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委員会会議録

委員会補足文書

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平成21年10月障害者雇用促進特別委員会
参考人の意見陳述 袋井特別支援学校 校長 村松智惠子氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/28/2009 会派名:


○村松智惠子氏
 村松智惠子と申します。よろしくお願いいたします。
 依頼された内容について十分な説明ができるか、ちょっと不安はございますけれども、子供たちの様子を映像でちょっと見ていただけるような形で、写真もたくさん入れてまいりました。よろしくお願いいたします。
 それでは、始めさせていただきます。
 一応、特別支援学校における職業教育、それから就職指導の現状と課題というようなことで、少し本校の実践をもとにまとめさせていただきました。
 県内にある特別支援学校は、視覚・聴覚、それから肢体不自由、病弱の学校が、ここは東・中・西に1校ずつぐらいございます。
 それから、知的障害の方につきましては、沼津、静岡北、浜松については、知的障害のみの学校になっておりますが、その後、新しくできている学校は、知的障害と重度肢体不自由をあわせ持った子供たちの学ぶ学校で、御殿場・富士・藤枝・袋井・浜北、浜名がことしから県立移管になりました。
 実は、ここに書いてありませんが、知的障害は静岡には静大の附属の特別支援学校もございます。
 それから、それぞれの学校が分校も持っていまして、ここに書いてある、伊豆高原とか伊豆田方、南の丘、御前崎、この分校は高等部も持っている分校です。
 それから、分教室もございます。この赤くしてあるのが、袋井の特別支援学校で、本校と御前崎分校、それから東遠分教室を持っています。
 それから、こちらの方に県内の特別支援学校の方、いろいろ資料が載っておりますので、また参考にしてください。
 それから、本校ですけれども、知肢併置の学校で、今、通学生が348人、そのうち肢体不自由の生徒が52人います。学部ごとの数は、ここに示したとおりです。
 自閉症スペクトラム等の児童・生徒数と入れてありますが、4分の1ぐらいが自閉症の診断を受けている生徒です。
 この子たち、就労の話に行きますけれども、この子たちが就労できるということは、かなり就労率を上げていることにもなっているなと思っております。
 それから、児童・生徒の居住地域ですけれども、磐田市、袋井市、掛川市、菊川市、御前崎市、森町、それから春野町だとか二俣だとか、今、浜松市に合併になりましたので、その子供たちが数名いますので、浜松市と入れてあります。
 それで、人数的には磐田市が一番多いんですが、掛川市、菊川市、御前崎市については、例えば御前崎の高等部がゼロということは、本校には来ないで、御前崎分校の方に全員行っております。
 それから、菊川だとか御前崎の小学生の数、中学生の数も比較的少ないのは、掛川の生徒、菊川・御前崎の一部あたりの子が東遠分教室が施設併設の分教室ですが、県内でもここの分教室だけ通学生が大変多くて、30名の在籍のうち28名がこの地域から通学しております。
 そういう関係で、特別支援学校狭隘化の中で、本校については、御前崎分校と東遠分教室に通っているということで、少しその狭隘化が改善されている部分があります。改善にまでいっていませんが、ちょっと抑えられています。
 それから、学校の方は、一応、「目指す学校像」ということで、四つの像を上げて取り組んでいます。
 一つは、まず子供たちが楽しんで来れる学校、二つ目に、子供たちがどんな子に育ちたいかなどが児童・生徒一人一人に働く力を身につける学校でありたい、これが私たちの指導の方向になります。
 それから、私たち自身がそのためには、障害に合わせた専門教育を進める学校で専門性をきちんと指導者は高めましょうと。それから、特別支援学校は地域のセンター的役割を担うということがございますので、そこの四つを上げています。
 働く力をつけるということで、高等部卒業後の就職率ですけれども、ごらんいただきますように、17年度から毎年50%台の就職率を上げています。県内30%ちょっとぐらいのところを、全国的にもそんなところで、重度の肢体不自由も含めながら50%台を上げているのは、全国的にも非常にこれはまれな学校であると。
 中には、高等養護学校というような形で、知的に軽度のお子さんたちを就職を目的とした学校がございますが、そことは全く違う構成の中でここまで持っています。
 それから、離職者も数人は出ております。どんな形で離職になっていくかは、また後でお話をします。
 私たちは、やっぱりこの知的能力の高さと働く力ということは、こういう実践の中で絶対に一致しないと、イコールではないという、そういう思いの中から、知的障害の子供たちにも就労が可能ということで、指導を進めています。
 じゃあ、働く人というのはどんな人かなというのは、本当に当たり前のことなんだけれども、自分のことが自分でできる、意思表示をすることができる、イエス・ノーがちゃんとわかるだとか、それから見通しを持って行動できる、先に何があるかということがちゃんとわかっていると、安心して取り組める、自分に任せられたことにはちゃんと最後まで取り組む、それから活動に集中して取り組む、そしてやっていることに充実感・達成感を持って生活できる、これは障害があろうがなかろうが、共通したことではないかなと思います。こういう働く人に育てていくのには、合い言葉は、もう小学部からということで取り組んでいます。その辺は、保護者の方もかなり浸透してきているなという思いがしています。
 じゃあ、実際の授業はどんな形かと言うと、ちょっとこれは知的障害の子供たちの授業の特性があるので、ここで入れました。
 学習指導要領では、教科の内容がそれぞれ普通の私たちが学んだような国語・数学・社会・理科とかという内容で、こういう内容をしますよと押さえられています。それから、道徳があり、特別活動があり、総合的な学習の時間があります。
 それから、この自立活動という、この部分が、障害を持っている特別支援学校の教育課程にだけあるものです。これは、障害に対してきちんとした受けとめをしたりとか、それに対する力をつけていくというような、そんな訓練的な内容、――訓練とは余り言いませんけれども、そういう内容を含めたものが自立活動です。
 例えば、今年度、学習指導要領が新しくなりました。発達障害的というか、自閉症のお子さんなんかはコミュニケーションがとっても苦手なんですね。だから、そういったこともきちんとこの中で指導内容が位置づけられてきて、こういうものを必要な子にはしましょうとか、それから視覚障害のお子さんだと、こういう中に、点字がきちんとできるような形でというふうになってきています。
 この授業をこれをそのまま時間割りでやるかと言うと、これはなかなかうまくいきません。それなので、系統的にはなかなかいかないので、指導の形態というのがあって、あわせた指導として、日常生活の指導、それから生活単元学習、作業学習、こんな特別の指導の形態があります。それから、一つ一つの音楽は音楽の教科でとか、体育は体育の教科でというふうな教科別の指導もしています。基本的には、体験的に、そして繰り返しの指導、これが子供たちにはとても有効な指導だということで押さえてやっております。
 先ほど言いました「働く力を身につける」ということで、「小学部の段階からですよ」と言っていますが、まず何にしても、基本的な生活習慣がきちんとできなければいけない。食べることも、眠ることも、それから活動することも、そしてきちんと排せつできることも、それから衣服の着脱のできるもの、こういうものがきちっとリズム的にもできる、技能的にもできていくということが大事だと思っています。
 そして、もうちょっと具体的になってくると、あいさつができる人、それから立つ姿勢とか、座る姿勢もふらふらしていちゃだめ、これもきちっととれていかなければいけないとか、身だしなみとか、食事のマナーだとか、こんなものも小学部の段階できちんと身につけさせたいこと。
 そして、国語や算数の授業の中でも、まだ言葉が出ない子たちもいっぱいいますので、同じ形を合わせたりだとか、同じもので分けていったりとかします。そういうものがマッチングだとか、弁別だとかということがありますが、これがきちんとできると、作業学習のときにちゃんとやる。仕事の中にもそういうものがいっぱいあります。AとBを合わせてくださいとか、合わせたものをこっちとこっちにそれぞれ分類していってくださいというような作業がありますので、こういうものも小学部の段階からきちんとすることが働く力になっていくと考えています。
 それから、中学部の方は、同じように、もう少し時間的なものもきちんとわかるようにとか、余暇もできるようにという、そんな内容です。
 それで、中学部になると、先ほど言った作業学習という形で、作業活動を通しながら、――もうちょっと実際の工具を使ったりとかして物をつくる活動に入っていきます。
 それから、高等部では、職業教育になって、もうきちっと生産性のことを考えたりとか、正確なものをやるだとか、それから金銭管理ができるとか、職業の理解だとか、社会の仕組みも知っていってほしいし、将来の生活設計もというような形で職業教育を進めています。
 保護者の方には、あわせてまず家事労働、お手伝いが一番大事ですよという形で保護者にも話をしています。実際、そのことが就労に結びつくこともあります。
 それから、やっぱり地域の生活を充実させましょうと、地域の中で本人を知ってもらいましょう、障害も理解してもらいましょう、それから自分たちでやっぱり就職先等、実習先を探してください、子供のいいところを見つけてくださいというようなことも出しています。
 実際に、就労に向けての取り組みの一つは、先ほど言った作業学習というもので、体験を通しながら働く力を学びます。
 二つ目は、自閉症の子供たちの就労のことを言いましたけれども、本校では、特に自閉症の子供たちについて、特別の教室をつくりながら、――通ってくる教室ですが、時間でこの教室に来てお勉強するということですが、自閉症の特性で、社会性が弱かったり、コミュニケーションができなかったり、想像力が弱かったりとか、過敏なものがあったりとかという、いろんなそういうものに対応した指導をしています。
 いろんな問題行動を持っていますけれども、必ずそれには背景をつかんで対応しましょうということで、見通しが持てないということには、ちゃんとスケジュールを明示してあげたりとか、やることをきちんと明確にして、それには視覚的にちゃんと示してあげるとかというような、とにかくその原因があるということをきちんととらえて指導するということに徹底しています。
 そこで働いている子供たちがいろんな組み立ての作業をやったりとか、分解の作業をやったりしますが、それがうまくできてくると、こういうふうに実践的なので、食堂の給食を運搬する仕事をやっています。お弁当が、実はこれは職員の方が給食ができないので、業者のお弁当をきちっと決められた数、ワゴン車に入れていきます。
 それから、生徒の高校生の給食をみんな厨房からもらって準備をします。こういう高いところに物を載せるなんていうのはとても苦手で、こういう体の動きなんかも実践を通しながら学んでいます。
 注意するべきところ、この姿勢はとても苦手ですね。扉がちゃんと開かないかどうかというところもきちんと見て、エレベーターを使って運びます。
 2人で運びましょうと言うと、自閉の子供たちなんだけれども、同じところに注意がいくようなところまで来ます。それから、分担も、僕はこれ、僕はこれ、場合によったら一緒にここのふたをとか、相手のことを見て、こういうことができるようになってきたりとか、今は大丈夫、それぞれがやろうという動きになってくる。そして、それぞれがやっていって、最後、2人でも共同して運ぶというような形で、いろいろ実際に考えたり工夫したりしなければできない仕事、人とかかわらなくてはできない仕事、人からいろいろ声をかけてもらえる仕事、そんなものを通しながら、自分たちのプライドを高めたりとか、自己コントロールする力を高めたりとかという形で、自閉症の子供たちの指導に力を入れています。
 三つ目は、就労に向けての取り組みは、産業現場単位における実習を行います。
 中学部の段階から、少し高等部の様子を見たりとか、事業所の見学に行ったりしますが、高校生になると、1年生の3学期には、グループを組んで産業現場等に実習に出ていきます。2年生、3年生になると、2週間を基本にしながら、場合によっては1カ月ぐらい続きますが、1人でそれぞれの事業所に行って実習をします。
 ここのところ、実習先ですけれども、これが昨年の10月ごろの実習に行ったときは、製造業です。これだけの数の製造業が行っていましたけれども、実際に就職したのは、これの3分の2ぐらいのところで、やっぱり西部地域は製造業がとても落ちていて、物流関係みたいなところとか、福祉関係のところとか、それから小売商みたいなところ、卸し、スーパーみたいなところとか、そんなところに広がってきています。
 これが実際に行っている写真です。これは金属加工部品、ここのところは障害者をたくさん採用してくださっています。
 給食でラインのところに一つずつデザートみたいなのを置いていきます。
 これは社員食堂の調理補助ですが、ここの会社は本社が採用して、この社員食堂にほかの業者が入っているので、出向させて、そして本社の就労率の中に、障害者就労率にしています。今度は、製造部門にも出したいというようなこともおっしゃってくださっています。
 これは、ラインのところに入っています。箱をつくって、この辺に置いていったりとかというのがあります。
 保育補助みたいな形で出ることもあります。
 それから、高齢者の施設での、直接の介護ではありませんが、清掃をやったりとか、そんなところで働いている子もいます。
 それから、物流センターで、こういうところにシールを張っていったりとか、こん包したりとかという、こんな形で就労していきます。
 この子なんかは、小学部の入学式のときには舞台まで上がっちゃって、お母さんがハラハラしたというぐらいな自閉症の落ちつきのない生徒さんでしたが、12年間やる中で、きちっと企業就労までいけている子です。とても会社でも評判がいいです。
 職場が求めている能力は、ここに書かれたような形でありますが、うんと仕事ができるというよりも、人間関係的な部分があるかなと。それから、本人だけじゃなくて、親や教師がしっかり支えているかなというような、家庭のこともかなり企業としては求めています。
 就労できないのは、社会的スキルが欠けている、やっぱり人とのかかわりが十分できない、ルールが守れない、まず働く意欲がないというのは、全く私たちもこういう子は職場には出せない、実習には出せないと思っています。
 それから、やっぱり家庭が支えられないという、先ほど離職したという子がありますが、1人の子は、ことし卒業して離職した子なんかは、やっぱり家庭がきちんとしていなくて、本当はグループホームに入れたかったんです。ところが、グループホームが間に合わない、そして家庭に戻っていったんだけれども、結局、だめになってしまいました。再度、また支援を福祉ともしながら、グループホームへという形を今進めています。
 それから、やっぱり私たちがきちんと職場への啓発をしないと、これも就労になかなかつながりません。
 就労支援に求められることというのは、とにかく先生も親も本人も就職したいという気持ち、まずこれが育たないとだめと思っています。
 それから、そうしてくれば、とにかく困難なことはあるんだけれども、とにかく何とか改善していこうという努力を私たちでもしていく。それから、やっぱり生徒のアピールポイント、セールスポイントをきちっと育てるということ、「大変なことだけれども、お願いします」じゃなくて、「これができるから」ということはやっぱり伝えなければいけないなと思っています。
 私たちは、そういう思いからすると、就労したいという願いを持っている子供や親については、100%それをかなえる取り組みをしなければいけない。それから、就労させるんだけれども、やっぱり離職をさせない就労支援もしなければいけない。それから、障害者雇用、企業側にとっては、せっかく障害者を雇用してくれたんだけれども、だめだったという失敗をさせるということ、これもやっぱり後々に続きますので、失敗させない支援、それからそこに就労している子がやっぱり生き生きと働き続けることができるという、こんなことをしていかなければいけないなと思っています。
 実際に、今の保護者は小学部の段階でも、知的障害のグループにいる保護者のうち81人は、高等部を卒業したら就職させたいという願いを持っています。小学部の1年生から含めてです。これは、多分、県内でもこんなに高く就職を小学部の段階から持っている学校は少ないんではないかなと思います。それだけ、働くということに意味があるということを保護者も理解をしている、そんな思いでいます。
 それから、実際にじゃあどんな形で就職していくかと言うと、やっぱり職場開拓をすることがとても大事なんですね。そのときには、とにかくできる仕事をどんどん探していきます。こちらからも積極的な職場の開拓をしていきます。
 実際に、どんなふうにやっていったら入っていけるだろうかと。この仕事をしていくのには、視覚的にもうちょっと変えた方がいいんじゃないかとか、具体的にもう少し物の並べ方を変えた方がいいんじゃないかとかというぐらいまで企業の方に入り込みます。
 これはその事例の自閉症のS君ですが、自動車の座席のシートをつくっている会社です。副資材の補充作業と、それからワイヤー通し、それから一次検査、アイレットプレス、レザーはがしというような仕事がありました。
 ここは、副資材置き場については、きちんとアルファベットと数字で資材が分かれているので、ここに書き込む棚を用意してもらいました。納品の場所も、こだわりがとても強い子なので、このラベルがきちんとされていることだけで、仕事ができます。
 そして、どういうふうな仕事を進めていくかと言うと、きょうのスケジュールをここに書いてもらいます。ここに小さいんですけれども、L−730というのを四つやりなさいとか、30枚を4組やりなさいとか、ここに仕事が書いてあるんですね。すると、これに見通しが持てるので、この子はどんどん仕事がしていけます。
 そして、そうしたら外国人も使っている会社だったんで、これは自閉症の子だけじゃなくて、外国人の労働者にも使えるというので、使わせてくださいということで、こういうふうな形で、社員向けのものをつくってくれました。
 それから、会社の生産計画もこうやって出してあると、今度は自分がFEHCB計画数60というと、ここのところができたか、できないかと、本人が読み取ってきて、「社長さん、できている」「できていないよ」とかというぐらいになって仕事をしています。
 そういう仕事のことと同時に、やっぱり就職に向けてきちんとしなければいけないことが、作業以外の教育支援で、私たちが実習のときにもしておかないと、就労には結びつきません。
 例えば、自分の使ったものは、いすでも自分できちっと片づけなさいよ。それから、食事の後なんかも、テーブルをきれいにして、床もきれいにしておきなさい。それから、使った後のトイレの掃除、これは障害を持っている子が行くと、まだまだ、「この子が来たもんだから、最近、トイレが汚れている」というふうな言われ方をすることがあります。そうじゃなくても、そういう言われ方をすることがあるので、使った後にはトイレはきれいにして出なさいというような、そんなことまでも教えます。
 それから、特に自閉症のお子さんなんかは休憩時が、――自由な時間の過ごし方がとっても苦手なんです。だから、そこの部分の過ごし方についての約束もきちんと教えていきます。
 それから、就業時刻で終了しないと、5時までですと言うと、仕事が途中でも何でも、「5時です」と帰るのが自閉症の子なんですね。そうじゃなくて、仕事を終わらないと帰れないという、――切りになるということもちゃんと教えなければいけない。そういう部分も数で教えたりとか、どういう状態になったら帰っていいかというようなことで、これはやっぱり現場に出て、実際に学んでいくことだというふうに思っています。
 そういう形でやっていった中で、就労できていくのはなぜかと言ったら、やっぱり基本的生活習慣の確立がされている、体力がある、基本的態度がちゃんとできている――余暇も上手に使えるとか、家事ができるとか、先ほど言ったような要素があります。かわいがられる存在というのも、もうこれは本当に小さいときからかわいがられて育ってきている子は、やっぱりそういう部分に行っても同じようなところがあるなと思います。
 それから、どうして就労率50%なのかなというところですが、やっぱり働きたいという就労希望の高さですね、先ほど言ったように。それから、小学部の段階から、もう就労実現をしていこうという、これは小学部の段階からのキャリア教育につながっています。それから、絶対無理と言わない先生たちの姿勢で、時によると、「こんな重度の子は無理だよ」と、「お母さん、それは無理だよ」というようなことを言いがちなんですが、それは絶対言わない。
 実は、本当に重度の子が今実習に行っているんですが、ジョブコーチからも「本気で就職をこの子にさせるんですか」と言われたようなケースもありますが、どうもその子も就職に結びつくんじゃないかなと思っています。
 それから、地域のネットワークですね、これがやっぱりかなり充実してきているなというふうに思っています。実際に、この3月に物流関係で就職できなかった子を袋井にありますワークラックと言う就業支援センターの方で訓練していただきました。最近になって、この不況の中でも就職が可能になりました。そういうところをあきらめないでつなげていくということがとても大事だと思っています。
 そして、就労への課題ですけれども、やっぱり先ほど言いました、この経済危機の中で、製造業はもうだめなので、職種の拡大をうんとしていかなければいけないなというようなところ、それにはやっぱりそれぞれの企業に障害者雇用の理解の啓発をもっともっと進めていかなければいけないなというところですね。
 それから、実習先を確保すること。例えば一気に2年生と3年生が行くと、50カ所ぐらい実習先が欲しいんですが、それには100なり200なりぐらいの実習先を欲しいんですね。というのは、やっぱり選択をしていかないと、1あったら、1がそれに必ず一致するわけではないので、合うところを探すと、やっぱりある程度選択できるものが欲しい。今は、緊急雇用の職場開拓員がついています。これは、また緊急雇用が外れちゃうとないんですね。やっぱり、そういう職場開拓に専念できる、そういう人材が必要だなと思っています。
 それから、民間企業はかなり雇用率のことで前向きに取り組んでくださっていますが、やっぱりまだ公的機関での採用ができていない。それには、雇用条件がいろいろネックになってきているなということがあります。
 実際に、お給料なんかも実は一緒なんですね。そうすると、仕事的なものから見たときに、無理が来るかなと。そこまでできる子はとなると、なかなかうまくそこにマッチできていかない。雇用条件等がうまくできると、市の関係でも採用を考えてくださっている市が近隣にもあるんですが、その辺がネックになっています。
 それから、就労先への職場の支援体制がもうちょっと充実してくれるといいなと思います。職場適応援助者、――ジョブコーチみたいな人たちがもうちょっときちっと職場の中に。それから実際には、障害者職業生活相談員という、――5人以上の障害者を雇っていると、こういう人をつけなさいというような制度もあるんですが、これを5人以上なんて言わないで、1人でも、2人でもいたら、職場適応ができるように、生活も、それから仕事の職場の改善もちょっとしてくれるような、――そんな方たちがついてくれると、もっともっと定着につながっていくなと思っています。
 済みません、足早にお話をさせていただきましたけれども、以上です。

○藤田委員長
 どうもありがとうございました。
 以上で、村松先生からの意見陳述は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 先ほどと同様、一問一答方式でわかりやすくお願いをいたします。
 それでは、御質問・御意見等がありましたら、御発言をお願いします。

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