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委員会会議録

委員会補足文書

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平成28年10月地方創生推進特別委員会
川根本町教育長 大橋慶士氏、川根本町企画課まちづくり室長 北村浩二氏、川根本町教育総務課管理主事 宮島明利氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/07/2016 会派名:


○北村浩二氏
 私は、川根本町企画課のまちづくり室で地方創生を担当しております北村と申します。よろしくどうぞお願いいたします。
 まず最初に、私のほうから地方創生に関する説明をさせていただきまして、その後、当町で中心的に事業を進めております教育関係の事業の説明をさせていただき、また参考人であります教育長からいろいろ御意見させていただくというふうに考えておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、着座にて説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、事前に配付されておるかと思いますが、地方創生の川根本町のまち・ひと・しごと総合戦略人口ビジョンの資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。
 まず、昨年10月に策定いたしました総合戦略につきましては、基本理念といたしまして、「笑顔で学び働き幸せを感じながら暮らせるまち」というところで、まず学ぶこと、それから働くこと、そういったところに焦点を定めまして、当町の総合戦略を策定させていただいております。
 その人口減少対策の方向性でございますが、まず出生数を増加させること、それから転出の抑制、転入増加により人口規模の確保を図るといったところに方向性を持たせまして、まず基本的視点として、生産年齢人口の流入、定住の促進、それから多様な就労環境の創出、3点目に誰もが暮らしやすいまちづくりというところの視点をもって、総合戦略、地方創生を進めていきたいという形で策定をさせていただいてございます。
 そして、資料の右欄の下のほうになりますが、人口の将来展望が策定されてございまして、社人研の推計によりますと、川根本町の人口は、2060年には何もしない状態でございますと、2,237人という非常に小さい数字になるということが想定されてございます。それに対しまして、2060年には3,500人程度の人口を確保するために、いわゆる合計特殊出生率、これを2040年までに人口置換水準でございます2.07を達成することを目標としてございます。あわせて、社会移動につきましては2020年に均衡させる、この2つの指標につきましては、静岡県の総合戦略の数値と合わせたものとして設定をさせていただいておるところでございます。
 そのA4の資料の左側のほうの下段のほうに、ちょっと数字的なものが書かれてございますが、わかりやすく言いますと、毎年24人程度の人をふやしていき、5年後には120人にふやしていく、そういったことを行うことによって、2060年には3,500人程度を確保していきたいと、そういった人口分析等から、人口ビジョン、総合戦略を設定しているところでございます。
 資料を1枚めくっていただきますと、その基本的な考え方に基づく主な施策、KPI等を掲上させていただいておるところでございます。当町の総合戦略につきましては、先ほど申し上げました基本的視点のうち、人にかかること、それから仕事にかかること、こちらに軸足を置きまして、まちづくりを行うことにつきましては、基本的に施策の基礎となるものとして掲上しているところでございます。
 まず、総合戦略の一番上段になりますが、多様な就労環境の創出ということで、基本目標を多様な仕事を創出し、人材育成により培われた知識や技能を生かして、当町で暮らし働けるようにするという目標を設定させていただいております。その中に5つ、アからオまでの5つの主な施策を掲げさせていただいておりますが、まず第1点目のアになります。こちらは農業、林業の経営モデルの再構築による生産性の向上と、新たな担い手の育成という柱を掲げさせていただいております。こちらにつきましては、第一次産業就業者というところに着目をいたしまして、全国あるいは静岡県で全体の就業者数が、大体全国でも静岡県でも4.2%程度の方が第1次産業に就労されているという数値がございます。それに対しまして、当町ではおよそ15.6%、県平均の大体4倍程度の第1次産業従事者というものがおります。そういった方々の就労の場をこれまで以上に農林業に従事しながらも、収益を得ている、そういったモデル事業等を考えていきたいということを1つの柱にさせていただいております。
 また、イになりますが、当町では観光業も盛んに行われておりまして、そういった観光交流人口を増加することによって、観光業の経営安定化も図っていきたいと考えております。あわせまして、第2次産業といたしまして、いわゆる企業がもともと川根本町にいるわけでございますが、そういった企業が定着化すること、それから雇用の場の促進を、地元企業と連携強化、定着化を図ることによって、そういった第2次産業の就労先というのも確保していきたいと考えております。
 それに加えまして、起業支援、それから創業支援による新しい産業の創出という部分につきましても、地元企業と連携をしながら進めていきたいというふうに考えております。1つ目の柱がその仕事に関することでございまして、次にもう1つ掲げてございますのが、人の部分でございます。こちらは、緑色の箱の中に書いてございますが、特色ある教育を展開し、若者を中心とした人の流れをつくるというところを、大きな1つの柱とさせていただいております。
 後ほど詳細は説明をさせていただきますが、若者交流センターというものを当町では設置し、運営させていただいてございます。そのことによりまして、当町で唯一となります川根高等学校の入学者数の確保でございますとか、あるいは県内外の大学と連携をしながら、インターン生を受け入れるなど、そういった若者を呼び込む、若者を流入させるというところに着目をしまして、施策を展開していきたいというふうに考えてございます。
 柱につきましては、アからウの3本になってございますが、まず当町といたしましては、小規模校のよさを活かしたきめ細かな教育を展開すること、それから若者が集い、学ぶことができる場の提供、優秀な人材の受け入れ態勢と支援の充実化を主に図っていきたいというふうに考えてございます。
 最後は、まちに関することと、一部その人の流れを呼び込むこと、こちら、下の3段になりますが、これが上の2つの主要な柱を推し進めていくために、施策の基礎となるものとして、結婚、出産、子育てを支援する、それから、誰もが健康で安心して便利に暮らせること、それから交流人口を増加させることといったことを実施していきたいというふうに考えてございます。
 まず、Bになりますが、結婚、出産、子育てを支援し、安定した家庭生活を維持できる環境を整備するということで、アとイに子育て世代の交流促進や地域で子供を育てる環境の整備、それから子供を育てながら働き暮らすことができる環境整備と、ワーク・ライフ・バランスの構築という部分を掲げさせていただいております。
 こちらは、いわゆる人口ビジョンを策定する経過の中で、子育てに必要な町の施策というものは何かというアンケート調査をしたところ、就労環境に関する要望が最も高く、全体の47%を占めていることがわかりました。そういった子供を育てながら働くことができる環境というものを求めるニーズが非常に高いということを踏まえまして、当町では現在、サテライトオフィス、またテレワークを進めているところでございます。こちらは、静岡県中部地域政策局と連携をいたしまして、事業を進めているところでございまして、またこちらの部分につきましても、実際に事業費を抱えて実施しているのは町単独になりまして、国の交付金等を活用しながら進めているところでございますが、こういった部分に関しましても県の力強い協力連携体制をとっていただけると非常にありがたいというふうに考えているところでございます。
 また、4番の誰もが健康で安心して暮らせるコミュニティ、生活環境の整備ということで、アからエの項目を掲上させていただいておりますが、特に申し上げさせていただきますと、(エ)の町民全体で出番と役割を分かち合うコミュニティの形成ということで、当町、高齢化率も非常に高い状況となってございますが、高齢となっても生きがいを持って過ごすことができる、そういった地域とするために、当町でいいますと、千年の学校事業というものを進めさせていただいております。こちらは、学ぶ生徒さんが実際には先生になったりして、お互いに今まで培ってきた技術や経験をいろいろな方に伝承をしていくという趣旨の事業でございますが、そういったことを行いながら、高齢となった人も生きがいを持って暮らせる地域というものを構築していきたいと考えております。
 最後になりますが、地域資源を生かし交流人口を増加させるという部分でございまして、こちらにつきましては、町の情報発信でございますとか、マーケティングやブランド化の強化などを一層深めていきたいということを考えてございます。また、(ア)の一番上に、大井川鉄道との連携による観光誘客の取り組み強化というところも掲げさせていただいておりますが、こういった大井川鉄道というほかにはない当町近隣市町ならではのそういった資源も有用に活用しながら、まちづくりのほうを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上、地方創生全体につきましては、私のほうから説明をさせていただきました。この地方創生を展開する中で、当町としましては、先ほど説明しましたAの特色ある教育を展開し、若者を中心とした流れをつくるというところに、非常に力を入れさせていただいておりまして、その部分につきまして、教育部門のほうからパワーポイントを使って説明をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上で、私のほうからは説明を終わらせていただきます。

○宮島明利氏
 川根本町教育委員会の宮島と申します。教育の部分につきましては、私のほうから説明をさせていただきたいと思います。
 機械の操作の都合で、座って説明をさせていただきます。
 うちの町がどのような教育を推進しているかということで、実は8月、9月にもこういった説明の場をいただきました。県の移動教育委員会がうちの町で開かれました。木苗教育長や教育委員の皆様から、いろいろな意見をいただきました。そういった中で、町ができることというところをすごく意識して、積極的に施策を展開していて、県からもぜひ支援したいと、そういう大変ありがたいお言葉をいただきました。
 9月には、文化・観光部の皆さんに来ていただきました。県の総合教育会議がありまして、そこに有識者会議が設置されていると聞いています。その有識者会議の矢野委員長、それから西田部長、関係の職員の方に来ていただきまして、学校を見ていただいたり、施設を見ていただいたり、意見交換をさせていただきました。
 そんな中で、特色ある教育の中、子供たちが健やかに育っていますね、来てよかったですと、そんなお言葉をいただきました。
 きょうの説明ですが、そのときと同じような内容になります。うちの町は、小さい町で、今、人口が7,400を切りました。七千三百数十人という小さい町だけれども、工夫しながら頑張っているよというところが伝わればいいかなと思います。それから、課題があります。課題を直球で投げますので、ぜひそういった部分も御理解いただいて、県議会からも御支援をいただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
 ただいま北村のほうから説明があった部分で、大きな柱として教育を位置づけております。
 お手元の資料集の資料1をごらんください。
 うちの町の教育大綱です。3月にでき上がっております。後ほど説明しますが、学校教育ビジョン、ここの部分が大きな柱です。それから、社会教育ビジョン、それから子育てしてみたくなるまちづくりという3本の柱でやっております。
 裏面を見ていただくと、子供が育つまち川根本町というものを絵にあらわしてございます。この絵ですけれども、子供たちの成長を線で捉えていきましょうと。ゼロ歳から18歳までです。うちの町は、18歳で高校を卒業すると、ほとんどの若者が一度町を出ていきます。将来の自立に向けて、このゼロ歳から18歳までで何が必要かというところを着目しています。そして、豊かなキャリアを積み上げる政策が盛り込まれています。
 きょうは説明しないんですが、例えば中学2年生は、カナダのバンクーバーに10日間、研修に行きます。希望者は全員連れていきます。大体、中2の4割から5割の生徒が参加しています。負担が6万円ぐらいで、10日間、英語の勉強に行っています。それから、小学5年生では、北海道体験学習というものをことしから行っています。富士山静岡空港を使いまして、5年生全員が北海道に行きます。負担7,000円です。2泊3日でこの10月19日から出かけてきます。それから、来年度は英語研修を高校生まで広げようというところで、今、準備をしているところです。
 そんな中で、きょう、御説明するのは、1から4の部分です。RG授業、ちょっと聞きなれない言葉なんですけれども、うちの町、小さい学校ばかりですが、統合していません。どんなことをしているかというところをお話ししたいと思います。それから、奥流、それから中高一貫教育、いろいろ特徴がありますので、そういったところの説明をさせていただきます。
 これがきょうの結論です。小さい町だけれども、元気を出して工夫しながら、町ならではの教育をさらに推進していきます。それから、人口の問題がありますので、多様な授業の展開、これは欠かせません。もう一つ、町で唯一の高校、川根高校というのは町に欠かせない存在です。そこへの支援をこれからもさらに進めていく。
 そういう中で、これは先ほどの8月、9月の御説明のときに、町長、教育長から直接県の皆様にもお伝えしたんですが、川根高校の寮の問題が大変大きな問題として、うちの町には取り上げられているところです。なぜこれが課題なのかという部分は、後ほどの説明に出てまいりますので、またお聞きいただければというふうに思います。これは、最後にも出てきますが、きょう私がお話ししたいのはこういったところです。
 では、RG授業について、説明をさせていただきます。
 お手元に学校教育ビジョンのリーフレット、三つ折りのものですが、こちらがいっているかと思います。こちらをごらんいただきながら、見ていただければというふうに思います。
 実は3年前に、町議会でも学校の統廃合の話題が出されました。結論は、統廃合することをやめたんですけれども、実は小規模校って悪いことばかりではないんです。きめ細かな教育が行き届きますし、一人一人に出番が学校の中であります。本当に小規模って悪いことだろうかというところから入りまして、もう一ついいところがあったんです。実は統合してしまうと、先生の数が小学校では4分の1になってしまう。中学校では半分になってしまう。うちの町の教員1人当たりの児童生徒数は5人です。他の市町は15から16です。それを考えると、うちの町は県から3倍の先生をつけていただいていると。実は、県で一番です。小規模校であるがゆえに、そういったきめの細かい教育が行えるように教員を配置してくださっていると。それは、町としては大きい財産ではないか、そのように捉えて、何か先進的な取り組みをしているところはないかと探しました。宮崎県の五ヶ瀬町が町全体を緩やかな学校と捉えて、私どもが取り入れたような取り組みをしていました。
 早速視察に出かけまして、その取り組みを始めた兵庫教育大学の日渡教授にも町に来ていただきまして、話を聞きながら、この学校教育ビジョンをつくり上げました。キャリア教育とRG授業です。RG授業については、これからちょっと細かに説明をさせていただきますが、この2本を柱としております。
 子供は町の宝物、教職員は町の財産であると、これが基本的な理念になっています。町全体を緩やかな学校と捉えるということで、先生方全員で、もっと言えば、町全体で子供たちの成長を支えていきましょうと、それを9年間継続していきましょうと。もっと言うと、川根高校と中高一貫教育をやっておりますので、先ほど言ったように、子供たちを12年間で見ていきましょう、そんな取り組みを行っています。
 RG授業というのは、どういうことかというと、効果的な学習を学校間の連携によってつくりましょうという取り組みです。小人数と言いますけれども、最適規模の学習というのは、内容によって変わるわけです。例えば、基礎基本となる計算をやる場合は、少人数のほうが身につきます。これは明らかに少人数のほうが身につきます。でも、ボール運動、サッカーはどうでしょう。5人でサッカーできません。ボール運動でも基礎基本で技術を身につけるときは少人数のほうが効果的なんですね。だから、その学習内容によって、最適な授業を学校間の連携によってつくり上げましょうというのが、このRG授業です。合唱や合奏は、4人や5人ではなかなか効果的な学習は上がらないですよね。そういったときは、4つの学校が集まって大きな規模の授業をつくりましょうと、そんな取り組みです。
 システムはどういうことかというと、4つの小学校がありまして、8人の教員が配置されています。見ていただくように、5年生、全部集まっても40人いないもんですから、通常の学校の1つのクラスぐらいです。音楽で合唱の授業をダイナミックにみんなでやる授業を、1人の先生が受け持つと、他の7人の先生で思い切り少人数指導ができると。同時に、こういった場をつくり出すことができる。これを先進地でやっていたんですね。それを取り入れて、こういうシステムを使って、学習内容に合わせて最適規模のクラスをつくって勉強を行いましょうと、こういった取り組みをしているところです。35人を7人ずつで割るのではなくて、子供の実態に合わせて、B先生はもうマンツーマンでやったりとか、ある程度、切磋琢磨したほうがいいような子供については、10人ぐらいの規模をつくってやりましょうとか、多様なグループができるわけです。そこに、必要であれば教頭先生も入れていくと、もっと少人数のクラスができていくと、徹底的な指導ができると。こんなシステムをとっています。
 そのためには、先生方には、このRG授業のときにほかの学校の子供たちも教えられるようにということで、兼務発令がなされています。要は、県のほうから、中川根第一小のA先生には、この授業をやるときは中央小学校、南部小学校、本川根小学校の子供たちも教えられますよという辞令を出してもらっています。こんなシステムをつくっているということです。
 これは、RG授業の様子です。この真ん中の男性は教頭です。必要に応じて、こうやって教頭が入って細かな指導をしています。必要に応じてグループの規模なんかも変えられるもんですから、これは2つの中学校の生徒が集まって勉強しているところです。数学の勉強です。真ん中の女性は、役場の保健師の職員です。地域の人材も使って効果的な学習をという先生方の工夫から、こういった取り組みもしています。
 そして、真ん中の女性の先生ですが、川根高校の進路指導の教員です。進路指導をするのに、高校の先生に実際に来てもらって取り組みをやっています。大変効果的でした。
 これは、ALTを使った外国語活動の授業です。
 また、リレーなどは通常、小規模校ですので、思い切ってできないんですが、本当に楽しかったという感想もありました。リレーの取り組みです。
 これが少人数指導の様子です。算数の授業をしていますけれども、こういった形で、1時間でみっちり子供たちに学習指導をすることができる、そんな環境をつくっています。
 これは合奏です。それぞれの学校で練習してきたものを集まって、みんなで合奏するんですけれども、それを録音して聞かせると、ふだんの音楽の授業ではできないような効果が生まれます。
 これは中学校での水泳の授業です。一番奥の方は地域の人材なんですが、日体大の水泳をやっていた方がたまたまいらっしゃって、講師に招きました。中学校の教員のほか、一番手前は高校の体育の教員です。後ほど中高一貫の取り組みの中で御説明しますが、こういった形で川根高校の教員にも中学校の指導をしてもらっています。地域の人材をフルに使った授業ということで、このときは徹底的に4つの泳ぎ方をマスターしようということで、川根高校から3人の体育の先生が来てくださって、指導してくださいました。こんな工夫した思い切った取り組みもやっているということです。
 秋の文化祭の前には、こうやって両方の学校が集まって互いの合唱を聞き合うような、そんな刺激を与える取り組みもしています。
 これは、特別支援学級です。社会性を身につけるということで、大変いい学習の場になっているところです。
 こんな形で、先生方が知恵を絞って子供たちのために本当に効果的な学習を生み出そうということで取り組んでいます。実は昨年度から行っていて、ことし2年目です。2年目でこういった取り組みが見え出したというところです。
 この横の連携で期待される効果ですけれども、これも先進地で検証されたもので、こういった学力向上とか自尊感情、自己有用感、自己効力感の醸成、それから学ぶ楽しさの実感、学校を超えた新しい人間関係の構築、こういった効果が子供たちに見られたというところを勉強してきておりまして、ここを目指してうちの町も今やっているところです。小学校で40時間、中学校で20時間とって、中学校は2月に1回です。小学校はほぼ毎月こういう時間を生み出してやっています。うちの町は、スクールバスが7台あるもんですから、スクールバスを使って移動をしております。日課の工夫をすると、授業を削らずにこういった時間も生み出すことができると、町の強みを生かしてそんなこともやっています。
 こういった取り組みにより、教員の力が向上すると、実は先進地で検証されています。
 どういったことかというと、後ほどまた説明したいというふうに思うんですけれども、こういった施策を進める中で、うちの町が何を今考えながらやっているかというところです。ここが基本理念ですので、子供たちは宝物、とにかく一人一人に確かな力を育んでもらうということです。川根本町の学校でよかったなって、保護者、子供たちが言ってくれるように、いつもそのことを考えています。
 それから、教職員は町の財産。先生方も自分たちの力がついたな、高まったな、勤めてよかったな、こういうふうに言ってもらえるようにということで、日々の政策を進めているところです。
 何をしているかというと、これがうちの町の課題です。町で予算化して、県外視察や講師招聘をやっています。町単で予算をとっています。先生方には、うちの町へ来たら勉強してもらおうということで、いろいろな取り組みをしているんですが、これは、昨年熊本県の施設に行ってきて、複式の授業とかICTの教育について学んできました。
 ことしは、長野県の木島平というところで、共同的な学びとかコミュニティスクールの勉強をしてきました。実はきょうも、教員4人が広島のほうで視察研修を一生懸命やっているところです。
 月に1回、こういう形の合同の研修会を持ちます。小規模校ですので、学校に4年生の担任は1人しかいません。中には若い先生もいます。月に1回こういうふうに顔を突き合わせて研修会を開いています。経験のある先生は自分の経験を生かして若い先生に教える。若い先生はいろんなアイデアを出して1つの授業をつくっていく。こういった取り組みを毎月することによって、大変教員が育っていきます。真剣に話をしている様子が見ていただけるかというふうに思います。
 それから、新しい指導要領に変わりますので、先取りをして21世紀型学習スキルを学ぶということで、こんな講演会もやっているところです。
 ちょっと取り出してみると、平成27年度はこれだけの取り組みをしています。研修と視察です。町の協議会の合同研修会等もあるんですけれども、そのほかにこれだけ先生方に勉強してきてもらっています。先生方は、県外とかで新しいものを見ると、すごく刺激を受けるんですね。帰ってきてやってみたくなる。それを、各学校だけではなくて、さっきの作業部会で他の学校にも広げてくださいというようなことで、先生方にはお願いしています。ぜひ、これらを子供に返してくださいというようなスタンスでやっています。これは平成28年度の内容ですが、もっと絞り込んで、ことしも勉強を先生方にしてもらっているところです。そのための町の予算も計上して、取り組んでおります。
 資料2と資料3をごらんください。
 新聞のほうでも取り上げていただいております。うちの町がどういう考えで統合しない、こういった授業をやっているか、それから、課題も実はあるんですよというようなところも、新聞のほうに報道していただいて、気を引き締めて施策に向かっているところです。
 次は、「奥流」を核にした若者の交流です。
 資料4をごらんください。町の広報の資料です。
 この若者交流センター「奥流」は、若者の交流人口を創出するための施設です。このあと説明しますが、川根留学生の寄宿舎にもなっています。これが、若者交流センター「奥流」を建てる前の構想図です。いろいろな形で若者の交流人口をふやす流れをつくろうというところで、教育実習生を呼んできたりとか、サークルやゼミで使っていただいたりとか、考えています。静岡県内の全ての大学を回ってお願いしてきました。ぜひ来てくださいということで、少しずつ反響が出てきているところです。
 教育実習生も静岡大学と協力校になりまして、来年から7人、教育実習生を送っていただくことになりました。「奥流」が川根留学生の寄宿舎にもなっているというのは、先ほどもちょっと説明したとおりです。どうして交流人口かというと、うちの町、余り知られていないんです。どこにあるのっていつも言われるんです。やっぱり来ていただいて、よさをわかってもらって、そういった方に将来住んでほしい。100人来たら1人そういう気持ちになってもらえればいいんじゃないかと、そういう思いでいます。とにかく来てもらいたい。いい町ですので、とにかく来てもらって、感じてもらって、帰ってもらって、リピーターになってもらって、そんな思いでいます。そういった交流人口がふえていくと、実は町の若者たちが、うちの町、捨てたものじゃないぞ、Uターンの人口もふえてくるという、そういうイメージ図です。少しずつ交流人口がふえてきておりますので、さらに進めてまいりたいというふうに思っています。
 実際の交流の様子です。こちらの女性3人が静岡大学の音楽専攻の学生です。町の施設で、学芸員になるための資格とるために実習に来ました。そのときに、自分の高校時代、大学生活を振り返って、こちらにいるのが川根留学生です。川根留学生に一生懸命語ってくれたんですね。すごくいい交流の場になりました。
 これが、若者交流センターで毎週月曜日にやっている学習会です。寄宿している生徒だけではなくて、町内の生徒が20人ぐらい集って、毎週月曜日、学習会を開いています。その隅の立っている学生が、うちの町から静岡大学に行っている学生で、ちょうど月曜日、学校のボランティアで入ってくれているもんですから、講師やるよということで、高校生を教えてくれています。2時間みっちり、毎週月曜日、勉強して帰りますので、保護者からも大変喜んでもらっています。来年は中学生にも広げていきたいなというふうに思っています。
 連携型中高一貫教育について、このあと説明します。
 資料6をごらんください。
 川根高の将来という題で、新聞掲載がありました。うちの町の鈴木町長、常々、高校のない町に未来はないって言うんです。実は、川根高校なくなると、一番近い高校まで1時間以上かけて通うことになります。とにかく川根高校があることによって町があるんだというような捉えで、支援をしてきましたし、これからも先ほどの若者交流センターの問題も含めて、町の未来という観点でいろいろなことを考えていかなければいけないということが、基準の中に盛り込まれているかというふうに思います。
 連携型中高一貫教育ですが、平成14年に県の施策として始まりました。市町村合併で島田市に今なりましたけれども、島田市立の川根中学校、それから、うちの町の中川根中学校、本川根中学校、この3つの学校と連携型の教育をやっております。
 平成25年度にマンネリ化していたもんですから、見直しを図って、平成26年度、川根留学生制度の開始とともに、内容を一新しました。やっていることは、交流事業といって、中学校の先生が高校へ、高校の先生が中学校へということで、週に何回か教えに来ています。生徒間交流というのは、中高の生徒が交流してやる事業です。それから教職員研修、この3本の柱で行っています。
 川根の郷の夢を語る会というのは、中高生が一緒になって町の将来を語り合う会です。川根の郷夢プロジェクトというのが、地域を生かした学習とか、あと講演会を開いて夢を持てるようなそういう講師を呼んできて、本物の話を聞かせようというもので、そんな取り組みもしています。
 資料7と資料8に、中高連携だよりということで、これは高校から出しているものですけれども、詳細の取り組みが記載されています。資料8は県の教育委員会で出していますEジャーナルという新聞です。こちらのほうにも川根高校を紹介していただいてまして、その中にも先ほど言った3つの柱の取り組みが記載をされているところです。
 町からどんな支援をしているかという部分ですが、資料9をごらんください。予算のほうも合わせてそこにつけてあります。
 特に大きいのは、若者交流センター「奥流」の運営の部分、それから南麓寮という施設で、「奥流」に入り切らない生徒については、南麓寮という町の施設を使っていただいて、生徒が生活するようになっています。それから、大井川鉄道の減便によって生徒の登下校が大変不便になったので、スクールバスも出しています。そこにあるような取り組みを行いながら、さらに川根高校の特色化、魅力化への支援を行っていきたいというふうに考えています。
 先ほど、寮の問題を言いましたが、資料10に先日見ていただいたと思うんですけれども、川根高校の全国公募という大きな記事が出されました。川根留学生は、数字を見ていただくと、初年度は2人でした。男子女子1人ずつの2人です。2年目に10人入学しました。今年度は24人で、先ほどの施設ができたおかげで、倍以上の入学者が入学してくれたわけです。その右側の数字がどこで生活しているかで、自宅から大井川鉄道で通っている生徒もいるんですが、ほとんどは下宿とか南麓寮、それから先ほどの若者交流センターで生活をしています。住所を移して、ほとんどの生徒が来ています。高校生まで医療費無償化しているもんですから、そういったところも利用していただいているところです。
 これが南麓寮です。前は診療所です。診療所を改修しまして、今、7人の生徒が生活しています。
 見ていただくと、南麓寮の文字の横のカッコ書きが最大数です。だから今、南麓寮は目いっぱい入っているということです。それから、若者交流センターも今年度の当初には男性は全部部屋が埋まっている状況が見られました。この3月に卒業するのは2人ですので、男子の生徒は1つしかあかないわけですよね。平成29年度は実は南麓寮を町のお金で改修しまして、10部屋をつくりまして、合わせて下宿という形で対応しようということで、今、準備のほうをしているところです。平成30年以降については未定です。このままいっても10人が卒業するだけですので、たくさんの生徒が来ていただいてもなかなか生活する場が困るという状況が生まれまして、今は県内だけですので、これが全国公募になったときに、さあ受け入れ態勢はどうなるんでしょうというところが、大変課題になっている。そういった意味で、大きな赤い字で、川根高校の寮の建設というところが課題になっていますよということを申し上げたところです。
 そのほか、町でできることというところで、お話しさせていただきますが、何をやってきたかといいますと、まず教育委員会事務局の組織改編です。うちの町の規模は小さく、私は管理主事という職ですが、管理主事を置いている町は県内に一つもありません。私は今3年目になりますが、もともと教員です。私どもの小さな町で、平成24年までは学校を知る人間が1人もいなかった。そういった教育委員会事務局を改編して、このような形で環境を整えたというところです。私は、今、身分切り変えて役場の職員になっています。小さい町で、こういった取り組みをやっているところはなくて、いろいろ県外視察に行くと、町に管理主事がいるんですかっていつも言われるんですけれども、本当に思い切った取り組みだなというふうに、自分のことを言うようでおかしいんですが、本当に思っているところです。
 それから、県のほうから非常勤なんかもつけてもらっているんですが、口あけてあめ玉待っていてもなかなか来ないので、町で講師雇っています。これも小さな町なのに、これだけ人をつけているというのはないというふうに自負しております。
 町でできることは町でやりますと、知恵を出して、工夫して、学校のために、子供たちのためにということで、今、一生懸命やっているところです。進めていく中で、先ほど言ったように、なかなか町だけでは進まない部分で、何とか県から支援をいただきたいなというところで、町長、教育長も同じような思いで、先日お話のほうをさせていただいたところです。町の未来のために、これからもさらに頑張っていきたいというふうに思っていますので、ぜひまた県議会のほうからも御支援をいただければというふうに思います。
 ちょっと長くなりましたが、私の説明は以上でございます。ありがとうございました。

○佐野委員長
 どうもありがとうございました。
 熱い語りで、川根本町の様子がよくわかったと思います。
 大橋教育長さんもいらっしゃいますので、委員からの質疑に入りたいと思います。
 いかがでしょうか。

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