本会議会議録


議会補足文書

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令和8年2月静岡県議会定例会
(知事提案説明)知事提案説明
発言日: 02/17/2026
会派名:


○副議長(中田次城君) 議事日程により、知事提出議案第一号から第九十二号までを一括して議題とし、知事の説明を求めます。
 鈴木知事。
       (知事 鈴木康友君登壇)
○知事(鈴木康友君) 令和八年度の当初予算案並びにその他の議案を提出するに当たりその概要を御説明申し上げ、あわせて当面する県政の課題について所信の一端を申し述べます。
 本年は明治維新の廃藩置県の後、旧静岡県、浜松県、足柄県が合併し現在の静岡県が発足して百五十年の節目の年に当たります。
 静岡県は人口三百五十二万人、県内総生産十八・三兆円と全国十位、一人当たり県民所得は全国四位と、各種指標で全国トップテンに入ります。特に自動車、製紙、食品、電子機器など製造業をはじめとする様々な産業が集積をする産業県であり我が国経済を牽引する県として存在感を示してまいりました。
 一方、本県を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。人口減少・少子化は全国的な課題ではありますが、本県人口も平成十九年をピークとして減少が続いております。今後さらなる担い手不足が想定され行政の在り方、地域の産業構造それぞれで大きな変革が求められることとなります。
 また、我が国の潜在成長率が低位にとどまり相対的な国力が低下する中で円安傾向の継続と資源価格、物価の高騰が続き県民生活にも大きな影響が出ており、加えて超低金利の時代から金利のある世界に移行するという変化もございます。担い手不足と財政状況への懸念も相まって社会保障をはじめとした将来不安が高まりつつあるのが現状ではないかと考えます。
 ここで想起するのは、私の尊敬する米沢藩上杉鷹山公の藩政改革であります。鷹山公は徹底した倹約と積極的な産業振興により米沢藩を立て直し天明の大飢饉という国家的危機に当たっても被害を最小限に食い止めるなど大きな成果を上げました。鷹山公に倣い静岡県から財政の健全化と未来への積極的な投資を両立させる自治体経営モデルを創り上げ将来世代への責任を果たしていくとともに、既成観念を打破し全国に先駆けた挑戦によって新産業を育成し我が国の成長に貢献してまいりたいと考えております。
 本県においては、この十年近く支出の不断の見直し、有利子負債の管理、国との密接な意思疎通など様々な経営努力が十分ではなく、結果として赤字地方債である資金手当債に依存する自転車操業的な財政運営が続いておりました。こうした構造を抜本的に見直し、まずは令和十年度までに資金手当債の発行から脱却することを目標に健全財政への道筋を明確にしてまいります。
 また、国では高市首相が掲げる責任ある積極財政の方針の下、力強い経済成長を実現し財政の持続可能性と国民所得、企業収益の伸長により未来を希望に変える政策を実現しようとされておられます。こうした国の方針にしっかりと呼応し静岡県の未来の経済基盤を形づくるための投資、未来の人材を育むための投資、県民の安全・安心を確保するための投資について積極的に対応してまいります。
 今年度は、財政改革元年でありチャレンジ元年でありますが、財政改革としてはサマーレビューを皮切りに全ての事務事業の見直しを行い、その結果を関係の皆様に丁寧に御説明し御理解を頂くことで最大六百四十億円に上る財源不足額を大幅に縮減をいたしました。併せて中期財政計画、定員適正化計画、県有施設のあり方に関する基本方針、二〇四〇基本指針といった中長期的な自治体経営のための計画等の策定も進めてまいりました。
 また、チャレンジとしては本県の特徴分析を踏まえ、弱みを強く、強みはより強くすることで県民幸福度日本一を目指すこととし、ウェルビーイングの視点を基本とする新たな総合計画を策定をいたしました。政策の具体化に当たっては新たな政策立案プロセスとして民間企業や若手職員からも提案を募り事業化を行いました。
 「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」と鷹山公はおっしゃっております。財政健全化と未来への積極投資の両立は確かに困難な課題ではありますが、来年度を県勢を停滞から成長へ転換する始まりの年とするべく、東・中・西の地域的なバランスに配慮しながら県内市町をはじめ県民、企業、団体など様々な主体が協力、連携するオール静岡体制で取り組んでまいります。
 県議会の皆様の引き続きの御支援、御協力を心よりお願い申し上げます。
 それでは初めに、令和八年度当初予算案及び令和七年度二月補正予算案の規模について申し上げます。
 今回の当初予算案は、未来を育む両利き予算として財政健全化と未来への積極投資を両立させ幸福度日本一の静岡県の実現に向けて取り組むことを基本方針に二月補正予算と併せて十四か月予算の考え方で編成いたしました。
 まず、令和八年度一般会計当初予算は一兆四千百四十一億円、前年比三%増であります。一般財源総額は人件費や社会保障関係費の伸長、金利や物価の上昇などによる地方財政計画の伸びを反映し前年比八・九%増となりました。
 県税収入の伸びは地方財政計画よりも低い一・一%増であるものの、国に対し本県の財政状況の説明に努めたことで、いわゆる教育無償化に係る地方負担分などの特殊要因を含め地方交付税は一五%増を見込んでおります。なお軽油引取税の暫定税率や自動車税環境性能割の廃止により安定的な地方税収が減少したほか高校授業料や給食無償化の財源に県負担が組み込まれる一方で、恒久的な財源措置は先送りされるなど安定的な地方税財源の確保には課題が残っていると認識をしております。
 また、令和七年度一般会計二月補正予算につきましては総額三百五十一億円増額いたします。国の総合経済対策に呼応し医療・福祉等の物件費、人件費高騰への支援、賃金上昇に取り組む中小企業の稼ぐ力への支援等のほか国土強靱化などの追加公共事業、学校の教育環境改善等に要する経費として五百八十二億円を計上をいたします。財源としては国の重点支援地方交付金などを効果的に活用いたします。
 次に、予算編成を踏まえた財政健全化の状況であります。
 第一に、歳入歳出ギャップの縮小でありますが、サマーレビューや予算編成過程における歳出のスリム化、歳入の確保により百六十六億円を確保するとともに、昨年度に比べ国庫支出金を七十二億円増の千三百四十億円確保するなど歳入歳出の均衡を図りました。
 第二に、資金手当債の発行でございますが、歳入歳出ギャップの圧縮に努めたことで当初予算で予定していた発行額を二十億円減額する五十億円とし、令和七年度の予定分も含め四十億円分の発行を取りやめました。
 第三に、将来に向けた財源の確保についてでございますが、非常に低水準であった財政調整用基金残高を百八十億円まで積み増し物価、金利上昇等による歳出増加、今後想定される給与改善などの需要拡大に備えました。
 次に、本県の未来を育む積極的な投資のポイントでございます。
 第一に、国の防災・減災、国土強靱化や一般公共事業などの計画的な執行に対応し国に対し本県の投資に対する積極姿勢を丁寧に説明することで、二月補正予算と当初予算を合わせた一般公共事業の総額として前年度を九十億円上回る歳出規模を確保しております。これにより県民の安全・安心に資するインフラ整備を加速してまいります。
 第二に、教育環境改善への投資として県立高校のトイレの洋式化の計画を令和九年度までに前倒しで完了するとともに、老朽化する教室等の空調設備の更新を精力的に進めるなど前年度比で倍増となる予算を確保しております。
 第三に、本県経済の礎となる成長産業投資に関して国の地域未来戦略の策定方針に呼応し静岡県地域未来基金を新たに百二十億円造成することとし、先端産業の誘致、育成から地域産業の成長分野の投資など本県産業の変革、底上げのための政策に活用する財源を確保いたしました。
 次に、幸福度日本一の静岡県の実現に向けた取組について次期総合計画の三つの政策体系に沿って御説明いたします。
 一つ目の柱、未来を創る力のうち、初めに産業分野であります。
 まず、本県の地域未来戦略でありますが、強い経済の実現に向け国が策定する戦略産業クラスター計画と知事が策定する地域産業成長プランで構成する地域未来戦略を本年夏頃に取りまとめる予定でございます。本県としても国に対し本県産業の優位性をアピールしつつ、今後地域産業成長プランを策定してまいります。
 先端技術を活用した新たな産業の創出、本県が強みを持つ産業の拡大、新市場を切り開く可能性のある産業への挑戦などをこれまで取り組んできた次世代産業関連プロジェクトに加えて新プランに位置づけ未来に向けた本県の経済基盤の確立を目指してまいります。
 次に、スタートアップ支援でありますが、ベンチャーキャピタルと連携した資金調達支援、スタートアップが県内で実施する実証事業への助成など今年度から開始した支援策をさらに加速するとともに、国内外からのスタートアップの積極誘致、県内企業との連携などを進め経済を活性化させてまいります。これに加え来年度は新たにスタートアップと連携したAI活用による中小企業等の課題解決支援のほか、今年六月にパリで開催される世界最大規模のスタートアップイベントであるViva Technology 二〇二六への出展支援などスタートアップ先進県を目指した施策を推進してまいります。
 次に、次世代エアモビリティーでありますが、早期の国内社会実装に向けた民間事業者の参入促進のためその前提となる国の制度設計を加速させることが必要となります。そのため中部圏の十県三政令市と経済団体による広域リージョンを活用しながら国に合理的な制度整備を働きかけてまいります。
 次に、企業誘致の推進でありますが、特に県外企業の誘致を促進するため県内初進出の企業に対し全国トップレベルの企業立地補助金を用意し私もトップセールスを行うことで経済波及効果の高い企業を誘致してまいります。産業団地開発についても規制緩和の活用、適地調査への補助など市町への支援に加え企業局において先行造成を実施し用地供給を加速化いたします。今後は経済産業部、企業局、関係部局で構成するプロジェクトチームを立ち上げ誘致と開発をワンストップ体制で進めることで企業立地日本一を目指してまいります。
 次に、地域経済を牽引する企業の成長促進でありますが、新規事業や業態転換に挑戦し新たな価値を創出する、いわゆる第二創業を推進してまいります。後継者が自社の経営資源を再評価し事業の可能性を構想から実現まで磨き上げるための伴走支援、次世代経営者塾の開催など後継者の果敢な挑戦を後押ししてまいります。併せて売上高百億円という目標を掲げる百億宣言企業など地域の雇用、賃上げ、サプライチェーンの中核を担い本県経済を牽引する可能性のある企業を集中的に支援し成長を後押ししてまいります。
 次に、産業人材の確保・育成とDXの推進でありますが、若者の県内就職促進のため通年でインターンシップ、オープン・カンパニーに申し込める特設サイトを設置し若者と企業のマッチングを支援してまいります。また職場体験講座の対象を中高生にも拡大し開催時期を通年化するほか、Web上で企業と学校、児童生徒などが相互に交流できるプラットフォームを構築してまいります。そして新たに策定する静岡県デジタル人材確保・育成戦略に基づきスタートアップとの協業促進や次世代AI人材の育成などに取り組み企業の求めるデジタル人材を戦略的に確保・育成してまいります。
 次に、持続可能な農林水産業の展開でありますが、農業につきましては、深刻化する農業従事者の減少、高齢化に対応するため社会人が働きながら研修を受講できる新たな仕組みを導入するとともに、経営スキルの習得を通じ農業経営人材の育成、能力向上を図ります。また地域計画に基づく担い手への農地の集積・集約化、法人誘致の強化、農地の基盤整備、スマート農業技術の活用などを支援してまいります。
 地球温暖化への適応対策としては、気候変動専門対策チームによる高温耐性品種の開発、実証、普及を加速いたします。
 お茶につきましては、グローバルブランドの構築とともに、輸出需要の高い抹茶や有機茶の生産拡大に向けた品種転換などへの支援を行い需要に対応した生産、そして稼げる茶業への構造転換を図ってまいります。加えて静岡県食肉センターが今年四月より豚処理施設の供用を開始をいたします。牛処理施設も来年一月の完成に向けて整備を進めてまいります。
 林業につきましては、デジタル森林情報を活用した森林の集積・集約化、早生樹を用いた次世代林業モデルの構築などを通じ林業経営体の生産性と収益性の向上を図るとともに、建築物における県産認証材利用による需要拡大、森林技術者の確保・育成により持続可能な林業経営の実現に取り組んでまいります。
 そして水産業につきましては、漁協を核に漁業や食文化、マリンアクティビティ等の地域資源を結びつけた海業の取組を推進し収益事業を創出することで新たな水産業モデルの構築を目指してまいります。併せて海洋変化に対応した磯焼け対策、アサリの資源回復に向けた総合的な対策の実施などを通じ水産資源の保全、回復を図ってまいります。
 次に、環境・エネルギー分野であります。
 まず、再生可能エネルギーの導入拡大と省エネルギー対策の推進でありますが、建築物などへ設置拡大が期待されるペロブスカイト太陽電池の導入実証、地域課題解決につながる再生可能エネルギー設備の導入支援などを行ってまいります。
 洋上風力発電につきましては、関係市町や漁業関係者などと議論を深めつつ具体的な導入可能性を探るため漁業実態調査を実施いたします。加えて脱炭素と経営改善を両立させる先進的な取組に対する助成制度を新設するなど企業活動における省エネ、エネルギー利用の高度化を促進してまいります。
 次に、リニア中央新幹線建設に伴う自然環境の保全でありますが、先月二十四日大井川の水利用に影響が生じた場合の補償の対応について国土交通省の水嶋事務次官の立会いの下、県とJR東海との間で補償確認書を締結をいたしました。補償の請求期限、対象期間、因果関係の立証などについて本県の主張が全面的に盛り込まれ流域の皆様の不安や懸念に寄り添った確認書を取りまとめられたと考えております。またヤード追加造成に伴う自然環境保全協定についても今月十三日に締結したところであります。
 県としては引き続き、リニア中央新幹線の整備と大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立に向けてスピード感を持ち、かつ丁寧にJR東海との対話を進めてまいります。
 次に、観光・交流・インフラ分野であります。
 まず、観光振興につきましては国内外の高付加価値旅行者の取り込みに注力いたします。国内向けには推し活を旅行動機につなげる「あなたの“推し”に会える、しずおか」を掲げリピーター獲得と県内周遊を促進いたします。
 また、海外向けには富士山の高い認知度を生かし「富士山といえば、しずおか」を掲げ戦略的な誘客を図ってまいります。特に海外ラグジュアリー層の取り込みに向けて富士山静岡空港ビジネスジェット・スカイベース戦略に基づくビジネスジェット誘致や伊豆半島の港湾等へのスーパーヨット誘致、ガストロノミー、ゴルフ、モータースポーツなど付加価値の高いツーリズムへの重点化を図ってまいります。これらに加え市町と連携し富裕層向けホテル誘致を促進するほか新たに宿泊施設の改修、遊休施設のリノベーションへの助成制度を設けインバウンドの受入れ拡大と観光地域の稼ぐ力の向上を図ってまいります。
 次に、富士山静岡空港でありますが、令和七年の搭乗者数は同年六月からダブルデイリー運航となったソウル線の好調により前年の約一・二倍となる六十八万九千人となりました。国内線においてはANAが十月一日から札幌線及び那覇線を運休することとなりました。コスト構造等を考慮した経営判断と承知しておりますが、静岡空港として重要な路線であることからその他の航空会社に路線継続を働きかけてまいります。
 一方、国際線においては来月三十日からエアプサンの釜山線、四月二十八日からベトジェットエアのハノイ線の新規就航が相次いで決定し状況は好転しつつあります。さらなる新規路線の開設、復便による路線拡大、運航中の路線の利用者拡大を目指し富士山静岡空港株式会社、富士山静岡空港利用促進協議会など関係機関と共にオール静岡で取り組んでまいります。
 次に、地域交通のリ・デザインでありますが、バス等の利用が困難な交通空白地域や既存交通の持続が困難な地域における日常生活の移動手段確保に向けて民間企業の知見を生かした提案を積極的に活用し公共ライドシェア等の導入を進めてまいります。まずは民間企業からの提案に基づき公共ライドシェア等の運行管理を複数の市町で共同で行う仕組みを整備してまいります。また新たに公共ライドシェア等を導入する市町への補助制度を創設するほか都道府県単位では初となるドライバーバンクを設置するなど公共ライドシェア等の導入に向けた市町への支援を加速してまいります。
 次に、地域外交の展開でありますが、先月一日より新たな静岡県地域外交基本方針を施行いたしました。交流人口の拡大と海外活力の取り込み強化を二本柱に八つの重点的取組を定めたところでありますが、インドとの連携加速、世界都市自治体連合  UCLGでございますが、こことのネットワーク活用、今後の経済成長が見込まれるブラジルとの連携など新たな取組も進めてまいります。
 続いて、二つ目の柱、豊かな暮らしのうち、初めに子供・教育分野でございます。
 こどもまんなか社会でありますが、少子化が進む中、その抑制を進めつつ少子化に適応した子育て環境を構築するため県内三十五市町が客観的指標や県民の主観的な評価を把握しウェルビーイングの視点で子育て環境の充実に取り組むしずおか・地域こども未来羅針盤を策定してまいります。
 また、本県の公立小中学校における不登校児童生徒数は令和六年度に一万一千九百四人と過去最多を更新しており、個々の児童生徒に対して自立のための支援の取組強化が必要でございます。これまで学校や教育委員会が中心に対応してまいりましたが、これに福祉的支援などを加え子供や保護者に寄り添い伴走支援する体制づくりを目指すモデル事業に取り組んでまいります。こどもまんなか社会の実現に向け、こども第一主義の姿勢で子供、若者、子育て支援にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、新たな教育振興基本計画に基づく教育政策の推進でありますが、新たに策定する静岡県教育振興基本計画ではウェルビーイングの向上の視点を取り入れ未来を創造する力を育む教育の推進、全ての人の学びを支え力を引き出す教育の推進などの柱の下、十一の重点施策を定めております。この新たな計画の下で幼児教育から学校教育、社会教育、生涯学習まで全てのライフステージに応じた教育の推進とその基盤となる教育環境の充実に社会全体で取り組んでまいります。
 次に、理系人材の育成でありますが、将来の本県産業を支える理系人材の育成に向けて高校生による理系分野の高度な研究に対する支援、研究成果を発表する理系探究EXPOの開催、小中学生や保護者を対象とした体験型科学イベントや保護者向けセミナー等の開催により理系分野に興味を持ってもらう機会を創出するなど将来的に理系分野で活躍する本県出身の技術者、科学者、起業家の育成に向けて取り組んでまいります。
 次に、県立学校の魅力向上でありますが、県立高等学校の施設や設備の老朽化への対応は生徒の学習環境の向上のためにも非常に重要であります。特に生徒からの要望も多いトイレの洋式化について令和十一年度末までの整備計画を前倒しし令和九年度末に完了いたします。空調設備についても予算を増額し更新を進めるなど快適な学習環境の確保と魅力の向上を図ってまいります。
 次に、特別支援学校の整備でありますが、本年四月現在の静岡視覚特別支援学校の敷地にするが視覚総合特別支援学校を、浜松江之島高校内に浜松特別支援学校江之島分校を開校いたします。また旧磐田市立豊田北部小学校跡地に整備をしております新たな特別支援学校の名称につきましては公募により寄せられた案の中から、静岡県立磐田特別支援学校とすることとし令和九年度の開校を目指し着実に整備を進めてまいります。
 次に、健康福祉分野についてであります。
 安心の医療体制の実現につきましては、六十五歳以上の人口が最大となる二〇四〇年頃には医療需要や疾病構造の大きな変化に加えて労働力人口の減少による医療従事者の不足が見込まれ、医療機能の集約と分担を進めていく必要があります。このため病床融通などのメリットがある地域医療連携推進法人制度の一層の活用に向け法人の設立や法人が行う電子カルテ情報などの連携、経営分析などに対して支援を行い、地域医療連携推進法人を核とした医療機関の機能分化と連携を促進してまいります。これらの取組を進めつつ、将来の医療ニーズに対応した医療提供体制の実現に向け来年度から新たな地域医療構想の策定を進めてまいります。
 次に、健康寿命の延伸に向けた取組でありますが、本県の死亡率の中で他県に比較し有意に高い脳卒中の発症や生活習慣病を予防していくことが必要となります。そのためには早期発見、早期治療につながる特定健診を受診することが大切でございますが、その受診率の向上を図ることが喫緊の課題となっております。
 そこで、県内の六市町と共同して民間のノウハウを最大限活用した受診勧奨モデル事業に取り組むこととし、県として初めてPFS  これは成果連動型民間委託契約方式でございますが  この仕組みを取り入れてまいります。このモデル事業の成果を全県に展開し早期発見、早期治療につなげてまいります。
 また、昨年初開催したフードテックやヘルスケアのスタートアップ等が集う商談会ウェルネス・フーズEXPOへの出展企業数を四十一団体から約五十団体に拡大しAIによるおいしさの計測など革新的技術を有するスタートアップと県内企業とのビジネスマッチングを進めてまいります。
 このほか、大学や市町と連携してフレイル対策や睡眠の質改善などの課題解決につながる新たなビジネスモデルの創出を図るなど食品・健康関連産業の振興と健康寿命のさらなる延伸を目指してまいります。
 次に、医療的ケア児等の支援の強化でありますが、日常生活において医療的ケアが必要な方への支援体制や災害時の支援等を検討するため今年度に実態調査を実施してまいりました。調査結果から通院に要する経済的負担が大きいことや災害時の個別避難計画の策定が進んでいないことが課題として把握できたところであります。
 そこで、来年度から遠距離の医療機関に通院する医療的ケア児の通院費支援を新たに実施いたします。また各市町が個別避難計画の策定に取り組みやすくなるように障害の種別ごとにモデルケースの策定に取り組んでまいります。
 次に、暮らし・文化分野であります。
 まず、二地域居住の推進につきましては、都市と地方の人材の好循環を図る観点から重要であります。特に賀茂地域は人口減少、高齢化が著しく地域の担い手が不足する一方、首都圏から近く観光資源が豊富で都市部の二地域居住関心層にアプローチしやすいと考えられます。このため東伊豆町をフィールドとして交通費、住居費などのコスト減が二地域居住の推進につながるかの実証事業を民間企業と連携して実施してまいります。
 次に、多文化共生の推進でありますが、二〇三〇年には本県の在留外国人数は二十万人を超えると見込まれますが人口減少がさらに進む中では外国人が地域の担い手として活躍するインターカルチュラル社会の実現を目指していく必要があります。このため県内に在留する外国人の国籍、在留資格、年齢構成などの実態調査分析を行い、その結果に基づき地域ごとにきめ細かな多文化共生施策の行動戦略を策定してまいります。
 次に、多様な働き方の推進でありますが、女性、高齢者、障害のある方、外国人など多様な人材が働きやすい職場環境づくりを推進するとともに、外国人材の雇用について新たにマッチングシステムを導入し採用から定着までを一貫して支援してまいります。加えて静岡県カスタマーハラスメント防止条例の施行を契機としハラスメント防止に向けた事業を包括的に実施し若者、女性など被害を受けやすい人材の職場定着を図ってまいります。
 次に、スポーツの振興でありますが、スポーツコミッションShizuokaを一般社団法人化し専門人材を活用したスポーツ大会、合宿の受入れ拡大を図るほか、富士スピードウェイを会場とするバーチャル空間でのeモータースポーツとリアルのレースを同時に体感できるイベントの開催などスポーツの力による地域と経済の活性化を図ってまいります。
 また、パラスポーツの振興に向けては、県内パラスポーツ施設のネットワーク型障害者スポーツセンターを設立し四月から運用を開始いたします。施設情報の一元化や地域の活動支援を通じて誰もが気軽にパラスポーツに親しめる環境を整えてまいります。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区の整備でありますが、昨年民間事業者に公募した公園利活用提案では行政の全額負担を前提とした提案が多数を占めておりました。その後、道の駅の計画の具体化など浜松市による公園を含む周辺の取組が進展し、また今月十三日には地元経済界等から成る期成同盟会からにぎわい創出や活性化のためにももう少し時間をかけ民間投資の実現に向けて取り組むよう要望を頂きました。これらを踏まえ同日に開催した利活用推進協議会において民間投資の可能性を深掘りしていくとの方針を確認をいたしました。
 野球場整備は財政負担だけでなく稼働率や収益性向上の観点からも行政だけでの整備には限界があることから、いかに民間投資を呼び込めるかが鍵となります。民間投資の可能性が残っているのであればそれを見極める必要があると考えております。行政負担の上限と検討期限を設けた上で県と浜松市で民間投資の可能性を深掘りしてまいります。
 次に、文化芸術の振興でありますが、高齢者による独自の芸術表現である超老芸術を活用した創造活動の普及支援、県内のユニークな美術館、博物館の魅力のサブスクリプションやデジタルトークンなどの新手法による発信などを通して文化の持つ力を福祉、観光、ビジネス等の多分野に活用することで社会全体の活性化につなげてまいります。
 開館四十周年を迎える県立美術館では四月から美術館をひらく七つの扉をテーマに記念展を開催するほか、十一月には三年に一度となる国際オペラコンクールを浜松市で開催し本県の誇る文化芸術を国内外に発信してまいります。
 続いて、三つ目の柱、県民の安心であります。
 防災・安全分野のうち、浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における中部電力の不正行為への対応であります。
 本事案は中部電力及び原子力発電事業に対する県民の信頼を損なう重大な事案であり大変遺憾であります。私からは中部電力の林社長に対して原因の究明と今後の対応について整理し報告するよう強く求めたところであり、指導監督権限を有する国に対しましても徹底した指導及び監視等を行うよう先月二十三日赤澤経済産業大臣に申入れを行いました。今後も中部電力の取組や国の対応等について注視してまいります。
 次に、地震・津波対策の推進でありますが、これまでの地震・津波対策等を反映した新たな地震被害想定について来年度中の公表を目指し静岡県防災・原子力学術会議において有識者の助言を頂くとともに、庁内ワーキンググループにおいて検討を重ねております。今後、地震被害想定を踏まえ新たな地震・津波対策アクションプログラムの策定も進め地震・津波対策を着実に推進してまいります。
 次に、住宅の耐震化に向けた取組でありますが、住宅の耐震化は次期耐震改修促進計画に基づき国の定める目標を五年前倒しし令和十二年度末までに耐震性の不十分な住宅をおおむね解消することを目標といたします。このため耐震診断、耐震補強など基本的な耐震化助成を継続するとともに、来年度からは高齢者が費用負担の面でより取り組みやすくなるよう耐震シェルターや防災ベッドに加え住宅の部分補強など新たな減災化メニューを追加し、事業名をプロジェクト「TOUKAI―0プラス」に改め地域の実情に合った耐震化と減災化の取組を両輪で進めてまいります。
 次に、県土強靱化でありますが、想定される南海トラフ巨大地震や激甚化、頻発化する気象災害から県民の命と財産を守るとともに、将来にわたり持続的で力強い経済を実現するには県土強靱化を着実に推進していくことが必要であります。このため昨年十二月二十五日に牧野たかお国土強靱化担当大臣に対し予算の総額確保をお願いしたところであります。今後も未来への投資となる社会インフラの整備や機能の維持向上を図るため国の補助金・交付金事業も積極的に活用し県民の皆様が安全で安心して暮らすことができる強靱な県土づくりに努めてまいります。
 次に、行政経営の推進についてであります。
 令和八年度当初予算編成に当たりサマーレビューをはじめとした様々な見直しを実施いたしましたが、本県の財政を立て直していくためには改革効果を今後も継続するとともに、中期的な見通しに基づき引き続き不断の見直しを行っていく必要があります。このため令和十年度末までの改革強化期間において資金手当債発行に依存した財政運営から脱却できるよう中期財政計画の工程表を策定いたしました。具体的には事業効果の検証を踏まえた見直しの継続、定員適正化による人件費の縮減、県有施設の総量見直しによる維持管理コストの縮減、金利上昇を踏まえた県債発行の短期年限化などを行ってまいります。
 次に、人口減少社会に対応した職員数の適正化でありますが、二〇四〇年までの中長期を見据え職員数の適正化を図る定員適正化計画を策定し職員数が減少する中でも行政サービスの水準を維持向上し複雑化、多様化する行政需要に適応できる体制を構築してまいります。具体的にはデジタル技術等を活用した行政の生産性向上や本庁や出先機関の見直し等による組織運営体制の再構築に取り組んでまいります。
 次に、組織定数であります。
 令和八年度の組織定数の改正に当たりましては、幸福度日本一の静岡県の実現と徹底した行財政改革の推進に向け重要課題に迅速かつ的確に対応できるよう見直しを行いました。具体的には本県経済の活性化に向けて次世代産業関連プロジェクトや首都圏等からの企業誘致を強力に推進するとともに、利便性が高く持続可能な交通ネットワークを構築するための体制を整備いたします。また医師の偏在解消、定着や看護師不足への対応など医療人材確保の取組を推進するための体制を強化いたします。
 次に、令和八年度関係の議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、特別会計及び企業会計の予算案についてであります。
 特別会計は公債管理特別会計予算外十一会計で総額八千七十三億三千四百万円、前年度当初予算比一四・九%の減となりました。また企業会計は工業用水道事業会計予算外四会計で総額八百五十四億二千二百万円、前年度当初予算比二・七%の減であります。
 続いて、令和八年度関係の予算以外の議案のうち主な案件につきまして概要を御説明申し上げます。
 第十九号議案は、組織改正に伴い、部の分掌事務を変更するための条例の改正であります。
 第二十号議案は、静岡県立磐田特別支援学校の設置及び静岡県立静岡南部特別支援学校の廃止に伴う条例の改正であります。
 第二十一号議案及び第二十二号議案は、教育委員会等の職員及び地方警察職員の定数の改正を行うための条例の改正であります。
 次に、令和七年度関係の議案のうち主な案件につきましてその概要を御説明申し上げます。
 特別会計、企業会計の補正予算案は事業費、財源の確定等に伴うものであります。
 第七十六号議案は、公立高等学校における地域の経済社会を支える人材育成や教育改革に要する経費に充てる基金を創設するための条例の制定であります。
 第七十七号議案から第七十九号議案までは、建設事業等に対する市町の負担額等についてお諮りをするものであります。
 第八十号議案から第八十七号議案までは、土木工事の契約等についてお諮りをするものであります。
 以上、適切なる御議決をお願い申し上げまして説明を終わります。
○副議長(中田次城君) 以上で説明は終わりました。

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