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委員会会議録

委員会補足文書

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平成22年1月海外就航地交流推進特別委員会
委員討議の開始、委員討議の終了 【 討議 】 発言日: 01/13/2010 会派名:


○天野(進)委員長
 ではこれより――前回の委員会で話を申し上げておりますけれども――調査報告書の委員長案をお諮りしたと思います。
 委員長案につきましては、昨年末に事前に皆様に送付させていただいたところでありますが、まず私から委員長案の内容を説明し、その後、委員の皆様方から御意見をいただき、調査報告書を取りまとめていきたいと思います。
 それでは、調査報告書案をごらんいただきたいと思います。
 まず1ページに「調査の概要」、「委員会の運営方針」、「調査の観点」が記載してあります。当委員会は、昨年5月15日に設置されて以来、本日を含めて6回にわたり委員会を開催し、調査事項である「韓国との交流(教育・学術・文化・産業等)及び観光の推進に関する事項」について調査を進めてまいりました。2ページ以降には、その内容が記載してあります。
 2ページからは、第3回委員会で調査いたしました、関係部局の取り組み状況が記載してあります。
 5ページ中段からは、第4回委員会で聴取しました参考人の意見が記載してあります。
 6ページ中段からは、9月に行いました韓国への先進地調査の概要が記載してあります。
 これらの調査結果、並びに委員討議の結果を踏まえた当委員会としての提言が12ページから記載してあります。提言は大きく分けて4つございます。
 まず、提言1として、「韓国からの観光誘客における取り組み」です。内容としては、1つめとして「観光情報発信のための強化策」、2つめとして「観光客受け入れ態勢の整備」、3つめとして、「産業観光への取り組み」、4つめとして「静岡県ソウル事務所の体制強化」であります。次に提言2としては、「産業交流の推進」であります。内容は、「本県産品の市場開拓への取り組み」であります。そして提言3として、「教育・文化等の交流推進」であります。内容は、1つめとして「語学習得体制の整備」、2つめとして「朝鮮通信使への関心」、3つめとして「自治体との交流推進」、4つめとして「教育旅行の利用拡大」であります。そして最後の提言4として、「韓国線の利用拡大」であります。内容は、「運航ダイヤの改善」であります。幸い、現段階では、この路線は順調に推移をしておりますけれども、今後さらに運行ダイヤの改善が必要だという声もありますので、提言に盛り込みたいと思います。
 その後、16ページには「委員会の活動状況」、17ページには「委員会名簿」が記載してあります。
 それでは、以上の提言について御意見がございましたら、皆さんからそれぞれ御発言を願いたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

○阿部(卓)委員
 提言書の委員長案として、すばらしいものだと思います。ありがとうございます。
 付随して二、三の意見、提案をさせていただきたいと思います。まず、提言2の「本県産品の市場開拓への取り組み」という中で、お茶を切り口とされておられますが、韓国の場合は食ということに対して非常に関心の高い国だということを視察でも再認識をいたしました。日本においても、今、各地での各種イベントで非常に動員力があるのは、やはり食をテーマにしたイベントであるという結果がこの不況下でも出ています。例えば、B級グルメを初め、各地の特産品を扱ったもの。ですので、食をテーマにした静岡県のイベントをやり、また、韓国のものをやりというように相互にやることが将来的にできれば、これは食を通じての交流ができるのではないかと、そのように考えます。
 それから、提言3の「教育・文化等の交流推進」の「朝鮮通信使への関心」ということで、文化・芸能のところを特化しておられます。実は、私はきのうちょっと別件で京都造形芸術大学へ視察に行ってまいりました。いわば静岡文化芸術大学のようなものなんですが。そしたら、こういうものがありまして――後でお回しをしますが――この造形大学で「日本と韓国の比較芸能史」というテーマをやっておられる方がいて、日本の芸能のルーツはやはり韓国、朝鮮半島にあると。向こうから来たものが大分あると。だから、アジアの視点でちょっと芸能の歴史を比較してみようと。とりあえずこれを昨年1年間通してやったそうなんですが、例えば、獅子舞から始まって、「韓国の獅子舞」と「日本の獅子舞」。それから「韓国のシャーマニズム」と「日本の巫女」。舞については「韓国舞踊」と「日本舞踊」。「高麗舞」と言うらしいんですが、そういう舞の比較。それぞれを実演しながら、しかもそれに対して解説もつけながらやったようです。「朝鮮通信使と芸能」というのも取り上げられております。
 静岡においても静岡文化芸術大学もありますし、県立大学もありますので、こういうような形で。県立大学の中には――正式名称は忘れましたが――アジアの研究センターもあるもんですから。そういうところで、こういう形で、韓国と日本の文化・芸能の接点を探していく。また、県民の皆さんに広く紹介していくというのも、1つの手だてではないだろうかと思います。そういうことで、大学との連携もぜひ提言案に入れたらどうかなと思います。
 それから提言3の中の最後にある4の「教育旅行の利用拡大」についてです。私は企画委員会の委員でもあり、そこでもぜひ提案をしようと思ってるんですが、修学旅行等を考えたときに一番の問題は飛行機のキャパ。飛行機が小型機で小さいから、「なかなか行けないんですよ」と。「ほかの空港とばらばらにするのも」ということ。であれば、チャーター便というのは、1便、1機を1000万以内で貸し切れるわけです。ですので、これを、例えば教育委員会が年間契約で、6月の第1週から6月の2週間丸々1機貸し切ると。この間で、県立高校は韓国への修学旅行を組んでくださいというような形で連携したらどうか。チャーターに使うその飛行機は、それなりに大きな中型機を使って、修学旅行生が乗られる人数にすると。そうすれば、A高校が行き、B高校が行き、C高校が行くと。その帰り便にA高校が乗ってきて、B高校が乗ってきて、C高校が乗ってくるというような形が、もしできれば非常に効率的だし、なおかつ静岡県の県立高校の生徒たちが韓国のことをよく知ることができるんじゃないかと。静岡空港の利活用にもつながりますので、そういう提言も盛り込んだらと思っております。以上です。
 それともう1点だけ、これは事務局だと思うんですが、提言1の中の3の「産業観光への取り組み」で、「また、ヤマハ・河合など」となっていますが、カワイ楽器さんは片仮名でカワイにされたと思いますので、訂正してください。以上です。

○天野(進)委員長
 今、9番委員からは3つについて大変に貴重な御提言、また、正鵠を得た提言といっていいか、そういうような御提言をいただきました。大変におもしろい――京都造形大学にどうして行ったのか、そのこと自体が不思議だと思っておりますけれども――大変におもしろい御提言であります。
 日韓両国というのは――実は私の雑学によると――6000年前は、日本語も韓国語も同じだったと。それゆえに「私は行く、どこどこへ」というアメリカ用語ではなく、日韓両国だけは「私はどこどこへ行きます」、「私はアメリカへ行きます」という言葉になっているのはそのあらわれである。そしてまた、韓国語で使っている言葉の中には、全く日本語と同じような言葉がある。例えば、日本語で「うろちょろするな」という言葉があります。「ウロ」というのは韓国語で「右」、「チョロ」は「左」です。右へ行ったり左へ行ったりすることを「ウロチョロ」と言うんですけども、これがいつの間にか日本語になっちゃった。しかし、もともとは韓国語。そんなのがいっぱいあります。それほど、日韓両国は深いなじみを持っているところであります。
御提案にあったように食については、大変に両国ともに関心を持っているところだというふうに私も思います。そういう意味では、食を通じてイベントを展開していくというのもおもしろい提言であろうと思っております。
 また、教育・文化については、朝鮮通信使。そこから学んだ文化・芸能・芸術。あるいは、大陸、韓半島。そうしたところから日本はいろんな物を仕入れ、そしてそれをもとにして新しい文化、社会を構築していったという歴史があります。そういう意味では、私は大変に適格な御提言であると思います。静岡文化芸術大学と京都造形芸術大学との交流なんかも、非常におもしろいものが生み出されるだろうなということを想像いたします。
 また3つ目に、教育旅行の話がありました。これについては、チャーターをすることによって、そろばん勘定で果たしてプラスかどうかはわかりません。その辺はちゃんと計算しなければならないことではありますけれども、1つの提言として、研究材料にすべきことだろうというふうに思っております。これについては、委員長報告の中で、適宜加えさせていただきたいと思いますので、よろしく御理解ください。
 
○中谷委員
 ちょっと表現についてどうなんだろうと思うことからいきます。参考人の波多腰さんが「訪日外客ニーズの把握」という言葉を使っていて―5ページのところにありますが――それがそのまま12ページの「観光情報発信のための強化策」の最初の部分で使われています。ほかのところでは「外国人観光客」とかいろんな表現を使っているのですが、韓国に限ってこの「訪日外客」という言葉を使っているのかということ。その辺のところを整理した方がいいんでないかということが1点。
 それと、13ページの4の「静岡県ソウル事務所の体制強化」の5行目に「現在のソウル事務所の力量から考えると」とありますが、これはちょっと所長に失礼な表現じゃないかと思うのですが。「力量に欠ける」と。いかにも「できが悪い」といっているような感じで。この表現はちょっとどうかなと。トータルの内容はいいんでしょうけど、「力量」という言葉の与えるニュアンスが。ちょっと個人的なことにも波及するのではないかと思うので、別の表現にしていただいた方がいいのではないかと思います。

○天野(進)委員長
 はい。「力量」はここでは違う意味で使っておりますが、おっしゃることはわかりますので。

○中谷委員
 それと内容的なことですが、12ページの提言1の(2)に「観光客受け入れ態勢の整備」があります。この提言の内容はいいんですが――言い古された言葉、要望、希望等ではありますが――交通標識や案内標識、こういったものをより充実させる必要がやっぱりあると思うんです。そうすれば――これは以前からずっと言われていることですけれども――そういった標識、例えば、信号機等とかいろんなものが施設にふえることによって、外国の方が来るんだなというふうに、地域の意識もちょっと変わってくると思うんです。ですから、そういった体制を。これはちょっと「鶏と卵」的なとこがあって、「そんなもの大勢来るようになってからやればいいじゃないか」と言う人もありますし、「いや、むしろそうじゃなくて、あそこへ行ったら非常にわかりやすかったとなる」と言う人もいる。どちらかいずれかだと思うんですけれども、そういったことも少し提言の中に入れていただけるとありがたいと私個人的には思います。以上です。

○天野(進)委員長
 今、案内標識等についてお話ありましたけれども、これはやっぱり大変重要なことだろうというふうに思っております。私自身がかつてドイツへ行ったときに、ロマンチック街道の看板の案内に何とドイツ語と日本語だけで書いてあるんですね。それを見たときに驚きました。「なんだ、この日本語は」と。昔から案内として書いてあるそうです。それで「ドイツは日本人が好きなんだ」と。「それで書いてあるのではないか」と。恐らくは、日本人がたくさんくるからじゃないかと思うんですけれども、それを見たときに何となく非常な親しみを覚えた。同じように、ハングルで書かれていれば、韓国の方々がそんな思いをするでしょうね。そういうようなことで、具体的な目的以外に感性に訴えるというのは重要なことだろう。これが、これからの観光行政のあり方かなというふうにも思いますしね。それについては、提言に入れたいと思います。
 
○谷委員
 私は、前回欠席してしまいましたが、提言の項目と内容については、今、中谷さんがお話になった点は同感ですが、それ以外は問題ないと思っています。
 何点かお話したいと思いますが、きょうの静岡新聞で、評論家の屋山氏が書いた「論壇」に、松本空港、茨木空港とともに「静岡空港は政治空港」という非常に腹立たしいことが書かれておるわけであります。現実として、評論家や県外の人にはそのように見られているのかなという思いもいたしたわけなんです。何としても「政治的につくられた、やむを得なくつくられた空港」というようなイメージを払拭するために、私たちはこれからまた前進しなくちゃいけないなということ。
 また、先日、知事は中国の習近平氏とお会いして、政治的に1つの大変な効果を挙げたわけでありますけれども、韓国のトップとの対応もこれからやっていってもらったらいいかなと。提言に入れるとか、そういうような意味で言ってるのではありませんが。やるべきだろうと思っております。
 また、2月23日は「富士山の日」ということで、全員一致で条例が通ったわけでございます。既に報道されていますとおり、来年からローカル・ホリデーにしていくということも検討を始めるということで、2月23日を中国のみならず韓国とも共同で何らかの記念の催しを行っていくということも、こちらから提案をしていったらどうかなという感じがいたしました。2月23日だけがにぎやかになればいいという意味ではありませんが、それ
を静岡県の1つの大きな祝いの日とするわけでありますから。それであれば、就航している海外の国と共同の祝いをしていったらどうかなということを考えております。
 それから、中谷さんのお話とダブりますが、私もハングルの習得に対する動きというのは、ほとんどないような感じがします。県内のサインにおいて、ハングルの表記が前進したとはとても感じられないんですね。駅等ではそういう標識ができてきているようでありますが。九州やその他と比べるのも酷かもしれませんけれども、そちらと比べますと全然進んでないということで、本当に静岡県の各界がやる気があるのかどうかもちょっと疑われるような感じがします。ですから、ぜひこの委員会として提言をするからには、県の組織の中のどの部分が本気になってやるのかということを、ぜひ示していただきたいなと思っています。4月から新しい部を設置すると知事はおっしゃっておりまして、そこが交通部門あるいは観光部門、就航部門の中心になるというふうにも聞いております。本気でやるということを、ぜひ提言から感じられるようにしていただきたいと思います。
 これもつい最近の話ですが、今朝のワイドショーの番組で秋田県に韓国人がたくさん来ている話をやっていました。向こうの韓流映画の撮影を秋田県でやったということで、その撮影現場に観光客が一時100人単位で訪れて、その撮影現場で写真を撮ったり、食事をしたり、映画と同じことを体験して帰るということで。ちょうど「冬のソナタ」のときの日本人の逆ですね。なぜ秋田県が撮影現場になったかというと、秋田県の担当者がすごい熱心で、秋田にその映画の撮影現場を誘致したということだったそうです。ホテルの手配から、お土産から、現場の撮影の了解を取りつけたりすることに、県あるいは市が必死になって取り組んだことが、秋田県に決定した原因だったというふうに聞いております。この静岡県が、本当に徹底して、この富士山を中心とした、風景がすばらしいこの地域に韓国の人を呼び寄せるという気があるかどうかですね。その辺をぜひこの提言から感じ取れるようにお願いをしたいと思っています。
 最後に、お茶の輸入関税が513%と言われております。何らかの政治的な交渉で、こういうものを改善していければいいかなと思いますが、輸入関税がこういうことであるならば、日本へ来た際のお土産品として安く買える――量の制限あるでしょうけども――ということが向こうから来る観光客に印象付けられれば、ある意味でのチャンスかもしれません。ですから、そういう方面でも関係者が努力して取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 また、同じことが日本酒にも言えることであります。土産品としてしっかりと売り込める、そういうものの開発をぜひ促したいなと思っております。
 まとまりがありませんけれども、感じたことをお話させていただきました。

○天野(進)委員長
 今、8番委員から新たに2月23日をローカル・ホリデーとするなら、これを記念して何らかのイベントが展開できるだろうというふうに話がありました。その中で、秋田の例をおっしゃったわけでありますけれども、その話を聞きながら、秋田は大変にうまい策をとったなとつくづく感じます。それであれば、私たち静岡県にはなんたって富士山というのがあるわけですから、これをもって韓国の映画あるいはテレビの舞台として利用してもらう、その可能性は十分生まれるだろう。浜名湖も絵になるかもわかりません。そういうようなことを考えたときに、静岡県の持っている景勝、これをもっともっと売り込んでいってもいいんだろうなというふうに御指摘いただきましたけれども、まさにそのとおりだというふうに思っております。
関税の問題も、それを逆手にとれば、いい土産品を生み出す可能性があるだろうということでありますけれども、問題は静岡の商人がそれだけの情熱があるかどうかということで、そこは私はひとつ疑問であります。2番委員に言わせれば、「そんな外国人が来てくれるよりも日本人の客が来てくれた方がいい」ということが伊豆の方では平然と話されているということでありますので、そうであるなら一体どうかしらという感じがするんです。

○石橋委員
 要するに価格がね、日本から伊豆に来るお客さんと、外国からのお客さんと合わないんですね。だから、今、伊豆がねらっているのはハイレベルな層。要するに外国人の高額所得者層、これをねらっております。一生懸命勉強しております。

○天野(進)委員長
 しかし、県内のほかの地域がハイをねらっていないのに、伊豆だけハイをねらうというのはどうかね。
 ほかに何か御意見ありませんか。

○藪田委員
 前回、前々回に意見等申し上げてありますので、内容ということでなくて、この特別委員会の名称についてです。海外就航地交流推進特別委員会という名称で、これからいろんなところに報告書とかが出ていくと思うんですが、名称が大きいもんですから――いろんなところで私も聞かれたこともあるんですが――世界的なことをやっている委員会の印象を持たれる。我々は県議ですので、みんなわかるんですが、ほとんどの県民はわからない。ですから、ことしは韓国との交流及び観光推進ということをテーマにやってきたということを、副題のような形で書けるかどうか御検討いただきたいと思います。「全世界のことをやるべきじゃないか」ということをよく言われるんです。そうじゃなくて、「ことしは韓国に特化してやりました」ということなんですが、そのことが県民にわかるような報告書の方がいいかなと私は思ったんです。御検討いただきたいと思います。

○天野(進)委員長
 ありがとうございます。
 この委員会は今後継続される可能性はあるのでしょうか。そこがわかりません。
 私たちは調査をやりましたけど、来年、全く同じようなことをやるのか。

○事務局
 原則として1年で終了し、次にどのような特別委員会が設置されるかは検討されます。

○天野(進)委員長
特別委員会の内容を検討するわけですね。ですから、この委員会がこれで終わっちゃうようなら、今、7番委員が言われたことは、この場限りのこととなるし、必要ないことかもしれない。しかし、もし今後継続するなら、この名称では大き過ぎてしまうので、検討する必要があります。御意見よくはわかりますので、承っておきます。


○野澤(義)委員
 提言の内容としては、私も語学学習体制の整備について過去に発言し提言させてもらった覚えがありますし、こういうことでよろしいんじゃないかなというふうに思います。
 それで「朝鮮通信使への関心」ということなんですけれども、実は、この正月に――NHKの教育でしたかね――日韓交流の2000年の歴史という内容で去年の夏からずっとやってたのをまとめた番組を、夜中の2時半まで連続でやってたんです。おもしろくて、とうとう毎晩見ちゃったんですがね。眠くても我慢して。それぐらいおもしろかった。
 いろいろな内容がありましたが、例えば、大化の改新のときに中大兄皇子派と蘇我入鹿の入鹿派があって、蘇我入鹿が撃たれたわけです。朝廷にはむかった朝敵みたいな扱いになっている。それで、隋という超大国があって、それが百済と新羅とあって、蘇我入鹿が多分百済派の窓口で、中大兄皇子が新羅派の窓口だったということで、そこのところの権力闘争・・・

○天野(進)委員長
 それ、逆さですね。
 中大兄皇子は百済を応援してましたから。

○野澤委員
 ああ、そうかもしれません。
そういうようなことで、それは実は権力闘争だったというようなことでね。一方が撃たれて、いろいろある中で、やっぱり東アジアの歴史にも大きく影響をしてきたというようなことがあったり。
 それから、元寇のときにはやはり元が勢いがよくて、朝鮮半島を巻き込みながら日本に来たわけですけれども、ちょっと後ぐらいの時期に南方へも進出したり、いろいろ元が手を広げ始めていった。やがてそれが、元が衰退していくような原因の1つになった。そして、今度は明に変わっていくというような歴史があるみたいです。
 それから、文禄・慶長の役のときには秀吉が出兵をして、そのときには明の軍と朝鮮半島の国――ちょっと名前は忘れましたけれども――が組んで戦ったというようなことがあって、明にも大きく影響しながら清の方にまた歴史が動いていった。そういうようなことで、東アジア全体の歴史が日韓の交流の中でも大きな要因となって進んできたということがあったように私は見ました。
 そして、朝鮮通信使も1回特集で取り上げられました。これも非常に興味深く見たわけです。家康の徳川幕府になってから、徳川方の要請もあって来たんだけれども、5万人とも20万人とも言われていた――今で言うと強制連行というんですか、あるいは別の形で来たかも知れませんけれども――職人やら文化人が日本に来ていて、そういう人たちの奪還というのが、実は最初のころの朝鮮通信使の目的だったらしいんです。
ほぼ目的を達したというか、その一割ぐらいしか朝鮮に帰った人たちはなかったわけですけれども、だんだんその性質が変わってきて、徳川方の動静を探るというようなことが目的の1つとなった。それから、当時の朝鮮半島の人たちの日本人観というのは「非常に好戦的で信用が置けない」というようなイメージが慶長の役以来相変わらずあったわけです。そういう日本の人たちのところへ通信使として送るんだけれども――来る人たちは優秀な官吏が多かったようですから――実は文化使節として、学術、漢詩の交流ということ。学術を中心に、あるいは舞踊だとか、それから楽団、芸能等によって、平和の使節として文化によって日本の人たちに大きく影響を与えようというような目的があった。後半はそういうことになったらしいんですけども、そんな歴史があって、徳川幕府も非常に快く受け入れた。これは、幕府が本当に威信をかけた受け入れ事業だったものですから、各藩にしっかりと指令を出して、「丁寧にもてなしなさい」というようなことがあったようですね。
私のうちにも、このことに対する農民の普請の軽減の嘆願書なんかあるよという話を前にもちょっとしましたけれども、そのぐらい幕府としても威信をかけて、重税をかけてでもちゃんともてなしなさいというようなことだったなということ。私どもの田舎の小さな歴史ともつながってくるわけですから。そういう意味で、朝鮮通信使というのも歴史の中での極めて大きな事実だったし、このことを大事にしなければいけないなというのも当然なことだというふうに思います。
 ただし、全国でこういうムードが盛り上がっていますので、やはりある程度先行をしてやるということ。静岡県には、このことについての本当に大きな足跡があるわけですから、そういうものを曲げないように発信をしていく。あるいは、大事にしていきながらやるということが大切じゃないかなというふうに思います。それで、余り通信使のみにこだわるというよりも、むしろ学術だとか踊り、それから音楽等々による交流もしていくこと。歴史的なものでもいいですし、あるいは近代的なものでもいいわけです。先ほどもいろんなイベントで交流するべきという話がありましたけれども、本当に静岡県と近くなりましたから、機会を捉えてやっていく。そんなに大きな費用じゃなくても、招聘できるようなこともあるかも知れませんので。県でやらなくても、友好提携を結んでいる市町もあるわけですから、そういうところを主体として、県が窓口等々の役割を担いながら、本当に文化交流という意味での交流機会をつくってやるのも重要なことじゃないかなというふうに考えております。感想ですけれども。

○天野(進)委員長
 確かに、何といっても日韓両国というのは親しい関係で、1万年前は日本は大陸につながっていたということ。昔、日本海は池だったということでした。それが、いつの間にかはなれて、現在のように島国になってしまったんですけれども、当然、向こうからさまざまな文化が来て、そして日本の文化を構築していく原動力であったことは事実です。歴史的に見た場合には――今、10番委員からるるお話があったとおり――そういう意味では大変に深い因縁のある関係なのです。
特に、10番委員の家にはそういう歴史があるから、余計に関心を持たれるんでしょうけど。大変に勉強すべきことであるし、そして歴史を知るということは大変に重要なことです。そういう意味では、この委員会が別の意味で意義をもたらすということも十分考えられる、そんなふうに今回の委員会を私自身も振り返ることができると思っております。

○田委員
 きょう御意見をいただいた内容等々も非常に重要なことです。また、この委員長案の提言内容は、今まで多くの意見交換をもとに取りまとめをしていただいたものなので、きょうの御意見を若干つけ加えることによって、この委員会としては十分な提言書になるのではないかなというふうに思います。
あわせて、この提言を具体的にどう展開していくかということが重要です。双方向の情報収集ということが非常に重要だということをこの提言書でうたっているわけですけれども、それで得られたものを、横断的な部局に関連するところは県としてしっかり方向づけをしてもらうということ。あるいは、県内の各種団体にもしっかりその情報を提供し、方策を具体化してもらえるように、県としてしっかり方向づけをすることが重要なのではないのかなというふうに思います。

○込山委員
 今の11番委員と同じ考えなんですが、この提言をいかに具現化するかということが、我々の仕事としてあり、それでこの提言が生きてくるということになろうかと思います。先ほど10番委員から、「文化・芸術等々について、県が市町の窓口の役割を担って交流を広げていけ」というお話でございましたが、県庁だけでこういうものを共有して持つだけではなく、やっぱり下におりるようなことが大切だと。提言することで、できれば市町にこういうものが染み渡り、またそれが一つ一つ具現化できるようになるようなことも必要かなと、そんな思いをいたしております。以上です。

○天野(進)委員長
 1つの御提言だというふうに理解させていただきます。

○佐原委員
 先ほどお話がありましたが、この特別委員会の存続については、やっぱりこの特別委員会でそれだけの成果あるものがあれば、おのずとこれは継続されていくと思う。だから、私はある面において、この特別委員会は初めてのまさに特別委員会ですから、大胆な提言をするということ。そして、それをとにかく当局に実践させるということ。そういったことを、ポイントを決めてやった方がいいと思う。ありとあらゆること、「あれもこれもあれもこれも」と言ったって、なかなか思うようにいかない。だから私は、具体的に「これをやれ」というような感じで提言した方が、この特別委員会が非常にインパクトある委員会として皆さん方に認めていただけることになるんじゃないかと思う。

○天野(進)委員長
 1つの御意見として承りますけれども、現在提言としてあがっているものを絞るということは、この委員会としては遠慮した方がいいかなと思います。最初の委員会でありますので、まずこうした方向で提言を出して、この委員会が継続されるならば、その中でこれらの提言の分野をさらに選択しながら進めていくということ。そうした方向づけがいいのかなと。今の2番委員の御意見は、そんなところだというふうに理解させていただきますけども、よろしいでしょうか。

○佐原委員
 我が委員長は強気な人だと思いますが、わかったような、わかんないような言い回しですね。

○天野(進)委員長
 2番委員は、一番、韓国に近い選挙区でありますから。一番、近いです。

○佐原委員
 ああ、そうか、地理的にちょっと近いかな。

○佐原委員
 さっき、9番委員がお話された教育旅行でチャーター便を使うということも、1つの案だと思う。

○天野(進)委員長
 1つの研究材料ですね。

○佐原委員
 というのは、今、各学校を見ると、やっぱり機材が小さいから、結構、中部新国際空港とか羽田とかを使っているんです。だから、非常に私も不満に思っているわけ。だから、静岡空港の利用を断られたりすることもある。そのやり方は、修学旅行をその時期に集中させるというわけね。それも1つの案だと思うよ。

○阿部(卓)委員
 教育委員会が年間計画で打診をすれば、手を挙げる高校があるんじゃないか。

○天野(進)委員長
 それぐらいあるでしょうね。
 それについては、提言の主な策の1つとして出すことも十分考えられます。
 ありがとうございました。
 この委員会は、本来であれば、このまま終わりとなりますが、この際、ほかに何か一言いっておきたいということありませんか。

○石橋委員
 では、一言いっておきます。この委員長案の12ページの(2)に「観光客受け入れ態勢の整備」とあります。日本はビジットジャパンということで、1000万人の観光客を目標にして頑張っているわけでございます。そうした受け入れ態勢の整備という面を見ると、特に私が言いたいのはJR、これがもっと駅内外に多国籍の案内板ですね、これをやっぱりもっと強化する必要があるんじゃないかと。非常におくれていると私は思いますね。そういった点で、受け入れ体制の第一歩である案内板の表示は、やっぱりおくれてますよ、新幹線だって何だってね。そういったことをJRにうまく強く要望してもらいたい。当局からお願いしていただきたいと思います。
 
○天野(進)委員長
 1つの御意見として聞かせていただきます。
 先ほど10番委員から、日韓両国の大変に長い歴史について触れた話が出ましたが、例えば、私たちのこのまち1つをとっても、日韓とは深いかかわり合いございました。7世紀、韓半島は百済と新羅の大きな勢力争いがあり、そして663年、百済が新羅に破れます。新羅は中国の唐の応援を得て、そして百済は先ほど話の出ました天智天皇――中大兄皇子でありますけれども――日本側の応援を得てその戦いを展開するんですけれども、白村江(はくすきのえ)の戦いという一番大きな戦いが行われます。その白村江の戦いに、何と駿河湾沿岸から1万人の軍をつくって、ここから玄界灘をわたって韓国に到着し、そしてコテンパンに破れた歴史がございます。その長は清水に住んでおりました。庵原郡の「庵原」、庵原君臣という人間が清水の秋葉さんの近くに住んでいたんですね。彼が天智天皇――中大兄皇子からの要請で1万人の軍勢をつくって韓国に渡り、そして敗れていった、そんな歴史があります。数年前、扶余(プヨ)というまちを訪ねました。そういうことで、私たちのこの地域にもそういう歴史がいっぱい潜んでいるということで、訪ねてみることもまたおもしろいかなというふうに、雑談ながら申し上げておきたいと思います。
 皆さんからの御意見も出尽くしたようであります。このあたりで委員討議を終了したいと思います。きょう、各委員からいただきました御意見を参考にさせていただきながら、報告書を見直してまいりたいと思います。最終的な取りまとめは、正副委員長に御一任いただくことで御異議ございませんか。
(「異議なし」の声あり)
 御異議もございませんので、そのようにさせていただきます。正副委員長で取りまとめた報告書につきましては、皆様にお届けした後、当委員会の報告書として議長に提出いたします。
 また2月定例会では、調査報告書を議場配付の上、私から報告する予定でありますので御了承願います。

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