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委員会会議録

委員会補足文書

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平成30年11月多様な働き方推進特別委員会
日本テレワーク学会副会長 小豆川裕子氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/28/2018 会派名:


○小豆川裕子氏
 皆様、こんにちは。ただいま御紹介にあずかりました小豆川裕子と申します。ただいま御紹介にあったように、常葉大学の経営学部で昨年の9月から富士キャンパスに半年、この4月から草薙キャンパスに移りまして教鞭をとっております。あわせて、日本テレワーク協会のアドバイザーをさせていただいて、先ほど御紹介にありましたように、テレワーク学会が1999年に設立されたんですが、今、副会長を拝命しております。
 本日は大変貴重な機会を賜りまして、本当にありがとうございます。私の話がどこまでお役に立てるか心配ですけれども、ぜひ皆様の御意見もいろいろな形でいただきながら、今もこういったテレワーク月間の活動ですとか、テレワーク・デイズ、これ、ロゴマークが2つともあるんですけど、こういう活動を東京で実行委員会に入りながらやっておりますので、また貴重な御意見賜りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 そうしましたら、私のほうから簡単に全体のきょうのお話をさせていただきます。失礼させていただいて、着席をいたしますので、よろしくお願いします。
 若干、投影の画面と資料が異なるものがありますので、その際は上のほうに投影のみというふうに書いてあります。
 まず初めに、私の自己紹介です。日本生命のシンクタンク、それからNTTデータという情報システムの会社におりまして、直前はNTTデータ経営研究所というNTTデータのコンサルティング会社におりました。先ほど申し上げましたように東京にずっと勤めておりまして、25年間、行ったり来たりしており、去年の9月から専任で教鞭をとるということでやらせていただいてます。
 今の担当科目は中小企業論とか経営管理論で、特に地域ということで地域経営論と、それから経営学特別講義は、静岡県ですとか地元の自治体のいろんな政策のビジョンですとか総合計画などを学生がちゃんと知ることがまずあるんですが、実際の政策の担当者の方にゲストスピーカーで来ていただいてお話を伺い、なおかつ、ことしに関しましては、静岡市と富士市の経営のトップの方に来ていただいて、レクチャーをしています。やっぱり直接にお話を伺うことは、学生にとっても非常にためになるので、本学のアピールする1つとして、こういう科目を受け持たせていただいてます。
 今の研究テーマですが、持続可能な個人、企業、社会の成長発展で、特に90年代の後半ぐらいからテレワークはウオッチしております。さきのNTTデータで、欧米、日米のテレワークの研究――まだ日本は全然進んでいなかったんですが――ヨーロッパとアメリカ、特にアメリカでは企業を中心に進んでいったということで、もともと大気汚染の防止とか交通渋滞、それを防ぐためにテレワークが進んできたんですが、そういったことをウオッチしながら、国のいろんな推進事業にもかかわらせていただきながら、今に至るという感じです。
 また、今、富士市中小企業等振興会議で会長を拝命しておりまして、地元が人口減少の中でどうやって生き延びるかを事業者、それから経済団体の皆さんと一緒に検討しております。
 そのほか、国土交通省、厚生労働省、総務省の委員ということで、こちらは基本的にはテレワークの推進にかかわるものが多いんですけれども、日本は何回かブームがあったものの低迷している中で、国でKPI(主要業績評価指標)が設定されていて、それに向かってどうやって進めるかを、いろんな民間の方々、それから政策担当の方々と一緒に検討しております。
 これはちょっと資料ないんですけれども、お手伝いさせていただいた最近のテレワーク普及推進事業です。こちらは総務省が非常に積極的にやってまして、これ、テレワークの普及に資する導入モデルなんですが、今、大企業は随分進んできているんです、首都圏の中では。類型別にテレワークのモデルをつくって、そして課題を解決していくということで、これは出口のところでは冊子をつくって普及推進という形になってます。
 あと、こちらテレワークマネジャー派遣は、自治体ですとか中小企業を中心に日本全国ですけれども、30人ぐらいのテレワークマネジャーが登録されておりまして、それを企業さんに無償で派遣をして、そして労務面ですとかICTの活用面ですとかいろんな面でコンサルティングをする事業です。
 それから、幾つか実証事業をやってたんですが、総務省ですとか、あと東京都もやりまして、今の時代にどういったところが課題になって、何がネックで、どこを解決すればいいかを実践段階になった形でやっていくのが、今の推進の状況のありさまかと思います。
 あとはこういった形で幾つかテレワークに関する著書は出させていただいております。例えばテレワークの普及推進ツールとしましては、厚生労働省が仕事と育児、介護の両立のために、これ、3年度事業ということで、直前の経営コンサルティングの会社で受託をさせていただきました。こちらもガイドブックをつくるということです。
 実は、これ、一番右が私が一番最初にテレワークでかかわった99年に出した本なんです。ここでどこでもオフィスが実現とアピールしてたんですが、なかなかそれは立ち行かず、全く普及しない状況が続いてたんですけど、ここに書かれてるエッセンスは、結構今でも使えるのかなと思っております。
 またちょっと別の面で言いますと、テレワーク協会というのが、一般社団法人日本テレワーク協会です。こちらは日本におけるテレワークの普及推進をやっている団体で、もともとは日本サテライトオフィス協会で、ちょうどバブル期にいろんなところで職住接近のオフィスをつくったり、優秀な人材の確保で、大手のディベロッパーさんですとか、IT企業を中心にサテライトオフィスを普及推進してきた経緯がありまして、途中で場所にこだわらないITを使った働き方ということで、日本テレワーク協会に改称になってます。
 こちらは政府関係の事業ということで、直接受託するものがありましたし、私、民間の企業におりましたけど、一緒に協働しながら受託することもやっておりました。
 また、発信では、推進賞も設けておりますし、あとイベントなどもやって、普及推進全体を担当させていただいている団体でございます。
 次は定義、これは皆さん御存じのところだと思うんですが、テレワークとは、在宅勤務だけではなく、モバイルワーク、ITを使って移動中、顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方ですとか、サテライトオフィスですね。こちら首都圏では、今、供用型が非常に普及しておりまして、例えば自社とか自社グループで、本社だけではなく支店の一角ですとか、出張したときにグループ会社の一角を使って働けるような、そういうスペース、これを専用型というんですけれども、供用型は、例えばコワーキングスペースという名前だったり、テレワークセンターだったり、いろんな名前で、今、呼ばれています。最近では企業が契約をして、例えば首都圏のターミナル駅にこういうサテライトオフィスを設けて、例えばお客様のところに行った帰りに寄って、そのまま自宅に帰るとか、自宅の近くのサテライトオフィスを使って1日仕事をするとか、そういう形で広がっています。ということで、テレワークに関しては全体の総称でございます。
 そして、定義はそうだったんですけれども、個人、企業、社会、いろんなところでメリットがありますよということなんですが、今は働き方改革の推進と地方創生の実現、この2点で進められているところでございます。特にワーク・ライフ・バランスはいろいろ言われているんですが、こちらは放っておいたらワーク・ライフ・バランスが保てるというよりか、やはり労働時間をきちんと管理をした上で働き過ぎにならないようにするですとか、テレワークをやるに加えて有給休暇の取得促進ですとか、そういうところで働きやすい環境を企業が、今、つくってきているのが現状でございます。
 そして、こちらがテレワークツールなんですけれども、主にこういったASPとかクラウドのサービス基盤があるんですが、その上に乗っかるデバイスが非常にいろいろ出てきていると。スマホ、タブレット、ノートPC、デスクトップというところですし、ネットワークもいろいろな形で進展してきて、特にテレワークに関してはリモートアクセス機能、そしてウエブ会議というものが入ってきて、これを利活用すると、フェース・ツー・フェースのコミュニケーションでしかだめだという企業も、かなりのところまでウエブ会議でできるところで普及が進んでいるところでございます。
 また、マネジメントでは、プレゼンス表示、今、どこにいるか表示ができるとか、今は取り込み中とか、離席中だとかいろんな情報が入りますので、コミュニケーションをとるタイミングなども非常にうまくできるようになったと。
 あとは勤怠管理で、働き過ぎにならないようにツールも進んできているところでございます。
 また、セキュリティで、特に情報漏えいを心配される方が多いと思うんですが、ユーザーの認証とか、不正のアクセスの対策とか、いろいろな形で非常に進んできていることがあって、ITが進みつつ利活用が進んでテレワークが成立することで、今、次の発展段階に来ているのかなと思います。
 次は、お手元の資料をごらんいただければと思いますが、こちら少子高齢化に伴う労働力人口の減少で、推計を見ますと、こちら950万人(2010年比)、30年になるとほぼ日本の製造業に相当する人口が減ってしまうということです。この大きさを考えると、従来型の働き方では解決できないと。1つには人材の維持、確保ということで、今、非労働力化している人たちをいかに労働力化するかというお話がございますし、やめないようにするということがあります。もう1つは、今いる人たちに対してワーク・ライフ・バランスを保って持続可能な働き方にしていく。そしてまたあわせて人口が減るということもあるので、一人一人の生産性、企業の生産性を上げていくというところでございます。ということで、この働き方改革が重要で、その中でテレワークは非常に先導的な役割を果たすという認識が高まっているところでございます。
 次が、「介護・看護と仕事の両立」なんですけれども、御存じのように、介護、看護によって前の職を離職した15歳以上の人口、これ、約10万人です。
 また、アンケートをとってみますと、今はそれほど感じていないんですが、今現在、介護を行っている人は、こちらの統計は平成27年度の調査研究になっておりますけれども、6.1なんですが、将来的に可能性があるというのが48.4ということで、半数以上が介護の可能性があると考えているところです。また、介護している15歳以上は全体では600万人弱なんですけれども、この中で40代、50代が非常に離職の可能性があるという喫緊の課題になってきているのかなと思います。
 もう1つは、治療と仕事の両立なんですが、最近の医療技術の進歩によって、これまで予後不良とされていた疾患の生存率、これが向上しているわけですが、治療しながら仕事を続けるというような従業員のニーズが高くなっていると。特にがん患者の方の就労継続の問題、これがクローズアップされているというところです。
 がんの治療のために仕事を持ちながら通院している人たち、これが32.5万人いまして、男性が14.4万人、女性が18.1です。年代で言えば50代、60代が多くて、女性は40代、50代です。特に中間管理職で企業の根幹になっているような男性で、非常にこういった問題を抱えていらっしゃるんですけれども、実際には余り公にもできず、ただ治療しながらやはり仕事をしたいというニーズがあるので働きやすい環境をいろんな形で整備していくことが非常に重要になってくるのかなと思います。
 こちらから簡単にいきますけれども、テレワークの歴史です。もともとはアメリカで始まってまして、アメリカでエネルギー危機とかマイカー通勤による大気汚染の防止、緩和があります。アルビン・トフラーの「第三の波」の中でエレクトロニックコテージで働く、これがテレワークになるんですけれども、ありました。
 日本では80年代前半、サテライトオフィスブームがありました。先ほども申し上げましたように、バブル期で地価の高騰もあって、首都圏近郊で地価の安いところでこういったオフィスを設けて、一定期間、そこに行って働いてこいと従業員が行かされるんですけれども、まだこういったノートPCも発達してませんし、1人1台でもなかったということで、どちらかというと、そんなに美しい話ではなくて、追いやられて何となく疎外感を持ってしまうということで進まなかった時期があります。
 一方、こういったリゾートオフィス、今も結構出てきているんですけれども、熊本、安曇野、ニセコなどで、一定期間、普通のヘッドオフィスを離れて、リゾートも兼ねながら仕事をするとか、プロジェクトで何か課題解決をやって戻ってくるみたいな、そういう働き方がありました。
 そして、第2期ブームに関しましては、郵政省と、労働省合同のテレワーク推進会議というのはこのときからあったんです。また、テレワークセンターができたり、国家公務員のテレワークの実験などもございました。そして私が所属している学会が発足したりしているんですが、こちらではモバイルワークということで、携帯電話が出てきたということで、こちらから在宅勤務はモバイルワークから始まったということがあります。
 また、第3期ということで、こちらは、今、国土交通省でテレワーク人口調査をやっているんですけれども、それがKPIのベースになっていまして、毎年、人口の普及率をとっています。
 また、第4期に関しましては、IT新改革戦略ですとか、Iジャパン戦略などがありまして、こちらも目標があって、このときはテレワーカー、一応目標を達成したというのがありました、一時的にだったんですが。
 あと第5期に関しては、東日本大震災で、特に夏場の電力削減のために企業の導入が拡大した時期でございます。
 そして、現在、これは私見ですけれども、第6期ぐらいのブームかなと思ってます。世界最先端IT国家創造宣言、ことしからデジタル国家創造宣言ということで、ちょっと済みません、お手元の資料は若干間違っておりますけれども、デジタル国家になったということで、ITがデジタルに変わっているんです。こちらでKPIがありまして、ちょうどオリンピックの年です。テレワーク導入企業、平成24年度比、3倍ということで35%ぐらいを目指すと。もう一つはテレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合、これは人口普及率なんですが、これが7.7の倍ということで15%ぐらいです。ただ、今はまだ、後ほど御紹介しますが、進んでいない状況でございます。
 こちらはテレワークに関するさまざまな閣議決定でございまして、日本再興戦略で、今は未来投資戦略になっております。今、申し上げた世界最先端デジタル国家創造宣言の中、また、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中ですとか、いろいろなところにテレワークで、この働き方が社会変革をもたらしていくということが述べられています。
 そして、テレワークの普及ということで、関係府省が連携してテレワーク・デイズ、これはことしからテレワーク・デイズになったんですが、総務省が町ごとのテレワークを、今、公募が終わって審査中でございます。
 また、IOTやAIを活用して課題解決のため競争する地域を認定して、地方発のビジネス創出ということで、こういったモデルの創出を推進していくという状況になっております。
 こちらは割愛しますが、今のKPIのお話です。
 今の状況ですけれども、テレワークを導入している企業の割合、こちらがまだ13.9%なんです。目標が35%なので、まだまだだというところです。
 今、導入している企業に関しましては、モバイルワークは非常に進んでいて半数以上、そして在宅勤務が3割ぐらいでサテライトオフィスになってます。こちら、導入している企業は結構出てきているんですが、実は中の従業員の割合を見ると非常に少ないのが実態でして、5%未満が半数ぐらい。例えば制度的に言うと、出産育児期の女性だけに限っているところもありますし、介護とか特定の理由がないとやってはいけないという企業もあります。今の段階は全員がやれるところはやるというところが先進的な企業では進んでまして、全員がやれる中で、特定の人たちだけのものにしてしまうと、その人たちが利用しにくく、制度はあっても後ろめたいというので、男性も女性も中高年の方も管理職もみんなが導入することによって、特定の、やればメリットのある人たちがやりやすくなります。
 また、こちらは人口調査なんですけれども、雇用型のテレワーカーで、直近のデータを見ますと少し上がってまして、去年が7%、ことしが9%です。ただ、こちらも全体で15%の目標に対してはまだまだ普及していないというところでございます。
 こちらは私がやりました総務省の実験なんですが、就労継続ということで、推進の担当者と実施者、上司、同僚で見てます。育児休職からの早期復帰に対する効果、テレワークはどうですかと聞きますと、大体肯定的な回答だったんですが、実施者よりも上司のほうが高かったです。
 また、短時間勤務からフルタイム勤務への早期復帰、こちらは女性がやはり任用の年数などを考えると、管理職に上がっていくためには、なるべくフルタイムに早く復帰してもらいたいのですが、こちらの効果も非常に高いということで、実施者本人よりも上司のほうが高くなってます。
 また、介護の離職回避に対する効果で、こちらも上司のほうが高いということでございました。
 今はこういった形で各省が連携して進めておりまして、関係府省の連絡会議を開催していまして、管理省が総務省になっております。そして政策の体系がこのようになっております。目標設定、現状把握、環境整備、そして普及展開で、目標がこちらの世界最先端のデジタル国家の中でうたわれてますKPIのお話です。そのために普及状況とか実態調査を国土交通省と総務省でやっております。環境整備に関しては、インフラ整備ですとか適正な労働条件などを整備する。そして、普及展開は、まずは意識の改革をするということで、女性活躍、ワーク・ライフ・バランスを推進する。国家公務員のテレワークの導入も推進するということで、こういった省が中心になって進めています。
 また、ノウハウの支援で、テレワークの導入の専門家です。こちらは実際に、これ、普及拡大の担い手を考えて、企業の導入担当者だけではなく、ITベンダーですとか、経営者の経営課題の相談をする税理士さんとか公認会計士さん、社労士さんというように、テレワークの基礎的な、横断的な知識を付与することによって、テレワークの導入を進めるということで、毎年、講習会をやっています。
 また、導入の補助とか周知啓発で、きょう、11月28日なんですが、あす29日は総務省と厚生労働大臣賞の表彰式が行われることになっております。
 そして、ふるさとテレワークで、こちらは地方でも都市と同じように仕事ができる環境整備をしていくところでございます。
 こちらからは簡単に国民運動のお話をしたいと思いますが、11月はテレワーク月間で、サイトに行きますと、テレワーク月間の定義ですとか、参加しようということで、試みる、実践する、学ぶ、議論する、応援する、協力することで、どういう形でもいいのでテレワークをやりましょうと。個別の企業では、例えばICTの新しいソリューションができたので、それの新製品の発表会をやりますでもいいですし、例えば大学などでセミナーをやってテレワークについて勉強しましょうとか、あと応援することは、自社のサテライトオフィスを開放することをやっている企業もあります。こういう形で見える化をして、運動として盛り上げていくことを2015年からやっております。
 テレワーク月間、11月はイベント集中月間で、ことしも11月1日から始まっていろんなイベントをやっています。ポスターとかPR動画などもつくっているんですけれども、それにあわせて去年からテレワーク・デイズができました。
 こちらは皆さん御存じだと思うんですが、オリンピック・パラリンピックに向けて交通混雑が予想されていまして、主に首都圏の混雑回避のために始まりました。ロンドン大会で企業の約8割がテレワークをやって、あわせて休暇取得などの対応もやって、市内の交通混雑を緩和しました。
 東京オリンピックもこれを目指してやりましょうというところなんですが、単に首都圏の交通混雑だけではなく、いろんな企業も自治体も参加いただいてまして、まず働き方改革をやる一つのきっかけとすることで、この働き方が定着していくことを目指してやっています。去年は約950団体、6.3万人が参加し、北海道から沖縄まで参加がありました。
 ことしになって、これ、ウイークにしたんですが、呼びかけて、この1週間を集中ウイークにして、2,000団体で、目標は延べ10万人の参加だったんですけれども、実際データをとりますと、1,682団体、延べ30万人以上の実施でした。
 ここで特別協力団体というのは、単にやるというだけではなくて、効果を測定するアンケートをとったり、電力量をとったりとか、オフィススペースがどうなっているとか、紙の量を計測するとか、結構負担があるお話なんですけれども、特別協力団体が非常に参加に意欲的な団体が多く、やっていただいて効果をみんなで共有しました。去年に比べて参加団体1.8倍、参加者数は4.8倍になっております。
 そして、こちらは全国で実施されて、東京のほか北海道が結構あったり、実は静岡もありました。情報通信が多いんですが、サービス業、製造業など幅広い業種が参加し、99名以下の企業が約半数近くに上っており、この45.8%のところが非常に小さい企業でもやっているところです。
 また、首都圏に関しましては、交通混雑がどれぐらい減るかの計測をやっておりまして、23区への通勤者約41万人減少したということでございます。幾つか地点を設けておりまして、そこで計測しております。
 その結果、紙の量13.9%、それから会議室、会議スペースの使用状況25.1%の減少、交通費や旅費の変化は18.3%。残業時間の変化は業務効率化に貢献しているということです。
 また、効果に関しましては、移動時間の短縮が非常に多いとか、生産性の向上、生活環境の改善など、実感の伴った自由回答を見てみますと、就労者自身の働き方の見直しにつながったとか、自分らしい働き方を知るきっかけづくりとなったとか、社員のITリテラシーの向上につながったとか、上司のマネジメント能力の向上につながったという結果が出ております。
 簡単に動画を見ていただきたいと思います。2分ぐらいの動画でございます。
(動画視聴)
 お時間が来ているんですけれども、あと数分で終わらせていただきます。
 総務省の取りまとめられた、ちょうどテレワーク・デイズの報告会がございました。後ほどごらんいただければと思いますが、いろいろ、今、メリットだけだったんですが、実際もっと通勤者に関しては減少させなきゃいけなかったり、来年、新しいまた目標をつくってやるとか、それからテレワーク導入に向けて意識改革がやはり重要ですとか、経営者などに向けた効果的な広報が必要で、なかなか進まない中小企業、こちらもその拡大が重要というのが導き出されております。
 これは私がいろんなところでお話をさせていただいているんですが、テレワークによる働き方改革では、情報通信環境を整備することが大事ですし、大きくその上に乗っかる四つの視点で進めていくことが必要だと思います。
 1つが、大きいのはやっぱり業務プロセスの革新で、無駄な業務を削減したり短縮したりするとか、あと業務の可視化を行って、知識とか情報の共有を行うこと。また、労務管理面では適正な人事評価、分析の評価、そして適正な勤怠の管理が必要です。
 そしてオフィスに関しましても、今、ABW、アクティビティーベースドワーキングというのがあるんですが、必要なときに働く場所を自由に選べるもので、オフィスですとか自分の働き方のデザインを行っていくという考え方で進められています。
 そして、組織フォローで、個人は自立性とか主体性が重要になってきますし、あとはいろんなライフイベントで、例えば育児の方もいますし、介護の方もいますし、独身の男性であっても、婚活をやらなきゃいけないとか、個人のいろんな状況に応じてお互いに他者を配慮したり、相互支援をする組織の風土をつくっていくことが大事ではないかという、フレームワークを持ってるんですけども、基本的にこういうことがなされていくと、個人に関しては、例えば自己啓発の時間がふえたりとか、育児、介護だけではなく、いろんな変化の対応ができると。
 組織に関しましては、コストの削減ができたり、貴重な人的資源の確保、離職の防止ができると。生産性向上にもなりますし、業務の可視化をして知識創造を行っていくとイノベーションも創出できるので、お互いに成長のサイクルをつくっていくことが大事になってくるのかなと思っています。
 こちらは実証実験で出てきた課題なんですけど、個別の課題に関しては対応策があるという例でございます。特にITで対応できるところが結構出てきています。また、成功に関しては人的側面と働き方制度の側面があります。
 こちら、直近3カ月の新聞情報なんですけれども、今、業種を問わずいろんなところで進んでいると。しかも全社の導入が結構多いです。例えば製造業であれば、生産工程ライン以外にやるとか、日立に関しては社外勤務10万人と出してきています。サテライトオフィスで、明電舎に関しては沼津事業所で行っていくとありますし、駅ナカオフィス、最近もテレビで話題になってますが、1人ずつのブースをターミナル駅に設けて、そこでも仕事ができるということが進んでいます。
 こちらは総務大臣賞のことしの分ですけれども、特に一番下が中小企業なんですね。全く知られてなかったこの企業が在宅勤務をやって、働く人、特に女性が多いということで、環境整備を行った結果、就職ランキングで去年が12位だったのが、ことしが9位まで上がってきたと。圏内のランキングまで上がってきていて、人材が不足している中、採用にも効果をもたらしているケースでございます。
 そして、これは佐賀県庁で非常に進んでいるケースです。しかも熊本の大地震があったときに、事業継続をやりまして、テレワーク基盤を活用して、災害発生直後から被災者支援の段階まで切れ目のない対応が可能になったケースでございます。
 ただ、それに関しても管理職がネックになっていたので、管理職に集中した研修をやって改革を加速化したと言われています。
 次が効果の部分です。静岡に関しましても、自治体では掛川市、藤枝市、静岡市、川根本町、袋井市がテレワーク・デイズに参加されています。
 また、IT企業だけはなくジャトコさんも入っていましたし、サービス業も少しずつ出ています。
 こちらは静岡市のほうなんですけど、お試しテレワークで、首都圏の企業に新幹線代を補助しますので、こちらに来て働いてみませんかというものです。6カ所ありまして、市内のコワーキングスペースと、あと用宗は古民家なんですけれども、こちらで例えば企業が来てプロジェクトでいろいろやりながらまた首都圏に帰ると、いろんな場所を体験してもらいましょうという試みでございます。
 また、浜松では特に自治体からではなく、企業が自発的にテレワーク・デイズに参加しまして、参加者は何をやったかというと、このウイークに、24日にやっているところなんですが、本社だけではなく、浜松城の公園ですとか、サテライトオフィスとかワークスペース、いろんなところでやったケースです。これは非常に連携をとられていて、民間企業のこういった取り組みは珍しいと、総務省も注目しています。これが場所になっています。状況はこういった形でホームページでも紹介をされています。
 最後に、どうやって進めていくか、特に静岡県ということを考えますと、ビジョンの中で非常にテレワークに関係するものがあるな、場の力の活用ですとか、多様な主体との共創、現場主義、オリ・パラをにらむ形もありますし、BCP(事業継続計画)ですね、これは意外と地方の方々はあんまり感じられていないと思うんですが、ふだんからいろいろな場所で仕事ができるように環境整備をしていくと、いざというときにすぐにそういう対応ができます。これは特に自然災害だけではなくて、インフルエンザですね、自分はぴんぴんしてるんですけど、子供がインフルエンザになったときに、保菌をしているので、本当は会社に行かないほうがいいんですね。そのときに、きょうはテレワークします、家族がインフルエンザなのでと、そうやってすぐにシフトしている企業も出てきています。
 誰もが活躍できるとか、富をつくる産業の展開について、次のところでもちょっと申し上げますが、これからのまちづくりは、例えばこういった不動産開発などベースの部分もありますが、インフラ、生活、文化、生きがいの中にテレワークも入ってくるのかなと思ってます。
 例えば個別の自治体がフルセット主義ではなくて、連携をとりながら進めるとか、職員の柔軟な働き方を自治体がやることによって中小企業の模範になります。
 また、中小企業の模範になるということは、実際にBCP対応ですとか人材の確保にも影響をもたらします。
 また、破壊的技術――AI、ロボット等、ICTが普及しているのはいいんだけど、やはり利活用を考えると、ウエブ会議なども、ふだん使っていないと全く使えないので、ふだんから使える環境でみんながどんどん使うことが大事になってくるのかなと思います。そういった形で成功しているのが柏の葉ですとか船橋とか、これは首都圏ですけども、藤沢などのケースがあります。
 簡単にですけれども、首都圏と中京圏の間にこの静岡が位置しているということで、世界クラスの豊富な資源を有する立地特性を生かしたテレワークの普及展開があるんではないかと思います。特に東西に長いので、四つの戦略拠点を整備して、例えば産業クラスターとリゾート掛けるテレワークみたいに特色を出す方法もあるのかなと感じております。
 また、2番目は県、自治体によるテレワークの普及拡大。今、静岡県もそうですし、市もそうなんですけれども、徐々にやり始められていらっしゃるので、県下の中小企業に展開するというところで、特に実際にやってみないといろんな課題も実感ができませんので、効率化、そして生産性の向上、BCP、優秀な人材の維持確保と、展開の流れができるのかなと思います。
 また、新たなまちづくりに向けて若年層からシニア層の、I・J・Uターンのニーズを把握することで、交流人口の拡大とか移住・定住促進があると思うんですが、そこにテレワークの要素も非常に親和性を持っていますので、ちょっと見方を変えて、こういったまちづくりの1つのポイントとして見ていただければいいのかなと思います。
 静岡の特色を生かして持続可能な個人、企業、社会の実現へということで、簡単にアイデアレベルで恐縮ですけれどもお話終了させていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。

○野澤委員長
 ありがとうございました。以上で小豆川様からの説明は終わりました。
 これより、質疑に入ります。委員の方にお願いをいたします。質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いをいたします。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら発言願います。

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