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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成23年12月定例会企画文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:12/15/2011
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○阿部委員
 それでは、7問質問させていただきます。
 まず、議案の第149号と150号の両方について確認をさせていただきたいことがあります。
 今までの委託契約の中で、それぞれ事故及び不適切な対応等々があったか、ないか。SPACが平成20年、21年に無届けで大規模修繕をしたというようなことがありましたが、そういうことを含めて、つまびらかにしていただきたいと思います。

 それから、この委託を選定する選定人及び評価をする評価者、これについて個々に一人一人については聞きませんが、それぞれ私が見る限り、同一の方が多いように感じるんですが、それで果たして公平性が保てるのか。なぜほとんど変わらないメンバーで選定も評価もするのか、そこを明確にしていただきたいと思います。

 それから、またそれぞれ毎年、業務に関する外部評価委員並びに県評価結果という形で文書化されていますが、それで指摘をされていることについての改善状況。
 特にグランシップのほうは、入館者数、施設稼働率、それから友の会、法人会員数、サポーター数が目標を達成せず、毎年同じ指摘を受けていますが、この改善が見られないということに関して、それでもなおかつ施設の特殊性と財団の能力を買って非公募にしたということについて、説明を求めたいと思います。

 それから個別にお聞きをしますが、グランシップですが、先ほど来、各委員から指摘されてるように、特に1番目の高度な専門的知識の蓄積、活用が必要とされる施設としてグランシップだということ。そして管理運営に当たり、県施策との一体性が必要とされる施設ということで、この県文化財団にという説明であったと思うんですが、これはこの説明資料の3ページの中段にある、財団が本県の文化振興の中核的組織として設立されたことと、今までさまざまな文化事業を蓄積してきたから、ここにやっていただくのが一体性がとりやすいという理由だと思うんですが、ここに書いてあるように、ふじのくに芸術回廊創出において極めて重要な役割を果たす団体であることというのであれば、この財団の役目を明確化して、グランシップ以外での活動をもっとしないと、存在意義がないのではないかと感じています。
 それから、先ほど申し上げた評価書の中で、グランシップのレストラン等の各施設についてマンネリ化も指摘をされています。そのあたりどう改善するという見込みでこの財団を選ぶのか、明確な答弁を求めます。

 2問目です。富士山世界文化遺産登録に向けてお聞きをします。
 この世界文化遺産登録に向けて、来年ユネスコへ正式な推薦書を提出して、秋にはイコモスの現地調査がある。再来年にはイコモスの勧告があって、夏には世界遺産委員会の審査で可否が決まるというふうに日程表が公開されていますが、最近のこのイコモスの勧告と世界遺産委員会の勧告率を見ると記載勧告、世界遺産に記載される勧告率は非常に低くなっています。2010年が21%、2011年が31.8%、そうなってくると、もう課題をきちんと整理をして、対策をとっていかなきゃいけないと感じました。その中でさまざまな方が指摘をされていますが、今課題として考えられることについてお聞きをします。
 まず、ここにも少し触れられていますが、広域保全管理体制をこの先どう確立をしていくのか。
 2つ目、富士山が信仰の対象だということを、外国人に対してどう理解させるのか。委員は大体海外の方、全世界の方なので、信仰にはそれぞれ考え方があります。日本人の富士山に対する感情というものを、我々は感覚的に日本の象徴だとわかりますが、富士山を見たこともない人たちにどう説明するか、そこをどう考えておられるのか。
 それから3つ目が、同じようなことですが、富士山の特殊性をどう際立たせるのか。
 それから、また現実的な問題ですが、富士山世界遺産センター――ガイドセンターですね――これは今計画が出ていますが、今言ったようなものをどう盛り込んで、ただ格好をつければいいというのはない、しっかりしたコンセプトを入れてつくらなきゃいけないと思うんですけど、そのソフト部分が現状では開示をされていませんので、どのようなことを考えられているのか。
 それからもう1つ、厄介ですが、自衛隊の演習場のことを突っ込まれる可能性がある。これについてどう説明をすることを考えているのか、お聞きをしたいと思います。

 それからあわせて、今議会の本会議で我が会派の代表質問で、私がやらせていただきましたが、トレイルロードの提言をしたところ、満額回答をいただきました。ただ、回答をいただいただけではだめでありまして、これの整備に当たって例えば先ほど申し上げたように、来年の秋、イコモスの現地調査がある。それにある程度、間に合わせていくつもりがあるのか、ないのか、そのあたりを確認をしたいと思います。

 3問目、先ほど7番委員からもありましたが、東京の観光案内所についてお聞きをします。
 私、11月2日のオープン以降、2回見に行ってきました。お聞きするところによると171万円かけてリニューアルしたということですので、そのリニューアルをちゃんと見とかなきゃいかんと思って見てきました。ただうちの県のだけを見ただけじゃなくて、ついでに他県の同じような観光案内所も全部見て、実際、資料の数字の開示はいただけなかったんですが、東京の人間が見る感覚と同じように見せていただいたんですが。
 1つ、先に他県の研究からいうと、北海道とか鹿児島県とかはもう超一等地にあります。ただこれはそれぞれの県の大戦略の中で、観光がもう産業の柱だと位置づけていて、静岡県と多少違うところがあると。静岡県と多分位置的に同じような似た立場であるのが、群馬県だと思います。群馬県は銀座のほぼ一等地の平面上に、交差点の角といういいところにありますが、群馬県の方に聞くと、やはりお客は多くて物販もかなりあるんですが、費用対効果の面ではマイナスだと、赤字になっていると。なので今回の静岡県の挑戦というのは、さっき植田観光振興課長もおっしゃいましたが、来る人は減っても、じっくり話をして静岡県のよさをわかってもらうというこの挑戦は、一つの挑戦として価値があると、私は私なりに判断をしました。
 ただし、見せていただくと、まだまだ改善の余地がかなりあって、パンフレットのケースが――見てない委員の方もいらっしゃると思うんで――非常に取りづらい。本棚で一々引き出しをあけて、こうやって探さなければいけない、それはいかがなものかと。そこにいらっしゃる方によると、いや、どこどこに行きたいんですと言うと、職員がお出しして説明をするんですと。でも、時間のない場合は、例えば伊東に行ってみたいなと思ったら、伊東のパンフレットをぴっと持って帰りたいという人もいらっしゃいます。そのニーズにもこたえないと、その周辺には和歌山県や兵庫県、富山県の観光案内所もありました。同じように、向こうはすぐ持っていく。やはりパンフレットを集めて、どこへ行こうかと思っている人からしたら、非常に不便に感じるというところがあると思うんですが、その改善についてどう考えているのか。
 それから現時点では物販をほとんどしてませんが、やはりある程度、静岡県の観光案内所であるのであれば、今月は浜松のもの、例えばシーズンで、今はミカンのシーズンですからミカンに関連するものがある、来月はイチゴに関連するものがある。そういうようなものを考えなければ、ただきれいに改装しただけでは意味がないと感じました。ぜひ今後の改善、それから取り組みについて、お答えをいただきたいと思います。

 4問目、子ども芸術大学についてであります。
 今年度展開中で、まだ多少延長されて3月まであるようでありますが、まず今年度の総括――まだ完全に終わっていませんが――現時点での総括と、特に反省点があれば挙げていただきたいと思うんです。
 それから11月29日の静岡新聞の社説で、この子ども芸術大学について提言がされてました。提言の主なものは、作家や人材を一流どころだけ集めるのではなくて、地域の作家や人材を使って子供の創作意欲をかき立てましょうよというのが1つ。2つ目は同様に、郷土の若手の芸術家を掘り起こして、彼らを育てる一環にしましょうよ。3つ目は、どうも今回、ことしの芸術大学は聴講とか鑑賞の要素が多分に多いように感じると。子供たちにもっと、みずからが創作させる時間を十分に取らせたほうがいいんじゃないかという提言がありました。それらについてどうお考えか御所見をいただきたいと思いますし、あわせて静岡新聞さん、ここまで言っていただけるんなら、一緒にあなたも協力してくれよと巻き込んでしまう。それはとても重要なことだと思いますので、あわせて御所見をいただきたいと思います。

 5問目、6番委員も本会議で質問をされ、私も委員会で提言をさせていただいている家康プロジェクトですが、先般の委員会で加藤観光局長がこれを柱にしていくと、静岡県の3つの柱にしていくというふうに御答弁をされました。
 全県で確かに家康関連のいろんなプロジェクト、いろんなイベントがございます。こういうものを具体的にどういう形でトータルにやっていくのか。いわゆるプロデューサー的な人をだれか置いていくのか。県がやるのか、それとも全く外部の人間を起用するのか。このあたりを整合性をつけていって、みんなが相互に家康に関する、どこかが家康をやっていて、それが相互にプラスになるという形にするのがいいかと思うんですが、そのあたりの今後の展開の仕方を、この際整理をしてお聞きしたいと思います。

 6問目です。観光資源の掘り起こしについてと、観光の新結合といいましょうか、提言を幾つかさせていただきたいと思うんですが、先日、天竜浜名湖鉄道利活用促進議員連盟で、天浜線と浜名湖かんざんじ温泉観光協会、特に浜名湖の舟運についての視察をさせていただきました。
 その折に浜名湖観光協会から提案が出ました。我々も実際船に乗ってみたんですが、寸座という駅があります。そこでおりて、寸座のマリーナまで10分弱歩いてそこで船に乗る、それで舘山寺に向かうとなかなかいい観光コースになるだろうなというふうに感じましたが、この天浜線との連携を浜名湖観光協会は、実際、遠州膝栗毛という観光協会が独自で日帰りのバスツアーを組んで、これが意外に人気で、舘山寺に泊まりに来る県外の方だけでなくて、近所の人たちもぜひ行きたいと。地元のそういう観光資源を改めて見つける。いろんなものがメニューに入っているんだけど、これで天浜線とも連携できたら、そんなすばらしいことはない、選択肢もふえる。
 そういう中で、この寸座からだと10分程度かかるもんですから、隣の浜名湖佐久米という駅であれば、駅のすぐそばがもう浜名湖だと。ただし桟橋を新設する必要もあるし、場合によっては、しゅんせつもしなきゃいかん。そういうことも必要かと考えられますが、この浜名湖の舟運との連携について、ぜひお考えになったらどうかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。

 あわせて、その際、浜名湖観光協会のほうから意見として出たのは、東名の浜名湖サービスエリアがあります。
 実は、平成21年度に浜名湖観光圏の事業で、舟運事業を調査研究しようと思ったんだけれど、なかなかお金がかかり過ぎるということで中止になったんですが、そのときにNEXCOに対して、浜名湖サービスエリアの駐車場におりてきて、船に乗れるように桟橋をつくれないかという提案をした。そのときは無理だというような話が出たそうなんですが、御承知のように来年春から夏にかけて新東名が開通して、浜名湖サービスエリアが多少すくという可能性もあります。
 NEXCOにも話をする余地が出てきてるのかなと感じるんですが、これもあわせて新しい観光事業として考えていくお考えがないか、お聞きをしたいと思います。

 それから、イギリスのコッツウォルズという地方があります。
 ここでは、ビールのジョッキをひもでこうやってくくって首からかけて、ポイントごとにビールが飲める、ワインが飲める、その地域の産物であるウインナーが食べられる、チョコレートケーキが食べられる、イギリスに限らず、世界でよくウオーキングとグルメを楽しむ、そういう楽しいツアーがあったりします。
 こういうものは、どこでも実はできるんだと思うんですが、そういうものもこれは部が違うのであえて申し上げるんですが、経済産業部がやっているふじのくに食の都づくり仕事人とか。例えば食に限らず、芸術街道と先ほど申し上げたようにやってるわけですから、この部が。いろんな美術館とか遺構を回る、そこについでに、そういういろんな楽しみもついているような企画も、1つの観光としてつくっていけるんではないか。そういうことも仕掛けるというのも考えたらどうかと。

 それともう1つ、県内には、実は個人が所有をされている美術品がたくさん眠っておられます。
 個人が美術館として整備をされている方もありますし、個人宅のお蔵に眠っているというようなものもあります。
 この三・一一の大震災を受けていろんな方から私、美術品が家にあるんだけど、地震でだめになっちゃったらもったいないから、どこか博物館とか美術館でもらってくれないかとか、預かってくれないかなというお話を複数いただきました。なるほど、わざわざ買わなくても県内で呼びかけたら、もしかしたら隠れた名品が、お宝鑑定団ではありませんが、たくさんあるんではないか。
 こういうものを掘り起こしていって、さっき言ったウオーキング、グルメツアーのついでに、個人宅でそういうのを見せてくれますよというところも寄らせてもらったりして、そうやって静岡県全体を芸術街道にするということを、大きな意味で考えたらいかがかという提案をさせていただきたいと思います。御所見を伺います。

 最後に、総合計画の進捗状況について、1つだけ御提言を申し上げます。
 総合計画の59ページ、60ページ。59ページに、余暇時間に学習した人の割合が45.8%でC評価、60ページに、県内の大学院収容率、受託研究、共同研究についてが、それぞれC評価となっています。
 これについて1つ提案なんですが、先般の我が委員会の視察で高知工科大学に行かせていただきましたが、工科大学に大分ヒントがあったように感じます。
 工科大学で社会人対象の講座をやっているということでお聞きしたところ、社会システムマネジメントコースというのがあって、一流の講師が来て、2年間しっかりやってもらって単位を30単位取ってもらうんだと。修了すれば、今までの学歴は全く関係なく修士を与えますよというコースがありましたが、どんなことをやっているかというと、工科大学ですので、今までは公共工事というと、市や県や町からこれやってくれと言われたことをやるということだけだったのが、いや、現場ではこうやったほうが絶対安全なんだよとか、こっちのほうが使いやすいよという提言ができるように、建設業者の皆さんはもっと勉強しましょうよという講座ですとか、また高知もこの静岡県と同じで、津波が非常に心配なところです。津波対策の技術、ただ頑丈な壁をつくるだけじゃなくて、津波の勢いを弱めるためにどうしたらいいかと、そういう研究をしてるんですよと。なかなかこれは現実的ですばらしいなと。聞くと、やっぱり大手のゼネコンの方とかを含めて、大分参加をされている。現場に役立っているんですということでありました。
 こういうものを、工科大学と我が静岡県の県立大や文芸大は種類が違いますが、すぐに現場で使えるものというものを講座としてやっていけば、もっとニーズが高いんではないかというふうに感じますが、御所見を伺いたいと思います。
 ちなみに、ほかにも高知工科大学は企業と共同研究で、スラリーアイスというマイナス1度の、魚を瞬間冷凍じゃなくて、冷凍の直前で瞬間的に動けなくなる、いわば眠らせてしまう。その魚は非常に鮮度がよくて、だから遠くに持っていっても売れるんだよと、そういうものをつくっていました。そういうものを共同研究をしたり、それもやっぱり現場のニーズと合わせてということでありましたが、そこら辺が少し足りないからこういう評価、こういう数値が出ているんではないかなと感じますので、改善の1つの策として提言をして、御所見を伺いたいと思います。以上です。

○松下文化政策課長
 まず、第149号、150号議案に関してでございます。
 その1番目、今までの両施設の不祥事につきましてであります。私が承知しておりますのは、先ほど委員から指摘がありましたようにSPACが県有施設内に物置場とか練習場を建てて、それはリース期間が終わってSPACのものになったんですけれども、そのまま放置しておいたという事件があって、それを指摘されたのは承知しております。
 それと指定管理者との協定書では、30万円以上の工事については県が実施するということになっておりますけれども、何件か30万円を超える工事を独自でやっていたということも聞いております。
 また、グランシップにつきましては、これは財団というよりも県のことになろうかと思いますけれども、平成16年度からのスレートの落下について公表がおくれたということで指摘を受けたということです。

 2番目の指定管理者の選定人と評価者です。
 これにつきましては、設置要綱に伴いまして学識経験者2名、企業経験者2名、利用者1名、計5名で編成するという決まりになっております。委員が言われるように平成20、21、22年度の評価委員は、前選定委員と同じメンバーでございました。ただ、これも包括外部監査人から指摘を受けまして平成24年の今回の指定管理者選定委員は、評価者と全く別の方を選んでおります。5人ともすべて入れかえております。

 3番目のグランシップの毎年の入館者、稼働率、サポーターの改善につきましてでありますけれども、これには毎月スタッフと一緒に、企画委員会というものを合同で開いております。また、自主企画事業で、例えば自主企画事業を50本程度やっておるんですけれども、入場率が例えば30%とか40%を切るようなものに対しては、何が原因かというのを分析をいたしまして、原因を究明して入館者のアップにつなげていきたいというふうに考えております。

 それとグランシップに関してですけれども、グランシップ以外での活動をもっとすべきではないかという御提案だったと思いますけれども、例えばアウトリーチにつきましては、平成18年度から指定管理者を導入しております。そのときにはアウトリーチが2件しかございませんでした。ただ平成22年度につきましては音楽だけではなくて、ほかのジャンルも含めまして18件、要は外に出ていく事業がふえております。また、今後予定をされますスレートの工事で、閉館を余儀なくされる時期があります。その時期でも、やはり自主企画事業というものは維持していかなければならないものですから、これはどんどん外に行ってグランシップ、文化財団という名前はしっかり売っていきたいと思っております。
 それと各施設のマンネリ化でございますけれども、グランシップの中に利用者懇談会というものがございます。また、展覧会などの自主企画事業の際にアンケートを実施しております。そういう声を聞きながら、特に施設改修になりますと県が絡んできますので、県と文化財団でその声を聞きながら、施設改修も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
 それと、もう2本ありますけれども、済みません、ちょっと終わらせていただきます。

○下山文化・観光部理事(文化担当)
 委員の最初の御質問の指定管理者としての事故、不適切な事故はどうかということでございますが、これは指定管理者としての業務ではございませんが、今回の部長からの説明にもございました文化財団の基金の一部について、仕組み債を購入したことによって運用益が得られない状態になっていると。
 この点につきましては、今申し上げましたとおり、指定管理者の業務とは別の分野のことではありますが、指定管理者としての信頼性を損なうという結果に至ったことについては、大変重く受けとめております。以上であります。

○松下文化政策課長
 済みませんでした、答弁漏れがございました。
 子ども芸術大学の総括と反省点についてであります。本年度は地域の文化活動団体や公立文化施設からの講座案を公募する形をとりまして、22講座を計画しました。そのうち現在までに19講座を終了しております。
 受講者数は、定員が716人のところ637人、90%の入場率でありました。ただ、中には三枝学長の特別講座や石の絵判こづくりという、子供にはとっても楽しかったようですけれども、演劇宝島、リコーダー講座、浜松のオートバイデザイン、これらにつきましては定員を超える応募がございました。受講した子供たちへのアンケートでは、いずれも満足度は高くて、今まで知らなかった芸術に初めて触れたというようなアンケート結果を得られております。
 一方、委員が言われたように課題は何かということですけれども、押しなべて県も広報したんですけれども、その企画を出した実施者に効果的な広報手段が少なかったために、広域の地域の子供やその親御さんに対して講座の内容が伝わりにくかったと、これが一番課題というふうに考えております。これは実行委員会でやっておりますけれども、実行委員会の中では、第一線で活躍する芸術家と県は言いながら今までの公民館や市町のホールの事業と変わらないんじゃないかというような厳しい御意見をいただきました。それと地域的な偏りですけれども、反省しているのは伝統芸能等がたくさんあるのですけれども、伊豆地域での開催が皆無ということは非常に残念であります。
 こういった課題を受けまして、来年度予算要求しているところですけれども、静岡新聞の社説にもありますけれども、やはり芸術大学と銘打つからには、第一線の芸術家を呼んで子供たちに体験していただくという、そういう一流のやり方の事業を1つ選びまして、それは実行委員会企画型と申しております。もう1つは今までどおりの講座で、その中には委員が言われたように、静岡新聞で提案がございましたように地域のリーダーに出ていただく。そういう2本立てで講座を考えていくようにしております。また広報手段が効果的ではなかったということで、広報のみの見直しをこれから進めていきたいと考えております。

 それと、最後、これは観光局がお答えするか文化学術局が答えるべきかちょっとわかりませんが、ビールだとかウインナーのツアーということがありました。
 文化政策課では、8月にふじのくに文化資源データベースというものを起こしました。本年度末には約1,800件の登録を目指しています。その中には、文化資源を中心に名所旧跡、神社仏閣等も少しでありますけれども紹介をしております。毎年、市町へ確認いたしまして、その地域にある文化資源を、こういうものがあるよというふうに報告をしてもらって、それを登録しようというふうにしております。
 その中で、今回、委員が言われたように、個人が所有している美術品とか神社仏閣が持っている絵だとか書、そういう物についてもあわせて情報の提供を求めることも検討してまいりたいと思います。またビールとウインナーとかおいしいものということですけれども、文化政策課といたしましては、食文化に関する情報はその文化資源の中で提供してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

○杉山世界遺産推進課長
 私からは、富士山の世界文化遺産登録に向けた取り組みについて御質問いただきましたので、お答えいたしたいと思います。
 まず、世界文化遺産登録に向けた取り組みでございますけれども、阿部委員がおっしゃったとおりで、これからイコモスの現地調査、それから世界遺産委員会の審議という正念場を迎えます。この正念場をどのようにきちっと課題を整理し乗り越えていくかということが、今、私たちの大きなミッションだと考えております。
 まず保全管理については、今の世界遺産委員会の中でも非常に大きなテーマになっております。
 富士山の顕著な普遍的価値ということについては、ユネスコの評価基準の適合性、それをきちっと推薦書の中に盛り込んでいくということで、他の資産と富士山との差別化を図っていくということが求められております。
 一方、登録後のことを見据えた場合につきましては、一般の方たちに対しても、それらのものについてわかりやすくガイダンスをするような機能というのが求められていると思います。
 そういったことの観点から課題といいますと、1つは、保存管理をどういうふうにつくっていくか。この保存管理体制につきましては、現在、包括的保存管理計画を作成しておりますけれども、富士山系というのは非常に広いです。その中に文化財保護法、あるいは自然公園法、国有林野の管理経営に関する法律、関係省庁がたくさん複合的にかかわってきます。そういったものを一体化して守っていく体制というのが求められているということで、これをしっかり構築することによって、対ユネスコに理解を求めていくということが必要になってくると思います。現在その保存管理の体制につきましては、国の関係省庁と包括的保存管理の取りまとめの中で、体制の整備を今まさにやっているところでございます。
 それから、信仰の対象につきましては、富士山については登拝ということで、これが他の類似資産とは顕著な普遍的な価値という観点で非常に差別化ができる。これは学術的な部分では、推薦書原案の中でかなり盛り込んでおりますが、これについては先ほど申しましたとおり、一般の方々にもよりわかりやすい形で、それを伝える必要があるだろうというふうに思っています。
 現在、富士山の世界遺産センターの構想の取りまとめを本年度中に行うということで、委員の先生方に御議論いただいておりますけれども、信仰という面について、きちっと伝えるというようなことが必要なのではないか。1つにはですが、例えば、周辺の構成資産というのは、これまで神社は地域の社として細々と守られてきたものもあります。そういったものに対してきちっとした、例えば案内掲示板みたいなものを多言語で置いて、なおかつ地域の人たちとのかかわりの中でボランタリーなガイドを養成していくとか、そういったものも来年度以降については本格的に整備、あるいは検討を進めていくべきだと思っておりますので、そういう対応も必要になってくると思います。
 演習場につきましては、現在構成資産それから緩衝地帯――これはユネスコの保護の対象になりますけれども――国防の観点から、ここは保全管理区域ということで、自主的に管理をする区域という形でユネスコに対しては主張していきたいと思っています。これは文化庁それから防衛省との協議の中で、そういう観点から整理いたしました。
 1つのポイントといたしましては、演習場がそこにあることによって、富士山の周辺の乱開発みたいなものに一定の歯どめがかかっているという点、それから、川勝知事も申していたんですけれども、三・一一の大震災がありましたけど、あのときに自衛隊に対する災害対策、復興対策の活動が非常に評価されている。そういった面もそこに演習場があると、そういったさまざまな活動をする演習場があることによって、富士山の構成資産としての山域を乱開発から守っているのだと、そういうような主張をしてユネスコの世界文化遺産登録について、日本として言うべきことを言っていくと。そういうことで今まさに取り組んでいるところでございます。私からは以上でございます。

○藤原観光政策課長
 はじめに、Mt.FUJIトレイル整備の提案についてお答えします。
 具体的なイメージは、今、2つほど持っていまして、1つは既存のウオーキングコースがございます。これは日本富士山協会が主催して、12区間に分け1年かけて富士山を一周する、富士山一周ドリームウオークというのがありまして、このコースでは、富士山本宮浅間神社や白糸の滝、須走、富士浅間神社を立ち寄るコースとなっておりますので、それにオプションとして、少し構成資産をめぐるコースが選択できないか協議していくというのが1つ。
 もう1つは、委員の御提案の中であったトレッキングコースが1つございますが、この課題としましては、富士山南側の道路を利用していくところが、一部まだトレッキングコースができておりません。白糸の滝から富士山本宮浅間神社、山宮、村山浅間神社、須山浅間神社を経由して須走の浅間神社までの間の富士山南側については、愛鷹山のハイキングコースを除いて今のところ登山道がないので、道路上を利用してコース設定をしていくことになろうと思いますが、このコースについては、例えば富士山こどもの国周辺を通る国道469号など、あるいは大きく旧東海道を通る海側のコースなども考えられますが、いずれにしましても、歩行者であるトレッキング愛好者の安全、これは安全というのは交通事故もそうでしょうし、意外と忘れがちなのが道を迷われるというところがございます。道迷いの可能性があって、それをどう評価するかとか、場合によっては水の確保などもありますので、こういったことごとについて地元の市町などとも連絡調整といいますか、相談していこうと思っております。その上で案内標識等についても検討していこうと思っております。
 御質問は来年のイコモスの調査に間に合うかということですが、今のところちょっと何とも言えないところで、できるところからやっていきたいと思っております。

 次に、浜名湖の舟運についてお答えいたします。
 もともと浜名湖観光圏では、平成21年度に舟運の調査をやったのですが、当時NEXCOが浜名湖のパーキングエリアが満杯だという意味で、なかなか新たな車等々が駐車について困難だという理由で断られたものです。舘山寺とJR新居町駅をイメージして調査をしたのですが、浜名湖が都田川という意味で法規上の路線の設定がなかなかされてないとか、漁業者との調整の問題もきっとあるのだろうなと。例えば新居港の付近がちょっと水深が浅いよとか、ほかはどうなんだろうとかという問題、あるいは橋がありますのでどういう船を持ってきてぶつからないようにするかという問題、あるいはどのぐらいの需要があるか、まだそのときは見通しが立ってないということもあって、一たんは断念いたしましたが、委員がおっしゃるとおり、新東名ができますと若干浜名湖サービスエリアの駐車に余裕が出るかもしれないという話もあります。浜名湖かんざんじ温泉観光協会の皆さんに聞くと、できるところから1つずつでもやっていきたいと、課題を1つずつつぶしていきたいという御意向でありますので、我々のできること、あるいは浜松市ともよくよく相談しないといけないので、どういったところから支援できるか相談に乗っていきたいと思っております。以上です。

○植田観光振興課長
 シズオカ・マウントフジ・グリーンティープラザの、まずパンフレットの件です。
 このプラザですけれども、リニューアル前はやはり先ほども言いましたように、狭いところでパンフレットがごちゃごちゃしていたということで、リニューアル後はなるべく狭いところを広く見せて、落ちついた雰囲気をつくろうということで、パンフレットは一切開架はせずに引き出しとか、あと棚のほうに収納しました。それで来られたお客様にはお話を聞いて、必要とされる情報を提供するということで今運営しております。
 ただ、やはりお客様からは、わかりにくいということもありますしパンフレットが取りにくい、またパンフレットがないものですから観光案内しているかどうかわからなかったという御批判もあります。ですので、やはり全部というのはちょっと行き過ぎたのかもしれないものですから、これから設計士さんともお話して、せっかくいい雰囲気をつくったものですから、その雰囲気を壊さないようなパンフレットの開架の方法について考えて、それを進めていきたいと考えております。
 また、物販ですけれども、今はお出ししたお茶と、そのお茶受けのお菓子を物販しております。運営が軌道に乗りましたら、もうちょっと拡大しようという方針はあります。
 この案内所の方針として、市町村とも一緒に連携してやっていこうという方針がありますので、先ほど委員から御提案ありましたけれども、地域の特産物、季節によって特産物を売るというのは、非常にこのコンセプトととも合っていましてすばらしいことだと思いますので、今後運営が軌道に乗りましたら、ぜひ市町村と協力して地域の特産物についても販売したり、あとお茶受けに出せるものは出したりしていきたいと考えます。
 また、ほかにも表示がわかりにくいという御批判もありますので、まだ1カ月ですのでいろいろ皆様の御批判を聞いて、なるべくすばらしい情報発信ができるような案内所として、これから育てていきたいと考えております。以上です。

○加藤観光局長
 私からは、家康プロジェクト。それから先ほどイギリスのコッツウォルズの話、ウオーキングのことですけれども、これについてお話をさせてもらいます。
 まず、家康プロジェクト。来年度1つの主力目的として、観光としては考えたいと思っています。その1つには、やはり2015年――平成27年に顕彰400年祭ということで民間も立ち上げておりますし、この機にいわゆる観光誘客の目玉としてなり得ると考えております。そういう中で、今、浜松市と静岡市は家康というプロジェクトを組みながらやっている。
 そうなりますと、この2市のみならず、その周りにある、あるいは2つの中間にある東海道を挟む袋井、磐田とか、藤枝等の各宿場町にもいろんなものがあるだろうと、昨日は良知副委員長のお家にも、お宝が眠っていると聞きましたので大変興味があるわけですけれども、こういうものを来年度お宝探しというような名目で、家康の足跡を十分に一度掘り起こしてみようかなと。これを県がまとめながら一つのものにしていくと。その中で旅行コースをどうできるのか、あるいは県のみならず、これを愛知県、あるいは三重県と連携してやる、あるいは中部運輸局も巻き込んでやるという、そういう大きなものにしていく。
 その際に、家康がいいかどうかという問題は別として、武将という切り口が一つあると思うので、手始めに私ども、今GPSを使った武将のラリーをやりますけど、こういうものから少しずつ展開していこうかなということで、今ステップを少しずつ上げているところでございますので、ぜひまたいろいろな御企画がございましたら、私どものほうにお寄せをいただきたいというふうに思います。

 それから、やはり同じようなことですけれども、イギリスの関係、ウオーキングですけれども、私どもの観光局としましては、今、県内全域を押しなべてやれるものは、ウオーキングとサイクリングだと思っております。
 そういう中でも、ウオーキングは非常に高い利用率といいますか集客率がございます。昔、伊豆半島の中でてくもぐウオークということを私やりましたけれども、要するに、てくてくもぐもぐという、歩いて食べてという、こういうイベントというのは非常にお客様は集まるし評判がいい。ただウオーキングをして距離を稼ぐという、そういうウオーキングではなかなかお金は落ちないけれども、食べたりあるいは泊まったりという、そういうことができるのは、やっぱりサイクリングでありウオーキングだと考えておりますので、これらを各観光協会に仕掛けながら、そしてそれを連携させるという、そういう県の持っている目的で進めていきたい。
 伊豆半島あるいは浜名湖周辺にはサイクリングロードはあります。あるいは、このごろ袋井市でもサイクリングをやりますので、そういう意味ではウオーキングとサイクリング、この両方を仕掛けていきたいというふうに思います。

 先ほどの美術品もそうですけれども、やはりお宝を探すというのは少しおもしろい事業かなと思いますので、ぜひ先生方にも御協力をいただきたい。以上です。

○川島大学課長
 総合計画指標の状況をごらんいただきまして、例えば、余暇時間に学習した人の割合、あるいは我々の指標でございます県内の高等教育機関が行っていた共同研究、あるいは公開講座等の実績につきましてですね、御提案をいただいたところでございます。
 委員の御提案というのは現場で役立つ、あるいはすぐに役立つという観点かなというふうに受け取りました。そういうことから申し上げますと、大学と企業とがですね、企業の力を使って連携しながら、例えば共同研究を進めていくとかセミナーを開くとか、そういった取り組みが必要じゃないかなというふうに考えるところでございまして、非常によい提案をいただいたなというふうに思っております。
 例えば、県立大学では冠セミナーというものをやっておりまして、静岡でブランドづくりを考えるとか、静岡でビジネスイノベーションを考える、静岡でビジネス改革を考える、そんなセミナーをやって大勢の方に聞いていただいているということがあります。こういった企業と大学との連携による人材の提供あるいは活用をさせてもらいまして、現場で非常に役立つ興味の持てる講座とかあるいは企業と大学が連携してすぐに役立ついろんな共同研究をしていく、そういったことが非常に大切ではないかというふうに思います。
 そんな中で、先ほどもちょっと説明させていただきましたけれども、今後大学コンソーシアムというものを設立したいと思っております。その中には、この大学と企業と産業界との連携というものをうたっておりますので、今後そういったシステム等を使いまして研究、あるいは生涯学習、そういったものを盛んにさせていきたいと考えている次第でございます。以上です。

○阿部委員
 御答弁ありがとうございました。
 それでは、何問か再質問させていただきますが、後からいくと総合計画の委員の提案ですが、大学コンソーシアムとリンクをしていくというのは非常にいいことだと思います。高知工科大は視察に同行した優秀な職員もいるわけですから、よくよく聞いてください。お願いします。

 それから、家康プロジェクトですが、大変いいと思うのですが、先ほどお聞きした中に、各市町も一生懸命やってくれているのですが、それをやっぱりプロデューサーという形でまとめていくような人がいずれ必要になるのではないかと、そういうのをどうお考えになるのか、もう一度お聞きをしたいと思います。例えば、私もつらつらとどんな方があるんだろうと思って、これはある意味静岡県内とか国内だけではなくて世界に発信できる家康ですから、世界的に影響力もある人というようなのを考えたほうがいいと思う。例えばドナルド・キーンさんがいらっしゃいますね、この方は、東日本大震災の後に、もう日本に永住されるということを、もう日本に私は帰化するんだ、日本という女性と結婚するんだという宣言をされて手続を始められました。こういう意味で話題になりましたが、日本の文化に非常に造詣の深い方ですし、やっぱり家康のことも研究されておられる。世界に対して非常に発信力のある方でありますし、たまたま知事が副所長を務めていた国際日本文化研究センターにいらしたこともあるということでもありますので、例えばですがこういう方、世界に発信していくということも考えて、人選をしたり構想をつくっていかれるほうがいいかと思いますので、あわせて念を押しておきます。

 それから、観光について幾つか提言をさせていただきましたが、観光を産業とするのであれば、先ほど浜名湖の舟運のところでの答弁、歯切れが悪く、浜松市と観光協会などの相談に乗っていきたいと。
 それでは観光を産業にできないですよ。やはり県が先ほどのお宝探しのように仕掛けていく、主体的に動いていくという姿勢も必要だと思いますので、部長が観光に対して非常に思い入れがあるわけですから、部長がトップとしてどういう方向でいくのか、この静岡県の観光というのはどういうつくり方をするのかという観光のグランドデザインを、もう一度これはぜひ部長からお聞きをしたいと思います。

 東京観光案内所についてですが、ぜひ委員の皆様も行っていただくと、現状だと多分お茶を楽しむという今までと全く違うコンセプトなので、何だこれはと思われる方が多いと思います。びっくりしちゃったんです。白壁、真っ白の壁の中に白いカウンターがあって、お茶を出す女の人がいて、和風のお茶の喫茶店という感じ、まさにそれなんですが、なので、ちょっと今までの観光案内所とは違和感があります。
 であれば、珍しいからちょっとのぞいてみようと思っても、何かわからないというのが現状であります。なので何かわかるようにして、ここは観光案内所なんだと、ここでお茶を飲みながらいろんな静岡県の観光の魅力が聞けるのだというのが、まず外を通ったときに、足をとめさせたらすぐわかるようにしないと、それをぜひ工夫をしていただきたいと思います。
 それに関して1つ提案をしますが、最近タッチパネルのいろんなものがあります。いろんなものを外へ出せないのであれば、タッチパネルでぱっとここは観光案内所ですと、触って見てくださいということだってできますので、そういうことをちょっと考えて、足をとめさせる、そして中に引き込む。その方程式をきちんと組みたてていただきたいと思います。これも御答弁を求めます。

 それから、世界文化遺産についてですが、論点整理、課題整理ができつつあるようなので、これは期待をしています。
 ただ、その後さらに踏み込んだことで心配なのは、プレゼンテーションをする際は当然英語でします。また、ほかの言語でもしなければいけない。このプレゼンテーションの内容と説明者、引き合いに出して申しわけないのですが県の事業仕分けを傍聴させていただくとプレゼンテーションで差が出てしまう。課長さんのプレゼンテーションがたまたま緊張してうまくできないと非常に評価されない。ちょっと大丈夫かなと思っても、何となくうまく説明したら評価されるというようなことだってあるかもしれません。だから、ここはきちんと今のうちにプレゼンテーション能力を磨いておくことが必要だと思いますが、所見を伺います。
 それから、併せて世界遺産委員会への対策。
 これは、欧米と途上国では意図が全く違います。欧米はもう門をどんどん閉めていく、どんどん厳しくして世界遺産をこれ以上ふやしたくない。途上国は自分たちも入れたいからどんどん増やしたい。ここをそれぞれぜひ政府とも相談をして、それぞれの委員のいる国に対してプレゼンテーションの方法とかどういう形で対応していくかという戦略を、国任せではなくて静岡県としても持っていかないと、国内の鎌倉との競合の中でも負けてしまう。そこは緊張感を持って用意をしていただきたいと思います。

 それから、トレイルロードですが、1つ整備に当たってですね、私、本会議でも御指摘をしましたが、富士宮市から御殿場市の間は一般道を使ってそこの歩道を整備するというのが一般的だと思いますが、必ず市町としても歩道整備できるのでうれしいことだと思うのですが、その折に紹介した、来年5月に行われるウルトラトレイル・マウントフジをやる方々が、下準備を何年もかけてして富士山の周りを何周も回って、今回もあの区間どうするのかなと思ったら、びっくりしたのは東京電力の高圧電線がずっと一直線にあるのですが、そこの下にきれいな整備用道路があります。そこを走る。常にそこをトレイルロードにするというのは、なかなか難しいかもしれませんが、彼ら、それから、また三好礼子さん――旧姓山村レイコさんて昔ライターだった富士宮市在住の方がいらっしゃいます。彼女なども非常に細かに自分たちの足で歩いて情報を持っておられるわけなんです。そういう人たちに情報をもらうということも、ぜひ早急に検討をしていただきたいと思います。

 子ども芸術大学についてですが、PRがやはり非常に重要だったと私も思います。
 PRこそこの静岡新聞とかSBSとか中日新聞とか、伊豆での開催がないとさっきおっしゃいましたがそれこそ伊豆新聞とか地域に根差したマスコミがあります。そういう人たちに共催をしてくださいよと、地域の子供たちを一緒に育てましょうと持ちかけて巻き込んでいくということも、この子ども芸術大学の存在意義だと思います。私も提案者として、今年1件地元の遠州大念仏を紹介しましたが、先生方の地元でやっぱりそういう伝統芸能もあったり、いろんな子供たちに触れさせたいものもあると思うので、先生方にもぜひ協力を求めてPRに努めていただきたいと思います。

 最後に、議案第149号と150号なんですが、文化財団についてSPACと比べて申しわけないのですがやはり努力不足だなというのを実際、私もう一度グランシップとSPACとを見に行って感じました。もっとアウトリーチ――先ほどアウトリーチとおっしゃいましたので、アウトリーチと言いますが――アウトリーチをきちんとするように厳しく申し渡して、それができないようであれば次はないよと、緩んでいてはいけないということを厳しく申し添えておきたいと思います。これに関しては答弁は要りません。以上です。

○佐野委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は15時25分とします。

( 休 憩 )

○佐野委員長
 それでは、質疑等を再開します。
 答弁からお願いします。

○出野文化・観光部長
 観光に対する考え方を申し上げたいと思います。
 最も定住人口が減少をしているという、いわゆる人口減少社会に入ってきたという中で、地域がそれぞれ活性化して元気になっていくためにはどういうふうにしたらいいのかということから、やはりそれには交流人口を拡大させていく。それが最終的には定住人口の増につながらなくてはいけないと、地域が活性化するためにはどういうふうにしたらいいのかと、いわゆる観光を産業としてとらえた場合に、非常にすそ野の広い産業であるということで、21世紀の新成長分野の大きな1つであるということは国のほうでも言われているわけですけれども、そういった中で、地域が活性化するためには観光の人口を拡大すると。じゃ観光の人口を拡大するためはどうしたらいいのかということで、昨年、文化・観光部ができまして、従来単純に名所、旧跡、景勝地を宣伝する、それが観光だと言われてきたわけですけれども、そうではないんだろうと、先ほど観光局長も答えましたけれども、地域に眠っている資源がまだまだいっぱいあるということで、その文化・観光部というセクションが昨年できたときに、今、ふじのくに芸術回廊の中でやっている地域が持っている文化資源の発掘というのをまず考えようと。そしてそれを地域の人たちが知ることによって、地域の皆さんが外に向かって自分の地域を誇ることができる、そういった地域にすることによって、地域が元気になってくるんじゃないかということでございます。
 そういった中で、8番委員からの御提案もありました。例えば浜名湖の舟運であるとか遠州道中膝栗毛なんかも、その浜名湖地域の浜名湖観光圏の方々が、自分の地域をどういうふうにしたらいいのだろうということから発想してきたわけでございます。
 県としましては、こういった動きを支援するとともに、こういった仕掛けはやはり県が主体的にやっていかないと、地域の方々にさあやれと言ってもなかなかそれはできないだろうと。そうすると県としての仕掛けというのは何かなということで、昨年つくりました観光アクションプラン、この中でふじのくに観光ブランド創出事業以下5つの柱を立てたわけですけれども、やはり、一番重要なのは観光ブランド、いわゆる地域が持っている特性を世界に向かってPRする、そういったものをつくっていこうということで、事業展開を図っているわけでございます。
 県の役割としましては、今までやってきた観光行政というのは、どっちかいうと平均的に補助金を出すという形でしたけれども、そうではなくて、やはりやる気のあるところ、あるいは仕掛けたけれどももう一つわからない。そこら辺について県が指導し、あるいは仕掛けをしながら、地元ならこういうふうにやってみたらどうというようなことを一応進めながらですね、地域の人たちと一緒になってそれぞれの地域が元気になり、それが静岡県全体が元気になる。あるいは、もう最近は海外に目を向けたときには、一地域あるいは一県だけでは済まないわけですね。観光客というのはかなり広域に動くわけです。先ほどのお話の中にもありましたけれども、例えば、北海道のお客さんが地元で雪を見て、ゴルフやりたい、ゴルフできないね、じゃFDAとかANAに乗って静岡へ来て静岡でゴルフをやろうという、いわゆる3点方式というような形。あるいは今、先ほどの答弁の中にもございましたけれども、FDAが福岡、鹿児島に飛んでいるということで新幹線ができれば、やはり福岡、鹿児島を使った商品をつくっていく。これはアウトバウンドの話ですけれども、逆にインバウンドとして考えたときにも、例えば、富山空港に入って立山黒部アルペンルートというのは、非常に今、中国、台湾の方に人気ですけれども、そこから東海北陸自動車道を通りながら静岡へアウトで行くと。それで、例えば中国東方航空を使った形、いろんな形が取られるわけです。こういったことをなかなか市町、あるいは市町の観光協会の方々がもう一つまだ情報不足ということもございますので、いろんな意味の仕掛けを県がして、それを地域の方々がしっかりと受けとめて、一緒になって観光振興を図っていくという形でこれからも進んでいきたいというふうに考えております。以上です。

○加藤観光局長
 私からは、家康プロジェクト、それから東京のシズオカ・マウントフジ・グリーンティープラザ、この2点についてお答えをいたします。
 まず、先ほどの家康プロジェクトの中で、プロデューサーの必要性ということでした。確かに、これをどういう規模でやっていくかというところから始まるわけですけれども、まず、やはり基本構想、基本的なものがまず立ち上がり、それから実施設計等に移っていくのが普通のパターンでございまして、平成27年度まで3年ぐらいあるわけですから、そういう中で考えていくと。それで、プロデューサーにつきましては、やはりイベントの企画運営に対するプロデュース、あるいはディレクションをする人、それから、いわゆるそのイベントの中身の質、量、これをディレクションするプロデューサーといろいろございます。先生のほうから御推薦いただきましたドナルド・キーンさん、大変有名な方で非常に立派な方でございます。そういう方もいらっしゃいますし、愛・地球博で総合プロデュースした福井昌平さん、イベントのプロといわれるこういう方もいらっしゃいます。あるいは小和田教授、要するに家康に詳しい、こういう方々の意見も聞きながらやっていきたい。当面は私どもが持っています観光振興アドバイザー等と、意見を交わしながらやっていくつもりでございますけれども、必要があればどんどんそういう形でプロデューサーにお願いをするという考えでおります。

 それから、シズオカ・マウントフジ・グリーンティープラザでございますが、11月2日にオープンいたしました。まだよちよち歩きでございます。あのコンセプトは繭玉の中に人が入って、そしてお茶を飲んで癒され、あるいは、そこですっきりしてもらって仕事に戻っていただこう、そんなことを考えてつくったものでございます。当然まだまだいろいろな問題もございますので、これは少しずつ検証をしていきたい。ただ、我々もそうですけれども、あそこを本当によくしたいという気持ちはみんな同じでございますので、いろんな形でガラスの壁面の使い方、あるいは中の企画ですね、例えば、1週間その地域の観光のウイークにしてみたり、そういういろんなことを今後やっていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力を賜れればと思います。以上です。

○宇佐美文化学術局長
 世界文化遺産の登録に関して、イコモスへのプレゼン能力という件についてお答えします。
 確かに、日本の伝統芸能、文化につきましては、なかなか外国の方に知ってもらいにくいということがございます。それで今回の世界遺産、富士山につきましては、文化庁とともに入念に調べ、それでユネスコに対して推薦書を提出したというようなこともございます。そういうことを含めまして文化庁と入念にリハーサルしまして、イコモスに対してもしっかり説明をできるような形をつくりまして対応するようにしたいと思います。以上です。

○松下文化政策課長
 子ども芸術大学のPRの御提案をいただきました。実行委員会方式をとっておりまして、静岡新聞社にも実行委員の一人に入っていただいております。ですから、先ほど言われたように、静岡新聞だけではなく、確かに伊豆地域、あんなに伝統芸能がたくさんあるのですけど、一件も出てこないというのはおかしいと聞いたものですから、伊豆新聞等いろいろ各地の新聞社に協力を仰ぎながら、全県から子供が来ていただくような事業にしてまいりたいと考えております。

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