本会議会議録
質問文書
令和7年12月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 佐野 愛子 議員 | |
質問分類 | 一般質問 | |
質問日: | 12/10/2025 | |
会派名: | ふじのくに県民クラブ | |
質疑・質問事項: | 1 財政健全化への視点について 2 教育現場の課題解決について (1)教職員確保対策 (2)今後を見越した専門教員の必要性 3 新県立図書館建設とにぎわい拠点について 4 お茶振興対策について 5 男女共同参画の推進について 6 インドネシアとの交流促進について |
○副議長(中田次城君) ただいまから会議を再開します。
質疑及び一般質問を続けます。
通告により、六十五番 佐野愛子議員。
(六十五番 佐野愛子君登壇 拍手)
○六十五番(佐野愛子君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として一括質問方式にて伺います。よろしくお願いします。
初めに、財政健全化への視点について伺います。
平木副知事から県の財政状況は大変厳しく財政危機宣言を出すレベルと発表されました。これまで県は当該年度の歳出をその年の歳入で賄う収支均衡を目標に掲げてきましたが、膨張する歳出を賄うためにその収入として赤字地方債に頼った財政運営となったところに落とし穴があったようです。今後大幅な歳出の縮減を進めなければなりません。
しかし、それによって短期的には財政赤字が抑えられ基金の取崩しや県債の発行も縮減できるでしょう。しかし一方では県民サービスの低下や地域経済の停滞を招くリスクもあります。インフラ整備を怠ると修理コストが余計にかさみますし、教育、子育てへの投資を削れば若者が流出して稼ぎ手がいなくなり税収減、余計に財政悪化を招いてしまう可能性もあります。
特に注目したいのは命に関わる医療体制の維持や人への投資の削減です。エッセンシャルワーカーと呼ばれる医療・福祉の現場で働いている人たちは現状でも苛酷な労働環境です。これ以上減らす余地はありません。教育現場も同じです。教員数は定められた定数にも達していない状況であります。スクールサポートスタッフをはじめとした子供たちの学びを支える多くの支援員の配置等があるからこそ何とか現場が成り立っています。医療・福祉、教育に関する分野は一律にカットできる事業ではないと思います。
県の厳しい財政状況を再建していく中で、これらの視点を踏まえて必要な事業をしっかりと見極めていくべきであると考えますが、見解を伺います。
次に、教育現場の課題解決についてのうち、教職員確保対策について伺います。
小中学校の教職員の疲弊ぶりが深刻です。定数確保については毎年警鐘を鳴らし続けていますが、今年も改善するどころか厳しさを増しています。
私は毎年志太地区の全中学校区に出向いて教職員から学校現場の実態を聞き取っています。そこで最初に出てくる一言は決まっていて、とにかく人が欲しい、人を増やしてという切なる訴えです。
メンタルの不調等で年度途中に休職する職員が増加しています。クラス担任が休んでもすぐに代替教員は来ないため学校内で対応せざるを得ないです。教務主任が学級担任を掛け持つこともよくありますし管理職である教頭先生が週二十時間も授業を持つ、そんな状態です。
教員は子供たちのためという使命感でどんな困難でも不可能と言えるような状況でも頑張るしかないという苛酷な状況です。もう少し余裕があれば子供たちに声をかけてあげられるのに、肝腎の授業の準備ができないなどジレンマとストレスがたまっていきます。
県教委としても人を充てたくてもその人そのものがいないのですから進みません。採用試験の倍率低下、教職への敬遠、また定年延長に伴い退職者がいないなど原因は十分分かってはいます。それを上回る対応策を生み出すしかありません。
県教委はどの程度方策を打ち出し実行しているのでしょうか。市町教育委員会任せ、地教委は学校任せ、学校は、というように結局は現場が全てを担い、そのしわ寄せは教員はもちろん子供たちにも来ていることを認識していただきたいものです。
私が考えつく方策を幾つか挙げます。
まず、中途採用試験を実施する、既卒者を対象としての秋採用、また採用試験に社会人枠を設ける、倍率の高い中学校から小学校専科教員枠を賄う、高校の受験者との連携も模索する、ALTを英語教師として採用して単独で授業を行うことができるようにするなどなどとにかくこれまでの枠を乗り越えてできることは全て試す、必要な予算は捻出するというような行動を示していただきたいものです。
また、採用を増やすためには魅力的な職場にしていくことは言うまでもありません。働きやすく収入も安定している環境を整えていくことが必須です。
今回の教職員手当見直しでは、義務教育手当の〇・五%引下げと学級担任にだけ三千円手当を支給するという改正は学校というチームでの働き方にそぐわないのではないかと考えますが、県教委はどのように考えているのでしょうか。
とにかく、県教育委員会が義務教育に対して負っている重要な責務は教職員の任命権者であることです。その最も基本的な責務を果たしていないのに研修を推進したり倫理を説いたりすることは本末転倒です。まず果たすべき任務を県教育委員会の総力を挙げて優先して取り組むべきだと考えます。教育長の見解を伺います。
次に、今後を見越した専門教員の必要性について伺います。
特別支援を必要とする子供が一人でもいたら支援学級を開設するという必要性を訴え続けてきました。学区の学校へ自分が歩いて通学して地域で学ぶことができる、それは保障すべき権利です。
最近では多くの学校で支援学級を開設する動きが顕著になってきました。その数は二〇一九年に千二百九十七学級だったものが今年度は千九百三十四学級と一・五倍、六百三十七学級増えています。それだけ学級担任の数も必要になっています。
県立の特別支援学校では医療・福祉の専門性を持った教員が療育等の指導に当たっています。特別支援学級も特別支援の専門性を持った教員が担任することが望ましいと考えます。
しかしながら、現状は開設された学校にいる教員が支援学級の担任になることが多く、若い先生がいい経験になるからという理由で担任することもあります。指導者研修会等は開催されますが、その場しのぎの研修会は現場を離れることにもなり多忙化に拍車をかけています。
また、複数の特別支援学級があっても級外がいないことも課題です。出張や休暇のときに対応する人がいない、さらに八人という子供の定数も改善が見られません。
県教委はこのような特別支援教育の現状をどのように捉えているのか、今後中長期的な視野で専門教員の配置をされていくのか、養成機関の対応等も含め見解を伺います。
同様の観点から増え続ける外国籍児童生徒への対応として日本語教育の専門性を持っている教職員の充実についても伺います。
日本語は誰でも教えることができるというものではありません。登録日本語教員という国家資格があります。各学校では外国籍の児童生徒を取り出して個別に日本語を教えているケースは多いのですが、みんなが登録日本語教員の資格を持っていません。ましてや学級担任は日本語の分からないクラスの子供に一斉授業をやりながら日本語も教えていくことが求められています。しかも多国籍、多言語です。
また、外国籍の子供たちには母語の指導も必要です。義務教育の範疇にないニーズが膨らんでいます。
今後日本語教員の資格を有する職員の採用を増やしたり一般教員にも日本語教員の資格取得を推進したりするなど様々な対応が必要と思われますが、県教委のお考えを伺います。
次に、新県立図書館建設とにぎわい拠点について伺います。
知事が県政運営の指標としているウェルビーイング、県民はどうしたら手に入れることができるのでしょう。そのために必要な施設として図書館が第一に挙げられると思います。知の宝庫として地域の発展と未来を支える拠点として極めて重要な社会基盤です。
図書館の運営においては形態は様々ありますが、一番大切にしたいことは専門の職員をしっかり配置して県の直営方式を取ること、そしてこれだけは確約をお願いします。もちろん県立図書館として収集すべき資料を購入する予算も確保してください。
図書館には限りない可能性があります。私が今年八月に訪れたオーストラリアの都市メルボルンは市街地の中心に州立図書館が位置してトラムと呼ばれる路面電車や道路も図書館を中心に回っています。昔の王宮を利用した図書館は世界で最も美しい図書館と称され、市民の憩いの場であり集いの場、文化芸術の発信地として多くのにぎわいを生み出していました。
また、ニューヨーク公立図書館という二〇一七年に公開された映画ではニューヨークという多様性とカオスの都市に存在する図書館の日常をそのまま描いています。図書館は単なる本の貸出しでなく教育、就労支援、文化イベント、地域コミュニティーの形成、デジタル知識、インフラなど必然的に担う場所になっているのです。図書館は情報へのアクセスを万人に保障する民主主義の土台、知識、文化、教育、福祉、ビジネスをつなぐ巨大な公共インフラという壮大なコンセプトが伝わってきました。
このような可能性にあふれた県立図書館を東静岡駅前に建設するのであれば、その力を最大限に生かしたまちづくりを進めるべきであると考えます。隣接した土地を単なる活用方法としてマンションやホテルを誘致するなど短絡的な発想はいかがなものでしょうか。立地の優位性を生かして県政推進の重点箇所としていくことが本来だと思います。
例えば、県の売りであるスタートアップの拠点、また防災先進県のノウハウを生かして防災に関するあらゆる資料や情報の発信地、または多文化共生に係る拠点などなど民間の力も生かしながら県政の発展に寄与し県民本位の活用の方向性も考えるべきではないでしょうか。
県民のウェルビーイングが向上し県民が誇れる拠点となることを期待しますが見解を伺います。
次に、お茶振興対策について伺います。
お茶は味や健康成分はもちろんのこと、ゆっくり味わう時間を通じて心、体、コミュニケーションの多方面からウェルビーイングを支える存在ではないでしょうか。そのお茶が今危機を迎えています。
今年、これまで見たことのないような前代未聞の茶業情勢になっています。茶価が高騰しました。特に秋冬番茶の価格は昨年三百五十円だったものが今年は千四百円から三千円以上と一番茶の価格と見間違えるほどです。
県では荒茶の生産量が減って鹿児島県に一位を譲ったという事実はありますが、県の見解を伺います。
生産者も十年前にこの事態が起こっていたらお茶の生産を諦めなくてもよかったのにと痛恨の念を抱いています。一方流通を担う茶業者も高騰したお茶を仕入れるために融資を受けるなど、この需要と供給のバランスの崩壊は今後どうなっていくのでしょう。
消費者もあまり高い値段で煎茶が販売されたのではますますお茶離れが進んでしまいます。来年の一番茶に向けて技術の高い良質なお茶の確保と適切な流通、中小の茶商への支援、生産者と茶商が目標を共有する形へのシフト等を構築する必要があります。
今後を見据えて生産者向けに個別補償制度の創設も視野に入れるときです。県の見通しと対策を伺います。
また、急激に需要が増えた抹茶ブームへの対応も伺います。
世界中どこへ行っても、ヨーロッパ、アメリカ、アジアでも抹茶、抹茶です。あればあるだけ売れてしまう、抹茶なら幾らでも欲しいという声ばかりです。県も今後の改植は「つゆひかり」などてん茶に向いている品種を推奨しています。茶工場もてん茶対応への工場へと急ピッチで変換しています。
しかし、今から改植して収穫、販売できる五年後に世界はどうなっているのでしょう。
海外で求められているのは有機栽培、無農薬のお茶です。中国などのアジアの国々が既に有機認証を取得し抹茶生産にシフトを変えています。安価な中国製が大量に売り出された暁には日本の抹茶は対応できるのでしょうか。
これまでも川根、瀬戸川、朝比奈川の上流などではれんがの炉を使うなど良質な抹茶生産を目指してきました。今後予測される中国抹茶とは別路線を築いていくことを視野に入れててん茶生産を進めるべきであると考えます。
今後の世界の抹茶市場の見通しとその対応について伺います。
次に、男女共同参画の推進について伺います。
国会では我が国初の女性総理大臣が誕生しその行動が注目されています。女性が首相になったから国のフェミニズムが進展したかと問われれば私はそうでもないと思います。フェミニズムとは女性が社会において差別や抑圧を受ける現状を変革して女性の尊厳、権利や安全を尊重し、誰もが平等で自由に生きられる社会を目指す思想のことを言います。女性が無理に男社会の序列に食い込むのではなく弱者が弱者のままで尊重され平等な立場が保障される、そんな社会を望むところであります。
さて、静岡県のフェミニズム、男女共同参画はどのような方向で進んでいるのでしょう。
現行の男女共同参画基本計画では職場と家庭の連携による男女のワーク・ライフ・バランスの実現、政策方針決定過程における女性の参画拡大を柱に位置づけていますが、その進状況も気になります。
経済分野の女性参画を推し進めるために平木副知事をリーダーとするプロジェクトを立ち上げ提言を頂いたと聞いています。女性起業家や経営者の活躍により静岡県が男女とも働きやすく活躍できる県として若い女性からも選ばれる県となっていくことを期待します。
しかし、それだけではなく男女賃金格差ワーストワンの県から脱却できるなど県内全労働者のボトムアップにつなげていくことも視野に入れてほしいです。
また、参画状況が県内市町での地域差が大きいことも課題であると思います。県としては停滞ぎみの県内市町の男女共同参画政策の活性化に手を入れる必要もあります。
また、静岡県男女共同参画センター「あざれあ」は開館以来県の男女共同参画政策を推進する要の施設でありました。指定管理者であるあざれあ交流会議グループが進歩的なセミナーを開催したり多くの同志が集うセンターまつりを開催したりしていました。建物の老朽化も問題ではありますが、昨今求められているニーズに積極的に対応できるような「あざれあ」の果たす役割の活性化も課題であると思います。
このように本県の男女共同参画には多くの課題が存在しています。しかし人口減少が進む中で誰もが能力を十分に発揮できる環境を整え、暮らしやすさ働きやすさを高めることは重要と考えます。
今後どのように男女共同参画を推進していくのか、県の見解を伺います。
最後に、インドネシアとの交流促進について伺います。
私は去る十一月、静岡県議会産業振興等海外事情調査団としてインドネシアのジャカルタ、バンドン付近を視察してまいりました。団員からの報告会は後日開催されますが、私が現地で感じた体験を基に提案をさせていただきます。
まず、インドネシアという国の若さとエネルギーに圧倒されました。人口は二億八千万と日本の約二倍、国土面積は日本の約五倍あります。平均年齢は約三十歳という若さであり生産人口の割合も高いです。
静岡県は、二〇一七年に西ジャワ州と人材育成及び経済分野での協力推進に係る覚書を調印しそれに基づく交流を続けています。二〇二二年には出野元副知事が西ジャワ州を訪れ覚書の更新をしており、今年二月には池上教育長も現地を訪問しています。このような経過を踏まえ今回の訪問団もバンドンにある西ジャワ州議会と政府から手厚いおもてなしを受けました。
また、訪問した現地の職業訓練校では日本での即戦力となるよう日本語やビジネスマナーといった職業能力の研修をしており、日本に行きたいという若者たちの熱意に触れた視察となりました。
受入れ側の本県も多様な人材を必要としているのですから西ジャワ州との交流を次のステップに上げていくことが必要です。静岡県の魅力を知ってもらって、静岡県民もインドネシアの文化や歴史に関心を深め、相互理解の土壌をつくりインドネシア人に静岡県が選ばれる県となるよう努めるべきです。
さらに、覚書にある人材育成や経済分野に加えて伊豆のジオパークや富士山を活用した観光交流、インドネシアで盛んなサッカーやバドミントンを生かしたスポーツ交流といった交流人口の拡大にも努めるべきです。
そこで、今回の西ジャワ州との互恵的関係構築に当たりどのように県として戦略的に取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中田次城君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 佐野議員にお答えをいたします。
お茶振興対策についてであります。
まず、本年の二番茶以降の急激な価格上昇と今後の見通しでありますが、新たな企業の緑茶ドリンク市場への参入などによりドリンク原料茶の需要が急増し、茶商等の在庫が逼迫したことが価格上昇の主な要因と分析をしております。
今後の見通しといたしましては、ドリンク原料茶の需要動向によって価格は変動していくものと推測をされます。
次に、需給バランスの安定化についてでありますが、今般の価格の高騰は急激な需要増加に供給が追いつかなかったことによるものであることから、中期的な見通しに立ち需要に応じて確実に供給量を確保できる体制整備が重要となります。茶農家の皆様にはこれまでの一番茶主体の生産構造から通年で所得を確保する考え方にシフトし、需要動向に応じて二番茶以降も生産量を増やすなどの対応をしていただくことが重要となります。
柔軟な供給構造の構築に当たっては茶農家と茶商等の流通関係者が需要量や価格などの動向を踏まえつつ、通年で必要な生産目標を共有し計画的に生産をしていくことが必要です。
現在、県では茶業関係者と一体となって県内各地の輸出向けの拠点工場を中心に農家と茶商を結びつける取組を進めているところですが、今後この方式を国内向けの茶工場にも展開していくことで変動する需要に対して的確に供給していく体制を構築してまいります。
なお、議員が懸念されている急激な価格変動に伴う茶農家への影響の備えにつきましてはセーフティーネットの仕組みである国の収入保険制度への加入を促進してまいります。
最後に、抹茶の海外事業につきましては緑茶輸出額は今年八月時点で既に過去最高額を上回り欧米に加え東南アジアなどにも拡大しております。
国では令和十二年の緑茶輸出額目標を八百十億円と令和六年実績の二倍以上に設定しており、当面堅調に伸びていくものと推測をしております。
こうした海外需要の伸びに対し他の生産国が急激に抹茶の生産量を増やしていくことが予想されますが、本県は長い歴史の中で培ってきた高い技術を有しており、カフェ市場などに求められている色や香りが優れる上質な抹茶の生産体制を強化し付加価値化、差別化を図り競争力を強化してまいります。さらに現在進めている静岡茶ブランディングプロジェクトにおいて、こうした静岡茶の本質的な価値を世界に向けて分かりやすく伝えることで世界における静岡茶の認知度を高め地位を確立してまいります。
次に、男女共同参画の推進についてであります。
県は第三次静岡県男女共同参画基本計画においてジェンダー平等の推進による誰もが幸せを実感できる社会の実現を基本目標に掲げ部局横断的に取組を進めてまいりました。
男女共同参画基本計画の進捗ですが、男女のワーク・ライフ・バランスの実現については男性の育児休業取得率が二〇一九年度の六・五%から二〇二四年度には四四・一%へ上昇し二〇二五年度目標の三〇%を既に上回りました。一方で取得率や取得期間の男女差は残っており引き続き施策の一層の強化が必要であります。
また、政策方針決定過程における女性の参画拡大については企業等の管理職に占める女性の割合が係長相当職で二・八ポイント、課長相当職で四・三ポイント、部長相当職で一・八ポイント上昇した一方、目標値ではいずれも未達成であり人材登用に影響力を持つ経営層への取組強化が急務であります。
計画は進捗しつつあるものの、男女がその希望に応じて活躍できる社会の構築は道半ばと考えます。引き続き県が先頭に立ち官民の連携を推進し意識改革と機運醸成に取り組んでまいります。
次に、経済分野の取組ですが、十月に設置した女性経営者起業家研究会より平木副知事に対し女性経営者起業家のコミュニティーネットワークの形成、幼少期からの意識形成や女性理系人材育成の推進などの提言を頂いたところであり、来年度以降の施策に反映してまいります。
なお、県内労働者全体の底上げが必要という御指摘はそのとおりであり、県としてもウェルビーイング指標において改善が必要とされる雇用、所得向上を重要課題と位置づけ、就業や給与水準、キャリアアップなどの諸課題について官民で緊密に連携し取組を進めてまいります。
次に、県内市町の男女共同参画施策の活性化につきましては、市町が行う計画策定業務への支援や経験の浅い職員への研修、関係機関と連携した広報啓発により社会情勢に即応した取組を促すとともに、各分野の団体が参画する静岡男女共同参画推進会議を活用して幅広い層へ変革の必要性を呼びかけるなど県内全域で取組を一層活性化してまいります。
最後に、「あざれあ」の活性化につきましては、来年四月に独立行政法人男女共同参画機構が新設をされ地方の取組を強力に支援するとの役割が示されたことから、「あざれあ」におきましても従来の取組に加え同機構の幅広い知見を生かした新たな支援も活用し地域の多様化、複雑化する課題に機動的に対応してまいります。
また、県におきましては現在策定中の第四次計画に固定的な性別役割分担意識やアンコンシャスバイアスの解消を重点施策に掲げ、男女共同参画の推進に向けた取組を全庁挙げて推進してまいります。
なお、その他の御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁申し上げます。
○副議長(中田次城君) 山田財務部長。
○財務部長(山田勝彦君) 財政健全化への視点についてお答えいたします。
財政健全化への視点は徹底的な事業見直しにより真に必要な事業への選択と集中を行うことと、それにより捻出された財源の一部を本県の未来への成長投資に振り向けることであります。
財政健全化に向けては全ての事務事業の徹底した見直しを行っておりますが、扶助費などの義務的経費、こども医療費などの準義務的な経費は所要額を確保した上で、医療・福祉、教育など県民生活に密接で必要不可欠な事業については継続に支障がないよう配慮してまいります。
一方で全ての政策分野に共通することですが、人口減少や高齢化等の社会環境や制度改正、県民ニーズなどの変化に適切に対応できるよう常に事業を見直すとともに、政策内で優先順位をつけながら県民満足度の視点を取り入れることで県民サービスの維持向上を目指してまいります。
議員御指摘のとおり、継続的な人材育成やインフラなどへの危機管理投資などソフト・ハード両面における未来への投資は大変重要です。そのため財政健全化による選択と集中により生み出された財源を振り向けるとともに、国が進める総合経済対策や国土強靱化などの政策パッケージも積極的に活用することで本県の豊かな未来の創造につなげてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 教育現場の課題解決についてのうち、教職員確保対策についてお答えいたします。
教員不足は様々な手だてを講じ年度当初については徐々に改善されていますが、年間を通じた解消には至っておりません。使命感を持って教育に心血を注ぐ教職員が多忙と疲弊に直面していることは極めて重大であり、教職員の安定的な確保は最重要課題と認識しております。
そのため、代替教員補充のための人材バンクについて学校からの多様なニーズに対応できるよう柔軟な働き方が可能な六十代の登録者の拡充を進めており、現在登録者の約四割が学校現場で活躍しております。また特別免許状や臨時免許状の一層の活用を進めるほか、来年度当初産休育休の代替者として従来の採用数にさらに四十人を上乗せし教職員不足を解消してまいります。
教員志願者確保に向けては採用試験の早期化や免除制度の拡大に加え今年度、中高生向けセミナーの開催地を拡充いたしました。また今年度実施の採用試験では社会人経験者を対象とした選考を新設し、来年度からは育児や介護等を理由に離職した方を対象にしたカムバック選考を新たに設け即戦力となる人材の確保を図ってまいります。
なお、議員御指摘の義務教育等教員特別手当は国の省令改正に合わせ職務の負担に応じた支給方法に見直すものであり、教職調整額の引上げと併せて教員全体の処遇改善を図ってまいります。
さらに、市町教育委員会と連携して働き方改革を加速し長時間勤務の是正に努め教職の魅力向上につなげてまいります。
県教育委員会といたしましては、教職員の確保のためにあらゆる手だてを講じ教職員が教育にかける理想や思いを十分に発揮できる環境の整備を最優先に進めてまいります。
次に、今後を見越した専門教員の必要性についてであります。
特別支援学級は年々増加し今年度は全県で新たに百四十三学級が設置されました。また日本語指導が必要な外国ルーツの児童生徒も増加し四千五百人を超えております。全ての教員に一人一人のニーズに応じた学びの実践が求められ、専門性を有する教員の確保と資質の向上が喫緊の課題となっております。
特別支援教育の教員確保につきましては専門性を有する人材を採用しやすい受験制度を整えてまいりました。今年度実施の採用試験では小学校合格者の一七・五%が特別支援学校教諭免許状を保有しており、今後様々な教職経験を通じて特別支援教育を推進していく教員としての活躍が期待されます。
引き続き大学等養成機関と専門性を有する人材育成の重要性について共有してまいります。
また、教員の専門性向上に向け特別支援学校がセンター的役割を果たし小中学校を支援しているほか特別支援学校等との人事交流を計画的に行っております。特別支援学級が多い学校には主任的立場の教員を配置し若手教員等が指導技術を学ぶ体制づくりを推進しております。
一方、日本語教育につきましては教員採用試験において海外教育機関での勤務経験者等への特別選考、日本語指導資格を有する受験者への加点制度を拡充し専門性を有する人材の確保を強化いたします。さらに日本語指導が必要な児童生徒が多い学校に対して担当者育成を目的とした加配教員を配置するほか日本語指導コーディネーターによる研修やJICAとの連携派遣事業、海外研修等により教員の多文化への理解や日本語指導へのスキル向上に努めてまいります。
県教育委員会といたしましては、特別支援学級の編制基準の引下げや日本語指導のための定数充実について国に対して強く要望するとともに、引き続き優秀な人材の確保と教員が専門性を高められる環境の整備に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 塚本副知事。
○副知事(塚本秀綱君) 新県立図書館建設とにぎわい拠点についてお答えいたします。
今回プロジェクトチームで取りまとめた見直しの方向性では、新県立図書館については静岡市と進めてきたまちづくりの一体性を重視し東静岡地区全体の価値向上に寄与する拠点として整備することとしております。
具体的には静岡市が目指す将来像、文化・スポーツの感動体験と快適で安心できる暮らしを両立したまちとの整合性を図り、東静岡地区全体として魅力が最大化する統一感を持ったまちづくりを進める考えであります。
そのためには、県立図書館が書籍の貸出しや閲覧に加え新たな交流や価値を創出することが重要であります。現計画においてもカフェやラボなどの機能を想定していましたが、静岡市による新アリーナや民間主導の施設整備が進むなど東静岡地区周辺を取り巻く環境はコロナ禍であった現計画策定時から五年が経過し大きく変化しております。
その開発が進む東静岡駅周辺という立地の優位性を生かしつつ東静岡地区全体の機能を最適化する観点で見直しを進め、県民皆様の多彩な交流や新たな文化を育む施設を目指してまいります。
また、整備に当たっては民間活力を最大限導入することを軸に現計画地の西側部分も含めた県有地の一体的な活用を基本といたします。
まちの魅力を高めエリア周辺の施設が相乗効果を発揮する最適な機能や施設の配置、整備手法などを検討し、県民の学びを支えにぎわいを創出する拠点として多くの県民の皆様に利用されウェルビーイングの向上につながる図書館を目指してまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 山田企画部長。
○企画部長(山田琢也君) インドネシアとの交流促進についてお答えいたします。
西ジャワ州とは、同州の茶業団体が世界お茶まつりに参加したことや県内企業も同州に数多く進出していることなどから覚書調印に至り人材、経済分野を中心に交流を進めております。
人材分野では令和元年度から県内企業の人材確保のための面接会を同州と共催し企業とのマッチングを図ってきましたが、次のステップを目指し受入れの環境整備も進めております。具体的には企業に対しては外国人材受入れ相談窓口において相談対応や社会保険労務士等の専門家派遣などを行い、採用された外国人の方に対しては多文化共生総合相談センター「かめりあ」が生活上の相談対応などを行っております。
人材、経済分野以外の交流としては、観光分野においてインドネシアでの旅行会社向け商談会に海外駐在員事務所が参加し誘客促進に取り組んでおります。そのほかにも県内企業と協力した留学生受入れや浜松インドネシア友好協会との連携などにより市民交流も促進しております。
新たな地域外交基本方針においてはインバウンドの誘致や高度外国人材の獲得、県内企業の海外進出支援において重視する国としてインドネシアを設定する予定であります。
西ジャワ州との交流においても覚書に基づいた外国人材と県内企業とのマッチングや留学支援での協力等を引き続き進めてまいります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 佐野愛子議員。
(六十五番 佐野愛子君登壇)
○六十五番(佐野愛子君) 御答弁ありがとうございました。再質問します。
教員確保ですが、教育長の答弁にはなかったんですが今後の児童生徒数減に向けて今現在採用控えをしているというような観点はないんでしょうか。私としてはしっかりと正規でなくても授業ができる、臨時でも任期付でもいいので授業ができる人を積極的に今そろえるべきだと思いますが、それについての見解をもう一度伺います。
図書館ですが、何か静岡市に主導を譲ってるふうな印象を受けました。私が提案した県政の拠点として、県政を推進する場所としての活用ということは考えていないのかもう一度伺います。答弁求めます。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 教育現場の課題解決についてのうち、教職員確保対策についての再質問にお答えいたします。
ただ申し訳ございません。質問の冒頭がちょっとよく聞き取れなかったものですから、もし差し支えなければ人口減少の中でのどういう対策かというところについていま一度御教示頂けると幸いなんですが。
○副議長(中田次城君) 佐野愛子議員。
(六十五番 佐野愛子君登壇)
○六十五番(佐野愛子君) すみません。失礼しました。
これから児童生徒減が顕著に、それは誰もが周知のことだと思います。それを見越して教職員の採用控えをしているのではないかという懸念があります。それについての見解をお聞かせください。
○副議長(中田次城君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 改めて再質問にお答えいたします。
趨勢として児童生徒の数が減っていくというのは本県に限らず全国的な傾向だと思います。また法律によって児童生徒の数に応じて教職員の定数が定まっているという大きな枠組みの中で今後の児童生徒の減少に応じて教員の数が減っていくことを想定すると、その部分も見越した長期的な視野での採用が必要になってくるという認識に立っております。その言わばバッファー部分に相当するものを私どもは様々な形でいわゆる正規採用職員以外のところで確保しながら学校現場の教育はしっかりと運営されるように今進めているところであります。以上であります。
○副議長(中田次城君) 山田企画部長。
○企画部長(山田琢也君) 図書館整備の再質問についてお答えをいたします。
先ほど副知事からも御答弁申し上げましたとおりですね、新図書館の整備を含む東静岡の県有地の開発に当たりましては、これは県が主導していくということはもちろん前提でございます。県の図書館を整備するということでございます。
ただ、その整備に当たってはですね、エリア全体との調和ということを図らなければいけませんので静岡市が進めるまちづくりとの一体性ということを申し上げているところでございます。
いずれにいたしましてもですね、機能全体を検討していく際に東静岡地区全体の機能の最適化、それから民間との開発ニーズとのバランス、県の財政負担の抑制など幅広い視点で検討していくということを考えているところでございます。
今回議員から御指摘頂いた点も含めてですね、どのような整備を図っていくのかということは今後基本計画を改定する中で具体的に検討してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(中田次城君) 佐野愛子議員。
(六十五番 佐野愛子君登壇)
○六十五番(佐野愛子君) 御答弁ありがとうございました。要望を申し上げます。
図書館のほうも今後県政の拠点としての展望を期待しています。
教育現場ですが、やはり子供たちにとって今は今でしかありません。しっかり今の時点での十分な教育を施されるような対策をお願いします。
そして、今の学校現場をサッカーに例えますと選手が足りない、そろってないのに試合が始まってしまった。そして途中で一人負傷して退場、またもう一人負傷して退場、全部で八人しかいないのにゲームをやっている。守備も攻撃も一緒くたに走り回っている、そういう状況なんですよね、先生たちが。そして、あれハーフタイムもないじゃないか、九十分試合走りっ放し、本当に疲労こんぱいになってしまいます。そしてまた次の日も同じ状況で公式戦がまだある、組まれている。本当にもう無理という感じなんですよね。
ぜひともメンバーはそろえていただいてコンディションを整えてゲームができる、そんな教育現場にしていただきたいと思います。ぜひとも県を挙げての取組を期待しています。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(中田次城君) これで佐野愛子議員の質問は終わりました。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp






