは相互扶助の精神ということであります。ただ、今回の農協改革を進めてきた農水省のトップ、事務次官になるわけであります。農業法人協会の青年部の講演の中でこう言っているのです。「農協法の改正だけでは現場の農協は動かないから、あなたたちがもっともっと農協にいろいろと注文をつけろ」と言い放っているんですね。
 そこには、相互扶助という協働組合の精神のみじんも感じられないわけであります。本当にこんな官僚で日本の農業は大丈夫かなと心配でならないわけであります。現場は現場で、ローカルはローカルで、きちっと行政と農協がタッグを組んで、農業振興に当たっているわけです。この方は農水省の権限を縮小してもいいから、金融事業は金融庁へ、経済事業は経済産業省へ移してもいいんだというぐらいまでの言いっぷりで今、農業行政を進めている。まだまだ農水省や官邸との闘いは続かざるを得ないのかなというふうに見ているところであります。これが今の情勢であります。
 それから、もう一つのほうであります。大分時間が経過していますので、簡潔に申し上げます。
 冒頭申し上げましたように毎年県の予算が組まれる前に、知事を初め、議会の皆さんに要請をしているところであります。1ページ目、目次のところがありますけれども、私どもの政策的な事項、少し重たい仕事、これだけはという仕事と個々の農協から上がってきた個別、具体的な一般経常的な事項と大きく2つに分けて要請をしているところであります。
 特に、政策的な主な点について御案内をしたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして、3ページ目です。農業者の所得向上を実現する施策ということであります。(1)のところに着実な実践に必要な予算の確保と普及指導員の確保をお願いしたいということであります。右側の表をちょっとごらんいただきますと、農業予算が徐々に減ってきて、平成25年、26年には盛り返しましたけれども、また漸減の傾向にあるということであります。
 もう一つ下の表です。1位が福井県になっておりますけれども、農業産出額に対する予算の割合ということであります。福井でいきますと、農林水産業の産出額が525億円に対して309億円の予算で実行されているということで、その割合は59%ですよと、こんな見方になるわけであります。静岡県の場合には、2,840億円に対して188億円、割合は7%ということで47位であります。これには右側のグラフにもありますが、基盤整備費も含んで、農業振興費も含んでこういうことであります。これは29年度予算でありますので、グラフのほうは28年度予算ですので、若干金額が総額で違いますけれども、いずれにしてもその割合からすると低いということであります。
 知事から言わせますと、効率よく仕事をしているという自己評価をされていましたけれども、こんな状況だということであります。
 次のページです。特に人の問題でありますけれども、6ページの下の表です。人的投入資源、年々減ってきておりまして、この10年比ですと100名余りの要員が減っているということであります。産地への技術指導などは普及指導員がかなめでありますので、人を確保していくということは重要なことだろうなと思っていますので、要請をしたところであります。
 次のページ、7ページ、8ページですけれども、次世代に向けた支援の拡充ということです。
 がんばる新農業人支援事業の運用の見直しということであります。今、県単事業として新農業人支援事業1,500万円余りの予算でやってもらっていますけれども、その要件であります。8ページの上の表の備考欄にありますけれども、今、研修期間1年、年間50万円ということで支援がされていますけれども、これでは少し短いし、金額的にもいかがなものかということで、この見直しをお願いしたいということでやっているところです。
 それから、9ページ、10ページ、親元就農者に対する支援ということであります。新たに農業を始める人たちにつきましては、国などの支援もあるわけでありますが、もともと農家の家に生まれ育った人に対する支援というのは全くないわけです。そんなことを受けまして、JAグループとしては10ページにありますとおり、アグリサポートプログラムと称しまして、支援事業をやっているわけであります。ぜひ県でもこういった事業を新たに起こしてもらいたいという要請でございます。
 それから、13ページ、農業労働力の確保の問題であります。先ほど申し上げましたけれども、14ページにあります。職業紹介所を行っているJAは県内に8JAありますが、なかなかはかばかしくないということであります。真ん中から下のところに労働力支援研究会の29年度の取り組みとありますが、先ほど申し上げましたとおり、求人誌を使ったりだとか、求人サイトをつくったり、新たな取り組みも始めておりますので、ぜひとも県としてもこれらへの支援をお願いしたいというところであります。
 それから次のページ、近代化資金の制度の見直しということです。16ページにありますけれども、近代化資金の事業目的のところをごらんいただきますと、経営意欲と能力のある農業の担い手が経営改善のために必要とする資金で、生産施設の整備だとか、農機具、家畜、果樹の植栽などの資金として低利で融通しますよと、貸付限度額は1,800万円で、知事特認で2億円まで認められますとなっているわけです。
 今、大規模農業ということが非常に言われております。土地等も求めて規模拡大を図る人たちもふえてきておりますので、要件に合致しないわけです。しかも1,800万円じゃ少し枠が小さ過ぎるということでありますので、少しこの見直しもお願いしたいということを今言っております。
 次のページのところが、安全な農産物づくりの支援ということで、GAPの問題を取り上げております。2020年にはオリンピック・パラリンピックがあります。その食材調達の要件になっているわけですけれども、恐らくオリンピック後はこういう方向で農産物がつくられていきますので、その後の市場からの要請もそういったことが要件になってくるのだろうと思っております。私どももこのことに十分対処していかないといけないと思っておりますので、ぜひ県と一緒になって取り組みたいということでお願いしております。
 19ページがお茶の関係であります。20ページのグラフにありますとおりお茶の産出額は昭和58年の831億円をピークに年々減ってきております。平成27年といいますと、300億円ちょっとということで、激減をしてきております。何とかここのところをやらないといけないということで、次の21ページであります。構造改革事業ということで、県単事業で予算も組んでやってもらっておりますので、ぜひこれの継続事業としてお願いしたいということであります。
 それから、23ページには、お茶工場等の施設整備への支援、さらには25ページには茶園の集積、改植の推進ということで、いずれにしても本県で「やぶきた」がほとんど占めておりますけれども、大分樹勢も落ちてきていますので、何とか回復させないといけない。国の事業もできましたけれども、引き続きこの継続を国に対しても働きかけをお願いしたいということであります。
 それから、29ページであります。茶文化の創出や販売、消費拡大ということでお茶の愛飲条例が昨年できました。県も学校教育の一環としてやるんだということで、知事も力を入れてやってくれておりますけれども、ぜひ全ての学校で取り組まれるよう、茶育事業といったことをお願いしたいということで、せっかく条例ができたものですから、これをはずみにして子供たちがお茶を飲む習慣を定着させていただきたいとお願いをしてございます。
 それから、33ページであります。農地集積の問題であります。今、中間管理事業が走っておりますけれども、これに向けての予算の確保であるとか、35ページには、農地を貸し手から借り手につなぐ調整員という人が入らないとなかなかこの仕事がうまくいかないわけであります。去年のJAグループでも17名の職員で調整事業に当たっているわけです。中間管理事業もきちっとうまく回すためには、調整員の人たちの活躍というのは非常に大きいわけです。ぜひ、ここのところに着目をしていただいて、きちっと予算措置もしていただきたい。中間管理事業も実効あるものにしていきたいという話でお話をしています。
 それから41ページ。鳥獣被害防止対策の充実・強化の関係であります。特に、静岡県では伊豆の山と浜松の北部で鳥獣被害が大きいということでありまして、最近ですと、鹿やイノシシをとったはいいけれども、その後、どうするんだということが非常に問題になっております。
 最近ですと、49ページにありますが、ジビエカーも試験研究でやられておりますので、ぜひこういった食肉利活用に向けたジビエカーの実証試験、これも県が積極的にやっていただきたい。1台1700万円ぐらいかかるということでありますので、どうしても民間じゃ重たいなということであります。ぜひそんなこともお願いしたいということで、今、鳥獣被害については特にお願いしているところです。
 以上が、政策的事項で知事、県議会を初めといたしまして要請をしている内容であります。ぜひとも皆さん方も御理解をいただければありがいたいと思っております。
 以上、説明を終わります。

○鈴木(利)委員長
 ありがとうございました。以上で、渡邊様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いいたします。
 質問は、まとめてするのではなく、一問一答方式でお願いします。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら、御発言願います。

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