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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成20年6月定例会県民委員会 質疑・質問
質疑・質問者:藤田 寛 議員
質疑・質問日:07/03/2008
会派名:平成21


○植松委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
 質問等を継続します。よろしくお願いします。

○藤田委員
 指名をいただきましたので、質問いたします。
 私も長いこと県庁に通ってますが、まだまだわからないことばかりで、もし粗相がありましたら、お許しいただけるように冒頭にお願い申し上げておきます。
 きょうは課題を絞り込んで4項目、私学振興、プロジェクト「TOUKAI―0」、それからSPAC、県営住宅、以上4項目について質問を申し上げます。
 まず、私学振興ですが、18年度の補助金の決算資料を作成していただきました。本県全体で補助金支出額は740億円ほど、そのうち県民部関係が245億円で約33%、もちろん支出額は他の部局よりぬきんでて県民部がトップであります。
 その245億の中のほぼ220億、これが私学振興にかかわる助成でございまして、いかほどにこの220億の私学振興助成が県の財政の中で大きなウエートを占めているかということをおわかりいただけるんじゃないかなというふうに思います。
 お金の話だけじゃなくて、公私の児童生徒の比率も調べていただいたところ、高校生に至っては3人に1人、幼稚園児においては3人に2人が私学のお世話になっているわけでありまして、したがって、このたびその重大性にかんがみて、私学の振興のことについて伺いたいと思った次第であります。
 そこで質問の1点目ですが、大変残念な事態が惹起をいたしました。新聞をにぎわせることになったわけですが、藤枝明誠高校における受験料の肩がわりともとられかねない事態が発生をいたしました。振り返ってみますと、昨年度、同じようなことが報道されていました。学校が受験料の負担をして、本来の本人の受験意思とは違う大学を受験させた高校が3校、生徒の数にして56名いらっしゃったという事態があったわけです。
 そこで、昨年6月の委員会でどのようにその事柄についてのやりとりがされたのかをひもといてみました。当時の答弁の内容をかいつまんで申し上げます。問題点は何なのか、そうした問いに対して2つあると。1つは入学意思のない者が合格をするということは、一方で入学意思のある多くの不合格者を生み出してしまう事態を招きかねない。2つ、高校から公表されるであろう合格実績データが事実とは相違をして、子供、保護者から過大評価されてしまう懸念がある。この2つを昨年の6月の委員会で答弁をされたわけです。その答弁の中で、私学協会に対して学校側が受験料を負担することは自粛するよう、合格実績の公表は正確な表記とするよう各校に私学協会を通じて通知をしてございますということが表明がされたわけです。
 ところが、この3校の中の同じ当該校において、今年の春の入試でも肩がわりとの疑念さえも抱かざるを得ない事態が発生したのでありまして、私は大変ゆゆしき事柄だと思うわけであります。
 したがって、私立高校の大学受験料肩がわりと思われる今回の事態の事実経過を説明をいただきたい。事実経過の説明に当たっては、当該校の見解、県の対応、それから私学協会の見解、対応、この3つの視点から時系列的に事実経過の御説明をお願いをしたいと思うのであります。

 2つ目、1点目の県の対応とも不離一体になるわけですが、述べられるであろう事実経過に照らしたときに、指導監督する立場である県としての改善点とか是正点があると判断されるとするならば、具体的に改善点、是正点とはどんなことが想起されるのかを2点目に教えていただきたいと思います。

 私学の2つ目の項目は、耐震化のことについて伺うものであります。
 せんだっても文部科学省の発表がありました。その中で本県における公立小中学校の耐震化率は86%、県立高校は83%、幼稚園は86%。ちなみに幼稚園は全国1位の耐震化率等々の公表がありました。私は同じように校舎の中で暮らす私学の児童生徒、幼稚園児等も同じように来る切迫する東海大地震を考えた場合には、校舎、園舎等の耐震化を精力的に進めるべきだと思う次第であります。
 そこでいろいろ調べてみましたが、例えば、私学振興室でやっている私立学校地震対策緊急整備事業費助成の19年度の予算額は3億円でした。本年度は2億8000万円で2000万円の減額で、今少し言うとこの地震対策緊急整備事業は、最も多いときには14年度で4億3000万円という実績もありました。
 そういうことを考え合わせると、公私の分け隔てなく進められるべき耐震化事業が、いささか私立学校の場合には若干遅延の嫌いが免れないと私は思うわけであります。したがって、この際、耐震化工事の前提となる耐震化計画の策定状況、耐震診断の実施率、それから実際に耐震工事がされていない建物は何棟あるのか。耐震工事がされていない建物を耐震補強を施すとなると事業費レベルでどの程度の必要額が想定されるのか。最後に、私立高校における耐震化率を教えていただきたいと思います。

 それから3点目は、私立学校における学校評価の実施状況について教えていただきたいと思うのであります。
 きょうは持参しましたが、これは教育委員会で出している学校評価の言うならばガイドラインであります。詳細に解説をするまでもなく、私学に対して公立のほうが学校評価は先行しています。私学はどういう状態にあるかというと、業務棚卸表をひもとくと、もちろん私学における学校評価は努力義務ではありますが、20年度までの完全実施を要請をしてきましたと業務棚卸表でコメントされています。となりますと、本年度が最後ということになるわけでございますが、自己評価、外部評価は問いません。私学における学校評価の実施状況は、現状どのようになっているのか、伺うものであります。あわせて20年度までの完全実施を要請してきたわけですので、20年度までの完全実施の見込みをどのようにとらえられているのかを伺うものであります。

 4点目、これは私もかねてから心配しているわけですが、私学の教職員の皆さんの退職金。財団をつくって、各私学が教職員の皆さんから納付された負担金をその財団に集め、県がそこに基金の補てんをして、毎年退職者に対して退職金を支給をしているわけですが、バックデータをいろいろ調べましたところ、退職基金造成への本県の補助金額は、9年連続して定額で5億560万円であります。他県においては定額ではなくて、定率というところもあって、平成17年の11月のデータですが47分の43が定率、定額補助は本県、大阪、和歌山、石川の4府県のみであります。
 そもそも定額が適切なのかという議論と、9年間定額っていうのは、実態がどれほど投影、反映されているのか、素人なりにも疑問を感ぜざるを得ません。
 そこで、社団法人静岡県私学退職金社団の収支報告書を取り寄せてみました。したらば、平成12年度から毎年赤字です、2億1000万円の赤字。12年度から入ってきた負担金とか県の補助金に対して、出ていく退職金のほうが多い、支給額のほうが。12年度から連続して赤字です。これはもうだれしもが等しくあるべきで、私学で懸命に努力されている教職員の皆さんの退職金の支給は、将来にわたって大丈夫なんだろうかとの心配の念にかられるのは当然であります。
 そこでお伺いしますが、改めて私の受けとめ、解釈が間違っていてはいけませんので、私学退職金社団の単年度収支の推移、それから基金残高の推移。それから2つ目、県が補助金を5億円余を支出するわけですので、当該団体のほうが確固たる将来推計をベースにした基金の健全化計画的なものを策定をすることが、補助受給団体としての私は前提条件ではないかなと思います。そうした将来推計さえもせずに場当たり的というと大変気の毒なものになりますが、単年度単年度のその場しのぎ、急場しのぎでは、公費を補助するにはいささか不備だと私は思います。
 したがって、当該社団のほうでのそうした計画の策定とか、どういう努力をなさっているのかを2つ目に伺うものであります。

 それから、私学の最後です。これも補助金絡みですが、もう1つ合点がいかない補助金があります。私立学校団体運営費助成、助成の目的は、私学教育の振興を図るため、私学団体の事務費に対して助成をしています、という補助金です。私学団体は私学教育振興会、私立幼稚園振興協会、専修学校各種学校教育振興会の3団体。これまた3団体に一律90万円、長きにわたって、9年間にわたって同額補助が継続されている、9年間で3団体ともに90万円ずつ、全体額で270万円継続されてきている。
 そこで3団体っていうのはどういう団体かを調べてみると、3団体ごとに一般管理費というのは当然あります。事務局の管理費です。私学教育振興会の1年間の一般管理費、約3000万円。専修学校各種学校教育振興会の1年間の一般管理費、約900万円。3倍以上私学教育振興会のほうが、一般管理費がかかってるわけです。私学団体等十把一からげにして90万円ずつ定額で払っているけれども、事務量では一般管理費を見ただけでも、多分3倍あるということがわかります。
 そう考えていくと、先ほどの退職基金の造成と一緒ですが、定額で9年間同額で補助金を支給するっていうことがまず1つは疑問を感ぜざるを得ません。
 それから2つ目、一般管理費で1対3の格差がある団体に対して定額の補助をするっていうことの算出根拠がわからない。
 3つ目、私学教育振興会は3000万円ほど年間一般管理費がかかっているわけですが、3000万円かかる一般管理費の中に90万の補助金いただいて、どれほどの補助効果があるのか。これまた私の頭じゃわからない。以上3点教えていただきたい。

 それから、「TOUKAI―0」。これももう本会議上、委員会上、それから今までの歴史の中でも幾多の議論がされてまいりました。1つ目に率直に伺います。耐震診断が5万1821戸、耐震計画が8,732戸、耐震補強工事は19年度末で7,793戸。耐震診断をやって耐震補強工事に至ったのは15%。これが19年度末の実績であります。
 先ほど6番委員も研究されていましたが、ちょっと振り返ってみると、私は県庁に来て、一番知事の言葉で耳についたのは、行政の生産性の向上っていう言葉でした。製造工場とかいわゆる産業分野で生産性っていう言葉は聞きなれてましたが、行政における生産性の向上って何なんだろうって、ちょっとカルチャーショックを受けたことを今も覚えています。
 それが幾多の変遷を経て、元総務部の方もいらっしゃるので恥ずかしい限りですが、業務棚卸表に結実をして、PDCAに結実をし、最終的には新公共経営が本県行政運営のまさに指針として今扱われているわけです。ここに異論を挟む余地はありません。ただ、1年間の作戦指令書である業務棚卸表がどの程度機能しているのか。あるいはPDCAサイクルが常に執行部の各部局漏れなく念頭に置かれて実践されているのかは、まだまだ点検評価の余地が私は大だと思います。
 そういう意味で「TOUKAI―0」事業はまさしくPDCAサイクルにのっとって、検証を評価しなければならない。それでないと、後ほど申し上げますが、21年度以降の計画が実り多いものにならないと私は思いますので、1つ目にまず伺いますが、耐震補強工事を20年度末までに1万戸実施、この政策目標達成はなかなか困難のようであります。したがってお聞きしますが、なぜ平成14年度から始まった耐震補強工事は県の思惑どおり進捗しなかったんでしょうか。なぜ耐震補強工事は進まなかったのか、率直に素朴に伺いたい。
 県が示している資料によりますと、これは先んじて答えやすくするために申し上げますが、工事費の高さ、それから補強工法のバリエーションの不足、それから県民の認識不足、この3つが耐震改修が思ったほど進捗しない理由ではないかと、執行部の側では分析をされているようです。
 したがって、なぜ進まなかったかというと、余りにも抽象的な設問ですので、この3つの観点でどのような課題を残しているのかを伺うものであります。

 それから、「TOUKAI―0」の2つ目です。4年ほど前でした。県においては県の職員を対象にして、耐震診断しましたか、耐震診断をやった皆さんは耐震補強工事を済ませましたかというアンケートをしたことがありました。
 ちなみに旧耐震基準、昭和56年以前の木造住宅にお住まいの県の職員は約1,000名、4年前のアンケートでいらっしゃるということが判明した。そのうち耐震診断をなさった方が約3割。そのうちでまた補強工事に至った人は3割の中の2割という、私の評価で言わせてもらうと、本家本元の県民に呼びかけるべき県職員において残念な数字だと私は受けとめました。
 そこで伺います。4年ほどたったわけですが、耐震診断、耐震補強工事について、県の職員の皆さん1,000名の中ではどの程度進捗をしたのかをお教えをいただきたいと思います。

 それから次、3点目。この間の頻発した地震の教訓を振り返ってみますと、いわゆる災害弱者、わけても高齢者が罹災、被災している例が多数散見されます。
 そこで、私は後ほど申し上げますが、投網を打つような耐震化対策も必要でしょうけれども、ある程度選択と集中、優先度を加味した耐震化も事ここに及んでは念頭に置くべきではないかなと思うんです。優先度を加味するとすれば、それはおのずと災害弱者、高齢者住宅、わけても単身高齢者世帯、そこが最も発災したときにさまざまな面で困難に遭遇するんだろうなと私は想像いたします。
 したがって、高齢者住宅に絞ってお聞きをするわけですが、16年度から始めた30万円プラス20万円、プラスは県が10万円、市町が10万円の高齢者等割り増し制度。16年度に始めたときに私は今も覚えていますが、大ヒット策でした。つまり呼び水になったわけです。旧来の耐震補強工事をやったペースにまさに数字で言えば4割増しぐらいで実施の上乗せがされてきたわけです。
 したがって、すぐれたグッドアイデアだった高齢者等割り増し制度が16年度から始まっていますが、19年度末の決算値までで結構です、その後どの程度成果を上げていらっしゃるのかを1点目に伺うものであります。

 それから2つ目、補助の1階部分が県の30万円、2階部分が高齢者割り増しの20万、そうすると3階部分は市町単独の上乗せということになるんでしょう。3階部分は20年度からは20市町で始まりました。ところが、いただいたペーパーの木造住宅の耐震補強助成制度の中の4項、今年度上乗せ助成を強く働きかけていく主な市町。「主な」ですから、期待をされていない町もいくんでしょうけども、政令市が1つ、財政力のある市、それから3番目に東伊豆町、函南町、新居町と記載があります。
 私はそこではたと思うわけですが、この資料を見て、この表を見て一目瞭然でした。例えば、耐震診断をやって、耐震補強工事に至るには、耐震補強計画をつくらなくちゃいけない。ところが、耐震補強計画の策定に対して、いまだそれが制度化されていないところが、これによれば、西伊豆町、東伊豆町、南伊豆町と3町ある。それから、私が今例示した高齢者割り増しも制度化していないところが3つある。河津町、西伊豆町、南伊豆町。それから市町の単独上乗せ、3階部分をしていないところ、今言ったところにこれをかぶせると、補強計画の制度も制度化していないよ、高齢者割り増しもしていないよ、単独上乗せもしていないよっていうのが、2つあるわけです、西伊豆町と南伊豆町です。間違いないですね。
 私は考えて、厚生部から資料をいただきました。西伊豆町と南伊豆町の高齢化率。高齢化率が高ければ、比較的高齢者世帯が多い、高齢者がお住まいの住宅が多いと考えるのが一般的です。西伊豆の高齢化率は38%、全県の中の第2位です、高いほうから。南伊豆が35%、4位です。高齢化率が2位と4位の町が高齢者の割り増しはないよ、補強計画の助成はないよ、3階部分の単独助成もしてないよと、これは私はね、大変ゆゆしき現実と思うのであります。
 したがって、このペーパーにないからっていうことを言っているんじゃないですけれども、そうしたトータルパッケージとして考えて、少しおざなりになっているところがあるんではないかなと感じますので、高齢者住宅にかかわって、2つ目、例示をしたような町に対する働きかけをいかようにされていくのか、伺うものであります。

 それから4点目、本年度から市町が実施をする個別訪問事業。これに対して470万ほど予算化をされているわけです。私もかねてよりローラー作戦しかないと。広報物とかチラシとかあるいは市町経由の啓蒙啓発活動ではだめだと。個別訪問を中心としたローラー作戦で耐震診断、耐震補強をもっと呼びかけたらどうだということを申し上げてきましたけども、市町が専門家を派遣して直接訪問、個別訪問してくれることに対して、県も助成をするということで、大変心強く思っているわけですが、さて、市町でのこの相談事業の実施予定は現状どのようになっているのかを教えていただきたいと思います。

 それから、「TOUKAI―0」の最後ですが、一応20年度で現在の計画は完結をすることになります。したがって、21年度以降のありようについて本年度中に議論をし、結論を出していただかなければならないわけでして、そのことにかかわって数点伺いたいと思うのであります。
 まず、耐震補強工事が思うほど進まなかったのはなぜかというのは、先ほど聞きました。しかしながら、その他方で成果もあるだろうと思います。それは、この概要の中に出てきますが、旧耐震基準で建てられた木造住宅は県内に38万戸あります。そのうち安全と見込まれるのが6万戸、つまり残りの32万戸が危険だと思われているわけです。
 この32万戸を27年度末を目標として今「TOUKAI―0」等事業を進めているわけですが、32万戸の中の18万戸ぐらいは新築してくれるだろうというのが、この建てかえ促進というところだと思います。その横の補強促進が4万戸、これは補助に頼ろうが自力だろうが、ともかく筋交いを入れたり、耐震補強工事をやってくれるでしょうという見込みだと思います。
 そこで伺いたいわけですけども、19年度末で捕捉されていらっしゃる、資料の言葉で言うと建てかえ促進、つまり建てかえ、新築は18万戸中どのぐらい進捗したんでしょうか。それから、補強促進の中の4万戸の中で1万戸弱は本年度末までに補助制度に基づいての耐震補強が行われることになるだろうと思いますが、残りの3万戸の中で、自力で耐震補強が施工されたと思われる戸数はどのぐらいあるんでしょうか。公的補助に頼らない建てかえと自力の耐震補強工事の実績、これを1点目に示していただきたいと思います。

 それから住宅の耐震化率は、平成27年度末に90%が目標値であります。ちょっと振り返ってみますと、15年度に総務省が関係調査を行いました。その際判明した静岡県の住宅の耐震化率は72.9%と承知をしています。18年の10月に本県は耐震改修促進計画をつくったわけですが、その中に記載がございました。17年度末の本県の耐震化率は15年度の総務省の調査結果と同じ72.9%と書かれていました。15年度と17年度は同数字でありました。18年度版の業務棚卸表を見ましたところ、約77%と推計と記載がありました。
 最後です、去年の6月のこの委員会で当時の担当室長の答弁によれば、20年度には本県の住宅の耐震化率は80%を超すでしょうとお述べになっていらっしゃる。そうすると、15年度の72.9%から20年度に至る間で約7%ほど耐震化率が向上したということが、業務棚卸表、委員会の答弁あるいは調査等で読み取れるわけです。
 そこで伺いたいわけですが、推計でも結構です。総務省の20年度の調査が行われない限り正確な数値は出ないでしょうから。業務棚卸表でも推計なさってる、去年も委員会で答弁なさってる、推計で結構です、住宅の耐震化率についてお教えをいただきたいと思います。
 それから、21年度以降の手だてを考えるときの対象を確認したいんですけれども、先ほど申し上げたように、この資料によるところの補強促進の4万戸から20年度末の補助によって施工された戸数を減じて、なおかつ自力で補強した戸数を減じれば21年度以降の耐震補強工事の対象戸数が判明するという理解でよろしいんでしょうか。そこを教えていただきたいと思います。

○内山私学振興室長
 まず、第1点目の御質問で、藤枝明誠高校の受験料肩がわりについて、新聞記事の事実経過の説明ということですけども、まず、当該校の説明でございます。
 19年度中には、問題が発生した学校が3校ありましたけども、優秀な子の受験料を学校で負担しまして、複数の大学を受けさせて合格実績をつくるというふうな事実がありました。
 これにつきまして、平成19年度、私立学校の上部団体の日本私立中学高等学校連合会で、学校の負担で受験することにつきましては自粛するというのが第1点。それから、もう1つは、合格実績データの公表に当たりましては、中学生が高等学校を選ぶときに必要十分なデータとなるように、公表の仕方を考えるという2つの申し合わせをしました。
 県の私学協会としても、全国の申し合わせを各学校に対して通知をしまして、それをやっていきましょうということになっていました。残念ながら藤枝明誠高校におきましては、それが今回、新聞報道でされましたように、受験料の学校負担と疑われるような事案が発生したわけです。
 学校がどう説明しているかということですけれども、直接生徒に頼んで学校が受験料を肩がわりするということはやめましたと説明しています。しかしながら、私学の高等学校に入ってくる子供たちは、3年間あるうちにいろんなことで頑張る子がいます。入ってくるときには大した成績じゃなかったのに、卒業するときは物すごいいい成績で頑張ったという子、あるいはスポーツで非常に優秀な成績を修めたということを学校の先生がほめたと、精励するいうことで、精励スカラシップ制度っていうものを新たに設けました。その中で今回何名かの大学進学の実績をつくった子に対しまして、理事長が奨励金という形で個々の生徒に対しましてお金を渡しているわけですけども、それにつきましては、非常に誤解を招く制度でもあるので、非常に申しわけなかったというふうな考え方を述べています。
 今後、その精励スカラシップ制度の運営に当たりましては、どういった場合に奨励制度を適用していくのか透明性を確保したような形での運営をしていきたいというふうなことを述べています。
 県の見解ですけども、全国的にもそうですけれども、私学協会の申し合わせしたことはきちっと疑われることのないように守っていってもらいたいとそういうふうに思っています。当然、今回のスカラシップ制度においても、やはりきちっと説明責任や透明性を確保した形の運営が望ましいですねというふうなことは、直接、校長先生、それから事務長にも伝えております。
 それから、私学協会の対応ですけれども、実は藤枝明誠高校の対応は非常に早くて、私学協会の各理事の先生方が集まる機会がないというのが現実でしたが、藤枝明誠高校から私学協会の会長あてに今回の経過ということで文書でもって、先ほど申しました学校の見解が届けられております。
 今月、開かれる私学協会の理事会の中で、最終的には藤枝明誠高校の理事長のほうから具体的な説明があろうかというふうに思っております。

 それから、2点目の学校耐震化の件です。
 各校におきます耐震診断の実施率でございますが、小中高で耐震診断については87.2%、幼稚園で87.6%となっております。それから、耐震工事がされてない建物は何棟かということですけども、小中高等学校で74棟、幼稚園で108棟であります。
 それから耐震診断率ですけども、小中高等学校は、通常私学の場合は1つの学校として、全部入っちゃうもんですから、1つしか数字がないんですけれども、小中高等学校で79.9%、幼稚園が79.6%です。
 それから、事業費レベルで今後どのぐらい事業量が見込めるかということなんですけど、これにつきましては、補助金ベースの数字でよろしいですか。全体の事業費をつかんでおりませんもんですから。今ある補助制度をベースにしまして、見込みですけども、小中高等学校で補助金ベースで13億2000万円程度、それから幼稚園におきましては9億4000万円程度が補助金ベースで必要かなと。
 それから、もう1つ耐震化計画の策定状況ということですけど、毎年、私どもが各学校、それから幼稚園の実態調査を設けますけども、そのときに具体的な耐震計画をおつくりくださいというふうな要請もしています。
 今現在、具体的な策定状況はすべてされているかというと、必ずしもそうではないかと思います。ですので、早期に作成してくださいと連絡している段階です。

 それから、3点目の学校評価の点ですが、学校評価につきましては今回、理念では学校評価は奨励レベルの話だったんですけど、今回の学校教育法の改正で法定化されました。
 法定化される以前から、県では3カ年計画ということで、議員御指摘の20年度までに学校評価を完成段階までもっていきたいということで、各学校に対応のほうを強く要請してまいりました。
 自己評価ですけれども、19年12月に調べたんですけれども、幼稚園は231園中194園で実施率は84%、小学校4校中2校で50%、中学校23校中16校で70%、高等学校43校中31校で72%が自己評価を実施しています。段階を追って学校関係者評価とか外部アンケート調査等ありますけども、それにつきましては若干実施している状況があります。
 20年度に一応県として、3カ年計画で完全実施にもってきたいというふうに思っていることは、今も思っています。それに向けまして、各学校に着実な取り組みを促していきたいというふうに思っております。

 それから、私学の退職金社団等の状況ですけども、まず単年度の収支の推移がどうかということでございますが、基金残高の推移から申し上げます。問題となっているのが小中高等学校だと思いますので、小中高等学校につきまして申し上げます。
 15年度末の残高でございますが、基金残高72億5000万円、16年度末が67億2700万円、17年度末が65億700万円、18年度末が66億3000万円、19年度末が67億4600万円ということで、一時大分減少してきたのが、最近におきましては少しですけれども、基金残高が持ち直しているというふうな傾向があります。
 それから、県が補助金を支出するんだけど、当該団体にも努力してもらわないと困るんじゃないかというふうな点でございます。
 実はこれにつきまして、私学退職金社団ですけども、16年度に健全化計画というのをつくっております。中身ですけれども、これは各学校に負担していただく負担金を16年度の1000分の69から22年度までに1000分の99まで引き上げるということで現在取り組んでおります。
 それともう1点、退職金の交付乗率の引き下げを行っております。平成25年度までに20%削減して、さらに平成30年度までに30%削減するという内容で、現在進めております。
 それから、単年度収支の御質問で、収入計と退職金の支払い額という形でよろしいでしょうか。最初に3カ年から言いますと、17年度収入計が11億300万円、退職支払い額が13億400万円、18年度は収入計ですけども12億4900万円、退職金支払い金が12億2800万円、19年度収入計が12億100万円、退職金支払い額が11億500万円になっております。

 最後の私立学校助成団体運営費の点でございます。
 確かに議員御指摘のとおり、私学3団体それぞれ一般管理費、事務費の内容も違いますことから、歳出ベースの金額も違っておるということです。
 しかし、へ理屈かもしれませんけども、1人の人がどれだけの事務を行うかということにつきましては、一般管理費費の額はそんなに大きく違わないだろうというふうに思います。したがって、各団体に90万円ということで、統一をとってやってきているといったことでございます。
 一般管理費の算出根拠ですけれども、実は毎年、私学3団体がそろいまして、要望書を出してまいります。その要望がその金額でなされていることがありまして、その金額になってこようかと思います。
 あと1つ、一般管理費の3000万円に対しまして、90万円っていうのは補助効果があるのかということですけれども、やはり90万円でも少しは人件費の補てんにはなるのかなというふうに思っております。以上です。

○西谷建築安全推進室長
 まず、第1点目でございますけども、「TOUKAI―0」についてなぜ進まなかったかという中で、工事費の関係あるいは工法の関係あるいは県民の認識不足と、こういったことがあるんじゃないかということでございました。
 アンケート等もやりまして、そういった中でもやはり補強工事をやらない方の1番の理由としましては、資金関係が問題だという方が40.1%、あるいは建てかえ、耐震補強の予定があるという方が22.7%、補強方法等の情報不足が13.7%というようなことがございます。
 そういう意味で、やはりPRそのものも不足をしているのかなというようなことも現在反省をしているところでございますけども、広報関係等につきましては、関係団体の皆さんにも協力をしてもらいました。特に耐震化を推進するに当たっては補助金だけでなくて、マンパワーといいますか、人づくりといいますか、そういったことも必要だろうというようなことから、耐震診断補強相談士という――これは建築士の関係の皆さんでございますけども――県民からの相談にのってもらう方を育成しています。あるいは住宅を直したいというようなことで、リフォーム関係の問題もございますので、そういったものの受け皿として、大工だとか工務店といった住宅を直したいという皆さんには、そのための研修を受けていただいて、今後の県民の皆さんから相談があった場合に安価な工法等についてもPRをしていただくというようなことのお願いもしてまいりました。
 工事費の関係につきましては、現在180万円ほど平均工事費がかかっております。特に新潟中越沖地震等の関係から、今まで補強をやってこなかった住宅で大規模に屋根をふきかえてしまうだとか、基礎を大きく補強するとか、そういったのがちょっとふえてまいりましたので、工事費が少し昨年よりも上がりましたけれども、今平均は180万円ほどでございます。ただ、平均的な工事費としますと150万円以下の方が約半数というような状況でございます。

 それから、2点目の職員を対象にしたアンケートで、お話にありました4年前のアンケートの結果でございますけども、確かに診断の関係としますと、実施率につきましては平成16年は30.9%でございましたけど、今回20年の1月17日から職員へのアンケートをやった結果、これにつきましては、少しポイントが上がって34.8%ということで、3.9ポイントほど上がっております。
 それから、補強関係の実施率でございますけども、これにつきましては調査時点よりも大きく増加をしまして18.8%だったものが41%ということで、補強される職員が22.2ポイントふえたという状況でございます。

 それから3点目の地震の教訓から、委員が御心配されている単身高齢者などの関係でございます。これにつきましては16年度から事業をスタートさせました。
 これも全国に先駆けてやった結果でございますけども、それにつきましては開始をした16年度は割り増しを受けている方が38%でございました。それが徐々にではございますけど、上がってきてまいりまして、昨年度では41%の方が利用されてるということで、高い利用率になっております。

 それから、高齢者割り増しあるいは補強計画策定に関して、まだ伊豆地域の3町等において、助成制度を設けていないということでございました。まさにこれも御指摘されるとおりでございまして、特に高齢者等については、ぜひこれはやってもらわにゃいかんというふうに思っておりまして、過去何回もこれについては割り増し制度を設けるようにということでトップセールスをやってきてもおりますし、これにつきましては引き続き県下のすべてのところで取り組まれるように、これは強く働きかけをしていきたいなと思っております。

 それから、個別訪問事業の関係、ローラー作戦のことでございますけども、確かにおっしゃるように待ちの姿勢でいては事業は進みません。
 ですから、積極的に我々行政側から県民の皆さんのところに出かけていって、働きかけをするということは本当に大事なことだと思っております。
 既に市町においてもこういったローラー作戦だとかあるいは個別訪問するということは既にやっております。しかしながら、職員自身がほかの仕事を抱えている中で、そういったことをするのはなかなかちょっと難しいというような市町村からの声もございましたので、今年度から新規事業として専門家を派遣するに当たっての費用について、県が助成をするという形を設けました。
 若干これにつきましては反省もしておりますし、PR不足の点もございまして、市町につきましても、今後の補正予算で対応するとして、現在聞いているところでは、焼津市でこの制度を使いたいというようなことが入っております。

 それから、21年度の取り組みの関係でございますが、それに関係をして19年度末での建てかえはどのぐらい進んだのか。32万棟の危険とされる住宅に関してどうなっているのかという点でございますけども、これにつきましては、私どもとしましてはやはり5年に一遍の住宅・土地統計調査ということになりますと、その間はどう捕捉するんだということがございますので、前回の調査のときに、自前で補強される方、あるいは危険な住宅から建てかえをされる方、これが年間どれぐらいあるだろうかということで、これをデータから推計をしますと、年間の建てかえにつきましては1万5000戸、補強工事につきましては自前でやる方も含めましてですけど、年3,000戸となっています。
 そういうようなことを算出しましたので、それから推計をしますと、それ以降、建てかえに関しては6万戸、補強につきましては1万2000戸ということで約7万戸が耐震化が進んだというふうに推計をしております。

 それから、耐震化率でございますけども、今私が申し上げましたように、年間のそういったものから推計をしますと、19年度末では79%というふうに算出をしております。
 それから4万戸の補強をやるのが27年度末までですね、90%の目標達成のために。そう見込んでおります。
 これもこれまでのそういったデータ等からしますと、補強全体の中で5割ちょっとですけども、現時点で56%なんですが、今後のことを考えますと約半分――4万戸のうち2万戸の方が補助を使われるというふうに推計をしておりますので、今年度まで1万戸ということでございますので、あと残りに関して1万戸ということになるわけでございますけども、これにつきましては、来年度以降の新たな支援策、こういったものも今年度に検討してまいりますので、今後も1万戸でいくのかも含めて、新たな目標設定については検討していきたいと考えております。以上でございます。

○藤田委員
 お答えをいただきましたので、一部再質問をいたします。
 まず、藤枝明誠高校の件ですが、事実経過の説明について、私は丁寧な説明をいただいたとは思えませんでした。指導監督をし、200億円という多額の公金を支出している関係団体協会のたった1個の不祥事とはいえ、指導監督者としての責を免れるものではないと思います。そうした基本的なスタンスからかんがみると、事実経過の説明を求めたわけですが、いささか丁寧さに欠けて、全貌を知り得ることはできませんでした。そのことは意見として申し上げておきたいと思います。
 とりわけ、これは再質問させていただきますが、県は昨年の2つの申し合わせに違反をすると認識をしたということを述べられました。当該校はおわび申し上げると、内山室長の説明によればそうでありました。
 そうしたことを参酌をすると、改善点と是正点があるとするならば何でしょうと問うたわけですが、特別かかる事態を二度と招来させないための改善点、是正点が伝わってこなかったわけですけれども、どのように改善、是正をお考えなのかを明確にしていただきたいと思うのであります。

 それから、再質問の2つ目。ペナルティーっていうのはどのような場合に発動されるんでしょうか。
 2年連続、保護者、生徒の信頼を裏切る、ひいては私学全体のイメージダウンを招来しかねない。私は本県教育の一翼を担っていただいている私学は、建学の精神を大切にしながらも経営的にもそれから教育実践面においても健全にその使命を果たしていっていただきたいと考えていますが、ほんの一握りの誤解を招くような学校の不始末が全体のイメージダウンに及びかねない、そういうことを考え合わせると、当該校に対してということではなくて、それなりのペナルティーっていうものも今現在、県はお持ちでしょうけれども、どんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、2点目に伺っておきたい。

 それから3点目、悉皆調査の必要性はないでしょうか。わけても残りの2校は大丈夫でしょうか。
 発覚したからということだけではなくて、もしかしたら、万に一つ、奨学金の名目で金銭が支給されているという事態がないか。当該校に限らないことかもしれません。
 悉皆までいかないにしても、私学協会等の協力も仰ぎながら、毎年現地調査をやっていらっしゃる私学振興室ですが、藤枝明誠高校のこの事態は発覚するまでわからなかったわけです。事前に予防できなかったんでしょう。結果的にそう言わざるを得ません。奨学金に基づく金銭の支給、先ほど内山室長が奨励金という言葉を使われて、また意味が違うのかなと思ってこっちは首をひねったわけですが、そういう現実、実態が他校にはないのかどうなのか、この際、調査をしてみる必要があるんじゃないかと思うんだけども、3点目に伺っておきたいと思います。

 それから、耐震化の問題については、補助金ベースで13億円、幼稚園が9億4000万円ですから、前倒しも含めて私学自身の経営環境もあるでしょうけれども、もっともっと能動的に具体的な数値としての成果を上げるべく要請をしていただきたい。引き続き懸命に要請するという観念的、精神的なものは、私はもう結構です。PDCAサイクルは数値となって成果が生まれないことには機能しません。それは要望で結構です。

 それから、私立学校団体運営費の補助金の関係です。
 総務部の経験者もいらっしゃいますが、かつて静岡県は補助金の見直しというもので全体に対して網をかけて行ったことがありました。
 その中の1つに、零細、少額補助金、あるいは長期に及ぶ補助金というメニューがありました。そうですよね、丸山理事。90万円というのは当時の方程式に基づけば、間違いなく少額、零細補助金です。長期に及ぶっていうのはどのぐらいの単位で当時論じられたかというと10年でした。9年と10年で1年まだあるじゃないかって言うかもしれませんが、少額にして長期です、この事務費のほうは。3000万円の中の90万円でもそれなりの効果がありますとのたまわられたのでは、これ以上ちょっと何を言ったらいいのか、いささか言葉を探すのに大変ですけれども、もう少し総務部の示した指針に忠実に補助金の見直しを、常にシビアにしていただけたらと思うんですが、これは私学全体の経常費のことにもつながることにもなりかねませんので、文化学術局長殿にお考えを伺いたいと思います。

 時間がありませんから、「TOUKAI―0」のほうに行きますけれども、今年1月の県職員のアンケートです。委員長、これは後ほど資料でいただきたい。

○植松委員長
 資料で提出をお願いしたいと思います。

○藤田委員
 それから、なぜ耐震補強工事が進まなかったのか。県民の認識不足という原因の1つは反省をしています。工事費の高さ、工法のバリエーション、これは建築士初め関係団体の云々、これでは私はね、耐震工事の実績は上がらないと思います。
 そういうレベルの話はもう14年度からわかりきっていることです。あるいは、例えば1万戸を20年度っていうのは、当時引き延ばしたんですよね。当時は5年計画でした。到底これは1万戸はいかないぞと。延伸して20年度末にしたんですよ、御承知だと思いますが。当初から20年度末で1万戸じゃなかったんですよ。だから、モデルチェンジだとか改良を加えながら、耐震補強工事の促進をやってきたわけです。
 この期に及んで、単に反省してますと関係団体のお仕事ですと、これではね、第2次――21年度以降の計画が懸念されていたし方ない。建築住宅局長に考えを伺いたいと思います。

 それと、高齢者住宅の先ほど失礼ながら例示させてもらった2町、今後も強力に要請していきますというどまりでは、これも成果は上がらない。この2町の場合は何が障害になって、何が課題になっているのか。多分、察するところ財政だと思います。
 だったら、そういう個別の固有の課題について手だてを打たなければ、いつまでもこの2町の場合は、高齢化率が県平均よりも10%以上高いのに、進まないと思いますよ。県の仕事として知事は2つ言っていますよ。全県統一してやったほうが効率的なことは県が指導してやりましょうと。もう1つは41の市町の中で、自力でできないことについては県がサポートしましょうと、この2つです。
 自力でできないとすれば、手だてを考えなくちゃいけない。西伊豆町、南伊豆町、ぜひそういう見地で今一度お答えをいただきたいと思います。

 それから、SPACのことについて、私からも少し伺いたいと思うんです。
 この文化振興計画を熟読をさせていただきました。この文化振興計画と本県が目指している文化施策の整合性について伺いたいわけです。
 この文化振興計画の2ページに県の役割が書かれている。文化活動の主役は県民だ。県は県民の自主性が尊重されることを大切にして、文化の内容に介入したり干渉したりすることがないようにします、と県の役割として書いてある。
 それから、38ページ。ここにも県の役割が解説してございます。県は具体的な施策や事業をみずから展開していく文化行政から、基本的な方針確立や政策調整を行っていく文化政策への転換を目指します、と書いてある。
 もう1つ、戻りますが5ページ。本物の文化というのが囲みであります。文化には芸術を初め、いろいろなものがあります。なお、文化振興に当たっては、県民一人一人の自主性や創造性、文化の多様性が尊重されるべきことは言うまでもない、とあります。
 3つ今例示しました。ここに書かれている今の3つと、私は問いたいのは、本県が今進めている特定の文化領域、文化分野を主導しているこの行政活動とこの計画に書かれていることとの整合性を問いたい。
 静岡県がなぜ舞台芸術かっていうことを聞いてるんじゃないですよ。静岡ブランドを国内外に発信するために、静岡県は総合芸術である舞台芸術をピックアップしている。そこにさっきあったように67億円の補助金を入れた、グランシップの中の舞台芸術劇場の床面積とそれから舞台芸術公園のハードの建設費も100億円ぐらいになるんじゃないでしょうか。ソフトで67億円、ハードで100億円ぐらい、SPACに私は県費が投下されていると思います。
 だから、静岡県が舞台芸術の本家本元をなぜ目指すのかっていうことを聞いてるんじゃないです。特定の一芸術、文化分野を主導し、先導し、創造しているっていう行政行為と、県民に対して鑑賞をしたり押しつけたりしないよと言っているこの文化振興計画の文言との整合性について、部長に解説をお願いしたいと思います。

 それから、これもかねてから私は力説をしているわけですが、文化財団との統合。私の言葉で言わせると必然性です。必要性とか可能性じゃなくて、必然性です。
 文化財団というのはどういうものかと言えば、まさしく多種多様な本県の文化振興をするために設立された財団です。SPACとの違いは、SPACは舞台芸術に特化、文化財団は文化オールマイティーです。もう1つ言えば、SPACは100%県の出資。こっちは市町も入ってる。その程度の違いだと思うんですけれども、私は文化行政の中に舞台芸術を組み込んでも何ら違和感はないし、2つの財団に対して財政支援をするよりも、効率的な運営が図れるじゃないだろうか。
 なぜ、SPACと文化財団かっていうのは、SPACは平成7年設立でしたね。もう10年以上に及んでこの文化財団との必然性が語られないのか、不思議でならないといつも考えていたら、14年度に総務部が主導して、外郭団体の経営改革計画を出しました。
 その中に文化財団とSPACももちろん入っています。きょう持ってきましたけども、舞台芸術センター改革計画書、14年3月。同じものが文化財団でもある。この中をひもといていくと、統合の可能性について検討すると記述がある。統合したのは役員だけ、役員どまり。私は遅きに失していると思えてならない。今一度文化財団と舞台芸術センターとの統合について検討に着手すべきだと思うわけですけども、部長はSPACの理事の1人でもございますので、部長から基本的なことですので、お考えを伺いたいと思います。

 それから、今例示した経営改革書の中に、経営の健全性という指摘があります。その指摘事項を読ませていただくと、SPACは活動資金の多くを県に依存していますと、これからは自主財源を確保して、経営基盤の安定化が課題であると指摘されている、計画書の中で。
 14年の3月につくられて、今年がもう20年、どのように県の補助という依存体質から脱却をして、自主財源が確保されたんだろうか考えてみた。
 そうしたら、今年の2月の委員会で、当時の学術局長さんがこう答弁しています。入場料収入などの確保を図り、経費の節減にも努めていて、経営体質の強化が図られていますと説明された。そこで伺いたい。
 SPACの事業収入全体に占める入場料収入の比率。それから、補助金の比率。この2つの数字を出していただければ、県の補助金依存体質から脱却して、自主財源、つまり入場料収入のほうにシフトしているっていうことが、僕は証明されると思います。
 この2つを数字として御紹介いただけたらと思います。

 質問の最後の項目ですが、県営住宅の1つ目。
 18年の12月から、子育て世帯をもっともっと支援しようということで、県営住宅への優先入居を始めたと思います。子供が小学校に上がる前か、そうした世帯を優先して入れるようにしたと思うんですが、その事業効果について伺いたいと思います。

 それから、2つ目。住宅弱者は子育て世帯だけではありません。多文化共生で語られている外国人もアパートに困窮している、住まいに困窮している。あるいは障害者、あるいは高齢者、こうした言うなれば住宅弱者、結果的には大家さんはもろもろの心配があって、入居を敬遠されている風潮は否定できません。
 したがって、そういう実態にかんがみて、国交省が18年度からあんしん賃貸支援事業というものを始めたわけです。地方公共団体あるいは宅建協会初め、関係団体が仲介人になって、入るときのお世話から、日常のお世話から、家賃の滞納防止から、そういうことを地方公共団体等が大家とたな子の間に入ってお世話をするという制度です。
 他県の状況を調べたら、このあんしん賃貸支援事業にほとんどの都道府県が参加しているんですね。参加していないのは、山形、茨木、栃木、長野、富山、静岡、福井、こんなもんです。静岡県はあんしん賃貸支援事業について、今後どのように具体化をなさっていくのか、伺うものであります。

 それから、3つ目。19年度の県営住宅の収入実績。これは数字が判明していると思いますので、以下の項目に従って教えていただきたい。調定額、収入額、収入率、それから当該年度発生滞納額、単年度滞納額、それから累積滞納額、この数字を19年度決算値で教えてください。

 それから、1万5000戸ほど県営住宅があってその中で収入超過世帯数、規定の収入を超過して、例え1カ月でもお住まいになっていらっしゃる世帯は、入戸戸数に対してどのぐらい、これは比率で結構です。収入超過世帯比率。それから、滞納世帯比率――家賃を滞納している世帯の比率。それから、あっちゃならないことのウルトラCですが、収入超過でなおかつ滞納している世帯。もしかしたらあるかもしれない。ちなみに20年度4月1日現在で結構ですが、待機者っていうのはどれぐらいいるんでしょう。それから、19年度の平均応募倍率。以上、申し上げたことについて数字をお知らせをください。

 それから、ゆゆしき事態ですが、滞納額がどうしても毎年発生しています。単年度で、累積も億の単位でたまってると思うんです。滞納防止等や滞納金の回収、これは現状、どうやっているんでしょう。滞納の未然防止と滞納したものの回収。
 特に、保証人制度っていうのが当然県営住宅もあるわけです。たしか入居者と同程度の所得を有する者が保証人たる資格を得ることになると思うんですが、保証人は文字どおり連帯保証するわけですので、保証人が連帯保証した事例、実績、どの程度あるのか。つまり保証人制度がどの程度正常に機能しているのかということです。それを教えてください。

 それから、住んでて滞納している人と、言葉は悪いですが、払わずに滞納したままどっかに行方知れずになっちゃったという人もいると思うんです。
 入居しながらの滞納者と、退去した滞納者。特にこの退去しちゃった人っていうのは、なかなか回収したくても所在さえもわからないということもあるかもしれないわけでして、とりわけ退去滞納者に対する回収対策をどのようにお考えなのか、教えていただきたいと思います。

 それからもう時間がありませんので、最後です。
県営住宅にかかわって、住宅供給公社について教えてください。
 もう分譲は残すところ1けた区画ぐらいまで事業の精算が進んでいると思います。したがって、住宅供給公社の事業の柱は、特定優良賃貸住宅の賃貸と、それから県営住宅等の受託管理、この2つだと私は思います。
 宅地分譲は間もなく20年度、21年度ぐらいで終了するんでしょう。収支計算書等を拝見いたしましたところ、住宅供給公社の事業費ベースで見ると、19年度ですが、62%は県営住宅の管理事業なんですね、受託事業。だから、県営住宅の管理で住宅供給公社が存続してるって言っても、言い過ぎではない、現実にそうなっているわけです。
 そこで伺いますが、これも下山局長とか丸山理事は、精通していらっしゃると思いますが、指定管理者の手引とか、それから外郭団体の経営に関する指針、これ総務部で出しています。各部局は自分たちが所管する外郭団体に対してどういうふうに経営的に指導するべきかっていうテキストです、教科書。これにのっとって、当然されてると思いますので、お聞きしたいんですよ。
 住宅供給公社の指導監督部署である県民部は以下の事柄についてどうなっているのか、教えてください。
 特定優良賃貸住宅事業の入居率と収支状況。特定優良賃貸住宅事業の入居率と収支状況の推移。それから、いわゆる不良債権。住宅供給公社が抱えている不良債権の現況はどうなっているんでしょう。それから、市中銀行等からの長期借入金の状況。それから、保有資産の簿価と時価の歳入額。当然、長期的にはこれだけ土地下落傾向で、含み損が生まれていると思うんですが、保有資産の含み損の現況はどうか。

 それから、先ほどの話に戻るわけですが、管理代行制度で、なぜ県営住宅の管理を住宅供給公社に委託しているのか。
 きのうの5番委員の話の中にもありました。選択肢は複数あると。例えば、県が直営でやる。管理代行制度で住宅供給公社のみに委託する。管理代行制度は市町村も許されていますので、3つ目は公社と市町村の併用での管理代行。4つ目もあると思う。指定管理者制度を適応する。結果、管理が住宅供給公社へ行くかもしれないし、どこへ行くかわからないけど。僕は正確には、3つじゃなくて4つぐらいあるかなと思うんですが、その中で単年度の方針で、県は住宅供給公社に対して管理代行制度を適用して委託をしているわけですが、その理由を教えていただきたい。

○植松委員長
 ここで、しばらく休憩します。
 再開は2時50分。お願いします。

( 休 憩 )

○植松委員長
 休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。
 答弁をよろしくお願いします。

○内山私学振興室長
 合格実績に関する問題の再質問についてお答えいたします。
 1つは大前提に、是正点が明確ではないのではないかということですけれども、その点につきましては、藤枝明誠高校が進学校として歴史の短い高等学校で、学校が優秀な生徒に対して、受験データを蓄積させるために、大学受験することを要請していました。今後はこういう受験要請をしないということが1つの是正点ではなかろうかなというふうに思います。
 それから、先ほどスカラシップっていう話をしましたけども、その運営につきましては、大学受験の要素を排除するというのが改善点であろうかと思います。そうした要素を排除しまして、明確なビジョンを設けて透明性を確保するというふうに言っております。

 2点目のこうしたことにつきまして、助成の経常費の配分におきまして減額措置を講ずるのかということですけども、これにつきましては年度末に予算を検討することになりますけども、減額の事由になり得るというふうに思っております。

 それから、他の私学のことですけども、調査する考え方はあるのかということですけども、実は19年度――昨年度答弁したんですけども、私学団体みずからがこうした事案に対しまして、みずから申し合わせをして、自主的にどうするのかということを決めていきました。私学みずからが自己統制したということだろうと思います。こうした自主的な取り組みは県として支持していかなくてはいけないのかなというふうに思っております。
 こういう点を踏まえまして、調査するのかどうかにつきましては私学協会との相談をしてまいりたいと思っております。以上です。

○下山文化学術局長
 私学団体に対する助成についてお答えをいたします。
 まず、私学振興室の一番大切にしなきゃならない仕事の目的でございますけども、生徒の就学機会が失われることのないように、私学の健全経営化を推進すること。それから、生徒や保護者が求めるような教育がきちっと得られること。それから、耐震化の問題もそうですが、子供たちが安全であるといったことが一番の目的かなと思います。
 こういったことを念頭に置いて、仕事をどうやって進めていくのかといった場合に、子供たちに直接携わっている個々の法人に頑張っていただくというケース、それから、県が県民や法人の意見を伺いながら政策判断をしていくというケース。それから、例えば耐震化についてはもう制度の話や個別の法人の問題にもなってきますので、県が直接法人に働きかけていくというようなケースです。
 こういったケースの中間的なレールとして、県が私学団体を通して、私学団体を構成するそれぞれの法人に働きかけて協力を求めるというケース、あるいは私学団体がみずから企画して、その実施に至るといったようなことで協力していただけるような政策をつくっていく、そういうようなケースもあろうかと思います。
 いずれにしましても県と法人、それから私学団体の3者が協力していくということが必要だろうというふうに考えております。
 そういう状況の中にあって、私学団体に今助成をしておるわけですが、私学団体の設置の目的といたしまして、例えば私学教育振興協会では私立小中高に関する調査研究でありますとか、教職員の研修及び福利厚生事業、資金貸付事業、こういったものを行うとし、私学教育の振興のために、これらの団体に助成するということがございます。こういった観点から見ますと、先ほどのように、大きな事業費の中で補助が90万円以下だということでございます。
 一方で、先ほど申し上げました私学団体の協力によっての政策が実現できる、そういった伝達であるとか、企画であるとかという部分において、御協力もいただいているということで、そういった県に対する事務の協力という意味合いもあって、そういう観点から定額ということもあったんではなかろうかというふうに思います。
 ともすると、3団体の費用20億円の中の270万ということで、昨年どおりということになりがちであったかなという点については、委員御指摘もございまして、反省したいと思います。
 今後補助した投資の額に見合う効果が上がるのかというPDCAのサイクルについては、小さな補助金であっても、毎年度的確に行っていくということにしたいと思います。以上です。

○鈴木県民部理事兼建築住宅局長
 「TOUKAI―0」の認識不足、それから工法は建築士関係団体任せでまずいんじゃないかというようなことについてお答えいたします。
 まず、低コスト工法の普及啓発につきましては、公共促進も直接促進につながるというようなこともありまして、大変重要な要素だというふうに考えております。
 そこで、県は13年度に――これは「TOUKAI―0」の耐震診断がスタートした年でございますが――地震から命を守る2001静岡技術コンクールを開催し、全国から耐震補強工法を募集しまして、その中ですぐれた補強工法の普及促進を図ってきたところであります。それから、最近ではまたこれ以外にも、さまざまな耐震工法が民間レベル等々で開発されております。
 県としましては、そうした新工法のうち、やはり工法的に保証が持てるというようなものでないといけないということもありまして、財団法人日本建築防災協会など、公的機関の客観的な技術評価を取得して、安心できるものについて推奨しているところでございます。
 それから、そういった工法につきましては、耐震診断補強相談士の講習会、あるいは住宅建築物耐震化推進協議会、これは住宅だけでなくて、特定建築物等につきましても耐震化を促進するという県内の民間団体を含めた協議会でございますが、こういったところで技術事例の発表会を開催しまして、その普及を図ることとしております。昨年も実施をいたしました。
 それからもう1つ、そういったPRの問題でございます。
 昨年、耐震化特別委員会の中で、参考人として富士常葉大学大学院の環境防災研究科教授の池田先生が御出席されまして、その中で言ってる話として、やっぱりPRについてはマーケティングの手法に学んだらどうかというような御提案がございました。今後こういったことも踏まえまして、PRの仕方につきましては研究させていただきたいと思います。
 きのうも御説明の中にありましたんですが、ちょうど今、中国四川省大地震、それから岩手・宮城内陸地震ですね、これが続けて発災しまして、やっぱり県民においても住宅に限らず建築物の耐震化というのに対して、大変意識が高揚しているっていうような気がいたしております。
 通常ですと、例えばテレビのCM等につきましては、どうしても準備をやっていきますと秋口になってしまうんですけども、今年度については、ちょうど今、気が高ぶっているというか、意識の高い中で、この10日から連続してスポットを流すようなこともいたしますし、街頭キャンペーンも実施するようなことで、今計画をしているところでございます。以上でございます。

○西谷建築安全推進室長
 高齢者住宅等の未整備な市町村につきまして、個々の状況を踏まえてどう対応をしていくのかという話でございますけども、確かに今までそれぞれの市町に伺って要請をしておる中では、財政状況あるいは市町村で抱えている公共施設の整備をまず優先したいというような話が出てくるわけでございます。
 そういった地域の実情も踏まえまして、来年度以降の耐震補強工事とか助成整備については、国の助成制度あるいは他県の状況、こういったことも踏まえて市町村とも十分な意見調整を行いながら、支援等を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

○稲津県民部長
 SPACに関する御質問のうち、1つは文化振興計画の記述の整合性の問題と、それから文化財団との統合の問題、この2点について私のほうから答え申し上げます。
 まず最初に、委員の御指摘の文化振興基本計画の中の例えば2ページとか、5ページとか38ページの県の役割というその記述内容とそれからSPACというつくりの中で進めている内容と整合性がとれているのかどうか、という御質問でございますけども、この文化振興基本計画につきましては、文化振興基本条例に基づきまして、具体的な行動計画をということで、特にどのような形で進めていくのかというところにつきましては、この中の4ページにございますように、さまざまな文化資源を活用して、地域の文化力、静岡県の文化力を高めていって、それが地域社会、豊かな地域社会をつくっていくと、こういうことを目指していくということで、文化力を向上するために、どういう手法をとっていくのかということです。
 いろいろあると思うんですが、今回の文化振興基本計画の中では、文化力を向上させるために、3つの要素ということで、「みる」、「つくる」、「ささえる」と、この人材を育成していくというところに重点を置いて、この「みる」、「つくる」、「ささえる」という3つの要素が、お互いにうまく相互作用をして、それが文化力を向上させていくという考え方で記述を進めております。
 それで、具体的にどのようなことをやるのかという施策の重点的なものにつきましては、その柱ごとに記述をしているわけでございますけども、その中の「つくる」という分野において、重点的なものとしては3つ挙げておりまして、文化の静岡ブランド、それから、誇りをはぐくむ文化資源の発掘と活用、それから県民の文化活動と文化交流の拡大を進めるとなっております。
 その中で、モデルとなる文化創造をやるという取り組みの1つとして、具体的には資料の15ページに記述していますSPACによる舞台芸術、それから国際オペラコンクール、そして静岡世界翻訳コンクールと、これまで県が進めてきておりました東・中・西部の3つの地区で、大きく異なる分野で世界に発信できるような内容のものをやろうということでございます。
 これは今申しましたように、全体的なつくりの中でブランドとなるようなものをつくっていくっていうのは、やはり県が先行的に進める必要があるんじゃないか。というのは、そもそもこういった取り組みが始まりましたきっかけは、これまでともすると東京等でつくられましたさまざまなものを――確かに地方である静岡のほうにも公演等がまいりますけども――静岡ではただ買い取り公演のような形で見る。市民文化会館等は貸し館で、演じられるものは音楽系にしましても舞台系、あるいはオペラとミュージカルとかいずれも中央でつくられたものを買い取り公演のような形で見ると。
 これでは、これから地域力といったような点では足りないんじゃないかということで、取り組みを始めたということです。したがって、今回の計画の中でも「つくる」という分野の中の1つとして、これを位置づけているということで御理解いただきたいと思います。

 そして、静岡県文化財団とSPACの統合ということでございますけども、14年の見直しの中で、実際にいわゆる財団の役員につきまして統合をしたということがございますけども、その2つの財団そのものの統合というふうなことは視野に入らないのかという御質問だったかと思います。
 実は、この2つの財団は、財団そのものの目的が異なっております。具体的に申しますと、文化財団は昭和59年5月に知事の民法34条法人ということで、許可官庁は知事でございまして、知事の許可する財団ということでスタートしております。
 それで、この文化財団の文化情報を提供したり、文化意識啓発を図ったり、あるいは地域文化の振興を図る、それから当時は中央から芸術関係の公演が来るといってもまだまだで、やはり大きなところの都市ではいろいろと興行されますけれども、そうでないところは音楽鑑賞とか舞台、演劇なんかの鑑賞機会が非常に乏しかった。そういった鑑賞機会を文化財団が行う。そういう役割がありましたので、県だけではなくて、市町村の出資もいただいてできているということでございます。
 現在率直に言いまして、文化財団はグランシップの管理運営を行うようになりましたので、内容的、金額的には圧倒的にグランシップの指定管理者の部分が多くございます。財団そのものの事業としましては、今申しましたような文化情報を提供するということで、これは非常に地味でございますけども、静岡県の文化の各分野を掘り起こします。具体的には、ずっとバックナンバーの人気が非常にあるものでありますが、「しずおか文化」というのを一貫して発行してきてございます。
 それから、もう1つは地域文化活動賞という表彰制度ですね。ちょっと名前を出すのは控えますけども、この文化財団の地域文化活動賞の表彰を受けたということで、これまで地道に地域でやった活動が認めてもらったということで、それからまたさらに活動が発展したと、こんなふうな効果もありました。地味ではございますけども、この文化財団の行う表彰制度というのがございます。
 それからあと、先ほど申しました文化鑑賞機会の提供で、これも主として静岡市内とか浜松市内とかそういうとこではないところでやっている。
 それに対しまして、SPACのほうは、平成7年に教育委員会が所管する財団ということで、専らSPACは舞台芸術をやると、寄附行為に即して申しますと、演劇、舞踊等の舞台芸術に関して、その創造活動を行うことで、静岡県の芸術文化の振興を図るということです。
 全国的にも普通の公共ホールがほとんど貸し館であるところを、いわゆる欧米にあるような劇団がある劇場ということですね、そういうところで創作から公演までやるという、ある意味では大胆というか、先駆的な仕掛けということで、教育委員会所管の財団としてスタートしているということで、財団の持つ役割そのものは、今るる申し上げましたように異なっているということです。
 それぞれ財団でございますので、例えていうと、寄附行為によってロケットを発射したような、そういうことでスタートしているという仕組みです。
 特にもう1つ申し上げると、この振興計画の中では「つくる」というところはSPACが入っていますけども、「ささえる」というところに文化財団が入っていて、実は今後の支えていく仕組みとして、具体的には計画の33ページでございますけども、県の文化財団が果たす役割が非常に大きいものだというふうな位置づけをしてございます。以上でございます。

○後藤文化政策室長
 SPACの収入合計額に占める入場料収入、補助金の比率ということについてお答えいたします。
 19年度の決算ベースで、入場料収入の比率が9.7%、県補助金の比率が56.6%でございます。以上です。

○鈴木公営住宅室長
 県営住宅の管理に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、平成18年12月から開始いたしました子育て世帯の優先入居の件でございます。子育て世帯の優先入居と申しますのは、これと裏腹の高齢化が進んだ団地というのが各地にございまして、その中で高齢者のみの世帯が占める割合が25%を超えるような団地、または小学校未就学の子育てをしているような世帯が10%未満の団地。そのような団地を選びまして、既存の空き家の募集をするときには全体の2分の1、それから、新規の募集をするときには、全体の3分の1を子育て世帯を優先して募集をするといったようなやり方でございます。
 1年3カ月の実績でございますけれども、新規の住宅につきましては、57件の全体募集に対して13戸で子育て世帯の優先入居を実施いたしました。それから、空き家の募集につきましては、全体約1,100戸の募集に対して85戸の子育て世帯が優先入居をいたしました。

 次に、平成19年度の収入の決算の関係でございます。まず、調定額でございます。調定額は48億2363万6748円でございます。
 これに対して収入額は45億1835万8714円でございます。収納率は93.67%でございます。19年度の1年間に新たに発生した収入未済額は7560万5000円でございます。19年度末の収入未済額の累計は2億9396万6514円でございます。

 次に、収入超過の世帯の数は比率でということでございました。今年の4月1日現在で、14.8%でございます。
 それから、滞納している比率を申しますと、先ほどの決算ベースで、2億9300万円余を滞納している世界は993世帯でございます。それから、収入超過世帯の中で滞納している数は、先ほど収入超過世帯は14.8%と申しました。数で言うと2,061件でございますけれども、この中で滞納世帯は252世帯でございます。それから、今年の4月1日現在の待機者数は189人です。昨年1年間の募集に対する平均応募倍率は6.2倍でございました。

 次に、滞納対策でございます。
 まず、事前の防止策といたしましては、募集をして入居案内をするときに、なるべく口座振替にしてくださいといったようなことをお願いしております。今現在、口座振替率はおよそ82%となっております。
 また、最近生活保護の関係で代理納付が可能となりました。昨年11月から最も多くの生活保護の対応をしている静岡市がこの代理納付を始めてくれまして、今後その他の市にも働きかけてまいりたいと考えております。
 それでも、心ならずも滞納が発生してしまった場合の措置でございます。県といたしましては県下の9土木事務所に15人の滞納徴収嘱託員を置いております。
 滞納の整理で何よりも大事なのは、1カ月、2カ月の芽の小さいときに摘むということです。この15人の嘱託員が、この芽の小さいうちに電話をかけたり、実際に住居を訪ねたりする。15人の嘱託員で年間延べ3万回ぐらい訪ねているわけですけれども、そういうことをしまして、生活指導をする中で納入意識を高揚していくといったようなことをしております。
 これでもなお滞納がかさんでいく人が残念ながらおります。3カ月超えたところで、連帯保証人にも催告をいたします。また、土木事務所にも呼び出して分納誓約をさせたりといったようなこともしております。それでもなお滞納がかさんでいく人が残念ながらおりまして、これが6カ月超えたところで、1つの決断をいたします。
 対象者を土木事務所に呼び出しまして、この後の分納をきちんとしますかといったようなことを約束をしていただきます。もし、約束できれば、裁判所へ行って即決和解をしていただくと。そういった指導をすっぽかしたり、あるいは払う意図が全くないといったような方も残念ながら幾らかはおいでになります。
 これらの方に対しては、訴訟で明け渡しを求めるといったようなことをしております。この6カ月の指導をする段階で、やはり連帯保証人にも同席していただくといったようなことをしております。連帯保証人がその過程で家賃を肩がわりするといった例はままあるわけですけれども、今の段階で手元に具体的に何人、幾らといった資料がございませんので、これにつきましては、少し時間をいただいて調べさせていただきまして、その報告の仕方については委員長と相談させていただきたいと思います。

 次に、退去滞納者の対策でございます。
 退去滞納者につきましては、だんだんと居所がはっきりしないケースが大変多くございます。そうしますと、専門とはいえ、嘱託員では荷が重くなってまいります。そこで今年から債権を回収する民間の会社がございますので、こちらに委託をすることを始めることといたしました。
 これは出来高払い制を考えておりまして、企画提案方式で、今業者の募集をかけました。昨日実は締め切りで2、3社の応募がございました。これから審査をいたしまして、8月上旬までに契約をしてまいりたいというふうに考えております。

 最後に、管理代行を選択した理由でございます。
 一般的に県営住宅に限らず公営住宅と申しますのは、国と地方公共団体が協力して住宅を整備しまして、これを住宅に困窮する低額所得者に貸すということはきのうも申し上げました。
 したがいまして、入居者の選定とか家賃の決定とかっていうのは、非常に厳正にしなければいけませんので、公営住宅法上、事業主体しかなし得ない、事業主体がするんだということになっておりまして、指定管理者制度が導入されたときにもこの事業主体しかなし得ない業務は指定管理者に委託できないんだという整理がなされた経緯がございます。これに対して管理代行制度と言いますのは、事業主体の権限の一部をも代行できるという制度ということでございます。
 1つ具体的に申し上げれば、入居者の募集をします、応募があります、抽せんをします、それから入居の審査をします。従前もそこまでは委託していたわけですけれども、入居者を決定するという段階になりますと、従前は一たん県がその書類を引き取って入居者の決定をした上でもう1回、委託先の住宅供給公社に返して、そこから通知をするといったようなことをやっておりました。
 管理代行制度では、この入居者の決定行為も代行できるということになっておりますので、そこを省略できる分が入居者サービスの向上になると。同じようなことで同居承認ですとか、入居承継の承認等もできればしてもらいたい。そういったことから、県は管理代行制度を選択いたしました。以上でございます。

○酒井住まいづくり室長
 まず最初に、あんしん賃貸支援事業について説明させていただきますけども、この事業は高齢者、障害者、外国人あるいは子育て世帯の入居の受け入れをする民間賃貸住宅の登録物件の情報提供とか居住支援等を行う事業というふうになっているわけですけども、これの元締めで動いているところが、財団法人高齢者住宅財団になっています。
 先ほど本県は入ってないっていう話だったんですけども、昨年の末に、一応参加をさせていただいて、今勉強をしているところです。この事業の実態というのは、18年度にスタートしているんですけども、全国ではまだ登録の住宅数としては66件、協力店と言われる住宅を紹介したりするところはあるんですけども、協力店と言われるところが600件ぐらいある。これは5月1日付のホームページに載ってますけども、そんな状況であります。
 うちのところでも、全国の担当者会に今年になって参加させていただいたりしてます。その中で、いろいろ考えていかなければならないと、こういうものについてはやっぱりソフト対応が大事だと思っています。そういう意味では、庁内で厚生部なんかとも打ち合わせをしてやっていかなきゃならないと。福祉が中心で、福祉とこの事業と一体的に連携して考えていかなきゃなんないっていう意味合いでは市町との協力をどうやってとっていくかというようなところで、今そういったところを模索しているところです。今後前向きな姿勢で取り組んではいきたいと思っています。

 それから、住宅供給公社の関係なんですけども、幾つかの質問にお答えしたいと思います。
 特定優良賃貸住宅の入居率と収支状況です。これについてなんですけども、19年度の入居率そのものは608戸、36団地ですけども、入居率90.4%で収支としてはマイナスとして5388万円余ぐらいになっている。18年度については91.9%の入居率で、一応収支はマイナス3926万円余というような形になっています。
 次に、不良債権の現状はどうだということなんですけども、これについては、割賦債権がそれに該当すると思うのですけども、今公社が抱えている割賦債権としては272件ありますけども、その中で、長期滞納で不良債権としているものが15件、債権残額としては18億円余ぐらいあります。
 その中で回収見込額としては5億円ぐらいだろうということで、ここでいう不良債権としては不良額としてあらわせば、13億円余ぐらいになるというふうに報告を受けております。
 それから、長期借入金の状況なんですけども、これについては長期借入金そのものは231億5300万円余になっております。これは割賦とか、再開発とか職員住宅関係もろもろの借入金になっていると思うんです。
 それから、含み損の現況ということで、資産の関係なんですけども、資産の簿価と時価、こういった相違によるということで、これは公社のほうでは現存の会計基準に照らしてやって、毎年比較はしているんですけども、この資産の簿価と時価とは昨年度においては、一応一致していると比較しているというふうに報告を受けております。私のほうからは以上でございます。

○藤田委員
 時間がありませんので、短縮して申し上げますけれども、部長の説明はいま少し僕が勉強しないとわからない説明でした。理解できるように、次回までもう少し勉強したいと思います。
 その中でも14年度の包括外部監査を部長は御存じだと思います。包括外部監査人のSPACに関するコメントが僕は脳裏に焼きついてます。部長がおっしゃったとおりです。SPACっていうのは単なる貸し館どまりじゃないんだと。SPACというところに専属の劇団を設けて、貸し館がメーンじゃなくて、その劇団が演劇を披露して、舞台芸術という芸術を創造して県民に、あるいは県外、国外に発信していくんだと、これこそSPACの存在価値だと指摘がありました。
 私はそのとおりだと思うんですよ。その中で、そこは部長と全く一緒なんですが、もう1つ指摘がある。SPACの財産は何か、舞台芸術劇場でもないです。芸術局の役者、照明初め技術者、この人たちこそSPACの最たる財産だと包括外部監査人はコメントしてました。目からうろこでした。そこにこそSPACのまさに存在価値があるなと、私も確信を得たわけです。
 そこで、水を差すような話をして悪いんですが、しからば、芸術局のスタッフの数がどういう推移か。部長は御存じかもしれませんが、平成11年度は58名の芸術局のスタッフがいました。19年度は41名です。17名減じている。包括外部監査人のコメントを待つまでもなく、県民の中で、子供たち小中高生を初めとして、将来の演劇人を育てるっていう人材育成も必要でしょうが、舞台芸術の創作活動の背骨に当たる芸術局のスタッフの数が、おびただしく毎年減じている現実に、私はSPACの将来的な事業活動に対しては大きな懸念を抱かざるを得ないと思います。
 だから、SPACの数が減じていることについては、不正常だという認識は私は変わらないと思いますよ。文化振興計画の中にも「つくる」っていう中にSPACが位置づけられているが、つくることができなくなっちゃう、1300万円の年収の芸術総監督だけでは。やっぱりこの現実について、じゃあどのようにお考えなのかをまずお聞きをしておきたいと思うんです。

 それから、もう1つだけ。住宅供給公社の私の評価で申し上げると、惨たんたる経営状況についてはよく聞かせていただきました。もう御承知だと思うんですが、法改正がなされて、破産等しなくても、当該の公共団体の自主的な判断によって解散することができると、17年に法改正がされた。
 全国を調査しましたところ、幾つか本年度末を目途に住宅供給公社の解散に至るソフトランディングに入っているところがあります。もう時間がありませんから細かいことは言いませんが、1つは福島県です。静岡県より財務状況がはるかにいいのに、20年度末の解散で、今ソフトランディングするべくいろんなことをやっていますよ。
 なぜかなっていうことで、全国の住宅供給公社の抱えている問題を見て、静岡県と全く一緒だなと思ったのは、県営住宅、都営住宅等の公営住宅の管理が仕事のメーンになっているからです。メーンの仕事は代行でもできるもんだから、公社はお役御免で解散っていう方向に歩み出しているのが大勢です。先ほど室長さんは、指定管理者制度よりも管理代行制度のほうがこういうメリットがある、あるいは指定管理者はこういう制約があるっていうお話があった。
 私もにわかにそれを聞いてそうなのかなと思ったもんだから、47都道府県の状況を議会事務局の調査課に全部調べていただいた。結論を紹介します。管理代行制度をとっているのは、13――47分の13、指定管理者をとってるのは24、両者を併用しているのが9、県が直営でやっているのが1つです。
 いいですか、ここでも指定管理者のほうが管理代行制度より数が多いわけですよ。もう1つ特徴的な事柄がある。管理代行制度で、住宅供給公社に単独委託しているのは47分の9にすぎない。静岡県方式です。管理代行制度で住宅公社のみに委託しているのは、47分の9、静岡県を含めて。
 きのうも議論が出ましたが、公社と市町村と両方に管理代行しているのが4つあります。静岡県の1万5000戸の県営住宅の分布を見ると、静岡と浜松で戸数は半分あります。半分は浜松と静岡です。だから、応用編でしょうけども、この4県にならうならば、公社に静岡、浜松以外を委託して、浜松、静岡に残りの半分を委託するっていうことも実践例としてやっているとこがある。
 それから、結果的に指定管理者で、公社が指定管理者に指名されているのが9県。申し上げたいことは、各県さまざま工夫してるっていうことです。管理代行制度を採用して、唯一住宅供給公社にのみ委託しているのは、47分の9にすぎない。この事実を申し上げます。
 それから、もう1つ室長さんの説明を聞いてて、私は懸念に思いました。それだけ指定管理者に制約があって、管理代行制度のほうがすぐれているならば、何で13対24なんでしょう。24のところは指定管理者制度をやっているんですよ。そのうちの9県は結果的に住宅供給公社が指定管理者制度になってる。だから、管理代行制度と、指定管理者制度とよって立つその制約とかメリットとかデメリットって、大差がないっていうよりも、数の上から言えば指定管理者のほうがメリットがあるって言っても僕は暴論じゃないんじゃないかなと思うんですよね。
 もう1つ申し上げますが、今年指定管理者制度がちょうど3年周期で見直しです。静岡県の場合は27施設が指定管理者制度を適用している。その中の8施設は県民部です。今まで私は県民部だけじゃないけれども、他の部局でも指定管理者制度を導入したら県民サービスが低下した、あるいは維持管理費が増高した、ふえた、そんな例は聞いたことがない。総務部は声高らかに指定管理者制度を導入したら、委託管理費の総額はこれだけ減じましたということを報告されています。
 そうしたことを考え合わせると、1つは県営住宅の管理委託についていま少し、いたずらに1年更新だからっていうことで、管理代行制度で公社のみでいいのか、足をとめて、他県の先行例等も取り寄せながら、この際、検討する余地は大きいんじゃないかなって率直に思うわけですが、いかがでしょうか。

 それから、住宅供給公社の存続の必要性については、この点検評価表を見ると、所管部局の県民部は存続の必要性は高いとはっきり書かれていますけれども、あながち、県営住宅の管理委託という柱が外れれば、公社の存在意義っていうのは高いと言いきれるのかなって、私などは思わざるを得ないわけですけども。
 以上、3点申し上げましたけども、部長さんの御見解を伺いたいと思います。

○稲津県民部長
 平成14年度の包括外部監査の指摘は、委員御指摘のとおりでございます。
 私もSPACという財団とそれから芸術総監督それから芸術局、そういう仕組みをつくって劇場でやるという中では、芸術総監督という個性も重要なファクターですけども、そのもとにあるいわゆるスタッフ、この人たちが実際の演劇活動をやるわけでございますから、このマンパワーというのは非常に重要な点だと思います。
 1点、実は平成11年度に第2回のシアターオリンピックスという、今から考えるとかなり大がかりで、世界各国から劇団が来て、グランシップあるいは舞台芸術公園で連続して公演を行いました。このときは非常にたくさんの人数も抱えておりましたし、また、県からそれを賄う必要な財政支援そのものも多かったわけでございます。
 その後、そういった1つの非常に高揚したイベントが終わりまして、日常的な活動に年々入ってきているわけです。1つは17億円の基本財産がございますけども、これはほかの財団も皆同じですが、昨今の非常に低金利ということで、まず財政基盤である基本財産から運用収入が思うように延びないというのが1点。それからもう1つは、県議会を初めさまざまなところから言われていますが、SPACとして、外からのいろんな財政支援を求めたり、あるいはそのほかの収入を確保したり、あるいは公演収入を確保したりと、こういうふうな自助努力も必要ではないかということでございます。
 したがって、県からのSPACに対しての補助金も年々減額してきてございます。そういう財政的な基盤の中から、劇団員をどうするかっていうことをやってきたわけですけども、この劇団員につきましてはずっと一貫して契約というのではなくて、契約期間で入れかえっていうのもございます。
 19年度はスタッフが41人でしたけども、一応今お話しましたシアターオリンピックスが終わった後の状態、13年度47人という水準に戻すべきではないかということで、20年度は46人という体制になっております。やはり劇団としての質を維持していくという点では一定の人数を確保していくと、そのためにはさまざまな工夫というか努力を財団としていくと、そういうことで今後も努めると理解しております。以上です。

○鈴木県民部理事兼建築住宅局長
 住宅供給公社の管理委託と存続の話、ある意味で表裏一体の部分があると思います。
 まず、他県の公社は本年度から解散するというようなところもあるというようなお話がありましたんですが、本県の公社に対しましては、確かに先ほど委員のおっしゃるように、17年の6月の地方公社法の改正によりまして、地方住宅供給公社の解散規定というのが正式に法律に規定をされたところでございます。本県の住宅公社の財務状況、いろいろありますけども、一応健全で推移しているというような状況でございます。
 平成29年度までの長期契約に基づく特定優良賃貸住宅や48年度までの長期割賦債権の管理事業の継続、こんなものがあることから、現時点では解散はせず、現状組織の経営改善に努めるということといたしております。
 なお、県の集中改革プランの取り組みでは、18年度より外部団体につきましても団体の必要性、それから経営の健全性、透明性等行政評価の視点を踏まえた点検評価を実施し、計画的な改革に取り組んでおり、19年度の評価結果につきましても、住宅供給公社は点検許可項目の基準をほぼ満たしており、今後も定期的な点検評価を行いつつ、引き続き業務の効率的執行に努めることとなっております。
 それから管理代行の話なんですけども、県営住宅の管理のあり方について検討したらどうかということでございますが、一般の指定管理者制度で言いますと、例えば公園等で見ますと、公園の使用料は指定管理者が決めることができます。
 ただ公営住宅につきましては、入居者の家賃っていうのは、法律に算定根拠がありましてですね。ほぼそこで決まってくると、所得の大小によりまして家賃が違っているというような形になってきます。だから、使用者が一律幾らという話じゃない、使用料を勝手に決められない。
 例えば公園だったら、指定管理者は県民にもっと入ってもらうというような努力をすると思います。それによって実入りがあって、運営を図っていくというような形になるわけですけども、公営住宅の管理は委託しましても、入居では所得が低い人、それから親族要件等がある人、それから住宅にお困りになっている人、こういった3つの要素がないと応募できない。非常にそういった意味で法律と管理条例に基づいて入居をしているところでございます。
 したがいまして、一般の指定管理制度と公営住宅の管理とはちょっと違う。そういった意味で、特に一般であれば指定管理できるものが、公営住宅の場合であれば管理代行で初めてイコールになる。
 そんな関係でございまして、そういった意味から言いますと、県民の利用者のサービスの向上にはつながる、それから今までは同じような作業を一部重複して、委託者である県とそれから公社、両方でやっていったわけです。こういったものも合理化できると。そんなこともありまして、管理代行制度を選択させていただいたと。そんなことでございます。以上でございます。

○藤田委員
 これで最後にします。そこでちょっとお伺いしますが、先ほど住宅供給公社の不良債権、長期借入金、含み損等々の数字をいただきました。
 端的に聞きます。住宅供給公社の経営は、現在健全でしょうか。これはイエスかノーかです。認識です。健全経営がなされていると御認識でしょうか。

 それから管理方式は全くのゼロ回答。おっしゃっているのは利用料金制のことでしょう。静岡県がそこまで力説するほど管理代行制度に、それも公社単独の管理代行制度にこだわる理由がとんとわからない。
 今の説明を聞いてても、例えば指定管理者で利用料金制度を入れてない制度はありませんか。すべて今入れてますか。御存じですかね。
 例えば、来年3月14日あたりに開港するであろう静岡空港は、指定管理者制度ですが、利用料金制度を入れますか。着陸料の決定は航空法の規定で設置者しか決められない。県営住宅と一緒じゃないですか。利用料金制がとれないから指定管理者を入れる、選択するのは無理があるだとか、制約があるとかって、それは全く議論の土俵の外ですよ。スタートラインが違う。全く検討する余地を認めようとしないっていうのは、僕はね、部長、これはちょっと承服しかねますよ。住宅供給公社の存廃の議論以前の問題です。
 だって、県営住宅の管理委託費を御存じでしょう。少しでも縮減するべく努力するべきじゃないでしょうか。健全経営か否かというお答えと、管理委託方式について検討を加えるお気持ちがあるかないか、この2点を部長にお伺いします。

○稲津県民部長
 住宅供給公社の経営状況でございますけども、確かに単年度収支的には、現在黒字を出しております。しかしながら、特に割賦債権などは、回収が今後難しくなるおそれが全くないわけでないと。ましてやそれに対する引き当て的なものはもちろん用意をしていますけど、十分かどうかわかならい。
 こういうことを考えますと、現状においては、一応経営状況は健全を保ってはおりますけども、そういった意味で将来を見通した場合の不安材料がないわけではないと、そういうふうな認識を持っております。

 それから、管理代行制につきましては、利用料金制とはもちろん違う、利用料金制との関連ではないという御指摘、その辺につきまして、いま一度私どもも研究してみたいというふうに思います。

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