本会議会議録
質問文書
令和7年12月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 望月 香世子 議員 | |
質問分類 | 一般質問 | |
質問日: | 12/08/2025 | |
会派名: | 自民改革会議 | |
質疑・質問事項: | 1 大規模災害発生時における行政の支援力の向上について 2 気候変動を踏まえた海岸保全基本計画の変更について 3 女性職員の活躍に向けた取組について 4 県産農林水産物の海外販路拡大について 5 医師少数スポットにおける医師確保について 6 熊出没時の県警察の対応について |
○副議長(中田次城君) ただいまから会議を開きます。
議事日程により、知事提出議案第百四十九号から第二百四号までを一括して議題とします。
質疑及び一般質問を行います。
通告により、十三番 望月香世子議員。
(十三番 望月香世子君登壇 拍手)
○十三番(望月香世子君) おはようございます。
私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに警察本部長に当面する県政の諸課題について分割質問方式にて質問いたします。
初めに、大規模災害発生時における行政の支援力の向上について伺います。
本県では、令和七年台風第十五号の突風災害により住家被害が広い範囲に及び、地域の暮らしにも深刻な影響を残しました。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
静岡県は、地震・津波、豪雨、土砂災害など多様な自然災害リスクが常に隣り合わせであり、今や平時と災害時の境目が曖昧になりつつある中で行政が発災直後から生活再建に至るまで切れ目なく支援できる体制を整えておくことがこれまで以上に重要になっています。
一方で、災害のたびに私たちは県の危機管理体制が本当に機能しているのかという不安を抱きます。
令和四年の台風第十五号では、被災自治体からの情報収集が難航し初動対応の遅れが課題となりました。この教訓を踏まえ県では市町支援機動班を設置し、令和五年の台風時には磐田市への派遣が行われ現場支援や助言を行う体制が機能したと伺っています。
しかしながら、こうした取組がどのように改善を重ね、どのような成果を上げているのかは県民にまだ十分伝わっていません。危機管理は性質上、公にできない部分もあるとはいえ、見えない努力が続くほどに不安を感じる県民も多いのではないでしょうか。
例えば、他県の災害派遣から学んだ教訓をどう生かしているのか。能登半島地震や熊本地震、西日本豪雨の教訓から県の体制にどのような改善を加えてきたのか。こうした実績を安心材料として県民に発信していくことも大切だと考えます。
昨年十一月に内閣府が公表した報告書「令和六年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について」において、各種支援制度に関する知識や運用のためのノウハウを持った職員が不足し支援の質等に課題が見られたことから自治体においては各種支援制度の習熟、研修や災害時の初動、応急期対応を想定し避難所開設、運営、被害認定調査や罹災証明書の発行等に関する訓練、研修を実施することが重要であるなどの指摘がなされており、人材の育成を図っておくことは行政の支援力を向上させるための中核であると言っても過言ではないのではないでしょうか。
そこで、県は大規模災害発生時における行政の支援力の向上のため災害時特有の業務に対応できる人材の育成についてどのように考えるのか伺います。
次に、気候変動を踏まえた海岸保全基本計画の変更について伺います。
近年、気候変動の影響による海面上昇や高潮被害が世界各地で深刻化しています。本県においても沿岸部の防護対策は喫緊の課題であり、これまでの想定を超える事象への対応が求められています。
これら自然災害に対し、県では資産や人口が集中する沿岸部において防潮提等の県民の生命、財産、暮らしを守る対策を進めてはいるものの、近年の気候変動に起因した災害はより激甚化、頻発化しており、台風襲来時には越波により家屋浸水や道路冠水が多数発生するなど沿岸部における被害を心配する声も方々から聞こえてきております。
このような状況を踏まえ、県では将来的な気候変動を踏まえた海岸保全基本計画の変更について検討中とのことであります。本県では平成十四年に初めて海岸保全基本計画を策定して以来、被害想定の見直し等に合わせて随時変更を重ねてきました。県内の遠州灘、駿河湾、伊豆半島の三つの沿岸でそれぞれの地域特性を踏まえて計画を立ててきたと承知しています。
今回の変更は、令和二年に国が変更した海岸保全基本方針を受け、気候変動の影響を踏まえた初の本格的見直しであり県民の関心も高まっています。地域では防潮提の高さは変わるのか、観光と防災をどう両立するのかなどの声も寄せられています。県民にとっては何が変わるのか、どこが重点なのかが関心の高い点です。前計画からの具体的な変更点、どのような新しい方向を打ち出しているのか分かりやすく示す必要があります。
そこで、現計画に対しどのような変更を検討しているのか、その内容と進捗状況について伺います。
次に、女性職員の活躍に向けた取組について伺います。
国全体で人口減少が進む中、行政組織が多様な価値観を取り入れ柔軟で創造性のある運営を行うためには女性職員が力を発揮できる職場環境づくりが不可欠であり、県としても積極的に取り組む必要があります。
県では、各種制度整備を進め職員の女性管理職の比率は徐々に上昇してきているものの、こうした制度だけでは乗り越えられない見えにくい壁が残され、重要な意思決定の場に女性職員の視点が十分に生かされているとは言えない状況であると感じております。女性職員からは家庭と仕事の両立に関する悩みやキャリアへの不安だけでなく、提案が通りにくい、組織内での意思決定過程に参画しづらいといった声が寄せられています。これらは必ずしも明確なハラスメントとして表面化するものではありませんが、組織文化や無意識のバイアスが原因となって意欲ある職員が力を発揮しきれずモチベーションが下がってしまうという構造的課題であります。改革の方向性を提案しても十分に理解が得られない、そうした行き詰まり感を抱える職員が少なくないという現状は組織の活力を損なう大きな問題であります。
県としては、人事評価制度や管理職研修の充実を進め、制度面では一定の整備がなされてきました。しかし制度が存在することと現場の職場文化や価値観が変わることは必ずしも一致していません。特に組織内コミュニケーションの在り方、意思決定層への意見の届きやすさ、上司の意識改革といった目に見えない領域が十分に改善されていなければ制度の実効性は担保されません。女性職員がこの職場で挑戦したいと思える環境をつくるためには、制度を整えるだけでなく職員一人一人が尊重され意見を発信しやすい組織文化を育てることが欠かせません。
他県では、女性幹部と若手職員が率直に意見交換する対話型プログラムや心理的安全性を高めるコーチング研修、さらには組織内の無意識バイアスを可視化するワークショップを制度化している例もあります。本県においても管理職研修だけではなく職場単位での対話の場の設定や埋もれてしまいがちな意見を吸い上げる仕組みの導入など、もう一段踏み込んだ組織改革が必要だと感じます。女性職員の声が確実に意思決定プロセスに届き、政策の企画立案に反映されるような体制を整えることが県全体の政策力向上にもつながるものです。
そこで、県の組織における女性活躍推進に向けた考え方や取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 望月議員にお答えをいたします。
大規模災害発生時における行政の支援力の向上についてであります。
大規模災害が発生すると、県、市町ともに職員は災害時特有の様々な業務に対応することになります。通常業務と大きく異なるこうした業務に的確に対応するためには平時から訓練や研修の実施、マニュアル等による職員間のノウハウの共有、情報収集力を強化するための新技術の習得などを行っていく必要があります。
このため県では、職員一人一人に災害時の自分の役割を認識させるため大規模災害を想定した訓練を年度当初を含め定期的に実施をしております。また市町支援機動班に任命された職員には偵察用ドローンの操縦資格を取得させるとともに、上空からの現地確認などに必要となるドローンの操作訓練を実施し習熟度の向上を図っております。
また、生活再建のために重要な罹災証明書を速やかに発行するためには多くの調査員が必要となることから、市町職員等を対象に住家被害認定調査に係る研修を実施しております。県ではこの研修を受けた職員をリスト化しており、令和六年度能登半島地震や先般の台風十五号においてもこのリストを活用し職員を派遣したところであります。
さらに、災害関連死が多かった平成二十八年の熊本地震の教訓を踏まえ、避難所の設置や運営において避難者の健康への配慮をマニュアル化いたしました。これにより人事異動により職員の交代があっても円滑に避難所運営が可能となるノウハウを引き継ぐことができるようにしております。
県内外で大規模災害が発生した場合は、現地で避難所運営や住家被害認定調査、罹災証明書の発行業務などを支援するため応援職員を派遣しておりますが、帰任後に報告会や研修会などを通じて現地での経験を職員間で共有することで必要な対応力の向上も図っております。
県といたしましては、大規模災害発生時における行政の支援力の向上のため引き続き災害時特有の業務に対応できる人材を育成するとともに、こうした取組を県民だよりなどを通じて県民の皆様に積極的に情報発信してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 気候変動を踏まえた海岸保全基本計画の変更についてお答えいたします。
国は、海岸保全基本方針の中で新たに気候変動の影響を念頭に置き、海岸管理者がその影響による津波や高潮、高波等の長期変化を予測した上で適切な防護水準を確保する旨を示しております。
具体的な予測に当たっては、二一〇〇年に平均気温が二度上昇する気候変動シナリオを提示しております。このシナリオを基に、県では海岸保全基本計画の変更に向けて県内の沿岸部で平均海面水位が三十センチメートル程度上昇することに加え、台風の強大化なども考慮した高潮や津波の予測を実施いたしました。その結果、約七割の海岸で防潮提等の計画高の見直しが必要となっております。
明日開催を予定する学識経験者及び沿岸市町等で構成する検討委員会において、適切な防護水準の確保に加え海岸へのアクセス性や景観との調和等にも配慮した計画案について御意見を頂いた後、パブリックコメントを行い年度内を目途に計画変更を行ってまいります。
県といたしましては、県民の皆様の生命と財産、豊かな暮らしを守るため、気候変動を踏まえた海岸保全基本計画を策定し津波、高潮対策や浸食対策を着実に推進することにより災害に強い安全・安心な県土づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木 学君) 女性職員の活躍に向けた取組についてお答えいたします。
行政需要が多様化、複雑化する中、県政運営の方針決定や事業の実施等の過程に女性職員が積極的に参画する意義は非常に大きいと認識しております。このため県政の中枢を担う女性職員の育成に向け、リーダーに求められる役割や心構えなどを学ぶ専門研修を実施し管理職登用を見据えたキャリア形成の支援を行っております。
さらに、女性職員が自分の意見を自由に言える風通しのよい職場環境づくりを進めるため、事業実施の責任者となる新任監督者を対象に令和五年度から自らの考えや気持ちを安心して発言できる心理的安全性についての講話やグループワークを実施し、職員のモチベーションの向上や上司の傾聴の重要性について意識づけを行っているところです。
今後は、所属単位での対話の場の拡充を通じて、上司が女性職員の意向や提案を受け止め十分に施策に反映できる機会のさらなる創出を図ってまいります。
県といたしましては、引き続き女性職員が生き生きと活躍できる環境づくりを進め重要な県政の意思決定に参画できる組織風土の醸成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 十三番 望月議員。
(十三番 望月香世子君登壇)
○十三番(望月香世子君) 要望を一点申し上げます。
気候変動を踏まえた海岸保全基本計画の変更についてであります。
答弁頂いた内容、非常に今回の計画変更は気候変動の影響を踏まえ将来世代に向けて安全をどう確保していくのかという極めて重要な取組であるという中で、シミュレーションの結果七割の海岸で見直しが必要というところまで具体的にお考えが進んでいるということであります。こういった計画をやはり策定して終わりではなく、策定した後その海岸で実際に整備や維持管理を着実に進める姿勢というものを考えた上で進めていかなければなりません。
財源の確保であったり国や市町との連携であったり地域住民の参画であるといった視点を計画の段階から早期に取り入れて、丁寧に県民にとって分かりやすい形で示していただくよう要望を申し上げます。
それでは、次の質問に移ります。
県産農林水産物の海外販路拡大について伺います。
世界の食糧市場は、アジアをはじめとする人口の増加と世界経済の成長を背景に今後さらに拡大することが予測されています。このような状況を踏まえ国では食料・農業・農村基本計画において農林水産業、食品産業の海外から稼ぐ力を強化するとの方針を示し二〇三〇年に農林水産物、食品の輸出額五兆円の目標が設定され、最新で公表された二〇二五年一月から九月までの農林水産物、食品の輸出額は前年同時期比プラス一五・一%と好調に推移しています。
本県の産業が持続的に発展していくためには、海外市場での販路開拓を力強く進めていくことが必要であり県でも海外展開支援を進めていますが、現場には依然として課題が多く生産者など事業者の声をより丁寧に政策へ反映していく必要があります。
本年八月、タイ・バンコクで開催されたバンコク日本博二〇二五はアジア最大級の日本文化イベントで来場者は三日間で十五万人を超えるほどの盛況で、日本の食のみならず文化や旅行などタイ国民の日本に対する興味や期待の大きさを感じました。特に日本酒に特化した特設ブースには活気とにぎわいがあり人気が高くニーズがあることを象徴していましたが、そこに静岡の銘柄はなく来場者の目に触れる機会を逃していることを残念に思いました。
現地関係者に話を伺うと、他県には出展補助金があり企業が参加しやすい、自治体が強力にプロモーションしているといった声が聞かれました。海外市場の開拓へのきっかけづくりとして他県が積極的に取り組んでいるようにブランド認知といった単発イベントも重要です。県産品のポテンシャルに照らしても、機会損失のないよう単独出展が難しい事業者に対し出展費用支援や共同ブースの設置など挑戦しやすい入り口を整備する必要があると感じました。もちろん一過性のイベント出展ではなく百貨店催事など継続的な販売につながる戦略的支援を行うなど、県の中長期的戦略があることも承知しております。海外市場の現場感や海外における日本食に対する高いニーズを踏まえると輸出の伸び代はまだまだ大きいと考えます。
そこで、県産農林水産物が世界市場を開拓し獲得していくにはより一層の取組が必要だと考えますが、県産農林水産物の海外販路拡大について県はどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
次に、医師少数スポットにおける医師確保について伺います。
本県では、医師の地域偏在解消に向け東部地域への重点支援など県全体として医師数の均衡を図る取組を進めています。具体的に医学修学研修資金制度や地域枠医師の配置、ドクターバンクを通じたマッチングなど幅広い施策が展開していることは承知しております。こうした努力の中で東部地域の医師数を中部、西部と同等の水準に近づける施策が進んでいることは評価すべき点です。
また、県では静岡県保健医療計画において市区町単位で医師不足が深刻な地域を医師少数スポットとして指定し、国指定の医師少数区域と同様に修学資金利用医師の重点配置を可能とし医師確保に向けた環境整備を進めてこられました。静岡市清水区もこの医師少数スポットに指定されておりますが、現実には清水さくら病院などでは地域の期待と裏腹に医師数が依然として不足し、患者から受け入れてもらえなかったとの声も寄せられています。医師少数スポットに指定されても医師の増加につながらなければ意味がなく、県としても医師少数スポットとして指定した効果が十分に発揮されているとは言い難いことを認識していると思います。
地域主体の先進的取組として、静岡市が単独で研究、実証に必要な経費を負担し市内の病院をフィールドとして実証研究及び診療が行われている事業があります。AI解析による評価やモニタリングを通じ未診断の症例を早期に把握、治療につなげた例も報告されております。さらに関連する大学医師や研究者が市内医療機関に勤務しており、研究と臨床が連動する形で地域医療の質向上に寄与しています。行政、医師会、大学、地域医療機関がそれぞれの強みを持ち寄り四者が均衡したウィン・ウィンの関係を築いている点は地域医療の新たなモデルと極めて示唆に富むものであります。
県は、広域的な視点から偏在解消に取り組むことが基本であり市町が独自に実施する医療研究事業を県に直接求める趣旨ではありませんが、こうした独自性ある先駆的な取組は医師が地域で働き続ける動機づけとなり得る点で医師少数スポット制度の実効性を高める上でも参考となるものと考えます。
本県の医師少数スポット制度は、指定後のフォローアップや環境整備が相対的に弱く医師や医療機関にとっての具体的な魅力やインセンティブが十分ではない側面があります。地域医療の最前線からは勤務環境の改善、研修機会の確保、生活支援など医師が地域で働き続けたいと思える実質的な支援の必要性が強く求められています。医師不足が深刻な地域ほど行政が現場の声を丁寧に把握し、医療機関との連携を密にしながら定着につながる環境整備を重層的に進めることが不可欠であります。
医師少数スポットとして指定された地域において医師確保のための支援をどのように進められているのか、また今後この制度をより実効的なものとするためどのように取り組むのか、県の所見を伺います。
最後に、熊出没時の県警察の対応について伺います。
近年全国的に熊の出没件数が増加しており、本県でも住宅地周辺での目撃が相次ぎ県民の不安が高まっています。住宅庭の柿の木を伐採したほうがよいだろうか、どこで目撃情報が出ているのか知りたいといった声が日常的に寄せられ、私自身も県の目撃情報マップや出没対策などを紹介する機会が増えています。
こうした状況下、警察への通報も多く寄せられていると思いますが、自治体や猟友会など関係機関の連携による迅速な初動対応が不可欠です。一方でその後の対応や連携体制については必ずしも県民に明確に伝わっていないのが現状です。警察では通報を受けた後に現場確認を行い一定時間熊が確認されなければ撤退する場合もあると伺っています。しかし熊が再び出没する可能性がある中で単に見つからなかったで終わらせず、住民が安心できるよう継続的なパトロールや情報発信を行うことが求められます。
これまでも熊の出没地域では注意喚起の掲示等を行ってきましたが、近年は人を恐れない熊が増えていることが現場の最大の危機感となっており、警察においても熊に対応した訓練の機会を増やす必要があります。
また、現場対応においては市町や猟友会との連携が不可欠であり、緊急銃猟制度の運用に際しても指示系統、判断基準や役割分担を明確にしておくことが重要です。
県は、市町へのマニュアル提供などを行っているとのことですが、現場で混乱が生じないよう訓練や情報共有の仕組みを充実させる必要があります。制度と実態のギャップも多く、猟友会においても大型哺乳類の駆除経験はあるものの熊を実際に撃った経験を持つ者はほとんどおらず緊急銃猟に対応できる人員は限られています。今後狩猟法や銃刀法といった制約がある中で細かな制度運用の部分を詰めていく必要があると考えられます。制度の転換期において現場で誰がどう対応すべきかを把握しきれてないという実態は極めて深刻です。
こうした中、先月県内警察学校で警察、行政、猟友会による緊急銃猟の訓練が行われました。実際の現場では地形や時間帯、住民の状況などケースごとに大きく異なるため訓練が実施して終わりではなく、こうした多様な状況を踏まえた運用改善につながっていくことが極めて重要であることから、こうした現場力を高める訓練が一過性に終わらず県全体として継続的、体系的に行われる仕組みづくり、制度改正に即した実践的な訓練体制の構築が急務です。
我が会派では、本年十月静岡県警察本部長宛てに熊対策の早期検討を求める要望書を提出いたしました。要望書では全国で人身被害が相次ぐ現状を踏まえ県警察が関係機関と連携し、制度整備に応じた訓練の実施や整備体制の強化を速やかに行うよう求めたところです。
県では、二〇二七年度をめどにツキノワグマの保護管理計画を策定する方針ですが、通学路や民家付近での目撃事案についてはまさに警察の現場対応力が問われます。
こうした中、警察庁は警察官等特殊銃使用及び取扱い規範を一部改正し警察官が人里に侵入した熊をライフル銃で駆除できるようにする方針を示しました。
ついては、熊出没時の県警察の初動対応体制及び関係機関との連携の現状、さらに県民の安心につながる安全確保策について、県警察の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 齊藤経済産業部長。
○経済産業部長(齊藤卓己君) 県産農林水産物の海外販路拡大についてお答えいたします。
県ではこれまで、輸出に新たに取り組む事業者と国外バイヤーとのマッチング機会の創出や海外に設置した通商エキスパートによる伴走支援などにより意欲のある事業者の挑戦を後押ししてまいりました。またこうした挑戦を継続的な取引につなげ静岡ブランドの認知度を高めるため、アジア地域におけるスーパー等において県産品フェアを開催し現地での売場獲得に取り組んでおります。
こうした取組に加え、今後海外市場においてさらに販路を拡大していくためには新たな販路開拓と海外需要に応じた輸入規制等への対応が重要であると考えております。このため今年度から市場が大きく旺盛な購買力を有するアメリカの高級食品スーパーにおいて温室メロン、生ワサビ等の販売を開始しており、新たな商流の定着につなげてまいります。
また、台湾やタイなど使用農薬基準等の輸入規制が厳しい国に参入し新たな需要を獲得するため、引き続き生産者団体と一体となってイチゴやミカンなど輸出に対応できる産地づくりに取り組んでまいります。
県といたしましては、事業者の海外出展支援に加えて海外での需要の獲得とそれに対応できる産地の育成を進めていくことで県産農林水産物のより一層の海外販路拡大に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 青山健康福祉部長。
○健康福祉部長(青山秀徳君) 医師少数スポットにおける医師確保についてお答えいたします。
県では、静岡市清水区など局所的に医師が少ない十一市区町を医師少数スポットに指定し医師少数区域と同様に医学修学研修資金利用医師の重点配置に取り組み、これらの区域等への利用医師の配置率は令和四年度の二六・六%から今年度三七・四%となりました。
医師少数スポットに医師を配置していくためには、これらの区域での四年間の勤務が義務づけられるキャリア形成プログラムに区域内の病院が参画していることが必要であります。このため各診療科のプログラムを有する基幹病院に働きかけ全県で十三病院で百四プログラムを、そのうち清水区の病院を含むプログラムを十七整備してきました。令和八年度以降、地域枠医師が毎年約六十人ずつキャリア形成プログラムを活用することから一人一人丁寧に意向を確認しつつ若手医師が自己のキャリアを積めるとともに、医師少数スポット等で活躍できるよう配置調整に取り組んでまいります。
また、議員から御紹介頂いた事例のように、若手医師がそこに行って学びたい実践したいというモチベーションを持ってもらうことも大切でありますので、次期医師確保計画の策定の中で医師少数スポットの魅力の向上についても検討してまいります。
引き続き、キャリア形成プログラムの一層の整備とともに若手医師が前向きに取り組める環境づくりなどを進め、医師少数スポット制度の実効性を高めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 久田警察本部長。
○警察本部長(久田 誠君) 熊出没時の県警察の対応についてお答えいたします。
近年、本県においても熊の出没が相次いで確認されている現状を踏まえ、出没時には関係機関と連携した迅速な初動対応を図り県民の安全・安心を確保する必要があると考えております。
県警察の熊出没時の対応につきましては、警察本部及び各警察署が一体となった対応を取ることとしております。具体的には市街地等における熊の出没情報を認知した際には直ちに警察官を現場臨場させるとともに、市町をはじめとする関係機関と協働して防災無線等による注意喚起の広報や地域住民の避難誘導、出没場所周辺の立入規制等により住民の安全確保を図ります。また学校やその周辺、通学路における出没の場合は学校関係者と連携し登下校時間帯の警戒を行うなど児童生徒の安全確保を図ります。
関係機関との連携の現状についてでありますが、平素から県や各市町担当課や地元猟友会と熊の出没情報等について情報共有しております。また本年九月に施行された緊急銃猟制度を踏まえ市町との連携をさらに強化し、十一月二十七日には警察学校において県市町関係者、猟友会と緊急銃猟等に関する教養、訓練を行いました。今後も継続的に実施していくよう関係機関に働きかけ、県民の安全と安心の確保に取り組んでまいります。
また、県民の安心につながる安全確保策につきましては、熊の出没に関する情報について県警察のどこでもポリスや交番速報等を通じて正確かつタイムリーな発信に努めてまいります。
さらには、先般の公安委員会規則の改正により警察官がライフル銃で熊を駆除することが可能となったことを受け、適切な職務執行ができるよう関係機関との訓練を行ってまいります。
県警察といたしましては、関係機関と緊密な連携を図り熊出没状況の適時適切な情報発信に努めるとともに、現場において警察官が適切に対応できるよう訓練、教養を実施して県民の皆様が安心して生活できる地域社会の実現に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 望月香世子議員。
(十三番 望月香世子君登壇)
○十三番(望月香世子君) 要望を二点申し上げます。
まず、県産農林水産物の海外販路拡大についてです。
答弁で、アジアでの展開とともに、今年度からアメリカのスーパーにおいても農産品の販売に参入していきたいという、そういった展開についてもお伺いいたしました。一方でアメリカの関税措置のような要素もある中で事業者のリスク分散等の適切な対策についても講じられるよう、県には迅速かつ的確な情報収集と情報共有をお願いしたいと思います。
私の地元でも、耕作放棄地の解消を目指して若手が新たな販路にチャレンジしていきたいという、そういった方もいらっしゃいます。ミカン、非常に好調なんですけれどもミカンを切ってそのまま保管する倉庫も必要なく海外に持っていけばという、そういったこともありまして、もうこうして販路を海外にも開拓していくことというのが、非常に収益向上はもちろんのこと事業者にとっても新たな方向へと、そういったまた今お話ししたような耕作放棄地の解消といった各種方面にとっても非常に良い取組と考えておりますので、県におかれましては引き続きそういった生産者、事業者の声に寄り添いながら海外展開のリスクだとか不安にも耳を傾け力強い支援策を展開していただくよう要望をいたします。
もう一点、熊の出没時の県警察の対応についてであります。
今ですね、御答弁の中でどこでもポリスを活用して情報を早急に地域だとか学校だとか行政機関だとか情報の共有を図っていくという御答弁、頂きました。県民の不安が高まる中でこうした新たな安心の担保ということで情報共有、非常に心強いものであります。
熊をはじめとする鳥獣の出没は、地域の生活と直結する課題でありますのでそういった情報が届くかどうかによって住民の行動の変革というのも今後あるかと思いますので今日お話し頂いた取組を継続し、さらに必要に応じて拡充していただくことで住民も自分の自分事として捉えるとともに、警察や各行政機関から自分の地域はしっかり見守られているという実感できる体制づくりをお願いしたいと思います。
今後も現場の警察官の皆様が、地域とともに密に連携して安心につながる情報提供、パトロールを進めていただくことを要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで望月香世子議員の質問は終わりました。
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