本会議会議録
質問文書
令和7年12月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 伊藤 謙一 議員 | |
質問分類 | 一般質問 | |
質問日: | 12/05/2025 | |
会派名: | 自民改革会議 | |
質疑・質問事項: | 1 スタートアップ施策について 2 歳入確保のためのふるさと納税の取組強化について 3 都市計画道路森町袋井インター通り線の整備について 4 障がい者歯科医療について 5 人口減少社会における自治会を支える取組について 6 多様なニーズに応える県立高校における部活動のリデザインについて 7 車両盗難への取組について |
○副議長(中田次城君) 次に、九番 伊藤謙一議員。
(九番 伊藤謙一君登壇 拍手)
○九番(伊藤謙一君) 私は、自民改革会議所属の議員として通告に従い一括方式にて知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長、警察本部長に質問をさせていただきます。
まず初めに、本県の行うスタートアップ施策についてお伺いをいたします。
静岡県の令和七年度の当初予算においてスタートアップ支援事業費は六億八千万円が計上され、これは前年度比約二・七五倍という大幅な増額がなされ、まさに鈴木県政における知事肝煎り事業となっています。本年二月には本県独自の静岡県スタートアップ支援戦略二〇二五の策定や県が認定するベンチャーキャピタルから投資を受けた場合に最大で四千万円を県が交付するファンドサポート事業の創設、そして静岡県庁が抱える行政課題の解決に取り組むスタートアップ企業による実証実験計画策定に対して支援する静岡県スタートアップ公共調達モデル創出事業等を行っており、その支援メニューは他の都道府県にはない独自の試みもあることからまさに前知事の時代から様相を変えたプロジェクトであると認識をしています。
他方、本県以外の都道府県に目を向けてみますと二〇二四年 令和六年の数字にはなりますが、東洋経済が取りまとめたスタートアップ支援が手厚い都道府県ランキングにおいて本県は二億四千五百万円で全体で九位、一位の東京都は約二百三十二億円、二位の愛知県は百二十八億円、三位が大阪府で十五億円、四位が山梨県の十三億円、五位が沖縄県の六億四千万円と本年度静岡県が計上した六億八千万円を単純に当てはめると令和七年のスタートアップ関連予算は全国五番以内には入るものの、四番手の山梨県と比べても金額ベースでは大きな差があるという現状です。
しかしながら、その内訳を見てみると上位の都道府県はスタートアップの拠点である箱物整備に対して巨額の財政支援をしている傾向が見てとれ、本県の支援内容はスタートアップ企業に対する直接的な補助や自治体が直面する行政課題、ひいては県民の利便性を改善するための補助メニューも盛り込まれており、十分な差別化が図られていることは知事の最少の経費で最大の効果を求めていくという言葉どおりの施策内容だと感じています。引き続き県には本施策を通じて県外スタートアップを呼び込むこと、また県外から投資を呼び込むことに注力をしていただきたいと思います。
ただ、本県の行うスタートアップ支援事業に対する私の認識はここまで述べたとおりですが、この質問で私が伺いたいのは本当にこのスタートアップ支援事業は静岡県の、そして静岡県民のためになるかということです。多くの場合、民間企業に自治体が税金を補助金として拠出する場合その目的として税収の向上や地域経済への波及効果が挙げられます。企業が立地することにより法人県民税が、企業の所有する土地や建物に係る固定資産税が入ることにより税の目的の一つである富の再分配がされ自治体が行う社会保障を含む政策に使用されていきます。
先日、静岡県は平木副知事が県財政の危機感を会見を開き口にしました。資金手当債の縮減や次年度事業予算に対する五・五%のシーリングなど具体的な取組が当局から議会にて提案される一方で、他県に比べると法人税の税収の伸びが弱いという静岡県が直面する歳入上の課題、午前中には税源涵養という言葉がありましたが、今日まで対応を含めあまり触れられておりません。
本スタートアップ支援事業に話を戻すと、先ほど触れた静岡県スタートアップ支援戦略二〇二五の中では四年間の目標指標として県内スタートアップ数やスタートアップの資金調達額、そして評価額百億円以上のスタートアップ数等は目標設定がなされていますが、県の投資額に対してどれくらいの将来的な税収見込みがあるのか、または県内経済に対してどれくらいの経済波及効果が期待できるのか不明確であると感じています。これでは県民からお預かりした大切な税金を使って仮に県が設定した目標を達成し多くのスタートアップ企業がタケノコ状に生まれても、何が県民にとって成果物になるのか伝わりません。
そこで、本県財政状況を踏まえ県民の税金を一円たりとも無駄にせず最大の効果を出すためには本スタートアップ支援事業に関して税収や経済波及効果など地域経済への影響について事業効果の検証を行い、その結果を踏まえ施策の見直しや支援手法の転換、中長期的な目標設定などを検討すべきだと感じますが、本県の考えをお伺いします。
次に、歳入確保のためのふるさと納税の取組強化について伺います。
この質問に関しても先ほどの質問と同様歳入確保の視点から質問させていただきます。
国内のふるさと納税の市場規模は平成二十年五月の制度施行以来右肩上がりで拡大しており、総務省が公表した令和六年度のふるさと納税受入額は前年度比一三・九%増の一兆二千七百二十七億五千万円と過去最大となりました。一方で本県においてふるさと納税による寄附受入額に対して本県居住者が他自治体に対するふるさと納税の利用で発生する個人県民税の控除額、いわゆる他自治体への税金の流出が大幅に上回っており、令和六年度は単年で五十億円以上のマイナスとなっているのが現状です。付け加えるのならば制度開始以降毎年大幅な赤字を垂れ流しており、平成二十年以降およそ十七年にわたり県民の大切な税金が失われていると言えます。
このふるさと納税に対する赤字に対して実際には地方交付税により静岡県には控除額のおよそ七五%が補填されますが、それでもふるさと納税の制度創設以降静岡県のふるさと納税は約二百九十億円のマイナス、交付税を加味しても約六十八億円がマイナスとして多額の税金が失われているというのが事実です。
これは個人的な意見ですが、県が来年度の予算約六百四十億円が足らないという報道を受けた後、知事をはじめとする幹部職員の給与削減によって一年余りで約五千万円の財政見直しを訴える一方で、この巨額の赤字を垂れ流すというふるさと納税に関して収支均衡に向けた高い目標設定や取組がいまだないことに強い違和感を感じており、今回の給与削減により一般職の課長級以上の職員たちの生活や仕事に対するモチベーションの低下を考慮すると職員の給与を削って五千万円を捻出するのであればこの五十億のマイナスをどうやって減らすことができるのか議論すべきだと感じています。
全国的に見ても四十七都道府県のうち山形県や新潟県、佐賀県のようにふるさと納税の収支上プラスの県も存在しており、本県も収支改善及び均衡に向け取り組む組織体制や返礼品の充実強化、掲載サイト数の拡大、そして寄附受入額に対する目標の設定等を早期に行っていくべきだと感じています。また本県ではふるさと納税による寄附を募る際、県内市町との競合を避けるため返礼品選定に一定の条件を設ける自主規制を行っていますが、果たして現在全国約千八百自治体の中で競合しているふるさと納税市場においてこの県の自主規制に意味があるのか、具体的な理由や効果もよく分からず、ともすれば県が汗をかくことを拒否するための理由にも感じています。
収支均衡に向け赤字額を圧縮し、県財政に寄与するためふるさと納税の一層の取組が必要だと考えますが、県は具体的な目標を定めまたどのように取り組んでいくのか、さらに県内市町とこのふるさと納税に関してお互いに競合を避けるだけではなく時には切磋琢磨し合い成功事例の共有等を行えばむしろ県内市町を含めた県全体の同施策の活性化につながることもできると考えますが、県の考えを伺います。
また、企業から寄附を募る企業版ふるさと納税に関しても県財政にとって自主努力でその収支を向上できる制度だと感じています。令和二年度に地方に流れる資金の流れを飛躍的に高めるため同制度が大幅に見直され企業が同制度を利用すると最大で寄附額の約九割の法人関係税が軽減され、法人にとってはメリットの高い制度となっています。全国の総寄附額が平成二十八年度の七億四千万円から令和五年度には約四百七十億円まで増加している同制度に関してもふるさと納税制度と同様に県として静岡県の財源確保のため早期に高い目標設定をしていくべきだと感じています。
今後、企業版ふるさと納税の取組に関してもどのように推進していくのかお伺いをいたします。
次に、都市計画道路森町袋井インター通り線の整備について伺います。
私の住む袋井市、そして活動する森町の両市町において長年の課題であるのが森町袋井インター通り線の整備です。森町袋井インター通り線は新東名森掛川インターチェンジと東名袋井インターチェンジ、そして国道一号を結び袋井市道に接続して沿岸部の国道百五十号に至る中遠地域の南北軸となる道路です。地元では将来的な産業の活性化、防災機能の強化、観光交流の振興に寄与する重要な路線として位置づけがなされています。
一方、静岡県は企業誘致施策として令和七年度から十六年度までの十年間で五百ヘクタールの産業団地を今後整備していく目標を挙げています。本道路周辺は平たんでまとまった土地を確保することができる可能性を有し新東名や東名へアクセスもしやすいことから企業誘致に適した地域だと個人的には考えています。
このようなことから私は、森町袋井インター通り線が新東名や東名などの東西交通ネットワークと連携して本地域のポテンシャルを最大限に引き出すことにより静岡県にとっても重要な路線であると確信しています。
しかしながら、現在の整備状況は未開通の区間が二つあり、そのうちの一つである森町円田地区については県が県道バイパス一・二キロ区間の整備を進めています。
また、もう一つの森町中川から袋井市深見の二・三キロ区間については、令和四年十一月に県が中央の太田川を渡河する橋梁を含む〇・九キロ、森町が北側〇・五キロ、袋井市が南側〇・九キロをそれぞれ整備していくことについて覚書が取り交わされたと承知しています。これら二つの区間の整備は地域にとって大きな関心事であり、完成に向けた一層の推進が望まれています。県が整備する〇・九キロ区間にある橋梁は規模の大きい工事になることが予想されますが、県には今後着実に進めていただきたいと思います。
そこで、森町袋井インター通り線の整備について現在の進捗状況と今後の取組について伺います。
次に、障害者歯科医療について伺います。
令和六年三月二十八日、厚生労働省医政局長の名義で全国の都道府県及び保健所を設置する市に対して地方公共団体における歯科保健医療業務指針についてという書面が通知されました。平成九年から実に約三十年ぶりの本指針の改定ですが、その間歯科口腔保健法や歯科口腔保健の推進に関する基本的事項が定められ地方公共団体における歯科保健医療業務の取扱いは大きく変化をしてきています。
特にこの業務指針の中で少子高齢化等による人口構成の変化への対応や医療と介護との連携の重要性と共に書かれているのは障害者への対応です。指針の中の文言を読み上げますと都道府県は一般に歯科治療が困難な障害者に対する歯科医療の提供体制の確保を図るため全身管理等にも対応可能な地域の拠点となる歯科医療機関の設置・運営等に取り組むこと、また地域の実情に応じて身近な地域において可能な範囲の歯科診療や定期管理等に対応できるよう歯科医療関係者の育成や対応可能な歯科医療機関の提供等を含めた障害者歯科医療の提供体制の構築に取り組むこととしています。
そういった背景の中、今年九月二十三日の読売新聞の記事にて掛川市や袋井市など中東遠六市町の歯科医が十二年にわたり取り組んできた障害者歯科診療が存続の岐路に立っているという記事がありました。同地の障害者歯科診療は地元歯科医約十人が中東遠障がい者歯科医療研究会を発足し平成二十五年から中東遠総合医療センターの協力を得て会員が研修を受ける形で行われてきました。当初は三か年の静岡県の補助事業としてスタートした本事業ですが補助期限が切れると管内六市町が県の補助額とほぼ同等の金額を負担し同体制を維持してきましたが、実際には常時五人から六人の歯科医師の人手が必要で暴れる患者を押さえ込みながら診療するケースもあり、研修名目のため指導医には報酬が払われるが診療医には報酬もなく負担の大きさから担い手が減少しており、患者の需要は確実にあるものの存続の岐路に立っていると報道がされていました。
各市町の担当者からは自己研さんの枠組みで報酬分が出せず新しい枠組みが必要であるという意見も出ており、先述の厚労省の通知を鑑み静岡県にはこの中東遠に関して引き続き障害者歯科診療体制の存続に対して支援をお願いするとともに、新しい枠組みに対しての議論も西部健康福祉センターを中心にぜひ前に進めていただきたいと感じています。
また、個人的にこの障害者歯科診療の県内実態を推察するに県全体の中で空白区になっている地域がないか懸念があります。中東遠地域の障害者歯科研修の存続を含め厚労省通知を基とする障害者歯科医療のデザインについて、県の考えを御答弁ください。
次に、人口減少社会における自治会を支える取組について伺います。
自治会とは地域の自治組織であり、あくまでも自立的な運営を前提としているのは承知していますが、昨今の自治会の中で担い手不足の課題や人口減少と高齢化社会を迎えた現在の局面における地域のコミュニティー維持を目的に静岡県には引き続き幅広い支援をしていただきたいと感じています。
本年、個人的な話にはなりますが自治会合併に関して加入世帯の減少や高齢化により組織体制の維持ができず複数の自治会を統合したいが県や市町で支援してもらえないかという相談を受けました。県内では磐田市や富士市が自治会の合併に関するマニュアルやガイドを作成されていますが、今後の人口減少社会を見据えより具体的な取組が行政には必要だと感じています。
実際に静岡県では自治会の支援として様々な取組をしており、例えば地域活動の拠点となる公民館や公会堂の整備などに対し支援を実施し自治会の負担軽減に大きく寄与しています。ただ一方で担い手である人口が減少していく昨今の状況で、組織体制の根幹たる課題である統合に関してメリットやデメリット、留意点や注意点等の自治会へのアドバイスや統合に伴う金銭的な補助など自治会を支える支援として静岡県が現状取り組んでいないことに疑問を感じています。
今後、人口減少と高齢化社会を迎える中、県として組織の合併をはじめ自治会運営を支えるため関係機関と連携しながらどのように取り組んでいくか伺います。
次に、多様なニーズに応える県立高校における部活動のリデザインについて伺います。
多くの方が御承知のとおり、文部科学省は中学校の教員の働き方改革の下、部活動の地域展開等を推し進め県内でも先行する自治体において部活動を市町の認定地域クラブ等に移行する新たな仕組みづくりが現在進行形で行われています。
一方で、静岡県教育委員会は高校の部活動に関して生徒の自主的で多様な学びとして教育的意義を踏まえながらも少子化に伴う学校の小規模化や担当職員の負担軽減等も考慮し持続可能な部活動改革を各学校と進めていると伺っています。
現在、県教育委員会は各生徒の自主性に応じて部活動に関して任意加入としていることや、学校の指導体制として教員の複数指導体制の充実や部活動顧問決定に当たっての意向確認、学校内外の人材活用を拡大していく中でどの程度県内の各学校ではこの県の方針に対して対応を頂いているか伺うとともに、将来的に中学校の部活動が認定地域クラブ等を展開していく中で子供たちが高校に進学した際、高校の部活動における選択肢の幅が中学に比べて狭まらないよう地域事情に合わせて例えば高校でも地域クラブでの活動を認定する等の部活動の在り方があってもいいと感じていますが、県教育委員会の考えをお伺いします。
次に、静岡県内の車両盗難への取組について伺います。
令和七年七月に警察庁は令和七年上半期の車名別盗難台数を公表しました。この表によると盗難被害に遭った車名別の一位はトヨタランドクルーザーが上半期で七百六十五台、令和六年上半期は五百九十台だったことを考えると昨年から大きく増加をしています。同車の盗難が令和六年のトータルでは千六十四台でしたので昨年を上回るペースであることが言えると思います。
次に多い車名はトヨタプリウス二百八十九台、アルファードが百九十一台、レクサスLXが百二十台、また少し意外ですがスズキキャリイのような軽トラックも盗難被害の多い車だと言われています。
全国の数字では伝わりにくいかもしれませんが、例えばレクサスLXの国内登録台数を盗難被害数で割るとおよそ五十人に一人の車両オーナーが盗難被害に遭っている計算となります。これらの車両盗難の被害に遭っている車の多くの共通項は海外での人気が高い車であるということが挙げられており、先ほど名前を挙げた車両の多くは盗難に遭った後、車両番号やナンバープレート等が廃棄され港から輸出され海外で売られているケースが多いと聞いています。
過去の車両盗難では扉を無理やり開けて直結等の手法でエンジンをかけたりレッカーでそのまま運んでしまうという荒っぽい手法が主でしたが、今では常に最新の盗難方法とそれを予防するメーカーのセキュリティー向上とほぼいたちごっこになっていると言われています。
幾つかの盗難手法を申し上げますと、例えばリレーアタックという手法はスマートキーが車から離れていた場合自宅で管理していてもキーから絶えず発せられている微弱な電波を特殊な機器で捉え増幅させて車まで中継しスマートキーが近くにあると車に誤認させてドアロックを開錠しエンジンをかけて盗み出すものです。またCANインベーダーという盗難手法は現在の車はコンピューター同士をつなぐ通信規格であるCANというシステムが採用されており、物理的にバンパーをずらして車外からCANに配線をつなぎ専用機器でドアを開けたりエンジンをかける信号を送る方法があります。
そういった事案が国内の中でも確認されており、現状の一般的なセキュリティー対策ではもはや盗難を完全に防ぐことが難しいとも言われています。
また、盗難車両は港から海外に運び出される前にヤードと呼ばれる中継地点を経由し解体等の作業を受けて港まで運び出されることが多いのですが、近年自治体によるヤード規制条例も厳しくなり盗難車をヤードに保管しておく期間が短くなったとの指摘も耳にしていることから一度盗まれれば車両が無事に帰ってくるケースはほぼないと伺っています。
また、車両盗難の犯人については現場から車両を盗む者、盗難車を運搬する者、指示する者等で役割を分担する組織の存在も確認されており、検挙に至りやすい役割と検挙することが難しい役割があることも推察ができます。
ここで改めて静岡県内の車両盗難の状況を述べますと令和七年九月までの数字になりますが盗難認知件数は二百十一件、そのうちランドクルーザーが百二十三件、クラウンが十九件、レクサスが十四件となっており、全体の盗難発生件数が昨年七十九件だったことと比べても大幅に増加しているこの県内の現状を鑑み県警察の事案解決までの取組、ヤード等での水際対策、また車両盗難防止対策の県民への周知についてお伺いをいたします。以上、それぞれ答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 伊藤謙一議員にお答えをいたします。
スタートアップ施策についてであります。
私が行政運営に当たって大切にしているものが経営感覚であり、浜松市長時代には徹底した行財政改革を行う一方、税収を増やすための産業育成にも積極的に取り組みました。こうした方針は知事就任以降も一貫しており、県の新しい総合計画では県政運営の基本理念にLGXの考えを取り入れ最小の経費で最大の効果を上げる、新しいことへの挑戦など五つの経営視点を柱に計画を推進していくこととしております。
このためスタートアップ施策においても議員御指摘のとおり限りある財源の中で税金を無駄遣いすることがないよう事業効果をきちんと検証し、効率的・効果的に取り組むことが極めて重要と考えております。
例えば浜松市で実践したファンドサポート事業では、市の試算によりますと令和元年度から五年度までの五年間における経済波及効果が約十三億円の交付総額に対して三十三億円程度と投資した額の約二・五倍の成果が得られております。県においてもスタートアップ支援戦略における計画期間の最終年度である令和十年度に合わせて地域経済への影響等について事業効果の検証を行うとともに、その結果を踏まえて施策の改善や見直し、中長期的な目標設定について検討してまいります。
スタートアップは革新的なビジネスモデルによって社会にイノベーションを起こす原動力であり、社会課題解決の担い手にもなる存在です。世界的に見ても経済成長を遂げている地域はほぼ例外なくスタートアップが集積し、地域を活性化させる様々な相乗効果をもたらしております。
県といたしましては、スタートアップ支援の効果を県内経済全体に効果的に波及させることで新たな産業活力の創出と競争力の強化につなげ本県経済の持続的な発展を目指してまいります。
なお、その他の御質問につきましては副知事、関係部局長、教育長及び警察本部長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 平木副知事。
○副知事(平木 省君) 歳入確保のためのふるさと納税の取組強化についてお答えをいたします。
まず、本県のふるさと納税でありますが令和六年度実績で県は約五十億円、地方交付税による補填後で約十二億円のマイナスということでございます。これは県における返礼品選定に当たりまして、これは全国的な傾向ではあるんですけれども、市町が選定する農林水産物等の特産品との競合を避けているということ、静岡県では主に県内全市町で利用可能な旅行券を活用するというような形での限定的な対応を行ってきたということでございます。
ふるさと納税全体の市場規模の拡大と県の財源確保努力の必要性を考慮すれば、こうしたマイナス傾向を転換しまして収支均衡を目指すということを県の中期的な目標としなければならないと考えてございます。
そこで、取組体制といたしまして既にですね、本年十月に産業、観光、税務等の部局横断によるふるさと納税増収に向けた検討チームを発足させておりまして具体策の検討を開始してございます。来年度以降においてもさらなる組織体制の充実というのを検討してまいります。
ふるさと納税の獲得には返礼品の開発というのが重要でございます。市町との競合を考慮しつつですね、成功事例をつくるためには県内産品を広域的に捉える発想というのが必要でございまして例えば再来年の県立食肉センター新設を見据えました県内ブランド肉の詰め合わせであるとか、あるいは静岡酵母純米酒の飲み比べセットであるとか、県内各産地にわたる花の定期便であるとか、そういった広域自治体ならではの魅力的な返礼品の開発、そうしたものに加えまして体験型返礼品の充実、掲載サイトの拡大など多様な検討を進めているところでございます。
ふるさと納税は現在税務を担当する部局で主に担当しているわけでありますが、来年度以降産業振興を所管する部局において魅力的な返礼品の開発と生産者、事業者の皆様との連携支援等を強化するとともに、県内市町と共に全国の皆様から多くの応援を獲得できますよう取組を進めてまいります。
次に、企業版ふるさと納税でありますが全国的に見ても個人版に比べて規模は小さいということでありますが、地方自治体には企業の寄附による地方創生の推進、企業には税負担の軽減など双方にメリットがある制度でございます。
県では寄附受入れを開始した令和二年度以降、件数、金額ともに増加傾向にありますが現在の財政状況を踏まえますとさらなる取組の強化が必要と考えてございます。
このため九月議会におきまして補正予算をお認め頂き今年度から新たに民間のネットワーク等を活用して企業と県の施策を結びつけるマッチング強化の取組を開始したところでございます。また県内に事務所や工場がある首都圏企業を直接訪問し呼びかけを行うなど寄附拡充に向けて取組を強化してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 都市計画道路森町袋井インター通り線の整備についてお答えいたします。
森町袋井インター通り線の未開通区間の一つである森町円田の一・二キロメートル区間につきましては起点から町道交差点までの〇・六キロメートルで用地交渉を先行して進めております。本年度末までに対象地権者の約八割となる二十三名の方々と契約が完了する予定であり、用地を取得できた区間において来年度軟弱地盤対策や側溝工事を実施してまいります。
もう一つの未開通区間である森町中川から袋井市深見の二・三キロメートル区間につきましては県、袋井市、森町の三者で締結した協定において調査設計の役割や費用分担を定めており、県では現在道路の基本構造の検討を行っております。来年度は太田川を渡河する橋梁について橋長や橋梁形式を検討し河川管理者と占用許可に関する協議を進め、令和九年度からは道路と橋梁の詳細な設計や用地調査を行ってまいります。
中東遠地域の活性化や発展に寄与するとともに、周辺地域のポテンシャルを引き出す森町袋井インター通り線の早期全線開通に向け引き続き袋井市、森町と連携し事業を着実に推進してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 青山健康福祉部長。
○健康福祉部長(青山秀徳君) 障害者歯科医療についてお答えいたします。
障害のある方に対する歯科医療の提供につきましては、対象の方が点在していること、診療に当たっては様々な配慮が必要であることなどから地域ごとに体制が異なる状況となっております。
具体的には、静岡市、浜松市においては市設置の口腔保健医療センター等が中心となっていますが、中東遠や東部地域では拠点はあるものの地域の歯科診療所の歯科医が輪番で対応しているなど運営体制に大きな違いがあります。
県といたしましては、障害のある方が身近な地域で歯科治療を受けることができ、かつ地域の拠点となる歯科医療機関と連携し全身管理下の歯科治療にも対応できる体制が望ましいと考えております。このため身近な地域で受診できるよう県歯科医師会、県歯科衛生士会等と連携し初診時等対応研修を実施するなどの人材育成を引き続き進めてまいります。
また、本年度東部地域の伊豆医療福祉センターが国のモデル事業に採択されました。この事業では輪番で対応している同センターの運営改善を図るため、かかりつけ歯科医の参加促進、かかりつけ歯科医や全身管理可能な病院等の連携強化を目的としております。
今後は、モデル事業の成果を中東遠や他の地域に展開し市町や関係団体と連携の上、障害者歯科医療提供体制の構築に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木 学君) 人口減少社会における自治会を支える取組についてお答えいたします。
人口減少社会において自治会の加入率の低下や役員の担い手不足が課題となる中、自治会活動を維持するためには組織の統合をはじめとする機能強化が不可欠であり、その中核を担うリーダーの育成や解決に向けた助言等の支援が重要であると認識しております。このためコミュニティづくり推進協議会との協働によるコミュニティカレッジの開催を通じて次世代の地域活動を担うコミュニティーリーダーの育成に取り組んでおります。また自治会の役員を対象として人口減少社会におけるコミュニティーづくりをテーマとした研修会等も開催をしております。
本年八月には、県、市町、県自治会連合会等による連携推進会議において自治会の統合や再編に成功した市町のマニュアルを情報共有し好事例の横展開を図っております。統合に向けてのさらなる支援につきましては来年一月に開催する会議において検討を進めてまいります。
県といたしましては、今後とも人口減少社会においても持続可能な自治会運営が可能となるよう市町や関係機関と共に自治会活動を支援してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 多様なニーズに応える県立高校における部活動のリデザインについてお答えいたします。
県教育委員会では、持続可能かつ多様で柔軟な部活動の場を生徒に提供することと教職員の負担軽減の両立を目指し令和八年度からの実施に向け各校で取り組むよう令和七年三月三十一日に活動指針を通知したところであります。
通知前の令和六年度の状況ではありますが部活動を任意参加としている県立高校は二二・九%、複数顧問体制の部活動は九四・七%、地域人材を活用している学校は九三・二%であり、教員への部活動顧問就任への意向確認は全ての学校で行われていると認識しております。
今後の対応状況や課題については毎年度調査にて確認し各校の取組を支援してまいります。
一方で、近年の少子化や中学校の部活動の地域展開等については高校部活動に大きな影響を与えており、特に学校の小規模化に伴う高校生の部活動における選択肢の減少は大きな課題であると考えております。
このため今年度より賀茂地域において部活動の合同実施をモデル的に導入し、小規模校における部活動の運営を検証した上で来年度の全県展開を目指してまいります。また地域クラブ等で活動する中学生が入学後も引き続き同じクラブで活動することを含め生徒のニーズに応じた柔軟な対応とするよう運営体制の多様化に向けた各校の取組を後押ししてまいります。
県教育委員会といたしましては、少子化の中においても高校生が多様なスポーツや文化芸術活動に親しむことができる機会の確保に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 久田警察本部長。
○警察本部長(久田 誠君) 車両盗難への取組についてお答えいたします。
本年に入り本県の車両盗難の被害件数は急増しておりますことから、県警察といたしましては検挙と被害防止対策を両輪とした取組が必要であると認識しております。
まず、検挙に向けた取組といたしましては盗難発生から間もない段階で事案を認知した際には早期に警察官を発生現場に急行させるとともに、現場周辺に警察官を緊急配備して犯人確保に当たっているところです。盗難発生から届出まで時間を要した事案につきましては犯人特定を目的とした防犯カメラ画像の収集、分析をはじめとする所要の捜査を推進しているところです。特に車両盗難事件につきましては広域的、連続的に敢行する犯行グループの存在がうかがわれることから、他県警察とも情報共有を密にしながら犯行グループの実態解明に資する捜査を推進してまいります。
また、水際対策といたしましてヤードには盗難自動車が持ち込まれる可能性があることから、古物営業法や静岡県金属くず営業条例を根拠として県、市町、消防など関係機関と合同で立入検査を行うなどして適正業務の指導を徹底しているところであります。
被害防止対策につきましては警報装置やハンドルロックなど盗難防止機器の活用のほか駐車場内の防犯カメラ、センサーライトの設置など複合的な自主防犯対策が重要であると考えております。そのため県警察では、自動車関連団体の御協力を得て同団体の代理店等約四千八百か所の情報ネットワークや県警察の防犯アプリどこでもポリスをはじめとするSNS等により盗難被害が多い車種や効果的な防犯対策について県民の皆様に情報発信し周知しているところであります。
県警察といたしましては、今後も引き続き犯行グループの実態解明、検挙とともに、県民の防犯意識を醸成するため関係機関と連携した広報啓発を行い車両盗難の被害防止に向けた取組を推進してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 伊藤謙一議員。
(九番 伊藤謙一君登壇)
○九番(伊藤謙一君) それでは、ふるさと納税に関して二点の要望、一点再質問をさせてください。
先ほど副知事からも御答弁を頂きました一点目の要望に関して、知事の答弁の中にもありました県が独自で定める自主規制、これをやっぱり今後撤廃または緩和していく必要が私はあると思ってます。それは副知事の答弁を伺っていても、やっぱりこれができない理由になってないかということは非常に思っていますし、また今後取り組んでいく中で必ずこれは私は県の足かせになると思います。ただそれについて、やはり県内市町の理解が必要なことだと思いますので少なくとも取り組んでいく前提の中で協議をしていただきたいと思います。
二点目の要望です。企業版ふるさと納税です。
おっしゃっていただいたようにここ五年間ほど企業版ふるさと納税は非常に右肩上がりです。令和六年度は静岡県への寄附が一億二千万円、令和五年度が二千万円だったことを考えると大幅に伸びてます。ただ非常に伸び代を感じる一方で感じているのはこの取組内容をどういった形でやられてるかということを職員さんに尋ねると、限られた人員の中でパンフレットを持って相手の企業さんがもうかってるかどうかを確認しながら一件一件回ってるっていうんですね。これ否定はしませんが県全体の取組としてもう少しシステム的にできないかなと私は思っています。
それは何かと言えば、例えば一問目のスタートアップのときにベンチャー企業を絡めた施策があります。この施策は、ファンドサポート事業は県外ベンチャー企業が県内のスタートアップ企業に投資をすることで投資利益を得るというような仕組みになってますけれども、例えばこれは言い換えれば、県民の大切な税金を使うことによってこの県外ベンチャーが利益を上げる確率を上げているとも取れると思うんですね。だとするならばこの県外ベンチャーが参加するこの制度に対して例えば参加要件として企業版ふるさと納税を入れることができないかとか、様々なこの県の中での取組の中で県外企業が絡む中でこの企業版ふるさと納税の可能性を考えていただきたいと思います。
最後になりますが、昨日から非常にこの財政の問題に関しては多くの議論がされました。その中でこの財政課題に対して今後どうしていくかという中で、年度末までに中期財政計画における工程表を作っていくということがありました。先ほど平木副知事は答弁の中で中期的な目標をこのふるさと納税につけていくとおっしゃっていましたが、私はぜひこの工程表の中にふるさと納税を目標付で入れていくべきだと思っています。それについての所見を伺いたいと思いますので、やるかやらないか二択でお答えください。お願いします。
○副議長(中田次城君) 平木副知事。
○副知事(平木 省君) やるかやらないかということでございますけれども、中期財政計画にふるさと納税の目標値を定めるというのはなかなか難しいと思います、率直に申し上げまして。これはですね、ふるさと納税の制度というのが非常にいろいろ変わっております。今回もキャップの話もございます。
またですね、今ふるさと納税の県の収入というのが非常に少なくなってございます。こういうものをですね、しっかりと上げていくということがまず大事なことでありまして数値的なものにつきましてはちょっと御容赦頂きたいと思いますけれども、いずれにしても伊藤議員から御質問頂いたことというのは非常に重要なことだと思いますので産業振興の観点も含めてしっかりやっていきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。
○副議長(中田次城君) 伊藤謙一議員。
(九番 伊藤謙一君登壇)
○九番(伊藤謙一君) 最後、要望です。聖域なく、そして打てる政策は全て打っていくという知事の言葉どおりのふるさと納税の改善をお願いします。以上です。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで伊藤謙一議員の質問は終わりました。
以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
次会の議事日程を申し上げます。
十二月八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
本日はこれで散会します。
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