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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2016年7月13日(水)

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知事記者会見

2016年7月13日(水)


知事発表:山梨県早川町視察訪問について
知事発表(記者質問):山梨県早川町訪問について
幹事社質問:参議院議員選挙の受け止め、知事の任期残り1年を切って
幹事社質問(記者質問):次期知事選について
幹事社質問(記者質問):18歳選挙権の成果と課題について
記者質問:東京都知事選について
記者質問:参議院議員選挙について
記者質問:軽井沢の自宅への帰宅について

知事発表:山梨県早川町視察訪問について

(知事)

 こんにちは。お暑うございます。今日のお花はですね、オレンジ、これがガーベラですね。鈴の形の花がサンダーソニアと、これですね。緑色の実はヒペリカムというそうでございます。ちょっと難しい名前です。

 さて、今日の発表項目は一つでございまして、山梨県早川町を去る7月5日、6日、川根本町の鈴木町長さんと御一緒に訪問いたしました。その報告でございます。

 早川町は、御案内のように、2年前に南アルプスがエコパークになりまして、本県で言いますと川根本町、それから静岡市の北側にございます井川、そして早川町、南アルプス市、韮崎市、北杜市の4市町が山梨県、並びに富士見町、伊那市、大鹿村、それから飯田市ですか、この4市町村が、長野県、この10市町村で南アルプスの環南アルプス山岳連合を今、連携中ということでございますが、そうした御縁もございまして、さらにその昔から南アルプスの南辺を共有する川根本町と井川と、昔の井川村ですね、それと早川町とは旧来から行き来がございまして、早川町の方々がこちらに来られて姻戚関係を結ばれたり、また逆のこともございまして、ほとんどもう、山梨県か静岡県か、どちらか分からないような関係もございまして、そういう御縁もございまして。それからまた、辻一幸町長は、今、9期目ということで、名町長の誉れの高い方で、しかも、人口は1,100人余りということで、全国で最も人口の小さい町としても有名であります。

 さらにまた、リニア新幹線のトンネルを早川、いわゆる南アルプストンネルですね、早川からずっとこの長野の方に向けて掘っていくということで、このトンネルの一部が静岡県の南アルプスの山岳の間を通るということもございまして、さらにまた、大井川の上流におきましては、東俣、西俣、これが合流いたしまして、そこのかなりの水が東電の発電の田代川第二ダムと田代川第一ダム、標高差は全体で1,000メートルぐらいあるのですけれども、そこで発電をするために水を送っているのですね。ですから昔から水争いが絶えなかった所でございまして、そうしたこともございまして訪問したということでございます。

 本当にありがたいことに天気に恵まれたということがございました。それから、辻町長さんがぜひ見てほしいということで参りましたのが町役場だったのですけれども、町役場はその早川町の森林材を利用されて、文字通り森の役場というふうにふさわしいような所で、皆、大変明るうございまして、そして2階に議場があるのですが、その議場は、議会が開かれている時には議場になると、さもなければ、さまざまな町の集会等に利用するということになりまして、何と言いますか、非常に開かれた町役場の姿を見ることができて、これこそ、これからの役場の作り方ではないかと思った次第です。

 そして、実は私はリニア新幹線のトンネルを掘っている現場とそれから、田代川第二ダム、これの方が発電量大きいのですけれども、そこの水、つまり大井川の水ですね、これは。ですから、この大井川の水についてはひょっとするとトンネルを掘ることによって流量が減るということもございますので、どれくらいの量で、どれぐらいの規模の発電がなされているかということに大変関心がありまして、この2点を見ることが明確には言わなかったのですけれども、目的だったわけです。そのところをちゃんと、辻町長さんはさすが9期、名町長だけあってですね、田代川第二ダムにおきましては東電の部長さんが、通常は田代川第二ダムには誰もいないのですよ、今、大月で全部コンピューターで操作できるということなんですが、一部の人は早川町のこの山の下でですね、管理されているのですけれども、通常誰もいないと。そこにですね、10人以上の人が来ていただきまして、懇切丁寧にその現場を御案内くださいました。

 結果、これが極めて水が大切にされてですね、そして発電所それ自体は大正期にまでさかのぼるのですけれども、しかし、発電機や水車、こうしたものは1999年、これ2000年にかけて更新されておりまして、最新式の水力発電をしているということが分かりまして、それがやがて下に下りてきますと、日本軽金属の3つの発電所がありますけれども、その発電にも活用されているということで、ことごとくこの大井川の水が静岡県と、下流の方では静岡県、上流の方では東電、早川町の電力源になっているということを実見した次第でございます。

 それからまた、リニア新幹線のトンネル現場、これは御案内のフォッサマグナの現場です。フォッサマグナ、これは西日本と東日本を分ける地質上の、まさにフォッサマグナでございますけれども、7,000万年前の地層と2,000万年前の地層がむき出しで両方見られるという所が、実はトンネルを掘るすぐ近くにございまして、そこをまず見せていただきました。これは、国の指定の、何と言うのでしょうか、指定記念物と言うのですか?になっております。新倉という、新しいという字と倉という字を書きまして、新倉(あらくら)のフォッサマグナの逆断層、新旧の層差5,000万年という歌は知っていましたけれども、この7,000万年前の地層の下にですね、東側から2,000万年前の地層が入り込んでいるのですね、これを逆断層というそうですが、その現場を垣間見ることができました。そのすぐ近くに、実はダムもございますし、それからリニアのトンネルの現場もあると。

 そのリニアのトンネルの現場につきましては、これまたですね、JR東海の部長さん、執行役員の部長さんまでがお出ましいただきまして、広河原の、いわゆる本線とは違って、そこから非常口と言うのですかね、それを掘っている現場を見せていただき、そしてまた早川の非常口を見せていただき、そして残土の処理の現場も見せていただき、仮に大きな水が出た場合に、その水の処理をする場所も見せていただき、懇切丁寧に見せていただきまして、本当に心から感謝しています。

 おそらく静岡県でですね、大井川の流量がどうなるかということについて、たくさんの市町の方たちが御心配されておられますけれども、トンネル現場を見に行ったのは、今回、鈴木川根本町町長と私が初めてではないでしょうか。現場を見ることで、いかに早川町の方々の御理解を得ながら工事が進んでいるかということは、実見した次第でございました。

 それからですね、早川町の一番北側の所に、どん詰まりになっているのですが、そこから甲府盆地に出る道を、今回のリニアのトンネル工事で出る土砂等を上手に活用しながら、国と県と早川町が一緒になりまして、JR東海さんと御一緒に、5キロメートルの道を造ると。そのうちの4キロメートルはトンネルになるのですが、プラス1キロメートルの道を付けまして、一気にですね、甲府盆地に出られるという、そういう道造りに活用されているということで、残土の利用の仕方、あるいは工事と地域発展とを絡めるという、その知恵にも非常に感じ入りました。

 そしてそこは奈良県の奈良という字に田んぼ田と書きますのですが、どうして奈良という名前があるか、御存知の方いらっしゃいますか。そこに驚くべき伝承がありまして、孝謙天皇という女帝ですね、聖武天皇の御息女でございますが、聖武天皇が御退位なさった後、孝謙天皇が即位されます、しかし、病を得られるわけですね。そして758年に淳任天皇に位を譲られるのですが、その時に何と、早川町に来られて、そこに温泉があるのですけれども、そこで体を癒されて8年間留まられたということでですね、その伝承を大事にして女帝の湯というのがあるのですよ。入られた方いらっしゃるでしょうか。静岡県で入ったのはですね、知事公室にいる森君だけです。あの、政策企画部長の森ではありませんで。女帝の湯に入ったというので、どうだったと。いやあ、もう眺めが最高でしたと。こういうわけです。そこには、静岡県ではなくて山梨県の企業局がやっているダムがあるのですが、これはですね、もう全部土砂でうずまってですね、あるいはもうダムとしては実質上機能していないに近いというふうに思った次第でございます。そういう、いわば池みたいになっているのですが、湖みたいになっているのですけれども、両側美しい山々でございますので、最高の所です。そこにですね、その孝謙天皇がお越しになられて体を癒されたという伝承のお宮様とかがございまして、それを記念する形で民族資料館などが造られて、また、そこに山岳写真で有名な白籏先生のですね、白旗何とおっしゃったっけ?(白籏史朗先生。)白籏史朗先生ですね、の写真館もあって、これもまた上手にですね、造られておりまして、本当に感動をいたしました。

 さらに、ちなみにあの、孝謙天皇というのは、退位された後、道鏡によって病を治されたということになっているわけですが、どうも、女帝の湯に入られたのがその効験がよくてですね、元気になって、それで道鏡と何と言いますか、よい関係を作られたということのようですね。その後もう一度天皇に復帰せられます。重祚(ちょうそ)と言いますけれども、それを称徳天皇ということでございますが、ともかくですね、その同じ頃にですね、スギが植えられているのですよ。天平のスギということで、これは湯島のスギと、湯島の大スギと言われているのですが、御覧になった人いますか。こんなものです。ですから、縄文杉に勝るとも劣らぬ、縄文杉というのは、屋久島の縄文杉、それに勝るとも劣らないですね、天平の古代スギと言うそうですが、天平時代に持って来られたと。まさにパワースポットでですね、そこに来ると、皆、元気になるそうです。スギには男のスギと女のスギがあるのですって。雄スギと雌スギがあるらしい。孝謙天皇が女帝でいらっしゃるので、雌スギは何か、その女帝の働きがあったのでしょうか、燃えてなくなったそうですよ。その雄スギが堂々たる姿を見せて天を仰いでいるわけですね、を見せていただきました。

 そしてまた、御案内のようなあれ、赤沢と言いましたかね、このいわゆる身延(みのぶ)にお参りになる方が七面山(しちめんざん)にもお登りになるという、その途中に宿がございまして、その宿もですね、国の指定の伝統、何と言いましたか(伝統建造物。)、伝統建造物の現存するものとして認定されている。静岡県にはですね、焼津に一つあるだけですよ。そこに学生さんなどが来て、また、そばがうまいのですよ。高低差がある宿としては、日本でたった一つだそうですよ、というものがございまして、また、皆さん、習字なさる人には、習字、硯(すずり)、(雨畑です。)雨畑(あめはた)、雨が畑、雨畑の硯の現場もですね、博物館を通して見ることができると。実際に自分で硯も作れるようにしておられまして、わずか1,100人ですけれども、鈴木(川根本町)町長さんもですね、鈴木さんのところは7,000人以上いるのではないですか、感動されてましたね。

 それで、これから3人というか、一緒にやっていこうと。南アルプスというのは、緑でしょ。「この環南アルプスの連合体を作るのに何か良い名前がないか。」と言うのでですね、それならエメラルド、つまり緑ですね、エメラルドのネックレスということで、「環南アルプス・エメラルド・ネックレス」構想ということで、その中心を早川町が担うと。その副と言いますか、これを何と言いますか、鈴木、川根本町の町長が担うと。川勝平太がその応援団長になるということで、そこで意気投合したわけです。そしてついては、この南アルプスの山開きを7月16日に静岡市でなさるということなんですが、残念ながら鈴木(川根本町)町長は行けないと言うのですよ。なぜかというと、市道の閑蔵線が土砂で埋まっているということなんですね。行こうと思ったら、一旦静岡市まで下りてきて、また上に上ればいいのですけれども、そういう状態になっているということでですね、本当に残念がっておられました。ですから、静岡の目が、実は南アルプスの麓(ふもと)にまで及んでいないということがあると思います。

 ちなみに、田代川第一ダムや第二ダム、さらに早川のダムがあるのですけれども、そうしたこの電源が立地している所には、交付金が出ます。その交付金の額は、早川町だけでも4,000万円の毎年交付金によって潤っているわけですが、年間20数億円の予算でございますのでですね、非常に重要な財源になっているわけです。私はおそらく思うに、今、井川はですね、鈴木(川根本町)町長によると、500人ぐらいの人数になっているそうですね。昨年行った時には7、800人とおっしゃってました。かつて、6,000人とか8,000人いたのが、10分の1以下になって、そして、川根本町の千頭からこの上に行くのに、線路も土砂で覆われていると。井川の駅は、駅を降りて道に出る所に橋がありますが、その橋が流されているのでですね、井川線が不通になっているわけですね。ですからもう、非常に困られているわけですが、井川と言えば、その畑薙のダムがあります。第二ダム、第一ダムがあるでしょ。それから、井川のダムがあるでしょ。これだけで20万キロワットですよ。早川町は、田代川ダムが4万キロワットで、それで4,000万円もらっているわけです。ですから、私はですね、辻(早川)町長さんがおっしゃってましたけれども、電源立地しているのだから、井川は、その交付金があれば、十分にさまざまなことができるというふうに言われてたのですが、もっともなことだと思いましたね。そうすると、その早川町と川根本町の間にこの井川があるわけですが、その閑蔵線という、道もですね、土砂に覆われているし、いろいろな脇道が土砂に覆われたまま、ずっと今日まで来ているのですが、こうしたことはですね、独立する以外ないのではないかと思って、そういうことで、エメラルド、ネックレスは県境を越えて長野県と、それから静岡県とそれから山梨県の県境を越えておそらく作っていかれるのがいいと。これは、言ってみればですね、三遠南信の運動であるとか、近年注目されている、土屋君も、土屋副知事も頑張っていただいておりますけれども、神奈川県の箱根、そして静岡県の伊豆や富士といった所が一体になると。小山町さんもお隣の山北町他ですね、足柄の町々と一緒になって、むしろ静岡県を向いているよりも、神奈川県を向いてさまざまな行事をされておられるわけですが、こういう県境を越えた試みの一つとして、南アルプスの「環南アルプス・エメラルド・ネックレス」構想を私は本気で応援をしたいと。そして、井川はですね、その電源がありますので、それだけでも2、30万キロワットありますから、十分に交付金が出てくるので、それでですね、今、たった1人しか市会議員いないでしょ。彼は浮いてますね、気の毒に。だけれども、そういう弱い所にですね、一番必要なのは道造りであり、インフラ整備です。今、救急車が行かないのではないですか?だからもう、非常に厳しい状況になって、高齢者率も高くなっていますので、今回訪問をいたしまして、水のことで訪問をした、トンネルのことで訪問をしたのですけれども、最終的にはですね、将来につなげるためには、南アルプスを活用した形での連合を作っていくと、連携を作っていくことが、井川であるとか、川根本町の生きる道ではないかという実感を強くいたしまして、両町長様もですね、そのことに賛成いただきました。

 それからさらにですね、これもやはり辻(早川町)町長さんから伺ったことなんですが、間ノ岳(あいのだけ)という、登られた方、いらっしゃいますか?静岡県の南アルプスの山でございますが、これは早川町と本県の最北端、こう、まさに南アルプス市にもまたがっているのですが、この間ノ岳、北岳、農鳥岳、これがまあ「白峰三山(しらねさんざん)」と呼ばれて、日本百名山にも選定されている名峰なわけでございますが、平成26年4月に国土地理院が全国の主な山々等を最新の衛星測位システムに基づき再測量した結果、間ノ岳は従来より約1メートル高くなったと。そして、これによってですね、3,190メートルになったと。これは3,190メートルというのは、奥穂高と同じです。奥穂高は北岳についで3位です。北岳は3,193メートルですから、この北岳は残念ながら山梨県にございますけれども、ゴールドメダルの富士山と銅メダルの間ノ岳が3位になったと。これもですね、考えてみればすごい話です。山がですね、知らぬうちに1メートルも隆起していたと。これは、年間4ミリメートル隆起している南アルプスが作り上げた造山活動の帰結であるということでございますけれども、そこにトンネルを掘るということなのでですね、トンネルの問題は早川町のように、この残土を上手に利用して地域発展している所と、ただただ、安全に環境を保全してくださいと言って頭を下げているだけの静岡県側のですね、態度とに、天地の開きがあるなと思いますが、今、畑薙の方から向こうに行くのにもですね、私は、そこで道を造っていただくということがあり得るかと思っていたのですね、工事に入るのに。道がふさがれていれば、トラックも入って行けないでしょ。そういう状況があるということを、もうぜひ静岡県民の方々、特にですね、大井川の恩恵をこうむられている方々は、知っていただきたいというふうに思った次第でございます。

 早川町から学んだ2日間でございました。あらためて、辻一幸町長に厚く御礼を申し上げたいと思っております。また、2日間ですね、御一緒に山仲間として同行していただきました川根本町の鈴木町長様にも厚く御礼を申し上げたいと思います。

 私の発表は、以上でございます。




知事発表(記者質問):山梨県早川町訪問について

(幹事社)

 ありがとうございました。すみません、幹事社からお尋ねします。今の知事の発表項目で、「環南アルプス・エメラルド・ネックレス」構想というのが出てきましたけれども、これは3人の首長さんの会談でまとまったという理解でよろしいでしょうか?

(知事)

 そうです。

(幹事社)

 エメラルドというのは、どこから。

(知事)

 はい。これはですね、ボストンという町がありますね、アメリカの東海岸に。そこに、川が流れています。川の右岸、これがしょっちゅう氾濫していたわけです。そうした中でですね、氾濫源だから、地価が安いわけです。そこで、経済的に恵まれない人たちが家を造ると。そうするとですね、何年間か経つと大洪水に見舞われて、結果的に災害の犠牲になるということが続きました。そこで、ボストン市の方は、どうせそういうことであればということで、その水をですね、上手に利用して、水を回したわけですね、きれいに、ネックレスのように、氾濫源の所に。周りにこの植栽をしたわけです。そこは公園になったわけですよ。これをエメラルド・ネックレスというふうに言ったわけです。ですから、これは実は、ニューヨークのセントラルパークというのもありますでしょ。あそこにも、湖というか、池があるでしょう。あそこも湿地帯だったわけですね。あれも、全部水をある所に一つにまとめて公園になさって、そして水が上手に活用されるように植物を植えると、それが公園になったわけですね。そうした考え方は、この19世紀、それから20世紀にかけてですね、アメリカはニューヨークやボストンで活用していたわけですが、ボストンのその例は非常に有名で、それがエメラルド・ネックレスというものであります。

(幹事社)

 分かりました。ありがとうございました。そうしますと、井川は今、現在静岡市でございますが、この構想に関して、静岡市さんへのお声掛けというのでしょうか、そういうことは何かお考えでいらっしゃいますか?

(知事)

 そうですね、まずは、今度、指定都市都道府県調整会議、なかなか静岡市の方が腰を上げてくださらないので、一緒にお目に掛かれないのですけれども、これはこの間、日詰(一幸静岡大学教授)先生が、どこかの新聞に書かれてましたけれども、特別自治市、これを主張されているわけですね。特別自治市と特別区というのは、両立可能ですね。特別自治市というものになって、そこに特別区があっても構わないわけです、二者択一ではありませんから。そうした中で葵区は一番広いでしょう。葵区の人口は減っています。合計特殊出生率もですね、静岡県全体の中で、清水区に続いてですね、最低ですよ。非常にあの、人口減も厳しいし、人口のみならず面積も広くて、特に井川地区におきましては、社会流出や高齢化が顕著ですのでですね、そうしたことをにらみながら、まずは葵区の基礎自治体としての力を強めるためには、私は特別自治市と特別区が両立してもいいし、とりあえず、基礎自治体としての力を強める必要があると。そうした中でですね、「エメラルド・ネックレス」構想というものがありますと、これはもう電源立地による交付金が、おそらく億単位で出るのではないかと思うのですよ。畑薙だとか井川ダムの発電量に照らしますとね。そうすると、十分にやっていけるのでですね、あらためてこの10年間、本当にこれでよかったのかということを、もうそれこそ限界集落で井川はなくなりかねないという状況になっているので、私は極めて心配しておりましてですね、こうした問題は直接市長さんともお話しをして、早急にですね、希望を持てるような、山あいの人たちが希望を持てるようなものを作っていかないといけないという危機感を持って、今度、指定都市都道府県調整会議に臨みたいと思っております。

(幹事社)

 ありがとうございます。各社さん、質問のある方はよろしくお願いいたします。

(幹事社)

 すみません、このエメラルド構想についてなんですけれども、山梨県庁さんと言いますか、山梨県知事さんと言いますか、山梨県側としてはどのように…。

(知事)

 早川町としか話していません。ですから、まずは今度、10市町村で作られているネットワークがありますね。そうした所で、おそらく早川町の方からですね、こういう話をされていくのだと思います。私は私で、阿部(守一長野県)知事さんだとか、後藤(斎山梨県)知事さんだとか、こういう知事のレベルでですね、私は応援していくということで、それにおそらく反対はされないと思いますが、何しろ南アルプスは皆で共有しているものですからね。これを新しい地域資源としてそこに住んでいらっしゃる、特に山あいに住んでいらっしゃる方たちを励ますためのものですから、ネーミングはこれ、仮のものでありますけれども、ただ、エメラルドネックレスというボストンのこの緑のネックレスはですね、人工のものですけれども、南アルプスの周りというのは、文字通り自然が作り上げた緑の、何と言いますか、緑と自然、人間とが共生している、しかもそれぞれ皆、非常に多様な文化を持ってこれまでの歴史を培ってこられたのでですね、これをこうつなぎ付けると、つなぎ合わせるということで、とりあえずこれに対して反対をされる理由はないということで、今度、全国知事会で、もし長野県の知事さんや山梨県の知事さんが御出席されればですね、こういう話を持ち掛けてみようと思っている次第でございます。

(幹事社)

 ありがとうございます。




幹事社質問:参議院議員選挙の受け止め、知事の任期残り1年を切って

(幹事社)

 すみません、では幹事社質問の方に入らせていただきます。2つさせていただきます。

 一つは、先日、参議院議員選挙が終了いたしました。この選挙の結果全般について、知事の受け止めをお聞かせください。

 もう一つは、知事の残りの任期が残り1年、残り1年を切りました。これに関して、残り1年の県政運営について臨む姿勢と、重点的に取り組みたい施策について教えてください。もう1点、来年の次期知事選挙に向けて、現在の知事御自身のお考えをお聞かせください。

 以上です。

(知事)

【参議院議員選挙の受け止め】

 まず、最初の参議院議員選挙の結果ですね、静岡県からお2人、ほぼ同じくらいの得票を得られまして、若い国会議員が、1人は再選、新しくもう1人は誕生したということでですね、それぞれお2人に対しまして、心から御祝辞を申し上げたいと。まだ、お2人とも若いので、これから立派な政治家になっていただきたいというふうに、心から祈念しております。

 そして、敗れられた3人の方がいらっしゃいますが、大変無念だったと存じますけれども、人生の一つの挫折というか、「苦は楽の種、楽は苦の種。」と言いますので、これを人生の糧としてですね、今まで主張せられたことを諦めずに、これからも御活躍をしていただきたいというふうに思います。

 全国におきましては、アベノミクスが争点になったわけですけれども、いわゆる隠しテーマがあると。これが憲法改正だということで、この点は野党の方からは、何度か言われてましたけれども、文字通り選挙が終わって、3分の2の衆参両院議席を獲得しましたので、早速、憲法改正の話が、首相自らの口から出ておりますね。ですから、いよいよ安倍総理の、本来の政治家としての原点、アルファアンドオメガ、原点であり目標である、憲法改正がこれからは正面に出てくるということになったな、というふうに思っております。

 もちろんアベノミクスと言いますか、経済は重要で、だけれども、安倍晋三首相御自身にとっては、経済は手段であって、もちろん重要な手段でございますけれども、これが停滞していれば、前に進むことができませんので、しかしこれはあくまで首相御自身にとっては、私は手段であって、本来の目的は憲法改正であるということは、はじめから確信しておりましたが、いよいよその本心がですね、公然と語られるようになったと、それが今回の結果だと思っております。

 ただ、これがやはり国民から見て、どうかということでございますけれども、そうですね、いくつかの1人区というものがございました。特に、私は、非常に立派な方だと思っていた、福島県の岩城法務大臣がですね、あの方は自転車のことでですね、静岡県のベロドロームについても御理解があって、1月のアジア大会があったのですけれども、その前日のレセプションにわざわざ福島県から来ていただいて、励ましていただいたということがございましたが、残念ながら敗退されたということでございました。これは、明らかに原発の問題が効いているということで、これに対してですね、県民は本当に危険かもしれないものを、いわゆる規制委員会が「オーケー。」と言ったら、動かしていいというふうな簡単なことではありませんよという、そういうメッセージを突きつけたのではないでしょうかね。

 同じようなことが、沖縄についても言えますね。沖縄の普天間の基地の移設に関しては、これはアメリカとの約束だということで、粛々と進めるということでございますけれども、現職の沖縄担当の大臣が敗れるということがございました。ですからここでもですね、非常にこの先鋭的な問題について、民意が厳しく首相を問うているわけです。

 さらに鹿児島の今の川内原発というのがございますが、遇々、参議院議員選挙と知事選挙が同じになって、私が非常に仲良くしている、伊藤知事、あの方は、今、富国有徳論をですね、一緒に有徳塾をやっているのですよ、鹿児島で、もう10年以上。彼が敗れたということですね。そして三反園さんという新しい人が当選したわけですが、この方は、反原発ですから、川内原発を止めるということを公然と言っておられたわけですね。ですからここにもですね、やはり参議院議員選挙の争点ではありませんでしたけれども、そうした民意が反映していると。

 さらに言えば、私、京都の出身ですけれども、1997年から長野県の住人になっていたわけです。その長野県で、若林という前の農林水産大臣ですね、その御令息の方、現職の議員さんですけれども、彼が民進党推薦の方に敗れるという、これも大波乱だったのではないかと思います。それが起こっているということですね。

 それからもう一つ、やはりどうなるかなと思って見ていたのは、三重県の選挙です。何しろ、安倍総理が2回も入られて、1番最後は岡田さんの生まれ育った町のど真ん中に入って行かれたくらい力が入っていたわけですが、ここで、岡田さんが応援された方が入ったということで、三重県知事までですね、自民党の応援をするという異例の事態が起こっておりましたけれども、ここでも安倍さんの思ったとおりにはならなかったということがございますので、全体、数字としては、3分の2を取っているわけですけれども、与党全体でですね、しかしながら、そういう反省材料をちゃんと自覚していただいてですね、これからの国政に当たっていただきたいということで、ぜひ慢心されなくて、政治家として、本来の政治家としての目的という部分にこれから入っていかれるのでですね、この時によく国民の声をお聞きいただいて、そしてどこか強引というふうに見えないようにですね、謙虚に国政を進めていただきたいというふうに思っている次第であります。

【知事の任期残り1年を切って】

 二つ目の残り1年の県政運営に臨む姿勢と、重点的に取り組む施策ということなんですが、これはですね、8つの重点取組があります。これは、危機管理がありまして、経済政策が3つですね、「内陸のフロンティア」を拓く取組、エネルギーの地産地消、そして新しい成長産業を起こすと。それから、人に関わるものが3つございます。少子化対策、それからさまざまな道を通じて人を育成していくという、人材育成、それから健康寿命を延伸するという、この3つがございまして、また本県の、いわば「国破れて山河あり。」と言いますけれども、富士山というものは、先祖から将来にわたってですね、呼ばれる、励まし続ける存在なので、富士山を後世に継承していくということがございます。これは、世界への約束でもあります。この8つ。

 それに対してですね、今、記者さんも御存知のように、3つのですね、世界に羽ばたくための政策を掲げております。これは、スポーツと、地域外交と、第1次産業ですね。これは世界に羽ばたくと言っているわけですが、私、これは、われわれが言って、しばらくして国の方もですね、農産物を輸出して、先端産業にするとかいうふうに、今、言われ始めておりますし、スポーツはオリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップがありますから、言うまでもありません。ですから、地域外交についても、なるほど舛添さんは都市外交でつまづきましたけれども、これが重要であることは言うまでもありません。ですから、地域外交というものは、これからの地方自治体のですね、一つの柱にならねばならないと思っているわけですが、これは平和をつくり上げるために、全ての地球の方たちが、誰もがですね、努力をすると。国のトップだけに任せないということですね。なぜかというと、もし戦争になったら、犠牲になるのは国民全てでありますから、そういうことなんですけれども。

 そうした中でやっていくとですね、総合計画のいよいよ評価に入ってくるわけですね。この評価がですね、秋ぐらいに出てくると思うのですけれども、相当前倒しをしてやっておりますので、実質10年計画を6年半くらいでやっているのですよ。そうすると、この新しい出発をしなくてはいけないということでですね、10年のアクションプログラムが、前期・後期合わせて、6年半で総括を迎えております。そこから出てくる新しい、その静岡県の姿は何かというとですね、われわれはまあ、“ふじのくに”日本の理想郷をつくるということだったのですが、これを堂々と言えるようになったのではないかと。昨今のアメリカの49人の人たちが、一朝にして命を落とすというような凄まじい殺戮(さつりく)がありました。あるいは、警官が黒人の方々をいじめるというようなこともございましてですね、それが人命を奪うまでになっています。そうしたところに、アメリカンドリームというものを感じることができるかというと、非常に難しいと思うのですね。つまり「American way of life」というものは、全ての人に希望を与え、寿命を与え、実現ができるところだということで、全世界の人々の憧れの的となったのですが、今、アメリカは病んでいるのではないかと思います。一方これと向こうをはって、「強国になりたい。」と言う中国は、チャイナドリームというのを提唱されているのですけれども、今回、南沙諸島について、常設仲裁裁判所がですね、「あなたのやっていることは間違っていますよ。」という裁定を下されたわけでございますが、これに対しても堂々と「ノー。」と言うのですね。傲岸不遜(ごうがんふそん)ともとれるような応接をされているわけですね。こういったことは、誰も真似したいと思わないでしょ。そういう意味ではですね、チャイナドリームというのもどうかなと。そうすると、残された、もしドリームを提供できる所があるとすれば、私は日本ではないかと。だから、まさにこのジャパニーズドリームというのを語れるかどうかと。それは日本的な生き方、あるいは日本人らしい生き方と言いますか、くらしの立て方ですね、「way of life」、これを「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」のですね、こういう地域づくりが、仮にこのカルチュラル・オリンピアードなどを通じてですね、素敵な景色と食事とおもてなしとで、これが理想とされると、「Japanese way of life」がこのジャパニーズドリームとして、語られる時期が、今、到来しているなと。私は、その先頭に立ちたいと思っているのですよ。

 そのためにはですね、まずはこの6月予算を、補正予算を御審議たまわっていますけれども、これが通りますれば、すぐにそれを実施していきます。それから9月補正予算、12月補正予算、それから2月のいわゆる本予算があります。ホップ・ステップ・ジャンプです。3月にですね、内閣改造をいたします。内閣改造というと、例えば、そうですね、今日は副知事の方、来ておられませんけれども、いよいよ伊豆半島の担当の副知事も2年経ちますね。これがもし成果がなければですね、誰も来てないのですか?もう1人の副知事さんがいるでしょ、にとっ代えることもできるでしょ。吉林(副知事)君もですね、「自分は天竜の生まれだけれども、伊豆半島大好きだ。」と、当初から言っておられましたから、そういうことも含めて、適材適所というものを考えながら、もちろん定年で辞めていかれる方もいらっしゃいますので、この2月から3月にかけては、この適材適所の人事をしていくということがありまして、この9月、12月の両補正予算、これをホップ・ステップにして、2月の当初予算になだれこんでいくと、こういうことでですね、チーム川勝と言いますか、チーム県庁として、意気込んでいるところということでございます。

 それから、来年の次期県知事選に向けて、私自身の考えをということですが、まだ1年もあるのではないでしょうか。だから、来年のことを言うのは、鬼も笑いますね。私自身はですね、日々、今、早稲田大学が生んだ大碩学(だいせきがく)、しかもこれ通信教育で大学の学生になり、大学の教授になられて、古代史においてやられた、津田左右吉という人がいるのですけれども、この人の和歌に、「明日いかに ならむは知らず 今日の身の 今日するわざに わがいのちあり」という和歌があるのですよ。私はこれ、学生の頃から知っておりまして、そういうふうに生きたいというふうにいつも思っていました。

 今も、今、特にそうですね、特に私、腰痛が今、出ているのですが、今日、朝ですね、1階から5階まで階段を上がったのですよ。まだ大丈夫だと。もし階段が上がれなくなったら、この別館の5階に、災害対策本部の部屋があります。大体その時にエレベーターが動いているというふうには、想定しない方がいいでしょ。だから、そこに歩いて行けなければ、駄目だと。遇々、東館の5階に知事室があるのですね。ですから、5階にまで、階段が上れなくなったら、私は、即、辞めるということを、折りに触れて周りの人に言っているのですよ。だから、上がれなくなったら、即、辞めます。それはもう、危機管理ができないということでですね。ただ、エレベーターもですね、あそこに水野さんという、何と言うのですか、管理室の非常に人の良い青年がいてですね、私が来ると思うと、エレベーターのボタンを押してくれているのですよ。たまたま空いていれば、悪いでしょ。だから、それに乗ったりしますけれども、さもなければですね、基本的に本館から入るか、もしくは東館から入って、5階まで歩いて上っているのですが、これも、やはりいつでも辞めるということが、いつ来るか分からないという、明日いかに散りにいくということですね、散らむは知らずと、そういうことでやっているのですね。ですから、「身を粉にし 仕事に殉ず日を重ね な散るとても 悔ゆることなし」と、こういう感じですかね、自分の言葉で言えば。そういうことで臨んでいるということにつきます。

(幹事社)

 ありがとうございました。

 そうしますと、一つは、腰痛次第というところで…。

(知事)

 これは、30歳の頃からありまして、勉強のし過ぎと、重い本は両方の手で持った方が良いと。いつも重たい立派なかばんをイギリスで買いましてね、皮製の。皮自体、それ自体重たかったのですが、そこに本をぎゅうぎゅうに詰めて、常に右手で持っていたのですね。それがある時、腰痛として出てきまして、ですからこれは持病なんですけれども、これは上手に治し方は知っているのですけれども、なんらかの事故だとか、何かの異変でですね、5階まで上がれないということになったら、翌日、辞めます。これは、おそらく木(くらし・環境部長)君も知っているでしょ。初めて聞いた?他に聞いた人はいますか?あんまり言ってないようだな。だけれども、その折に触れてですね、そういうことを申し上げておりまして、今日は、堂々と公言しておきます。

(幹事社)

 ありがとうございました。

 質問のある社は、よろしくお願いします。




幹事社質問(記者質問):次期知事選について

(記者)

 すみません、今の階段の例えなんですけれども、階段を上がれる限りはやるというふうに表明されたというふうに受け止めてよろしいでしょうか?

(知事)

 やはりこれ、階段が上がれなくなるという時というのは、私にとって深刻な問題で、まさかおんぶしてもらってですね、いかにこの白井(知事戦略監)君が頑強だといってもですね、5階まで私をおんぶして行くのは大変ですよ。だからそういう時には、知事を務めてはいけないと。たまたまここ5階にあり、知事室も5階、対策本部も5階ということですから、そこで寝泊りしないといけない、下にも降りなくてはいけないと。これも階段でしょ。ですから、これは、一番最初にそう思いました。だから、この7年間、折に触れて、言っているのに、白井(知事戦略監)君、木(くらし・環境部長)君がですね、知らないのはおかしいくらいですよ。高畑(知事戦略課長)君も知らない?本当?残念です。誰も知らない、そういうことです。5階まで階段に上がれる人が、誰が知事をやってもいいというものではありませんからね、必要条件だと思ってます。




幹事社質問(記者質問):18歳選挙権の成果と課題について

(記者)

 参議院議員選挙の18歳選挙権の成果、それから課題についてお聞きしたいのですが、総務省が抽出調査を出した結果が、18歳が51.17%、19歳が39.66%で、昨日、高市総務大臣が、18歳に関しては割りと高かった、それから主権者教育をこれからも充実させていきたいとおっしゃっていました。県内においても、高校それから大学で、手探りな状態で、いろいろな選挙、政治の仕組みを説明したり、投票を促したりということがありましたが、県内における18歳が参加した選挙、知事はどのようなふうに受け止めて、今後どのようなことを考えていきたいと思ってらっしゃいますでしょうか?

(知事)

 はい。受験で忙しいとか、誰が立候補しているか分からないとか、政治のことは分からないからと、そういう大きな理由で、それを大きな理由として、投票に行かなかった人がいたみたいですね。しかしながら、それが自分自身の政治認識だということを示すためにも行った方がいいと。分からないと書けばいいということでですね、投票には行かないといけないという、教育をまずするべきだと思います。

 ですから、政治がどうなっているかということについては、自分で勉強する以外にはないですよ。新聞がありますからね。特にテレビ静岡何かを見ていればですね、よく分かるのではないでしょうか。テレビ静岡は読売でしたっけ?(フジサンケイです。)失礼しました。フジサンケイさんでしょ。なかなか硬派なね、テレビをやっておられたり、新聞を書かれているわけですから、そういうのと朝日新聞を読み比べると、あるいは同じ地域新聞としての静岡新聞と中日新聞を読み比べるとかね、というようなことをすればあっという間にですね、現状を知ることができます。だけれども、知らないということであれば、知らないこと自体が、自分だということで、それを選挙の時に、投票用紙に白紙でもいい、あるいはその旨を書いて、無効票になるのもよいということでですね、どこかの国のように、いよいよこれを本気で考えなくてはいけないと。

 特に19歳がですね、5割を切ったというのは、これは危機的です。つまりこういう人たちは、将来どうなっていくのだろうということですね。そしてまた、国によっては、罰金の制度を設けている所もございますでしょ。私は、それが正しいと思います。

 まずは、しかし今回、55%という、投票率が確保されたということで、2分の1をクリアしたというのは大きいと思うのですね。やはり過半数というのが、多数決原理の基本で、多数決はこれが民主主義のルールでありますから、従って、こういう定足数というものをやはり知る必要があると。ですから、19歳が、30%台だと、19歳の選挙は全部無効だというぐらいの厳しいですね、処置を考えるべきだと。選挙というのが実は権利であるのと同時に義務であるということをですね、国民の、第3章、日本国憲法の、国民の権利と義務と書かれておりますけれども、選挙の権利を持っていると、主権は在民にある、主権は国民にあるのだという理念に反しているわけですから。そして、選挙それ自体は定足数、これは過半数だと思います。投票率が50%に達しない選挙は無効であるとするべきだというくらいのですね、主権者教育というのに、切り替えるべきではないかというふうに、こう思っております。

(記者)

 まず、全体の投票率が上昇に転じたのは、本当によかったことだと思うのですが、例えば、18歳の高校生に対しても、学校現場、いろいろな迷いはありながらも、それぞれの立場で取り組み続けてきましたけれども、ある程度評価されるというか…。

(知事)

 そうですね、もうテレビ各社、それから新聞報道、そして学校の現場、こうした所でですね、これ以上できないはずの努力はされたと思いますね。ただ、先生の中には、教育の中立性の名の下にですね、いわゆる主権者教育などできる資格もないような教職員も、まま見られるということがございまして、政治活動はしてはいけませんけれども、主権者としての自覚を、18歳で大人として、国が認めているので、しっかりとそうした自覚を持てということ自体はですね、いくら言っても構わないと思うわけです。

 私は、この間、中学生の東海北陸の中学校の校長先生が全部、集められまして、その総会に招かれまして、御挨拶をしたのですが、中学生というのは、13、14、15歳ではないですか。私ども、この静岡県は、徳川家康公は一つのモデルになっておりますが、徳川家康さんが幾つで元服したのかと、元服というのは成人になる儀式ですね、これ13歳ですよ、彼は。明治天皇は、幾つで即位されたのかと。1852年の生まれですから、1867年に即位されていますので、15歳ですよ。種子島時尭(たねがしまときたか)、戦国時代、それこそ幕開けを象徴的に示す鉄砲というものを彼が買ったわけですね。大枚をはたいて買ったわけです。その時、種子島時尭は15歳ですよ。ですから実は15歳でかつて元服だったのですね。なんとなく戦後、成人の日というのができて、20歳で成人だというふうなことを言うようになって、これは兵隊に採るとかということがあったのかもしれませんけれども、それ以前にね。ともかく、15歳でですね、日本人はかつて元服をしていた、つまり成人として、前髪を落として、きっちりと大人として自覚を促すための儀式をやっていたわけですね。中学卒業は、実はそれだということを先生方に、申し上げたぐらいです。ですから、18歳が、なんとなく若いというよりも、15歳で十分に就職していく子もいるわけですから、やはり15歳くらいからですね、やるという意味で、中学生くらいからですね、政治経済というのですか、今?われわれの子供の頃は政治経済と言っていましたけれども、今、何と言うのです、社会科教育の中で?あの教科書があるでしょ、現代社会ですか?そこでね、先生が教えているわけでしょ、中学生でもね。ですから、十分にできるわけですね。それをやってこなかったのは、教育委員会他、教師の責任ですよ。これは子供たちの責任ではありません。もう全て教師の責任と。今回、19歳、18歳の子は、まだ高校3年生がいたから、それなりのことを聞いたということがあります。19歳の子は、聞いてないでしょ。新聞も読まない。政治のことは何か訳も分からないというようなことでですね、自分や、私にも関係ないというような態度があるとすれば、これは何でこうなったのかと言ったら、文字通り教育の結果ですよ。全て教師に責任があるというふうに、申し上げたいですね。それから、家庭教育という意味では、御家庭においてもですね、そうした自覚を促すためのお話しを、お父上だとか、その年長の方がですね、なさるということが、これから大事になってくるのではないかと思います。

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:東京都知事選について

(記者)

 東京都知事選ですが、どのように御覧になって、どういった方がふさわしいと思っていらっしゃいますか?

(知事)

 宇都宮さんはどうなりました?出られるの?4人の方ですか。プラスアルファはたくさんいらっしゃいますね。今、大きく報じられているのが4人の方ですけれども。

 そうですね、小池百合子先生は、公約を出されましたね。スーパーシティ、セーフシティ、ダイバーシティだって。語呂合わせかも知れませんが。要するに東京中心主義ですわね。それは御自身中心主義ということの反映ではないかというふうに思います。

 それから、鳥越さんは正義感あふれた人で。御自身が明確に言われておりますけれども、まだ、公約は作っていないということですよね。ただ、参議院議員選挙で憲法改正の動きが本格化するということに危機感を覚えて、東京都知事選に出るということですから、これが本来の筋とは違うということは、御本人も自覚されていると思います。

 宇都宮さんは、これまで2回出られてですね、自分もされてきたということで、その流れで出られるのでしょう。信念の人だと思います。

 増田さんは、東京消滅だとか、地方消滅だとかですね、そうしたことで、地方と東京のことを考えてきた人ですわね。ですから、われわれ地方創生で47都道府県ですね、今月の末にも全国知事会がございますけれども、地方創生のために汗を流しているわけです。われわれの“ふじのくに”づくりも同じです。そうした時に、東京都との関係は非常に大きいですよ。ですから、そうしたことに目を配ってくださる方がありがたいと思いますね。

 それから、東京都は何と言っても、世界に対してですね、東京五輪を誘致するというお約束をしているでしょ。ですから、これはですね、国がしたのではないのですよ。オリンピック委員会がやったわけではないのですね。組織委員会がやったわけではない。東京都がしたのです。だから東京都は国際公約を持っているのですね。ですからこれをひっくり返すというようなことを言うというのは、東京都民1千数百万人に対する背信になりますから、この点は明確にしなくてはいけないと思いますが。この点を明確に言っているのは誰でしょうか?増田さんだけですか?東京オリンピック・パラリンピックをしっかり仕上げて、それを成果にして、それをレガシーにして将来につなげていきたいと言われてますね。これは極めて重要な国際公約で、われわれはそれをてこにして、カルチュラル・オリンピアードというのも動かしているわけなのでですね、東京オリンピックの問題について、前の都市博みたいに、突然やめますと言って済むものではないというふうに思っておりましてですね、ここだけはやはり明確に御自身の考えを言わないと、私ども日本国民全体にとってですね、天下に恥を晒すというか、世界に恥を晒すことになるというふうに考えております。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:参議院議員選挙について

(記者)

 すみません。知事、参議院議員選挙に戻って恐縮なんですが、先ほど、本来の目的は憲法改正というふうに確信されていて、これからその本心は公然と語られていくということをおっしゃいましたけれども、選挙戦を振り返ると、政府与党側からは主に憲法改正というのは、ほとんど触れられなかったのかなということを思うのですけれども、そういった政治の訴え掛け方というか、プロセスについては、知事どのように御覧になっていますか?

(知事)

 ですから人様から、そういう訴え掛けが、卑怯ではないかという問い掛けがなされてたわけですね。野党勢力からは厳しく批判されるから、しょうがないとは思いますけれども、ですから、言わば代理戦争と言われたこちらの自民党候補、民進党候補ですかね。この方たちも、そのことについて言わなかったでしょ。岩井さんも、もっぱらアベノミクスが道半ばで、これからきっちりとこれを推進していくということでしたね。こういった若い青年たちが国政に対して言う時に、自分が推薦してもらっている党の方針を有権者に訴えているわけですが、その時に、3分の2を取れば憲法が改正できて、こういうふうにしていきますというふうな訴えを全く聞かなかったということがあります。それからもちろん、原発の問題もそうですね。一切、それを論じないと。しかし、これぐらい大きな、言ってみれば、高浜原発もこれを動かしてはいけないと言われたりですね。川内原発を動かすことについて大問題になっていたり、そうした中で、そういう本当に国民が心配し、どうなるんだろうと思うことについて、口をつぐむということは、あまり侍らしくはないです。富士山に向かって、どこにも隠し立てはありませんかと、恥じるところはありませんかと言った時にですね、問われることではないかと。ですから、当選されたお2人もですね、こうしたことについて、たとえ、十分に考えていなくても、自分はこう思いますと。どう思われますかというふうな対話をね、選挙民の声を国会に届けるということであれば、自分の声をね、まず聞かせる必要があるでしょう。あなた方の声を届けますではないのですよ。自分の主張はなんですかと。あなたは安保法制についてどう思いますか。原発の再稼働についてどう思いますか。ということについて、怖くて触れないと。つまり臆病なんですね。これはよくありません。退路を断つということであれば、そういう時に、自分の今、考えていることを正直に言った方が良いと。でないと、また、大きなものに巻かれることになり、結局、陣笠(じんがさ)の議員になって、上の人の言っているとおりにやるという、単なる数合わせになるのではないですか。これは地域の代表ですからね、何と言いましても。ですから、こういう人たちは、地域の抱えている問題について語るべき勇気を、これから持っていただきたいと思います。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:軽井沢の自宅への帰宅について

(記者)

 少し前の話になってしまうのですけれども、神奈川県の黒岩知事が週末に渋谷区の御自宅に公用車を使って、結構頻繁に帰られていたという話があったかと思うのですけれども。知事も御自宅が軽井沢の方にあるということで、現在、とてもお忙しいと思うのですけれども、どれくらいの頻度で帰られていて、危機管理上に気を付けられていることはあるのかなと。

(知事)

 まずは、軽井沢に公用車で帰ったことは一度もありません。新幹線で帰ることが多かったのですが、最近運転する機会がありませんで。今、知事公用車はレクサスでなかった、セルシオなんですよ。大学の教員をやっている時に、あんな立派な車に乗りたいなと。なんとか猪俣さんに、運転されている方なんですけれども、尊敬している方なんですけれども。代わってくれないかと言っても、代わってくれないのですね。この間ようやく、山梨君が公室長になったばかりの時に、彼が助手席に座ろうとするので、君の席は後ろだということで、僕は助手席に座らせてもらい、助手席の方が全然良いでしょ。まあそれはともかくとしまして、運転することはできないので、いつぞや伊豆半島に、ワゴンアールでですね、旅館が、あれは停電の時ですよ3.11、皆行かないということで、僕泊まりに行って、自分で運転したわけですがね。なんか似ている人がいるとかなんとか言われて。最近は車で、国道52号があるでしょ。そして今、中部横断自動車道があるのですよ。これは実は、平成29年度までに絶対仕上げるということがありまして。その現場を見ながらというとおかしいですけれども、横目で見ながらですね。そうですね、どのくらいの割合で行ってますかね。1か月に1回くらい?実は、豪雨やなんかでですね、家のガラスが割れてですね、水が浸水して、気が付いたら、床下に水が溜まっていてですね。大問題になったのですよ、それで大工さんが入ることになりまして、そうすると指示をしなくてはいけないでしょ。去年、今年はそういう動きをしておりますが。

 危機管理に関しましてはですね、実は8.11というのがあったのです。平成21年8月11日。私が知事になりまして1か月あまりしまして、駿河湾で地震がありまして、ちょうどお盆前だったので、お盆休みに静岡県に来ようとしている人たちがキャンセルし始めたのですね。それを防ぐためにですね、8月13日に伊豆半島に入りまして、安全宣言をしたりしたのですよ。その時から危機管理の重要性を骨身にしみて、以来ですね、あなたは聞かれているかどうか知りませんけれども、議会における知事説明というのがありますが、今までは経済が中心だったようです。経済から入っていくと。今は全てですね、それ以降、危機管理から入っているのですよ。そして危機管理は、私がいようがいまいが、危機があった時には対処しなければいけないでしょ。ですから、私と副知事、今、3人と、それから危機管理監、危機管理部長ですね、土日、私がこちらにいようと、どっかにいようとですね、担当の人間を決めてあるわけです。そして、仮に災害が起こった時には、即、対策本部を立ち上げまして、そこで指示ができるようになっているのですよ。ですから、集団的な危機管理体制というのを7年間やってきておりますので、何か知事がいる、いないで問題になるようなことでは、県民370万人、知事1人のことによって行動できないということでは具合が悪いでしょ。ですから、そういう集団的な危機管理体制を採っているということですね。そういう申し合わせになっていますから、危機管理は大丈夫だということです。

 黒岩知事さんにはですね、できれば私はもう、林文子(横浜市長)さんが横浜から出て行ってほしいと言われているわけでしょ、特別自治市になるということなので。あんな小さな所に県議会議員要らないわけです。県庁も要らないわけです。川崎は140万人以上いますよ、人口が。この静岡市の2倍です。面積は静岡市の10分の1です。だから県議会議員要らないのですよ。ですからもう、県庁を箱根の方に移したらどうかということを、折に触れて、黒岩さんに言ってきました。小田原に移したらどうですかと。足柄に移したらどうですかと。でも移されない。どうしてかなと、広尾に家があったからなんですね。奥さんもいらっしゃる。それはしょうがないなということが今回分かりました。公務で帰られたということなんですが、もっと驚いたのは、借り上げの住宅がですね、一月50万円ですって、家賃が。何か報道によれば、その10分の1ぐらいは自費で払ってるのですけれども、すさまじいものだなと思ったのも、もう一つの驚きです。つまり、公舎がありながら自宅に帰っているということでね。しかし、西側に、静岡県側に黒岩知事は関心がないということが、今回の報道で知ってですね、土屋副知事さんには、できればですね、神奈川県、相模と伊豆を一体にして、県境を越える形でやっていただきたいので、黒岩知事の副知事のつもりで働いてくださいと。そういう挨拶を黒岩知事にしてくださいということで、彼に任命した、1年半前、そういうふうに言って彼は挨拶に行っているはずですよ。それは、こっちに来ていただくために。それができない理由が私的な理由であるということが分かったということです。奥さんの力は大きいですよ。

(幹事社)

 よろしいでしょうか。これで終了します。

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