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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2016年8月24日(水)

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知事記者会見

2016年8月24日(水)


知事発表:台湾訪問について、ブラジル訪問の成果
知事発表:“ふじのくに”士民(しみん)協働 事業レビューの開催、ファルマバレープロジェクト新拠点の全面開所と愛称の決定
記者質問:ブラジル訪問の成果について(1)、ファルマバレーセンター全面開所について
記者質問:ブラジル訪問の成果について(2)
記者質問:航空博物館の建設について
幹事社質問:リオデジャネイロ五輪での本県ゆかりの選手の活躍について
記者質問:東京オリンピックに向けた課題
記者質問:三保松原「羽衣の松」周辺のボードウォークの設置について

知事発表:台湾訪問について、ブラジル訪問の成果

(知事)

 どうも、お暑うございます。今日のお花ですけれども、これですね、アンスリウムという花だそうです。紫色の花、これはリンドウですね。淡いピンク色の花、角虎尾(かくとらのお)、これですね、かわいい花でございます。

 さて、今日の発表項目は、地域外交に関するものが2件、そして県内関係のものが2件でございます。

【台湾訪問について】

 まず、最初は台湾訪問についてでございますけれども、8月26日、明後日ですね、明後日から30日まで、富士山静岡空港からの定期便により、台湾を訪問いたします。

 主に台湾の中部に位置する南投県(なんとうけん)におきまして、台湾鉄路管理局との協定締結を行うものでございますが、台湾鉄路管理局というのは、昔、日本にありました国鉄を管理する鉄道省に当たるものであります。そこと協定を行う他、浜名湖と日月潭(にちげつたん)の友好交流協定、これは市長さんが来られると、浜松の市長さんが来られますが、その交流協定に立会います。

 また、教育旅行の促進を目的といたしまして、台湾国際教育旅行連盟総会長とも御面会いただけることになりました。29、30日は台北市及び桃園市におきまして、政府機関、亜東関係協会(あとうかんけいきょうかい)、日本の外務省に当たるものですね、の会長さんともお目に掛かる予定になっております。また、チャイナエアラインも訪問する予定であります。

 この台湾におきまして、5月に新しい、蔡英文総統の下での新政権が発足したことに伴いまして、大きく人事異動が行われました。ついては、日本との外交機関である亜東関係協会をはじめ、台湾の政府機関や、静岡空港と台湾桃園空港間で直行便が就航しているチャイナエアラインなどを訪問し、新しい関係構築を図ろうということでございます。静岡県の台湾での活動に関する支援を要請するものであります。

 なお、今回台湾では3泊することになりますが、一つ目のホテルでは、宿泊料14,500円、二つ目のホテル、日月潭の所では14,850円、台北市に戻りまして、これが1泊17,200円ということで、規定が17,400円でございますので、全て現時点における規定に従った形で宿泊をいたします。

 今回の訪問を機にいたしまして、新しい交流が生まれ、相互の交流人口がより一層拡大するよう努めてまいります。

【ブラジル訪問の成果】

 二つ目の発表項目、これはブラジル訪問の成果でありますけれども、本来、私が行くべきところを宿泊料金が規定を大幅に上回るということで、実務を担当する方が仕事ができやすい環境を作りまして、彼らはまあエコノミークラスで行きまして、ツインルームを2人で分けて、それでも1泊2万円以上したそうですけれども、涙ぐましい努力をしながら成果を上げて帰国してくれました。大変喜んでおります。私から間接話法で言うよりも、直接御本人たちから成果について御報告いただいた方が良いと思いますので、今日は地域外交のトップでございます増井地域外交監、そして、ナンバー2であります、しかもスポーツを担当しております鈴木(スポーツ局長)さん、それから、このITA、前回ブラジルを訪問しましたのが、あれは去年だったと思いますけれども、その時の訪問の成果、これを上げてきた岩城出納局長からそれぞれ報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。

(増井地域外交監)

 地域外交監の増井でございます。今回二つの案件でブラジルを訪問してまいりました。一つはリオデジャネイロでのオリンピック関係、もう一つはサンパウロの郊外のサンジョゼ・ドス・カンポスという所にありますITA(アイティーエー)、ITA(イタ)と県内の(静岡)理工科大と東海大との協定の締結、その二つで行ってまいりました。県として一体として施策を推進するというような意味合いから、私が全体を通して行程を歩んできたということで、全体的な総括を私の方からさせていただきます。その後で、個々の詳細の点につきまして、鈴木スポーツ局長と岩城出納局長から説明をしたいと思います。

 まず、オリンピック関係でございます。東京オリンピックでの自転車競技の伊豆の開催を成功させるために、今回、リオデジャネイロを訪問いたしました。自転車競技関係の運営施設の視察、それから関係団体幹部との意見交換を行ってまいりました。国際自転車競技連合会長でありますクックソンさんにお会いをいたしまして、伊豆会場の準備を万全に行っており、安心して開催地の運営を任せてもらいたいとのメッセージをお伝えいたしました。クックソン会長さんからは、自転車トラック・レースというのは、他の競技に比べて観客が非常に多いと。東京オリンピック・パラリンピックの大会では、本県に大変期待をしているという発言がございました。

 また、この時期は各国のオリンピックの関係者が一堂に会しているということがございまして、イタリアのオリンピック委員会、それとブラジルの各競技の団体の方に事前キャンプの誘致活動を行いました。イタリアのオリンピック委員会の国際部のパストーレさんという方と面談を行いまして、本県がイタリアとの交流事業を行っているという説明でありますとか、あるいは、射撃のキャンプ場になったという実績もございます。それに加えて、本県のいろいろな、多様な競技の事前キャンプ場所があるという説明をいたしましたところ、そのパストーレさんからは、イタリアとしては各競技のキャンプ地をできる限り一か所に集中させて行いたいという意向があるということでございまして、大変本県のキャンプの候補地に興味を示していただきました。来年2月から3月頃に日本を訪問する予定があるので、ぜひとも、その時には静岡県を訪れたいという発言をいただきました。また、その他、ブラジルのアーチェリーの協会の会長さん、理事の方からも話を伺うことができまして、つま恋等の施設を紹介したということでございます。パラリンピックも今後開かれますけれども、そこに国際アーチェリー協会の副会長さんがお見えになるということで、その後は他の国の方もお見えになるということで、ぜひ、そこの場所に静岡県の方が来ていただいて、候補地の宣伝をしていただけたら良いのではないかというアドバイスもいただいたところでございます。

 それから、もう一つの成果でございますが、ブラジル航空技術大学、「ITA」と言いますけれども、そこと県内の静岡理工科大学、それと東海大学の大学間交流の覚書の調印をすることができました。このITAというのは、ブラジルを代表する航空機メーカーでありますエンブラエルとも大変深い関わりを持っている大学でございます。ITAはブラジル航空機産業におきまして高い技術を持った人材を輩出しておりまして、研究開発においても高い評価を得ているところでございます。今回、覚書の調印を契機にいたしまして、今後、両大学間の人材交流が活発に行われることが期待されているところでございます。

 私からは、以上でございます。では、鈴木局長お願いします。

(鈴木スポーツ局長)

 スポーツ局長の鈴木でございます。引き続き、リオのオリンピック関係、特に事前キャンプ誘致の関係について補足の御報告をさせていただきます。

 先ほど増井(地域)外交監の方からお話しがございましたように、イタリアチーム、それからあとブラジルのアーチェリー、それからフェンシング等の団体の関係者と面談をいたしまして、イタリアについては来年の2月、3月に、ぜひ来たいという話がございましたし、また、アーチェリーについてもですね、アーチェリーというのは他の国々と一緒に事前キャンプをやるということで、パラリンピックの機会に他の国々の方々につま恋、掛川のつま恋をぜひ紹介したいというふうなお話がございまして、それを、そこにぜひ静岡県からも説明ができるような人間を同席してくれという話がございましたので、今、その人選をし、そのリオの方に行くことを今、調整しているところでございます。

 それで、このようないろいろな成果が上がりましたので、私どもは8月5日に東京の大会組織委員会が、東京2020キャンプオンラインガイドというものをウェブに公開してですね、ここに都道府県別では、本県、一番の22施設が掲載されるようになっておりますけれども、それも踏まえて9月の初旬にですね、市町とか競技団体を集めて事前キャンプの取組についていろいろな打合せをしようと思っておりました。その場でですね、今回のリオの成果も発表し、お互いにさまざまな意見交換をしようというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

(岩城出納局長)

 出納局長の岩城です。私からは大学間の交流について御報告をいたします。

 昨年11月に川勝知事がブラジルを訪問し、世界的な航空機メーカーであるエンブラエル社を訪問、また、そのエンブラエル社の創業社長であるオジーレス・シルバ氏を表敬訪問いたしました。その席上、エンブラエル社及びその技術者の母体となっているブラジル航空技術大学「ITA」と、静岡県内の大学との交流を促進することで、川勝知事とオジーレス・シルバ氏の意見が一致をしたところであります。私もその席に同席しており、今回も訪問ということにさせていただきました。

 その知事とオジーレス氏の面談を受けて、今回の訪問では、お手元にお配りしてありますとおりITAにおいて、静岡理工科大学外山理事長及び東海大学吉川副学長が、それぞれITAコヘイア学長と覚書に署名し、大学間の交流を進めていくことが合意されたところであります。

 本県で航空工学コースを持つ静岡理工科大学と、本県が発祥の地であり、航空宇宙学科のある東海大学の2大学が、ブラジル航空技術大学「ITA」と交流し、この交流は学術、教育の分野が主になりますが、いずれは航空機産業に関する人材育成なども図ることが狙いとなっております。

 ITAのコヘイア学長も、それからオジーレス氏も、ITAの教授を両大学に送り、具体的な交流項目を探ることを考えていらっしゃっており、今後大学間で調整をしていくことになります。県もこれを支援していくという形になろうかと思います。

 なお、ITAのホームページを見ましたところ、ITAが日本の大学と協力関係を持っているというのが載っておりませんでしたので、おそらく今回の静岡県関係の両2大学との交流関係がITAとしては初めての日本の大学との交流というふうになるものと思われます。

 私からは、以上です。

(知事)

 今、3人の関係者から発表したとおりでございまして、著しい成果を上げて帰国してくださったということ、大変喜んでおります。この間、こうした成果に結び付くために、特に浜松のブラジル総領事閣下、ピラス総領事さんのただならぬ、この何と言いますか、このブラジルと今、静岡県との関係で、私が行けないことについて、関係者に重々に御説明いただいて、そして向こうの温かい御理解もいただいて、そして画期的な、いわばブラジルと日本の教育研究におきまして、共同作業がこれから始まるということになったのを大変喜んでおりますし、ピラス総領事に対しましては、大変ありがたく感謝を申し述べる次第でございます。差し当たって以上でございます。




知事発表:“ふじのくに”士民(しみん)協働 事業レビューの開催、ファルマバレープロジェクト新拠点の全面開所と愛称の決定

(知事)

【“ふじのくに”士民(しみん)協働 事業レビューの開催】

 それから、県内関係でありますが、まず“ふじのくに”士民(しみん)協働事業レビューの開催でございます。

 公開の場で、県民の皆さまからの県の事業を中心にその改善に向けて御意見をいただく、「“ふじのくに”士民協働事業レビュー」を、この9月の10日土曜日と11日の日曜日の2日間実施いたします。

 当日は、四つの施策を議論のテーマにいたします。一つ目は「多様な保育サービスの充実」、二つ目は「文化が持つ多面的な価値や力を踏まえた賑わいの創出」、三つ目は「民間の能力や創意工夫の活用」、四つ目は「成長産業分野への進出支援等による次世代産業の創出」でございます。県の予算事業の効果判定に関する議論及び市町や民間等との連携に関する議論を行っていただきます。

 今年度は、会場を初めて、今回でいわゆる仕分けを、今は事業レビューと呼んでおりますけれども、平成21年から始めまして8回目になりますが、これまで7回は県庁でやってきましたけれども、会場を静岡県立大学に移します。選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられたことを受けまして、若者の県政参加を促すという目的が会場を移す理由の一つでございます。

 事業レビューの当日は、「県民評価者」として、289名の県民の方に御参加いただく予定です。この中には、無作為抽出により選定した県民の方、そして公募の大学生などに加えまして、今年度初めての取組として、高校生8名が含まれております。

 また、11日の日曜日には、新しい取組として政治参加の手段の一つである選挙権の行使について、若者が投票所に足を運ぶようになるにはどうしたらいいかなどをテーマに、当事者である若者が中心となって議論する特別セッションも開催する予定であります。

 なお、この開催に当たりましては、三者の共催ということに今回はなります。一つ目は「静岡県立大学」、これは会場でございます、を提供していただきます。二つ目は「ふじのくにづくり学生研究会」でございます。これはこの事業レビューに参加した学生の有志により結成された研究会でございます。三つ目は、「静岡時代」という名称を持つ、県内全ての大学で配付している情報誌の発行など、大学生発信による広報事業を展開している団体、若者の団体であります。この三者と共催いたしまして、実施するものであります。

 事業レビューは公開で行いますので、ぜひ多くの県民の皆さまに会場にお越しいただいて、またインターネットでの中継も行いますので、県の施策や事業、さらには市町や民間等との連携について、一緒にお考えいただければと存じます。

【ファルマバレープロジェクト新拠点の全面開所と愛称の決定】

 県内関係、もう1点、発表項目がございます。それは、ファルマバレープロジェクト新拠点の全部開所、全開所、3月に部分開所をいたしましたけれども、フルオープンいたしまして、その愛称が決定したことに関わることでございます。

 まず、医療健康分野の研究開発と、地域企業の参入・成長を加速する戦略施設として、県が旧長泉高等学校の跡地に整備しておりました、ファルマバレープロジェクトの新拠点施設「静岡県医療健康産業研究開発センター」が9月1日にフルオープンいたします。

 この施設は、今年3月1日に一部開所いたしました。テルモ株式会社、東海部品工業株式会社が入居しておりますけれども、今回、中核支援機関である公益財団法人静岡県産業振興財団ファルマバレーセンターが静岡がんセンターから移転入居するとともに、大手企業や地元中小企業など10社が研究開発室へ入居してくださいます。

 今後は、この施設を最大限に活用いたしまして、入居企業・地域企業へ支援を行うとともに、医療従事者やさまざまな企業等との連携・交流を積極的に行いまして、製品開発を加速させてまいります。

 併せて、フルオープンを記念いたしまして、開所式を、9月の5日10時半から施設3階の交流ホールにおきまして開催いたします。

 以上、開所について御発表させていただきましたけれども、愛称についてであります。新拠点施設のフルオープンに当たりまして、施設の名称を、条例による名称は「静岡県医療健康産業研究開発センター」でございますけれども、これまでの経緯から「ファルマバレーセンター」といたしました。このファルマバレーセンターといたしました理由は、このファルマバレープロジェクト推進の中核拠点であるということを即座に分かるように、公募せずに県の方で決定したということでございます。

 いわば、企業城下町という言葉がありますけれども、医療城下町というものの町がオープンするという、そういうイメージですね。医療城下町という言葉は、もともとこのファルマバレーセンター、あるいは静岡がんセンター、この推進役として一方ならぬ御尽力をいただいております山口(がんセンター)総長が当初言われていた言葉でございますけれども、今やこの医療城下町という、そうした名称に恥じぬ実が伴ってきたというように思っておりまして、それを記念する、そういう式典になると思っているところであります。

 私の方からは、以上であります。




記者質問:ブラジル訪問の成果について(1)、ファルマバレーセンター全面開所について

【ブラジル訪問の成果について(1)】

(幹事社)

 よろしくお願いいたします。

 今の知事の発表項目のうち、ブラジル訪問の成果については、先に幹事社より提出しておりました幹事社質問と重なる部分がございますので、今、併せて補足でお伺いいたします。今、3人の方から御報告をいただきまして、知事からは著しい成果を上げたとの評価をおっしゃいましたけれども、実際に知事自身が、ブラジルに向かわれなかったことによる影響というのは、具体的にございましたでしょうか?

(知事)

 経費が削減されたことですね。

 しかし、ちょっとむちゃなですね、旅行だったのではないですか?彼らも、おそらく、増井(地域外交監)君は若く見えますけれども、50代後半です。鈴木スポーツ局長も40代に見えますけれども、50代ですし、岩城出納局長も同じです。ですから、相当きつかったと思いますね。何泊?

(増井地域外交監)

 3泊7日です。

(知事)

 3泊7日です。ですから、3泊は一応、普通の部屋でした。あとは移動しながら寝るということですね。そしてしかもエコノミークラスでしょ。よく無事で帰ってくださったと。しかも行ってすぐに仕事ですからね。リオでは、しかも部屋を共有しているということで、ですからこの縛りがいかにむちゃかということですね。そういうことを明かしたことではなかったかと思います。

 一方ですね、ITAとの関係につきましては、協定書を配られたらどうですか?(配ってあります。)そうですか。今、これ手元にございますけれども、英文で書かれているのですね、三つの、これは一つは、ITAとそれから静岡理工科大学のことですけれども、前文が書かれていますね、ここに、「Memorandum of Understanding」というMOU(了解覚書)というものを結ぶことになったと。ついては、「based on the recommendations of Dr. Ozires Silva, a distinguished alumnus of ITA and the founder of Embraer, and Dr. Heita Kawakatsu, the governor of Shizuoka Prefecture」と、わざわざお書きいただいているのですね。ですから本来なら、われわれ二人が立ち会ってですね、すると、もう非常にスムーズにいったと思いますけれども、初めて会う方たち、向こうのコヘイア(学長)さんでしたか?コヘイア学長、それからこちらの外山(静岡理工科大学)理事長さん含めて、全部初めてなんですよ。初めてで、そこでサインするわけですから。だからその準備はですね、細心の注意を払ってやったつもりでありますけれども、やはりトップが行かないと大変なことになる。今回は例外的ですね。しかし、本来上げようと思っていた成果、これを全部上げられたということです。私自身は、このいわゆる学術研究教育の交流拠点をですね、もちろん静岡理工科大学、これは袋井市にあります。東海大学、これは各所にあるわけですけれども、東海大学というのは航空科学専門学校として誕生したわけですね。そこもですね、入っていただいているので、共通の場所があった方が良いのではないかというふうに思っていましてですね、前もって私は、静岡理工科大学のお持ちになっている航空資料館を見に行ったのですけれども、それは飛行場のすぐそばにありまして、遠州トラックさんの倉庫に展示されているのですが、行かれたことがある人は手を挙げてみてください。すごいものですよ。トラックの倉庫ですからね、一つの単なるそういう空間があるような建物なんですが、置かれているものや、鈴与の社長さんが、ずっと一生を懸けてというか、若い時から集めてこられた素晴らしい飛行機の模型、それを御覧になったホビーのタミヤさんの社長さんがですね、自分の持っている模型を全部、100件ぐらいあるのですが、全部そこに展示してあるのです。それから、いわゆる管制塔のシミュレーションができるような施設もありまして、ですからこうしたものはですね、天下の宝物ではないかと思いました。手狭ですし、置いてある置き方も博物館というには、やや箱がみすぼらしいというとちょっと申し訳ないですけれども、中身に合っていないということで、それで私は、こういう現物を見、そして飛行機が飛来する所で勉強するのが良いということで、今の飛行場の原子力防災センターと格納庫の間に数ヘクタールの土地がございますが、その一画をそういう博物館機能と研究教育機能にしようと思って、皆さんと相談をしているわけですけれども、そこがですね、一つ共通の拠点になるのではないかと。どうしてそういうことを言うかと言いますと、ITAも実は、飛行場のすぐそばにあります。もちろんエンブラエル社もそこに本社がございます。従いまして、こういうものを勉強するのに現場感覚を持たないと駄目なのでですね、そうしたことができる空き地と言いますか、スペースが、今の富士山静岡空港にございますので、そこをこれから、皆さんの御意見を入れながら、造り上げていくという、そういう課題を負ったということで、そしてまた何よりも、ブラジルと日本との交流をですね、学術教育の面で本格的にやっていけるという、そういう朗報が届いたということでですね、この3人の方々に対しましては、もう拍手しかありませんが、物を差し上げると賄賂になるのでですね、心からの感謝を捧げたいと思っている次第であります。

(幹事社)31:40

 ありがとうございました。

 幹事社からは以上ですが、知事の発表項目について、質問のある社がありましたら、よろしくお願いします。

【ファルマバレーセンターの全面開所について】

(記者)

 よろしくお願いいたします。

 ファルマバレーセンターに関して、お聞かせいただければと思います。ファルマバレーセンターの全面開所は、いわゆる医療健康分野で地域間競争に勝つための、そして地元の産業振興のためにも大きな仕掛け、そして節目だと思っております。先ほど、医療城下町が実になるという話が知事からありましたが、あらためて知事の期待するところ、これまで県が取り組んできたことが、一つの形になる所の思いをお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)

 数字の上で言いますと、医薬品の年間の生産額、また医療機器の生産額、合わせましてほぼ1兆円で、この4、5年間、全国1位を誇っているということですね。これはもちろん、全県下さまざまな所で、そういう製薬だとか、医療機器を製造されたりしているわけですけれども、何と言っても、それぞれの地域を三つに分けまして、この東部におきましては、がんセンターを中心にしたファルマバレープロジェクトというのがありまして、これが大きく貢献していることは言うまでもありません。さらに最近では、この美と健康ということでですね、化粧品も断トツで日本一ということでございまして、そうしたものの拠点、これがどこかと言われれば、やはり静岡市とか浜松市というよりは、やはり長泉町のファルマバレーセンターになるのではないかということですね、その意味で、この実というものを実感できる、そういう施設になったと。

 かつその立地なんですが、行かれた方は、御存知だと存じますけれども、目の前に富士山を仰ぐことができますし、眼下には駿河湾を見ることができます。世界文化遺産と世界で最も美しい湾クラブの一つということでですね、天下一の景勝の地なんですね。それから近くには、長泉町の駿河平という住宅地があるでしょ。それから言うまでもなく「クレマチスの丘」ですか。ですから非常に豊かな感じがする所ですね、何か「SAPIO」(月刊誌)で統計が載っていませんでしたか、長泉町のその地域について、10位に入っているとか?私、正確には、まだ見ていませんけれども、もうあの日本全体でですね、長泉町という小さな町ですよね、しかしながら日本有数の地域になって、その中心になっているのが、がんセンターであり、かつファルマバレーセンターと。ファルマバレーセンターは今まで、がんセンターの中にあったのですけれども、これを新しい所に移しますので、文字通りですね、がんセンターとファルマバレーセンターが車の両輪になっているということを実感できるような所になったと。実際、入居希望するところもあって、これも相当厳しい判断基準で、確実に成功するところを選ばれたというぐらいですね、吸引力と言いますか、求心力というものが働いているというのを実感しているところであります。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:ブラジル訪問の成果について(2)

(記者)

 ブラジル訪問の件に戻ってしまうのですけれども、先ほど知事は、成果は全て上げられたというふうにおっしゃいましたが、知事が行かなかったことについてのマイナスの影響はなかったとお考えということでいいのでしょうか?

(知事)

 まあ、行くべきだったと思います、やはり。お詫び状を送らなければいけなかったわけですから。人に詫びを、しかも相手の好意を抜きにして、成立しないような、そういう取り決めを求めていくわけですね。そこに本来、いわば一緒に道を開拓したですね、その人間が来ないというのは、失礼に当たるでしょう。ですから、その面は、やはりマイナスと言えば、マイナスですね。

 しかし、今回はそういう例外的な事情であるということを、東京都の舛添前知事のですね、旅費問題がございましたので、そのことを手紙で丁寧に御説明し、そしてまた日本の事情について、ピラス総領事閣下が丁寧に、相手に御説明いただいて、そしてオジーレス博士からお手紙が来ました。よく事情は分かったと。だけれども、せっかくわれわれ二人で蒔いた種なので、これが成果で結べるようにするという内容の手紙でした。ですからですね、こういうこと2回、3回とあってはならないと。これは武士道にもとるというか、侍精神にもとると思います。約束したことは守るということなんですね。来るということで、やっていたわけですから。

(記者)

 オリンピックの方に関係しては、マイナスの影響はなかったでしょうか?

(知事)

 そうですね、これはちょっと分かりませんが、やはり一心同体でやっている、鈴木スポーツ局長ですね、今年から始まったということで、自立する上でもですね、大きかったと思います。それからこの地域外交監というのも、いわば対内関係の白井知事戦略監と、いわば車の両輪、対内関係の戦略監としての白井さん、それから対外関係の戦略監としての増井さんということで、二人でやっていただいているのですけれども、私が行けばどうしてもですね、二の次、三の次ということになりかねなかったのですが、今回堂々とデビューされたのではないかと。だから、これは増井地域外交監の実力が出たということでですね、これは新しい、嬉しい、頼りがいになるという人物の登場ということでですね、このポストに見合った人材であったということを、仕事、これは結果オーライですから、結果が全てですからね、それで明かされたということであります。それにスポーツについては、元天浜線の社長ですから、鈴木さんは。あそこは、さる西部の大きな会社がですね、「ああいうものはもういらん。」と、「あそこを道路にしてしまえ。」というような意見のあったところを、何としてでも残すということでですね、それでうちが送り込んだ、誰も出してくれないのでですね、民間から、それが鈴木スポーツ局長ですよ。大変でした、人身事故が。人身事故というか、天竜川でですね、溺れてお亡くなりになった方がいらっしゃいましたから、大変なことだったのですが、その苦境を乗り切った精神、この天浜線が今度、なんと台湾と兄弟関係になるというのですからね、そういう実力を持った人であるということもですね、だから一芸に通じる人はと、人はよく言いますけれども、そこで立派な仕事をした人間がスポーツの面でも立派な仕事をしたということが分かるということです。それから岩城出納局長の方はですね、僕とずっと一緒に行動していたわけですよ。見た感じ分かるでしょ、ベラベラしゃべる人ではないのですよ。実際、私が全部話していたわけです、オジーレスさんと、全部聞いている。それで英語もできるのです。ポルトガル語のいわゆる通訳を付けないで、オジーレス博士とは私どもやっていたのでですね、それも彼は分かるので、ですから向こうも顔は、ITAの人は知っています。ITAの人は知っているので、そして今回、僕が行けなくても、これまでの経緯について分かっている岩城(出納局長)君が行っているということでですね、ですからいわゆる少数精鋭の最たるものが、このトリオだったと思います。

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:航空博物館の建設について

(記者)

 すみません、航空の話に戻るのですけれども。ブラジル航空技術大と今回協定を結ばれることになったことに関して、航空博物館を静岡空港の敷地内に造りたいというようなお考えを、今、示されたと思うのですけれども、これは、いつごろまでに、どのくらいの規模で造られる御予定でいらっしゃいますでしょうか?

(知事)

 今ある航空資料館はですね。そうですね。これの5倍くらいでしょうかね。これ(記者会見室)のね。今あるところは。実物の飛行機も展示できるのですよ、今の状況だと。その敷地はありません。一部置いてあるのですけれどもね。ですからですね、どのくらい要りますかね?ホテルが公募段階に入っているかと思いますけれども。そこと分けないといけません。それでも1ヘクタール以上あると思います。1ヘクタールというと、小学校一つ分くらいですね。運動場があって、校舎があって、体育館があって、図書室があって、職員室があると。そうした大きさの分くらいのですね、所は使えるということですね。将来のことがあります。ああいう所は他にありませんから。飛行場がすぐそばで、そこに空き地が近くにあってですね、そして勉強もできると。すぐそばに勉強するための材料を持っている博物館があると。これが車で20分ぐらいの所にあるわけなんですよ。FDAがお持ちであるシミュレーターの装置が置いてある。その反対側の所に置いてあるのが資料館です。ですから鈴与さんがすぐ近くでやってられますけれども、その距離の所にあるのでね。当然、そこからは富士山も何も見えないし、それはもう、飛行場のすぐそばに来ればですね。ちなみに、それまでの資料館も子供たちがたくさん来て、すごい人気だそうですよ。来たらすぐにその魅力に取り付かれると。なにしろタミヤさんがお持ちだった全ての飛行機の正確に何十分の一かの、色も何も全部正確なものが、そこに展示されているので、圧巻です。

 しかも、今まで航空博物館というのは、東京の神田ですか。あそこにあったものをそこを建て替えるので、追い出されてですね。大阪かどっかに持ってかれて、そこも鉄道に特化するとかということで、そこも追い出されて、結局、行く所がなくなって、ただしニュースが伝われば、欲しいという所がたくさんあったのですけれども、先にこちらがたまたま言われたので、すっとこちらに来たので、ですから1ヘクタールぐらいは要るのではないかとは思っていますが、そのぐらいの土地はあると。そこに会議室であるとか、勉強ができるような所とか、そうしたものを整えるとなればですね、それができるだけのスペースは、飛行場の、丁度、原子力防災センターから、その何と言いますか、海側というか、飛行場の建物のある側の敷地が、水道も来てますからね、考えられるというわけです。

(記者)

 すみません。それは、県と今回の静岡理工科大、東海大の共有施設みたいな形で考えられているのですか?

(知事)

 まだね、具体的な話はできていませんが、東海大学は立派な歴史も持ってらっしゃいますのでね。どういう形で参加されるのか分かりませんが、東海大学の方は、今、アメリカに留学させているのですよ、子供たちを、学生さんをですね。ただ、東海大学はご案内のように、ANAと深い繋がりがあります。もともと松前重義先生と若狭徳治さんとのつながりが航空工学科、大学をですね、作り上げる経過になったということでANAとの関係が強いのですが、なかなか1年間、向こうに滞在すると寒いそうなんですね。それで学生さんが必ずしもANAに就職しないで、最近はFDAに就職するということがあって、それで、山田学長はですね、ぜひうちもコミットさせてほしいということになって、今回つながったのですよ。

 それだけではありませんで、たまたま、松前重義東海大学創設者の故郷は熊本県です。熊本県の嘉島町なんですよ。嘉島町にこの7月の末に行きました。松前重義先生のですね、生家と記念館が嘉島町にあるのです。そこにですね、あのへぇーと思っていたらですね、山田学長が嘉島町に行くならそこを自分自身が案内すると言ってですね、言ってくださったそれは、実は、FDAがらみで学生さんがそこに就職するということもあるので、何らかのですね、交流をそのFDAはエンブラエルでしょ、エンブラエルはITAともう密接不可分です。こうした流れの中にその教育課程を組み込まれるならですね、組み込める可能性を探ろうということで、今回の覚書になっているのですね。まあ、そうした段階でしかありません、まだ。

 しかし場所が必要なので、エンブラエル社、ITAの方から見に来てます、もう既に、空港を。福山スタンレーという人が見に来ているのですよ。それからちなみに私が、向こうに行った時にお目に掛かった方がですね、カスタマー(顧客)を対象とするトップだったのです。(その方が)エンブラエル社全体のトップになられたのです。その人、むちゃくちゃ親日的なんです。そういう関係がございまして、意気投合しているというところもあってですね、場所としては他の所を考えるよりも、私はそこしかないと思っておりますので、何とかこの三者でですね、お互いにそれぞれ負担を分有しながらですね、作れればいいなと思っております。




幹事社質問:リオデジャネイロ五輪での本県ゆかりの選手の活躍について

(幹事社)

 よろしいでしょうか?それでは、幹事社質問に移らせていただきます。リオデジャネイロ五輪では、本県ゆかりの選手の活躍も目立ちました。県民栄誉賞の授与など、県としての顕彰についてのお考えをお聞かせください。

(知事)

 はい、考えを持っております。素晴らしかった。21人の県ゆかりの選手が大活躍をされまして、そうした中でですね、全体としては41個のメダルだったのですけれども、本県の関係の選手がメダルを4つ獲得されたのですね。言うまでもなく、感動を誘った水谷隼選手、団体戦で銀メダル、そしてまた、個人戦でも銅メダルと。卓球女子の伊藤美誠選手が団体戦で、この感動の銅メダルを手に入れました。そして、陸上競技400メートルリレーでは、飯塚翔太選手、第二走者だったですかね、第三走者だっけ、第二ですよね、見事なバトンタッチでですね、これを最終走者にまでつなげてアジア新記録を打ち立てた、これが銀メダルです、アメリカを凌駕(りょうが)したのですから、信じられない話です。みんな10秒台であると、向こうは9秒台だと、それでですね、それを獲得されたと。ただですね、メダルには届きませんでしたけれども、4位に入賞された競泳男子200メートル個人メドレーの藤森太将選手がいます。また、8位に入賞いたしました競泳女子400メートルリレーの松本弥生選手もいます。県では、こうしたことについての規定というものがございまして、これまではオリンピックの金メダリストに対しましては、県民栄誉賞を授与してきました。岩崎恭子選手などがそうですね。その他のメダルや個人競技の入賞者には、知事特別表彰を授与しておりますので、今大会も同様に、県民に希望と活力を与える顕著な功績に対して、その栄誉を称えるための表彰の準備を、今、前向きに考えているところでございます。以上です。

(幹事社)

 ありがとうございました。この質問に対して、追加質問のある社はよろしくお願いします。

 すいません、知事、いつくらいまでに授与したいなというのはあるのでしょうか?

(知事)

 そうですね、今、選手たちもですね、興奮冷めやらぬところだと思いますけれども、興奮が冷める前に差し上げたいと。ですから、準備次第、それから、彼らもまた新しい練習生活に入っていかれるためにワンクッション置かれると思うのですけれども、そうですね、9月。

(幹事社)

 準備が整い次第、9月にも差し上げたいという。

(知事)

 差し上げたいと。

(幹事社)

分かりました。ありがとうございました。では、幹事社質問以外で質問のある社はよろしくお願いします。




記者質問:東京オリンピックに向けた課題

(記者)

 すいません、知事、オリンピック関連なんですが、今回ブラジルの出張も含めてですね、この4年後の東京オリンピックでは県内で自転車競技が行われます。そのブラジル出張の報告も踏まえてですね、その4年後を見据えた本県のですね、オリンピックに向けた課題というのはどんなところにあるというふうにお感じになられているでしょうか?

(知事)

 そうですね、これは大変大事なことで、今回会場になります伊豆市の市長さんと関係者が向こうに入っていますね。ですから、この伊豆市と県、あるいは、伊豆市の周辺の、いわば伊豆の天城より北側ですか、ここはみなオリンピック選手たちが、あるいは観客がですね、あるいは観光客が入って来られるルートになります。ですから、熱海も伊東も三島も函南も沼津も西伊豆辺りもですね、もちろん伊豆の国市も関係してきますので、今回の成果は少なくともこうした市、町と、それから実際に行ったスポーツ局長、関係者、菊地市長さん等と情報を共有する必要がございますので、それを共有するということを踏まえつつ、最終的にレガシー(遺産)としてどういうものを残すかということも併せてですね、考える必要があると。

 そうしますとおそらく、ベロドロームはその中心ではありますけれども、伊豆半島全体を自転車競技といいますか、自転車運動のですね、メッカにすると。まあ、聖地にしていくという、そういう方向に向けての議論になるのが望ましいと思っておりまして、これはイタリアなどからすでにそういう予兆がですね、感じられます。イタリアなどの参加希望がございましてですね、そうしたことからですね、東京オリンピックに向けましてはもちろんその大会を本県伊豆市が責任を持って東京の関係者と共に成功させるということは大前提ですけれども、同時に、地域の魅力の発信に向けて、関係地域が全体で協力できるようにですね、そうした狙いを持って、今回の報告会を何らかの形で、鈴木局長、菊地市長などがやってくれるというふうに確信しています。

(記者)

 ありがとうございます。

(知事)

 もちろん、パラリンピックもそちらで行われますからね、それに関連するレガシーも作っていかなければならないということです。

 今回、400メートルリレーで、オリンピック3連覇でしたっけ、ボルト選手が、4人にね、ジャマイカのね、彼が一人ずつ握手を求めてきたではないですか。素晴らしい光景でしたね。それから、レスリングの何とか茉秋(ましゅう)選手、あっ、柔道だ、ベイカー茉秋(ましゅう)選手ですね、それからケンブリッジ選手など、前のワールドカップもそうでしたけれども、日本人としてですね、活躍してくださって、いよいよ本当に、人類、たまたま日本で生まれ育ったとかいうことでですね、一緒にやっていくということの感動がありましたね。そうしたところもですね、今後につなげていくと。いわゆる、県の国際化ですね、あるいは県民一人一人の国際感覚を上げていくということにもつなげていく必要があると思います。肌の色であるとか目の色であるとか、そうしたものにこだわらないで、誰もがですね、障害者も同じですけども、日本で生まれ育ったと、あるいは日本に帰化したと、いうふうな方たちがですね、日本の選手と一緒に混じってですね、もちろん日本選手として活躍する姿はこれからの日本の社会のあり様を示しているのではないでしょうか。また、それはオリンピック精神にもかなうことだと思っておりまして、特に感動を誘った一コマでありました。




記者質問:三保松原「羽衣の松」周辺のボードウォークの設置について

(幹事社)

 よろしいでしょうか?

(記者)

 5月の会見の際に知事が、静岡市が今やろうとしています、羽衣の松の遊歩道について言及されまして、今、事業が中断しています。風とか砂とですかね、その辺の影響を調べたいという話だったのですが、現在どのような状態になっているのかということが1点と、景観の問題についてもちょっといろいろ地元と論争になっているようで、それを踏まえまして、知事はどのような解決策が望ましいのかというふうにお考えになっているのかそこをちょっとお尋ねしたいと思います。

(知事)

 そうですね、この三保松原、構成資産として、認めていただいたわけですね。これは、従来の景観のイメージがユネスコの委員会の方々に共有せられていて、現状ではイコモスが否定したわけです。そうしたこの景観に手を入れるということにあっては、相当の注意が必要であるということですね。今回の経緯を見ていると、あそこに遊歩道を造ると、すでに今の状態でですね、水がザーッと流れていると。つまりしみ込まないのですね。三保松原の羽衣の松に向かってですね、雨がそのままいくと。そこにさらにですね、あの遊歩道という人工物を造り上げていくことになれば、羽衣の松を傷めるのは当たり前です。ですから、そこを心配している地元の方たちがいらして、それで説明を受けていないということで声を上げられたのですね。

 ですからこれを提案された市当局はですね、責任者がそこに入って徹底的に討論をすると言いますか、納得をしていくことが必要だと私は思っております。一方的に決めて、「これでやりますよ。いついつから工事に入ります。」などと言うのは論外ですね。少々時間が掛かっても、差し当たってですね、今、この今年の2月までに出せと言われていた保全状況報告書につきましては、認めていただいたということでございますので、焦ることはないと。予算を消化するためにやると言っても、人の心が消化されてなければ、人の心の納得がいってなければ、進めてはいけないと思います。そもそも三保松原における羽衣の松とは何ぞやというぐらいのところから考えていただきたいと思います。つまり今の羽衣の松が本当の羽衣の松かどうかということも問われるのでしょう。ですから、実はどの松も羽衣の松たり得るのですね。3万本くらい、今、あるそうですけれども。

 その松それぞれについて、それからまた松の保全についてもですね、今の松くい虫についての理解についてもまだ論戦があることを知っておりますので、もう一度考え直す必要があるのではないかということで、焦ることはないけれども、市当局は一方的に予算を計上して、これこれをするということをですね、市民抜きでやってはいけないと。他にもそういうことが起こってますでしょ。ですからなんかちょっとそこら辺りにですね、共通の姿勢が見られますけれども、特に一番トップが現場に入ってよく説明をすると、いうことが一番地元の理解を深めるということになるのではないかと。もちろんいろいろな意見があるということは当然のことなので、そうした上で進めるとすればなぜ進めるのかということをですね、トップが決めたことですから、トップが説明すると。でないと、「こう決めた。」と、「ちょっとやり直す。」と、そこでですね、説明に行くのが下の人だとですね、振り回されるわけですね。

 ですから、一旦決めたらもうそれで絶対やるぐらいのつもりで言わねばならないし、コロコロ変えると市民はもちろんですけれども、市の役人もですね、振り回されるということになるのでですね、そういう状況が今見られるので、今回非常に重要な問題なので、市当局と地元住民との間におけるコミュニケーションの設置をですね、毎月ぐらいやっていただきたいと思っております。そしてもし今回のことについて、やはりこれは十分でなかったという意見が大勢を占めるならそれを勇気を持ってですね、別の方策を考えるというぐらいの度量を持ってほしいと思っております。

(幹事社)

 では、以上で終了します。ありがとうございました。

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