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委員会会議録

質問文書

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令和2年10月情報通信技術利活用特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:山本 隆久 議員
質疑・質問日:10/15/2020
会派名:無所属


○山本委員
 先ほど、教師の質の問題ということで、経験豊富な50代が大量に定年をされていく。一方、若い方で、質の悪い先生もたくさん入ってきている。それは学校現場がブラックで人気がないということだったんですが、今回、私もコロナ禍の中で、学校でいわゆる通信の授業をどうやっているんだということで、浜松市の教育委員会とか、県の教育委員会にいろいろお話を聞かせていただいたところ、年代が上の方にはデジタル音痴の方が多くて、学校現場でのネット回線を通じた授業というのも理解できていない中で、今後、GIGAスクール構想であったり教科書もデジタル化するということであれば、若い世代の方が主導になってくると思います。デジタル端末でデジタル教科書になってくると、例えば、授業そのものは全国統一の授業を進めて、各生徒は教室で端末で授業を受けて、そのサポートをしていくのが担任の先生という形になるような気もするんですが、学校での教育の仕方は、その辺も含めてどのくらい大きく変わってくるのかをまず教えていただきたいと思います。

○堀田龍也氏
 山本議員がおっしゃったのは、浜松市の例だと思いますが、浜松市は熱心にやっている自治体の1つだと思いますが、今、山本議員がおっしゃったように上のほうの人はやる気はあるんだけれどもデジタルにちょっと疎くて、結果的に何が起こっているかが十分に承知できなくて対応が打てていないという現実は、浜松市に限らず起こっています。
 教師の質の話で言えば、私は、質の悪い教師が増えていると言っているわけではないんです。教員試験の倍率が落ちるので、結果的に良質な人たちが十分に存在できない、割合として下がるということを申し上げています。
 一方で、若い人はデジタルに明るいので、彼らに任せればデジタルについては進む部分があるんですけれども、今度は逆に上の人が任せないんです。なぜならば、黒板とチョークで授業ができないやつがICTなんか使っているんじゃないみたいに言っちゃうんです。そういう意味で、ジェネレーションギャップといいましょうか、もう時代が変わっているんだという感覚を上の人にどれだけ持っていただくかがとても大切で、50代と20代では30年違うので、例えばアイフォンについてどのくらい詳しいかも決定的に違うわけで、こういうことについて若い人の力をもっと活用することをどんどんやるべきだと思います。
 最後におっしゃった全国統一という件で言えば、いろいろな学校がございまして、全国に小学校だけでも2万校近くありますけれども、非常に意識の高い御家庭が多くある地域の学校もあれば、貧困層の中にある学校もあります
 つまり、全ての学校の授業を同じ授業で統一することは恐らく不可能です。一方で、良質な授業のコンテンツを学校からいつでも見れるようにしておくのは一理ある方法で、例えば、算数のいい教え方、あるいは分かりやすい動画をEテレの人たちが作って、それを学校からいつでも無料で見れるようにして、先生が横で助言することができれば、非常に学習効率は上がるし、1回見れば分かる子もいれば3回見ないと分からない子もいるわけで、その子に応じた対応をする。学校の先生の役割はティーチャーとしてよりも、むしろファシリテーターやコーディネーターのような部分がこれから増えてくると言われています。
 ですので、山本議員がお考えのように全て一斉にはならないにしても、その考え方は一部に取り入れられて、それがオンデマンドでございます。
 しかし、例えば、全ての子供たちが任意の学習動画をいつでも見れるとなると、ネットワーク回線が相当速くないとできませんので、これを教育委員会がちゃんと整備できるかがこれからの大きな課題かなと思います。
 ネットワークについては、何で教育委員会が十分に整備できないかという1つの背景に、学校の中のことは教育委員会の所掌なんですけれども、学校までネットワーク回線を引くのは情報政策課とかの所掌だったり、地域インフラの整備なので、水道とかガスと同じようにネットワークのインフラは大事なんですけど、これは教育委員会の所掌外だったりするので、そういうところと連携してやれるところはうまくいっているんですが、縦割りのところは失敗していて、ネットワーク回線が遅いためにICT教育が進まないことが起こっています。

○山本委員
 確かにネットの回線がいっていないのは大きな障害になってくると思います。それは国でも学校のある地域には100%補助でネット回線を引くという施策もあると思うんです。

 先ほど、熊本市の例を挙げていただきましたが、人口で行くと熊本市が73万人で浜松市と同等で、エリアの広さは違うんですけれども、浜松市は山間部もあるし、山間部のほうがICTの教育が進んでいるところもある中で、決定的な差が出たのはどこに原因があるんでしょうか。

○堀田龍也氏
 これは一言で言うと、社会がデジタル化していることへの自覚だと思います。
 例えば、いつもファクスを使っている人たちはファクスが当たり前だと思っているですけれども、ファクスは意外と効率が悪いんです。入ったものが向こうに行く分、向こうでは書いたものを読まなきゃいけないし、それをまた入力する。メールで添付で送ったほうが絶対速いわけで、あるいはクラウドのどこかに置いてあれば、みんなで書き込みができるので業務効率は非常によくなるんですが、従来のやり方が一番いいと信じてしまっているところがあるのかなと思います。
 民間企業ですと、もうそんな効率が悪いやり方をやっていたら立ち行かないので、どんどんデジタルにして、働きやすくして有能な人材に我が社で働いてもらえるようにしていると思うんですけれども、行政はどうしても税金で動いていることもあって、今いる人材で何とかしようという動きがどうしても強く出ています。こういうものにメスを入れる首長がいたり、教育委員会のリーダーシップがあれば、実は変わっているんですけれども、ほかのところがやったらうちもやろうとか言っているところはいつまでも進まない現実があります。
 僕は、今も浜松市にマンションがある者として申し上げますけれども、浜松市の上のほうの人たち、花井教育長も含めて非常によく頑張ってらっしゃることはよく存じ上げていますが、残念ながらまだまだこのデジタル化で社会が大きく変わろうとしていて、そしてこの変わった後に生きていく子供たちへの教育をどうしていけばいいかという切迫感は十分に御承知されていないように私には見えます。
 ですから、この危機感をどれだけお持ちかどうかですね。変に豊かだと、このままでいいんじゃないかと、安定しているように見えちゃうのかなと思うんです。
 そして、私は時々言うんですけれども、学校の先生って終身雇用です。今、大体、大学生は就職したら3回転職すると言われていて、自分でキャリアチェンジをしながら自分の人生百年時代に合わせた働き方をしていくのが今の一般的な方法ですが、一度、公務員になったらずっとエスカレーターで給料が上がるという高度成長期のモデルが今も残っていたりするので世間の厳しさが十分に教育系の人たちに通じてないところがあります。
 こういう厳しいことを申し上げると、教育委員会の人はもう私を呼んでくれなくなっちゃうんですけれども、ぜひ、そういう緊張感を持っていただきたいなと、いつも思っているところです。

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