本会議会議録
質問文書
令和6年9月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 阿部 卓也 議員 | |
質問分類 | 一般質問 | |
質問日: | 10/01/2024 | |
会派名: | ふじのくに県民クラブ | |
質疑・質問事項: | 1 知事の政治姿勢について (1)文明論之概略 (2)静岡県版「論語と算盤」的産業政策 2 災害ケースマネジメントの取組について 3 地域コミュニティー醸成のためのお祭り振興について 4 ナイトタイムエコノミーについて (1)県有施設へのナイトタイムエコノミーの考えの取り込み (2)新県立中央図書館における知の拠点づくり 5 スポーツビジネスの推進について |
○議長(落合愼悟君) ただいまから会議を再開します。
質疑及び一般質問を続けます。
通告により、六十六番 阿部卓也君。
(六十六番 阿部卓也君登壇 拍手)
○六十六番(阿部卓也君) 皆様こんにちは。議会最終日の午後でありますが、二月議会に引き続いてこの後、中谷先生と浜松市北部方面隊で天竜川の風を感じていただこうと思いますのでよろしくお願いいたします。
通告に従い一括質問方式で質問、提言をいたします。
私の座右の書の一つに福沢諭吉翁の著書「文明論之概略」があります。この中で福沢翁は近年の政府は十分な成果を上げていない、政府の人間も役人も極めて優秀なのに成果を上げられない原因は大衆世論に従うしかないからだ、ある政策がまずいと分かっていてもすぐに大衆世論に追従してしまう、大衆世論は一国の政策を左右する力を持っている、だからこそまずは大衆世論の非を正すことが急務であるとし、解決策として目前の問題よりも将来を見通せる大きな文明論に立って大衆世論が間違っていれば正すべきであると結んでいます。これは一八七五年、明治八年に書かれた本です。百五十年たった今もさびついていない政治の本質を突いた論理に感嘆を覚えます。
また、同じく明治時代の元老の言葉を引きますが地方自治制度の父とも言われる山県有朋公は、自治元来国の基なりと唱え地方が自治権限を持ってこそ日本は平和と活力をもって栄えると地方主権論を説きました。ただ折あしく日清・日露戦争の勃発や関東大震災の発生など当時の逼迫した時勢がそれを許さず中央集権体制へと移行して今日に至っています。
この山県公の遺訓を継いで今日の道州制の端緒となる廃県置州を唱えたのが、ほかでもない松下幸之助翁です。静岡県のリーダーとなられた鈴木康友知事におかれましては慶應義塾大学の卒業であられ、福沢先生の教えについても深く学ばれた上で松下幸之助翁の薫陶を近しく受けてこられたことと存じますので、ぜひこの際静岡県の将来を描く康友流文明論の御披瀝を頂きたいと思います。
次に、静岡県版論語とそろばん的産業政策について伺います。
知事は就任に当たり、起業家、スタートアップ支援、産業の拡充に力を入れることを掲げられていますが、この産業振興第一主義については福祉施策の拡充や教育施策の拡充、文化施策の振興などなど何事にも原資となるお金が必要なことは明白、また少子化対策や移住促進の意味でも県内に働く場がより多くあることもとても重要ですので明快に賛成です。
ただ、この起業家支援策、産業拡充策は日本実業界の父と言われた渋沢栄一翁が己の行動規範として書かれた著書「論語と算盤」の冒頭にある、国の富をなす根源は何かと言えば社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富だ、そうでなければ富を永続することはできないと説いたとおり、ただ単にもうければよいというものではなく大義と道徳観と連結性を持った産業政策でなければなりません。そんな視点から提言をいたします。
スタートアップや新興企業の共通課題はお金と労働力不足です。そこで以下五点について提言します。
まず、銀行と連携した融資促進です。日本にはもともとエンゼル投資家が少なく、銀行もスタートアップや新興企業に融資をためらいがちです。しかしながら本県には、信用金庫が独自にスタートアップ拠点を設けたり静岡銀行が地域創生部を設置して地場の新産業の育成に積極的である素地がありますので、この際県として銀行や投資家と連携できる融資促進策を信用保証協会なども関与させながらさらに積極展開させるべきと考えます。
第二は予算配分の見直しです。これは国にも言えることですが、実質破綻しているゾンビ企業や業界に予算を配分し続けているという事実あしき慣習があります。この予算を今こそ成長可能性のある産業に振り向ける勇気が必要だと感じます。
第三は労働力の流動性の向上です。今までこの国を支えてきた人材がもっと活躍していただくために再教育制度や失業者の再就職支援策の拡充に努めるべきです。それによって日本の経験と知見のある壮年層人材が新興企業やスタートアップでの活躍の場を得ることで新産業の活性化が期待できると私は考えています。
第四は外国人労働力の活用です。さきの国会で外国人の育成就労制度の創設を含む改正入管難民法などが成立しました。二〇二七年までに制度がスタートする見込みですが、静岡県内には約七万五千人もの外国人労働者が九千五百もの事業所で働いています。これは現在の静岡県の産業を下支えしてくれているという紛れもない事実です。これらの人材に今後も静岡県を選んでもらえるようにするために今のうちに経済界とも熟議を重ね、静岡県で働くことがチャンスと可能性にあふれているという魅力を打ち出していくことが急務です。議論を今すぐ始めるべきです。
最後に、二拠点生活移住モデルです。現在の日本のスタートアップ起業家の動きを観察してみると、ベンチャーキャピタルやエンゼル投資家の多くが東京を拠点としているだけに地方での起業や事業展開を考えている事例は多くても拠点を地方には移さない、いや移せないように見えます。であればそれを逆手に取って、この秋施行される広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部改正のパッケージを使って最初から本県と東京など情報集積地での二拠点活動ができるモデルを用意したらどうでしょうか。
以上の提案は、いずれも現行法上国の範疇、国が主体となってすべきことも多いですが、まず地方からこの声を上げていくべきと私は痛感しています。日本の歴史をひもとくと大改革となる天が回る回天は都で起きたことはなく、源頼朝、足利尊氏、信長、秀吉、家康、そして明治維新と必ず地方から改革の火の手が上がり都に攻め上がって回天を成し遂げてきています。だからこそ知事には地方から改革の旗手として発信と行動をしていただきたく期待するところであります。
まずは、いずれの提案も現行制度下の国の社会実験のモデル地区指定を受けるなり特区制度を活用するなりしていくことが得策とは思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
次に、災害ケースマネジメントの取組について伺います。
本県は、長らく防災先進県を自負し、他県に先駆けていち早く危機管理部を設置するなど防災には一日の長があると思われてきました。しかしながらいまだ組織の縦割りの弊害や市町との役割分担や連携がスムーズにいっているとは言い難く現場からは、こんな防災訓練で大丈夫なのか、国と県と市町が責任の押しつけ合いをしているというような不安の声が聞こえてきます。
知事は防災は最優先事項と表明されていますのでこの際申し上げますが、一度組織と業務の棚卸しをして本当に現場目線、当事者目線での体制ができているか精査をされるべきと進言いたします。その中で今回は図らずも被災されてしまった被災者目線での静岡県の在り方について提言させていただきますが、現在の我が国では発災後の被災者支援が不十分であることは明白で能登半島地震の復興の遅れを見ても災害対策基本法、災害救助法をはじめ災害対策法制が不完全であることをさらけ出しています。具体的には住居や福祉、尊厳という部分が欠落しており、これらの被災者支援制度を整備していくことが喫緊の課題であると私は考えます。
法改正については国会でも超党派の有志議員が研究を始めているようですが、ここでは静岡県ができることについて申し述べたいと思います。
本県の熱海土石流災害の被災者の皆様の現状を鑑みれば明らかなように、皆様、様々な御事情を抱え思いをお持ちであられる中でこれからの暮らしを考えておられます。しかしながら現状の県や熱海市の行政施策だけでは四角四面過ぎて被災者の皆様に寄り添えているとは言えないと感じています。
このような状況を改善するために被災者一人一人の生活全体における状況を把握しそれぞれの課題に応じた情報提供や支援を行う災害ケースマネジメントという考え方がありますが、鳥取県では防災及び危機管理に関する基本条例を改正し災害ケースマネジメントによる被災者の生活復興支援について体制づくりと支援方法などについて定めています。これによって平時より鳥取県災害ケースマネジメント協議会が設置され情報共有や研修、人材育成を行い有事の際は自治体が弁護士、保健師、建築士や関係する各種団体と連携して被災者一人一人の伴走支援を行っています。
本県でも昨年十一月、災害ケースマネジメントに関する説明会を行うなどようやく被災者目線の支援という機運が出てまいりましたので、この際鳥取県同様、条例での規定や具体的な組織形成に早急に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、地域コミュニティー醸成のためのお祭り振興について伺います。
私は以前より、お祭りこそが地域コミュニティーを醸成する重要なツールという見地から様々な形でのお祭り振興策を提言してきましたが、なかなか支援策、振興策を具現化できずに今日に至っております。しかしコロナ禍を経て社会環境や意識の変化もあって災害時の共助や地域共同のためのコミュニティーが希薄化しつつあり、同時に地域の文化や慣習を伝えてきた伝統芸能やお祭りも継承の危機に陥っています。今回再度このお祭り振興について提言するのは今手を打たないと取り返しがつかなくなるという強い危機感からでありますが、このたび同様の危機感で福岡県がお祭りの支援策を具現化しました。
昨年創設された地域伝統行事お助け隊事業では、担い手不足により継続が危ぶまれる祭り風習その他の地域の伝統芸能について市町村の区域を越える広域的な応援態勢を構築し担い手となる人材を派遣することでその継続を支援するとしてお祭りお助け隊を登録制でつくりマッチングを経て派遣をするというものです。交通費、日当、弁当代等の活動費用は自己負担ですがボランティア保険の加入は県が負担するという制度です。
令和五年度は二件八名の派遣でありましたが、制度の認知が進んだ今年度は既に四月時点で六件二十名の派遣がされており、六月現在での登録者数は二百七十二人となり現在も増え続けているとのことです。県外からの登録者もおり派遣された登録者からもお祭りの側からも非常に高い評価を頂いているということでありました。
このシステムであれば、県として地域コミュニティー醸成のための一助としてお祭りの継承及び振興に乗り出す正当性があり危惧される無形文化財を含む民俗芸能の継承の一助となります。さらにはお手伝いをしたお祭りや地域性を気に入って移住につながった例もあるとのことですので静岡県もぜひ導入すべきと考えますが、所見を伺います。
次に、県有施設へのナイトタイムエコノミーの考えの取り組みについて伺います。
急激な円安によりコロナ禍開けの日本には多くのインバウンド観光客が訪れています。しかしながら本県は素通りをされてしまう傾向は相変わらずで、せっかくの観光需要とビジネスチャンスをみすみす逃しているのが現状であります。
一方で、日本を訪れる来日客が不満を漏らす一つに日本の夜の時間の過ごし方が物足りないという声があります。実は世界の動きを見ると、この午後六時から翌朝六時までの全ての経済活動を指すナイトタイムエコノミーに新しい可能性を求める動きが活発になっています。
代表的なのはアムステルダムやロンドンですが、両市では昼間の市長に対してナイトタイムエコノミーを推進する役割を担ういわゆる夜の市長としてアムステルダムではナイトメイヤー、ロンドンでは皇帝ツァーリを意味するナイトツァーを任命しナイトタイムエコノミーの活性化に精力的に取り組んでいます。ちなみにイギリスでのナイトタイムエコノミーの経済効果は、二〇二一年にはGDPの四・一%に当たる九百三十七億ポンドもあり新たな雇用も約八百七十万人も生み出しています。
アムステルダムやロンドンは大都市ですから静岡県ではできないとお思いになるかもしれませんが、さにあらず。ロンドン市の取組を見ると繁華街こそレストランやバーやパブなどの歓楽施設施策が主体になりますが、郡部においては図書館や公園その他の文化施設や歴史的遺産、昨日佐地議員もおっしゃった夜景などを活用したイベントなどの施策が展開され、観光客だけではなく地域住民も含めた誰もが居心地のよい場所を創り出しており好評を博しています。
ナイトタイムエコノミーは、日本であればまずは東京という固定概念を打破して地方の持つ固有の地域財産や自然、公共施設を生かした取組をすべきと思います。まずは静岡県版ナイトメイヤーというポジションをつくり外部人材の登用の検討を提案します。そして県民や観光客の利用が見込まれる県有の美術館や博物館などの文化施設の夜間活用も柔軟に考えてみるべきだと思います。これには経営感覚を持ち込んで施設の利活用範囲の拡大や施設利用料にも繁忙期や時間帯などで価格を変えるダイナミックプライシング 価格変動制度の導入などで民間参入をしやすくし、外国人観光客のみならず県民の皆様の利用を増やす一助にもなると考えますが、所見を伺います。
さらに、これから新設を予定する東静岡の中央図書館などの県有施設にもナイトタイムエコノミーの思想を入れ込んでの空間づくりを考えていくべきと考えます。
新図書館は立地もよいだけに一部フロアは二十四時間使えるスタートアップの拠点や3Dプリンターでの創作体験、AIを含むデジタル技術を使ったナイトタイムの交流の場としての使い方を入れ込むことが新たな知の拠点としてのランドマークとなるのではないかと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。
最後に、スポーツビジネスの推進について伺います。
欧米及びインドに拠点を構えるビジネスリサーチカンパニー社の調査によると二〇二三年の世界のスポーツ産業の市場規模は四千八百四十九億ドル、約七十三兆円とされ、これは市場規模五千億ドルとされる半導体産業やスマートフォン産業、再生エネルギー産業に匹敵する成長産業です。しかし日本はこの成長の波に乗り遅れて停滞を続けてきましたが、このところバスケットボールのBリーグが牽引する格好で次々と大企業やファンドの参入やM&Aが相次ぎ業界全体が大躍進を遂げつつあります。これはスポーツチームを企業広告塔として保有し業績が悪化すればコストカットとして切り捨てるということが繰り返されてきた日本のスポーツ界の黒歴史が塗り替えられ始めた象徴でもあります。つまりはスポーツは稼げる産業にできるという証拠だと言えると考えます。
私は二月議会で、スポーツの価値観刷新とスポーツビジネスの推進について提言をいたしました。スポーツイコール体育からのマインドセットの切り替えやスポーツビジネス産業の可能性を強く進言し、答弁でもスポーツ・オープン・イノベーションへの取組、県内プロスポーツチームとの協働、そしてスポーツの総合産業化、スポーツをツールにしたまちづくり、コミュニティーデベロップメントなどに積極的に取り組むとの答弁があり、早速今年度の新事業としてアクセラレータープログラムの展開が始まったことは高く評価をするところであります。しかしながらスタートアップ等企業の持つ斬新かつ独創的な技術のスポーツ分野での活用を進めビジネスを創出していくためには、ものづくり産業をはじめとする県内の様々な事業者や多様なプロスポーツチームとのさらなる協業を促進するなど県としてやれることはまだまだ多くあると考えています。
本県の新機軸として改めてスポーツビジネスを新成長産業と位置づけ今後の施策の道筋を示しあらゆる可能性を見据えてスポーツ産業の振興を図っていくべきと考えますが、知事のお考えを伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(落合愼悟君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) 阿部議員にお答えをいたします。
私の政治姿勢についてのうち、文明論の概略についてであります。
明治維新の渦中、日本に欧米文化が急激に流入する時代に出版された福沢諭吉翁の文明論の概略は、議員から御披露頂いたとおり現代においても大変示唆に富む内容であります。賢者は歴史に学ぶと言われますとおり、政治家としてまた一人の人間として私は先人に学ぶことを大切にしてきたところであります。
福沢翁は「文明論之概略」であらわした考え方について、もとより永遠微妙の奥蘊にあらずとあくまで日本の急場に対応するために論じたものであって普遍の真理を示したものではない旨を述べております。また当時の日本人について、期せずして来るの難にはよく堪ゆれども自ら難を期して未来の愉快を求むる者なしと評して自分から現状を打破する力の欠如を憂いております。
形式よりも変化への対応を重視する福沢翁の現実的、合理主義的な一面は、私が県政を担うに当たり掲げた前例にとらわれず新しいことに挑戦する、巧遅より拙速といった経営方針にも通じるものがあると感じております。
私はかねてから将来世代に対して責任を負うことの重要性を訴えてまいりました。これは恩師である松下幸之助氏の薫陶であります。税金も資源も有限であり、その投資に当たっては将来と現在のバランスを取っていかなければなりません。税金は一円たりとも無駄にせず使途を差配する立場にある我々政治家がその責任を負っていることを理解すべきとの教えだと考えます。
そうした中、人口減少や生成AI等をはじめとしたデジタル技術の進展といった社会経済情勢の変化や気候変動に伴う自然環境の変化などにスピード感を持って対応するため、県政運営において時代を先読みした新たな事業の提案等について指示をしたところであります。
福沢翁は、人の心身二つながらそこを得るにあらざれば文明の名を下すべからざるなりと、そこに住む人々が物心両面において満たされている状態こそが文明であるとしております。私は今後本県を福沢翁の言う文明にまで高められるよう県民一人一人が暮らしやすさと幸福感を実感できる県づくりを目指し力を尽くしてまいる所存でございます。
なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
○議長(落合愼悟君) 村松経済産業部長。
○経済産業部長(村松毅彦君) 知事の政治姿勢についてのうち、静岡県版論語とそろばん的産業政策についてお答えいたします。
県では、ファルマ、フォトン、MaOIなど様々な先端産業創出プロジェクトを立ち上げ地域企業の稼ぐ力の向上やデジタル人材の確保・育成などに取り組んでまいりました。また地域課題解決の担い手として期待されるスタートアップへの支援も強化しているところであります。
今後、産業政策の実効性をより高めていくためには議員御指摘のとおり金融機関をはじめとした企業や経済団体等との連携強化が必須でありますが、そのためにはまずは本県が目指す五年後、十年後のビジョンを産業界と一体となって具体的に描き上げることが重要であります。現場の声を直接お聞きし、どこに隘路があるのか、課題解決や未来に向かって何が必要であるのか、目指すゴールについての議論を重ねていくに当たっては論語とそろばんの要諦を踏まえ経済成長のみならず社会全体の利益を念頭に置きながら政策を立案してまいります。
国や地方の従来の枠組みにとらわれず知事を先頭に本県が新たな自治体のロールモデルとなって国の岩盤規制の打破など様々な課題に果敢に挑戦するとともに、常に経営感覚を持ってスピード感を重視しオール静岡の体制でより効果的な産業政策の実施に邁進してまいります。以上であります。
○議長(落合愼悟君) 酒井危機管理部長。
○危機管理部長(酒井浩行君) 災害ケースマネジメントの取組についてお答えいたします。
県では、令和三年熱海市伊豆山土石流災害と令和四年台風第十五号の際、熱海市や静岡市に地域支え合いセンターの設置や被災世帯全戸調査を促すなどきめ細やかな支援を働きかけてまいりました。現在は被災現場で様々な分野の方々をコーディネートできる人材が必要であることを踏まえ社会福祉協議会やボランティア団体などと連携し、市町ごとに一人以上を目標に被災者支援コーディネーターを育成する研修を開催するなど人材育成に取り組んでおります。またこうした取組のさらなる推進を図るため発災後、早期から医療や福祉、住居、生活など様々な分野に横串を刺し切れ目のない支援を図る総合調整部門を危機管理部が統括する県災害対策本部指令部に設置すべく本部体制の見直しに取り組んでいるところであります。
なお、昨年度県地域防災計画に県は災害ケースマネジメントの運用について市町を支援すると位置づけたところであり、体制の見直しなど検証を図った上で条例による規定も含め災害ケースマネジメントの体系的な整備について検討してまいります。
県といたしましては、災害ケースマネジメントの考え方に基づく被災者一人一人に寄り添った支援の実現に向け取り組んでまいります。以上であります。
○議長(落合愼悟君) 鈴木経営管理部長。
○経営管理部長(鈴木 学君) 地域コミュニティー醸成のためのお祭り振興についてお答えいたします。
地域で開催されるお祭りは人と人との絆を深め地域の伝統文化を継承する役割を担っており、地域コミュニティーの活性化や地域のにぎわい創出などその振興は大変重要であります。一方コロナ禍を契機に地域のつながりの希薄化が加速し、お祭りの衰退が懸念されております。
県では、これまでお祭り等の地域活動を牽引するリーダーを養成するコミュニティカレッジの開催、お祭りに必要な備品のほか稽古の拠点施設の整備に対する助成などソフト・ハードの両面から市町を通じて地域コミュニティーを支援してまいりました。今後地域における担い手不足が懸念される中、区域を越えた応援体制の構築は大変有効であると考えております。
県内各地のお祭りにおいても、市町や団体等が神輿の担ぎ手などを募集したり若者世代が企画や運営を担うことでお祭りが数年ぶりに復活した事例もあります。
県といたしましては、伝統行事お助け隊の取組も参考にしながら県内各地でお祭り等の地域活動をリードする人材を地域づくりアドバイザーに登録し地域への助言や横展開を図ることにより、お祭りの振興を通じた地域コミュニティーの醸成に取り組んでまいります。
次に、ナイトタイムエコノミーについてのうち、県有施設へのナイトタイムエコノミーの考えの取り込みについてであります。
多くの県民の利用が見込まれる公の施設の管理運営に当たっては、多様な県民ニーズに効果的に対応するため施設の目的に応じて開館日、開館時間を設定するほか多彩なイベントの実施等、各施設において管理者が工夫を凝らした取組を進めております。
例えば、県立美術館では夏場に夜間開館を実施したり、ふじのくに地球環境史ミュージアムでは星空を観察するイベントを開催するなど文化施設において夜間の施設の利活用を進めているところであります。
ナイトタイムエコノミーの推進には、ナイトメイヤーのような地域経済や文化を振興する役割を担う人材の活用や文化施設等におけるイベントの展開などを行っている欧米の事例は本県の県有施設の有効活用において非常に参考になるものと考えております。
今後、有識者等の意見をお聞きしながらナイトタイムエコノミーを促進する観点から文化施設等をはじめとした県有施設の柔軟な利活用と周辺の地域資源との連携による経済活性化の取組について検討してまいります。以上であります。
○議長(落合愼悟君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) ナイトタイムエコノミーについてのうち、新県立中央図書館における知の拠点づくりについてお答えいたします。
新図書館は、三階以上に機能を拡充した従来型の図書館、一、二階に交流スペースや各種ラボ等新しい機能を配置し多様な目的を持った人々が学び、交流し、創造する空間づくりを進めてまいります。
新たにスタートアップを目指すイノベーティブな人々が集うなど、これまでの図書館とは異なる層の利用拡大が見込まれる中で来館者同士の活発な交流を促していくためにも利便性が高まる開館時間の設定や夜間帯への拡大を図ることが必要であると考えております。
直営となる三階以上とは別に交流スペース等がある低層階は、施設管理と併せて指定管理者による運営を想定しており、選考の際には議員からの御提案を踏まえた上で年間を通じ夜間も利用できる県内外の大学図書館など弾力的な開館日、開館時間を設定している他の図書館も参考にしてよりよい提案を引き出せるよう努めてまいります。
また、現在東静岡駅南口では毎月夕暮れ時から地域主催のマルシェが開かれており、こうしたイベントと連動した開館時間の延長のほかビジネスや地域創生をテーマにした夜間セミナーやワークショップ、館内で心ゆくまで時間を過ごすナイトライブラリーなど夜間も含め幅広く県民に図書館を身近に感じてもらえる企画を検討してまいります。
県教育委員会といたしましては、生活や働き方の多様化に伴う利用者のニーズを十分把握しナイトタイムエコノミーの視点も踏まえ、昼夜を問わず探求や研究、アクティブな交流や体験活動などが展開される知の拠点の創造に努めてまいります。以上であります。
○議長(落合愼悟君) 都築スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(都築直哉君) スポーツビジネスの推進についてお答えいたします。
県では、従来の競技力の向上や生涯スポーツの振興に加え、産業としてのスポーツの可能性に着目しプロスポーツチームとスタートアップの協業などスポーツビジネスの創出に向けた取組を始めております。今後はこうした取組をさらに発展させスポーツを産業として育成してまいります。まずは有識者の意見を聞きながらスポーツチームと他業種の連携促進や県内産業との融合によるビジネス創出、新たなスポーツツーリズムの展開、アスリートのセカンドキャリア支援などスポーツの成長産業化に向けた施策をしずおか版スポーツ産業ビジョンとして取りまとめてまいります。
あわせて、オール静岡でビジョンを推進するためプロスポーツチーム、企業、金融機関、競技団体、大学などスポーツ関係者による連携を図り様々な知見を結集してまいります。その上でプロスポーツチームと企業の革新的な技術やアイデアを融合するなどスポーツ関係者によるオープンイノベーションを促進することにより、静岡発のスポーツビジネスを創出してまいります。
県といたしましては、多くのプロスポーツチームやものづくり産業が集積する本県の強みを生かしてスポーツビジネスを推進し地域経済の活性化を図ってまいります。以上であります。
○議長(落合愼悟君) 阿部卓也君。
(六十六番 阿部卓也君登壇)
○六十六番(阿部卓也君) 御答弁ありがとうございました。
知事の文明論につきましては、知事の政治家としての重要な指針と柔軟さをお持ちの康友流文明論の一端をお聞きできた気がしますので、また具現化を楽しみにしております。
要望を四点、再質問を二点します。
まず、論語とそろばん的産業政策のうち、労働力の流動性の向上と外国人労働力の活用、これ実は現行の特に中小零細企業の経営の実態からするとかなり抵抗感がある事案で、これは経済界と本当にしっかり熟議をしなければ前向きに進まないことだと思います。ぜひじっくり丁寧に強い覚悟を持って進めていただきたい、これを要望します。
それから、二拠点生活移住モデルですが、これせっかくCIC Tokyoに拠点を構えたので住環境機能も一緒に構想して首都圏に一番近い地方というこの静岡県の優位性を生かすこと、そこにつながると思いますので、ぜひ国交省のモデル事業にも当てはまると思いますので検討していただきたいと思います。
お祭り振興についてですが、これ福岡県の成功例を広域行政を担う県だからこそ具現化すべきと思います。県全体の地域基盤が強化されますし、また県全体のブランディングと地域活性化、文化振興にもつながるのでぜひ検討をお願いしたいと思います。
それから、ナイトタイムエコノミー、ナイトメイヤーを本気で考えるべきだと思っています。民間活力の呼び込みにつながるとともに、民間の目線から本県の持つ各種の価値の再発見につながりますのでぜひお願いします。
再質問を端的にします。
知事にいずれもお伺いしたいんですが、まずは論語とそろばん的産業政策の中で予算配分の見直しについてお聞きしました。これ新産業育成の肝の部分になると思います。ここに切れ込む覚悟と勇気そして知略をお持ちかどうかお聞きをしたいと思います。
もう一つは、知事自身がスポーツビジネスの可能性についてどのように考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(落合愼悟君) 鈴木知事。
○知事(鈴木康友君) それでは、阿部議員の静岡県版論語とそろばん的産業政策についての再質問にお答えをしたいと思います。
予算配分の見直し、これはもう常に柔軟に行っていかなければなりません。私、市長も十六年務めてまいりましたけれども、産業政策をはじめ重要施策につきましてはですね、常にそうしたところに重点的な予算配分をしてきましたし、当然その施策の推進と予算というのは表裏一体のものでありますから、そこは柔軟な姿勢で臨んでいきたいというふうに思います。以上でございます。
○議長(落合愼悟君) 都築スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(都築直哉君) スポーツビジネスの推進についての再質問にお答えいたします。
スポーツ産業につきましては、成長産業として非常に可能性が高いものであると考えております。その中で本県は十八のプロスポーツチームがございます。それとものづくり産業が集積するということで条件としてはかなり優位なものがあってると思うんですね。本県としてやっぱりスポーツ成長産業化をですね、進めていく必要があるというふうに考えています。以上でございます。
○議長(落合愼悟君) これで阿部卓也君の質問は終わりました。(拍手)
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