本会議会議録


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令和7年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 啓嗣 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2025

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事が掲げる職員提案型の政策立案について
2 わたしの避難計画の作成促進について
3 多面的機能支払交付金制度を活用した共同活動の拡大について
4 人工稚貝を用いた浜名湖のアサリ資源の回復について
5 特定外来生物対策について
6 不登校対策について


○副議長(中田次城君) 次に、四十八番 鈴木啓嗣議員。
       (四十八番 鈴木啓嗣君登壇 拍手)
○四十八番(鈴木啓嗣君) 皆様こんにちは。
 私は、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 それでは初めに、知事が掲げる職員提案型の政策立案についてお伺いをいたします。
 知事は、令和七年度をチャレンジ元年とし従来の予算編成に加え行政サービスの受け手である県民や事業者のニーズと評価を取り入れ、新たな視点で事業化を図る政策立案プロセスを導入しました。具体的には社会情勢の変化や幸福度に関する県民意識調査の結果を踏まえ幸福度日本一の静岡県の実現に向けた令和八年度の政策立案をスタートさせ、政策分野指定型、ウェルビーイング指標分析型、職員提案型、企業提案型の四つの取組を政策パッケージとして位置づけ集中的に新たな政策の立案を進めているものと承知をしております。
 このうち職員提案型では、現場に近い若手職員をはじめ職員一人一人の自由な発想を生かした県政の課題解決につながる政策等の提案を募集し、提案されたアイデアは課長級による一次審査を経た上で提案者が知事と両副知事に直接プレゼンテーションを行い質疑を受ける二次審査により空飛ぶ基地局で通信を確保する空のライフライン、スカイ・コネクト構想や県庁内のデジタル人材を活用し業務アプリを内製化する静岡県庁生産性革命など四件の提案が採用されたと伺っております。
 この制度は新たな政策立案や職員の業務に対する意欲、モチベーションの向上にとどまらず職員目線による課題の洗い出し、提案の実現に向けた部局間連携、新たな分野でのスペシャリストの育成などにもつながるものであり、私は期待できる取組であると考えております。
 現在財政状況の厳しさという部分が大きな話題として取り上げられている本県ですが、幸福度日本一の静岡県の実現に向けこうした取組を推進していくことも非常に重要であります。また県が進める新たな取組の内容を世の中に広く知っていただくことが最終的には人々に選ばれる静岡県につながっていくものと考えます。
 そこで、職員政策提案制度を実施した狙い、本年度の取組結果に対する所見と実施結果を今後どのように施策に反映していくのかについて、知事の考えをお伺いいたします。
 次に、わたしの避難計画の作成促進について伺います。
 本県は南に約五百キロメートルの海岸線、北には富士山など三千メートル級の山々から成る山岳地帯を擁し海や山、湖や河川など豊かな自然に恵まれ、その多様な地理的特徴を生かし広範囲に様々な産業が発展しています。
 一方で、その多様な地理的要因から想定される災害は多岐にわたり必要となる災害対策の幅広さを併せ持つ地域であるとされています。
 このような状況下、県は地震や津波、風水害、土砂災害など地域の自然災害リスクに備え、県民一人一人がどのタイミングでどこに避難するのかをあらかじめ整理するわたしの避難計画の作成を推進してまいりました。誰でも居住する地域のハザードマップで確認しながら容易に作成できるものであり、早期避難意識の向上に寄与する施策であると高く評価しています。
 県はこれまでホームページで啓発動画を流したりコンビニにポスターを掲示するなど普及啓発に努めてきたことは承知をしております。私も地元において様々な地域や年齢層の方々と対話をする中でわたしの避難計画の話題を積極的に取り上げてきました。しかしながらわたしの避難計画を知っている方や作成しているという方は少なく、風水害が激甚化、頻発化し南海トラフ地震の発生が危惧される中わたしの避難計画の県民への浸透には一抹の不安を拭えないというのが正直なところです。
 県が来年度中の策定を目指している地震被害想定は国の被害想定と一線を画し、これまでの本県の対策の成果を踏まえたものにしていくと伺っております。防潮提の整備などと併せて県民の早期避難意識も人的被害を見積もる上で重要な要素になり、その後の様々な施策にも影響を及ぼすことを考えましても、わたしの避難計画の着実な普及は欠かせません。効果的な施策であると思うからこそ究極的には県民全員に作成頂くことを目標にしっかりと作成状況を把握しつつ様々な手法により作成促進を図っていただきたいと考えます。
 そこで、県としてわたしの避難計画の作成促進のためどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、多面的機能支払交付金制度を活用した共同活動の拡大について伺います。
 多面的機能支払交付金制度は農業・農村が有する多面的な機能の維持と地域の共同活動を支援し地域資源の適切な保全管理を推進するための制度であります。
 多面的機能支払交付金は、農地のり面の草刈り、水路の泥上げ、農道の路面維持等の基礎的保全活動や農村の構造変化に対応した体制の拡充強化、保全管理構想の作成等多面的機能を支えるための共同活動を支援する農地維持支払交付金と、水路、農道、ため池の軽微な補修、植栽による景観形成、ビオトープづくり、施設の長寿命化のための活動等地域資源である農地、水路、農道等の質的向上を図るための共同活動を支援する資源向上支払交付金から構成されています。
 静岡県ではふじのくに美農里プロジェクトとして農業・農村の有する多面的機能の維持発揮を図るための地域の共同活動について多面的機能支払交付金により支援を行い地域資源の適切な保全管理を推進しており、県内二百四十の組織で多面的機能支払交付金制度を活用した共同活動が行われています。
 静岡県の令和六年の耕地面積は五万八千三百ヘクタールで都道府県別の順位は全国二十二位でありますが、同年度の多面的機能支払交付金制度の県内取組状況を見ますと農振農用地区域内の農用地面積に対する制度を活用した取組面積の比率、いわゆるカバー率は田、畑、草地を合わせた合計が二六・六%にとどまっており全国四十七都道府県中四十五位となっております。
 静岡県のカバー率が全国的に低い状況にある要因には高齢化や人口減少によるリーダーや役員の後継者不足、事務作業を行う人員不足、補助金事務や会計処理等の事務作業の負担、活動参加者の減少といった活動組織体制維持の課題があると聞いております。しかしながらこれらの課題は本県に限ったものではなく、様々な課題を抱えながらも全国各自治体が取組を推進した結果が現在の状況につながっているものと推察され、取組面積の拡大には県としてもなお一層の努力が必要であると感じています。
 多面的機能支払交付金制度は地域の共同活動による農地、水路、農道等の保全管理を支援することで担い手農家の維持管理作業の負担を軽減し農村環境の保全と担い手農家への農地集積を後押しする有効な制度と認識しており、今後地域資源の保全に関わるあらゆる関係者が課題を共有し本制度を活用した協働活動の取組を拡大していく必要があるものと考えます。
 そこで、多面的機能支払交付金制度を活用した共同活動の拡大に向けた今後の県の方針についてお伺いをいたします。
 次に、人工稚貝を用いた浜名湖のアサリ資源の回復について伺います。
 浜名湖のアサリは地元漁業者にとって重要な収入源であるだけでなく潮干狩りをはじめとした地元の観光業や飲食業にとっても重要な役割を果たしているかけがえのない資源です。平成二十一年には六千トン以上あったアサリの漁獲量は令和三年には過去最低の百トンを記録し、その後緩やかな回復の兆しが見られていたものの、令和五年の秋以降から現在までほとんど漁獲のない状況が続くなどアサリ資源は壊滅的であり、ゴールデンウィークの風物詩である浜名湖の観光潮干狩りも七年連続の中止となっている状態です。
 このように産卵する親貝もほとんどいないという現状から浜名湖のアサリ資源を回復させ持続性のある水産資源として確立するためには、浜松ホトニクス株式会社が人工的に生産したアサリ稚貝を用いて資源を回復していくことが実現可能性の高い手法であると感じております。
 この人工稚貝を用いた取組についてはこれまで数年にわたり現場の視察を行っておりますが、県の支援の下浜松ホトニクス株式会社や漁業者の方々の協力により人工稚貝を入れた稚貝育成装置を浜名湖に垂下してアサリを大きくし最終的にそれを放流するという取組の方向性が見えてきたところであると伺っております。
 しかし、さきの九月議会で我が会派の市川秀之議員が指摘したとおり、昨年八月の台風第十号により浜名湖の一部地域で垂下していたアサリが全滅したことは記憶に新しく、またアサリの成長についても垂下する場所や水深によって全く違うとも伺っており、複雑な形をした浜名湖であるからこその難しさを実感しているところでもあります。
 また、アサリ資源の減少につきましてはこれまで餌となる植物プランクトンの減少や浜名湖内の潮流、底質の変化、クロダイによる食害など様々な要因が指摘されてきましたが、このように複雑な状況下におきましても今後浜名湖のアサリ資源を回復の道へとつなげていくために人工稚貝を用いたこの取組を着実に進めていただきたいと考えております。
 そこで、人工稚貝を用いた浜名湖のアサリ資源の回復について昨年度の成果と今後の取組についてお伺いをいたします。
 次に、特定外来生物対策について伺います。
 日本列島は諸説ありますが今から約一千五百万年前にアジア大陸の東側の一部が大陸から離れ誕生したと言われています。それ以来周囲を海に囲まれ長い年月をかけ独自の自然環境、生態系が構成されてきました。そのような場所に存在するはずのない外来の動植物が侵入したとき、どのようなことが起こるのでしょうか。
 海を越えやってきた外来生物が大きな影響を与えた一例として私の地元浜松市でも見られる松枯れがあります。これは北米原産の外来種とされるマツノザイセンチュウにより引き起こされ、市内においても昭和四十年代の初頭から被害が確認され始めました。その後様々な対策が講じられてきましたが、確認から六十年がたとうとしている現在でもその被害は継続しており、外来生物が我が国の自然環境、生態系に与える影響の大きさを示しているものと考えます。
 今回の質問では外来生物の中でも生態系、人の生命、身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれがあるものとされている特定外来生物についてお伺いをいたします。
 特定外来生物は令和七年十一月一日現在法に基づき百六十二種類が指定され、県内では動物三十種類、植物十一種類が確認されています。これらの外来生物が国内へ持ち込まれた時期や経緯、その生物が及ぼす影響は様々ですが各地で生態系や農林水産業に被害を及ぼしています。
 例えば、近年私の地元浜松市でも多く見かけるようになったヌートリアは水辺に生息し稲の食害や農作物被害を及ぼすほか、他県では堤防や水田のあぜに巣穴を作ることでため池や用水路の漏水や決壊を引き起こす事例も報告されています。またヌートリアは隣の磐田市でも頻繁に発見されるようになっており分布が東へと拡大しつつあります。
 さらに、関東以西に広く分布しているナガエツルノゲイトウは観賞用として輸入された水草ですが、生命力と拡散力が非常に強く僅かな断片からも再生し爆発的に繁殖するため稲作や在来生物への影響が懸念されています。本県ではまだ発生規模は大きくありませんが、適切な防除方法で処理し拡大を防いでいく必要があります。
 このように特定外来生物は在来生物との競合を制し、私たちが気づかぬうちに広く深く分布を拡大しています。対応が遅れたり防除方法を誤ると生態系が崩れるなど元の環境に戻せなくなる可能性があります。
 これまで県では特定外来生物を紹介するリーフレットの作成やホームページでの周知を行っていますが、常日頃から情報をブラッシュアップし人間の知恵と工夫により特定外来生物に後れを取ることなく対応する必要があります。また当然のことながら特定外来生物には市町などの境がないことから、県全体の被害を防ぐためには県内市町との連携や隣県との情報共有も不可欠であると考えます。
 そこで、特定外来生物の対策について今後どのように取り組んでいくのか、県の見解をお伺いいたします。
 次に、県の不登校対策について伺います。
 文部科学省児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では令和六年度の県内公立小中学校における不登校児童生徒数は一万一千九百四人という結果になっています。五年前の令和元年度は六千二百八十一人、十年前の平成二十六年度は四千五人であり、過去十年で不登校児童生徒の割合は約三・四倍に増加しています。また増加のペースは加速しており、平成二十六年度から令和元年度までの五年間で割合は約一・六六倍、令和元年度から令和六年度までの五年間では割合は約二・〇七倍と年を追うごとに増加の幅も大きくなっている状態です。
 増加要因としては新型コロナウイルスによる社会や学校生活の変化とともに無理に登校させないという考え方の広がりも影響していると推察されます。また一つの要因では説明できない可能性も高く、注意深く状況を見極めるとともにより効果的な対策を講じる必要があるものと考えます。
 また、心身の負担を軽減する観点から無理に登校させない方針は重要です。しかし段階的に気持ちが回復し登校につながるケースもあるため、単に無理に登校させない姿勢だけに偏ると気持ちの回復が見られる児童生徒数が増えず不登校児童生徒数だけが増加するといった懸念があります。方針そのものの是非にとどまらず回復を促す実効性のある支援と両立をさせることが求められます。
 県では不登校支援ポータルサイトやバーチャルスクールの運営、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、合同相談会の開催、居心地チェックリストの導入などの取組を推進しています。一方でこれら施策の効果検証を行い、その結果に基づく施策改善を速やかに進める必要があります。
 現状では県が作成した令和五年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査資料が示すとおり指導によって登校できるようになった児童生徒の割合は横ばいの状態が続いており、従来施策の効果には懸念が残ります。
 また、小学一年生の不登校児童数の増加は顕著であり、令和四年度の百八十八人から令和六年度の三百七十人へと直近二年間で倍増している状況です。このためいわゆる小一ギャップ解消に向けた幼保小の連携強化や就学前からの予防的な取組の充実が望まれます。そして不登校児童生徒が多くの時間を過ごす場は家庭などであるため、不登校対策を効果的に進めるには児童生徒が登校できない時間をフォローする体制の充実も必要であると考えます。
 そこで、無理に登校させないことに対する県教育委員会の見解と、これまで取り組んできた不登校児童生徒への施策の効果検証や改善策についてお伺いをいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 鈴木啓嗣議員にお答えをいたします。
 私が掲げる職員提案型の政策立案についてであります。
 時代の変化が早く社会課題が複雑化する中で地方自治体は役所の常識や前例踏襲に固執せず柔軟な発想で活動することが求められていることから、私は職員が従来の殻を破って新しい取組に積極的に挑戦してほしいと考え職員政策提案制度を初めて実施をいたしました。提案につきましては職員の柔軟な発想や知識、経験を生かし既存の枠組みにとらわれない自由な政策提案とするため事業分野や内容の程度、個人や部局横断チームなどの提案形態を問わず、現行組織でのしがらみを排除するため各職員から直接提案させることといたしました。
 結果全庁から百八人、二百十三件もの多数の提案が寄せられ、厳選された七組が私や副知事に直接プレゼンテーションを行いました。起業ピッチイベントさながらの職員の堂々とした説明に内心驚きを覚えるとともに、職員の隠れた才能や得意分野を発見し大変頼もしく感じました。
 提案の一つにありましたデジタルDIYラボはデジタルスキルの高い県職員チームが庁内の自動化余地がある定型業務を中心にアプリ等を内製開発するという提案であり、現行の専門部署が監修するDX推進の仕組みに横串を刺す取組でございました。AIやDXに関する提案はこのほかにも複数ありましたが、こうした様々な事業の受皿ともなるDX推進のスペシャリスト集団の組成は斬新な発案であり来年度の実現に向けて取り組んでまいります。
 また、大規模災害時の気球を使った通信インフラの確保、メタバースを活用したひきこもり居場所支援、県職員のNPO等の活動参画のためのマッチングシステムの開発など多くの分野でこれまでにない着想の事業が提案をされており、可能なものは全て来年度以降の政策に反映をしてまいります。
 さらに、提案のあったその他の事業の中にも手法の見直しで実現可能な施策もあることから担当部局に情報共有するとともに、今後の事業展開のためのアイデアとして検討を進めるよう指示したところでございます。
 職員提案型の政策立案制度は緒に就いたばかりでございますが、今後も工夫を重ねながら継続して実施することで職員の士気の向上と何にでも挑戦してみようという自由闊達な県庁の新しい組織風土の醸成につなげてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 齋藤危機管理部長。
○危機管理部長(齋藤耕司君) わたしの避難計画の作成促進についてお答えいたします。
 県ではわたしの避難計画を県民の皆様全てに作成していただくことを目標に、わたひな普及員の養成や作成講座の開催など市町や地域と連携して普及を進めてまいりました。
 一方、これまでの調査で把握した作成率は一六・七%であることから、新たな取組として協定を締結頂いた企業や大学生に御協力を頂きながら作成率の向上を図っているところであります。
 具体的には、損害保険会社や引っ越し運送を行う企業が各戸訪問する際にわたしの避難計画の啓発チラシ等を用いて作成を促していただいているほか、企業が運営する防災アプリにわたしの避難計画の作成機能を追加していただくことといたしました。また本年八月に県内三大学の五つの防災サークルを立ち上げた若者防災サロンのメンバーが大学祭にブースを設け学生やその家族に対して作成を促していただいたほか、イベントなどの場面で県と共に普及啓発に取り組んでいただいております。
 今後も県民意識調査を基に作成状況等を分析し普及に資する有効な政策を検討するとともに、様々な主体との連携の輪を広げていくことで着実にわたしの避難計画の作成を促進してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 浅井農林水産統括部長。
○農林水産統括部長(浅井弘喜君) 多面的機能支払交付金制度を活用した共同活動の拡大についてお答えいたします。
 全国的に集積が進んでいる田、普通畑に比して本県は茶園等の樹園地の割合が令和六年度現在で三七・四%と全国平均の六・四倍と極めて高いため本交付金の活用が進みづらい状況にありました。現在茶園等の農地集積を県全域で進めており、この取組を加速するためにも農業用水路等の施設を地域で管理する共同活動の重要性が一層高まっております。
 しかし、共同活動の拡大に当たり集落ごとの小規模な組織では人材不足や会計事務が困難との声が多く寄せられております。このため県の方針としましては活動組織の広域化等によって体制強化を図ることとし、土地改良区などの中間支援団体を核として事務作業の集約や資材の共同調達などを行う効率的な活動体制の構築を支援してまいります。
 具体的には、現在牧之原地域で約三百ヘクタールの茶園を対象に土地改良区を中心とした広域組織の設立を進めているほか三島市内ではNPO法人による事務作業の受託支援を始めており、今後県内各地へ展開してまいります。
 このほか、活動組織と企業、学生等の多様な主体とのマッチング支援や情報連絡会、研修を通じた普及啓発など課題解決に向けた伴走支援を充実させてまいります。
 次に、人工稚貝を用いた浜名湖のアサリ資源の回復についてであります。
 県ではアサリ資源の回復のため産卵適地の解明や増殖場の整備、食害対策などアサリの成長に沿った総合的な対策に取り組んできたところでありますが、現在は産卵する親貝が非常に少ない状態であることから民間企業の最先端の技術を活用し施設内で人工的に生産したアサリ稚貝を育成装置に入れ湖内で親貝まで育てて産卵させる手法を開発しております。
 昨年度は水温やプランクトンの発生状況など異なる環境の湖内四か所において人工稚貝を垂下する深さを三段階に分けて設置し最適な育成手法を検証した結果、春から夏にかけては湖南部で、冬には湖北部で良好な成長が認められ、垂下する深さについては浅いほうが深いほうよりも二倍以上成長がよいことが確認されました。
 この結果を受け今年度は稚貝育成装置の設置数を増やすとともに、季節によって最適な設置場所に移動させることで湖内の地域ごとの多様な環境を生かした効果的な育成手法を確立してまいります。
 県といたしましては、浜名湖のアサリ資源の回復に向け先端技術により生産した人工稚貝を用いた増殖を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 縣くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(縣 茂樹君) 特定外来生物対策についてお答えいたします。
 生態系や農林水産業等に深刻な影響を及ぼす特定外来生物への対策は喫緊の課題であり、境界を越えて拡散する特性を踏まえ科学的知見に基づく迅速かつ効果的な対策の実行が不可欠であると認識しております。
 このため特定外来生物の拡大防止を生物多様性地域戦略の行動方針の一つに位置づけ種に応じた適切な防除を促進しております。
 具体的には、ヌートリアは捕獲方法等の研修を開催しており、ナガエツルノゲイトウでは水田への侵入防止対策について農業部局と連携して市町や生産者等を対象に現場での取組を支援しております。
 今後は今年三月に国が外来種被害防止行動計画を改定したことを踏まえ県内で調査を行っている専門家や大学教授等への聞き取りにより県内及び隣県の分布状況や生態の最新情報を収集するとともに、生態系や農林水産業等への影響を踏まえ県の対策優先度を種ごとに設定し関係市町及び隣県と情報や対策を共有する連絡会を随時開催してまいります。
 県といたしましては、県民の皆様の安心・安全や生態系、農林水産業を守るため関係市町や隣県との連携を強め優先度の高い種に重点を置いて特定外来生物の早期発見、早期防除に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 不登校対策についてお答えいたします。
 児童生徒は安心できる居場所を得て活力を取り戻せばその場所の外に目が向いていきます。まずは心理的な安全性が担保された居場所で自己肯定感を育み、併せて再登校などより広い外の世界に気持ちをつなげていくための支援が重要であると考えます。
 県教育委員会ではこども若者施策推進本部会議に設置されたプロジェクトチームの下で他部局と連携して施策の検討を進め不登校児童生徒の状況に応じた多様な学びの場の確保等に取り組んでおります。
 議員御指摘の小一ギャップの解消に向けては今年度小学一年生への学習支援を行う小一スマイルサポーターを配置したところ、安心して学校生活を送ることができているなど配置の効果を実感する声を聞いております。
 また、健康福祉部と連携して幼児教育と小学校との接続を円滑に進めるためのカリキュラムの作成や普及にも努めております。さらに登校できない時間を支える取組として本格運用を開始したしずおかバーチャルスクールでは、本年度前半に参加頻度が高かったものの現在は利用していない三十七人を追跡調査した結果約六割が学校につながっていることが分かりました。引き続き参加する児童生徒の目が自然に外へ向いていくよう後押ししてまいります。
 このほか学級に入りづらい児童生徒を支援する校内教育支援センターの設置促進に向け国庫補助を活用して市町への助成を開始しました。設置自治体からは不登校児童生徒の増加率が抑制されるなど設置の効果を聞いており、国に対して支援の拡大を要望しております。
 こうした取組の一方で不登校児童生徒数は過去最多を更新しており、取組のさらなる推進は急務であります。
 県教育委員会では、学びの多様化学校の設置拡大に向けた市町への伴走支援を行うなどさらなる多様な学びの場、居場所の確保を図り、児童生徒の学びの保障と社会的自立に向けた歩みを支えてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 鈴木啓嗣議員。
       (四十八番 鈴木啓嗣君登壇)
○四十八番(鈴木啓嗣君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を二点申し上げます。
 まず初めに、わたしの避難計画の作成促進について要望を申し上げます。
 御答弁にもありましたようにこれまで様々な方面へこの作成促進の取組を広げていただいているということでしたが、やはり県民への浸透、これは先ほどありました一六・七%、まだまだ道半ばだという感じだと思っております。県が様々なこの災害対策、進める上でやはりその基礎となってくるのは県民一人一人の早期避難意識これであると思います。ですので今後もやはり県内幅広くこの作成促進に取り組んでいただきたいと思います。
 また、この普及啓発を続けることによりまして既に作成した方々の目に触れる、こういった機会も多くなるかと思います。それがまたこの早期避難意識を維持することにもつながっていくかと思いますので、ぜひこのわたしの避難計画作成促進に向け着実な取組の継続を要望させていただきます。
 もう一点が、県の不登校対策について要望を申し上げます。
 無理に登校させない、こういう考え方ができてきたように、やはり多様化、複雑化するこの社会情勢の中ではこの不登校対策に対する考え方ですとかその方向性、これも状況に応じて変化すべき部分はあるかと思います。しかしながらやはり対策の根幹としては不登校児童生徒、これを減らしていくというのが重要な目標であると私は思っております。この無理に登校させない姿勢こういった姿勢と一方で回復を促すこの実効性のある支援、このバランスをしっかりと取りつつ早期支援、未然防止、多様な学びの場の確保そして官民連携、こういったことなども含めまして不登校児童生徒数減少に向け今後さらなる施策の充実を要望いたしまして私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで鈴木啓嗣議員の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月九日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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