本会議会議録
質問文書
令和7年12月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 飯田 末夫 議員 | |
質問分類 | 一般質問 | |
質問日: | 12/09/2025 | |
会派名: | 自民改革会議 | |
質疑・質問事項: | 1 新県立中央図書館を教訓とした県行政の在り方について (1)県行政の信頼再構築に向けた取組 (2)国要望の重要性と東京事務所が果たすべき役割 2 南海トラフ地震の新しい被害想定について 3 県土強靱化に向けた河川整備の推進について 4 本県の情報システム最適化の今後の見通しについて 5 公金の納付手続における利便性の向上について 6 生成AIを活用した特別支援教育の充実について |
○副議長(中田次城君) 開議に先立ち、御報告いたします。
知事から都築スポーツ・文化観光部長が本日午前の本会議を欠席し、平塚スポーツ・文化観光部部長代理が代理出席する旨の届出がありましたので御承知おきを願います。
○副議長(中田次城君) ただいまから会議を開きます。
議事日程により、知事提出議案第百四十九号から二百四号までを一括して議題とします。
質疑及び一般質問を行います。
通告により、四十五番 飯田末夫議員。
(四十五番 飯田末夫君登壇 拍手)
○四十五番(飯田末夫君) 皆さん、おはようございます。
自民改革会議の飯田末夫でございます。
冒頭ではありますけれども、昨夜発生しました東北地方を中心とした地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い日常への復旧をお祈り申し上げます。
自民改革会議の所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長及び教育長に対し一括質問方式にて伺います。
初めに、新県立中央図書館を教訓とした県行政の在り方について伺います。
今年九月、教育委員会から新県立中央図書館事業に係る調査報告書が提出されました。報告書では不適正事務が発生した原因として事業遂行における確認不足、他部局や関係機関との連携不足、公務に携わる者としての根源的な意識の欠如などが指摘されており、丁寧な事務執行が行われなかった組織体制そのものに責任があると結論づけています。また再発防止策として交付金事務の適正化や職員の法令遵守に関する意識改革の徹底なども示されています。
今回の不適正な事務処理については、既にたくさんの厳しい意見が寄せられるなど議会としても問題視しているところです。私からも二点について質問し、今後の教訓としていただきたいと思います。
一点目は、県行政の信頼再構築に向けた取組について伺います。
今回の件は、県教育委員会において発生した事案でありますが、県行政全般の信頼を大きく損ねるものであったと指摘します。本来奉仕すべき対象である県民からの信頼を失う重大案件となりました。だからこそこのような事態を二度と引き起こさないのはもちろんであり、真摯に取り組み県民の信頼回復に努めるべきと考えます。
既に財務部において、大型施設整備事業に係る交付金のマニュアル策定など県全体で再発防止に取り組んでいると承知しております。しかしさきのがんセンターの件をはじめ、これまでも県の多くの部局において事務処理誤り等の不適正事務が発生しており、不祥事案につながらないようにするには組織としての取組に加え職員個人個人の意識改革も重要だと考えています。
新県立中央図書館の二の轍を踏まないためには、今後の再発防止について職員一人一人が公務員としての自覚を持ち、全体の奉仕者としての意識の徹底を図り、責任を持って職務に当たる必要があります。加えて職員が地方公務員法をはじめとした法令を遵守して働くためには職員に課されているルールを徹底するとともに、守られなかった際の懲戒処分の在り方も重要と考えます。
そこで、職員が法令を遵守し全体の奉仕者である公務員として職務に当たるための取組と懲戒処分の在り方について、所見を伺います。
二点目は、国要望の重要性と東京事務所が果たすべき役割について伺います。
このようなことから、新県立中央図書館整備事業は当初計画から一旦立ち止まり、副知事をトップとしたプロジェクトチームによって開館時期はじめ機能や事業手法を含めた整備方針の大幅な見直しが進められています。いかなる事業を進めていく上でも財源の確保は不可欠ですが、さきの調査報告書によって交付金の交付見込みについて国への確認をしてこなかったことや庁内の関係部署、関係機関との連携が不十分であったことなども明らかになっています。
本県においては国省庁とのパイプ役として東京事務所が設置されていますが、前知事の時代において東京事務所をふじのくに大使館と呼称し外国大使館との連携強化が主な業務として重視され、この間、交付金などの要望活動等で有効に活用されず国省庁とのつながりも弱まっていたのではないかと見ています。残念ながら期待される役割を果たすことなく、まさに負の遺産と化しました。
新県立中央図書館整備事業での轍を二度と踏まないために、そして本県財政が危機宣言レベルにあると言われる中で国交付金の確保はこれまで以上に重要なものと認識すべきです。
鈴木知事就任以降、知事を先頭に国省庁への働きかけや要望活動が積極的に行われていることも承知しておりますが、要望活動を効果的なものにするためには東京事務所を拠点に地元選出国会議員等、特に与党議員とも連携を図りながら要望活動に取り組んでいくことが重要であると指摘しておきます。
東京事務所は、今年度の組織改正に伴い総合調整を担う企画部の所管となり、名称も東京事務所に戻しておりその機能も見直しがなされたことと思われます。
そこで、今後の国省庁等への要望活動において東京事務所が果たすべき役割について期待も込め、県の所感を伺います。
次に、南海トラフ地震の新しい被害想定について伺います。
内閣府は本年三月、南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を公表しました。人的被害については最も厳しい条件下で試算した場合、全国で約二十九万八千人に上ります。平成二十六年に公表された従来想定の犠牲者数は約三十三万人であり、国が掲げてきた想定犠牲者数の八割減という目標には程遠く減少幅も僅か三万人程度にとどまっています。
また、県内では想定犠牲者数は従前の約十万九千人から僅か六千人減と、とても住民が安心できる水準とはなっていません。これは国の新たな被害想定では防潮堤を津波が越流した段階で防潮堤が破壊されるという極めて厳しい前提条件としているため、津波による死者数が前回想定からほとんど減少することがありませんでした。
県としては、国の被害想定は広域的なマクロに捉えたものであり今後地域の実情に即した県独自の被害想定が必要との認識を示すとともに、現在県独自の新たな地震被害想定の策定作業を進めていると承知しています。
また、津波から命や財産を守る防潮堤については百年から百五十年に一回程度発生するレベルワン津波を想定し、かさ上げや耐震化、さらには粘り強い構造への改良も進められています。加えて浜松市などではレベルワンを超える大規模津波への備えとして、民間企業からの寄附金等を活用したいわゆる静岡モデル防潮堤の整備が進展しています。このように県内では粘り強く機能を維持する防潮堤の整備が着実に進みつつあり、その実効性は確実に高まっていると考えるところです。
そこで、現在策定作業が進められている県独自の新たな地震被害想定において、こうした粘り強い防潮堤の整備効果をどのように反映させていくのか、また策定作業の進捗状況について、県の見解を改めて伺います。
次に、県土強靱化に向けた河川整備の推進について伺います。
国土強靱化については、これまで国が進めてきた三か年緊急対策や五か年加速化対策等により一定の効果が着実に現れていると感じています。一方で気候変動の影響により、かつてゲリラ豪雨と呼ばれた短時間の集中豪雨も四十年前のおよそ二倍に増加したと言われ、自然災害はますます激甚化、頻発化し全国各地で毎年のように線状降水帯による大規模な豪雨災害が発生しています。本県でも近年大規模な浸水被害を伴う豪雨災害が頻発しており、気候変動への対応は一刻の猶予も許されない状況であります。
こうした中、国は本年六月総事業規模二十兆円強の第一次国土強靱化実施中期計画を閣議決定し、来年度から五年間強靱化施策を推進する方針を示しています。県民の生命、財産、暮らしを守るためには本県においてもさらなる県土強靱化、とりわけ河川整備の推進が不可欠であると考えます。
私の地元の馬込川、芳川は勾配が緩く、市街化により保水力が低下した区域を流れるため豪雨時には水位が急上昇し内水排除が困難となり浸水被害が繰り返されてきました。流域治水の考え方の下、県では樹木伐採や土砂掘削などが進められていますが、抜本的な改修には至っておらず整備すべき箇所は多く残されています。
被害を最小限に抑えるためには、早期のインフラ整備を進める事前防災が極めて重要かつ効果的であり、河川整備の加速化が強く求められます。県財政が厳しいことは理解しますが、県民の命を守る事業は何より優先されるべきものです。
そこで、県土強靱化に向けて、県は今後どのように河川整備を進めていくのか、所見を伺います。
次に、本県の情報システム最適化の今後の見通しについて伺います。
本年二月定例会において情報システム最適化の取組状況を質問した際には、独自開発をやめ他団体で実績のある市販製品へ原則カスタマイズなしで移行を進めるとの答弁があり、節減効果も期待される説明でした。さらに具体的な節減効果を問う再質問では五年間で五億円程度の削減が見込まれるとの答弁でありました。
その後、私たちを取り巻く状況は大きく変化し、本県の財政が危機的状況にあると報じられる中で財政改革につながる最適化への期待は一層高まっています。
一方で、今年五月に経済産業省が公表した新たなレポートには不安を覚える指摘もあります。これまでに経済産業省は二〇一八年DXレポートにおいて、独自開発した老朽システムがDXの足かせとなり国内に大きな経済損失をもたらす可能性を警鐘として示しました。しかし今年五月のレポートでは二〇一八年の指摘から七年が経過したにもかかわらず、大企業を含む全産業の約六割が依然として古いシステムを使い続けており、さらに移行後もカスタマイズを繰り返す傾向があるとされています。一般的に行政よりもDXが進んでいると見られがちな民間企業でさえ最適化には大きな課題を抱えていることが浮き彫りとなっています。
本県の厳しい財政状況を踏まえると情報システムの最適化はこれまで以上に重要であり、確実に成果を上げる必要があります。取組は始まったばかりであることは承知していますが、最適化を着実に前進させるためにはまさに初動が極めて重要と考えます。
そこで、本県が進める情報システム最適化について、今年度の取組状況と今後の見通しについて伺います。
次に、公金の納付手続における利便性の向上について伺います。
現在、県民が県にお金を納めるにはどうしているでしょうか。その方法としては、申告税を除く県税では銀行窓口等で現金により納付する方法に加え、全国統一のeL―QRを活用しスマートフォンから決済アプリやクレジットカードで納付できる方法が整備されています。
一方、手数料などの税外収入についてはインターネットバンキングによる納付が可能な場合を除き、依然として金融機関の窓口に納付書を持参し現金で納付するか収入証紙を現金で購入して申請書に貼付する必要があります。そのため県民からは手続が煩わしい、現金の準備が不便などの声が寄せられております。
私たちの日常生活ではキャッシュレス決済が猛烈な勢いで普及し、クレジットカードやスマートフォンがあれば多くの場面で現金を使わずに支払いが完結します。またインターネット通販においても商品選択から決済までパソコンやスマートフォンのみで完結することが当たり前となっています。
県においても登録販売者試験の受験申請や医薬品等製造販売業の許可申請など一部の手続については、ふじのくに電子申請サービスを通じてインターネットバンキングやATMでの支払いが可能になるなどの改善も進められています。しかしこれはまだ一部の手続に限られており、県民が利便性を実感するには至っていません。
キャッシュレス決済が社会全体で普及した現在、県税以外の納付手続についてもより利便性の高い支払い手段を導入することが県として求められているのではないでしょうか。
そこで、県に対する納付手続の利便性向上に向け今後どのような取組を進めていくのか、県の所見を伺います。
次に、生成AIを活用した特別支援教育の充実について伺います。
今年度、県教育委員会が特別支援教育における教員の業務効率化と指導の質の向上を両立させるため個別の指導計画作成を支援する生成AIを用いたAIアシストツールの試行を進めていることに深い関心を持って注目しています。
特別支援学校の児童生徒はこの四半世紀で倍増し、障害が複数重複する子供も増加するなどニーズは一段と複雑化しています。その結果子供と向き合う時間や指導の工夫を練る時間が十分に確保できず、本来高めるべき指導の質の維持すら難しくなるのではないかと強い危機感を抱いています。
特別支援教育の中核である個別の指導計画作成に当たっては、児童生徒一人一人の障害特性や教育的ニーズを丁寧に踏まえる必要があり情報整理や目標設定に多大な時間と専門性を要しています。経験の浅い教員ほど負担が大きいと聞き及んでおり、この負担軽減に資するAIアシストツールの導入は単なる効率化にとどまらず、教員がより質の高い個別支援に力を注げるようにする大きな可能性を持った革新的な一歩になり得ると期待しています。
一方で、新たなツールの導入に当たっては操作性や活用イメージがつかめず現場に戸惑いが生じる懸念もあります。このツールが真に力を発揮するかどうかは、現場教員が使いやすい、役に立つと実感し主体的に使いこなせるかにかかっています。そのためにも県教育委員会と学校現場が十分に意見交換を重ね、現場の声を反映しながら使えるツールへと育てていく丁寧なプロセスが何より重要です。
そこで、この個別の指導計画作成を支援するAIアシストツールについて現在の進捗状況と現時点で見えてきた課題、さらに生成AIの活用を通じて県教育委員会として最終的に特別支援教育をどのような姿に高めていこうとしているのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 飯田議員にお答えをいたします。
県土強靱化に向けた河川整備の推進についてであります。
本県では県土強靱化に向け、治水安全度を向上させるため国、市町など流域のあらゆる関係者と連携し、流域全体で浸水被害を軽減する流域治水の取組を積極的に進めております。この中で堤防等の施設整備と併せて河川のストック効果の最大化を図る河道掘削等を行ってまいりました。
しかしながら、県内全域で一万戸に近い家屋の浸水被害が発生した令和四年台風第十五号をはじめ、近年豪雨災害が激甚化、頻発化する状況にあり、県民の生命や財産を守る県土強靱化の一層の推進が求められております。
こうした状況の下、国におきましては第一次国土強靱化実施中期計画が閣議決定され、その中では将来にわたり不断に事前防災の取組を進めていくこととされております。県としても県民の生命と財産を守り社会の重要な機能を維持発展させるためには、国の計画に呼応して河川の流下能力の向上や機能の維持など事前防災に取り組むことは欠かすことのできない未来に向けた投資であると認識をしております。
この取組を効果的、効率的に進めるためには国の支援の活用が重要であり、私自身が先頭に立って国に対し本県の実情を伝え、事業実施に当たっては国の予算を確保するとともに支援制度を有効に活用してまいります。
県民幸福度日本一の実現のためには、安全で安心して暮らせることが基本であり、国、市町などの関係者とこれまで以上に連携を強化して県土強靱化に向けた河川整備を加速化し、災害に屈しない県土づくりを強力に推進してまいります。
なお、その他の御質問につきましては関係部局長、教育部長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木 学君) 新県立中央図書館を教訓とした県行政の在り方についてのうち、県行政の信頼再構築に向けた取組についてお答えいたします。
県行政の信頼回復のためには、職員が全体の奉仕者としての意識の改革を図り、全ての職員が責任を持って職務に当たることにより再発防止に努めることが不可欠であります。
意識改革につきましては、職員一人一人に浸透させていくことが重要であることから、全庁を挙げた組織文化の改善の取組や各階層別のコンプライアンス研修を行っております。これに加えまして職員が熱意とプライドを持って仕事に取り組むことによって不祥事案の発生を防止する、こういうことを学ぶワークエンゲージメント研修こちらを今月新たに実施をいたします。
懲戒処分につきましては、厳正かつ適切な処分を行い組織の規律保持や秩序の維持に努め不祥事案の再発防止につなげていくことが極めて重要であります。
本件におきましても、当時教育委員会に勤務をしていた職員に対して知事部局として厳重注意を行うとともに、全職員に対して発生の背景や再発防止策等の周知を行ったところであります。
県といたしましては、職員の法令遵守はもとより意識改革の徹底と懲戒処分の適切な実施により県行政の信頼再構築に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 山田企画部長。
○企画部長(山田琢也君) 新県立中央図書館を教訓とした県行政の在り方についてのうち、国要望の重要性と東京事務所が果たすべき役割についてお答えいたします。
県政の推進のためには、本県が直面する諸課題や地域の実情を的確に関係省庁や国会議員に伝え、規制緩和等の制度改善や国の交付金など財源の確保につなげていくことが重要であると認識しております。
東京事務所は、今年度政策の総合調整を担う企画部の所管となったことを踏まえ、これまで以上に県政を取り巻く社会情勢へのアンテナを高く持ち国の政策動向や庁内のニーズの的確な把握に努めております。とりわけ国省庁との緊密な連携強化を優先事項と位置づけ省庁職員との人的ネットワークを最大限に生かしつつ、所長以下職員が一丸となって省庁の幹部職員への訪問機会を増やし県政の課題を情報提供するなど常日頃から顔の見える信頼関係の構築に注力しております。
さらに、要望活動の実効性を高めるため庁内各課に東京事務所の積極的な活用を促しているほか、本県の課題が国の課題でもあり本県が主体的に解決するという姿勢の下、県選出国会議員等とも連携を図っております。
先月末に開催した県選出国会議員県政説明会においても、災害対策や医療体制等について建設的な意見交換がなされたところであり、今後も国との橋渡し役としてしっかりと役割を果たしてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 齋藤危機管理部長。
○危機管理部長(齋藤耕司君) 南海トラフ地震の新しい被害想定についてお答えいたします。
県では、第五次地震被害想定の策定に向け津波被害や建物被害、ライフラインといった項目別に立ち上げた庁内ワーキングや市町等との意見交換会を開催するなど全県を挙げて検討を進めております。この検討におきましては津波が乗り越えても機能を発揮する粘り強い防潮堤の整備状況をはじめ公共建築物や住宅の耐震化、早期避難意識の向上などこれまで県や市町等が進めてきた対策の効果を適切に反映することとしております。
去る十一月十七日には、被害想定の策定に当たり防災・原子力学術会議の分科会を開催いたしました。この中で県から粘り強い防潮堤などの効果を適切に反映することなどを説明し、地震工学や津波工学等が専門の委員の皆様に御議論を頂きました。
今後も引き続き、学術会議等から助言を頂きながら本県の地理的特性やこれまでの対策による減災効果等を盛り込むことで、本県の今後の防災・減災対策の推進に資するような地震被害想定を策定してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 田中デジタル戦略部長。
○デジタル戦略部長(田中宣幸君) 本県の情報システム最適化の今後の見通しについてお答えいたします。
今年度の取組といたしましては、七月から十一月にかけ庁内の全三百三十一システムの棚卸しを行い、導入から保守運用、定期的に生じるシステム改修等に係る総費用の削減を重視し、国のシステムを共同利用しているものなどを除き独自開発した九十四システムを最適化の対象といたしました。今年度中には安価なパッケージシステムへの移行を十年程度で完了できるよう移行計画を策定してまいります。
移行時期の設定に当たっては、独自開発したシステムの改修費用が高額になる傾向がありますことから、改修前に移行することで経費の削減効果を最大化できると考えております。そのため来年度に向けましてはまず既存システムの改修が予定され導入可能なパッケージシステムが想定できる旅費計算、健康管理等の四システムを選定いたしました。これらの移行に伴う経費削減効果につきましては、粗い試算ではございますが三億四千万円程度になると見込んでおります。
今後も、策定する計画に基づき着実に取組を進めるとともに経費削減効果の最大化に努め、厳しい財政状況の改善に貢献してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 芹澤出納局長。
○出納局長(芹澤真一君) 公金の納付手続における利便性の向上についてお答えいたします。
県に対する公金の納付につきましては、これまでに証紙条例などの関係条例の改正や民間事業者への委託等により運転免許証更新手数料や県直営施設入館料などでのキャッシュレス決済が可能となり、多くの皆様に御利用を頂いております。
また、今年度においては県税で既に導入されている全国統一のQRコードを活用した電子納付を令和八年九月から使用料などの税外収入にも導入するよう現在準備を進めております。これにより年間で約九万一千件の税外収入について、スマートフォンでの決済アプリなどを利用して時と場所にとらわれることなく納付が可能となります。
県といたしましては、全庁的に行政手続のオンライン化を進める中で電子申請サービス上で電子納付ができる手続の拡充や多様な納付手段のさらなる導入に向けて関係部局と調整を進めるなど、引き続き公金を納める皆様の利便性の向上に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 前澤教育部長。
○教育部長(前澤綾子君) 生成AIを活用した特別支援教育の充実についてお答えいたします。
特別支援教育における児童生徒の実態やニーズに応じた個別の指導計画作成には、議員御指摘のとおり従来から高い専門性と多大な時間が必要となっておりました。教育の質の向上及び平準化と教員負担の軽減を図るため、現在研究機関等と連携して指導計画の作成を支援するAIアシストツールの開発を進めております。本ツールは教育データをAIに学習させ指導計画の素案を迅速に生成するもので、県立特別支援学校六校にて試行検証中であり来年度中に全ての県立特別支援学校への導入を目指しております。
一方、課題としては新技術の導入に伴う教員の心理的な抵抗感やAIの計画案を適切に修正、活用するためのスキルの向上であると認識しております。
今後、ツール活用マニュアルの作成や研修の実施により現場の不安解消と活用力の向上に努めてまいります。あわせて特別支援学校での成果と知見を整理し、小中高校の主に特別支援教育担当者に対してもツールの有効性や活用方法に関する情報共有を進めてまいります。
その上で、将来的には特別支援学校以外に在籍する特別な支援の必要な児童生徒への本ツールの導入手法を検討し、どの学校においても質の高い個に応じた特別支援教育の実現を目指してまいります。以上でございます。
○副議長(中田次城君) 飯田末夫議員。
(四十五番 飯田末夫君登壇)
○四十五番(飯田末夫君) 御答弁頂きありがとうございます。
思っていたよりも前向きにですね、捉えていただきまして、より一層県政を進めていただけたらと思います。
それでは、意見を述べて再質問をしたいと思います。
これまで述べてきたとおり、新県立中央図書館整備をめぐる一連の混乱は県民の皆様からの信頼を大きく損なう事態となりました。今回の質問に当たり私自身この問題の本質はどこにあるのか様々な角度から考え続けてまいりました。
図書館整備で発生した事案は、単なる事務処理の誤りや意思疎通の行き違いだけでは片づけられません。何が教訓として示されているのか、そして背景にはどのような構造的課題が横たわっているのか、そこを深く掘り下げる必要があります。
そうした視点から思い至ったのが、数年前の熱海土石流災害でした。全く異なる分野の出来事ではありますが、両者には情報共有の不十分さ、部局間連携の弱さ、責任の所在の曖昧さ、意思決定プロセスの甘さといった県行政の根幹に通じる共通課題が見え隠れしています。県政への信頼を取り戻す上ではもはや部分的な改善では不十分だと考えるところです。県庁組織文化そのものの変革、そして職員一人一人の意識改革を最優先課題として進めるべき段階に来ていると考えるところです。
信頼回復には強い覚悟と決意が不可欠です。では県政への信頼を回復するため、今何が求められているのか。私は形だけの見直しではなく組織文化と職員の意識、その両面の改革こそが不可欠であると改めて強調したいと思います。
そこで、前提となることで伺いたいと思います。
今回、新県立中央図書館での混乱が熱海土砂流災害の教訓を踏まえながらも繰り返されたのはなぜか、その背景をどのように認識しているのか、見解を伺います。答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木 学君) 県行政の信頼再構築に向けた取組の再質問についてお答えをいたします。
議員から御質問頂いておりますとおり、この熱海土石流の教訓、これがですね、今回のこの新県立中央図書館整備事業、こちらのほうに十分に生かせたかというと、まだまだそこまでいっていなかったというふうに考えております。
こちらにつきましては、議員からも御指摘がございましたとおり県の組織的な対応、これはもとより、やはり県職員が一人一人、しっかり公務員としての自覚を持って全体の奉仕者としてしっかりと職務を果たしていくということが必要だというふうに強く感じているところでございます。
現在、熱海土石流、これを受けましてその教訓が風化しないように職員の意識改革を進めているところでございますけれども、こちらについてはなかなか一朝一夕にはなるものではありません。
しかし、これは早く組織文化を変えていくという必要もございますので、先ほど答弁をいたしました様々な取組や再発防止策、こういったところを繰り返し粘り強く今後も全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(中田次城君) 飯田末夫議員。
(四十五番 飯田末夫君登壇)
○四十五番(飯田末夫君) 再質問のほうですね、御答弁頂きました。
今回の事案をですね、県行政が県民から信頼を失ったということは、やはりこれは間違いないことだと思いますので、県民からの信頼を取り戻すべく、いい転換点としていただけたらということで思います。そして県民の負託に応える公務員組織へ、そういった組織づくりのほうの努力をお願いいたしたいと思います。
言葉の中にですね、信頼は言葉より仕組みでつくるという言葉もあります。口先だけで言っているだけではやはり信頼というのは得ていかないもんですから、やはり行動で示していただけたらと思います。それが私たちが目指しております行政の原点である信なくば立たず、ここにつながっていくと思いますので信頼回復に全力で取り組むことを強く求めたいと思います。
あわせてですね、今回図書館ということで、私、実は新県立図書館、大変期待をしております。というのも委員会の視察なんかでもそうなんですけども、出かけた先でですね、新しくできた図書館とかを見ているわけなんですけれどもいろいろ趣向が凝らされてるなということで思います。その中でもですね、そういったことで特に主にその狙いはというと複合施設やまちづくりの拠点とするということで地方創生の一端を担っている、または民間事業者としっかり連携をしてですね、ということでこういった採算とかこういったものを考えている。
または、そのほかにはですね、非常に珍しいものとしては、札幌市の図書館なんかはビジネスに特化していたような図書館もあったりということで、専門性やコンセプトを強化しているという、これはまさしくこれまでの図書館が文化教養型であったものが、これを課題解決型に移行していることが分かるわけです。
そして、二〇一〇年以降ですね、調べてみてびっくりしました。日本全国でそれこそ国土交通省の交付金を使って建てられた図書館がですね、何とここ十年間だけでも百館以上あるということで、我が静岡県にもですね、よそからたくさんの方が視察に見えるようなですね、図書館をつくっていただけることを期待しております。
以上のことを申し上げまして、質問の一切を終わります。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで飯田末夫議員の質問は終わりました。
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