本会議会議録


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令和7年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

菅沼 泰久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2025

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 戦略的な地域外交の展開について
2 PPP・PFIの推進について
3 次世代に向けたインフラDXの取組について
4 漁業者や漁協の経営への支援について
5 未来を切り拓く力を育む教育について
6 超老芸術の推進について


○副議長(中田次城君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二番 菅沼泰久議員。
       (二番 菅沼泰久君登壇 拍手)
○二番(菅沼泰久君) 私は、ふじのくに県民クラブ所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、戦略的な地域外交の展開について伺います。
 静岡県は、平成二十三年度から全国に先駆けて地域外交に取り組み、地方自治体として独自の国際交流を展開してきました。特に中国浙江省との友好提携を軸にモンゴル、台湾、タイなどアジア諸国と経済、教育、環境など多方面で交流を重ね信頼関係を深めています。こうした取組により本県は地方から外交を実践する先進県として高い評価を得ています。
 今年六月定例会で我が会派の四本議員が代表質問で取り上げましたが、本県の地域外交の指針である地域外交基本方針は本年度末までに改定予定です。鈴木知事からは新たな国・地域との交流を模索し、インド・グジャラート州の交流強化や世界都市自治体連合UCLGへの加盟などにより外国人に選ばれる静岡県を目指すと答弁がありました。特にUCLG加盟は都道府県として初めてで加盟自治体は本県と浜松市のみであり知事のこれまでの政治経験が生きた取組だと評価をいたしております。
 一方、新たな基本方針の案では地域外交を通じた県民のウェルビーイング向上が理念として掲げられています。これは交流を維持するだけでなく県民や企業が成果を実感できる形につなげることを目指すものです。限られた財政、人員の中で成果を最大化するには対象国や地域を慎重に選び重点分野に資源を集中する戦略性が求められます。
 特に、UCLGの国際ネットワークを活用するには単なる参加にとどまらず議題形成に関与することも必要です。本県の強みを生かし国際会議での議題設定に積極的に関わるとともに、政策提言や優れた取組を発信し県のプレゼンス向上につなげることが重要です。
 昨年十月には国際協力機構JICAの招聘によりフィジー共和国の視察団が本県を訪れました。防災先進国としての本県の取組を世界に発信できただけでなくしずおかO―CHAプラザでの茶文化体験を通じた交流も行われ、将来的な観光など本県への再来につながる可能性もあります。このような形でJICAと連携することにより国際貢献の一翼を担えるとともに本県のプレゼンスを高める上でも有効であると考えます。
 そこで、今後UCLGを含む国際ネットワークも生かしてどのように戦略的に地域外交を展開していくのか、県の所見を伺います。
 次に、PPP/PFIの推進について伺います。
 本県の財政状況は極めて厳しく来年度当初予算編成に向けた収支試算では約六百四十億円の財源不足が明らかになっております。こうした状況の中にあっても県民サービスの水準を維持向上させながら限られた財源で公共インフラの整備、管理、運営を着実に進めていくことが求められます。
 実際に新県立中央図書館の整備をはじめ遠州灘海浜公園篠原地区の整備など今後も多くの施設整備が予定されています。加えて道路、橋梁などのインフラ老朽化への対応も待ったなしの課題となっており、財政制約が続く中で単に事業費を機械的に削減するだけでは持続的な行政運営は成り立ちません。今こそ民間と共に公共をつくるという発想に立ちPPP/PFIの導入を一層積極的に進めながら資産経営を戦略的に展開していくことが重要であると考えます。
 国においては令和七年六月に長年続いたコストカット型経済から成長型経済への転換を図るためPPP/PFI推進アクションプラン令和七年改定版が策定をされました。また本県でも今年度新たに行政経営戦略会議が設置され、七月の第二回会議では資産経営の方向性が議題となり県有施設の有効活用や民間活力の導入について有識者から多くの具体的な提案が寄せられたと承知しております。県では本年度中に行政経営推進プランを策定する予定と伺っておりますが、同会議で得られた有識者の意見をいかに計画へ反映させるかが重要であると考えます。
 本県において今後PPP/PFIをさらに推進していく上での課題として私が特に重要だと感じていることは、行政職員のスキル向上と民間事業者に対する参入障壁の低減です。PPP/PFIの手法としてスモールコンセッション、ウオーターPPP、地域インフラ群再生戦略マネジメントなど多様な手法が次々に生まれています。これらの最新情報を常に把握し案件ごとに最適な手法を選定することは容易ではありません。
 加えて、民間企業の側から見ると創意工夫を発揮しにくい制度設計や物価上昇リスクへの懸念などが参入障壁となっているのが現状です。今後行政としてこうした課題を的確に把握し民間が参入しやすい環境を整えることが不可欠であると考えます。
 そこで、本県においてPPP/PFIを推進する上で現時点でどのような課題を認識していて、また国のPPP/PFI推進アクションプランの内容や行政経営戦略会議で寄せられた有識者の意見を踏まえて今後どのようにPPP/PFIを推進していくのか、県の所見を伺います。
 次に、次世代に向けたインフラDXの取組について伺います。
 本年九月裾野市でトヨタ自動車が手がけた実証都市「ウーブン・シティ」がいよいよ開業しました。このまちでは実際の生活空間を舞台に自動運転、ロボット、AI、エネルギーマネジメントなど次世代技術の社会実装に向けた実証が本格的に始まっています。企業、研究者、行政が連携し生活の中で新技術を検証するこの取組は未来の都市モデルとして国内外から大きな注目を集めています。
 また、私の地元湖西市を含む県西部地域では自動運転やドローン、空飛ぶクルマなど次世代モビリティーの実証フィールドとしての活用が期待されています。こうした取組を確実に進め成果を県全体へ広げることで移動、物流、観光、防災といった課題の解決につながるとともに新たな産業や雇用創出にも寄与すると考えます。
 スマートシティは、単に暮らしを便利にするだけではなく人口減少、防災、環境、交通といった地域課題をデータと先進技術で解決することを目的としています。本県では頻発する豪雨災害や南海トラフ巨大地震への備えが極めて重要であり、道路や河川をはじめとするインフラ管理もデジタル技術で高度化かつ効率化していく必要があります。
 本県では令和三年度に未来まちづくり室が設置され先進技術を活用した地域課題解決の取組が進められてきました。具体的には三次元点群データにより県土を仮想空間に再現するVIRTUAL SHIZUOKAを構築しデータの取得やオープンデータ化を推進しています。また自動運転を活用した移動サービス導入を通じて地域交通の課題解決を図るしずおか自動運転ShowCASEプロジェクトなども実施されています。これらにより県内の自治体、企業、大学が連携し実証で得た知見やデータが蓄積されデジタル基盤が着実に整備されているものと承知しています。
 今後は、県としてデータ連携基盤の整備や市町への技術的、制度的支援など一層推進していくことが求められます。さらに行政の縦割りを超え交通、防災、医療、教育、観光など各分野をデータでつなぐ仕組みを整えることがデジタル社会にふさわしい県政運営につながるものと期待をしております。「ウーブン・シティ」の開業が大きな話題を集める今こそインフラ分野におけるデジタル技術の活用を加速させる絶好の機会ではないでしょうか。
 そこで、本県のインフラDXに関するこれまでの成果と今後の取組について伺います。
 次に、漁業者や漁協の経営への支援について伺います。
 全国的に海洋環境が変化し主要魚種の不漁や磯焼けによる藻場の衰退など水産業を取り巻く状況は年々厳しくなっています。本県でも漁獲量の減少や高齢化、燃油や資材の高騰などが漁業経営に深刻な影響を与えています。特に小規模漁業者は収入の安定が難しく地域の漁業基盤が揺らぎ始めています。
 私の地元湖西市には浜名漁業協同組合の新居、鷲津、入出の三拠点があり、浜名湖や遠州灘の恵みを受けアサリ漁やカキ養殖、角立て漁、シラス船曳網など多様な漁業が営まれてきました。しかし近年は水揚げが激減し漁業だけで生活を成り立たせるのが難しくなっています。漁業者の中には農業やアルバイトの掛け持ちで生計を維持する方も多く、後継者確保も一層困難となっています。
 さらに、漁協の経営も水揚げ減少による収入減を補うため市場手数料の値上げを迫られるなど厳しく、漁業者を支えるはずの漁協が結果的に漁業者の生活を圧迫せざるを得ないという深刻な悪循環が生じております。
 こうした状況を踏まえ静岡県水産振興推進協議会は、資源変動や環境変化で水揚げが低迷する漁業者や漁協への支援強化を県に要望しました。県は今年度水産業の未来づくりプラットフォームを新たに設置し、多様な関係者が連携して持続可能な漁業、漁協経営モデルを検討しています。ここでは現場の声を丁寧に聞き取り課題整理や経営分析を行い資源や気候の変動に対応できる新たな経営の在り方を提案していくと伺っています。得られた成果や提言は次期水産振興基本計画などにも反映され本県水産業再生に向けた重要な取組になると考えます。
 今漁業者の高齢化が進む中で若い世代が希望を持って漁業を続けられる環境を整えることが喫緊の課題です。そのためには単に補助金や支援策を拡充するだけでなく、漁業の価値を高め地域経済との連携によって持続可能な仕組みをつくることが不可欠です。
 そこで、この水産業の未来づくりプラットフォームについて県はどのような体制で検討を進め漁業者や漁協の経営改善さらには地域の水産業全体の再生にどのように結びつけていくのか、県の所見を伺います。
 次に、未来を切り開く力を育む教育について伺います。
 急速な人口減少、気候変動さらに国際情勢の激しい変化など様々な要因が複雑に絡み合い将来を予測するのが非常に難しい時代になっています。特に近年飛躍的な進化を遂げている生成AI技術が社会にもたらす影響は計り知れず、もはや従来の教育は役に立たないのではないかという議論すら生まれています。
 しかし、こうした変化を脅威として恐れるだけでは決して明るい未来はやってきません。むしろこれからの時代を生きる子供たちには社会は常に変化するもの、予測できない未来ほど可能性に満ちていて面白いと前向きに受け止めてほしいと願っています。
 変化にしなやかに適応し困難に直面しても挑戦し続ける力、つまり自ら未来を切り開く力を育むためにこれからの教育はどうあるべきなのでしょうか。
 私の地元湖西市はトヨタグループの創始者である豊田佐吉の生まれ故郷です。佐吉は自分の母親を楽させてあげたいという思いから日本で最初の木製自動織機を発明し、生涯を通じて数多くの発明を残して日本の機械産業の発展や近代化に大きく貢献しました。湖西市では佐吉のものづくり精神が今なおしっかりと受け継がれており、少年少女発明クラブでは小中学生がものづくりに熱中しています。
 また、佐吉が夢見た蓄電池は市内に本社を構えるトヨタバッテリー株式会社によって日夜研究開発が進められています。私自身も佐吉の言葉である「障子を開けてみよ、外は広いぞ」を胸に二十七歳で海外に飛び出し、昨年県会議員になるまで土木技術者として海外で働いてきました。社会情勢がどんなに変わろうともふるさとや社会への感謝を忘れず、その思いを原動力にして新たな価値を創造する報恩創造の精神は子供たちの未来を切り開く力を育む上で非常に重要だと考えています。
 県は現在今年三月に策定された静岡県教育大綱に基づき次期教育振興基本計画の取りまとめを進めていると伺っています。社会環境が急速に変化し将来を予測するのが非常に難しい時代においても学校や地域での学びを通じて自己成長し社会や地域で活躍する想像力豊かな人材を育成するため、教育委員会では次期教育振興基本計画においてどのように施策を推進していくのか、所見を伺います。
 最後に、超老芸術の推進について伺います。
 超老芸術とはアーツカウンシルしずおかが提唱した造語で漢字で書くと老いを超える芸術と表記します。アートに関する専門的な教育を受けてこなかった高齢者が長年の人生経験や感性を武器に生み出す独自の芸術表現のことを指します。
 県内ではアーツカウンシルしずおかを中心に展覧会や調査を通じて高齢者の創作活動を積極的に応援しその魅力を社会へ発信する取組が進められています。近年この静岡発の文化ムーブメントが全国から注目され評価され始めています。
 先日、グランシップで行われたイベントに参加し実際に超老芸術家の皆さんにお会いして作品を鑑賞してきました。皆さん非常に独創的で流行や周りの評価を一切気にすることなく内なる衝動のままに表現をされていました。加齢は制限ではなく、むしろ表現を深くする力なのだと気づかされる瞬間でした。
 人生百年時代を迎えた今、私たちは単に長生きするだけではなく心身の健康を保ちつつどう生きるかが問われています。このよりよく生きる状態こそウェルビーイングであり、本県が今後の県政運営の柱として掲げる理念です。その意味で超老芸術のつくり手たちはウェルビーイングを体現する存在だと言えるでしょう。
 芸術による自己表現は、つくり手自身の幸福感を高めるだけでなく作品を鑑賞する私たちにも喜びや驚きを与え社会全体を明るく元気にする原動力にもなります。超老芸術の知名度は上がりつつある一方で県民全体に広く浸透しているとは言えません。今後より多くの県民がこの取組に触れ参加できる環境を整えていくことが重要です。
 今年七月の静岡県文化政策審議会では一人一人が創造性を発揮できる社会を目指すという方向性が示され、同月アーツカウンシルしずおかが高齢者の文化芸術振興に関する提言書を発表しました。こうした流れを踏まえ芸術が特別な才能を持つ人だけのものではなく誰もが年齢を重ねても自由に挑戦し自分らしく輝ける、そんな生涯創造社会の実現こそ幸福度日本一の静岡県を目指す本県が掲げるべき姿ではないでしょうか。
 そこで、本県が全国に先駆けて展開してきた超老芸術の成果を踏まえ新たな才能の発掘を含めた高齢者の創造的活動の支援と認知拡大を今後どのように進めていくのか、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 菅沼議員にお答えをいたします。
 戦略的な地域外交の展開についてであります。
 県では平成二十四年度に地域外交基本方針を策定し、当時の友好提携の状況や富士山静岡空港の就航先等から重要と考えられる重点六か国・地域を中心に幅広い分野で交流を進めてまいりました。しかしながら新興国の経済成長や世界的な人材獲得競争の激化など国際情勢が大きく変化する中、重点国・地域を決めた後にそれぞれの取組を検討するという進め方が課題となっておりました。
 そこで、今回の基本方針の改定においては限られた人員、予算で県民や県内企業の皆様が享受するメリットの最大化を図るという観点から、まず県として重点的に行うべき取組を決定し高い効果が期待される国・地域を中心に展開する戦略的なアプローチに方針転換いたします。
 具体的には交流人口の拡大と海外活力の取り込み強化を二本柱とし、富士山静岡空港の利用促進やインバウンドの誘致、高度外国人材の活力取り込みやスタートアップとの連携など八つの重点的取組を定め取組ごとに重視する国・地域を設定してまいります。
 八つの重点的取組のうち、例えばウェルビーイングの知見習得としてはヨーロッパを対象としておりますが、私自身が先月フィンランドに出張しウェルビーイングのさらなる推進についての示唆を得てきたところであります。
 また、高度外国人材の活力取り込みとしてはこれまで取り組んできた東南アジア等に加えBRICS諸国であるインドやブラジルも対象国として関係を深めていくことを想定しております。
 本年六月に加盟が承認されたUCLGにつきましてはその巨大なネットワークを欧州をはじめとする世界との関係構築や連携強化に積極的に活用することで本県の取組全体の基盤として位置づけます。
 JICA事業につきましては青少年や技術の交流の場として本県の先進的な取組や高い技術力、食や自然、文化等の魅力発信の機会などに活用してまいります。
 今後は、新たな基本方針の下でより戦略的な地域外交を展開し県民や県内企業の皆様が享受するメリットの最大化、ひいては一人一人のウェルビーイングの向上につながるよう取り組んでまいります。
 なお、その他の御質問につきましては関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 山田財務部長。
○財務部長(山田勝彦君) PPP/PFIの推進についてお答えいたします。
 行政経営のさらなる効率化に向けてはPPPやPFI、コンセッション等の官民連携手法を積極的に導入し民間活力による行政コストの縮減とサービス向上を図ることが重要です。
 しかし、課題としては職員の知識経験、ノウハウの不足や民間事業者が創意工夫を発揮しやすくする環境整備などがあります。このため国の専門家派遣制度を活用した研修の実施や県や市町の施設の現状や課題を民間事業者等に示し直接対話をする場を設定しております。
 また、行政経営戦略会議から頂いた施設の有効活用に向けた多様な手法の導入などの御提言につきましては、今年度から民間参画の可能性を高める取組として広域的なインフラ管理や公共建築物の運営に係るコンセッションの導入について関係部局と協議を開始いたしました。
 さらに、多様な民間事業者の参画を促すきめ細かな取組として公共調達における随意契約から競争入札への移行を進めており、来年度から総合庁舎におけるエレベーター保守点検業務で競争入札を開始し質と価格の両面で優れたサービスの導入を図ることとしております。
 今後とも官民連携の積極的な導入により県有施設の経営効率の最適化に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 梨交通基盤部長。
○交通基盤部長(梨記成君) 次世代に向けたインフラDXの取組についてお答えいたします。
 県では全国に先駆けて令和元年度から三次元点群データの取得を開始し、今年度行っている海岸の浅い部分のデータ取得により年度末には県土全体の仮想空間が構築されます。取得したデータは災害時の被災状況分析、土木施設の台帳一元化、公共測量の効率化などで活用しているほかオープンデータとして研究機関や民間でも幅広く利用されております。
 また、人工衛星を利用して現在地を高い精度で把握できる電子基準点の設置を進めており、年度末には県全域で運用を開始する予定であります。これにより建設工事のオートメーション化や自動運転、スマート農業など様々な分野で活用が期待されています。
 建設産業における担い手不足の解消は喫緊の課題であり、ドローンやAIによるインフラ点検の省力化、点群データを活用した遠隔地からの災害復旧支援の効率化などデジタル技術を導入した働き方改革や生産性向上につながる取組を今後も積極的に進めてまいります。
 県といたしましては、インフラ分野におけるデジタル技術の社会実装を一層加速化させ次世代に向けたインフラDXに取り組むことで安全・安心で快適に暮らせる県土づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 浅井農林水産統括部長。
○農林水産統括部長(浅井弘喜君) 漁業者や漁協の経営への支援についてお答えいたします。
 水産業の未来づくりプラットフォームの体制につきましては、様々な意見を反映するため漁業者や漁協に加え流通加工業者、学識経験者を構成員とし、現場での実態を把握するための現地ヒアリング、専門家による経営分析を通じて経営改善策を検討してまいりました。この検討の結果、漁業者につきましてはブランド化を通じた魚価向上による漁労所得向上、漁協につきましては民間企業とのマッチングや海業の推進による事業利益向上が提案されました。
 さらに、漁業者や漁協が中心となり漁港をはじめとした地域資源を活用した観光、体験、交流などのコンテンツの創出に取り組み、地域経済と一体となった水産業を構築していくことが描かれました。
 県といたしましては、プラットフォームで描いた将来像を具体化するため、まずは市町や観光業者、地元金融機関等のステークホルダーとこの将来像を共有し地域内の合意形成と参画を促進してまいります。その取組の結果漁業者や漁協と地域との結びつきが強化され漁労所得や漁協の事業利益の向上の具体例が生み出されることで持続可能な漁業経営や地域水産業の再生につながるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 未来を切り開く力を育む教育についてお答えいたします。
 社会の不確実性が高まる中、未来を担う子供たちが国際的視野を持ち、変化を恐れずチャレンジを続けながら新たな価値を創造する力を身につけることは極めて重要であると認識しております。昨年度末に策定した静岡県教育大綱では未来を創造する力を育む教育の推進を取組方針に掲げ知事部局と一体となって取組を進めているところです。
 県教育委員会では、子供たちが多様な人々と関係を築きながら社会的変化に柔軟に対応していくことができるよう、自ら問いを立て地域企業や自治体等と協働して課題解決に取り組む探究的な学びや、大学、企業等と連携した起業家育成プログラムのほか海外での実践的な活動を通じて視野を広げる海外インターンシップ事業等を実施しております。さらに県内高校生の海外留学を支援するグローバル人材育成事業では、本県の特性を踏まえ県内企業が求める産業人材の育成を目指した募集枠など複数のコースを設定し高校生の挑戦を後押しすることで地域と世界をつなぎ自らの学びを将来に結びつける力が育まれていると実感しております。
 現在策定中の次期教育振興基本計画にもこうした取組を重点施策として位置づけるとともに、持続可能な社会を創造する力を育むために重要な自己有用感、レジリエンス等の非認知能力の育成やイノベーティブな思考を育むアントレプレナーシップの醸成にも取り組んでまいります。
 県教育委員会といたしましては、全ての子供たちが夢や希望の実現に向け自ら考え主体的に挑戦し続けることができるよう、学校や子供たちを支える家庭、地域、企業等との連携をさらに強化し計画に掲げる重点施策を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 都築スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(都築直哉君) 超老芸術の推進についてお答えいたします。
 本県が目指すウェルビーイングの向上に向けては美術や音楽などの文化芸術の果たす役割は大きく、中でも本県発祥の超老芸術は高齢者の健康や生きがい、社会参加の促進につながる画期的な概念であると考えております。
 令和五年度にアーツカウンシルしずおかが開催した超老芸術展では、高齢者の手がけた千五百点以上のユニークな作品を一堂に展示し高齢者の独創的な表現活動を発掘、発信することを主眼とする超老芸術の取組を県民の皆様に知っていただく機会となりました。
 今後は県内各地にあるシニア向けの通いの場、サロン、カフェなどにおいてワークショップを開催し高齢者が表現活動を始めるきっかけづくりを行い主体的な文化芸術活動を展開できるよう後押ししてまいります。また超老芸術の認知拡大を図るため健康づくり応援サイトむすびばでの芸術作品と作家の人生の歩みの紹介、つくり手の話や作品に触れる座談会等を県内各地で開催してまいります。
 誰もが自分らしく生きることを促すロールモデルとなる超老芸術作品等の紹介を通じ、高齢者の表現活動の促進や若い世代も含む多様な人々の感性を刺激するなど文化芸術活動の活性化を図ることで社会全体のウェルビーイングの向上につなげてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 菅沼泰久議員。
       (二番 菅沼泰久君登壇)
○二番(菅沼泰久君) それぞれ御答弁頂きありがとうございました。
 要望三点を申し上げたいと思います。
 まず、地域外交に関する要望です。
 今回の質問で私が強調したいことは戦略的な思考、特に一つの施策で複数の効果を生む、いわゆる一石二鳥的な地域外交の展開ということを要望したいと思っています。
 一つ例を挙げますと、先月県内企業のスズキ株式会社がアフリカサッカー連盟とスポンサー契約を結んで今後アフリカで開催される四つの大会でオフィシャルグローバルパートナーを務めると発表しました。サッカーはですね、アフリカで圧倒的な人気を誇るスポーツですのでそのブランド発信効果は非常に大きいと思われます。
 スズキは新しい経営計画の中で成長ポテンシャルが大きいアフリカ市場を重点地域に位置づけています。これまでインドで培った車造りのノウハウやインドの地理的優位性というものを生かして燃費と耐久性に優れたインド製の車をアフリカで今後展開していこうという戦略がですね、この背景にあります。
 私はこのスズキの取組に本県が進めるべき地域外交のヒントがあるんではないかというふうに感じています。例えばこの取組と連携して静岡を象徴するスポーツでありますサッカーを通じて県民とアフリカの方々が交流を深めて、その結果としてスズキの事業がもし広がっていけばですね、これは単なる一企業の利益にとどまらずに県内自動車関連産業への波及効果ですとかインド・グジャラート州との本県とのさらなる連携強化などにもつながる可能性があるんじゃないかと思います。
 このアフリカの事例はほんの一例にすぎませんけども、今後県内のグローバル企業やグローバル人材と連携しながら官民が一体となって戦略的な地域外交を進めることで、より多くの県民のウェルビーイング向上につなげていただくことを期待しつつ要望したいと思います。
 次に、漁業についての要望です。
 水産業の未来づくりプラットフォームが主に対象としているものがですね、やっぱり売上げが大きいシラス船曳網漁ですとか沿岸一本釣りといった主要な漁業と、あとそれに関連した加工流通業が主であるんじゃないかというふうに思ってるんですけども、先ほど御答弁の海業とかありましたがそれ以外の小規模な漁業者までしっかり十分な支援が行き届くかどうかという点で少し疑問に感じている点がございます。
 実際の現場では観光漁業や体験漁業で収入を得ようとして頑張っている漁師さんもいらっしゃいますが、漁業法などの規制が分かりにくくてどこまでの行為が許されるのか判断しにくいといった現場の声も聞かれますので、ぜひ例えば漁協を訪問して規制の内容ですとかを直接分かりやすく伝えていただくとかですね、現場に寄り添った支援というものも強化していただいて小規模事業者の収入向上や若い世代が希望を持って漁業を続けられる環境づくりというのもプラットフォームと合わせて進めていただきたいというふうに思います。
 最後に超老芸術に関する要望です。
 超老芸術のつくり手の皆さんは、私も見てきたんですが発想が非常にユニークで、ある意味仙人の域に達しているといった印象を感じております。県内に眠っているまだ見ぬそういう新しい才能を当然発掘するというのも超老芸術を盛り上げるためには私もすごく賛成をしております。
 一方で、そこまで独創的ではないにしても文化や芸術や芸能が好きで長年こつこつと活動を楽しんでいらっしゃる方々というのは私の周りにもたくさんいらっしゃいます。そうした方々の、先ほども御答弁もありましたが、そういう活動にもぜひ目を向けていただいてですね、一人でも多くの高齢者が自分らしい創作や表現を通して生きがいを感じながら暮らせるようなそういった裾野の広い施策というものについてもぜひ併せて御検討頂いて行っていただければというふうに思っております。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで菅沼泰久議員の質問は終わりました。

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