本会議会議録


質問文書

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令和7年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岩田 徹也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2025

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 障がい者の就労支援と職場定着支援について
2 製造業・ものづくり産業における人材育成について
3 地域医療の確保と診療所の偏在是正に向けた取組について
4 低濃度PCB廃棄物の処理促進について
5 狩野川東部流域下水道における豪雨時の排水不良対策について
6 交番の集約化と地域治安の確保について


○副議長(中田次城君) 次に、十一番 岩田徹也議員。
       (十一番 岩田徹也君登壇 拍手)
○十一番(岩田徹也君) 一言申し上げます。
 私は、今年六月議会で議会人として基本を欠く行為がございました。登壇を終えた後、議員の皆様から温かな御指導を頂きましたが、お一人だけ厳しい言葉で真っ向から叱ってくださった方がおりました。その言葉を通じて、県政を担う責任とまちの代表としての重さを改めて教えていただきました。この機会に感謝し、初心に立ち返って本日の質問に臨みます。
 私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い当面する県政の諸課題について知事、副知事及び関係部局長並び警察本部長に一括質問方式にて伺います。
 初めに、障害者の就労支援と職場定着支援について伺います。
 県内における障害者の雇用は増加傾向にあり、企業の理解や雇用機会も広がりつつあります。しかし就職後の職場定着には依然として大きな課題があり、特に一般企業で働く精神障害者の離職率は高い水準にあります。
 厚生労働白書によれば、就職後一年時点の職場定着率は身体障害者六〇・八%、知的障害者六八・〇%に対し精神障害者は四九・三%にとどまり雇用の継続が難しい実態が示されています。こうした傾向は全国的にも共通しており、静岡県においても同様の課題が見られます。
 離職の背景には、職場の人間関係や労働条件の不満、仕事内容とのミスマッチ、体力や意欲の持続困難、症状の再発など多様な要因が存在します。これらは個人の問題にとどまらず職場環境や支援体制の在り方にも起因しており、単に就職の数を増やすだけではなく本人が活躍できる職場とのマッチングや働き続けられる環境づくりへ視点を移すことが求められています。
 また、ハローワークによるチーム支援や就労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センターなどが継続的に関与する場合どの障害種別でも定着率が向上し、特に精神障害者では支援がある場合に約二〇%高まるとされています。これらの結果は雇用後のフォローアップ体制の重要性を強く示すものです。
 静岡県でも、就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターなどが連携して支援を行っていますが地域によって支援体制に差があり、企業、支援機関、行政のネットワークをさらに充実させる必要があります。
 特に就職後に課題が生じた際に行政や支援機関が関与できる仕組みはあるものの、支援が個々の担当者や事業所の熱意に依存している現状も見られます。今後は雇用後のフォローアップ体制を強化するとともに、企業に対して採用時のマッチングの精度向上に加え障害特性に応じた理解促進や職場環境の改善、合理的配慮の実践支援、人材育成の取組など受入れ体制を体系的に整備することで誰もが安心して働き続けられる地域社会の実現を目指すべきと考えます。
 民間企業の法定雇用率は、令和八年七月に二・五%から二・七%へ引き上げられることが決まっています。障害者雇用は本県の企業にとって貴重な戦力を確保するだけではなく組織の成長や多様性をもたらし企業価値を高める重要な取組です。
 県内企業の方々からも、採用したいがフォローの仕組みが分からない、相談窓口につなぐ動線が見えないといった声をよく伺います。障害のある方が安心して力を発揮できる環境づくりは行政だけではなく企業、支援機関、地域が一体となって進めるべき重要課題であります。また働く本人だけではなく御家族の不安に寄り添う支援も欠かせません。
 そこで、障害者の就労と職場定着への支援について、県として今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、製造業・ものづくり産業における人材育成について伺います。
 静岡県は自動車をはじめとした輸送機器、電気、精密、食品など多様な製造業が集積し、県経済を支えてきました。しかし近年人口減少や若年層の製造業離れが進み、現場での人材確保と技能継承が大きな課題となっています。
 特に中小企業では熟練技能者の高齢化が進み、後継者や若手技能者の確保が難しい状況です。外国人労働者の活躍も重要ですが、地元の若者が技能を磨き、ものづくりを通して働く誇りや生きがいを感じながら定着していくことが地域産業の持続的発展に欠かせません。
 私自身も自動車整備業を経営してきた一人として、現場で働くことの価値と魅力を身をもって感じてきました。手を動かし工夫を重ねながら課題を解決する中で得られる達成感や仲間と共に成長していく喜びは何にも代え難いものです。勉強ができることも大切ですが、現場で技を磨き仲間と協力して課題を解決する力も同じように重要であり、社会の中で人の役に立つことこそが本当の誇りであり、ものづくりの原点であると考えます。
 県では、職業能力開発施設など技能研修や資格取得支援講座を行っていますが、制度が中小企業まで十分に浸透していない現状があります。国の人材開発支援助成金は企業が職務に関連する訓練を行う際に経費や賃金の一部を助成する制度であり、OJTとOFF―JTを組み合わせた実践的な教育を支援しています。県としてこうした制度をより多くの企業が活用できるよう丁寧な情報発信を一層強化することが求められます。
 さらに、県が実施する小学生職場体験講座など子供たちが地元企業の現場に触れる取組も将来の人材確保に直結する重要な施策です。教育機関と産業界、行政が一体となり地域全体で人材を育てる環境づくりを進めていく必要があります。
 製造業は県内の基幹産業であるにもかかわらず、多くの若者がものづくりの仕事を知らないまま進路を選んでいるという実態があります。現場を知る大人の立場として技術の奥深さや仕事の面白さをもっと伝えていく必要があります。学校教育の中でも地域企業と連携したキャリア教育の充実が強く求められています。
 そこで、県として若年層への製造業、ものづくり産業の魅力発信や職業教育との連携など人材育成について今後どのように進めていくのかを伺います。
 次に、地域医療の確保と診療所の偏在是正に向けた取組について伺います。
 静岡県では人口十万人当たりの医師数が全国平均を下回り、伊豆半島や東部地域では医師の地域偏在が深刻な状況にあります。近年診療所の閉院や後継者不在が相次ぎ身近なかかりつけ医が減少しており、地域医療の基盤を揺るがす課題となっています。全国の診療所医師の過半数が六十歳以上を占め、二〇四〇年には全国約一千七百市町村のうち約二百四十の市町村で診療所が存在しなくなると推計されています。軽症患者の受皿が減れば中核病院への患者集中や救急・入院医療の逼迫を招くおそれがあります。
 県は、厚生労働省が進める医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージに基づき令和七年度九月補正予算で総額三億五千百万円を計上しています。この事業では診療所部門や医師住宅の整備、医療機器の導入、運営費補助などを通じて医師確保が難しい地域での承継や新規開業を支援しています。特に半径二キロ以内に診療所が少ない地域や産科、小児科など地域に不可欠な診療所を対象に県全域を柔軟に支援区域とする運用が進められており、評価される取組と言えます。
 一方で、承継に当たってのマッチング支援など診療所の偏在是正の支援は取組が動き始めたばかりであり、今後は人材確保や経営支援の両面で行政がより継続的に関与することが求められます。
 診療所と在宅医療・介護の連携強化、さらにICTや遠隔診療を活用したネットワーク形成を通じて地域完結型の医療提供体制を支えていくことが重要です。
 そこで、後継者不足や廃業が見込まれる診療所の承継、開業支援をはじめ診療所の偏在是正に向け県として今後どのような体制を構築していくのかを伺います。
 次に、低濃度PCB廃棄物の処理促進について伺います。
 私は会社を営む中で、古い設備や倉庫を使い続ける中小事業者から環境に関する制度が分かりにくい、自分のところが対象なのか判断できないといった声をよく耳にしてきました。近年は環境負荷への関心が高まる一方で現場では対応の遅れや情報不足が目立っており、こうした課題を放置すれば地域全体の信頼にも関わる問題になると感じております。
 PCB  ポリ塩化ビフェニルは、昭和二十八年頃から電気機器の絶縁油や各種工業用熱媒体として広く利用されてきましたが、その有害性が判明したことから昭和四十七年に製造が中止され翌年以降に製造及び輸入が禁止されています。PCBを含む廃棄物は特別管理産業廃棄物に指定され、濃度によって高濃度と低濃度に区分されています。
 高濃度PCB廃棄物は、PCB濃度が一キログラム当たり五千ミリグラムを超える不燃性、また十万ミリグラムを超える可燃性の廃棄物を指し変圧器やコンデンサーなどが代表例です。
 これに対し、PCB濃度が一キログラム当たり〇・五ミリグラムを超え五千ミリグラム以下の不燃性または十万ミリグラム以下の可燃性の廃棄物は低濃度PCB廃棄物とされ、塗膜くずや感圧複写紙、古い電気設備などが該当します。この低濃度PCB廃棄物は令和九年三月三十一日までに保管事業者が適正に処理を完了しなければなりません。しかし実際にはPCBが含まれる可能性があるか分からない、濃度分析の費用が高く依頼しにくいといった声もあります。
 環境省では、助成制度を設けて中小企業や個人事業主の支援を進めていますが、制度を知らないまま期限を迎えてしまうおそれもあります。特に地方部では古い工場、倉庫をそのまま使用している事業者も多く、知らずに保管している事例も少なくないと思われます。
 県では、静岡県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画に基づき啓発を行っていますが、処分期限が迫る中、より効果的な周知や調査支援、費用負担への配慮など現場の実情に即した取組が求められております。
 廃棄物処理は専門的で複雑な分野であり、中小企業にとっては何から手をつければよいか分からないというのが実情です。期限までに確実に処理を進めるには制度の理解を深めてもらう取組が一層求められます。
 そこで、県として令和九年三月末までに県内の低濃度PCB廃棄物の適正処理を完了させるため今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、狩野川東部流域下水道における豪雨時の排水不良対策について伺います。
 狩野川東部流域下水道は、伊豆市、伊豆の国市、函南町の二市一町を処理区域とし県東部の生活基盤を支える重要なインフラです。近年集中豪雨の頻発により本来下水に流入すべきでない雨水が老朽化した管路などを通じて大量に流れ込み、浄化センターの処理能力を超える実態が発生しています。特に下流部である函南町では、豪雨時には下水の逆流が生じないようトイレや台所の使用を制限せざるを得ないなど住民生活に直結する影響が生じています。
 令和六年六月の豪雨では、一日に三百ミリ近い雨が降り宅内排水設備から逆流、マンホール自体の破損やマンホールからの下水の溢水による衛生被害が報告されました。この問題は流域全体の老朽化した管路への雨水浸入が根本要因ではありますが、関係する管路の多くは流域市町が管理しており、また区域全体の管路も長大であるため広域的な視点での対策が不可欠であり、昨年十月に私が行った一般質問では県から、国や流域市町と連携し雨天時浸入水対策計画の策定に向けた協議会を昨年七月に立ち上げたところであり流量計の追加設置による調査とその調査結果を踏まえた管路改築の優先度を見直していくとの答弁がありました。
 発足した狩野川流域下水道東部処理区雨天時浸入水対策協議会において、引き続き県と流域市町が連携して議論を進めていると聞いております。しかし私の地元では依然として大雨のたびに下水が逆流しないか心配、浄化センターへの流入制限により排水できないとの声もあり、住民生活に密接に関わるインフラとしてより迅速な対応が求められております。
 老朽化した管路を改築するなど、根本的対策には完了するまでに長時間を要するため、函南町では被害が発生している現状を踏まえ応急的な効果が期待される対策について検討を行いながら、あわせて抜本的な対策を計画的に進めることが重要だと考えます。
 近年の豪雨は従来の想定を超える規模となっており、住民の不安は年々高まっています。特に被害が繰り返されている地域など次の大雨でどうなるのかという心理的負担が大きく、県としても現場の感覚に寄り添った対策が求められています。応急処置と抜本対策を並行して進める姿勢が住民生活を守る上で極めて重要であります。
 そこで、狩野川東部流域下水道における豪雨時の排水不良対策について、現在実施している応急対策と協議会における検討状況及び今後の取組を伺います。
 最後に、交番の集約化と地域治安の確保について伺います。
 交番や駐在所は、地域の安心と安全を支える最後のとりでであり、住民の相談を受ける場所であると同時に地域を守り犯罪を未然に防ぐ現場の拠点です。かつては交番勤務の警察官が地域のお祭りや行事に参加し、住民と顔を合わせながら日常的に地域の様子を把握していた時代もあります。実際函南町では今もなお地域行事に警察官が個人の立場で参加し、住民との信頼関係を保っている地区もあります。
 一方で、近年事件事故件数や人口動態を背景に県内各地で交番、駐在所の統廃合が進められています。函南町においては今年の十月に交番が移転されましたが、もともと交番があった地区からは交番がそこにあること自体が安心につながっていた、いざというときに駆け込める場所が近くにあるという感覚が薄れたといった声が寄せられています。距離や機能面だけではなく日常的に見守られているという感覚が失われることへの不安であり、交番という存在が果たしてきた心理的役割の大きさを改めて実感するところです。
 先週五日には、勾留中の被疑者が県内東部地区の病院において入院中逃走する事案が発生し、周辺地域住民が不安を感じたことは間違いがありません。こうした事案からも明らかになるように治安に対する安心感は単なる統計や数字では測れず、地域の日常の中で見守られているという実感できる環境こそが不可欠です。
 重要なことは、統廃合を進めた後の治安維持機能が本当に確保されているのか、その効果や影響を県が責任を持って検証し必要に応じて見直す体制が整っているかどうかです。合理性を優先するあまり地域住民の安心感を犠牲にするような再編であってはなりません。
 かつてニューヨーク市では、ルドルフ・ジュリアーニ市長の下で割れ窓理論に基づく治安対策が進められ、まちの隅々にまで警察官が立ち犯罪の芽を摘むことで都市の安全を取り戻しました。この例が示すように治安を守る鍵は点ではなく面での警察活動にあります。
 県内においても、交番や警察官を増やし地域を面的にカバーする体制を再構築することが住民の安心と犯罪抑制の両立に不可欠です。日常の暮らしの中で見られている、守られていると感じることが犯罪抑制力として大きな役割を果たしてきました。地域の高齢者や子育て世帯からは交番がなくなることへの不満、不安の声を多く聞きます。地域コミュニティーと連携した新たな見守りの在り方も併せて検討すべき時期に来ています。
 そこで伺います。交番・駐在所の統廃合の後における初動対応力や犯罪抑止機能についてどのように検証しているのか、あわせて交番・駐在所の統廃合について地域住民の安心感をどのような位置づけとして捉えているのか、またどのように地域住民の不安を解消する補完・代替措置を講じていくのか、県警の考えを伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 岩田議員にお答えをいたします。
 障害者の就労支援と職場定着支援についてであります。
 生産年齢人口が減少する中、本県経済の持続的な発展に向けては女性や高齢者、外国人、障害のある方など多様な人材の活躍が不可欠であり、これら多様な人材の活躍を企業の成長につなげるダイバーシティー経営の普及促進を図っていく必要があります。
 このうち、障害のある方の就労については職場定着率の改善に向けて企業にジョブコーチを派遣するほか、企業内ジョブコーチの育成を通じて企業自らが職場定着支援を継続的に実施できる体制を構築してまいりました。また精神障害のある方を雇用している企業に職場環境アドバイザーを派遣し従業員向けの研修会や相談会を行うことで障害特性に対する理解促進を図っております。
 今年度はこうした取組に加え、仕事内容のミスマッチの解消を図るなど雇用前の段階から職場定着を図るための支援に重点的に取り組んでおります。
 具体的には、障害者活躍推進雇用サポーターがハローワークや障害者就業・生活支援センター、ジョブコーチ等と連携し、それぞれの専門的見地から障害のある方に適した職務の選定や受入れ体制の整備について助言を行うことでミスマッチを防止するとともに、雇用後も切れ目なく支援できる体制を整備しております。
 また来年一月には、障害福祉サービス事業所の利用者等を対象に職場体験会を開催し、障害のある方が自身が働く具体的なイメージをつかみ仕事への理解を深めるとともに、企業も障害特性や支援機関の役割などを学ぶ機会を提供する予定です。
 今後とも、障害のある方が生き生きとやりがいを持って働き続けることができるよう関係機関との連携の下、支援の充実を図り誰もが自分らしく輝ける社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 なお、その他の御質問につきましては関係部局長、警察本部長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 齊藤経済産業部長。
○経済産業部長(齊藤卓己君) 製造業、ものづくり産業における人材育成についてお答えいたします。
 本県経済を支える製造業への入職者数は減少傾向にあり、特に若年技能者の確保・育成と技能向上が課題となっております。このため県では技術革新に対応できる高度な技術と生産現場等で活用できる技能を兼ね備えた人材を育成するため令和三年度に県立工科短期大学校を開校し、これまで卒業生の約九割が県内製造業等の企業に就職し即戦力として活躍しております。
 また、県内の職業能力開発施設では産業界の多様なニーズを踏まえものづくりの基礎技能から最新のデジタル技術までを習得する訓練を実施しており、引き続きこうした取組の企業への周知に努めるとともに、ものづくり人材の技能向上を支援してまいります。
 あわせて、若い世代に製造業などの地元企業への理解を深めてもらうため今年度県内全域で職場体験講座を開催しました。企業約百五十社、小学生、保護者約三千百人が参加するなど一定の手応えを感じておりますが、今後は企業、教育機関等との連携をさらに強化し現場の意見を伺いながらより効果的な手法について検討してまいります。
 今後とも、製造業等の現場で必要となる技術・技能習得の促進を図るとともに、未来を担う子供たちへの製造業に親しむ機会を提供することによりものづくり県静岡を支える人材を育成してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 青山健康福祉部長。
○健康福祉部長(青山秀徳君) 地域医療の確保と診療所の偏在是正に向けた取組についてお答えいたします。
 昨年度、県医師会の協力を得て医科診療所の事業継続に関する調査を行ったところ、回答のあった診療所の過半数で後継者不在の状態にあり三割以上の診療所が閉院を視野に入れているという結果でした。また本県の診療所の医師は約四割が六十五歳以上であり、全国と同様に高齢化が進んでいることから、県民の皆様が将来身近な地域において必要な医療にアクセスすることが困難となるおそれがあります。
 そこで、県では本年度国の医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージを活用し、医師の確保が難しい地域における診療所の承継、開業に必要な施設や医療機器の整備等の支援事業に着手いたしました。しかし患者数が少ない地域の診療所は経営の面で本事業だけでは診療の継続、承継が難しいと見込まれるため、例えば拠点となる診療所からICTを活用した遠隔医療やドローンを利用した医薬品配送を行うなどの体制を構築していく必要があります。
 今後とも、国の補助制度などを活用し偏在是正に向けて必要な支援を行うとともに、さらなる支援が必要な地域の診療体制について各郡市医師会や市町等関係者の皆様と協議を進め高齢者人口がピークを迎える二〇四〇年に向けた体制の構築に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 縣くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(縣 茂樹君) 低濃度PCB廃棄物の処理促進についてお答えいたします。
 県は、令和五年度から六年度にかけて低濃度PCB電気機器の所有が疑われる事業者を対象に調査を実施し約百四十社の所有を確認し適正処理を促す一方、未調査や保管が疑われる事業者がなお存在し速やかな対象把握と期限内処理の徹底指導は喫緊の課題と認識をしております。
 現在実施している所有状況が判明していない事業者約千五百社への最終調査の結果、PCB含有やその疑いのある電気機器を所有していると判明した事業者に対しては調査から処理までの流れを示すリーフレットを郵送し周知をするとともに、必要に応じて現地調査を実施し調査手法や廃棄物処理契約等の手続の流れにつきまして実際の電気機器を確認しながら丁寧に説明をしてまいります。
 事業者の費用負担につきましては、本年四月から中小企業者等が実施する分析及び処理費用の二分の一を国が助成する制度が施行されております。県はこうした制度や処理期限等につきまして、ホームページ等各種媒体の活用や国や市町、解体工事に関わる業界団体等と連携をし周知の徹底を図ってまいります。
 県といたしましては、引き続き対象事業者を早期に把握するとともに、処理期限の周知や処理手続の丁寧な指導により低濃度PCB廃棄物の確実な処理を推進してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 狩野川東部流域下水道における豪雨時の排水不良対策についてお答えいたします。
 令和六年六月の豪雨以降、県及び流域市町では下水道の排水不良の応急対策としてマンホールの破損を防止する圧力開放型の蓋へ交換することや蓋の鍵穴から水の浸入を抑制するシール材の設置を進めております。これらの取組に加え処理場への過剰な流入を防ぐためマンホールに流量調整弁を設置することとし、今年度中に効果的な設置箇所を決定した上で来年度から具体的な設計に着手し順次工事を実施してまいります。
 また、管路の改築や宅内における誤接続の解消などの抜本的対策につきましては、県が実施した流量調査結果に基づき協議会において対策を優先的に実施する区域を整理いたしました。今年度は各下水道管理者が対象区域内の実態調査を進めているところであり、今後雨天時浸入水対策計画を策定した上で対策を進めてまいります。
 県といたしましては、引き続き国や流域市町と連携して豪雨時の排水不良対策を着実に推進し、流域にお住まいの方々の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 久田警察本部長。
○警察本部長(久田 誠君) 交番の集約化と地域治安の確保についてお答えいたします。
 県警察では、地域の安全・安心のよりどころとして交番・駐在所に寄せられる県民の期待の大きさを十分に認識し各種警察活動を実施しているところであります。他方複雑多様化する警察事象に適切に対応するため、警察力の集中化による執行力強化の必要性を踏まえ交番・駐在所の統廃合を含めた体制の見直しが必要であると考えております。
 交番・駐在所を統廃合した場合の初動対応力や犯罪抑止機能の検証についてでありますが、初動対応力につきましては事件事故発生時間帯や対応する警察官の体制のほか現場臨場までの状況を、犯罪抑止機能につきましては統廃合前後の治安情勢の比較分析等をそれぞれ行うとともに、地域住民の要望等を含め必要とされる対応をしているところであります。
 交番・駐在所の統廃合を進めるに当たっては、地域住民の安心感の確保を最優先に位置づけており、統廃合の必要性や統廃合後の補完措置について可能な限り早い時期から地域住民等に対し繰り返し丁寧な説明を行い意見や要望の把握に努めております。
 加えて、統廃合後の地域住民の不安を解消する補完・代替措置でありますが、地域警察部門だけではなく挙署一体となった重層的なパトロールや統廃合地域を中心に出張型の交番である移動交番活動を行うなど警察官の姿を最大限街頭に示し安心感の醸成に努めております。
 県警察といたしましては、今後も交番・駐在所統廃合後の検証と補完・代替措置を徹底することにより地域住民の安心感の醸成を図り各地域の治安の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 岩田徹也議員。
       (十一番 岩田徹也君登壇)
○十一番(岩田徹也君) 答弁頂きました。
 要望を一点、再質問を一点。
 要望ですが、製造業、ものづくり産業における人材育成について。
 私、自動車整備業を経営している中で自動車整備の専門学校の校長先生、経営されている校長先生とちょっとお話をしました。先ほどお話し頂きました小学生、中学生、こういった子供たちと触れ合う機会をつくることで学校の入学、入校者というんですかね、専門学校に入りたいという方たちが非常に顕著に増えたというお話がありました。ぜひこの辺、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、勤める先がメーカーの関連しているディーラーさんであったりというところにちょっと集中しがちのようでこの辺はやっぱり中小企業であったりとか小規模事業者というんでしょうか、そういった事業者にもしっかりこういった事業というか制度が届くように促しをしていただきたいなと思います。
 それでは、再質問を一点です。
 障害者就労支援と職場定着支援について再質問いたします。
 御説明は理解いたしました。しかし先ほども申し上げましたとおり就職後の課題発生時の支援が担当者の熱意に依存している現状があります。属人的ではなく仕組みとして支援を提供できる体制が必要です。
 そこで伺います。統一された支援モデルを制度として整備するお考えがあるのか、また整備を検討頂ける場合にはその期限を示していただきたいと思います。お願いします。
○副議長(中田次城君) 齊藤経済産業部長。
○経済産業部長(齊藤卓己君) 障害者の就労支援と職場定着支援についての再質問についてお答えをいたします。
 障害者のですね、就労支援、職場定着の支援につきましては雇用、福祉、教育等の関係機関と連携を取りながら進めているところでございます。
 そうした中におきまして、議員御指摘のとおりその支援内容がそれぞれの担当者の熱意だけに委ねられるということがないようにですね、我々としてもサポーターですとかジョブコーチ、こういった関係者についてはいろいろと研修会などを行いまして情報共有を図りながらその支援サービスの質の向上に努めているところでございます。
 一方で障害のある方、非常にですね、様々な対応がございますし、受入れ企業におきましてもいろんな規模とか業種がございます。ですので、こういった点も踏まえまして今御指摘のありました統一された支援モデル、こういったものの整備の可能性につきましてはまた関係者の間でですね、しっかりと意見を伺いながらできるだけ早急に速やかに検討していきたいと思います。以上であります。
○副議長(中田次城君) 岩田徹也議員。
       (十一番 岩田徹也君登壇)
○十一番(岩田徹也君) 最後に、障害者の就労支援と職場定着支援について要望を申し上げます。
 企業にとって、障害のある方を迎え入れ働き続けていく環境を整えることは負担や課題が伴う取組であることは間違いがありません。しかしその努力は企業自身の成長や組織力を高め結果として誰もが安心して働ける環境づくりにつながります。
 これまでの時代、そして今もなお効率と即戦力を追い求め、優秀とされる人材だけが活躍できる企業こそ強いとされてきました。大都市圏のように人材が自然と集まり選択肢が豊富な地域であればそうした発想だけでも企業は成長の余地があります。
 しかし私たち静岡県は事情が異なります。人口減少が進み人材が限られる地域だからこそ、一人一人の特性を理解し生かす力こそがこれからの地域を支える最も重要な経営資源になると考えます。
 障害のある子を育てる多くの親御さんは、子供が生まれたとき、そして育てていく過程で自分を責めたり将来への不安を抱えたりしています。将来自分がそばにいられなくなったときこの子は安心して生きていけるのか、その思いを日々胸に抱きながら暮らしています。だからこそ子供が数時間でも働ける場所があるというだけで親御さんはほっとできる時間を得ることができます。そしてその安心があるからこそ親御さんも働くことができ社会とつながり続けることができます。
 これは本人の自立の第一歩であると同時に家族全体の未来を支える希望になります。障害のある方もそうでない方も互いの特性を生かし合いながら支え合って生きていける社会をつくることが、静岡県の未来を強くする力になると確信しています。
 県には、現場の声に寄り添い属人的ではなく仕組みとして支援を担保する体制の整備を強く要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで岩田徹也議員の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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