

定例幹部職員会議 部局の取組紹介 |
令和3年04月26日 |

富士山ハザードマップの改定 〜最新知見に基づく噴火想定〜

危機管理部危機情報課

1 要 旨
富士山噴火に備えた火山防災対策を進めるための基礎資料として、平成16年に富士
山ハザードマップが作成されているが、その後、研究機関や火山専門家等による富士山
の地質調査や噴火についての研究が進み、新たに複数の噴火口跡の発見や、過去に大
規模噴火が発生した際の溶岩流の噴出量が推計されるなど、富士山噴火に関する新た
な知見が蓄積されている。
静岡・山梨・神奈川の3県と関係市町村、国、防災関係機関等で構成する富士山火山
防災対策協議会は、こうした新たな知見に基づき、富士山ハザードマップの改定作業を
進め、令和3年3月に開催した協議会において、17年ぶりに富士山ハザードマップを改定
した。
2 概 要
(1) 新たな噴火想定(溶岩流のシミュレーション)
ア 想定火口範囲の見直し
・5600年前までさかのぼった調査により、新たに噴火口跡が複数発見されたことや、
山頂から半径4km以内の全域を想定火口範囲に追加したことにより、改定前に
比べて想定火口範囲を拡大した。
イ 噴出量の見直し
・過去大規模噴火とされている864年の貞観噴火では、約13億㎥の溶岩流が噴出
したと推計され、これを大規模噴火シミュレーションでの溶岩の噴出量として適用
した。(改定前の約2倍)
ウ メッシュサイズの見直し
・メッシュサイズ20mの地形データを活用し、精緻な計算を行った。(改定前は、
200mメッシュ)
エ シミュレーション規模の拡大
・上記の計算条件の見直しを踏まえ、全252ケース(小規模92、中規模91、
大規模69)の噴火シミュレーションを実施。(改定前は、小規模13、中規模18、
大規模13 計44ケース)
オ シミュレーション結果
・溶岩流の到達可能性範囲が拡大した。(大規模噴火での噴出量拡大と地形データ
の精緻化による。)
・市街地などへの溶岩流の到達時間が早くなった。(想定火口範囲の拡大による。)
(2) 溶岩流の到達範囲拡大により新たに影響範囲に含まれる市町
・本県では、2市1町(静岡市清水区、沼津市、清水町)
(3) 改定後のハザードマップの公表
・県ホームページで公開中
3 今後の取組
(1) 住民説明会の開催
改定したハザードマップの内容を、噴火影響範囲に含まれる住民等に正しく理解
していただくため、地元市町と連携して説明会を開催
(2) 広域避難計画の改定
改定したハザードマップに対応した避難体制を構築するため、山梨県と共同で、
広域避難計画の改定に取り組む

【添付資料】

富士山ハザードマップの改定 〜最新知見に基づく噴火想定〜(865KB)
|