本会議会議録
質問文書
令和7年12月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 加畑 毅 議員 | |
質問分類 | 代表質問 | |
質問日: | 12/04/2025 | |
会派名: | 自民改革会議 | |
質疑・質問事項: | 1 知事の政治姿勢について (1)財政悪化の要因と今後の改善策 (2)定員適正化計画の方向性 (3)台風第十五号による被害への対応 2 新県立中央図書館整備に係る見直しの考え方について 3 今後の県債発行の在り方について 4 次期耐震改修促進計画の策定について 5 二地域居住の推進に向けた市町への支援について 6 日本人の国内旅行需要の取り込みについて 7 保育の質の向上に向けた保育士配置の充実について 8 賀茂地域における介護人材の確保に向けた取組について 9 分娩の空白地域における妊娠や出産に関する支援について 10 今後の森の力再生事業について 11 県内における磯焼け対策について 12 伊豆半島の道路網整備について 13 三遠地域の核となる浜松湖西豊橋道路の早期実現について 14 伊豆半島へのクルーズ船誘致に向けた戦略について 15 公立高等学校入学者選抜に係るデジタル化について 16 県警察の不祥事案防止対策について |
○副議長(中田次城君) 質疑及び一般質問を行います。
通告により、十番 加畑 毅議員。
(十番 加畑 毅君登壇 拍手)
○十番(加畑 毅君) おはようございます。
私は、自民改革会議を代表し当面する県政の諸課題について通告に従い一括質問方式で伺います。
初めに、知事の政治姿勢のうち、財政悪化の要因と今後の改善策について伺います。
マスコミによる報道のとおり、十月二十二日に本県の財政状況について平木副知事による臨時記者会見が行われました。会見では客観的なデータを基に比較すると本県の財政状況は全国下位であること、税収の上振れが期待できないこと、他団体に比べ赤字地方債である資金手当債の発行が多いことなど本県の財政状況について極めて厳しい現状認識が示されたと伺っております。その上で来年度の財源不足額は本年二月の時点で見込んでいた五百十億円を大きく上回る六百四十億円に膨れ上がる見通しで、平木副知事からは財政危機宣言レベルの発言もあったとのこと。報道を見聞きした県民の多くが県の財政状況はここまでひどかったのかと驚いたと思います。
今回のように副知事が臨時記者会見を開くことは極めて異例です。また今定例会の開会日の知事説明にもあったとおり知事を筆頭に一般職の課長級以上の管理職の給与を削減するなど、これまでよりも踏み込んだ対応が取られており、事態の深刻さを感じている方も多いと思います。
その一方で、県はなぜこのような事態に陥ったのかと疑問に思っている方もまた多いのではないでしょうか。この点について、平木副知事は川勝前知事の県政下において財政健全化や将来世代への負担に対する意識が低かったと思うと発言しております。また知事も後日の記者会見において財源不足を資金手当債で補する自転車操業の財政運営が行われてきた、気づいた時点で手を打ってほしかったと述べております。
しかし、川勝前知事は在任中、一期目と二期目の八年間で合計一千二百億円の財源を捻出し県民のために使っていると主張されてきました。前知事の言葉がまやかしだったというのかもしれませんが、実際のところ財政悪化の根本的な要因は何なのか。財政健全化に向けた今後の取組を実効性のあるものとするためにも、まず初めにこの点を明らかにする必要があります。
そこで、本県の財政状況が悪化した根本的な要因とその要因の改善に向けて今後どのような対策を図っていくのか伺います。
次に、定員適正化計画の方向性について伺います。
先ほどの質問でも触れた十月二十二日の平木副知事の記者会見では、中長期的な取組として歳出の約二〇%を占める人件費について不断の見直しを行うため人口動態の変化等に応じた定員適正化計画を今年度中に策定すると説明がありました。今後人口減少の加速が見込まれる中、全ての産業において労働力の確保が困難になることが予想されます。またデジタル化やグローバル化の進展等を背景として企業の即戦力ニーズが高まる中で人材の流動化はますます進んでいくと考えられます。これらは県職員についても同様であり、中長期的に職員数の減少を見据えた行政運営の在り方を検討する時期が来ているものと考えます。
一方で、適正化の言葉の下、単に県職員を減らすためだけの計画では県民サービスの質の低下につながりかねません。このため人口減少に対応した行政運営の在り方も併せて示す必要があります。
こうした中、県が主催する行政経営戦略会議においても中長期的な行政運営の在り方が議論されており、九月に開催された第三回会議においては行政の生産性向上について議論がなされたと承知しています。将来を展望するとデジタル技術がますます進展することが見込まれ行政の業務の進め方を見直す大きな契機でもあり、こういった視点を取り入れることも必要ではないでしょうか。
そこで、定員適正化計画についてどのような方向性をもって策定していくのか、知事の所見を伺います。
次に、台風第十五号による被害への対応を伺います。
本年九月五日に本県を襲った台風第十五号では死者一人、重軽傷者九十人、二千棟を超える建物の損壊など県内各地で甚大な被害が発生しました。中でも牧之原市や吉田町などでは竜巻が発生し住宅の屋根や外壁が吹き飛ぶなど極めて深刻な被害となりました。被害発生から三か月が経過し報道等で竜巻被害に関する情報を耳にする機会は少なくなりましたが、現地では依然としてブルーシートで覆われた住宅が多く、十一月二十八日の時点で五十一世帯が借上げの応急住宅に入居されています。
災害から復旧はいまだ道半ばであり、生活再建に向け被災者に寄り添った継続的な支援が必要です。竜巻災害は地震や洪水とは異なり被害が一部の地域に集中するため被災地以外の住宅や関係機関は被害の実態が把握しづらいという特徴があります。被災者の中には遠方の親戚宅などに避難して所在が分かりにくくなり支援の手が届きにくいケースがあると聞いています。
こうした課題に対応するためには地域の実情を踏まえた丁寧な支援体制の構築が重要です。被災者支援の中心となるのは基礎自治体である市町ですが、その力を最大限に発揮できるよう県が必要な支援を的確に行うことが求められます。
そこで、今回の災害対応に関して市町への支援や市町との連携による被災地への支援についてその実績と今後の方針について伺います。
また、今回の災害では自衛隊派遣要請をめぐり県庁内での情報共有や意思決定の在り方が課題となりました。十月九日には危機管理くらし環境委員会から知事に対し再発防止と県庁組織内における情報共有のさらなる徹底について申入れを行いました。これを受けて本定例会の開会日には知事から、申入れを踏まえ危機管理に精通した外部有識者による検討会を設置し検証を進める旨の説明があったところです。
先月二十五日に第一回目の検討会を開催したと伺っておりますが、今後どのように検証を進めていくのか伺います。
次に、新県立中央図書館整備に係る見直しの考え方について伺います。
新県立中央図書館の整備については、先日の知事提案説明で今回プロジェクトチームが取りまとめた見直しの方向性に沿って今後進めていくとの方針が示されました。図書館の機能や事業手法を見直し県の財政負担を軽減していくとのことですが、来年度の財源不足額が現時点で六百四十億円と予想され、また将来負担比率など財政指標が全国的に低い水準にあるなど本県は厳しい財政状況にあります。
財政悪化の理由の一つとして前川勝県政から続く建設事業の増加が挙げられていることから、この件についても例外とすることなく見直す必要があります。その一方で県立図書館には県民の生涯学習を支え、本県の図書館の中核として県内の市町や学校の図書館を支援するという欠かせない役割があります。コストカットに注力するあまりその機能が脆弱となり利用者にとって利便性の低い施設になっては「一文惜しみの百知らず」、後で大きな損をすることになります。華美な仕様は見直し県立図書館本来の役割を改めて整理することで財政負担とのバランスを図りつつ利用者目線に立った魅力あふれる図書館整備を進めていくべきだと考えます。
また、新県立図書館を整備する東静岡地区では、現在静岡市が新アリーナやペデストリアンデッキの整備を計画しています。東静岡駅周辺の一等地でもある南口の県有地は今後ますます価値が高まってくると予想されます。六月定例会で我が会派の佐地県議が質問したように図書館の整備と併せてこの県有地の利活用も進めていくことが必要と考えます。
そこで、今回の新県立中央図書館整備の見直しの方向性について、県の所見を伺います。
次に、今後の県債発行の在り方について伺います。
県が本年二月に策定した中期財政計画では、本県財政の課題の一つとして県債残高の水準が挙げられています。具体的には令和五年度決算における将来負担比率の全国順位が四十一位であり、ほかの都道府県と比較して県債残高の水準が高くなっているため、将来世代に過度な負担がないよう投資的経費の水準の適正化や財源不足を補填する資金手当債の発行抑制が必要というものです。
そして、財政運営の中長期的目標の一つとして令和十六年度末の時点で通常債の残高を一千億円程度削減するとしています。確かに財政の決定に当たっては将来世代への過度な負担の抑制という視点は必要ですが、将来の成長に向けた投資という視点も欠かせないものであります。
十月二十一日に発足した高市内閣は責任ある積極財政を標榜しており、国会の所信表明演説においても高市首相は戦略的に財政出動を行うと述べております。また生活の基礎となる公共インフラの分野においても六月に政府が閣議決定した第一次国土強靱化実施中期計画では来年度以降の五年間でおおむね二十兆円強の事業が計画されています。
国においては将来への投資に向けた動きが勢いを増す中で県は中期財政計画で掲げた通常債残高一千億円の削減という目標の達成をどのように図っていくのか、今後の県債発行の在り方について、県の所見を伺います。
次に、次期耐震改修促進計画の策定について伺います。
令和六年一月に発生した能登半島地震ではこれまでの地震と同様に昭和五十六年五月以前に建てられた旧耐震基準の木造住宅に多くの被害が生じました。国の有識者委員会によれば被害が大きかった地域において倒壊した木造建築物のうち旧耐震基準のものが九割以上だったことから、耐震化が進んでいないことがその原因だったと考えられます。
国は本年七月に建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針を一部改正し、住宅においては令和十七年までに耐震性が不十分なものをおおむね解消することを新たな目標に定めました。一方本県においては住宅の耐震化率を令和七年度末までに九五%とすることを目標に掲げ、令和三年度に作成した第三期静岡県耐震改修促進計画ではプロジェクト「TOUKAI―0」を政策の柱とし住宅の耐震化に取り組んでおり、今年度はその総仕上げとして市町と協力して耐震化を推進しています。しかし県下には耐震性のない住宅が令和五年時点で約十万五千戸と高齢者世帯を中心としてまだ多く残っており、巨大地震から一人でも多くの県民の生命を守るためには今以上の取組が必要と考えます。
そこで、今年度は第三期計画の最終年度となりますが、これまでの五年間の取組についての成果と評価について県の所見と次期耐震改修促進計画の方向性について現状の考えを伺います。
次に、二地域居住の推進に向けた市町への支援について伺います。
人口減少が急速に進行する中で地域に活力を維持するためには担い手となる人材の確保を図る必要があると考えます。国は令和六年十一月に施行した改正広域的地域活性化基盤整備法に基づき都市と地方の双方に生活拠点を置く二地域居住を積極的に推進しています。これは地方への人の流れの創出、拡大に資する取組であり、特に過疎化が進む中山間地域では大きな期待が寄せられております。
本県では、下田市や松崎町、森町等において二地域居住の推進に向けた取組が始まっています。一般的に二地域居住の推進に当たっては住まい、なりわい、コミュニティーに関するハードルが存在すると言われており、二地域居住者向けの住宅やコワーキングスペース、交流施設など受入れの体制の整備や地域コミュニティーとの調整に向けた取組事例が全国で見られます。
私は、こうした取組を長期的に継続するためには地域の実情を踏まえた課題に対し地元市町が地域住民や関係団体、民間企業と連携し積極的に関与していくことが必要と考えます。しかし現状では二地域居住に対する市町の意識は温度差が見られ取組に関するノウハウやマンパワーの不足など多くの課題があります。
少子高齢化が進行する中で人口減少対策となり得る二地域居住を推進していくためには、まず市町に対する支援の取組が重要であると考えますが、県の方針や取組状況を伺います。
次に、日本人の国内旅行需要の取り込みについて伺います。
観光庁は、本年五月に公表した令和七年版観光白書において地方部の延べ宿泊者数の日本人割合は約九割であり、日本人がその需要の下支えをしていると分析しています。その上で日本人の旅行単価は物価上昇等により増加傾向ですが、日本人国内延べ旅行者数や旅行経験率は二〇一七年以降伸び悩み今後はさらに人口減少、少子高齢化が進む中、国内交流の拡大に一層取り組む必要性を指摘しています。
本県の状況を見ると昨年度の本県延べ宿泊数二千三百万人泊のうち日本人は二千百十万人泊と九一・七%でした。また昨年度の県内旅行消費者額は過去最高を更新し八千三百五十九億円でしたが、そのうち日本人の消費額は八千二十三億円と九六%を占めています。
近年、インバウンドの活況が注目され有名観光地では宿泊費が高騰し日本人客が離れていくと聞く中で、本県の旅行消費額の一層の拡大に向けては日本人の国内旅行需要を手堅く確保していくことも重要と考えます。人口減少、少子高齢化が進む中で日本人リピーターが増えるとなれば地域を訪れる旅行者は減少の一途であることは明らかです。大都市圏に近く訪問しやすい本県の優位性を生かし旅の満足度を高めていくことによりリピーターの獲得が重要ではないでしょうか。
そこで、今後日本人の国内旅行需要をどのように取り込んでいくのか、県の考えと取組の方向性を伺います。
次に、保育の質の向上に向けた保育士配置の充実について伺います。
未来の宝である子供たちの健やかな成長を支えるためには保育士配置の充実による保育の質の向上を図ることが大変重要であります。少子化が急速に進んでいる状況ですが、ライフスタイルや就労環境の多様化により依然として保育に対する需要は高い状況にあります。
また、令和八年度から保育所等に通っていない子供を時間単位で預けることができるこども誰でも通園制度が本格実施となり新たな保育需要の発生が想定されます。
一方で、保育の現場において恒常的な人手不足が続く中、安全で質の高い保育体制づくりが求められており、特に乳幼児においては月齢による成長や発達に大きな差があることや近年増加傾向にあるアレルギー児の対応などきめ細やかな保育が求められていることからより一層手厚い職員配置が必要となります。本来であれば国が保育士の配置基準を改善すべきと考えますが、今年度から一歳児に対する保育士の配置を五対一以上とし一定の要件を満たす施設に対して公定価格における加算措置が開始されました。
県においては、これまでも独自の助成制度により基準以上の保育士配置を支援してきましたが、国の配置基準の改善に先行し最低でも五対一の配置が実現するよう取り組むべきではないでしょうか。我が会派としましても、県全体で保育士等の配置の充実を図り安全で質の高い保育が進められるよう要望しております。
子供の良質な生育環境を確保するため乳幼児の保育における保育士配置の充実に向けた取組について、県の考えを伺います。
次に、賀茂地域における介護人材の確保に向けた取組について伺います。
生産年齢人口が減少する中であらゆる業種において人手不足の状況ですが、介護分野においては有効求人倍率が常に四倍を超え全産業平均と比較しても三倍以上であり特に深刻な状況が続いております。
県はこれまで必要な介護サービスを安定的に供給するため介護人材の確保・育成、定着に関するあらゆる施策を推進しており、一定の成果を上げていることは承知しています。その上で今後は人口動態の地域差等を踏まえたよりきめ細やかな施策の展開を求めたいと思います。
九月に開催された賀茂地域広域連携会議において賀茂地域の未来予想が示されました。それによると、賀茂地域の人口は二〇五〇年にはおおむね半減し六十五歳以上の占める割合は五〇%を超えるとされています。介護の需要である要介護認定者の数自体は既に横ばいから減少に転じつつあるものの、今後生産年齢人口の減少が続くことで介護人材の確保は一層困難となり必要なサービス提供体制を維持することすらままならなくなるおそれがあります。
こうした賀茂地域の切迫した実情を踏まえますと介護人材確保の施設として都市部をはじめとする他地域とは異なる独自の取組が必要と考えます。具体的には地域の労働力が絶対的に不足する中にあっては介護未経験者を積極的に活用することが不可欠です。
また、地域外から移住者を呼び込む施策との連携した取組も考える必要があります。この点私がこれまで繰り返し提案してきた過疎地域の活性化や担い手の確保につながる特定地域づくり事業協同組合の制度の活用も介護人材確保の一つの方法として考えられるのではないでしょうか。
そこで、県は賀茂地域における介護人材の確保に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、分娩の空白地域における妊娠や出産に関する支援について伺います。
伊豆半島南部で唯一出産への対応を行っていた下田市の診療所が本年一月末で対応を取りやめ分娩の空白地域となりました。地域では大きな衝撃でしたが、少子化による出産件数の減少を考えれば事業継承の断念という判断もやむを得ないものと考えます。
県全体の出生数も平成二十七年の二万八千三百五十二人から令和六年の一万七千四百三十九人と十年間で約三九%減少する中、特に賀茂地域では二百八十五人から百二十九人と半数以下になっており、分娩の空白地域は伊豆半島南部地域以外でも今後広がっていくと考えられます。しかしながら出生数が少なくなっている地域だからこそ妊娠や出産を考える方に対して応援していかなければならないと考えます。
分娩の空白地域の妊婦は妊娠、出産に当たって住み慣れた地域から離れた遠方の施設での健診や分娩を余儀なくされます。現に私の地元でも妊娠初期は下田市内で妊婦健診を受け途中から分娩可能な医療機関へ紹介される方や最初から分娩を行う医療機関へ健診に通っている方がいます。分娩を行う伊東市や伊豆の国市の医療機関への移動は一時間以上かかり身体的、経済的に負担が大きくなります。
県でも地元の市町に対して様々な支援を行ってきたことは承知しておりますが、このような地域に住む妊婦やその家族が安心して出産を迎えることができるようどのような体制を考えていくのか、県の所見を伺います。
次に、今後の森の力再生事業について伺います。
県は、九月定例会においてこれまで二十年間にわたって取り組んできた森の力再生事業を継続し新たに確認された荒廃森林の整備に引き続き取り組むと知事から答弁がありました。今定例会ではこれら荒廃森林の整備に必要であるとして令和八年度からもりづくり県民税の税率を個人年額四百円、法人に対しては法人県民税均等割額の五%に据え置き課税期間を五年間延長する条例案が提出されています。新たに確認された荒廃森林への対応の検討に当たり地域の声を直接聞くために県がこれまで実施してきたタウンミーティングや経済団体への訪問などでは事業を継続すべきという意向とともに、多様な意見や要望が寄せられていると伺っております。
私が参加した地元の賀茂郡のタウンミーティングでは、ほかの地域と比較して広葉樹林の割合が多いこと、林業の担い手が限られていることから管理が行き届かず鬱蒼とした広葉樹林が人家近くに依然として存在しており整備が必要であると声がありました。またほかの地域でも放置竹林の拡大や所有者の森林に対する関心の低下などの課題があると聞いております。
そこで、県は県民意見を踏まえ今後森の力再生事業をどのような方針で取り組むのか伺います。
また、森の力再生事業が継続されることから市町の森林環境譲与税事業と連携、協力して身近な里山から奥地の水源に及ぶ県内四十万ヘクタールの広大な森林をどのように整備していくのか併せて伺います。
次に、県内における磯焼け対策について伺います。
沿岸の浅い海で海藻が生い茂る場所である藻場は、海の揺り籠と呼ばれ魚介類が卵を産み外敵から身を守る保育場として重要な役割を果たしています。また藻場を構成する海藻は食用や磯根資源の餌として利用されており、伊豆地域では一大産地であるところてんの材料となる食用のテングサやアワビやサザエの餌となるカジメ、そして榛南地域では特産の食用のサガラメなどがあり本県を海の中から支える重要な存在であります。
しかし、近年の海洋環境の急劇な変化により県内各地では藻場が著しく衰退する磯焼けが発生し県内の水産資源に深刻な影響が及んでおります。県内のテングサの漁獲量は昭和四十年代の一千四百トンから四十トンに、アワビの漁獲量は昭和六十年代の百四トンから五トンにまで大幅に落ち込んでいます。特に過去最長となる七年九か月継続し今年の四月に終息した黒潮大蛇行は伊豆地域の藻場をかつてないほど衰退させたほか、榛南地域では平成十二年頃に起こった磯焼けから復活途中にあった藻場をつい二年ほど前に再び砂漠化させてしまいました。
黒潮大蛇行はこれまでも度々発生し、海藻の生育しにくい高水温で貧栄養な海水を沿岸にもたらすと同時にアイゴやブダイなど温かい海水を好み海藻を食べる魚類を冬の間もとどまらせ磯焼けを引き起こしてきましたが、今回のように長期にわたって継続したものは過去に例がありません。黒潮大蛇行は終息しましたが、一旦失われた藻場を回復するにはこれまでよりも時間がかかると考えられ、さらに長期的に海水温の上昇が継続し厳しい育成環境が予想される中、藻場をよりどころとする漁業者の心配は一向に収まりません。
そこで、県内における磯焼け対策についてどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
次に、伊豆半島の道路網整備について伺います。
本年九月、政府の地震調査委員会は南海トラフを震源とする巨大地震の三十年以内の発生確率を六〇%から九〇%程度以上に見直したと発表しました。会見の中で委員長は南海トラフ巨大地震が発生する可能性は非常に高いと述べており、地震への備えを一層進める必要があると再認識しました。
昨年一月の能登半島地震では、のり面崩壊や液状化などにより主要な道路が被災、寸断したことにより救済活動や支援物資の輸送に大きな支障を来しております。同様の地形を有する伊豆半島においては半島防災の観点から命の道である伊豆縦貫自動車道の一日も早い全線開通が不可欠であり、そのアクセス道路についても着実な整備が必要と考えます。既に供用している天城北道路には月ケ瀬インターチェンジに接続する道の駅伊豆月ケ瀬が整備され本年五月に防災倉庫などを備えた防災道の駅に指定されており、災害時においては伊豆半島中央部の重要な防災拠点として活用が見込まれます。私は現在国による整備が進む河津下田道路においてもインター周辺に防災拠点整備を進めるべきであると考えます。
また、平時においては伊豆半島に人を呼び込みにぎわいを創出するために伊豆縦貫自動車道を背骨とした道路網の整備が極めて重要です。実際に伊豆縦貫自動車道の開通とともに観光交流客数は増加しており、令和五年三月の河津七滝インターチェンジから河津逆川インターチェンジ間の約三キロメートルの開通後には下田市内の海水浴客が増加したと、そういう声も聞いております。伊豆縦貫自動車道の効果を伊豆半島全体に波及させるために肋骨道路となる国道や県道などの整備を着実に進める必要があると考えます。
そこで、伊豆半島の道路網について背骨となる伊豆縦貫自動車道とそのアクセス道路となる国道や県道整備の進捗状況と今後の予定を伺います。
次に、三遠地域の核となる浜松湖西豊橋道路の早期実現について伺います。
三遠地域は自動車関連部品を中心とした製造業やミカンやセルリーをはじめとする農業生産が盛んな地域で我が国有数の生産拠点が集積しております。当地域では部品加工と物流関連の企業が連携し強固な産業ネットワークが形成されていますが、高規格道路がなく製造品や農産品の輸送に課題があります。
この地域には三河港から東名高速道路の三ヶ日ジャンクションを結ぶ浜松湖西豊橋道路が計画されており、これまでに様々な調査や検討が行われてきていることは承知しております。現時点では事業に着手しておりませんが、本道路が整備されれば東名、新東名だけでなく三遠南信自動車道とつながることで広域道路ネットワークが形成され物流の効率化や観光交流の促進、災害時の救助活動の強化など大きな効果をもたらします。
現在、静岡県と愛知県、浜松市が本道路に関する都市計画決定と環境影響評価の手続を進めており、先月には浜松市、湖西市及び豊橋市で都市計画決定に向けた説明会が開催され詳細なルートやインターチェンジの位置などが示されたことにより本道路に対する地域の方々の期待はますます高まっています。延長二十八キロメートルの自動車専用道路である本路線は全線が開通するまでに長い年月を要すると思いますが、産業活動や観光振興のみならずいつ発生してもおかしくない南海トラフ巨大地震に備えるためにも一日も早い実現が地域にとって不可欠と考えます。
そこで、三遠地域の高規格道路で唯一未着手となっている浜松湖西豊橋道路の早期実現に向けた県の取組を伺います。
次に、伊豆半島へのクルーズ船誘致に向けた戦略について伺います。
県内港湾へのクルーズ船寄港回数は昨年九十一回と過去最高を記録し、今年はさらに百回を超える寄港が予定されており順調に伸び続けています。その多くは清水港への寄港ですが、御前崎港や伊豆半島の熱海港、伊東港等へも安定した寄港が続いていると伺っております。
本年八月二日には松崎港で初めてのクルーズ船となる「飛鳥U」が寄港し、当日は飛鳥U歓迎イベント実行委員会が中心となり多くの乗客が降り立つ中で盛大なおもてなしが行われました。当日は私も歓迎式典に参加し大変感動したところです。乗客は親子連れが多く松崎港海岸での海水浴やサザエ狩り、バナナボート等のアトラクションや松崎町をはじめとした西伊豆町、下田市への観光ツアー、周辺散策を楽しんでいました。
クルーズ船は寄港地を中心に港周辺に多くの乗客が訪れることから地域振興や経済効果の拡大が期待されます。多くのクルーズツアーの起点となる東京港、横浜港から近い伊豆半島は、クルーズのルート上に位置しクルーズ船が寄港しやすい優位性が高く、また世界ジオパークをはじめとした美しく多様な地域資源にも恵まれていることで高いポテンシャルを有しています。
そこで、県は伊豆半島へのクルーズ船誘致に向け今後どのように戦略的に取り組んでいくのか伺います。
次に、公立高等学校入学者選抜に係るデジタル化について伺います。
公立高校の入学者選抜は受検生の将来を左右する極めて重要な制度であり公平性、透明性の確保が特に重要となります。そのためその手続も合否に直接関わる重要なプロセスであり間違いがあってはなりません。
現在の入学者選抜は時代の変化に即した様々な改善が図られてきたと認識していますが、ICTの進展を踏まえさらに見直す時期に来ていると考えます。
県内の公立高校では一人一台端末が整備され授業や校務のICT活用は進展しています。しかし入学者選抜事務手続においては依然として紙願書の作成、収入証紙の購入や窓口での手続が行われております。そのため受検生、保護者及び中学校の願書作成、提出等の負担、高校における紙書類の確認、データ入力、志願変更対応など事務対応は以前のままです。こうした課題は出願や選抜結果のオンライン化といったデジタル化により大幅に改善できる可能性があり、出願手続のデジタル化についてはデジタル庁が令和五年度に調査研究を行い業務軽減や作業時間の減少等その効果が報告されています。
また、本年四月二十二日に行われた第十回デジタル行政改革会議においても当時の石破総理からデジタル機能を活用した高校入試制度改善に関する発言があり、十月に発足した新政権でも社会全体でのデジタル化を強力に進めていくとの方向性が示されています。
そこで、県教育委員会において公立高校の入学者選抜に係るデジタル化についてどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、県警察の不祥事案防止対策について伺います。
十一月二十一日、盗撮容疑で警察官が逮捕されたことにより本年に入って逮捕された警察官が六人となりました。虚偽有印公文書作成、住居侵入、酒気帯び運転等様々な事案により逮捕が相次いでいます。逮捕者六人は過去十年で最も多いとのことであり危機的状況と言えます。また本年は逮捕事案のみならず拳銃の置き忘れや捜査書類の一時紛失といった事案もありました。これらの事案は一時的なものであったとはいえ、一つ間違えれば県民生活の安全・安心への大きな影響を及ぼしたことは間違いなく、県民に多くの心配と負担をかけたものと言わざるを得ません。
県警察の業務を推進するに当たっては県民の警察への信頼感が基盤であることは言うまでもありませんが、このような状況があるがゆえ現場で誠実に勤務している警察官、警察行政職員約七千人の職員の苦労が推察され警察の本来業務にも影響を及ぼしているのではないかと考えます。
県議会九月定例会の文教警察委員会では、今後の県警察の不祥事案防止対策の質問に対し首席監察官から一人一人が我が事として考えてもらえるよう対策を進めていきたいとの答弁がありました。
これまで県警察では不祥事案防止のため様々な対策を講じてきたものと伺っておりますが、実情として県警察の不祥事案は止まらない状況にあります。不祥事案について個々の事案を単に個人の資質の問題と片づけてはいないか、個々の職員の身上把握や組織的な管理体制に落ち度はなかったのかなど多角的な検証の下に今後どのように効果的な対策が講じられていくのか気にかかるところであります。これまで以上に実効性のある不祥事案防止対策を強く推進することにより県民の県警察への信頼回復に努めていただきたいと思います。
そこで、不祥事案の根絶を期して県警察の不祥事案防止対策に向けた取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 加畑議員にお答えをいたします。
私の政治姿勢についてのうち、財政悪化の要因と今後の改善策についてであります。
私の県政に関する基本姿勢は経営感覚を持ち将来世代に対して責任を負うであります。中長期の見通しに基づき財務について不断の見直しを行い未来の投資の財源を確保していくことは県政運営の基本であり、現在取り組んでいる財政健全化はその観点から行っているものであることをまずは申し上げます。
その上で、財政悪化の要因でありますが、平成二十一年度から二十八年度にかけては財源捻出努力を重ねていたことは事実であり、平成二十八年度時点での財政指標はストック指標である将来負担比率が過去の大型事業が影響し全国三十八位であったものの、フローの財政指標である実質公債費比率は二十七位で全国中位でありました。しかしながら平成二十九年度以降富士山世界遺産センターなど公共施設の新設が相次ぐとともに、県単独の建設事業費や企業立地補助金などの単独事業費の増加、静岡社会健康医学大学院大学の新設などが続き社会保障関係経費も年平均六十億円程度増加する中で歳出規模は拡大傾向が顕著となりました。
その一方で、歳入歳出のギャップを埋める不断の取組が十分になされてきたとは言い難く、結果として赤字地方債の発行や税収上振れ分の活用により財源不足を解消する、いわゆる自転車操業状態が常態化したものと評価をしております。財政指標についても年々悪化し令和六年度時点で将来負担比率は四十一位、実質公債費比率は四十二位に転落をいたしました。
このような要因分析に基づく今後の改善策でありますが、まずは来年度当初予算に向けて財務の見直しを徹底した上で中長期の計画に基づき歳入歳出を管理し、まずは赤字地方債に頼る財政運営から早期に脱却することが基本であります。
そのため、今年度は歳出総額の適正化のためにサマーレビューを実施し全ての事務事業の成果、効果の再検証と事業の見直しを徹底したほか、来年度当初予算の編成過程においては社会保障関係経費、災害復旧費、こども医療費などは所要額を計上する一方で政策経費をさらに見直すとともに、建設事業、補助事業については予算編成過程で調整を行うなど歳入歳出のミスマッチ解消に取り組んでまいります。
そして、中長期的な財政運営のため歳出の二割を占める人件費について人口減少社会に対応し職員定数の適正化を図る定員適正化計画、県財政の健全性と未来に向けた必要な投資を確保するために歳入歳出の推移を管理する中期財政計画の工程表を今年度末までに作成し公表してまいります。
歳出適正化の取組とともに、歳入確保のための成長戦略も重要であります。スタートアップの誘致、育成、第二創業や中堅企業の規模拡大、ライドシェア、次世代モビリティーなどの新サービスの創出などの産業振興のほか国の国土強靱化や総合経済対策などに呼応した事業の積極的な実施など本県の未来を育む投資にめり張りを利かせて取り組むことで本県の成長実現と税源涵養を図ってまいります。
次に、定員適正化計画の方向性についてであります。
人口減少、少子高齢化社会において行政サービスやその提供体制の変革が求められる中、常に無駄のない効率的で効果的な行政運営を行うことが必要であります。さらに本県の厳しい財政状況を考えれば財政健全化の取組における人件費の見直しも不可欠であり、職員数の適正化について計画的に取り組む必要があると認識をしております。
今年度開催した行政経営戦略会議においても人口減少社会における行政運営の在り方について御議論頂き、業務の見直しやデジタル技術の活用等により行政の生産性向上を図り中長期を見据えた職員数の適正化を行うべきとの御提言を頂いたところであります。
こうした状況を踏まえ現在検討中の定員適正化計画においては中長期的に職員数の減少が見込まれることを前提としつつ、職員のワーク・ライフ・バランスや社会環境の変化等を考慮しながら教育委員会を含めた二〇四〇年までの職員数を見通し人口減少社会に適応していく方策をお示ししたいと考えております。
具体的には短期的な取組としてAI等の活用により効率化が可能な業務を洗い出し業務プロセスの徹底的な見直しを行ってまいります。
中長期的には本庁や出先機関の見直し等による組織体制の再構築やコンセッションをはじめとする民間活力の導入を進めるなど様々な視点からの方策を盛り込んでまいります。
人口減少社会にあっても複雑化、多様化する行政課題に機動的に対応し県民の皆様に適切な行政サービスを安定的に提供できるよう持続可能な行財政運営に努めてまいります。
次に、新県立中央図書館整備に係る見直しの考え方についてであります。
県立中央図書館は開館から百年を迎えこれまで多くの県民の学びのニーズに応えるなど本県の発展を支えてきた知の拠点として欠くことのできない社会インフラであります。厳しい財政状況の中ではありますが、築五十六年となる現図書館の老朽化への対応や将来の静岡県の発展のためには必要な投資と考え機能や整備手法などを見直した上で整備を進めることといたしました。
今回、プロジェクトチームで取りまとめた見直しの方向性は今後の新図書館整備に当たっての基本的な考え方を示すものであります。
検討に当たっては、東静岡地区への整備、静岡市と進めてきたまちづくりの方向性の尊重、県の財政負担の軽減という三つを前提に図書館機能の見直しと最適な事手法、東静岡のまちづくりの二つの視点で方向性を整理いたしました。
まず、図書館機能の見直しについては、これまでの計画の基本コンセプトを踏まえつつ機能性や経済性を重視しサービス水準と費用対効果に優れた施設を目指してまいります。
具体的には県民の皆様が場所や時間を問わず利用できるよう電子書籍やオンラインサービスなどのデジタル技術を積極的に導入いたします。また県立図書館の役割を市町立図書の補完、支援と位置づけ、市町立図書館では収集が難しい専門書等の収蔵や指導助言、職員研修などに重点化するとともに、限られた資源を有効に活用するため各図書館の蔵書を相互利用する機能を強化してまいります。
さらに、将来の技術革新などを見込み収蔵能力を現計画の二百万冊から百五十万冊程度を上限に見直すほか、その保管方法についても閲覧等の頻度が低い蔵書の分散保管も含め利便性と保管コストを比較しながら最適な手法を検討してまいります。
次に、最適な事業手法、東静岡のまちづくりについては静岡市とのまちづくりの一体性を基本といたします。東静岡地区のポテンシャルや民間の柔軟な発想を生かすため現計画地の西側部分を含めた県有地約二・四ヘクタールを一体的に活用するとともに、PFI方式などの最適な事業手法を検討することで民間投資を促し県の財政負担の軽減を目指してまいります。
今後県議会をはじめ県民の皆様の御意見を踏まえながら今回の見直しの方向性に沿って具体的な図書館機能や整備手法などを決定し、令和十年代中頃から後半を目途にできる限り早い開館を目指してまいります。
次に、保育の質の向上に向けた保育士の配置の充実についてであります。
質の高い保育を提供するためには、保育士がゆとりを持てる体制の下で従事できることが重要であり、特に乳幼児については保育士が一人一人の児童に細心の注意を払い安全面においても十分配慮できる環境を整えることが必要であります。
このため県では、県単独助成として二歳児までの乳幼児保育において保育士の手厚い配置を行う民間保育所等に対し市町と連携して支援を行うとともに、国に対しては保育士配置基準の改善を要望してまいりました。
こうした中、国では配置基準の改善には至らなかったものの、今年度から一歳児保育の配置基準である六対一を上回る五対一の保育士を配置しICTの導入や研修受講等の要件を満たす施設に対して公定価格に加算措置を設けるところであります。
これを踏まえ本県では国の加算措置を活用し来年度から一歳児について五対一以上の職員配置が県全体の標準となるよう取組を進めてまいります。
具体的には、これまで六対一以上としてきた県単独助成の支援対象を段階的に見直し五対一以上の配置を満たす施設に重点化することで移行を促してまいります。また配置に必要な保育士を確保するためには保育士の処遇改善も不可欠であるため近年の人件費上昇に見合うよう助成単価を引き上げてまいります。あわせて施設が国の加算要件を満たすようにICTの導入支援や保育の質の向上のための研修の実施などの支援も充実してまいります。
県といたしましては、安全で質の高い保育の提供体制を整備することで本県の未来を担う子供たちの健やかな成長を支えてまいります。
次に、伊豆半島へのクルーズ船誘致に向けた戦略についてであります。
昨年の全国のクルーズ船寄港回数がコロナ禍を経て二〇一七年のピーク時と同水準まで回復する状況の中、県内においては本年の寄港回数はコロナ前の二・四倍となる過去最高の百八回を予定しております。伊豆半島につきましては、長年の誘致活動が実を結び過去に実績のある熱海港や伊東港、下田港に加え本年八月には松崎港への待望の初寄港が実現をいたしました。また来年も熱海港に「にっぽん丸」、松崎港に二年連続で「飛鳥U」の寄港などが決定しており、さらなる増加が期待されているところであります。
世界のクルーズ船の動向を見ますとスーパーヨットと称される小型でラグジュアリーな船が増加をしており、国内の船会社においても二〇二七年から富裕層をターゲットにしたヨットスタイルの船を運航する予定と伺っております。今後はこれらの船が接岸可能な小さな港への注目度が一段と高まっていくものと考えられます。
県では、このような状況を絶好の機会と捉え地域ごとに特色ある港が点在し高いポテンシャルを有する伊豆半島において誘致活動を強化することといたしました。具体的には市町や関係者などと連携し食文化や自然環境等の魅力ある地域資源を富裕層向けの誘客コンテンツに磨き上げるとともに、船会社や旅行会社のキーパーソンを招聘するなど寄港数の増加に向け積極的に取り組んでまいります。
県といたしましては、美しい伊豆半島の津々浦々へクルーズ船のお客様をお迎えし地域住民との交流や様々な歴史ある文化の体験を通して来訪される方々の満足度を高めるとともに、地域の振興と経済効果の最大化につながるよう受入れ体制の充実や魅力の向上に努めてまいります。
なお、その他の御質問につきましては副知事、関係部局長、教育長及び警察本部長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 塚本副知事。
○副知事(塚本秀綱君) 知事の政治姿勢についてのうち、台風第十五号による被害への対応についてお答えいたします。
市町や被災者への支援につきましては、発災直後の九月五日から十一月二十八日まで牧之原市と吉田町に職員を派遣し支援ニーズの把握や市町の本部運営等に助言を行うとともに、住家被害認定調査や住まいの応急修理の受付業務等を支援するため県内他の市町の応援を得て延べ千五百七十八人の職員を派遣いたしました。
また、九月十七日から十月十日まで福祉専門職から成る災害派遣福祉チームDWATを延べ百九十六人、被災した千五百十世帯へ派遣したほか九月二十二日から十月十七日まで看護師等から成るメンタルヘルスケアチーム延べ三十七人を派遣し応援市町と連携して被災者お一人お一人に寄り添った支援を行ってまいりました。
さらに、被災された方々の生活やなりわい支援に向け応急的な住まいの提供や被災農業者支援等に係る九月補正予算を編成するとともに、本議会において中小企業の再建等に必要な経費についてお諮りしているところでございます。
引き続き人的、財政的両面から被災市町を支援していくとともに、被災された方々の一日も早い生活再建に取り組んでまいります。
災害対応の在り方に関する有識者検討会につきましては、外部有識者三人で構成し去る十一月二十五日に第一回検討会を開催いたしました。検討会では危機管理くらし環境委員会から申入れがありました情報共有等に関する課題とともに、被災状況の把握や市町、被災者への支援など今回の災害における初動期の対応全体について検証してまいります。来年二月上旬を目途に検証結果や改善策を取りまとめ本県の危機管理体制に反映させてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 平木副知事。
○副知事(平木 省君) 今後の県債発行の在り方につきましてお答えをいたします。
県債には、大きく分類いたしまして赤字地方債である資金手当債、建設事業に充てる建設事業債及び交付税の代替とされる臨時財政対策債などがございます。このうち資金手当債につきましては、当該年度の財源不足を補うために発行する県債でございまして、将来世代に何ら受益がないものでありますので令和十年度までの改革強化期間内に発行をゼロとすることを基本目標としてまいります。
次に、建設事業債でございますが、長期にわたり使用されるインフラにつきまして複数世代で費用を分担するべく発行する起債でございます。今般国においては積極財政の一環として国土強靱化が掲げられておりまして、これに関連して交付税措置のある有利な起債の発行を認められることとなりますので、本県といたしましても県内における危機管理投資の推進及び本県の財政負担の軽減の双方の観点から国の補正予算には積極的に対応してまいります。
一方で、建設事業債を活用する事業には相応の一般財源及び長期の維持管理費用が必要となります。また今後金利上昇局面となることが想定されることも踏まえれば県債残高の規模を一定の水準で管理していくことは重要であると考えております。
御指摘の中期財政計画の目標達成につきましては、県土強靱化や維持管理、老朽化対策など必要な増加要因を織り込みつつ県有施設のファシリティマネジメントの推進、効率的な施設管理、民間活力の導入などのほか県債管理基金を活用した借換え抑制、こちらを検討するなど今年度中に作成、公表いたします中期財政計画の工程表の中でその道筋を示してまいります。
なお、金利負担軽減の必要性は臨時財政対策債についても同様でありますので、建設事業債をはじめとする通常債とともに、臨時財政対策債も合わせた県債残高の総額をも意識しつつ県債管理を行っていくことが必要ではないかと考えております。以上であります。
○副議長(中田次城君) 縣くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(縣 茂樹君) 次期耐震改修促進計画の策定についてお答えいたします。
まず、第三期計画の取組の成果と評価でありますが、本県は大地震から伊豆半島にお住まいの皆様をはじめ県民の皆様の命を守るために多様な手法を通じて耐震化の推進に一層力を入れてまいりました。その結果令和三年度から本年十月末までの木造住宅の耐震補強件数は約四千百件、住宅の耐震化率は平成三十年の八九・三%から令和五年には九二・八%へと向上し全国平均の約九〇%を上回るなど着実に進捗しており、現行計画に掲げた令和七年度末までに住宅の耐震化率を九五%とする目標は今年度末までに達成する見込みであります。
一方で、賀茂地域など高齢化率の高い地域におきましては、耐震化率が七〇%前後と耐震化が遅れており、従来の耐震化に加え高齢者が費用負担面でより取り組みやすい暫定的、緊急的な減災化の取組に対する補助制度や融資制度などの整備が必要であると認識をしております。
次に、次期計画の方向性でありますが、これまでの進捗と評価を踏まえ事業名をプロジェクト「TOUKAI―0+」に改め、住宅の耐震化は国より五年早く令和十二年度末までに耐震性の不十分な住宅をおおむね解消することを目標に掲げるとともに、耐震補強に消極的な方々に寄り添い耐震化と減災化の取組を両輪で進めることとし年度内に策定をしてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 山田企画部長。
○企画部長(山田琢也君) 二地域居住の推進に向けた市町への支援についてお答えをいたします。
本県は都市と地方の魅力を享受できる二地域居住の適地であり、中でも首都圏に隣接する伊豆地域は日本有数の温泉観光地としての魅力も相まって都市部の関心層に働きかけやすいポテンシャルを有しております。
昨年度実施した本県への移住希望の調査においても東部・伊豆地域が約六割を占めております。こうした強みを最大限に生かすため東部・伊豆地域を重点エリアとする二地域居住の方向性などを盛り込んだ県計画を新たに策定いたしました。人口減少が進む中、二地域居住を積極的に推進し新しい暮らし方によるウェルビーイングの向上を目指す方針であります。
二地域居住の推進に当たっては、まず県が賀茂地域をモデルとして市町長に対し二地域居住の制度や意義などを直接説明したほか、移動負担の軽減や空き家の利活用などの共通課題の解決策を検討しております。また松崎町や東伊豆町では町民に対するニーズ調査や二地域居住体験ツアーの開催などを支援することで取組が進んでおります。
さらに、三島市、長泉町、焼津市、森町など県内各地で二地域居住の取組が展開されており、御指摘の地域住民、関係団体や民間企業との連携も深めつつ市町と一体となって人口減少対策にもつながる二地域居住を積極的に推進してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 都築スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(都築直哉君) 日本人の国内旅行需要の取り込みについてお答えいたします。
昨年度県が実施した実態調査では、本県への旅行が二回目以上の旅行者は全体の七割程度であり引上げの余地があります。さらなるリピーターの獲得に向けて多彩な地域資源を活用した特別な体験の提供のほか旅行者ニーズに合わせたきめ細かな情報提供やおもてなしの向上等により旅行者の満足度を高めていくことが重要であります。
本県の新たな地域資源として活用が進むゆるキャン、エヴァンゲリオン等のアニメや映画の舞台を巡る聖地巡礼に代表される推し活はリピート率や消費需要が高く確かな手応えを感じております。今後は次期観光基本計画の重点戦略に位置づけ推し活と伊豆の温泉を組み合わせるなど需要のさらなる拡大に向けた取組を一層強化してまいります。
また、潜在需要が大きい高齢者等の誘客は旅先での移動、宿泊施設等の安全性などに係る情報発信が決め手となります。本年度から伊豆半島の二市をユニバーサルツーリズムのモデル地域に選定しマップの作成、移動手配サービスの提供等に取り組んでおり、今後全県に展開することで高齢者等の来訪促進と再訪意欲の向上を目指してまいります。
引き続き旅行消費のさらなる拡大に向けて市町や観光関係団体等と一体となって日本人リピーターのさらなる獲得や新たな旅行需要の開拓に向けた取組を推進し、国内旅行需要の喚起を図ってまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 青山健康福祉部長。
○健康福祉部長(青山秀徳君) 賀茂地域における介護人材の確保に向けた取組についてお答えいたします。
多様な分野の担い手のさらなる減少が見込まれる賀茂地域において介護人材を確保するためには業種の垣根を越えて地域外からの移住者、二地域居住者等の取込みや介護未経験者を活用することが不可欠であります。このため業種横断型の移住者等の取込みを図る特定地域づくり事業協同組合の設立を目指しNPO法人伊豆下田共創プラットフォームに今年度から過疎地域等政策支援員を配置し市町と連携して現状・課題の把握、制度の普及啓発に取り組んでおります。また地元で起業した有料職業紹介事業所と連携し清掃、洗濯、食事配膳など専門性を必要としない介護周辺業務の切り出しを行い、移住者等を含め短期または短期間の就業を希望するいわゆるスポットワーカーを募集して介護事業所等とのマッチングを行うモデル事業を実施しているところです。
県といたしましては、賀茂地域における介護人材の確保に向けてこの二つの取組を一体的に推進し令和八年度以降行政、社会福祉法人、NPO法人など地域の関係者の連携による自律的かつ持続可能な人材確保の仕組みが構築されるよう伴走支援に取り組んでまいります。
次に、分娩の空白地域における妊娠や出産に関する支援についてであります。
少子化の影響などにより経営面から分娩取扱いが困難となっており、県内の分娩を取り扱う診療所は平成二十七年度に四十六施設あったものが本年四月時点で三十施設と三分の二以下に減少しております。そのため今年度九月補正予算による診療所の承継や開業の支援事業では産科を優先的に支援することといたしましたが、少子化の進展により分娩施設の集約化は避けられないため妊婦の移動支援、医療機関間や市町間の連携などの体制を整えることが必要であります。
このため、妊婦の分娩や健診時の移動に要する交通費や宿泊費を支援する市町への助成を昨年度から始めたほか、中東遠圏域では今年一月から妊婦の救急搬送に係る輪番制を開始するなど医療機関間の連携強化を図ってきました。
賀茂圏域についてはプロジェクトチームを設置し将来的な母子保健事業の在り方を含め対応策の検討を進めており、まずは今年四月から五市町において消防本部と連携し分娩施設への救急車での搬送が始まったところであります。
引き続き地域の実情に応じた体制づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 浅井農林水産統括部長。
○農林水産統括部長(浅井弘喜君) 今後の森の力再生事業についてお答えいたします。
今後の森の力再生事業の在り方につきまして、県民の皆様から御意見を伺うために本年度実施したタウンミーティング等では荒廃森林の再生は県が引き続き取り組むべきとの御意見を多数頂くとともに、豪雨時の流木被害を懸念するなどの声が寄せられました。このため次期事業につきましては新たに荒廃が確認された人工林を整備するとともに、災害防止の観点から流木の発生源となり得る渓流沿いの森林の整備にも取り組むことといたしました。
また、議員御指摘の放置された広葉樹林や竹林につきましては公益性、困難性、緊急性があり県民生活に広範な影響を及ぼす箇所を重点的に整備してまいります。
広大な森林の整備の進め方につきましては、これまでも県は森の力再生事業によりその恩恵が広域に及ぶ森林整備、市町は森林環境譲与税事業により地域の実情に応じた森林整備と役割分担を明確にした上で連携協力して取り組んできたところであり、今後も地域協議会において事業対象区域や重点箇所などを共有し連携を深めてまいります。
県といたしましては、流域や地域の課題を市町と共有した上で森の力再生事業と森林環境譲与税事業を適切に組み合わせ県内全域の森林整備を効果的に進めてまいります。
次に、県内における磯焼け対策についてであります。
磯焼けにより失われた藻場の回復に向けては、その消失の要因が異なることから地域の特性に応じて的確に対応していく必要があります。
これまで黒潮大蛇行により高水温化する伊豆地域では、地域に自生する海藻で高水温に強いアントクメに関する研究を行ってまいりました。その結果アワビの餌として有用であることとともに、繁殖適地の条件についても解明しました。また過去に食害魚により壊滅的被害を受けた榛南地域ではカジメやサガラメの種苗の大量移植と食害魚の駆除を行った結果新たな改善点が明らかとなりました。
これらの成果を生かし今年度からの新たな取組として、伊豆地域におきましては繁殖適地である東岸、西岸の各一か所に集中してアントクメを移植し再生の足がかりとなる核藻場を造成してまいります。また榛南地域におきましては従来より大型のカジメやサガラメの種苗を海藻に模した資材と一緒に移植することで食害の影響を受けにくくする手法を実施してまいります。
県といたしましては、海洋環境の変化に対応した磯焼け対策を進め本県の豊かな水産資源の保全、回復に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 伊豆半島の道路網整備についてお答えいたします。
本年六月に閣議決定された国土強靱化実施中期計画には半島防災、強靱化の推進が示されており、県では現在策定を進めている次期総合計画において伊豆半島における防災の推進を重点取組に位置づけ伊豆縦貫自動車道とアクセス道路の整備を進めてまいります。
伊豆縦貫自動車道のうち河津下田道路U期区間の残る三・八キロメートルにつきましては、本年二月に着工した北側のトンネルが来年三月までに概成する見込みであり、引き続き残る工事が進められる予定であります。河津下田道T期区間五・七キロメートルは用地取得率が約七割に達しており下田市内の一部で先行して工事が進められております。天城峠道路では地質調査や道路設計が行われており今後も必要な調査が実施される予定であります。
また、アクセス道路となる国道、県道のうち国道四百十四号静浦バイパスにつきましては、現在U工期工区四・四キロメートル全線にわたり調査設計を実施しております。県道河津下田線では下田市と河津町の双方から未開通区間二・四キロメートルの工事を進めております。引き続き国の予算も積極的に活用しアクセス道路の整備を加速してまいります。
県といたしましては、関係市町と一体となって伊豆縦貫自動車道の一日も早い全線開通を国に働きかけていくとともに、アクセス道路の整備を推進し伊豆半島の道路ネットワークの強靱化に努めてまいります。
次に、三遠地域の核となる浜松湖西豊橋道路の早期実現についてであります。
本県は、本年一月に関係市町村や経済団体等で構成される浜松湖西豊橋道路建設促進期成同盟会に愛知県と共に加入しこれまで国に対して本道路の必要性を示し早期の事業化を働きかけてまいりました。
本道路は完成までに多大な費用と相当の事業期間が見込まれることから、国に対し有料道路制度の活用により財源を確保し早期に整備することを提案いたしました。これを受け本年九月に開催した中部地方幹線道路協議会において国が有料道路制度の活用を想定して検討を進めることを関係者間で確認したところであります。
県では、都市計画決定に向けて先月の住民説明会での意見を踏まえ関係市と共に原案の作成に取り組んでいるところであります。また環境影響評価につきましても、方法書等に基づく調査、予測、評価及び環境保全措置の検討を行い準備書の作成に着手しております。
県といたしましては、引き続き愛知県、浜松市、湖西市などと連携し三遠地域の道路ネットワークの骨格として地域の発展を支える浜松湖西豊橋道路の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 公立高等学校入学者選抜に係るデジタル化についてお答えいたします。
入学者選抜制度につきましては、時代に即したものとなるよう随時見直しを進めており、デジタル化についても令和六年度から七年度にかけて袋井市教育委員会管内の志願者を対象に県の電子申請サービスを活用した願書作成及び入学検定料の電子納入を試行いたしました。
県証紙購入の煩わしさの解消等、志願者の負担軽減につながったとの評価を得ましたが、一方システム上の制約から中学校が作成する調査書と志願者情報とのデータが連携できないなど課題も明らかとなりました。
このため、今年度はデジタル庁の実証事業を活用し志願者による願書作成から合格発表後の入学手続まで一連の過程をオンライン上で完結させるウェブシステムの構築を進めており、七市の教育委員会管内にある中学校等の志願者を対象に試行と検証を行っております。この成果と課題を踏まえ受検生や保護者、学校関係者等の意見を幅広く聴取し令和八年度中に実施する令和九年度入学者選抜からの全県導入を目指してまいります。
また、デジタル機器を活用した高校入試制度改善について国は複数の志願先高校へ出願できるデジタル併願制を検討しております。現在の入試制度を根本から再構築するものであり実現すれば生徒がより主体的に志望校を選べるようになる一方、高校の序列化、進学後の学習意欲への影響などの課題も想定されており、国の動向を注視しつつ本県としての方向性を検討してまいります。
県教育委員会といたしましては、入学者選抜手続のデジタル化も含め入学者選抜制度の在り方を時代の変化に応じて柔軟に見直し入学者選抜に係る生徒、保護者及び学校の負担の軽減や引き続き生徒が安心して挑むことができる選抜制度の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 久田警察本部長。
○警察本部長(久田 誠君) 県警察の不祥事案防止対策についてお答えいたします。
不祥事案の再発防止に組織一丸となり取り組む中、逮捕事案が相次いで発生し御心配と御迷惑をおかけすることとなったことに対しまして、県議会の皆様はもとより県民の皆様に深くおわび申し上げます。
このような危機的状況を踏まえ、県警察職員に対し綱紀粛正を図るべく警察本部各部ごとの検討会や各地域ごとに小集団の署長検討会を緊急で開催して危機意識の共有と県民からの信頼回復に向けた取組をより一層強化するよう指示し、組織全体の規律の引締めを図っているところであります。また公安委員会においても過日非違事案防止検討会を開催し、全職員が警察活動は県民の信頼の上に成り立っていることを再認識して誇りと使命感を持って県民に奉仕するという精神に立ち返らせる取組を推進しているところであります。
さらに、部長級幹部職員が各署や本部所属へ赴き不祥事案をテーマとした座談会を通じこれまでの不祥事案を署員へ情報共有するとともに、職員自らの考えを発表させ我が事として考え職責を自覚させる取組や、不祥事案の原因として性やアルコール等の依存症が関わるケースもあることから公認心理士による講演会を通じ依存症の知識や理解を深め職員の身上把握や指導に生かせる取組により多角的な対策を推進しております。
県警察としましては、県警察の運営指針である県民の期待と信頼に応える警察を体現できるよう真に実効が上がる不祥事案防止対策を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 加畑 毅議員。
(十番 加畑 毅君登壇)
○十番(加畑 毅君) それぞれに答弁ありがとうございました。
要望が一つ、再質問が一点ございます。
まず要望です。今後の森の力再生事業の件についてです。
各地で開催したタウンミーティング、これは事業継続を前提とした意見の場になったと私は印象を持っております。私も参加しましたんでぜひ続けてくださいという意見が多かったと、そういうふうに思っております。その内容は現実的な困り事をカバーしてほしいという話でありまして使いやすい内容にしてほしいということが多かったと、そんな感触がありました。
解決事例が増えたというふうに言われるように森林環境譲与税と事業を組み合わせて事業の成果を出していただきたいと考えます。
市町のほうとの組合せということで去年の十二月二十四日に勉強会も開きました。そのときに市町からの関係の方々、多かったんですね。思いのほか多くて賀茂の地域に対してもすごく多かったんです。使い方がまだ分かってないというところが多くてですね、金額が少ないんでどう組み合わせたらいいか分からないというところがあって、県のほうと組み合わせながら山全体を整備していきたいというような意見が多かったんで、ぜひともその辺も県のほうから投げかけてあげていただきたいと思いますんでよろしくお願いします。
それから再質問が一つです。知事の政治姿勢の中でですね、財政悪化の要因と今後の改善策についてということですけども、事務事業の見直し、これを徹底しますということで述べられておりましたけども、どの事業をどのように見直すのかということですね。県民の関心というのは自分たちの生活にどう影響するのか、どう支障が出るのか、そこに尽きると思うんですね。ですから具体的な例を示していただきたいと思います。
今回知事が提出、提案されています特別職などの給与削減、これは県の幹部の方々が身を切る改革として取り組む狙い、これは理解できなくはないですけども、その効果は数千億円と聞いております。数千万円です、ごめんなさい。数千億円だったら十分ですけどもね。数千万円です。六百四十億円の財源不足が補え切れるものではないというふうに思いますんでこれパフォーマンスと見られてしまうんじゃないかなという心配がございます。
今回の答弁にはありましたけども、過去の大型事業とか公共施設の新設などが財政悪化の要因となっているんだとするならば、求められる改善策というのは前川勝県政からの継続している大型プロジェクトなどの必要性とか費用対効果、その検証で優先順位をつけていくことであって給与削減というところにいくんじゃないんじゃないかなというふうには思います。それからグランシップとかエコパとか収益性を上げていく取組、これも必要だと思います。
以上の内容を踏まえまして、県政健全化に向けた事業見直しの内容をいつ、どのように明らかにしていくのか考えを伺います。
○副議長(中田次城君) 山田財務部長。
○財務部長(山田勝彦君) 再質問にお答えいたします。
現在、見直しの内容につきましては、各部局におきまして関係先との調整等を行っている段階であり、調整の整いつつあるもの、これから調整するもの等様々でございます。県議会各会派、議員の先生方には今月の下旬に予算の提出状況ということで、そして年を改めまして来月の下旬にはですね、予算の調整状況という形で御説明をしております。その中で全体予算はもちろんのこと各見直しの事業につきましてもお示しをさせていただき、そういったものについても御審議を頂くように調整してまいりたいと思います。以上でございます。
○副議長(中田次城君) 加畑議員。
(十番 加畑 毅君登壇)
○十番(加畑 毅君) 再質問に対しての御答弁ありがとうございました。最後に意見を言わせてもらいまして終了したいと思います。
国におきましては、新高市内閣、新政権の下責任ある積極財政への転換が明確に挙げられています。今国の中ですごく国民に対して人気がある政権が発足したと思いまして、国中が高揚感に包まれている感じがあります。そんな中でですね、なるべく財政を縮小していこうというような流れがありますと、もしかしたら静岡県だけがその流れの中で取り残されていくんじゃないだろうか、ほかの県にはお金が流れていくのにうちの県には入ってこないんじゃないか、そんな心配が県民の頭の中をよぎっているんじゃないかなという心配がございます。
ですから、そのようなことがないように鈴木知事のかじ取りを期待しまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで加畑毅議員の質問は終わりました。
議事の都合により休憩いたします。
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