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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成22年2月定例会県民委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大石 哲司(牧之原市・榛原郡南部) 議員
質疑・質問日:03/11/2010
会派名:自民改革会議


○林委員長
 では、5番委員の質疑に対する答弁をお願いします。

○松浦県民部長
 私からは自然系博物館と富士山の日の学校の休業化について、お答えをいたします。
 初めに、自然系博物館についてでありますけれども、これにつきまして企画部が中心になってこれまでも検討を進めてきたところであります。そうした中で、次世代に継承すべき貴重な標本等の収集、保存を進めてまいりまして、これを活用して展示会の開催などを実施しまして、教育普及活動の促進をしてきたところでございます。
 博物館について新たな箱物を整備するということになりますと、建設費それから人件費を含めた維持管理費、これがどの程度のものになるか。こういったことを含めて県の財政状況を見ながら、慎重に検討すべき課題があるというふうに考えております。
 一方で、富士山の世界文化遺産への登録を今目指しておりますけれども、他の地域では登録を機に世界遺産センターを設置して、さまざまな世界遺産に関する情報の収集、発信などの機能を有しながら、さらに世界遺産の保全、管理そのものを、そこを拠点として進めているという例もございます。
 そういったこともございますので、世界文化遺産登録への進捗も見ながら、関係の方々からさまざまな御意見を伺いながら、センターを本県でも設置していくかどうか検討を進めていくことになりますので、そのような検討とあわせて、自然系博物館の機能についても検討していくことになるというふうに考えております。

 次は、富士山の日の学校の休業日でございます。
 3月に入りまして、ずっと天候が不順でありまして、けさ東のほうを臨みますと、真っ白な雪をかぶった富士山を見ることができました。富士山についての思いを、また改めて意を強くしたところでございます。
 そうした中で教育委員会と県民部が中心となりまして、富士山の日の学校の休業日についての検討を進めているところでございます。教育委員会では、県立学校について休業日とすることについての検討をしています。県民部では、県立学校が休業日となったときの検討を進めております。
 富士山については、私どもはいつも身近にある存在ということで、これまで、ともすると日常の生活の中に溶け込んでいまして、改めて富士山について問われますと答えられるだけの知識とか、そういったものが余りないということに、私自身気がついたところでありますけれども、世界文化遺産の登録に向けてはもとより、富士山について県民の皆様に自然だけでなくて歴史や関連する文化、そういったものについても知っていただいて、県民運動として富士山を大切にして後世に引き継いでいくということが、富士山の地元である私たちの重要な役割であるというふうに考えております。
 県民の日については――昨日もちょっと御指摘がありましたけれども――8月21日ということで、学校は休業期間中になっております。そういった中で、県では中学生を対象にして、その日にこども県議会――これは県議会の御協力もいただきながら――こども県議会の開催をして、県政について学んでいただいたり、あるいは県のいろんな施設を開放しまして、さまざまな取り組みをしているところでございます。
 ことしの富士山の日につきましては、県だけでなくて市町におきましても富士山についてもっと知ってもらう、あるいは富士山について意識するような、さまざまな行事を開催していただいておりますし、また民間においても、さまざまな協賛事業を実施していただいて、資料にございますように、合わせると130件を超えるものの取り組みが行われているところでございます。
 来年度は、このような富士山の日の取り組みだけでなくて、年間を通じて富士山について学んでいただけるような県民講座も開設いたします。富士山の日が休業日になりましたら、こういった県民講座を受講していただいた方々も、また地域で子供たちに富士山のことについて教えていただく、そういうようなこともやっていただければというふうに考えておりまして、その日には県内各地で富士山関連のイベントを開催して、そういった場に御家族で参加できるような、そういったさまざまな受け皿づくりができるように、県民部としましては市町、あるいはいろんな団体の方に御協力をお願いしながら、富士山の日が本当に地域で学べるような場になっていくという形で、努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○後藤文化政策室長
 県立美術館の大学生、あるいは高校生の観覧料の無料化につきまして、2点御質問をいただきました。
 まず、1点目でございます。年齢による区分は検討したかということでございますけれども、年齢による区分についても検討しました。今回の大学生あるいは高校生の観覧料の無料化につきましては教育施設、それから交通機関、その他さまざまなサービス等で広く実施されている学生割引の考え方に沿ったものでございます。学生割引は直接的には経済的に乏しい学生の負担を軽減するということでありますけれども、将来を担って今後社会人になっていく学生に対して、教育や学習機会を初め、さまざまなサービスを優遇するということによって、長期的な顧客を確保しようという考え方もあるとされております。
 このような考え方から、中学あるいは高校を卒業して社会に出ている人にとりましては、常設展については300円という額は、御負担いただける金額であるというふうに判断をしたわけでございます。それから企画展につきましては、当面今回の案で始めさせていただきたいというふうに考えておりますけれども、条例上の規定が1,500円を限度として、知事がその都度定める額というふうになっておりますことから、今後県民の皆様の声を聞くなどして、委員御指摘の点も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

 それから2点目、大学生については県内にある大学の学生か、県民の学生がどこの大学に通っていてもよいのかというような御質問でございました。この学生割引の考え方に立ちまして、大学生であれば出身地や通っている大学の所在地は問わないというふうに考えております。

 続きまして、説明資料の27ページの「ふじのくに芸術街道」創出事業の中の幾つかの事業の内容について、御質問がございましたので、それについてお答えをいたします。
 まず、文化を支える分野別ミーティングでございます。ふじのくに芸術街道を実現していく第一歩としまして、地域に根づいて、日々の暮らしの中にはぐくまれた生活文化を掘り起こして、再認識して、活用してPRしていくというようなことが非常に大事であります。
 そうしたことから衣食住を対象にしまして、それぞれの分野の生産者、流通事業者、研究者の方々に加えまして一般県民の方々に集まっていただいて、事例発表だとか意見交換を通じて、それぞれが何ができるのか、それから今後何が必要なのかというようなことについて、考えてもらう場とするものでございます。
 生活文化というのは、各地域が有する風土だとか習慣にはぐくまれているものということですので、毎年度対象地域を変えて設定して、実施をしてまいりたいというふうに考えております。来年度につきましては天竜川流域と、その周辺地域を対象として開催することを予定しております。
 このミーティングは、基調講演などの全体会議をやりまして、その後、衣食住の各分野に分かれて、事例発表や意見交換の分科会を開催するということで構成をしたいというふうに考えております。庁内各関係室、それから西部の地域支援局と連携して開催することを予定しております。

 それから、次の人材の育成事業につきましては、文化芸術活動に携わる人材育成を行うことによって、地域の文化活動を支えていこうというものでございます。
 そのうちのアートマネジメント連続講座でございますが、これは芸術家にかわって、例えば発表の場とか、けいこ場を見つけたり、交渉したり、それから資金調達をすると。そういう活動を通じまして、文化活動の企画や運営を行うことを専門にしている方、言ってみれば芸術家と、それから社会、地域の文化活動を結ぶ人、これをアートマネージャーと言っておりますが、そういった方を育成していく事業であります。
 年度後半から月1、2回のペースで連続講座を開催して、受講生は20人程度を予定をしております。受講生につきましては、文化施設関係者とか、NPO等で文化支援活動を行っている方や、それから学生を中心に募集をしたいというふうに考えております。日本では、まだアートマネジャー自体が非常に新しい職業分野でございますけれども、そのアートマネジャーのプロを目指していきたいというふうに考えております。
 それから、その下の公立文化施設のインターン支援制度であります。これは県内の芸術文化に関心のある学生が、県内の公立文化施設で就業体験を行う際に、その橋渡しをすることで、就職の支援をしていきたいというものでございます。
 学生にとりましては、大学で学んだ専門分野が生かせると。県内の文化施設にとっては専門人材を受け入れることによって、活性化したり、それからその地域の文化支援活動の中核になり得るというような効果をねらっております。これにつきましては県内の公立文化施設のうち、5施設程度を対象としております。

 それから、次の文化資源の活用であります。これは県内各地には幾多かで多様な文化資源の存在、それから価値、これに地域に住む方々が気づいていただいて、再認識して活用していけるような情報提供や発信をして、それを支援していきたいというものであります。
 そのうちの古典芸能のアーカイブした事業でありますが、これはイメージとして、ホームページに静岡県の地図を掲載しまして、古典芸能が残っている地域、これをクリックしますと、古典芸能の動画が30秒程度流れるものを制作をして、古典芸能そのものでありますとか、古典芸能の活動をしている団体を広く紹介をしていくというものでございます。これについては、既にデータのデジタル化に着手をしておりまして、来年度は45件程度を予定をしております。
 産業遺産再発見事業でございますけれども、これについては県内各地に残る本県の発展の先駆けとなった産業遺産を、県民に広く紹介する冊子を発行するものです。
 来年度につきましては、例えば韮山の反射炉でありますとか、それから天浜線の転車台、それから静岡の丸子の明治トンネル等々、14点程度を取り上げたいというふうに考えております。
 これらの事業でありますが、文化振興の事業につきましては、ある程度長い時間を続けることによってこそ効果があらわれてくるものであります。それから次期の文化振興基本計画、これが平成23年度から25年度を計画期間としております。その計画の中で、これらの施策が、支える施策の核として位置づけたいというふうに考えておりますので、当面25年度までは、必要に応じて見直しを含めながら、継続実施していきたいというふうに考えております。以上でございます。

○對木県民部理事(多文化共生担当)
 多文化共生に関しまして、県として外国人学校等のかかわりをどう持つかという御質問に回答いたします。
 まず、外国人学校といいますのは、学校法人で各種学校の認可を受けない限りは、県などの行政機関がその運営費等を助成することは、これは憲法の第89条、公の財産の支出利用の制限という規定がございまして、この規定に抵触すると解されております。
 こうした中で、本県は非常に早い時期、平成16年から外国人学校の支援策の1つといたしまして、各種学校の認可基準の緩和を行っております。こうしたことによりまして、県内にあるペルー、ブラジル人学校15校のうち、現在2校が各種学校に認可されております。
 また、これ以外に側面的な支援ということで、県では外国人学校に通学する児童たち、これは基本的には外国人学校というのは、例えば3年で自分の国へ帰るというようなことが前提なものですから、日本語をあんまり教育しないんですね。ただ、実際として残る子供たちが多いものですから、そこに通学する児童生徒に対して、日常生活に必要なレベルの日本語能力が身につくように、県では19年度からモデル事業として、県内の東・中・西それぞれ1校ずつ、3校のブラジル人学校に、日本語指導のボランティアを派遣するような事業をモデルとして行っております。
 平成20年度には、これは日系ブラジル人の国際交流員を1人増員いたしまして、今まで本当に外国人学校と接触が少なかったんですけれども、きちんと接触するようにいたしまして、各学校の現状とか、それから本国政府、あるいは日本政府への要望、こういったものを聞き取り調査をいたしまして、その結果を文部科学省などの国の機関、省庁に実態の説明をいたしますとともに、国から本国政府に対しても、こういう現状であると、何とかしてもらいたいよといった支援を訴えるようにお願いしておりました。
 本年度につきましては、国際交流員が外国人学校数校を訪問いたしまして、静岡県の地理、あるいは特産品、こういったものを概要として紹介するなど行っておりまして、運営費補助、こういった金銭面以外でできる支援がないかということで、いろいろ努力しております。こういった努力を今後も続けてまいりたいと考えております。以上です。

○大石(哲)委員
 御答弁ありがとうございました。
 1つおわびして訂正いたしますが、昨日の質問の際に、私、家庭の日と県民の日をちょっと取り違えて、県民の日というのは8月21日ですが、家庭の日というのは1カ月に1度、第2か第3日曜日ということで、それとちょっと取り違えた理論構成をしてお話をした点がありましたので、その点については申しわけなかったなとおわび申し上げます。
 それでは、最後の多文化共生のほうからいきますが、外国人学校への運営費補助は、憲法に抵触する可能性もあるということですので、それは法律、憲法ですのでやむを得ないにしても、県としてそういう国際交流とかいろんな形の中で、できるだけ支援してあげてください。
 私ごとで恐縮ですが、実は私の長男の嫁が外国人なもんですから孫のうち2人は多文化のほうなんです。それでこの間、県民委員会で視察したムンド・デ・アレグリア学校は、ちょうど中南米系なもんですから、孫と似た顔をしているんですよね。そうすると、うちの場合は我々と同居をして日本語はペラペラだし、日本人の地元の学校へ行って楽しい学校生活をしているのに、たまたま日本に縁があって来た人たちの中で、そういう就学の機会が得られない、あるいは中途半端な言語とか知識で、一番感受性の強い時期を過ごしている子供たちがいる。だけどその瞳を見てれば、みんな純粋でかわいいんですよね。そういうことを思ったとき、この子たちに手を差し伸べているあの校長先生は偉いなと。それにはいろいろ動機があったと思うんですけれども、そういうことが本当の意味での多文化共生につながってくるんじゃないかなと思ったもんですから、ぜひお願いしたいと思います。

 それから芸術街道につきましては、よくわかりました。後藤室長もおっしゃったように、文化あるいは芸術の育成というのは継続するっていうことが大事だと思いますので、そういう面では、ぜひアートマネジメントにしても、インターンの学生支援にしても、それからアーカイブス化についても継続していただきたいと思います。
 ただ、このアーカイブス化という言葉は、これからも続けますか。私は今70歳なんですけども、たまたまパソコンとか、電話もアイフォンですので10歳ぐらい若い人には負けないぐらいITには強いつもりですけど、それにしても、これはちょっとわからなくて、パソコンでウィキペディアを引いてわかったんですけどね。
 だから県民のレベルをどう思うか知らないけれど、あんまりわかりにくい事業名はつけないほうがいいと、あるいは括弧して保存書庫をつくるとかというように補記したほうが親切じゃないかなと私はいつも思っているんですけれども、そのことについてちょっと御説明をいただきたい。

 あと、文化というのは自薦、他薦、すごくすそ野が広いんです。自主的にやっている団体も地域にいっぱいいます。そういうものをこちらで、じゃあ韮山とか丸子の例を引き出して選定してやっていくのはいいんだけど、そういう自薦、他薦も含めてやると、文化のどのあたりで線引きをしてどうしたらいいか。それから膨大な量にもなっていきますから、その辺についての売り込みもあると思いますので、判断というか、そういうものはどうされていくのか、それについて御意見があったらお聞きしたいと思います。

 それから美術館の関係ですけど、学割の精神だと。経済的に貧しい学生を支援すると。聞いていて何だかおかしい。経済的に豊かだから大学へ行けると、経済的に厳しいから大学へ行くのをやめて就職するというのが、我々の世代の考えだったんですけど、今は仕事についた人は自分で稼いでいるんだから自分で払えと。学生は親の仕送りを受けてぴいぴいしてるから300円まけてやるよと。
 僕はそうじゃなくて、美術とかそういうものに関心のある学生を、もっとそういうものに触れる機会を与えるということで支援するんだとしたら、のべつ幕なしじゃなくて、そういう研究対象として、あるいは意欲を持った人を応援すればいいわけで、逆に若年層に文化を与えるという機会を設けるというのなら、一層のこと大学生に相当する一般人も無料にしますとしたほうがすっきりする。
 一概に学割だから、また大学生ならリピーターになるから、これから文化に触れる予備群を醸成するためにそういうふうにしたってことですか。大学生じゃなくたって、一般の高卒の人だって、中卒の人だって、十分文化的素養はあるんです。このごろ色紙をある人にもらったら、この方は中学しか出てないのに、そこらにいる大学生よりよっぽど字がうまい。物すごく達筆な字で、私どもに壁かけの書をくださいましたけど、僕は学校を出てから勉強したと。だから、そういうような人も考えると、あんまり定型化しないほうがいいんじゃないかなと思うけど、もし意見があったら言ってください。

 それから部長さんのお答えの中で、博物館のお話が出ました。
 前々から我が会派の天野一先生が、例えば新東名、あるいは東名が工事をやっているときでも、この博物館として貴重な、すごい資料が出てきているよと、ところがビルの何階かにその資料が入れてあって、職員を2人つけているけど、1年にそれを見に来る人が100人ぐらいという現状の中で、もっと広く知らしめるためにも静岡県の誇りとする自然系の博物館が必要だとおっしゃっています。
 私、自然系と歴史系をちょっとごっちゃまぜにして質問した面もありますので、あえて両方を含めて言わせていただくんですが、大分県の歴史博物館に行ったとき、自然系ももちろん入っていましたけど、単なる箱ものと言ってもらいたくないんですよね。物すごく立派なんです。なるほど、この地域は渡来人も含めて、それから日本の文化の吉野ヶ里じゃありませんけど、卑弥呼さんが畿内説なのか、北九州説なのかを含めて歴史の宝庫なんだなと、こういうところでいろんな人が融合していって、九州をつくり日本の国をつくってきたんだなと、それから近代になって、戦国時代から徳川、現代に至るまで、そういう中で歴史が醸成されてるなということを、半日ぐらいかけても飽きないんですよね。
 だから、そういうことを思うと、静岡県があること自体が歴史博物館なんていうのは、それは私は言いわけというか、言いかえであって、本当は、47都道府県で唯一博物館がない静岡県というのは、やっぱりこれは解消すべきではないかなというふうに思いますので、富士山がどうも前面に出てきて世界文化遺産のイベント、管理センターとかそういうような形で、もし自然系博物館を見るとしたら、それはちょっと違うのではないかと。世界文化遺産だったら山梨県と一緒につくればいいわけでね。だからそういう面で、もっと静岡県全体という視野の中で、この博物館の話は考えてほしいなと思います。
 これは企画部という話ですが、総合計画へ登載して、例えば検討委員会のようなものも発足させるのか。ただそういうことを視野にして内部で議論してみますという程度なのか、そのあたりを県民部の部長としておっしゃられる限度で結構ですので、こうしたいとか、それともまだそういう時期には来てないというのか。知事は一応必要という方向性を出していますので、それについての御見解をお聞きしたいと思います。

 それから富士山の日のことですが、ここからは木の間ですが、きょうのようにすごく借景のような形で雪をかぶった富士山が見えると、きのう申しましたように、あらゆるところから見て日本一の富士山だなと改めて日本のシンボルだなって本当に思います。だからそういう面で教育委員会が休日を検討して、その後の対策を歴史文化を含めた県民運動に、改めて家族ぐるみで富士山を思う日を考えていきたいというふうにおっしゃいました。私はそのことについては全く否定するものではありません。
 きのうのお話の中で、イベントや講座等、あるいは地域で考えていただいた記念事業、130を超えるものが出たというのは、僕はこれはすばらしいことだと思うんですね。だからこれは富士山を改めて俎上に上げて県民が考えるという意味で、大きな成果だというふうに思っております。
 ただ、きのうも投書を引用してお話しましたが、富士山には正直言って人工的なものもすそ野あたりにはたくさんもう設置されて、商業資本も入っているし、アスファルト道路も整備されていると。それから、もっと言えば東富士では演習場もあると、大砲をぶち込んでいるという状況の中で、それらを踏まえて富士山を考えるという。いわゆる、それぞれの個人の価値観に任せるんだったらいいけど、休日化するということになると、県立高校のほうは、きょうは富士山の日で休みなのだから富士山を考えるといったときに、必ず行け行けドンドンで、わっしょい、わっしょい、富士山はすばらしい、すばらしいだけになる。
 私はヒマラヤを見てきて思いますよ。あれは一発で世界遺産です。ところが富士山が世界遺産になれない理由というのは幾つかあるように思います。だからそういう課題も含めて、ちゃんと県民に提起して、そういうことを教育していける、あるいは、あんた方も自分で考えなさいって言えるものであるならば、私は休日化というのも非常にある意味では意味を感じるわけですけど、そういう臭い物にはふたしちゃって、富士山はすばらしいぞ、こんなすばらしいところに、お前らは生まれたんだから、きょうはお休みで1日考えなさいっていうんだったら、昨日7番委員がおっしゃったように富士山の見えないところの人は自分たちの近くの山、南アルプスにしても、それから北駿の山にしても、そういうものを見て、自分たちのふるさとや歴史文化というものを考えようという意味では、私は県民の日のほうが、もっとそういう意識を高めるには大事な日だと思うんですけど。
 さっき部長さんがおっしゃったように、県民の日はこども議会を開いて、またさまざまな取り組みをしていると言いますけど、それだけですか。それとも、いわゆる県民部か把握している中で、県民の日には、ほかにこんなことをやっているというのがあったら、ちょっと教えてもらいたいなと思います。県の中にある富士山というたぐいまれなものを前面に押し出して、本来県民の日にやらなくてはならないことを、今度は逆に別の日にそれを契機にやるというのは、何か本末転倒のような気もいたします。
 それから、パブリックコメントが70%を超えて反対だと言われているのに対して、これは学習指導要領等については、休日を振りかえるとか夏休みを短くするとか、いろんな工夫をすれば解決する問題だというふうに教育長も答えられているし、私は実際そうだと思います。
 というのは、もしかしたら大変恐れ多いことですけど、天皇様も御高齢でございます。そうしますと、近い将来この日はいや応なしに休日になるわけです。そうしたら学習指導要領なんて言っちゃいられないですね。それで今の天皇様の休日は12月23日ですから、これは冬休みに入っていらっしゃいますから、それとの整合性を考えれば、この問題は――大変恐れ多い話ですので、言葉は気をつけなくちゃいけないと思うんですけど――いずれ時が解決する問題かなというふうに思うわけですが、逆に今度は近い将来、日本国民が日章旗を掲げて、お祝いする日になるわけですよね。そうするといや応なしにお休みですから、今はそういう理屈をつけて休日にしたところで、ごろ合わせでやった2月23日が、この大きな国民的な祝日の前に埋没してしまう可能性がある。
 だから私は前から言っているように、富士山の日はいいんです。それで2月23日は、みんなでそれがいいと言ったから、私も今はそれを認めた上での発言ですが、これはやっぱり山梨県あたりとよくこれから相談して、いずれは私は世界文化遺産に搭載された日あたりを共通の富士山の日にしたら、もっと説得力があるかな。ごろ合わせの日をやめてというふうに思っておりますが、そのあたり、部長はどう思われますかね。

 それから、きのうも言いましたけど、やっぱり富士山の日に、ああ、きょうは富士山の日だと言って富士を仰ぎ見て、それぞれ考えを持って自分の生活の糧にしたり、芸術活動の糧にするということが私はすべてであって、その日を何で休日化にして、おまえら富士山の日だから富士山のことを考えろよと言って、小さな子供さん、あるいは感受性豊かな高校生を休日にしてまで、その価値観を強制というか、一種の統制をするのか。
 そんなことをしなくても、学校へ出てきたら、きょうはこういうことで富士山の日になった、富士山というのはすばらしいと、逆に学校で教えてやりゃいいと思いますが、それを何で休日化するのかなというのは依然として疑問として残っているんですが、そのあたりについて、ぜひのどの小骨を取っていただきたい。

○下山文化学術局長
 美術館の無料化について、お答えをいたします。
 私どもといたしましても、若年層に本物の芸術に触れてもらうということと、それから受益者負担と、この2つのことについて、どう折り合いをつけようかということで検討をしてまいりました。
 それで、収入があるであろうという方からは、施設の維持管理費に充てるために応分の負担をお願いしようということで、今回このような、大学生以下については無料化ということを考えたわけでございますが、先生の御指摘のとおり、また若い方たちが、なかなか就業環境が厳しい状況にもあったりしますし、また県民の共有している財産を若い方たちに見ていただくという観点からも、今後年齢の設定でありますとか、あるいは年齢の確認の方法とか、そういったことを含めて県民の皆さんの御意見も伺って、制度の充実について検討させていただきたいと考えておりますので、当面は今御説明したような格好で進めたいと思いますが、御理解をいただきたいと思います。

○後藤文化政策室長
 ふじのくに芸術街道の事業の中で地域の古典芸能アーカイブス化事業で、アーカイブという言葉が非常にわかりにくいというような御指摘をいただきましたので、わかりやすい日本語の名称を検討したいというふうに考えております。

 それから、もう1点、産業遺産の冊子の件につきましては、これも来年度だけで終わる事業じゃなくて3年、4年と続けていきたい。順次県内の産業遺産を取り上げていきたいというふうに思っております。そういった中で専門家の方々に選定の基準でありますとか、そういった御助言をいただきながら、できるだけ全県公平な目でといいますか、そういった観点から拾い出しをしていきたいというふうに考えております。以上です。

○松浦県民部長
 自然系博物館につきましては、総合計画は今基本構想をまとめているところで、これから基本計画の検討に入りますが、そうした中で所管が企画部ということがございますので、企画部と県民部――来年度はまた組織が変わりますけれども――担当するところで自然系博物館については、検討を重ねてまいりたいというように考えております。

 それから、富士山の日の学校の休業日に関連してでございますけれども、富士山についてどのようなことを学ぶかという中では、やはり富士山のあるがままのこと、それから今までの歴史でありますとか、富士山に関連して生まれてきた芸術文化、あるいは信仰も含めて、それは幅広く学べるようにいろんな材料も集めながら、それを皆様方にお知らせしていくということが必要であると考えております。そういう中では地図に落とせば演習場があるということもわかりますので、そういったことも含めて、皆さんが知ることができるということが大切かなというふうに考えております。

 それから世界文化遺産に登録した場合には、そういった日を記念日にという御質問でございますけれども、やはり富士山の日を2月23日に設定いたしましたのは、富士山というのは仰ぎ見られる存在ということで、よく見える日という中から2月というのを選定して決めてきた経緯もございますので、そういった意味におきましては、見えない梅雨の時期とかそういったことよりも、やはりこの冬のよく見える時期に、皆さん方が富士山について見ることができて、また遠くの方もできればその日には、晴れておりますれば、できるだけ富士山について見ていただいて、またいろんなことを考えていただく。それは当然強制ではございませんけれども、そういう日ということを考えれば、やはり2月23日というのが一番適切な日を設定したというふうに考えておりますので、今それ以外のことは全く考えてない状況であります。

 それから、これはあくまでも富士山について学ぶことを強制的に押しつけるというものではございませんで、学ぶのにそういった何らかのきっかけが必要だという中で富士山の日を設定いたしましたし、では学校の休業――これは教育委員会がどう判断するかということがございますけれども――学校現場で学ぶ、そういった場もあるかもしれませんけれども、やはり御家族や地域の方々と一緒になって、子供さんも含めて、富士山についていろんなことを学んでいくということが、これが富士山を後世に大切に、自然環境も含めて引き継いでいこうという、そういったきっかけになる日ということでもございますので、できるだけそういった場を私どもは設定する中で、それに参加するかどうかは、もちろん個人の意思でありますけれども、ただ私どもとしては、いかに後世に引き継いでいくかの中で、そういうたくさんの場を設定していくことが、私たちの重要な役割であるというふうに考えておりますので、そこのところは御理解を賜りたいと考えております。以上でございます。

○大石(哲)委員
 美術館については、ぜひそういう方向性でいろいろ議論してみてください。それで実際、高校を出てお仕事についた人が、仕事に追われて美術館まで足を運ぶというのは、なかなか難しい状況だと思いますよ。だけど現実に行ってみて、大学生はフリーパスで、何でおれは払わなきゃいけないのかというのは、僕はそれはあると思いますよ。だから若い人たちに文化に触れてもらいたいということを、まず第一に、ここに唱えているわけですので、そのあたりをお願いしたい。
 かといって、それじゃ年齢で区切ったら、何で25歳以下だとかいろいろあるけど、そもそも学割的な発想というのは、医療費の無料化もみんなそうですけど、本来はある年齢までいわゆる保護者がいて、それから義務教育を受けていたとかというものがだんだん拡大されて、今は直接交付の時代になってきているもんだから、こういう問題が常に出てくるわけですよね。だから、その辺にいくと、またすそ野が広がっちゃいますが、ただ大学生即無料というのが、善意で言った場合には全く理解できるわけですけど、よく考えてみるとある意味では課題もあるなというふうに思いましたので、現時点でこれを進めることは賛成ですが、ぜひそういった点についてまた内部で議論して、よりよい方向を考えていただきたい。

 それから博物館については、こういう意見が出たということを、また庁内のいろんな総合計画を進める議論の中で、ぜひ申し上げていただきたいなというふうに思います。

 それから富士山の思い。大変恐縮ですが、私も大井川の右岸で、松浦部長さんも大井川の河口でお育ちになったもんで、我々の持つ富士山の美的感覚というのは、あの風景なんですよね。ところが江戸からも見えるし、山梨県側へ行くと全く違うおらが富士なんです。山梨県の県のホームページを見ると、きょうの富士山、あしたの富士山は物すごい。全然我々が見ている宝永山なんかないですよ。それで、あそこの草花はどうだとか、民族がどうだとかというような、すべてにわたって、おらが富士山を抱えちゃってる。だから、そういう意味からすると、仰ぎ見る富士山、それから、ごろ合わせの富士山だから、この日は変えないということは決まったわけだから、当分変えなくていいと思うんですけど、ただ私が言ったのは、将来国民の祝日というもっと大きなフレームでの祝日化になった場合に、あそこのところは実際、静岡県ではごろ合わせで富士山の日をやってるよとか、未来の天皇様のお祝いをする前に、富士山のイベントをばかんばかんやっちゃって、果たして休日が錯綜しないかなというような、余分な心配までしちゃうんですよね。
 ですから不謹慎な話ですけど、そうなった場合にもし世界文化遺産に搭載されたなら、山梨県側とそちらへ移したほうがよろしいんじゃないかなって思いましたが、これは部長さんが答えられる問題じゃありませんので意見です。

 たまたま一般質問で、吉川自民党県議団の先生が、大変辛らつな質問と意見陳述をされておりましたが、ある意味では私は正鵠を射ているというふうに思います。富士山というのは、ふもとにいる人間が、ずっと守り通してきたという自負の中で、それぞれのかかわりでこれからも保護し、また自分たちの生活の糧にしていきたいなとずっと思ってきたことを、何で休日化してまで県民に強制というか、それはできんのだというようなことを言われていました。
 それで富士山の日自体は強制的でない、ある意味では富士山を考える日でいいと思うんですけど、ただ休日化するということは無意識の強制です。ましてや県立高校を休日化する、じゃあ私学の皆さん、ぜひこれに足並みをそろえてください。市町村立の学校もできたら休んでください。それから、もう1つは企業にも、子供が休みだからパートのお母さんにしても休めなきゃ困るから、お休みにしてくださいと協力を要請するということは、これは価値観の強制以外の何ものでもないわけですから、そのあたり、もし答えられなかったら意見の陳述で終わりますけども、私ども会派としては非常にその点については厳しい反対意見もあります。
 富士山の日自体については、もう決まったことですので、ぜひ啓蒙を推進していってほしいわけです。我々も協力しますけど、ただ休日化という問題については、それほどたくさんの問題があるよということを、ぜひ御理解いただきたいというふうに思っております。

○松浦県民部長
 富士山の日の学校の休業日に関してのいろいろな課題につきましては、教育委員会のほうでも実施ということになれば、いろいろ考えてやっていただけるものというふうに考えております。
 また、あくまでも強制ではございませんけれども、富士山に対する思いというのは、やはり県民の皆様に共通の思いがあろうと思いますので、そういった中で、できる範囲のことでやっていただければというのが私の思いでございます。以上でございます。

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