本会議会議録


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令和7年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中谷 多加二 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2025

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 林業施策の推進について
2 局所的な豪雨に対する治水対策の在り方について
3 中山間地域の生活を支える取組について
 (1)地域伝統芸能の継承
 (2)小規模校や分校における教育の機会と質の担保
 (3)介護サービスの在り方


○副議長(中田次城君) 次に、六十二番 中谷多加二議員。
       (六十二番 中谷多加二君登壇 拍手)
○六十二番(中谷多加二君) 私は知事、副知事、教育長、教育部長、関係部局長に一括質問方式で伺います。
 初めに、林業施策の推進について伺います。
 森林との共生による持続可能な社会の実現を目的とした静岡県森林と県民の共生に関する条例は今年度で施行から二十年目を迎えました。県はこの条例に基づき環境、経済、社会の調和を図りつつ森林の有する多面的な機能を持続的に発揮させるため、静岡県森林共生基本計画を策定し各種施策を通じて林業、木材産業の振興に取り組んできました。その中でも県と業界が一体となって丸太の増産と県産材の需要拡大に取り組むプロジェクトを展開した結果、合板工場の株式会社ノダの進出に伴う安定的な需要の確保などにより木材生産量は大幅に増加しました。
 一方、時代の移り変わりとともに森林に期待する働きは水源の涵養や山地災害の防止、木材の生産に加え地球温暖化の防止や生物多様性の保全など多様化しております。また社会全体を見渡せば人口減少と少子高齢化の進行や働き方改革による労働環境の変化、デジタル化の進展などその情勢も大きく変化をしております。実際に県内の森林組合などではICT技術の導入により生産性が向上しつつある一方で、伐採や植栽作業の主力となる職員の離職が相次ぐなど人材の確保や育成に苦慮しております。
 さらに、民間のシンクタンクの調査報告によると木材需要の大きな割合を占める住宅は十五年後に新設着工戸数が約二五%減少するとの推計もあり、林業・木材産業に大きな影響を与えることが懸念されております。
 国は本年九月に森の国・木の街づくりというコンセプトを打ち出し、町の木造化を進めることで森林資源を循環利用する新たな取組を始めています。私は森林の有する多面的な機能を社会全体が享受するためには持続可能な林業経営が重要であると考えていますが、県は近年の林業を取り巻く状況を踏まえどのように施策を推進していくのか、所見を伺います。
 次に、局所的な豪雨に対する治水対策の在り方についてであります。
 今年の夏も各地で豪雨などによる災害が頻発しました。天竜区船明においては八月十六日に一時間で百十二ミリメートルという猛烈な雨が降り床上浸水七件、床下浸水約五十件という狭い区域で大きな被害が生じています。
 この船明という地区は以前は田んぼや畑でありましたが、区画整理事業を行い住宅地の整備を進めてきました。このようにもともと平地でもあり高低差がないことから以前から大雨が降ると浸水被害が出てはいましたが、今回のような大きな被害はなかったことです。
 この地域の排水機能を維持するための役割は浜松市が管理する大堀川でありますが、地元の方々によると大堀川の排水機能は維持されていたと言いますが、大堀川に至るまでの水路の排水が追いつかず浸水区域が広がっていったとのことです。
 気象状況の変化により雨の降り方が大きく変わってきていることは多くの方が指摘していることであり、短時間にしかも集中的に降る大雨の回数は確実に増加していると思います。
 本県においては大規模河川の決壊というような洪水被害は今のところありませんが、やはり頻発する中小河川やそこにつながる排水路の能力を上回る豪雨による浸水被害は毎年のように起きていることから対策を講じていく必要があります。
 県は治水対策の手法として流域治水の考え方の下、それぞれの河川流域で流域治水プロジェクトを作成していることは承知していますが、その一方で現実には毎年災害が発生することを踏まえると流域治水プロジェクトの内容を今起きている雨の降り方に合ったものに見直す必要があるのではないかと考えます。
 浜松市においては十一月補正予算にこの船明地区の治水対策を行う予算を計上したとの報道もあります。縦横無尽に走っている排水路の一つ一つの機能を上げていくことも必要でありますが、一方で降った雨がすぐにあふれ出さないようにためておく機能を高められないかと思うのですがどうでしょうか。
 今の流域治水プロジェクトの中にも当然調整池や貯留施設で降った雨をためてあふれ出すスピードを抑制する取組は盛り込まれています。例えば市町や住宅メーカーなどと協働して各家庭に雨の貯留施設を設けることを促進するとか、最近は田んぼダムというのが注目されているようで田んぼや休耕田を貯留施設に活用することもあると思います。これらはあくまで私が思いついたものでありますが、少し斬新な取組を早急に進めていかないと毎年のようにひどくなってきている豪雨に対して県民の命と財産を守ることはできないと考えます。
 そこで、流域治水の考え方を踏まえ頻発する局所的な豪雨に対する治水対策の在り方について県はどのように考えているのか伺います。
 ここからは私のライフワークである中山間地域の課題を幾つか挙げて県の取組を聞いていきたいと思います。
 まずは、地域伝統芸能の継承についてであります。
 天竜区には様々な伝統芸能があります。少し御紹介するとまずは水窪町西浦の西浦田楽です。国指定の重要無形民俗文化財であり、千三百年以上の歴史を持つ田楽であり、夜を徹して行われる舞は幻想的な世界に人々をいざないます。一方で煙と寒さとの戦いも忘れてはなりません。
 そのほかにも、国指定重要無形民俗文化財で数百年前から地域に伝わる五穀豊穣、無病息災を祈る舞が行われる懐山のおくないや県指定無形民俗文化財であり神前での湯立神楽、佐久間の川合花の舞などもあります。
 このように地域に住む人々により大事に引き継がれてきた伝統芸能でありますが、また一つ寂しい話がもたらされました。それは佐久間町にある浦川小学校の閉校に合わせ地元で引き継がれてきた浦川歌舞伎が幕を下ろしたということです。
 浦川歌舞伎は、幕末安政年間に江戸の歌舞伎役者尾上栄三郎が長野県の飯田に巡業で滞在している折に病となり、蘭学を学んだ名医が浦川にいたことからこの地で治療を受けていました。しかし病が進行していることを知り、世話になった村人へのお礼として病身のまま舞台に立ちその途中で絶命してしまいました。
 その後浦川では栄三郎の歌舞伎に魅了された人々による素人歌舞伎が催されるようになりましたが、高度成長期の頃から下火となり一時行われなくなりました。しかし尾上栄三郎没後百三十年に当たる平成元年に復活の機運が高まり、保存会の結成などにより再び歌舞伎が演じられることとなったのです。
 それから三十年以上たちましたが、担い手も数少なくなることや公演する舞台に使用する浦川小学校が佐久間小学校に統合され廃校となることを契機として幕を閉じることとなったのです。
 私はこの話を聞いたときに大変残念に思いました。かつては幾度となく会場に足を運び、小学生演じる白波五人男で幕を開けるこの歌舞伎を多くの観客と共に楽しんだものです。なお歌舞伎には日本酒が合うということも申し添えておきます。
 また、歌舞伎を演じるためには稽古が必要であり、その稽古の場において地域の皆さんが一つにつながっていました。役者の素顔を知る私が思わずその変身ぶりや演技力には驚かされたものです。
 伝統芸能は真に地域の財産であり、それを失いこの先浦川の人たちはどうしていくのだろうと案じています。
 そして、この質問を推敲していたさなかに春野町の勝坂神楽が地元保存会の会員の高齢化により今年の奉納をもって四百年の歴史に幕を閉じるというニュースが入ってきました。このような状況は天竜区に限ったことではないと思います。
 伝統芸能を引き継いでいくためにはまずは後継者を育てていかなければ途切れてしまいます。しかし地域とつくだけに非常に狭い地域で特定の人々に伝承されてきたのが現状です。
 西浦田楽では能衆の役は代々世襲制で紡がれてきました。しかし少子化、過疎化が進む中では広く伝承していく方法も考えていかなければなりません。
 よい例があります。最初のところで紹介した神沢おくないは昭和三十年代に途絶えていましたが、平成二十一年に浜松市清竜中学校の生徒たちにより復活しました。これを受けて浜松市では民俗芸能の保護団体から学校へ指導者を派遣する取組が行われていました。そう、知事が市長時代の取組です。
 令和四年度のはままつ未来議会で次世代へ伝統芸能などをつないでいくためにはどうしたらいいのかという質問がされた際、当時の鈴木市長は答弁でさきの取組を紹介しつつ、今後は浜松市だけでなく民俗芸能の宝庫である三遠南信地域の広域連携により保護、承継に向けた取組を進め課題解決に努めていくと発言しています。
 お忘れなら思い出していただき、中山間地域における地域の伝統芸能の承継に向けた知事の所見を伺います。
 次に、小規模校や分校における教育の機会と質の担保についてであります。
 さて、少子化はとどまることを知らず県内の出生数もついに三万人を切る状況となりました。県立高校の在り方は今教育委員会において地域ごとに協議会を設置し統廃合を含めた議論が進められています。
 今日は、私は中山間地域にある小規模校や分校について教育委員会の考えを伺いたいと思っております。
 公立高校の教員の配置数は、いわゆる高校標準法と呼ばれる法律により収容定員や学科に応じて教職員定数の総数が定められ、それを基準にして各校の職員数が決定されています。例えば浜松湖北高等学校佐久間分校は学年一学級規模であり、現在は十人の先生が配置されています。
 御存じのとおり高校の先生は教科担任制であり、先生の数が多いほど様々な科目を教える幅が広がります。単に地歴公民といっても日本史、世界史、地理、公共、政治経済など大学進学や就職のために多様な内容を学んでおくことは高校生にとって大変重要なことです。また適正規模と言われる一学年六学級規模以上となれば進学や就職のためにどのような形で学んでいけばよいかの類型が選択できる仕組みがありますが、小規模校や分校ではそれはとても無理な状況になっています。
 小規模校や分校の課題というとまずは生徒数の確保になりがちです。例えば佐久間分校では浜松市との連携を強化しつつ全国募集に向けた取組が進められています。しかし最も重要なことは入学した生徒に他の学校と同様のレベルの教育の機会と質を担保していくことではないかと私は思います。
 これまでも教育委員会はICTを活用した遠隔教育に取り組み徐々に単位の認定の幅も広がっていますが、例えば総合教育センターに遠隔教育のために配置する教員を大胆に増やし本校と同様並みの科目を教えられる体制づくりをしていったらどうですか。
 先日地域協議会のグランドデザインの具現化として賀茂地域の県立高校三校を一校に統合し、遠隔教育も活用したキャンパス制を導入するとの発表もありました。小規模校ばかりでなく適正規模以下の学校は同様の悩みを抱えているのであり、統廃合が進むまでの間子供たちの教育の機会と質を確保していくためにも遠隔教育の活用はもっと進めるべきと考えます。
 そこで、中山間地域にある小規模校や分校における教育の機会と質の担保をどのように確保していくつもりなのか、教育長の考えを伺います。
 最後に、介護サービスの在り方について伺います。
 高齢者人口は増加の一途であり、二〇四〇年頃に最初のピークを迎え一旦収まり再び二〇五〇年頃に第二のピークを迎えると人口推計されています。とはいえこの話は全国で見ればというものであり、地域で細かく見ていくとまた違う実態が分かります。例えば賀茂一市五町で見れば既に高齢者人口のピークは越えて減少に転じており、中山間地域と都市部では異なることがよく分かります。
 平成十二年に導入された介護保険制度は、導入から二十五年以上高齢者人口の増加に合わせ需要はどんどん伸びていく中で参入する事業者も同様に増えていくという状況でここまで来ました。しかし今様相が変わりつつあることを皆さんは知っていますか。
 一つは特別養護老人ホームの待機者は依然いる一方で入所定員を割っている施設が出始めています。二つ目は在宅サービスにおいても一時の過当競争から生き残りをかけた競争に変わり始めています。そして今喫緊の課題は中山間地域における高齢者の減少に伴う在宅サービス事業者の撤退という問題です。この動きに拍車をかけたのが昨年行われた介護報酬の改定に一つの要因があると言われています。
 中山間地域では集落が点在していることや隣の集落は直線では近いが行くためには相当な回り道が必要など都市部とは比較にならないコストがかかるのですが、このような状況を理解されていないのか訪問介護等のサービスの報酬が引下げ改定となったのです。中山間地域では高齢化率は上がるが高齢者そのものは減少していることから、サービスの必要な人はいるが営業の観点では需要が足りないというアンバランスに陥っているのです。
 国においても次期の報酬改定に向けた議論に合わせて中山間地域と都市部における介護サービスの在り方の検討を開始したと聞いています。その方向性は地域の実態に合わせたサービス提供体制を整えていく方向で議論されているようですが、どちらかというと人材不足に基づく施設サービスの在り方の議論が中心で在宅サービスの議論が不足しているように見えます。
 県においても令和九年度からの次期介護保険事業支援計画の策定に向けた検討を始めたと聞きました。先頃行われた専門家による社会福祉審議会老人福祉専門分科会等において国の検討状況について説明し意見を交わしたとのことです。その場では一体どのような意見が出て議論が交わされたのでしょうか。
 介護保険制度は高齢者本人の保険料と四十歳以上の働き手の保険料で運営されているものであり、どんな地域に住んでいても保険料を払っている以上一定程度の同一水準のサービスを受けられるようにすべきです。
 介護保険制度そのものの制度スキームは国が定めるものであり県としてはいかんともし難いと思いますが、有識者の意見などを踏まえつつ明日は我が身と捉え、県として中山間地における今後の介護サービスの在り方をどのように考えているのか所見を伺い質問を終わります。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 中谷議員にお答えをいたします。
 林業施策の推進についてであります。
 森林は水源の涵養や山地災害防止などの公益的な機能を有し、この恩恵を将来にわたって県民の皆様が享受するためには本県森林の約六割を占める人工林を管理する林業の持続性の確保が重要であります。このためには木材生産などによる収益が林業経営に適切に還元され森林所有者や森林組合をはじめとする経営体が森林を継続的に管理できる環境整備が不可欠であります。
 しかしながら、議員御指摘のとおり人材不足や木材需要減退の懸念などから不安を抱えながら林業経営に取り組まれている実態があり、県がこれからの林業の方向性を示す必要があると考えております。
 そこで、次期総合計画では持続可能な林業の推進を施策の柱に据え林業イノベーションを推進するとともに、経営体の強化や人材の育成と県産材の需要拡大に取り組むこととしております。
 林業イノベーションの推進につきましてはこれまでも県森林組合連合会を中心としたコンソーシアムと連携して進めてまいりましたが、生産性や収益性の一層の向上を図るためデジタル森林情報を活用した集積・集約化や自動走行機械など先端技術の導入、従来の半分の期間で収穫可能な早生樹の経営モデルの構築などに新たに取り組んでまいります。
 また、経営体の強化や人材の育成につきましてはマネジメント能力向上を通じた収益力の高い経営体への転換と高度な先端技術を扱う技術者の養成を進めてまいります。
 さらに、需要拡大につきましては住宅分野に加え新たな需要が見込まれる非住宅建築分野における県産材利用を拡大いたします。
 議員から御紹介のありました森の国・木の街づくりに県も十月に宣言したことを契機とし、環境意識の高い企業に対し社会的評価の向上が見込める県産認証材の利用を働きかけるとともに、非住宅建築に必要なJAS製品の供給力強化や建築士による木造化提案の仕組みづくりを進め県全体に県産材利用を拡大してまいります。
 県といたしましては、森林組合をはじめ関係者の皆様と連携し需要拡大と収益性向上を通じもうかる林業への転換を図り持続可能な林業経営の実現を目指してまいります。
 次に、中山間地域の生活を支える取組についてのうち、地域伝統芸能の継承についてであります。
 民俗芸能は本県各地の豊かな自然と歴史を背景に代々その土地の人々によって長く守り受け継がれてきた貴重な文化財であり、これを確実に後世に継承していくためには次代を担う子供たちの理解と参画を促し持続的な活動につなげていくことが重要であります。
 県内の国・県指定の民俗芸能六十三団体を対象に県が実施した調査では、約半数の二十九団体が小中学校、高校と連携した児童生徒向けの演目の鑑賞、演舞の実演体験などを実施しており、この体験をきっかけに民俗芸能に興味を示し練習に参加する子が現れるなど担い手も育ちつつあることが確認をされております。
 私は浜松市長時代に民俗芸能の保存継承の取組を応援しておりました。浜松市では市内二十四の保存会による連絡会が組織され次代継承に向けた子供向け講座の実施やこれらの活動を報告する会報誌を発行しております。また静岡文化芸術大学と連携をして大学でのお面や衣装の展示会も実施されており、これら長年の活動成果が評価され昨年度知事褒章をお渡ししたところでございます。
 こうした取組が全県に展開できるよう県内の保存会で組織するネットワーク会議において、県では次世代継承への課題解決に向けた情報共有や相互アドバイスの機会を提供しております。また地域外における担い手を発掘する努力も必要と考えております。
 今後開催する会議では中山間地域のまちづくりに取り組む大学生にも参加頂き、神楽の舞台裏を見学するツアーの開催など若者が実践する都市部との交流活動の事例を発表していただきます。加えて教育委員会とも連携し、学校を通じて子供たちに民俗芸能の価値や魅力を伝え将来の担い手となっていただけるよう働きかけてまいります。
 さらに、多くの県民に民俗芸能の魅力を知っていただき保存会の皆様の継承意欲の向上につなげるため毎年民俗芸能フェスティバルを開催しております。今年は国指定無形民俗文化財であります川名のひよんどりをはじめ県西部にある五つの民俗芸能が演目を披露し、県民が現地に足を運ぶきっかけとなったと感じております。
 県といたしましては、本県の歴史文化を物語る中山間地域の多彩な民俗芸能が多くの皆様の御理解の下、絶えることなく着実に次世代に継承されるよう引き続き支援をしてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 局所的な豪雨に対する治水対策の在り方についてお答えいたします。
 これまでの治水対策は過去の降雨実績等を踏まえた河川整備計画に基づき中長期的な河川改修等を進めてまいりました。しかしながら近年各地で浸水被害が頻発する中、長い期間を要する河川改修のみならずあらゆる関係者が連携し河川以外の多様な対策も行う流域治水を推進しているところであります。
 気候変動の影響による水害リスクが顕著となる中、国においては令和五年度から増大する降雨量への対応やDXの積極的な活用等を新たに位置づけた流域治水プロジェクト二・〇への転換を図り流域治水の取組を加速化、深化させることとしております。
 こうした動きに合わせ、今後県ではデジタル技術を積極的に活用し三次元点群データを用いたシミュレーション等により局所的な豪雨に対する的確な整備手法を検討するほか、期待される整備効果を地域の皆様へ分かりやすく御説明してまいります。これによりあらゆる関係者と共に水田や既存施設を活用した貯留機能の確保など地域の特性に応じた対策を加速化するとともに、河川整備を一層推進してまいります。
 県といたしましては、局所的な豪雨から県民の皆様の生命と財産を守るため関係者と連携し総合的な治水対策に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 中山間地域の生活を支える取組についてのうち、小規模校や分校における教育の機会と質の担保についてお答えいたします。
 県立高校の小規模化によって教員配置数や選択科目、部活動数等の確保の困難、生徒が切磋琢磨できる機会の減少など様々な課題が生じております。このため各地域で開催している地域協議会では適正な学級規模の確保に向け学校再編も含めた県立高校の在り方に関する議論を進めております。
 一方、再編の過程において小規模校や分校を配置する場合にはそこで学ぶ生徒の学びの質を担保する必要があります。そのためには学校間の連携や議員御指摘のICTを活用した遠隔授業が有効と考えます。
 遠隔授業については今年度から県総合教育センターを起点としたセンター配信型授業を開始し、物理の授業を松崎高校、土肥分校、佐久間分校の三校に配信しております。受信校からはこれまで物理の教員がおらず物理を開講できなかったが、遠隔で受講できたことで大学進学を目指すようになった生徒もいるとの声が届いております。
 今後はセンター配信型遠隔授業を拡充するため国に教員加配措置を求めていくとともに、センターと複数校をオンラインでつないだ同時配信を実施し他校生徒と交流しながら学びを深めるなどの新たな生徒同士の学び合いの機会も創出してまいります。
 県教育委員会といたしましては、小規模校、分校の当面の学習機会の保障に努めるとともに、地元自治体と連携した通学手段の確保や寄宿舎の設置など今後のさらなる人口減少を見据えた対応についても検討してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 青山健康福祉部長。
○健康福祉部長(青山秀徳君) 中山間地域の生活を支える取組についてのうち、介護サービスの在り方についてお答えいたします。
 人口減少や高齢化の進行がより顕著である天竜区をはじめとする中山間地域では、地理的条件から生じる移動距離の問題、訪問介護事業所の経営や人材の安定的な確保が困難であることなど都市部とは異なる性質の課題を有しています。
 今年度の社会福祉審議会等では、訪問介護サービスの必要性が非常に高いがその一方で訪問介護事業所が少ない、またはあっても経営が厳しい状況にあるといった私どもの認識と同様の御意見がありました。これらを踏まえると現在国が議論しているとおり人員基準などの要件緩和、報酬加算の対象地域拡充、訪問系サービスにおける月単位の定額報酬の導入など中山間地域において介護サービスを弾力的に運用できるよう介護保険制度の見直しが必要であると考えております。
 このため県といたしましても、令和九年度から始まる次期長寿社会保健福祉計画の策定に当たって国が行っている検討状況を注視しつつ中山間地域を抱える市町と課題認識を共有するとともに、市町が必要と認める場合に適用できる要件緩和策の活用など市町と知恵を絞り中山間地域の皆様に安心していただける持続的な介護サービスの提供体制を検討してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) これで中谷多加二君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で質疑及び一般質問を終わります。

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