委員会会議録

質問文書

平成23年６月定例会くらし環境委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	07/05/2011
	会派名：	民主党・ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　それでは、何点か質問させていただきます。
　まず、新エネルギーの導入促進ということが今回震災あるいは原発事故等も受けて、この補正の中でも本会議含めて大きく議論をされているところですけれども、その新エネルギー導入促進をすることによってどれだけの電力確保ができるかということが一番大きな課題だというふうに思います。
　その確認をするために、現状の静岡県内の総発電量、それとピーク時の電力使用量の数値等の状況をまずお知らせいただきたいと思います。そこを確認しておかないと、いろんな課題についての方向性、議論というものが不明確になると思いますので、まずお願いします。

　続いて、知事の本会議での答弁の中でも一極集中型から分散自立型のエネルギー体系へと転換をして、なおかつそのエネルギーの地産地消を目指すんだという答弁がされていますけども、ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン、これだけではなかなか一極集中型から分散自立型というもののトータルの発電量に相当するものが確保できないんじゃないのかなというような感じがします。数値確認をしてから改めて議論したいと思いますが、その中での考え方として、新エネルギーだけで対応が可能なのかどうか。

　あわせて別の基幹エネルギーとしての――これはくらし・環境部の所管ではないかもしれないけども――コージェネレーションの推進についてはくらし・環境部の所管だと思いますので、例えば清水に基地がある液化天然ガス基地から天然ガスを使用したコージェネレーションの発電所を誘致をするとかというような考え方があるのか、ないのか、その辺の確認もしたいと思いますので、考え方をお聞かせいただきたいと思います。

　なおかつ、このふじのくに新エネルギー等導入倍増プランの早期実現、10年間の平成32年までの計画ということではなくて、前倒しをして早期実現ということを言われておりますが、今回の住宅用太陽光発電施設の補助を含めて、早期達成というのはどういう取り組みをしていつまでに前倒しをするか、その辺の考え方をお伺いしたいというふうに思います。

　あわせてもう１つ、知事は安全対策を確認ができるまでは浜岡原発の再運転を許可しないというような答弁もされておりますけども、浜岡原発のあり方が電力の地産地消あるいは分散自立型という考え方に大きく影響してくると思いますので、松浦部長の考え方をお伺いしたいと思います。

　次に、説明資料24ページの男女共同参画施策の推進というところで、この施策を進めていただくことが非常に大切なことだと思いますが、やはり若い人たち、若い夫婦がしっかり仕事ができるということがまず基本中の基本で、ワーク・ライフ・バランスがとれるということが一番必要なことだというふうに思うわけです。
　そこで、直接の所管ではないと思いますが、各市町の保育所の待機児童という話が結構聞かれるんですよね。その辺の保育所の整備推進、あるいは幼保一元化という取り組みについて、くらし・環境部として、この男女共同参画推進を進める上でも非常に重要な観点だと思いますので、横の連携の中でどのような推進を図るか、取り組み体制を伺いたいと思います。

　次に、26ページから29ページの住宅の耐震改修等々のところですけども、「ＴＯＵＫＡＩ－０」を含め、あるいは県営住宅等の耐震化を促進してもらうということが非常に重要なことでありますので、可能な限り前倒しをして、この耐震化についても進めていただきたいというふうに思いますけれども、県営住宅等公共用の住宅の多くが鉄筋コンクリートの集合住宅になっていると思うんですけども、あるいは民間の賃貸マンション等も同じことだと思うんですが、鉄筋コンクリートでスチールドアの建物がほとんどだと思うんです。よく聞かれることは、耐震化を進めることによって倒壊することはまずなくても、若干の建物のゆがみ等でその玄関のスチールドアが開かなくなってしまうという事例が多発すると。避難をしたくても外へ出れないというケースが聞かれるんですが、それに対しての二重ドアにするとかというふうな対策というものを考えているかどうか。
　また、そういう改善に対する民間への補助ということに対してもお考えがあるかどうか伺いたいと思います。

　次に、39ページのニホンジカの対策ですが、有害鳥獣はニホンジカだけでなくて、非常に各地域で大きな被害が発生して、猟友会等を通じて捕獲推進をしてもらっているところなんですが、なかなか猟友会の皆さんも高齢化で人数が集まらないということがあると伺っています。
　一方で、わなによる捕獲というものが最近かなり進められているというふうに伺いますが、毎年行われているわな猟に対する資格取得の講習会等について、かなり応募者といいますか、参加者が多くなってきているのに定数が限られていて、希望された方が十分この講習等に参加できないという状況が発生していると聞いてるんですけれども、定数を増加する考えがあるのか。それと、わな猟は銃を使うということよりも、比較的だれもが資格さえ取得ができれば取り組みやすい手段だというふうに思いますので、そういう資格取得を希望する方への資格取得費用への補助という考え方があるのかどうか、そこを伺います。

　次に、42ページの富士山周辺の湧水利用の関係です。柿田川の湧水量が平成22年は増加したということですが、その要因は何なのか。

　それから、湧水保全という観点から、清水町でもいろんな団体が柿田川を初め周辺の湧水地の保全に関するいろんな活動を非常に積極的にやられています。また湧水そのものは富士山初め周辺の山に降った水が地下に浸透してこの柿田川に集まるというようなこともあって、富士山周辺への植樹活動なんかも非常に積極的にやられているんですけども、その湧水を保全する活動というものに対してもっと補助政策があってもいいじゃないのかなと思うんですけども、その辺の湧水保全という観点からの補助拡大の考え方はどうなのかを伺います。ひとまず以上です。

○松浦くらし・環境部長
　私からは新エネルギーの導入促進についてお答えをいたします。
　２番目に御質問ありました天然ガスのコージェネレーションの発電所誘致ということでございますけれども、ふじのくに新エネルギー等導入促進倍増プランにおきましても、この新エネルギーのほかに天然ガスを利用したコージェネレーションを入れてありまして、これが目標としては設備容量で140万キロワットのうちの90万キロワットということで、かなり大きな割合を占めております。ということで、特に富士地域で天然ガスのコージェネレーション導入がかなり進んでおりますので、こういった工業地帯において熱と電気の利用ということで、有効な手段でありますので、そういったものがさらに拡大していくように関係団体と連携をとりながら、できるだけ規模の拡大が図れるようなことを進めてまいりたいというふうに考えております。なお、特別な大きなものを誘致というところまでは今の時点では考えてはおりません。

　それから、この新エネルギーの早期導入、前倒しということでいつまでということでありますけれども、太陽光発電については、今回の６月補正予算でもお願いしておりますように１万戸の住宅用発電設備の助成ということですから、この予算ですべて該当するものがすべて１万戸達成できれば、最大で４万キロワットということになります。
　全体で最終的には30万キロワットになるような目標を立てておりますので、このペースでいけば、期間としては太陽光については半分くらいで達成できるのではないかというふうに見ておりますけれども、今後、太陽光発電についてはその発電効率の向上であるとか、あるいは発電設備のコストの低下等も予想もされておりますので、こういったことが実現することによって、さらに各家庭での導入も加速してくるのではないかというふうに考えております。全体としては、先ほど申し上げました天然ガスコージェネレーションの今後の拡大というものがかなり大きな部分を占めますので、こういったものを見ていかないと、ちょっといつまでかというのはなかなか今の時点では言えないかというふうに考えております。

　それから浜岡原発の関連で、自立分散型の体系を目指すということに大きく影響してくるのではないかということでございます。原子力発電所の今後のあり方については、国でもエネルギー基本計画の見直しを今後していくということでございますので、そういった状況も見ながらということになりますが、ただ私どもがこの新エネルギーの導入倍増プランを立てたのは、まだ東日本大震災が起こる前の段階だったわけですけども、できるだけＣＯ₂の排出量の少ないエネルギー源に転換していこうという流れの中で新エネルギーと天然ガスコージェネレーション、これはいずれも分散型の電源として位置づけられるものでありますので、こういったことでその震災前と後で基本的な方向というのは変わっていないということであります。できるだけＣＯ₂の排出量の少ないエネルギー源を、これは民間企業の開発によるところもありますけれども、私どもとしてはできるだけ導入を促進していくということで、それによってできるだけ電源も電力量も確保して、原子力発電の動向について今後はまだよくわからないところもあるわけですけれども、今後できるだけそういったものに頼らないで新エネルギーを中心とした導入割合が高まっていくように、私どもも政策に取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。

○斎藤環境政策課長
　新エネルギーの導入促進の関係で、現在の電力需給の状況ということでございます。
　平成21年度のデータでございますけども、県内の電力需要量が全体で301億1000万キロワットアワーということになっております。それから電力供給、発電量のほうでございますけども、185億5000万キロワットアワーという数字になっております。電力需給の比率で見ますと、この平成21年度の場合は61.6％ということになっております。なお、これは年によりまして原子力発電所の稼働率等の状況が変わりますので、年によってはもう少し高い値がございます。

　それから、２つ目の一極集中型から分散自立型の電源、地産地消を目指すということで、新エネルギーだけで県内の需要に対応できるかどうかということでございます。新エネルギー等導入倍増プランで目標数値が書いてございますけども、平成21年度の現状ですと新エネルギー等の設備容量が62万5700キロワット、これを平成32年度に140万キロワットにするというような目標を立ててございます。そういう意味では、現在停止しております浜岡の原子力発電所の３号機から４号機、５号機、これの発電量をすべてこの新エネルギーで賄うというのはちょっとできないというふうに考えております。以上です。

○萩原男女共同参画課長
　ことしの２月に策定しました第２次男女共同参画基本計画の中で、実践計画ということで３年間について重点的に取り組むテーマというのを設定しております。その重点テーマの１つに、男女双方にとってのワーク・ライフ・バランスの実現というのを掲げております。この中でも特に具体的な政策としては、男女がともに担う子育て、介護の推進というのを掲げておりまして、特に待機児童の対策というのも喫緊の課題だというふうに考えております。具体的に所管となりますのは健康福祉部の子育て支援課になりますけれども、こちらのほうの情報で聞きますと、平成23年４月１日に浜松市については待機児童が大幅にふえたということを聞いております。ただ実態については市町によっては状況がさまざまでありまして、課題もさまざまであり、待機児童解消の対策というのは、市によってかなり異なるということを聞いております。待機児童の解消計画について、各市町において計画をつくるわけですが、それについては県のほうでヒアリングを丁寧に聞き取りまして、ポイント等を絞りまして、助言指導を行っていくということで把握しております。
　また、幼保一元化の推進についてなんですが、平成23年６月16日に国において基本制度のワーキングチームが行われまして、その中で、子ども・子育て新システムに関する中間の取りまとめ案が提出されたというふうに聞いております。今後地方自治体や関係者との十分な意見交換を踏まえて成案が取りまとめられるというふうに聞いております。ただこの移行に当たりましては、実施主体であります市町や関係施設の許認可を行う予定の都道府県において一定の準備期間が必要であるために、成案が成立しても平成25年度からの完全導入というのはまだ不透明であるというふうに考えております。
　私のほうで把握している情報は以上のことでありますが、先ほど申し上げましたワーク・ライフ・バランスの推進に伴う活動とか実践などにつきましては市町によって異なるものですから、市町からできる限り対策等をお伺いして、現在ポータルサイトの構築を進めておりますので、その中でできる限り、県民の皆さんが満足できるような情報を発信してまいりたいというふうに考えております。以上であります。

○柳公営住宅課長
　県営住宅の地震によるドアのゆがみへの対策についてお答えいたします。
　現在、県営住宅につきましては１万5329戸ございます。昭和40年代の高度経済成長期を含め1980年以前に建てられたものが9,300戸程度ございます。そのうち、6,200戸程度を再生しようという計画を平成18年から平成27年の10年計画で現在進めております。それ以外の残り9,000戸については適正に維持管理していくこととしております。6,200戸余りのものにつきましては、さまざま４種類の工法で今再生を進めております。建てかえ、それと民間の賃貸住宅を借り上げる方法、それと全面的改善ということで改修する工法――それは躯体を残して内装をすべてやりかえる、そういう工事でございます。居住改善という工事もありまして、それは台所とかトイレ、浴室、それを一部分改修する工事でございます。
　これらの建てかえ工事、全面的改善工事においては、玄関ドアにつきましても、変形に追従するものを使用しております。それ以外の工事については、そういう工事をしておりませんけども、これから安価な値段で、地震などでドアがひずんでも比較的小さな力で開けることができるような、ドアを取りかえなくても簡単にできる工法があると聞いておりますので、今後、検討をしていきたいと思っております。以上でございます。

○袴田建築安全推進課長
　鉄筋コンクリート造の民間住宅の玄関扉等の改善の補助につきましてお答えをいたします。既存制度の中で建築物耐震化助成事業というのがございます。これは、昭和56年５月以前の建物の耐震補強に対して助成するものであります。玄関扉を耐震補強とあわせて新たにそこに壁をつくるとかそういう場合で、玄関扉を移動しなければいけないと、こういうような状況であれば補助の対象になろうかと思いますが、そこの玄関扉の部分だけということでありますと、少し詳細に調べさせていただかないと、今ちょっとお答えができませんので、後ほどその部分については回答をさせていただきたいというふうに思います。どちらにしましても対象外である場合につきましては、今後の研究としていきたいというふうに考えております。以上でございます。

○田代自然保護課長
　狩猟免許試験への対応についてでございます。
　８月に県内３カ所、東・中・西で狩猟免許の試験を行いますが、その試験に先立って静岡におきまして事前講習会を実施します。こちらのほうが、会場の都合で昨年定員オーバーということで受講できない方がおられました。これは聴講だけでなく実技編もあるものですから、会場を大きなところになかなか変えにくいというところがございますが、できるだけ現在講習会を行っている会場に近いところで、一回り大きいところを来年確保したいと、このように考えています。
　狩猟免許につきましては、８月に東・中・西で銃を含むわな、網の試験がございますが、それとあわせまして、わな猟の試験を２月に県内３カ所で実施し、狩猟免許資格の方をふやしていこうと、こんな方法をとっております。
　補助につきましては、狩猟免許は個人の有する国家資格でありますし、また登録手数料等が県の収入ということもありますので、補助はそぐわないと、このように考えております。以上です。

○山中水利用課長
　柿田川の湧水量の増加の要因、それから各団体への補助金の創設はどうかということについてお答えいたします。
　柿田川の湧水の増量につきましては、現在113万トンまで上がってきております。いろんな要因があり降水量の関係もあるとは思いますが、最大の原因は、地域住民の皆様方の保全活動の結果、さらには地下水の利用状況が下がっております。例えば昭和45年当時、東富士、黄瀬川地域で１日当たり53万トン使用していたんですけども、それが現在80％ほどに落ちまして43万トンまで下がっております。こういったことも要因になっているのではないかと思います。ただし一番多く使っていたのが平成２年当時で、58万トンほどありますので、こういうふうに坂が下がってきたのかなと思っております。
　それから内容を詳しく見ますと、工業用水の使用量が50％ほど落ちております。一方、生活用水の水道水などは178％ほど、1.78倍ほどにふえております。これは人口の増加等もあるかと思います。こういったことがありまして、現在は工業用水よりも生活用水のほうが多くなっております。
　そんなこともありまして、今後は啓発を中心に行いたいなと思っておりますが、現在も小学校に出前講座ということで、私どもの職員が地域等に出向いて、小学校で実験をしながら水の大切さを訴えておるところであります。

　それから、各活動団体に対しての補助金創設につきましては、現在、地下水利用対策協議会――市と採水者の企業の方とが団体を組んでいるわけですけども、この方たちが、水源の転換、地下水から上水にしていただきたいとか、それから地下水の測定等も実施しておりますので、これにつきまして岳南地域、それから黄瀬川地域に補助金を出しております。さらに植樹活動の苗木を補助したりとかしておりますので、この辺を充実しながら今後も見守っていきたいと、進捗状況を見ながら対応していきたいと思っております。以上でございます。

○髙田（泰）委員
　男女共同参画のワーク・ライフ・バランス推進に向けた保育所等整備の件は、各市町によって大分差がありますけども、待機ゼロという数字が出ているところであっても、１つの市の中で保育所の場所的なもの、子育てをしている若いお父さん、お母さんが共稼ぎをするために子供さんを保育所にお願いしなきゃいけないという実態の中で、やはり通勤の関係あるいは住まいの関係で可能な限り近いところの保育所にお願いをしたいという希望が非常に多いんだけども、なかなかそういう地域の保育所が満杯であって、同じ市あるいは町の中であっても相当遠いところでなければ受け入れが不可能だというふうなこともよく聞きます。
　一方で、実態としては入所待ちがかなりあるにもかかわらず、その制限が非常に多くて入所できないというようなこともよく聞きますので、ここは直接保育所の整備に関するということでは所管ではないかもしれないけれども、ワーク・ライフ・バランスを推進するその一番重要な課題ということからしても、ぜひ横の連携の中で現場というか地域の実態をよく掌握をしていただいて、推進をしていただくようお願いをしたいと思います。

　住宅のドアの関係はわかりました。

　それから、ニホンジカ等の有害鳥獣対策としてのわなによる捕獲の資格講習の件ですが、もっとこれは受講者、希望者がふえてくるのではないかと思うんですよ。会場の都合で入れないから制限をするということではなくて、もし１回でだめなら２回開催するとか、いろんな工夫をしていただいて、ぜひ銃による捕獲というよりもこのわな猟による捕獲という方向の間口をもっと広げていただくことが必要だと思うので、やっぱり資格者をふやすと。そのための施策というものをぜひ推進をしていただきたいというふうに思います。
　取得の費用に対しては、個人的な資格取得に対してだからできないよということかもしれないけども、目的を持ったこういう資格取得ということですので、何かいい方策があるんじゃないのかなというようなことを感じますので、いろいろ検討もお願いをしたいと思います。

　湧水の関係ですが、特に柿田川については、柿田川そのものはいろんな市民活動も含めて自然の形態も保全されており、それを受けて国の文化財指定ということにも具体的な方向が出ている、なおかつ富士山の世界文化遺産登録に向けた、できればコアゾーンとしての指定、構成資産としての指定がされればということで、そういう方向に向けても県としてプッシュをしていただきたいと思いますし、その背景にある現地の湧水を保全する活動への支援策、補助政策というものをもっと強化をしていただきたい。
　それから、あわせて水道用水としての柿田川の水を、今までは無償でいろんなイベント等に配付していただいていたけども、有償化をするというふうに伺っています。これは地元清水町でも、地元の湧水等を生かした水利用という観点で考えもあるというふうなことを伺っていますが、そのペットボトル詰めの水の利用ということでの清水町との連携は考えがあるのか、改めて伺います。

　さらに、柿田川そのものだけでなくて清水町には周辺に、今は農業用のため池になっていますけども、丸池という湧水池があります。その周辺はやはり湧水が非常に多いところで、公園整備が進んでいるところですけども、地下水の保全、そして水利用の観点から、そういう湧水池の整備ということについての考えがあるかないか、その点を改めて伺います。とりあえず以上。

○山中水利用課長
　柿田川の湧水の飲料水としての販売の件ですけども、これは申しわけないですが、私の認識では企業局がペットボトル化して、今までイベント等で配付していたものを有償で販売するというふうに聞いておりますので、それがまた進んでいるというふうにも聞いております。

　それから丸池の件につきましては、整備につきまして私ども水利用課で直接対応できるかどうか、また検討させていただきたいと思います。以上です。

○髙田（泰）委員
　それではもう少し新エネルギー関係の何点か伺っていきたいと思います。
　先ほど松浦部長からは、浜岡原発のあり方、今後の県の考え方ということについてしっかり部長としての思いをお話いただけなかったけれども、やはりものづくり県である静岡県の電力をしっかり確保するということが必要だと思うんですよね。安定的に確保する。その背景には温暖化対策もしっかり進めていくという中でのあり方というのを方向を明確にしていくことが必要だというふうに思うんですね。当然、一部には地産地消のエネルギーとしての新エネルギーの導入を促進するという考えを強化をしていくということが必要だと思うんですけども、改めて電力確保について、この分散自立型のエネルギーを進めていくということの中で、電力確保をどうあるべきなのかということをもう一度確認をします。

　次に、各論になりますけども、34ページに新エネルギーの研究開発費の助成ということですが、具体的には研究開発費等への助成というものは何を示しているのかを伺います。

　それから、新エネ関連、企業の誘致あるいは製品技術開発を通じた産業振興ということをうたっていますけども、企業誘致をただ待っていて、こういう項目を掲げているだけでは具体化をしないわけですから、いろいろな県外の企業に対しても積極的に誘致に出向いていかなきゃいけないと思うんですけども、そういう誘致へ向けた体制が整っているのか、あるいはその仕組みづくりをどういうふうにしていこうとしているのか、さらにここでいう製品技術開発を通じた産業振興ということに関しては、どういう製品とか技術開発を目指しているのか、そこを伺いたいと思います。

　次に、温泉熱発電の導入を今企業局が中心として進めているということですが、場所の選定等をいろいろ絞り込んでいるというふうに聞いていますけども、新エネルギーの一環としての取り組みという観点の中、環境局の中でどのように連携をしながら、この温泉熱発電の導入促進をどういう場所で進めていこうとしているのか、またその設備的な規模はどのぐらいのものを目指しているのか、今の取り組み状況を伺いたいと思います。

　次に、重点政策としての地域次世代エネルギーネットワークの構築、倍増プランの22ページにもありますけども、この地域次世代エネルギーネットワークというものは何を目指しているのか。その方向、具体的に何を目指しているかというのを伺いたい。
　そして、官民一体となった研究会の設置ということですけども、どのような研究会を設置する予定なのか。そしてふじのくに未来のエネルギー推進会議への提案ということも言われていますけども、どのような提案をしていこうとしているのかを伺います。

　次に、住宅間でエネルギーを融通し合うネットワーク化の促進ということですけれども、これもどのような取り組みなのか。今全国各地でスマートハウスとかあるいはスマートタウン構想というものが急激に進んでおり、県単位というよりも市町で率先して取り組みが始められていますけども、本県ではどのように取り組む予定なのか。
　また、住宅間のエネルギー融通ということに関しては、蓄電ということが非常に不可欠になってくると思うんですけども、住宅間でエネルギーのやりとりをする、そして蓄電をするということに関しては導入への課題があろうかと思いますが、その辺は現状、何なのか。そしてＥＶ車の導入促進ということも、今県としてもインフラ整備を含めて促進しようとされていますけども、この住宅間のエネルギー融通の中にはＥＶ車の蓄電池が大きく機能してくるんじゃないかというふうに思いますが、そのＥＶ車の活用という考え方についてあわせて伺います。

　それから、事業者用太陽光発電設備の導入促進を助成制度の要件の緩和を進めることによって促進しようというような計画で進められておりますけども、要件緩和だけだとなかなかやっぱり前に進まないと思うんですよね。積極的に導入してもらうためのプッシュが必要だと思いますし、さらなるメリットをしっかり追加して、事業者にも補助枠を広げてもらうような仕組みも必要じゃないのかなというふうに思いますが、導入促進に当たって要件緩和とあわせてどのように考えているのか伺います。とりあえず以上です。

○斎藤環境政策課長
　新エネルギーの導入促進についてでございますけども、まず研究開発の助成とはどういうことをやっているかということでございます。これにつきましては、経済産業部のほうで今回の６月補正で要求させていただいておりまして、県内企業や大学等が連携して取り組む新エネルギーの新しい技術や新製品の研究開発を支援するということでございます。新エネルギーとしまして太陽光エネルギーとかバイオマスとかさまざまございますけども、そういった新技術、新製品の研究開発に当たりまして補助率３分の２以内ということで、上限が単年度ですと3000万円以内、事業期間２年、こういった事業をやっていくということでございます。

　それから次に、新エネルギー関係の企業の誘致ということでございます。これにつきましても同じく経済産業部のほうで今回６月補正に計上しておりますけども、今後成長が見込まれます新エネルギー関連分野の企業を誘致するために、太陽光発電関連企業を初めとしまして、さまざまな企業を対象としました立地推進セミナーというセミナーを開催するということでございます。
　時期としましては10月ごろ、場所は首都圏でやるということでございまして、そういったセミナーの中で新エネルギーについての講演会とか、県の取り組みとか支援制度そういったものを説明しまして、情報交換をするというような内容になっているということでございます。
　新エネルギーの製品技術の開発を通じた産業振興ということにつきましては、こういった経済産業部のほうで取り組んでおりますさまざまな新エネルギー関係の施策を通しまして、今後中長期的に産業振興を図っていくというようなことで考えております。

　それから、温泉熱発電の関係でございます。
　これは企業局のほうで取り組んでいる事業でございますけども、昨年度温泉発電の導入の可能性がある場所ということで、伊豆地方の６地点を有望な候補地ということで選定をしたということでございます。それに引き続きまして、本年度はその中から事業化の可能性の高い４地点についての追加調査ということで、特に経済性の試算等がまだ不確定の部分がございますので、そういった追加調査を実施するということでございます。
　我々環境局のほうも、この辺の事業の取り組みにつきましては十分情報を入手しまして、よく動向を見きわめていきたいというふうに考えているところでございます。

　それから、地域次世代エネルギーネットワークの推進でございます。これは３月に作成いたしましたふじのくに新エネルギー等導入倍増プランの重点施策ということで位置づけております。重点施策は２つございまして、１つが太陽光発電の導入促進、それから２つ目が地域次世代エネルギーネットワークの構築ということでございます。これはエネルギーの地産地消を進めるためには、いろんなさまざまな新エネルギーをバランスよく組み合わせるということが必要であるという中で、とりあえず当面の取り組みとして地域内での電気とか熱を有効利用、お互いに融通し合って有効利用していくそういったネットワークを構築していきたいということでございます。
　そのためには、県だけではできないものですから、県、それから電気、ガスといったエネルギー関係の事業者、また住宅関係の企業、そういった関係者あるいは有識者の方にも入っていただきまして研究会をつくっていきたいと考えているところでございます。

　それから、ふじのくに未来のエネルギー推進会議でございますけども、このふじのくに新エネルギー等導入倍増プランをつくるのに先駆けまして、一昨年12月にこの未来エネ会議をつくりました。その中で、本県の今後の新エネルギーの取り組みをどうするべきかというのを議論していただきまして、その御提言を昨年の９月に未来のエネルギー推進会議からいただきまして、その提言を踏まえましてこのプランをつくったところでございます。そういう意味で、このプランの重点施策とか、戦略プロジェクトにつきましてはいただきました御提言をもとに計画の中に位置づけをしているということでございます。
　今後、このプランの進捗状況につきまして、随時、未来のエネルギー推進会議に御報告いたしまして、助言とか御提言をまたいただきたいというふうに考えているところでございます。

　それから、プランの戦略的プロジェクトの１つでございます住宅間でエネルギーを融通し合うネットワーク化の促進ということでございます。
　これは、委員のほうからお話がございましたように、最近スマートハウスとかスマートタウン、スマートコミュニティー、こういった地域でエネルギーとか熱を共有し合うような、さまざまな取り組みが始まっております。また本県でも三島の22戸の住宅団地の中で、太陽光発電とエネファームですね、燃料電池を各家庭につけているところがございます。その中で一部が蓄電池もつけているところがございまして、そういったところの実例がございますので、その辺のさまざまなデータ等も活用させていただきながら、そういったネットワーク化の研究を進めていきたいと考えているところでございます。
　御指摘のように、そういったエネルギーのネットワーク化の中では蓄電池というのが非常に重要な役割を果たすということで考えております。ただ課題は、蓄電池というのは非常に価格が高いというのがございまして、先ほどの申し上げました三島の住宅団地でも、22戸の住宅の中で蓄電池を入れたのは１軒だけ、それもガス会社の負担でもって入れているということで、それも一千万円単位がかかるということでございまして、そういう意味では今後その蓄電池がいかに安くなっていくかというのが１つの大きな課題になってくるのではないかなというふうに考えております。
　それからまた、その蓄電池の１つの手法として電気自動車――ＥＶを使うというのも非常に大きな可能性として検討されているところでございます。ただ現在発売されております電気自動車の中で、車から住宅のほうに電気を送るような、いわゆる双方向でできるものは非常に機種が限られておりまして、例えば三菱のｉ－ＭｉＥＶとか日産リーフ等は住宅のほうからＥＶ車のほうに電気を持ってくることはできますけども、車から家庭へ持っていくというのは今の段階ではできない。ただ今回の震災等を踏まえまして、自動車メーカーのほうではそういった双方向でバッテリーが使えるようなＥＶについてかなり開発が進んでいるように聞いております。そういう意味で、今後その辺の可能性というのは非常に大きくなってくるとは思いますけども、現状では三島の住宅ではそういったことがちょっとできないものですから、今後の課題として動向を見ながら検討していきたいと考えているところでございます。

　それから最後に、事業者用の太陽光発電の要件緩和の関係でございます。これまでエコ事業所支援事業という中で、中小企業省エネ・グリーン化事業というのがございました。これは国の地域グリーンニューディール基金を活用いたしましてやっていたところでございますけども、いろいろ制約がございましてなかなか使い勝手が悪いというようなことがございました。そうした中で、今回の震災を受けまして、太陽光発電の一層の促進を図るということで、太陽光発電を整備する場合に限り要件を緩和するということで今進めているところでございます。
　具体的には、これまで中小企業に限定していたんですけども、中小企業だけでなくてそれ以外の事業所、ただし資金力の大きな大企業は県としても支援することはないだろうということで、資本金３億円以上の大企業は除きまして、それ以下の事業所はすべて対象になる、あるいは社会福祉法人も対象にするということで、対象者を拡大したところでございます。
　それから、これまで温室効果ガス削減という事業目的のために、温室効果ガスを年間15トン以上削減するという要件がございましたけども、これにつきましても、太陽光発電ですとなかなか15トンというのが厳しいところがございますので、太陽光発電を導入する場合に限ってはこの15トンという要件を外すというようなことで要件緩和していくということでございます。
　こういったことで、これまでよりも幾らか要件緩和となりますので、事業所への太陽光発電の導入が進むものと考えておりますが、今後その辺の制度の要件緩和につきまして、いろんな広報手段とか、あるいは団体等も通じまして、十分にＰＲをしていきまして、この制度の活用が進むよう取り組んでいきたいと考えております。以上です。

○小長井委員長
　それでは、ここでしばらく休憩します。
　再開は午後１時15分としたいと思いますので、よろしくお願いします。　

（　休　憩　）

○小長井委員長
　休憩前に引き続いて委員会を再開します。
　質疑等を継続します。
　発言をお願いいたします。

○山中水利用課長
　午前中に答弁いたしました柿田川の湧水をペットボトルにして販売する件ですが、企業局に確認しましたところ、現在国土交通省と有償販売について協議をしているということで、まだ販売に至っていないということでした。
　それと委員からお話のありました清水町では、商工会の特産委員会のほうで富士山百年水ということで10年ほど前から販売しているということを確認いたしました。

○髙田（泰）委員
　引き続き質問させていただきます。
　先ほど答弁いただいた温泉熱発電の件ですが、これも企業局が中心になって推進するということで設置場所を特定する、６地点から４地点に絞って追加調査を進めるということですが、この施設については可能性としてどのぐらいの発電量が可能なのか、またその施設設置をする場合にはどのぐらいのイニシャルコストがかかるのか、想定の範囲で結構ですのでお聞かせいただきたいというふうに思います。

　次に、地域次世代エネルギーネットワークの件ですけども、ふじのくに未来のエネルギー推進会議からの提言を受けて、官民一体となったその研究会等の設置をするということですが、具体的にどういうメンバーでどういう体制で研究会を設置しようとしているのか、準備状況をお聞かせ願いたいと思います。

　次に、住宅間でエネルギーを融通し合うネットワーク化というところで、三島市での静岡ガスの取り組み等の事例を話されましたけども、県内の他の地域で同じようなそういう住宅団地の構築の計画とか、あるいは率先して導入促進をするような取り組み計画があるのか。
　そして、先ほど答弁いただけなかったけれども、導入に関してはいろいろ課題があるんじゃないのかな、法制度という面での課題も含めてあるのではないのかなと思います。どういう課題があって、それをクリアしていくような方策はどうなのか伺います。スマートハウス、スマートタウンということは、これから重要な政策であろうかと思いますのでお聞かせ願いたいと思います。

　それから、新たにちょっと二、三質問をします。
　木質バイオマスエネルギーの利用拡大ですけれども、これも本会議の中で、森林林業の再生の推進ということで多くの議員の方からの質問もあり、また数多い答弁もありましたけども、木質バイオマスエネルギーの活用ということで、くらし・環境部として進めていく、目指すものは何なのか。これについても単なるエネルギー活用とするか、あるいは率先をしてこの電力確保ということで木質バイオマスを活用した発電施設の導入促進を目指すのか、その辺の方策、目標というものをお聞かせいただきたいと思います。

　それから次に、耕作放棄地を活用した太陽光発電の導入促進ですけども、総合特区を申請してということですが、この総合特区の設定というものの可能性はどうなのか、現時点での状況をお聞かせ願いたいと思います。

　それから、要は耕作放棄地、遊休農地等を活用してということですけれども、本会議での質問等もやりとりもありましたが、農地の転用をしていくことは、特区の中でということであっても、私も非常に制度上難しいのではないのかなと思います。幾ら耕作放棄地であってもしっかり農地保全をしていかなければならないという側面がありますので、農地をちゃんと整備をしていくという面と耕作放棄地への太陽光発電施設設置という両面、部長から本会議の中で答弁ありましたけども、改めて考え方を伺いたいと思います。
　それから、この取り組みには結構先進的な事例、規模は小さいけど事例があるわけなんですけども、我が会派の中に岡本委員が会長をやっているグリーンエネルギー政策研究会があり、その取り組みの中で数年前に山梨県の北杜市の視察調査をしました。北杜市にはメガソーラー実証施設もありますけども、民間で農地に個人が大型パネルをつけて設置拡大をしているという取り組みがあります。住宅用太陽光発電施設は20キロワットまでですけども、その他規模の大きいものについては自家用発電施設として500キロワットまでが認められていて、その申請をすれば個人でも500キロワットまでの規模の太陽光発電施設が設置できるということで申請をして、北杜市の各農地の中で設置されている安積発電所とか大友発電所というのがありますけども、ここへきて山梨県の農政部のほうは、この取り組みに対して農地法の違法性があるということで、この個人にいろいろ指摘をして、改善策というか、要はやめなさいよという方向で指導をしていると伺っています。やはりそういう非常に難しい事例もあるので、総合特区という形で規制緩和の可能性があるよということですけども、そのような難しい課題というところも、ちゃんといろんな取り組みを確認し、調査をしながら進めるべきではないかと思いますが、現状どのような方向で進められているのかお伺いします。

　それから最後に、我が会派の佐野愛子県議から本会議で質問をしたＬＥＤ化への補助ということで、現時点で補助をする用意はないというふうに部長のほうから回答がありましたけども、最近、市や町が率先をして街灯をＬＥＤ化しているケースがかなりふえております。街灯をＬＥＤ化ということでは、相当省エネにもなるというふうに思いますが、そういう取り組みに対する補助に対して、県としてバックアップ体制はないのか伺います。
　それと、片方で防災対応あるいは停電対応ということからして、この前の計画停電の中で東部については街灯もすべて消えてしまった、信号機も全部とまってしまったというようなことで、非常に交通あるいは道路の歩行の安全性ということからも問題ありというふうに東部地域で指摘がありましたけれども、ＬＥＤの街灯に対して太陽光パネルをつけた施設があります。そういう太陽光発電と一体となったＬＥＤ街灯というものに対して、これは太陽光発電推進という観点からすると、今回の多くの補正等での補助事業と、ある面では一体となるものではないのかなというふうに考えますので、太陽光とセットにしたＬＥＤ化ということに対して、補助の可能性があるのかないのか伺って、質問項目としては以上です。

○斎藤環境政策課長
　それでは質問にお答えします。
　まず最初の温泉熱発電でございますけども、どのぐらいの発電量が可能か、あるいはどのぐらいのイニシャルコストとかということでございますけれども、今手元にそういった情報を持ってございませんので、申しわけございませんけど、これについては後で御報告させていただきます。

　それから、次世代ネットワークの推進でございます。官民一体の研究会をつくるということで予定しているところでございますけども、どういうメンバーかということでございます。
　これにつきましては、現在検討しているところでございますけども、静岡ガスとかそういった燃料関係の事業者の方、それから電力会社の方、あと住宅ですので、ハウスメーカーとか建設関係の企業の方、それからあるいは地元の市町ですね、さらに学識経験者の方も入れていただきまして、官民一体の研究会をつくっていきたいということで考えているところでございます。今後メンバーの選考も含めまして、それぞれ準備をしていきたいというふうに考えております。

　それから、住宅間でのエネルギーネットワーク化の件でございますけれども、先ほど三島市の事例を申し上げましたけども、その他の事例があるかどうかということです。
　今のところ、具体的にここでやるという話はまだ聞いておりませんけども、三島の事例がかなり注目を集めておりまして、そういったものを今後進めていきたいというような話が静岡ガスのほうには来ているということでございます。そういった類似の取り組みが今後進むというふうに考えております。
　それから、その導入に関しての課題ということですけども、いろいろな問題がございます。例えばエネルギー類の融通になりますと、まずは電気事業法でそれぞれの住宅間での電気の融通というのは現状ではできないようになっておりますので、そういった問題。それから先ほど委員からも指摘ありましたように、蓄電池というのも非常に大きなキーになるかと思うんですけども、そういったハード面でのコストの問題です。それから、そういったネットワーク化をするとなると、それをコントロールするそれなりのコンピューターのソフトといいますかシステムが必要になってきますので、そういったシステム面での開発というのがございます。そういったさまざまな問題があろうかと思いまして、それらも含めまして今回予定をしております研究会の中で、さまざまな課題を研究していきたいというふうに考えております。

　それから次に、木質バイオマスの利用拡大の件で、木質バイオマスの活用についてくらし・環境部として何を目指しているかということでございます。この新エネルギー等導入倍増プランの中で、戦略的プロジェクトとして木質バイオマスの広域利用というのが位置づけられておりますけども、ここで言っているのは、間伐材、木材利用ということをまず考えて、その中で使えないようなものを木質バイオマスとしてチップとかペレット、こういったものにして使っていこうと。さらにそれをつくられた場所からある程度離れたところにも持っていって使うような広域的な利用をつくっていきたいと。物としましては、例えば福祉施設、宿泊施設、それから農業用のハウス、そういったところで燃料として使うということを今考えているところでございます。

　それから、耕作放棄地を活用した太陽光発電でございます。これにつきましては本会議でもいろいろと質問が出ているところでございますけども、まずは農地として復元できるところは農地として使っていただき、ただどうしても使いようがないような場所というのがございますので、そういうところについては太陽光発電として使っていく可能性があるんじゃないかというふうに考えているところであります。
　現状、農地法のいろいろな厳しい農地転用の規制がございますので、そういった意味では難しいところがあるかと思いますけども、昨年度総合特区のほうに県が提案しておりまして、それが今進んでいるところでございます。総合特別区域法案――この総合特区の法律でございますけども、これが６月22日に法案が成立いたしまして、今基本方針のパブリックコメントが行われているところでございます。これに向けて県のほうで準備を進めておりまして、８月中ぐらいには申請するというようなスケジュールになっていると聞いております。
　それに向けまして、特にその耕作放棄地の太陽光発電につきましては、経済産業部のほうで今準備が進められているというふうに考えております。

　それから最後に、本会議で佐野議員から御質問がありましたＬＥＤの補助の関係でございます。
　ＬＥＤ街灯につきましては、県の地震対策の関係で地震対策標識整備事業という事業を危機管理部で持っておりまして、これは市町が設置する避難路確保のための標識整備ということでＬＥＤ街灯も対象になっているということでございます。ですから、どこでもというわけではないんですけど、そういった避難路として使われるようなところについてはＬＥＤ街灯もこの補助金の中で役立てていただくことができるんじゃないかというふうに考えております。
　それから、太陽光発電パネルと一体となった街灯ということでございますが、これは今回の震災、あるいは計画停電を受けまして、ソーラーをつけたＬＥＤがあると非常に有効なものであるというふうには考えております。県内でもそういったのをつくっている企業があるということですから、その辺の情報をよく集めまして細かな有効性等も確認した上で、いろんなところに御紹介していきたいというふうに考えております。以上です。

○髙田（泰）委員
　御答弁ありがとうございます。
　木質バイオマスエネルギーの利活用ということで、今まで進められている端材等を使ってのペレット化、それを農業用ハウス等の暖房用エネルギーに使うとかというふうな取り組みに対しては、可能な限りどんどん推進をしていただければよろしいかというふうに思いますが、森林、林業の再生をどんどん進める、今県内の森林資源というものを活用をしていくという観点の中で出てくる端材、結果的に木質バイオマスとして活用できるものをより有効的に活用するには、まずは今電力確保という観点からは、発電施設まで目指した木質バイオマスエネルギーの活用ということを大きな目標、課題として取り組んでいただく必要があろうかと思うんです。今県内では紙パルプ関係、製紙会社等は大型の発電までできる木質バイオマスボイラーも持っていますし、聞くところによると、これからの国の政策というものがこの木質バイオマス推進ということにシフトされていくのではないかということを受けて、単独に事業としてＩＰＰ施設の一環として発電施設を設置したいというふうな事業者も出てきているように伺いますけども、そういう発電施設としての木質バイオマス推進というものへ導入促進をする考えがあるのかないのか、あわせて伺います。

　最後に先ほどちょっと確認を忘れましたけども、住宅用の太陽光発電設備の設置について、今回の補正で大きく予算化をされて、それを促進していこうということですけども、単なる補助だけだと当然設置率が多くなるとは思いますが、この10年先、前倒しで新エネルギーの導入促進をしていこうというのに、その促進という働きかけということに対しては、ＮＰＯとかあるいは設置事業者の取り組み活動というものに対して支援をしていくあるいは関係ＮＰＯを活用した住宅用太陽光発電の導入促進という活動への側面の支援ということも必要ではないのかと思いますが、住宅用太陽光発電施設の導入促進という面で、補助制度とあわせた取り組み体制の支援策、ＮＰＯあるいは設置事業者の活動等への支援策があるのかないのか伺って質問を終わります。以上です。

○斎藤環境政策課長
　木質バイオマスの発電の質問でございます。木質バイオマスの発電につきましては、これまでも幾つか県内で取り組みはございます。やはりいろいろ課題がございまして、原材料の確保のコスト面とかあるいは物が集まるかどうか、そういったいろんな課題がございます。そういった中で、現在国会のほうで審議されております再生可能エネルギーの全量買い取り制度ですね、これがもし始まりますとバイオマスも対象になりまして、そういう意味では木質バイオマス発電のコスト面での課題も相当変わっていくんじゃないかなというふうに考えております。そういう意味では今後、その辺の動向もよく注視していかなければと考えております。

　それから、住宅太陽光発電の導入促進でございますけども、これは今回の６月補正に計上させていただいておりますけども、新聞報道等でかなりたくさんの問い合わせが私どもの課のほうに来ております。個人の住宅の方、それから建設事業者の方々、相当な数の問い合わせが来ておりまして、そういう意味では非常に関心を集めておりまして、皆さんもこれに注目されていると思っております。ただ、いずれにしましても１万件という目標を掲げておりますので、これを達成するためにはより一層の働きかけといいますか、ＰＲ、広報が必要でございまして、そういう意味ではいろんな設置事業者の皆さんへの説明会というのも今後予定をしておりますし、さまざまな環境ＮＰＯ等で新エネルギーとかに取り組んでいらっしゃるところがございますので、そういうところに協力をお願いしまして、この制度の普及、広報をお願いしていきたいというふうに考えております。以上です。

○小長井委員長
　ここで私からお願いをいたします。
　各委員は一問一答方式ではなく、質問項目を整理して質問をしていただくようにお願いいたします。
　また、答弁される当局側の皆さんも、要領よく、簡潔明瞭にお願いをいたします。
　では発言をお願いいたします。

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