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委員会会議録

質問文書

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平成19年12月定例会県民委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:12/13/2007
会派名:自由民主党県議団


○原委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○天野(一)委員
 6点ほど質問したいと思います。
 まず最初に県立美術館のことについて。
 県立美術館は第三者評価委員っていう新しい仕組みで当局が意欲的に大変頑張ってるっていうことで、僕はまず評価はしたいなと思っております。そういった意味で、県立美術館が今生まれ変わろうというか、今までの停滞のムードから変わろうとしている、息吹を感じているわけですけどね。それで、その中で幾つか聞きたいと思ってます。この説明の中で、子供に本物の文化に接する機会をということで、中学生に美術館と舞台芸術を組み合わせてるという表が載ってますけども、これは幾らの予算でどういう仕組みで考えたのか。これは単年度なのか、それとも中長期的にこの計画は続けていく考えなのか、お伺いしたいなと思っています。
 それで、私は今美術館にやはり子供たちが本物を見る仕組みをつくると。県下の中学生に1年に1度美術館だけではもったいないならば、グランシップと舞台芸術とかいろんなものを組み合わせる中で、来れる仕組みをやはりつくる。さらに私は教育委員会とこの美術館がもっとタイアップし、先生方の美術館の鑑賞、そして鑑賞と同時に実際の授業をどうするか、そういった視点で考えているかどうか、まず1点伺いたいなと思っています。

 次に、南アルプスマウンテンパーク構想の中で、高山植物の問題が出てます。高山植物を育成しなきゃならないし、保護しなきゃならない。だけど、僕がいつも南アルプスマウンテンパーク構想のときにマウンテンパークの公園だけあって、その入口にある井川、川根本町の地域とのかかわりについて全く触れてない。既に井川は南アルプスマウンテンパークの玄関口であるけども、3,300あった人口がもう600人。廃れて廃れて、高齢者が多くなって、地域として崩壊するかもしれない。山伏の問題も、井川の地域の人たちの力があれば、ああいったことについても地域の人たちの監視の目、そして地域を守るという目があれば、私はこういった形はなかったと思うんです。
 先ほど事件のことだけのことを言ってたんですけども、地域と自然とのかかわりについて、自然保護室はどう考えているのか伺いたいなと思っています。
 そして、南アルプスマウンテンパークのときにいつもあそこの地域の企業、東海パルプを初めとした事業所、地域の人の視点が全く欠けてる。何だかそこに忽然と自然の公園があるっていう感じになってるんですけども、自然保護室はそういった視点ではどういうふうに考えてるか伺いたいと思います。

 次に、第3点、交通安全対策。
 一両日前に静岡市で糖尿病の患者が記憶を失って事故を起こしました。今、高齢者と病気になっている人が事故を起こすケースがあるんです。ところが、病院であなたは運転をやめた方がいいという積極的なアドバイス、指示はないんです。この事件は非常にヒントを私たちに与えてくれたと。病気でいる人、高齢者が病院でアドバイスを受ける仕組みを交通安全対策室は考えないか。免許証を返す勇気が1つは環境問題に貢献し、1つは他人の命を救うわけです。そういった意味からすると、交通安全の問題について病院とどうタイアップするかが大変大事だと思いますけども、そういう考え方があるかどうか、伺いたいと思います。

 第4点は、私学振興の問題の中で、今子供が非常に少なくなってきてます。そういった意味からすると、経営内容が悪くなる私学の学校も出てくると思います。そういった中で私学に通っていて、学校が突如倒産したり、なくなったりしたときのそのときの対応については私学振興室はどういうふうに考えているか、お伺いしたいと思います。

 5番目にユニバーサルデザインについてお伺いします。
 ユニバーサルデザインについてはハードのこと、さまざま報告がありました。しかし、一番私は基本的なところは、差別をしない、そして精神的なものだと思うんですけども、今の県の施策はハードに特化して、基本的な心のユニバーサルデザインについての啓発、啓蒙が欠けてると思いますけども、その点についてお伺いしたいと思います。

 最後に、男女共同参画。
 今回もワーク・ライフ・バランス――仕事と生活の調和と言ってるんです。私は男女共同参画事業っていうこと、決して悪くない、今の日本の社会においてはこの問題について取り組まなきゃならないわけですけども、ここに子育てが犠牲になるという視点が全く触れられてない。男女共同参画の社会になったときに、子供への影響はどういうふうに考えているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○宇佐美文化政策室長
 まず、1点の中学生の文化芸術鑑賞推進事業についてでありますけども、これは平成15年から子供たちにグランシップ、美術館、舞台芸術劇場ということで、本物の場所で本物を見ていただきたいという形で15年から進めておる事業でありまして、19年度――今年度は1170万円の予算で実施する予定でおります。
 県下、伊豆から西部、多くの方に見ていただきたいという形でバス等を県の方で借り上げまして来ていただいているという事業であります。18年度までに2万3000人を超える中学生の方が来ていただいて、大変好評であります。引き続き、来年度以降も進めていければなと考えております。
 次に、美術館と教育委員会のタイアップの件ですけども、今申しました中学生の鑑賞事業につきましても、県の教育委員会また市の教育委員会経由で、各学校に文書を出しまして募集してるということで、19年度については1万人を超える応募等もございました。ただ、日の問題とか時間的な問題等もございまして、今回7,000人余ということになっておるんですけれども、これについてもこんな形で中学生については連携を図っておるところであります。
 また、美術館についても中学生の授業をやる場合に、出張美術講座という形で学芸員が御要望のあったところについては出かけていきまして、美術館、ロダン館を初めとする美術館のものを説明をしておりまして、昨年度――18年度は800人を超える子供たちにお話をしてるということです。
 また、ロダン館についてはデッサンの実習とかロダン館の鑑賞するものについても、子供たちについてはクイズ形式でやるなど、普及を図っております。
 また、教員研修についても、人数は昨年度は少し少なかったんですけども、約25人、粘土のワークショップとか研修に見えるなど、交流を図っております。また、美術館には教育委員会の方から2名の学校の先生が来ていただきまして、特に普及スタッフという形で教育普及事業を行っていただいておりますので、この方々を通じながらも教育委員会との連携をさらに図ってまいりたいと思ってます。以上です。

○橋本自然保護室長
 マウンテンパーク構想のことでございます。マウンテンパーク構想が地元とどのようなかかわりを持っているのかという御質問に対しましてお答えいたします。
 井川地区につきましては非常にすばらしい自然はございます。その自然を十分生かすような形でもって地域振興にもそれをつなげていきたいといいうふうに考えております。じゃあ、その地域振興なるものをどのような方法でとらえるのかと言いますと、その1つの方法としまして今エコツーリズムの推進を進めているところでございます。
 井川地区につきましてもまた川根本町につきましてもそのエコツーリズムのシステムを構築するために、今地元の人たちと協議を重ね、進めているところでございます。その中で当然地主であります東海フォレストでありますとか、大井川鉄道であるとか、そういう方々からも意見を伺っておるところでございます。結構いいところまでその辺の話が進んでおりまして、今年は難しいんですが、将来的にはその市町の中でエコツーリズムの協議会なるものをつくって、その定着を図っていきたいというふうに考えております。以上でございます。

○野村交通安全対策室長
 先ほど委員から質問のありました病気、そして高齢者との問題で病院と連携する施策はないかという御質問でございますが、まず、この静岡市でありましたこの事故の関係でございますが、制度的にはどうなっているかといいますと、免許証を受けるときにまず病状等の症状申告という制度があります。必ずそれは症状を申告しなけりゃなりません。それはどういう内容かといいますと、今までに不意に意識を失ったことはないか、また全身が硬直したことはないかと、そういう特定の疾患に関する調査でございます。それで、ないと申告して免許証を取った場合、これは虚偽申告になりまして、それが判明しますと即取り消しになると。病状の調査をしてやる適性検査という制度がございます。そして、更新のとき、皆さんも御経験があると思いますが、必ず更新申請書の裏面にその病状申告をする欄があります。それでそこで申告してもらって、かつてそういうことがあったかどうかということですね。そして、それもなしの方に丸をつけちゃうと、これは虚偽申告ということになります。
 そして、現在、先般のような事故があったり、また取り締まり現場とか本人からの申告等々に基づきまして、臨時適性検査というのを公安委員会が実施します。そして、特定様式に定められました診断書を医者に行って書いてもらいなさいということで指示して、それによって判断をすると。それから聴聞会を開きまして、これ免許停止にするのか、取り消しにするのかというようなことで、制度的に排除するようなシステムはできております。
 ただ、一般にそれほど広報されてないという部分もあるわけです。そういうことで来年度は特に交通事故防止、一段の事故防止を図ってその底上げを図るという重点政策として交通安全に取り組んでまいりますので、その中で県民部と厚生部が連携して高齢者について、委員がおっしゃるように病院等、また高齢福祉施設等々と連携してやると。その事故防止対策を進めていく考えを持っておりますので、この中で連携して、病気に対する症状等についても対策をとっていきたいと思っております。
 また、我々が発行しておりますところの交通安全わんクラブ、これに高齢者ドライバー編というのがあります。そこにも今御指摘のような対策ですね、これも記述して広く広報していこうかなと考えているところでございます。以上でございます。

○内山私学振興室長
 私学の経営悪化ということでございますけども、経営が最終的に倒産という事態に至るまでに、私学は毎年決算をしますけども、その決算を私どもが見まして、幾つかの段階を考えております。
 1つは第1段階としますれば、経営悪化の兆候が見られる段階。それから、さらに経営悪化して将来やっていけるかどうか不安になってきた状態。最終段階としまして、委員御指摘のいきなりばたっと倒産したというふうな状態があろうかと思います。それぞれの段階に応じまして、私ども違う対応を考えておりまして、最初の経営悪化の兆候が見られるというふうな段階におきましては、毎年行っております学校実態調査の中で、学校に経営改善計画の作成を具体的に求めております。
 その経営改善計画につきまして、私学協会からの助言や詳細な分析を行い、県からも助言を行っていくという段階が第1段階だと思ってます。
 それから、第2段階、さらに経営が悪化してきた場合どうするのかということですけども、これにつきましては、学校法人の側にある程度その学校の将来を選択してもらわなきゃいけないと思うんです。やめるのか、継続するのか。もしやめるというふうな選択をするのであれば、生徒の就学機会が最も大切なことですので、募集停止という形をとりまして、とにかく今いる子供たちを卒業させるということをしてもらわなくちゃいけないと思います。
 そして、経営的には民事再生法に基づく手続でありますとか、そうした手続をとっていってもらう方法だろうと思います。
 それから、最終段階。最終的に経営が破綻、いきなりばたっといったときどうするのかということですけれども、このときにつきまして私の方、今申し上げましたけれども、生徒の就学機会ということが最も大切なことですので、周辺の私学でありますとか、場合によっては公立さんってこともあるかもしれません。そうしたとこに生徒の就学機会の確保ということで、十分な話し合いをしていくという場を設けなきゃいけないというふうに思っております。
 そういうことで、具体的にどういう仕組みを最終的に破綻した場合につくるのかということまでは、具体的な形で検討しておりませんけれども、基本的にはそういう流れで考えております。以上です。

○鈴木企画監(ユニバーサルデザイン担当)
 ユニバーサルデザインの関係で心のユニバーサルデザインの普及啓発が必要ではないかという御質問にお答えをいたします。
 県ではユニバーサルデザインを推進しておりまして、当然県有施設ですとか、さまざまな企業、事業者の取り組みの実践のためのさまざまな支援もしておりますけれども、それだけではなくて、県民の皆さん、また小中学校の児童生徒の皆さん、高校も含めてですけれども、自分たちが日常生活の中で実践できる心のユニバーサルデザインの重要性というのをわかりやすいパンフレット等を利用して、学校の出前講座、また12月の先週行いましたユニバーサルデザインフェアなどの機会をとらえまして、PRまたは実践をしていただくようにということで広報活動を行っております。
 具体的には今月――11月末までに、今年度に入りまして、家庭・学校・地域に出前講座ということで合計11回、539人の皆さんに、ユニバーサルデザインの必要性、また心のUDの大切さといったようなことをお知らせをしてきております。ユニバーサルデザインを普及していくためには、ハード、ソフト、そして心のハートの3つ、三位一体の推進が大変重要であるというふうに認識しておりますので、今後も例えば子供たちには、それぞれの違いを認め合って、気づき合って、皆違って皆いいというような、多少道徳的な部分へも踏み込んだユニバーサルデザインの普及に努めております。

○鈴木県民生活局長
 私からは男女共同参画についてお答えいたします。
 男女共同参画につきましては委員御指摘のとおり、子供だから、成人だからということはかかわりなく、老若男女すべての人が性別にかかわりなく人格を尊重されて、社会の一員としてそれぞれいろんな役割を担い、それぞれの立場で社会に参画できるように社会を形成していこうとこういうことで進めているわけでございまして、ここに掲げられておりますワーク・ライフ・バランスというのは、仕事と生活の調和ということで、男女共同参画を進めていく上での1つの手段として、本年度の重点事業として掲げたわけでございます。
 安心して子供を産み育てるような環境をつくっていくということがやはりこれからの社会に必要ではないかと。そのためにはやはり家庭だけじゃなくて、事業所、職場においてもやっぱりそうしたさまざまな環境とか制度を築いていく必要があるのではないか、こんなことで進めております。
 そしてまた、県庁内におきましても子育てを所管する部局などを含めた全庁的な本部も組織しておりまして、それぞれの部局における男女共同参画の取り組みをお願いしてかつ進めているところでございます。以上です。

○天野(一)委員
 県立美術館は中学生のこの事業は来年も進めるということですけども、ぜひまた工夫をして進めてほしいと思います。
 それで、今ですね、県立美術館に学校の先生が子供を連れていったとき、学校の先生の入場料は有料ですか、無料ですか。フランスなんかは、先生が高校生までの子供を連れていくとき、全員ただなんですね、どこの博物館、美術館もただなんですね。ある意味では子供を本物のそういったものに触れさせるための施策が、私は県立美術館はもっと打ち出してもいいと思うんです。今の状況ですと、今度のこの事業に特化されてるだけで、もっと子供たちが県立美術館に行けるような施策が私は必要だと思うんですけども、その点についてお伺いしたいなと思っています。

 それから、南アルプスのエコツーリズムって何をやるんですか、ちょっとわかんない。エコツーリズム、これをやると地域が活性化するんですか、どうかかわっていくんですか。エコツーリズムっていう協議会ができるとどういったことが地域に起こって、南アルプスマウンテンパーク構想とどうかかわっていくのか、もうちょっとかみ砕いて教えていただけるとありがたい。

 それから、ユニバーサルデザインですけども、私はこのことはいじめ、差別、人権とオーバーラップするんですけども、ユニバーサルデザインとこれとは違うんですか。こういうこととはどういう形で絡んでくるんですか。ユニバーサルデザインっていうのは別々の形なんですか。その点についてお伺いしたい。

○大滝文化学術局長
 美術館に子供がどんどん行くような施策が必要ではないかということに対しましてお答えします。
 現在策定中の静岡県文化振興基本計画において、この重点政策の第1番目ですね、この中で子供が本物の文化に触れる機会を充実していくということを1番に上げまして、先日行われました県民の皆様と話し合いをする機会において高い評価をいただいたところでありまして、今後とも県立美術館においていろいろ体験するとか、ただで見れる、そういうような機会についてちょっと検討してまいりたいと考えております。
 
○青木環境局次長
 私からはエコツーリズムの概念と南アルプスマウンテンパーク構想とのかかわりを御説明申し上げます。
 私ごとになりますが、ちょうど11年前、この南アルプスマウンテンパーク構想を企画部の担当主幹で策定した経緯がございまして、その当時、エコツーリズムっていうのは余りメジャーな概念ではなかったわけです。ところが、いろいろ調査してみますと、ヨーロッパ及び北米地域におけるツーリズム、いわゆる観光行動は全体の100のうち20がエコツーリズムの旅行形態をとっていたと。最近はもっと上がってると思いますが、当時のレベルですと20%ぐらい。
 我が国はその当時、JTBが中心になって協議会等を立ち上げてた最中でございますが、当時の水準は二、三%だったというふうに記憶しています。欧米諸国に比べて約10倍の開きがあったということです。
 エコツーリズムっていうのは、2つの要素の目的のためにつくられています。1つは自然環境保全です。もう徹底した自然環境保全をしていこうということでございます。もう1つは地域振興をしていこうということでございます。簡単に言いますと、要するに緑は金を生み出さないとよく言われますけれども、中山間地あるいは山岳地域で暮らしている方々が、そこの地域の自然をきちっと保全してるんだと。ですから、そこを訪れる旅行者は、その自然を満喫しながら地域にガイドさんとかあるいはお土産屋さんとか、宿泊施設にきちっとお金という形で社会還元をしていきましょうと。そういうことによって、地域振興がおこっていくという1つの産業政策でもございます。
 ですから、自然環境保全と地域振興を両立させる旅行形態をエコツーリズムというふうに定義されております。
 この十数年、構想策定後11年たっておりますが、急激に我が国にそのエコツーリズムが今普及しておりまして、御案内のとおり知床とか屋久島、白神山地等々、全国の優良な自然を持っている地域はその自然をきちっと保全しながら地域の過疎をとめ、地域の振興をしていこうというふうな動きが活発化してきております。
 この南アルプスマウンテンパーク構想もそういう目的でつくられた構想でありまして、その後、残念ながら社会経済状況が大きく変化しておりまして、なおかつ市町村の枠組みも静岡市が政令指定都市になったり、あるいは川根のところで合併が起きたり、いろんな変化がございました。しかしながら、これは当初の目的の地域振興、自然環境保全をきちっとかけて着実に一歩一歩進めていく必要があるということで、県と地元市町、それから大井川鉄道、さらには東海フォレスト等が参画した推進協議会という場を設けてございます。それを中心にこの構想を推進していくこととしております。
 最近、行政も財政という面でかなり足かせがかけられておりますので、民間企業もかなり厳しい状況というふうに聞いておりますが、最近見ますと、新しいフォームが見えてきておりまして、10月初旬ですね、東海フォレストが、井川の先の椹島っていう登山基地がございますが、そこに白旗史朗写真館という我が国の著名な山岳写真家の展示館をつくったということで、民間の方もかなり御尽力いただいてるということで、さらに先ほど申し上げた推進協議会を核に、地元静岡市あるいは川根筋のですね、市町村と連携を図りながら推進していきたいというふうに考えております。以上でございます。

○鈴木企画監(ユニバーサルデザイン担当)
 心のユニバーサルデザインがいじめ、差別とか人権とは違うのかという御質問ですけれども、県がユニバーサルデザインを取り組み始めたときの課題というところに、人権の問題が特定の人たちの問題というふうに限定的に解釈される傾向があって、これではなかなか人権尊重という概念が広く伝わらないのではないかといったことがあったということがあります。
 当然、委員がお話いただいたように、いじめや差別を含めまして、人権を大切にされて、だれもが参加できる社会づくりというのは、心のユニバーサルデザインそのものであるというふうに考えております。以上です。

○天野(一)委員
 今のエコツーリズム、11年たって、今、白旗史朗の写真館ができただけですよ。あと11年たつと井川の村はなくなっちゃうよ。エコツーリズムは推進協議会だけつくって議論だけしててね、具体的にどんな構想でだれが立てるんですか。直近の計画はどういう形をするのか、打ち出されているんですか。もう一度そのことを聞きたいなと。
 白旗史朗のことなんかは、何にも地域にはうたってないよ。それは有名な写真館があると言うけど、このエコツーリズム推進協議会っていうものがね、毎年行われているけど、何も遅々として進んでない。それで、地域の人たちも何だかわからない。地域づくりに何にも結びついてない。こういう状況の中でね、名前だけ南アルプスを世界遺産とか自然の宝庫にしようって言ってて、そこに住む人たちがいなくなってね、だれがやるのかっていうことになるわけですよ。この問題についてもっと具体的に、わかりやすく地域におろしてこないとこれは名前だけで終わってしまう可能性が非常にあるんですけど、もう一度ここ聞きたいなと思ってます。

 それから、ユニバーサルデザインね、ある意味いじめと人権と一緒だと言うならば、もっと連携をとってもいいと思うんですよ。ユニバーサルデザインって言ったって、だれもわからない。人権と思っている人もいない。このことも私はおかしいと。セクト主義じゃないかなと思うんですね。いじめの問題もユニバーサルデザインと同じですよ。人権問題もユニバーサルデザインですよ。そういったことを懸命にPRする、そういったことがもっとなされてもいいと思うんですけども、これでは県民は何だか、片仮名のわからない文字と人権とが別々な問題だと思ってて、かえってわからなくなってると思うんですけども、イニシアチブは、このユニバーサルデザインが人権問題とかいじめの問題とか全部引っ張っていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○青木環境局次長
 天野委員の再々質問についてお答えいたします。
 確かに、今全国的に限界集落というふうに言われておりますけれども、過疎、高齢化が進み、その集落、村落の維持が危ぶまれているところが多々ございます。ですから、先ほど言ったエコツーリズムという手法でそこをどういうふうに具体的に地域振興をかけていくかと言いますと、先ほど卑近な例で宿泊施設とかお土産とかっていうことを申し上げてたのは、実はその核になるところが、インタープリターといいまして、簡単に言うと自然案内人なんですね。要するに地域によく精通していて、なおかつおもしろおかしく、きちっとお金を取りながらガイドできる地元の人を養成していくと。それが核になりまして、要するに普通のマスツーリズムっていうのは、車で行って、おいしいものを食べて、いい景色だねっていうふうに帰ってくるんですが、エコツーリズムっていうのは自然の中に入っていて、この植物はこういういわれがあるよ、この谷はこうなんだよと、あそこのひっかき傷は熊がかいた跡とか、そういうのを解説しながら短いプログラムだと一、二時間、長いプログラムだと2泊3日とかそういう形で、案内しながら、きちっとそのサービスの対価を取るわけですよね。そういうことによって、その人材がその地域に定着する、外からも来てます。
 ちょっと外れますけど、我が国で最大のそのエコツーリズムの民間機関は、実はホールアース自然学校といって、芝川町にございますが、これ年間4万人の方々のエコツーリズムのガイドをやっております。そこは全国各地あるいは欧米からも人材が来て、若い人たちがそこの地に定着してガイドの修行をしてます。あるいはそれを業としてます。
 ですから、そういった先進事例もございますから、川根筋から井川、南アルプス地域というのは我が国でもトップクラスのフィールドを持っていますから、必ずやそういうものが芽生えていくというふうに確信しております。
 県とすると、先ほど申し上げた推進協議会を核に、そのインタープリター――ガイドの養成を着々と今行ってきておるところです。川根筋はかなり活発な活動が行われております。井川はそれに比べるとちょっとまだ広がりが少ないですけれども、今後政令指定都市になった静岡市とも連携しながら、その辺の輪を広げて、井川さらには南アルプス周辺地域の地域振興を図っていきたいと考えておるところでございます。以上でございます。

○稲津県民部長
 ユニバーサルデザインにつきましての意味の御質問、正直申しまして、ユニバーサルデザイン一番最初はバリアフリーというところからユニバーサルデザインっていうふうに入っていったっていう経過で、ハードが先行し、それだけでなくてソフトが必要だというふうなことで、園芸療法などもユニバーサル園芸ということで、だんだんだんだん、正直申しまして、私ども取り組んでいるものも内容についての広がりというか関連性というものをこれまで自覚しながら取り組んできたというのが実情でございまして、委員御指摘のいじめであるとか、あるいは人権尊重、頭の中での理解にまだとどまっているのが正直なところです。
 それぞれ教育委員会その他いじめの問題について取り組んでいるというところと、それから、私ども県民部で進めていますユニバーサルデザインっていうそういうところのその中での本当の意味での人権尊重というか、そういった差別が何から起きてきているのかと、その辺をどのような形で解決するか、それが理屈の上ではなくて、本当に具体的な施策ないし行動という形で結びつけて進めていくという、まだそこのところまで至ってないというのが実情でございまして、今後その辺につきましては関係する部局と連携を図りながら、具体的な施策の中でどのような形で進めていくのかということにつきましてはさらに検討させていただきたいとこんなふうに思ってます。

○大滝文化学術局長
 先ほどの美術館に引率する先生の観覧料についてでございます。お答えを漏らしまして申しわけありません。
 先生の観覧料、常設展については全額無料――減免とするということであります。

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