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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年2月5日(火)

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知事記者会見

2019年2月5日(火)


知事発表:中部横断自動車道の開通について、第5回「あいのうた〜出会いから子育てまでの短歌コンテスト〜」受賞作品の決定、受動喫煙防止条例の集中広報
幹事社質問(記者質問):受動喫煙防止条例の集中広報、リニア問題
幹事社質問:リニア問題
幹事社質問:リニア問題
幹事社質問:リニア問題
幹事社質問:リニア問題
幹事社質問(記者質問):リニア問題、静岡市長選
記者質問:細野豪志氏の二階派入り、静岡市長選

知事発表:中部横断自動車道の開通について、第5回「あいのうた〜出会いから子育てまでの短歌コンテスト〜」受賞作品の決定、受動喫煙防止条例の集中広報

(知事)

 皆さんこんにちは。今日のお花はですね、あそこに中学生が二人いますけれども、今日の記者会見の花ではないかと思いますが、この花は、トルコギキョウ、関東東海花の展覧会に出た、農林水産大臣賞、これですね、白いものですね。バラに似てますけれども、トルコギキョウと。磐田市の伊藤哲野さんと読むんでしょうか、の作品といいますか、品種改良したお花ということでございます。それからネコヤナギとドラセナということでございます。

中部横断自動車道の開通について

 さて発表項目は三つございます。最初は、中部横断自動車道の開通に関わることでございまして、本日14時、ちょうど今ですね。中日本高速道路株式会社と国交省さんは、中部横断自動車道の新清水ジャンクションから富沢インターチェンジ間、ならびに下部温泉早川インターチェンジから六郷インターチェンジ間を3月10日、日曜日、午後4時半、16時30分に開通することを公表いたしました。今、公表中ということでございます。

 今回の開通によりまして、清水港など県内各地と甲信地域とのアクセスが格段に向上いたします。物流の効率化による生産性の向上、あるいは人々の移動、観光交流の拡大などにおきまして、大きな効果をもたらすものと期待しているところであります。

 トンネル工事が重金属の発生、あるいは脆弱(ぜいじゃく)な断層破砕帯があることになって、そのために工事は難航いたしましたけれども、追加の対策工事が行われ、開通を迎えることができました。ネクスコ中日本高速道路株式会社さま、ならびに国交省さまをはじめとする関係する皆さまのご尽力に対しまして、心から感謝を申し上げます。

 中部横断自動車道に対する産業界をはじめ、県民の期待は大きいことから、県といたしましては、平成31年度に開通が予定されている富沢インターチェンジから下部温泉早川インターチェンジ間につきましても、一日も早く開通できますように国に対して働きかけてまいります。

 これによって、新清水から甲府、双葉ジャンクションまでですね、来年度の春までには開通するということになるということでございます。

 六郷から双葉まではすでに開通しておりますので、だいぶ短くなるんでしょうか。30分くらい短縮できるんではないかと思います。

第5回「あいのうた〜出会いから子育てまでの短歌コンテスト〜」受賞作品の決定

 二つ目の発表項目でございますが、第5回目を迎えました「あいのうた〜出会いから子育てまでの短歌コンテスト〜」の受賞作品が決定いたしましたので、ご報告を申し上げます。

 「あいのうた」短歌コンテストは、審査員が俵万智さんと田中章義さんです。このお二人にご審査をいただきまして、このたびの今回の受賞作品が決定いたしました。

 このコンテストには、今回も多くの応募をいただきました。応募総数は3019首に上ります。43都道府県にまたがり、また、アメリカからも応募がありました。応募者の年齢層は、下は6歳から上は90歳と幅広い層にわたっております。また毎回応募くださる方もいらっしゃいます。

 最優秀賞は、一般の部とジュニアの部がございますが、一般の部が、神奈川県横浜市の水野真由美さんの作品です。「雨の日は言葉の散歩にでかけよう 傘、さくらんぼ、帽子、新幹線」

 傘、「さ」ですから、さくらんぼ。「ぼ」ですから、しりとりで、帽子。帽子の「し」ですから、「し」を受けて、新幹線と、こうなってるわけですね。しりとりでこうなってる。雨の「あ」から始まってますから、「あ」から始まって、新幹線の「ん」で終わるという、なかなか、何でもないようですけれども工夫されている作品じゃないかと思います。これに決定されたとのことです。水野さんは、本コンテスト開始以来、4年連続して入選、あるいは審査員特別賞に選ばれる方です。今回はついに最高位の最優秀賞に選ばれました。おめでとうございました。

 次にジュニアの部でございますが、静岡県立科学技術高等学校の3年生、牛濱慶介さんの作品です。「なぁ親父 墓石に水かけ汗ぬぐう 今日は猛暑だ 水分とれよ」

 真夏の暑い中、お墓参りに行って汗ぬぐいながら、暑いだろう、お父さん。これで水分取れよって言ってるんですね。つらいっていうか、いい歌だと思います。牛濱慶介さん、親孝行ですね。ご入選おめでとうございました。

 審査員のお二人から、言葉をいただいております。

 「今年もたくさんの作品が全国から寄せられました。どうもありがとうございます。ユーモアや優しさ、あるいは機智に富んだ歌が多かったように思います。身近な人との関係を詠むことで、自分自身が大切にしているものが見えてくるのだなあと、あらためて感じさせられる選考でした。素敵な作品を、ありがとうございます。」という言葉を頂いております。

 選んでいただきました俵万智さん、田中章義さんにも御礼を申し上げます。

 さて、表彰式は、3月2日、土曜日、県庁別館の展望ロビーで開催いたします。俵万智さん、田中章義さんによる対談も予定されております。

 お二人には、歌に込められた思いを引き出していただき、また語っていただきますので、ぜひ多くの方にご来場いただければと存じます。

 また、受賞作品は、過去の作品も含め2月22日、富士山の日の前日ですね。金曜から表彰式当日までの間、県庁別館の展望ロビーで展示いたします。

 短歌「あいのうた」に込められた思いに共感していただくことで、「子育ては生命をつなぐ幸福の愛を育む尊き仕事」という、この理念の浸透と、社会全体で子育てを応援する気運の醸成を図ってまいりたいと思っております。

受動喫煙防止条例の集中広報

 三つ目の発表項目でございますが、昨年9月に「静岡県受動喫煙防止条例」を制定いたしました。この「静岡県受動喫煙防止条例」の特徴は、二つあります。一つは「全飲食店の表示義務」、もう一つは「国より1年前倒しで施行」ということであります。

 条例の実効性を確保するには、県民・飲食店双方の協力が必要です。

 これまで、健康福祉部では、飲食業組合等の関係団体へ丁寧に説明申し上げるとともに、県民だよりなどを活用しまして、条例の周知を行ってまいりました。

 県条例は4月1日に施行になります。その施行に向けまして、2月〜3月に集中広報を展開いたします。今後、ポスターや動画などよって、県ホームページやさまざまな媒体を活用して広範囲に周知啓発してまいります。本日は、その一端をご紹介するものであります。受動喫煙を防ぐことで、健康寿命のさらなる延伸を図りたいと思っております。

 今日はここにポスター、これですか。健康福祉部の方から、ちょっとご説明お願いしましょう。

(健康増進課長)

 失礼いたします。健康増進課の小嶋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 この12月末にですね、厚生労働省の方から「禁煙」「分煙」「喫煙可」の標識の案が示されました。正式決定は今月末ということで聞いておりますので、今後若干のデザインの変更があるかもしれませんけれども、大筋の形が示されたということで、まずは静岡県は4月からのスタートを予定しておりますので、国に先んじて、標識については飲食店をはじめとする県民の皆さまに知っていただけるように、こういったポスター等によって、積極的に広報をしていきたいということで、考えております。

 この上がポスターの案でございまして、下が今後、皆さまに周知をしていく上でメインになっていただくキャラクターということで設定をしておりますけれども、こういったキャラクターにも今後、動画等でも登場していただいて、その動画を使ってインターネットの広告ですとか、SNSの活用ですとか、街頭の大型ビジョンの放映などを通して、幅広くより多くの県民の皆さまに、また飲食店の皆さまにもご協力をいただきまして、この条例がスムーズにスタートできるように、広報に努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずこちらの一番、禁煙のところにいる女性なんですが、この方「スワン」さんといいまして、1児の母ということで、子どもさんの受動喫煙についても非常に心配をしているというような、吸わない、スワンさんです。

 真ん中の方ですが、この人は「マスター」さん。「マ・スター」ということで星の形をしておりますが、いわゆるお店の店主ということで、設定をしております。自分のお店が、分煙にするのか、禁煙にするのか、もしくは喫煙ができるお店にするのか、そういったところで登場していくキャラクターということになります。

 そして一番こちらの方が、タバコ持っておりますけれども、こちらはタバコを吸われる「スイマウス」さんということで、ただ、この方おタバコは吸われますけれども、周りに受動喫煙が及ばないように配慮をしながら紳士的に吸うという設定で登場していただこうということになっております。以上です。

(知事)

 あなたは吸いますか?

(健康増進課長)

 私は吸ったことがないです。

(知事)

 私の方からの発表項目は以上でございます。




幹事社質問(記者質問):受動喫煙防止条例の集中広報、リニア問題

(幹事社)

 知事発表の項目について質問のある社は、よろしくお願いします。知事発表については特にないでしょうか。

受動喫煙防止条例の集中広報

(記者)

 禁煙マークのデザインについて伺いたいんですけれども、これなんで、NOスモーキングの方もタバコ火ついてるんでしょうか。

(健康増進課長)

 これ確かに火がついているんですけれども、タバコを吸うのを、吸わないでくださいというマークが、斜線が入っていますので、そういった意味で煙は出ていますが、こういった形になっております。これにつきましては、今後専門家の先生たちにもご意見を頂きまして、最終的には少し変更になる可能性もございます。それでご提示をさせていただいております。

(記者)

 分煙のマークもですね、右も左も両方タバコが火がついてるので、NOとOKが全員に伝わることを前提としたデザインじゃないかと。

(健康増進課長)

 はい。これは全てタバコに火がついておりますけれども、こちらの方は吸わないで、吸ってもいいですよっていうことで、タバコを実際吸っているという状況を表しているデザインになっております。こちらにつきましては、検討したいというふうに思います。

(記者)

 ありがとうございました。

(記者)

 関連で、喫煙マークの関係なんですけれども、ちょっと確認なんですが、このマークとかキャラクターのデザインというのは、県のデザインなのか、先ほど、何か国のというようなお話もあったと思うんですけれども、これはどちらになるんでしょうか。

(健康増進課長)

 キャラクターにつきましては、これは静岡県独自のものになります。国の方はですね、お店などに、分煙する場合、ここだったら、ここは吸える部屋、こちらは吸えないエリアですよっていうのを掲示するように表示をするようにしておりまして、そちらについてマークを決めたということになります。

 そういったお店の場所を表すマークについては、他県からお見えになったりだとか、海外からお客さまがお見えになることもありますので、そこについては、全国的にできるだけ統一をしてほしいというような国の希望もございまして、そこは大きな変更はできればしないでというふうに考えております。

(記者)

 そうすると、このマークは、国からフォーマットみたいなものが示されて、それを受けて県でデザインしているのか、もう完全に国のマークなのか、全国統一のマークなのか、どういう状況なんですか。

(健康増進課長)

 今ここのポスターに示してあるマークにつきましては、喫煙と禁煙と分煙と三つのパターンがありますよ、ということで、いわゆる分かりやすくするために、今回ポスター用に作ったマークということになります。今後4月から、お店、店頭の方に掲示していただきますマークにつきましては、そこは国の示したデザイン案を配慮して作成するということで予定をしております。

リニア問題

(幹事社)

 他、ございますでしょうか。それでは、幹事社質問、1点お尋ねします。

 先月下旬に2回、JRも出席したリニア中央新幹線の関係で、連絡会議が開かれました。結果を踏まえ、今後のJRへの対応方針について、お聞かせください。

(知事)

 1月25日に、静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の第1回地質構造・水資源専門部会が開かれました。この会議では、昨年末にJR東海に提出いたしました「大井川水系の水資源の保全に関する対話の進め方についての静岡県の基本認識」について、難波副知事の方から説明をいたしまして、JR東海に対し、事前にリスクを最小化することなど、リスク管理に関するJR東海の基本的考え方について、回答を求めたものであります。

 しかし、JR東海からは明確な回答はなく、同社からの主張の一端を申し上げますと「事前に机上でできることは限られている」あるいは「工事を通していく中で、しっかり事前の予測だとか調査というのをやっていきたい」こうした主張が繰り返されました。この点につきまして、専門家の皆さまからJR東海のリスク管理について多くのご指摘がございました。

 例えば、一つのシミュレーションのみで良しとするJR東海の手法は古典的と言わざるを得ず、信じられない。リスクの幅や対処方法を適切に開示し、今後の国家プロジェクトの規範とするべきである。

 あるいは、想定外の現象に対応していくため、科学的根拠に基づくリスク管理が重要である。シミュレーションに際しては複数の手法を用い、総合的に判断するのが世界的な潮流である。

 あるいは、リスクを最小化するため、事前にできることはなんでもやる、というのが基本的なリスク管理の姿勢である。

 あるいは、破砕帯の水が一気に抜ける等のリスクにどう対応する考えであるのか。JR東海は修復とか代替措置、いわゆるミティゲーションの視点が欠落している。

 あるいは、リスク管理の本質が問われている。確定論でなく、確率論での議論を行うべきである。「事前にリスク管理ができない」のであれば、事業を止めていただきたい。

 こうしたご発言が続きました。

 続きまして、この25日の会議につきましては、こうしたご指摘が続いた中で予定した時間となりましたので、会議を中断したというか、対話を終了したということであります。

 その5日後の1月30日に、このときは「第1回生物多様性専門部会」が開催されました。前提となるリスク管理の基本認識が一致していないということから、昨年末、JR東海さんに提出した質問に対する回答について、具体的な審議は行わずに、不明確な点などの事実確認にとどめることにいたしました。

 ここで個別質問項目についての事実確認でありますが、委員から出た意見といたしまして、「植物の重要な種や群落の生育環境に地下水位による影響は及ばない」と予測しているが、25日の部会において、断層沿いの地下水位が50メートル以上低下する箇所もあると示されており、影響がないという判断は問題である。

 全てこれは意見、委員の意見ですが、現在の対策は希少種の保全のみを念頭に考えられており、普通種を含めた生態系全体についての配慮がなされていない。

 あるいは、西俣川などは全く汚れがない場所なので、水質についての法令の基準をクリアしただけでは不十分である。

 あるいは、環境影響評価制度に沿って手続きをしているというが、南アルプスの生態系の特殊性・希少性を理解し、具体的な環境保全措置を示すべきである。

 あるいは、濁水処理設備については、突発的な湧水等の事態を想定し、あらかじめリスクを予測した上での対応を示さなければならない。

 あるいは、西俣川についてはトンネル湧水によって河川流量がゼロになる時期があるが、流量ゼロのところに水質処理をした湧水を戻した場合、脆弱(ぜいじゃく)な生物が今までと違う水質の中で生息できると考えるのか。

 などといった事実確認の質問がなされたわけであります。こうしたことから、今後の予定でございますけれども、まず水資源専門部会の方では、不十分なリスク管理で、巨大事業を行うJR東海のやり方は認められないと。この意思表示を行うなど、同社側に認識を改めるように求めていくという、そういう段階でございます。

 それから、生物多様性専門部会の方では、今後の予定としましては、今回は事実確認の途中で終了いたしましたので、改めて事実確認等を行うと、こういう今後の予定になっております。以上であります。




幹事社質問:リニア問題

(幹事社)

 ありがとうございました。

 今の最後のところで、補足で質問させてください。事業認識を改めていくように、認識を改めていくようにJRに求めるということなんですけれども、知事としては、具体的にどんなことを考えてらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 リスクっていうのは、不確実性というものについての認識がなければなりませんけども、確実にこれだけのことについてやっていくという言い方ではですね、リスク管理はできませんね。ですから、不確実性についてどの程度認識をしており、その不確実性について、出てきたリスクをどのように対処していくかということについてですね、これから求めていかなくちゃいかんということで、その意味で、リスクの不確実性、これについての基本認識を求めていくということで、言ってみれば、対話を一番のリスク管理のところから進めていこうという、この専門部会の態度は正しいと思っております。

(幹事社)

 求めていくという点で、知事が直接JRにという。

(知事)

 それは環境保全連絡会議ですね。JR東海さんが出てきて、対話していくっていうことですから、その場で、これまでどおり、難波副知事が司会をする形でですね、求めていくという、そういう段取りになります。ただしこの会議の中には利水者団体等にですね、常にオープンにいたしまして、またご報告を申し上げ、また利水者団体からのいろいろなご疑念もこちらで吸い上げまして、それをJR東海さんの方に質していくという、そういう段取りになるかと思います。

(幹事社)

 水資源、生物の連絡会議、これ次回いつ開催を予定しているか、開催の予定はいつかというのはありますか。

(知事)

 その点は私、知りませんけども、お願いします。

(環境局長)

 環境局長の織部と申します。

 次回の開催予定は今のところ、まだ計画はされておりません。この前投げたリスク管理に対するJR東海の考え方を示すことができればですね、会議を開催したいというふうに考えております。

(幹事社)

 といたしますと、先ほどの知事のおっしゃったスタンスなりですね、県としての見方というのはどういうふうにJRに伝えていくお考えなんでしょうかね。開催の予定が立ってないというところで言うと。

(環境局長)

 前回の会議の場でもですね、JRに求めることっていうことで、難波副知事の方から示されておりますので、その点について、回答ができるっていうことであればですね、委員を集めてですね、開催することになると思います。

(幹事社)

 とするとですね、回答を待っているというような、要はこちらからリアクションするわけではなくという、そういう理解でよろしいでしょうか。

(環境局長)

 はい、そういうことです。

(幹事社)

 はい、ありがとうございました。幹事社からは以上です。各社質問あればよろしくお願いいたします。




幹事社質問:リニア問題

(記者)

 今のリニアの関係でお伺いします。会議の中身、会議後の取材の中でですね、副知事としては追加の事前の調査などは求めていないと。ただ、リスク管理に対する、事前にリスクを低減させる、そういうような取り組みは必要だと、取り得る措置はいろいろあるとおっしゃいましたが、具体的な要望っていうのはJRには示されませんでした。JRの方は具体的に何を求められているのか分からなくて困惑しているというような状態で、かみ合ってないのかなというふうに、こちらには映るんですが、そうすると、回答を待つということでは、対話がもうこれで成立してないのかなという印象も受けるんですが、その点はどのように県は見てるんでしょうか。

(環境局長)

 明確に、あくまでもリスクに対する考え方を求めてるよ、ということはお伝えしてあるものですから、県の方としては対話を拒んでるわけではないですので、JRとしての考え方を示すことができればですね、対話を継続させていくことになるというふうに考えております。

(記者)

 関連して、その考え方というのは、県としては具体的に何を求めているんでしょう。追加の措置を求めずに、考え方を求めてるっていうのが、いまいちよく分かりにくいんですが。

(環境局長)

 事前にですね、リスクを減らす努力をどういうふうに取ろうとしているか、そうしたリスクを減らす努力をした上でですね、どうしてもリスクが生じるということになればですね、それに対して、どのような対応を取るというふうに考えているのか、そういうリスク管理に対するJRとしての考え方、姿勢をですね、示してほしいということで、JRには伝えてございます。

(記者)

 リスクを減らす努力というのは、追加措置との違いというのは何なのでしょう。

(環境局長)

 この前は一つの方法として、シミュレーションをいくつかやってみるというお話があったかと思うんですけれども、リスクを減らすためにですね、事前にできることはいろいろあるかと思います。それは事業者として考えるべきことであって、どういうのがあるかっていうのは、こちらから示す話ではないというふうに考えてます。

(記者)

 そうするとやはり、事前の追加措置というのは何らか求めているということでいいんですか。

(環境局長)

 措置というか、考え方ですね。どういうふうに、減らす努力をされるかという考え方というふうに理解してます。

(記者)

 関連でお願いしたいんですが、このリスク軽減のためにJRさんに求めるって言ってるんですけれども、県民や利水者の方も分かりづらいと思うんですけれど、要するにJRさんはこれまでの環境アセスの評価書に基づいて、環境保全策を説明してるんですが、それに対して、県側としてはリスク管理、着工前の対策が不十分というふうに聞こえまして、要するにこの間副知事は否定してましたが、環境アセスのやり直しですとか、追加措置ですとか、そういうことを実質的に求めてるようにも感じるんですが、具体的に何を県が、こちらが示すべきものではないという、局長のお考えなんですが、ある程度、どうリスクを減らしてほしいっていうやりとりがないと、平行線、かみ合わないように見えるんですが、その辺、県の側としても明確にした方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。

(環境局長)

 この前の議論の中でも、例えば大量の湧水が一気に出るという、そういうリスクに対してですね、例えば大量に出ないようにするにはどういうことが考えられる、事前に考えられるのか、というところを徹底的に考えていただいて、それに対してもし、そういう対策をした上でもですね、大量に湧水が出るということになれば、それに対してどういう対応を取るかといったようなところをですね、きちんと説明してほしいという形で、この前お示ししたかと思うんですけれども、そこについてJRとしてのリスク管理に対する考え方を示してほしいというところでお話はしてございます。

(記者)

 それは、いわゆる追加措置を求めるっていうふうに解釈できるんですけど、どうなんでしょうか。

(環境局長)

 追加措置っていうのは、そういうふうにならないようにするために、具体的にですね、どういうふうに考えてるかっていうことであって、アセスのやり直しとかですね、そういうシミュレーションのやり直しっていうのを具体的にやれと言ってるわけではないということです。

(記者)

 分かりました。やり直しは求めないっていうことなんですけど、実際、今、JRさんが環境アセス評価書に基づいて説明していて、それに対して不十分だっていうことは、いわゆる、追加で何かを求める、評価書プラスアルファで求めるというふうに解釈できるんですが。そうではないんでしょうか。

(環境局長)

 追加でっていうところではなくてですね、環境アセスはあくまでもですね、環境への影響を回避するというところに目的がございますので、それのために事前にある程度準備というか、考えておくべきことがあるじゃないですかというところを投げ掛けているということです。

(記者)

 ありがとうございました。




幹事社質問:リニア問題

(幹事社)

 幹事社質問関連のご質問ありますか。

(記者)

 今のリニアの関係で、30日の会議でJRさんも社内決定したという話を述べられたと思うんですけど、あの中でも結局は、環境アセス今までやってきたという部分と、実際に工事着工しながらデータをとってみないと分からないということを繰り返されたと思うんですけど、話を聞いていると、JR側から何らかの答えとかが新たに出ないと話が進んでいかないようにも受け取れるんですけれども、JR側からずっと同じスタンスでいられた場合、次回の会議の開催とかどうするというとこまで考えているんでしょうか。

(知事)

 リスクを回避するのは工事をする方の責任じゃないですか。ですから、専門の委員の先生方が透水率(透水係数)がどのくらいなのかと、これはどういう根拠に基づいているんですかということを聞きますよね。破砕帯はそこでどの程度想定されているんですかと聞きますよね。これは別に措置を求めているのではなくて、聞いているわけです。そして、平均で透水率(透水係数)がこれだけで、従ってこの水の出る部分はこのぐらいだと言っているけれども、もしそこに破砕帯があった場合には、もっと大量に水が出ると。そうした場合に、その水を取り戻すためにどういうふうにするんですかとか、これ普通の議論ですよね。それについて、議論しないというわけにはいかないでしょう。聞いているわけですから、先生方が具体的にお聞きになっているわけですね。言うところの毎秒2トン失われるというものの根拠はなんですか、というようなことですね。それからまた、ボーリング調査というのが別にトンネルに即してなされているわけではないから、それがどんな、言ってみればこの件に当てはまるんですかと、どういうふうに考えているんですかというふうなことを聞くのは当たり前でしょう。ですから、回答しないという方がおかしいですよね。何も回答しないまま、ある特定の判断に基づいてやっていますと、出てきたときには対処しますと。で、どんな対処があるんですかと、毎秒2トンを移さないで電気ポンプで上げて返すと、電気ポンプはどれくらい持つんですかということ聞いて、それを10年とか20年とか、それは半永久的に持たせなければいけないわけですよね。それ以外の方法はないんですかと、それ考えたんですかというようなことを聞くのは当たり前のことです。それに答えなくてはいけない、そんなことは答えられないということの方がおかしいと思います。

(記者)

 すみません、とすると知事としてはもう、事業者として答えるのは当然だと。

(知事)

 当然です。

(記者)

 なので、返ってくるという前提で、今答えを待っている状況でよろしいですか。

(知事)

 そうですね、もしそういうことが答えられないなら、実に乱暴な想定で工事に入るということになりかねないので、そんな工事はやってはいけないでしょう。何しろ、世界ユネスコのエコパーク、Biosphere Reservesに、大きな工事をかけるわけですから。十分な説明が、世界的にもちゃんとわれわれの方から説明できるようにしなくてはいけないし、われわれにとって、特に利水者に対して、あるいは生物の多様性というものをそこで保障せられているということで認められているユネスコに対しても、説明ができないといけない。われわれが説明するのではなくて、向こうが説明しなくてはいけない、工事をする方が説明するのは当たり前です。

(記者)

 分かりました。ありがとうございます。

(記者)

 どうしても今の質問のやりとりの中で分からないのが、一つのシミュレーションでは満足できないということを、25日の県の専門家の方が言いながら、追加措置を求めるものはないという否定の仕方が分からないんですね。一つのシミュレーションで満足できないのだったら、二つ三つやってみてはどうかという意味にしか、私には受け取れないんです。で、それを「追加措置を求めているんですか」と記者側から聞くと、「追加措置ではありません」と言い募る、この追加措置ではないということの意味がよく分からないんですけれども。

(知事)

 「シミュレーションはどうして一つなんですか」と聞くのが、どうして間違いですか。

(記者)

 それは、「シミュレーションを二つ三つやってはどうですか」という提案に聞こえるんですよね。それをJRがやるかやらないのか、決めるのはJRでしょうけれども、そこをあくまでも県の側から追加措置は求めていないということの真意がよく分からない。

(知事)

 これは文字通りやりとりで、「なぜこのシミュレーション一つだけでやっているんですか」って聞いているわけですから。「いろいろ検討した結果これになりました」という説明があればいいですよ。他のシミュレーションしていないで、どうして他にやらなかったんですかと聞くのは、別に追加措置のことではありません。

 例えば腰痛が出たと、それは鍼灸(しんきゅう)で治すか、手術をするか、カイロプラクティックにするか。これはもう手術、じゃあ手術は腹から切るのか背中から切るのか、いろんなやり方があると思います。どんな場合にどういう措置を取るかということで、前提に置いてた措置がありますね。その前提が、なぜこれになっているんですかということを聞いているわけです。他の前提も考えられませんでしたかということを聞いているわけで、措置を取れと言っているわけではありませんから。




幹事社質問:リニア問題

(記者)

 今の知事の発言ですと、現時点で追加措置を具体的に求めているわけはなくて、質問をしているわけだということだと思うんですが、それに対してJRとしては、現時点でJRが行ったシミュレーション結果を説明した上で、そのデータは不確実なので、確実には掘ってみないと分からないという考えを示しているのに対して、それでは不十分だというふうに有識者の方が言っているというのは、それは実質的に今後追加措置を求めていくというそういう意味合いではないんですか。

(知事)

 不確実性についての認識を、どの程度お持ちになっているかということを求めているわけですね。不確実であるということはみんな認めていると、しかしながらこの不確実性についての考え方を聞いているわけです。つまり、リスクに対する考え方を聞いているわけですね。措置を求めているのではありません。

(記者)

 最初の、1回目の協議のときに難波副知事の方から、リスク認識に対する差があるということをおっしゃっていて、先ほどの、今JRとしてのリスク管理についての認識をしっかり示してほしくて、その回答を待っているというような説明があったと思うんですけれども。JR東海としてのリスク管理の認識というのは、1回目にそういう話が出たときに、2回目の最初に先ほど記者の方でも言っていたんですけれども、文書を読み上げられて、前回そういう指摘があって、JR東海としては不確実性があるのを認めた上で、掘りながらやっていくというのが一番確実だと思っていて、それがJRとしてのリスク管理だというような認識を示されたように感じたんですけれども、JR東海さんの2回目の会議で読み上げた、社内決定で読み上げられてたんですけど、あの発言というかあの方針では不十分なので、さらに説明を求めていくというようなことでよろしいんですか。

(知事)

 委員の先生方のご判断はそういうことですね。実際上、例えば笛吹川の村で水が枯渇していますね。そうしたときにどうされたんですかというようなことは、やはり利水者の方から声が聞こえてきています。ですから、リスク管理ができていないんじゃないかという意識がありますから、水戻すわけじゃないでしょう。20年間だけか何か適当に処理をして、水は永久に失われたような感じになっていますから。こういうようなことをもたらした背景にあるのは、リスク管理についての考え方でしょう。ですから、それについて徹底的に議論していただくというのは当然のことだと思います。今まで、言ってみれば環境影響評価でこうやりましたと、そして、いわばそれに対して一切議論をしないまま進まれてきたということに対して、もう一度そこについての考え方を洗っているわけです。しかも専門家が洗っているわけです。その専門家が言われていることに対して、専門的にお答えになるのが、専門家に基づいて恐らく環境影響評価、リスク管理についての考え方が出てきているはずですから、そこは専門家が分からないようなことを「やってみなければ分からない」と言うんじゃ、これは議論にならないですね。ですから、そこはちゃんとしてくださいと。根拠を持ってあの質問をされているんだというふうに思っております。

(記者)

 ありがとうございます。すみません、もう1点。今環境アセスの話も出たんですけれど、環境アセスの今有識者委員会やってますけど、2年ほど前にも環境アセスの準備書とかやっている段階で、知事意見とか出す機会とかあったと思うんですけれども、JRさんがこの前読み上げた文章の中で言っていたのが、もしそういうJRの対策についての意見があるのであったら、そういう知事意見のときとかに何で言ってこなかったんだというようなことをおっしゃりたかったと思うんですけれども、その点については、準備書の段階で対策について表明しなかったことを、今こうやって別の有識者会議をつくって言っているということに対して、県としてはどのように考えてらっしゃるか教えてください。

(知事)

 そこでも言っているですよ。それを具体的にもう一つ突っ込んで説明を求めているということですね。水環境に影響がない、利水者に影響がないようにするというふうにしてくださいと。また生態系に影響がないようにしてくださいというようなことが全部書かれているわけです。そうしたことを突っ込んで聞いているわけです。ですから、言ってないわけではありません。そこで書かれていることに基づいて言ってるわけです。だから、今新しく何か要求しているわけではなくて、その手続きの中で深掘りをしているということです。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 先月末に名古屋で開かれました中央日本交流・連携サミット、知事もご出席されたと思います。その席で愛知と長野の方の副知事の方からは、リニアの早期開業に非常に期待感を示されました。知事は水問題は死活問題だということで、これは譲れないということで隣県の方に対して課題の共有ということを求められたと思うんですけど、隣県に対して具体的に、静岡の問題をどのような形で共有していくか、そのへんの考えを聞かせてください。

(知事)

 あのときは、3回発言の機会があったんですね。これは交通のネットワーク等をいかに広域的につくり上げていくかというのがテーマだったわけですが、1回目のときは私が最初で、2回目のときも私が最初で、3回目のときが実は私が一番最後で、その最後のテーマに即したそのときの発言がリニアに関わることだったんです。従って、私の発言に対して反対とか言われたわけではないんですね。リニアはいわゆるスーパーメガリージョンをつくっていくということで、愛知県、長野県、山梨県、皆さんそれぞれ課題を共有してらっしゃるわけです。それ言われたわけですよ。何も反対されたわけではないです。今までのことを繰り返されてるだけでございまして、ですから、すでに4時で終わるところが、もう4時10分になっていまして、そうしたことから言いっ放しで終わったというのが現実です。しかしながら、発言を許されましたので、それを申し上げて、初めてそこで会場にいらっしゃる方が大井川の水問題についてお聞きになったというのが、あの会議の実態です。




幹事社質問(記者質問):リニア問題、静岡市長選

【リニア問題】

(記者)

 2027年の早期開業ということを、ルートが通る沿線の方の自治体さんなんかは求めていると思います。静岡の場合ですと、水問題が解決しないと工事が進めないという立場だと思うんですが、2027年の開業目標というのは、それこそ企業側の立場であって、静岡としては特にそれが何ら制限されるものではないというふうなお考えでしょうか。

(知事)

 そうです。水問題は100年、200年、300年に関わる静岡県の地域の問題ですから、2027年だというのは私たちに相談があって決められたわけではありませんね。ですから、大井川の水に関しましては、これが失われたら永久に戻ってこない可能性もあります。笛吹川のように、あるいは丹那盆地のように、あるいは新東名の道路で、ちょっとした工事で滝が枯れたとかこうしたこともあって、これ戻ってこないわけですね。ですから、それぞれの工事、例えば先ほど申し上げました中部横断自動車道は2019年度に全部開通すると。これは中日本と国交省がお決めになった工事ですけれども、そういうこととこの水問題とは別だと。だから会社の方針が、何かわれわれにとってそれに従わなくてはならないという理由はどこにもありません。われわれはJR東海の社員ではありませんから。

静岡市長選

(記者)

 先般、難波副知事が静岡市長選の出馬を断念することになりましたけど、一方で、静岡市内で清水地区を中心に現市政への不満が大きいことが分かったと知事も副知事も相次いで発言していらっしゃったと思いますが、そういったことを踏まえて、今後、県と静岡市との連携といいますか、どうやって政策を進めていくかとか、今回のことを受けてどんなふうに今後お考えなのかというところ、それと無投票当選の公算も大きくなってきていますけれども、それについてもコメントがあればお願いします。

(知事)

 県と市が協働してやらなくちゃいけないことはたくさんありますね。ですから協働の方向を常に模索するということであります。対峙(たいじ)することによって迷惑を被るのは市民県民ですから、ですからできる限り諸事公明にして万機公論に決すと、オープンにして議論をするというのが市民にとってまた県民にとって一番良いというふうに思います。ですから大きな工事、大きなテーマに関しましてはオープンで議論をすると、そういうオープンで議論できるようなシステムをつくるというのが大事ですね。でないと、勝手に決められると県民も市民も分からないところがございますから、そうしたことがないようにしていくということが一番の基礎じゃないかと。ですから広く会議を県市の間で興して、万機、全てのことにつきまして公論、公の議論で決していくと、こうしたスタンスで臨みたいと思っております。

(記者)

 そうすると今は施策がオープンでないと、勝手に決められているというところが大きいというふうにお考えなのでしょうか。

(知事)

 そうですね、例えばリニアのトンネルの問題も、県が相当汗をかきましたね。そしてJR東海さん初めて反応されまして、言ってみれば分断工作と言った人もいらっしゃいますけども、そこで一番簡単に引っ掛かるところに持っていかれて、本当は閑蔵線の方も一緒に交渉ができるはずだったところが、突然ああいう形で表明されたというのは、それは難波君怒りますわね。だから抗議の手紙を市長さんに出されました。ですから、そういうのは県、市、また市町も静岡市だけではなくて、島田からその他、菊川に至るまでですね、大井川の水に依存している人が多いので、できる限り一緒に利水者も地域にいらっしゃる方も一緒にやっていこうということ、それは皆正しいと思ってるわけです。だから、そういうようなことはもうないようにしましょうということですね。これは水資源が基本だというふうに思っているわけです。あれだけの実務家がですね、激怒するようなことがないようにしなくてはいけないと、ぜひそのへんのところは、これからの静岡市の、他の市町の意見でもありますから、勝手に行動して、結果的に溝を深めるようなことは、これはもう反省していただきたいと強く思っています。

(記者)

 もう一点、現職の無投票当選の公算が大きくなってきていることについてはいかがでしょうか。

(知事)

 これは市民がお決めになることですからね、まだ1カ月余りありますから、何が起こるかわからないというふうに思っております。

(記者)

 さきほど、大きなテーマではオープンに議論するシステムをということをおっしゃっていましたけども、具体的に県の方から提案することはあるんでしょうか。

(知事)

 ありますね。例えば清水港について、今、公民連携協議会というのをやりましたね。ああいう形が一番良いと思います。つまり県も市も入る、民間も入る、地域の人たちも入る、そこで決めていくということですね。桜ヶ丘病院については県は蚊帳の外、静岡のうち一部の清水の方たちは、結果的には蚊帳の外に置かれたと、一方的ですからね。だからものすごい不満というか怒りが今ありますね。そうしたことについては、やはり反省をしなくてはいけないんじゃないかと私は思っておりまして、どちらにも原因があるので、できる限りいろんな人が関与して、福沢諭吉の言葉でいえば多事総論ですね、いろんな事柄について議論を重ねると。それが必要であると。勝手に決めないというのが民主主義の基本ではないかというふうに思います。

 衆議をちゃんと拾って決めないといけないということだと。公務員八箇条というのがありますね、そのうち八箇条のうち少なくとも二つくらいは守ってもらわないと、身に私を構えない、二つ目、うそ・偽りを言わない、これはすごく大切なことだと思っております。




記者質問:細野豪志氏の二階派入り、静岡市長選

【細野豪志氏の二階派入り】

(記者)

 国会議員の細野豪志氏が自民党の二階派入りをしまして、地元からは賛否いろいろ意見が上がっておりますが、知事として受け止めをお伺いしたいんですが。

(知事)

 一番この問題について自覚されているのが細野議員ご自身ではないかというふうに思います。一般論として言えば、政党政治というのが今の主流ですよね、日本にとって。これはイギリスで始まったんじゃないでしょうか、コンサバティブとラディカルとの間で。今もう向こうは政党政治も党員がほとんど少なくなっていまして、かつての10分の1、場合によっては数十分の1になっているのではないでしょうかね。ですから必ずしもその党が国民を代表しているとは限らないということもありますね。ですから私は、だんだんだんだん個人というものに人々の批判といいますか、見る目がいっていると、しかし実際上は選挙になると組織を持っている人が組織の論理で動くということがあります。このへんのところ、いわゆる無党派層というものが半分以上を占めるという時代になっていますからね。そうした中で、政治家の方たちが町民や市民や県民、あるいは国民のために何ができるかという観点に立ったときにですね、いろんな判断があるんじゃないかというふうに思っておりまして、寄らば大樹の陰のような形で、どこかの大きな政党に属して、そしてそこのいわば組織票でやっていくという、そういうスタンスも実は問われているんじゃないかというふうに思います。細野さんご自身に関しては、もうこれはいろいろ修羅場をくぐってこられて、若いときからですね。そして大きな責任を持たされる要職にも就かれたこともありますから、巷いろんなご批評が出てますでしょうけども、それは自分が自分に対して問うてらっしゃることではないかと、そうした中でご決断されていることだというふうに思います。非常に難しい決断をなさっているなと思います。

(記者)

 中部横断自動車道についてお聞きしたいんですけども、今回二つの区間での開通ということになりますけれども、さらに全線も開通ということになると本当に時間が短縮ということになると思うんですけど、この開通によって一番知事が期待されることはなんですか。

(知事)

 山梨県との関係が一段と深くなるということですね。これから中部横断自動車道は長野から新潟まで抜けていきます。差し当たっては佐久辺りまで結びつくので、また中央道連絡しておりますから信州との連絡が非常に深くなると。従って、山梨県の東京と横浜と結び付いていたという、また東京の一部と関東圏の一部という認識が強かったと思いますけども、中部横断自動車道によって横浜港とか東京港に持っていけば、1日1往復しか貨物でもできませんけども、2往復が可能になりますね。そうしたことで人流、物流の頻度、密度が深くなり、ふじのくにの表玄関とふじのくにの奥座敷という山梨県との関係が一段と深まるであろうと、さらに長野県、新潟県とは中央日本サミットというのがすでに5年くらい開いているわけです。いわば山の日本ですね、フォッサマグナ山岳連合といったことを知事の間で語られていますけども、こうした連携が山によって隔てられていたものが実は山が結びつけるという、いわば山の州のようなものも構想できる、そのインフラになると。

 ちょうど九州が七つの県がありますけど、九州は一つにしようですが、結果的には九州は一つ一つだったわけですね。新幹線が鹿児島から博多まで、さらに九州の自動車が博多まで続きまして、本当に九州は一つになりましたね。交通インフラがつくりあげるコミュニティの広がりというものはですね、歴史的にもはっきりしています。そういう意味で、中部横断自動車道というのは日本の一番胴体の太いところここに連携を促すものとして、差し当たってはまずは静岡県と山梨県ここが連携できると、特に経済的には清水港から本県には必ずしも十分な産出量がない桃とかあるいはブドウですね、清水港から東南アジアの方に輸出できると、あるいは長野県のリンゴを輸出できるということになったり、それからその反対に海外から来るものが長野は山梨まで流通することができると経済的な結びつき、それから観光における結びつき、それから行政的な一体化みたいなものを構想できて道州制も視野に入ってくると、私は関東平野が平野ですから平野の州だと、中部地域は山岳地域ですから、山の州といえば良いんじゃないかと、そうしたものの動きが山岳連携といいますか、先ほど言いましたフォッサマグナ山岳連合にみたいな、そういうことに出てきているなという感じですね。そうすると、州都をどこにするのかということもそのうち出てくんじゃないですか。

静岡市長選

(記者)

 話は静岡市長選に戻ってしまうんですが、昨日知事は現在の市政に不満を抱いている人が多いと分かったとおっしゃってました。しかし、今のところ最終的に立候補を予定しているのは現職お一人です。なぜ立候補者が出ないのか出てきにくいのか、どんなところに要因があるとお考えですか。

(知事)

 良い質問ですね。みんなで考えましょう、それくらい重要な問題です。批判がある、不満がある、それを形にすることができないということは非常に不健全ですから、そうしたことがないようにしなくちゃいけないのにその突破口が見出せないという現状はですね、不健全なのであると、しかも昔のように武力で相手をやっつけるというのではなくて言論で政策を戦わせるわけですから、その政策に対して不満があるという人がいることが分かっているにもかかわらず、それを受けて立つという人がいないというのは、市民の方も感じられているところがあるかと存じますけども、やはり静岡市のためにも、静岡県のためにも、誰にも被選挙権、選挙権がありますので、そうした原点に立ち戻って、選挙を通して皆が自分の公金がどう使われるのかということ、つまり政策をですね、聞く機会を持つ方が良いというふうに強く思っております。

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