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委員会会議録

質問文書

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平成26年11月次世代人材育成特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:土屋 源由 議員
質疑・質問日:11/17/2014
会派名:自民改革会議


○土屋委員
 先生、どうもありがとうございました。
 2点について聞きたいのですけど、1点ずつということでよろしいですか。
 最後のまとめになっているところで、義務教育とは異なるという部分がございました。先ほどの説明の中でもありましたけれど、今、大学生が何人かということで、そこをクリアして、大学までたどり着いたということになるわけですよね。だから、そのクリアしたという部分であれば、その子たちがどういう形でクリアをしていけたのか。逆に、そこの中で少し変わってきているところがあるのかという部分を、お聞かせをいただけたらなと。それが参考になるのかなと思ったものですから、お願いします。

○池上重弘氏
 とても重要なポイントをご指摘いただきました。高校進学、とりわけ、この先に大学進学を果たす家では、やはり保護者の理解、あるいは学生たちの言葉を借りると、保護者の精神的なサポートというのが、とても大きいというように言っています。これはさまざまな支援の現場にいる方々からも聞こえてくる声で、やはり保護者の支援がないと大変だね、逆に保護者の支援があると子供は頑張るよということを言っています。それは、言うのは簡単なんですけれども、では理解がない、支援してくれない保護者の家の子供は諦めるしかないのかというと、やっぱりそうではないと思います。そこで、私が大事だと思うのは、斜めの人間関係というか、先生ではない親ではない、地域の大人たちがその子供をしっかりと見て、支えてあげると。こういったことが大事なんじゃないかなと思います。
 話しながら写したいと思うんですけれども、確かに保護者は毎日の仕事に忙しいとか、あるいは保護者自身が、ブラジルで余り教育のメリットというのを感じていなかったなどという方もいるのかもしれません。ですけれども、例えば子供たちは地域の大人に支えられて、学びの動機を強めていくということはあるんです。これが、ベネッセ教育総合研究所のサイトに載っているもので、私が外国にルーツを持つ子供たちが直面する就学問題というのを話したものなんですけれども、この写真をごらんください。
 これは静岡県磐田市の多文化交流センターの一場面です。ここは市の施設で、登録をした子供たちが学校からただいまと言って帰ってきて、2階にのぼって宿題をやるんです。ちょうど学童保育みたいなイメージです。それが終わると下におりていって遊んで、時間になると帰って行くというところなんですけれども、これは本読みなんです。本読みをやっているところを、横でこうやってボランティアの方が聞いてくれるので、この子供は、ああよかったなと思うし、私、この写真が大好きで、いろんなところでごらんいただいているんですけれども、実はきのう、磐田のセンターをベースキャンプに調査をやっていると、何とか先生が本読みを聞いてくれてとてもうれしかったということを、子供が1年の振り返りで書いているんです。親にはかわれない。だけどもそういった場で、斜めの関係で保護者にかわる役割を地域の人たちがやってあげることで、子供たちのやる気を強めていくということはできるんではないかなと思っています。
 一方で、やはり根幹的には保護者の意識が大事なので、保護者に対する働きかけの方法を考えていく必要があるだろうなと思っています。

○土屋委員
 私は、東部の伊豆の議員なものですから、多くの外国人の方々がいるというエリアにいるわけではないんですが、連携という部分の話と少し似ているところがあると思っているのは、うちの田舎のほうになると、高校卒業して大学へ入ったあとに地元で就職をしたいといったときに、もう線がなくなっているというか、連携がなくなっているんですよね。ですから本来であれば、今みたいに地域の方々との連携があったり、地元にこんなところがあるよというような形で、就職なり何なりという形がつながっていくと、その先までずっとうまくつながることがあるんですが、高校を卒業してそのまま働くにしても、なかなか地域との連携がない。ましてや大学で、例えば東京であるとかほかの地域に行ってしまうと、そこのところのつながりがなくなってしまう。特に外国という形をしょっている子供たちにとってみると、もっとそれは細いのではないかなと、短いのではないかなというところが感じられるんですけど、その辺などはどんなふうになっているのでしょう。現状を教えていただければ。

○池上重弘氏
 地域とのつながりといったときに、一元的に言うのは難しいというのが、まず答えになります。つまり日本の社会と接点を持っていない子供たちは、たとえそこに住んでいても、もうほとんど日本の社会とは接していないんですね。例えばブラジル人学校に行って、ブラジル人の仲間とだけ遊んでいる子たちというのは、そこにいるけれども接点がない。けれども、逆に、土地で大人になっていく子供たちというのも今出ているわけです。
 こちらも先ほどのベネッセ教育総研のサイトなんですけれども、これが磐田の多文化交流センターです。ここで学んでいる子たちが、例えば、これは地域の公民館で行われた通学合宿の夜のキャンプファイアーなんですけれども、こうやってボランティアの大学生と一緒にキャンプファイアーをやって、そこの小学校の校歌を大きい声で歌っているんです。こうなってくると、外国の子供だ何だっていう意識は、実は土地の人たちにももうない。もう地域の子供として育っていく。この子たちが今度、中学生になると、ボランティアとして次の弟たちの小学生のキャンプファイアーを手伝うと、こういうつながりになってくるんです。さらに本当に日本の社会と接して生きている子たちの中には、県の中東遠のエリアといいましょうか、そこの地域出身のうちの学生が言っていたんですけれど、もうずっと一緒にやっているので、お祭りもはっぴを着て出るし、恐らくあの子なんかは消防団とかも入っていくだろうし、そうなっていく子たちもいます。でもそれはごく一部です。
 今、私が申し上げたいことは、私たちの世代が感じる外国人というのに対して、今の子供たち、今の大学生ぐらいからだと思うんですけれども、もう小さいころから外国人の仲間がいる。県の西部なんかそうなんですけど。そうすると、例えばバスケットボールのチームで一緒にやったとか、ボートを漕ぐ4人のチームで、自分が3番目で4番目がブラジル人だったとか、自分がセンタリングしたボールを、サッカーでパウロ君がシュートを決めて中体連に勝ったとか、そういう日常の生活の中で外国人と接しているんですね。大分意識が違ってくると思います。なので、そういう意識を持って生きている若い世代の感覚を、ぜひ私たち上の世代が受け入れてあげないと、あの衆は日本の人たちではないよねみたいに考えていくと、せっかくできているつながりの素地が、切れてしまうのではないかなと思います。いただいた質問に対する直接の答えにはなってないと思うのですけれども、取り急ぎ以上です。

○土屋委員
 ありがとうございました。

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