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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2017年11月30日(木)

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知事記者会見

2017年11月30日(木)


知事発表:浙江省訪問の成果について
知事発表:浙江省訪問の成果について、本県防災用品の台湾への販路拡大について、「ジャポニスム2018」へのSPACの参加
幹事社質問:リニア中央新幹線計画
記者質問:リニア中央新幹線計画
記者質問:リニア中央新幹線計画
記者質問:リニア中央新幹線計画
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記者質問:清水LNGについて、日馬富士の引退について

知事発表:浙江省訪問の成果について

(知事)

 はい。どうもよろしくお願いします。今日の花は、ガーベラ、これはカーネーション、スターチスですね。三つの花を今日の花として用意しました。

 さて、発表項目は3点ございます。

 まず最初ですけれども、浙江省訪問の成果についてであります。

 今月12日の日曜日から15日の水曜日までを中心に、中国浙江省との友好提携35周年を記念し、私を団長とし、県、県議会、市町や民間団体の皆さまから構成される静岡県民465人が浙江省を訪問し、現地進出企業等を含めると、総勢509人が参加いたしました。

 11月12日日曜日に袁家軍(えんかぐん)省長と、13日月曜日には車俊(しゃしゅん)書記とそれぞれ初会談を行いました。車書記や袁省長からは、静岡県との長期的かつ安定的な関係を非常に大切にしており、今回の訪問は、相互理解をさらに深め、友情を深める絶好のチャンスである。両省県の関係をさらに発展させることを誓う、というお話がございました。

 私からは、スポーツ、健康・医療、文化等の交流をこれまで以上に深めることを通して、新しい時代に向けた出発の年にしたい、新しい未来を切り開いていきたいとお伝え申し上げました。浙江省の寧波(にんぽー)、舟山(しゅうざん)と清水港とは結ばれております。こうした交流を通じて、中国の一帯一路の構想の中でご一緒に相互発展できるようにしてまいりたいとも述べました。これは、その2日前に、ASEANで安倍総理が「一帯一路についてコミットする」という旨の発言を受けてのものでございます。

 また、夏宝龍(かほうりゅう)前書記、前の省長でいらした方でもありますが、省長と書記をお務めになられた方が、わざわざ雲南省から私に会うためにお戻りになられまして、再会を喜びました。両県省間の交流に係る在任中の多大なご尽力に対しまして、直接、感謝の気持ちをお伝えすることができました。

 記念式典、交流会、両方に書記と省長が出席されるというのは、そうないことだそうでございますが、ともあれ、式典にも交流会にも書記、省長がご出席なさいました。11月13日月曜日、浙江省人民大会堂で開催された記念式典には、浙江省の車書記、袁省長、杉山県議会議長、片山在上海日本国総領事など、両県省の各界から合わせて約910人が参加しまして、その後の交流会に約680人が参加しました。記念式典では、車書記から、両県省が友好提携をして以来、多分野にわたって交流を行ってきており、地域間交流のモデルと言われるまでになったことが紹介されるとともに、相互理解と友好の更なる促進、互恵協力の拡大、青少年交流と次代育成の三つのご提言がありました。それを受けて私は挨拶に立ちまして、車書記の三つの提言をご支持申し上げるとともに、君子の交わりということでですね、末永く続けてまいりたいと応じました。清水港や富士山静岡空港を中心とした浙江省との人流、物流をさらに深めていきたいという旨の挨拶をいたしました。

 また、私と袁省長が「静岡県と浙江省の交流深化に関する共同宣言」に署名をいたしまして、さらなる交流の深化を目指すとともに、一層強固な関係を構築していくことを相互に確認した次第であります。その後、県議会、市町、関係団体、企業及び県民による長年の交流への感謝として、車書記から県の代表として「浙江省名誉省民」の称号を授与されました。静岡県民を代表して受け取るという形になりました。今年9月には、中国商務部国際貿易経済合作研究院から特任顧問を委嘱されたこともございまして、中国との関係が急速に、また確実に裾野を広げているということを実感しております。今後、浙江省を含めた中国全土との交流を一層推進してまいります。浙江省の名誉省民として、県ではちょうど交流10周年の時に、当時の知事でいらした斉藤知事さん、また当時の静岡新聞の社長さんの大石さんなどが受けられて、ですから1992年以来ということで25年ぶりということでございます。それから、中国商務部研究院の特任顧問は日本人としては初めてだそうであります。

 その他、浙江省の技術研修員代表や浙江省へ進出している県内企業の代表からもご挨拶がありました。また、アトラクションとして、省内の学生たちによる舞踊や太鼓演奏が披露され、式典を華やかに彩ってくださったわけであります。中でも、浙江省の小学生が「富士山」を誠に見事に日本語でお歌いになって、しかも浙江省の歌と上手に交えて歌われたので、われわれ、心から感動いたした次第でございます。

 会場ロビーでは両県省の茶道団体による呈茶も行われました。アトラクションの司会を、何と中国人の絶世の美女と思ったら、何と県内出身の中国語研修生であるということが、後に紹介されまして、35周年を祝うにふさわしい、盛大な記念式典となりました。思い出深いものとなった次第であります。記念式典後には交流会が開催されました。両県省の各界の参加者が旧交を温めた次第であります。袁省長は「35周年をスタートラインとし、さらなる成果のある交流と協力を展開し、両省県の新しい交流のページを開きましょう。」と力強くご挨拶されました。また、杉山県議会議長からは「県省行事への参加等による機運醸成をさらに発展させることにより、両者の交流をますます深めていきたいと願う。」というご挨拶をいただいた次第であります。

 視察に関しましては、昨年の9月、G20の会場になったのが杭州国際博覧中心、ネットワークカメラの世界トップであるハイクビジョン、中国トップレベルでの設備を誇る浙江音楽学院などを視察いたしまして、浙江省の社会、経済、文化、歴史などに対する理解を深めました。浙江省は、西湖、あるいは五山のうち三山がそこにございますけれども、そうしたものをよくいろんな方に言ってきたんですが、そこに京杭大運河というのがあるんですね。北京と杭州を結ぶ2000キロ近い運河がありまして、これは隋の煬帝がまだ北京が都でなかった頃に、洛陽の方に引いたということで、われわれはこれを600年くらいの話だと、それから造られたんだと思っていたんです。実際は違うんですね。それよりさらにBC三百数十年前、春秋時代に掘られて、そこから始まったということで、中国の土木事業のすごさというものを改めて感じ入りました。そして今や、京杭大運河は今も物流の運河として活用されております。同時に観光の運河としても活用されておりまして、われわれ、30分ばかり見学したのでありますが、誠に「水の都」と言っていいほど素晴らしい水のネットワークというものが杭州中心にあるということを知りました。また杭州から寧波までも、実は運河がございまして、そういう意味におきまして、西湖、銭塘江、運河、港としての寧波と、誠に「水の都」としてふさわしいと。ベニスが水の都と言われますけれども、ベニスはそもそも世界史に登場するのは12世紀くらいからですから、それよりも千年以上前にこうしたものが造られていたというのは驚嘆するべきことでありまして、ぜひ浙江省に訪れられる方は、西湖とともに京杭大運河を満喫されるとよろしいと、特に高校生にそういう経験をしてほしいなと強く思った次第であります。




知事発表:浙江省訪問の成果について、本県防災用品の台湾への販路拡大について、「ジャポニスム2018」へのSPACの参加

(知事)

【浙江省訪問の成果について】

 さて、また、ふじのくに食の都仕事人等による「和の食試食会」、県議会と省人民代表大会との交流の他、日中青年代表交流、防災、美術、医療、お茶等の交流も行われました。特に、食の都の仕事人の出汁の作りかたなどについては、向こうの方たちは本当に驚かれたみたいですね。こうしたそれぞれの新しい発見があったというのは、後でいろいろな形で報告していただきました。

 市町同士の交流としては、浜松市、富士宮市、富士市、三島市、小山町がそれぞれの提携先との交流を推進なさいました。民間団体の交流としては、伝統工芸品展示会の開催の他、県日中友好協議会、県日中友好協会、裏千家淡交会、県書道連盟等による交流が実施されました。そのうち、私は書道連盟の交流の一端に参加をいたしました。

 まとめるというのもなかなか難しいですけれども、今回の県代表団の訪問によりまして、浙江省の新しい指導者である車書記や袁省長との面談、記念式典、交流会などを通じ、これまでの交流を振り返るとともに、未来志向の関係を構築することができたと存じます。また、県、市町、民間団体がそれぞれの交流を推進することで、各分野における相互理解をさらに促進し、一層強固な両県省関係が構築できたと存じます。年間を通じた友好提携35周年記念事業により、相互往来が促進され、通商、青少年、環境、文化・観光、議会、市町など、各分野の交流が促進されることになりました。今後35年間で培った交流に加えまして、新しい交流分野として食、健康・長寿、スポーツをはじめとした幅広い分野におきまして、浙江省との相互交流人口の拡大や通商の促進を図ってまいりたいと存じます。

【本県防災用品の台湾への販路拡大について】

 続きまして、本県の防災用品の台湾への販路拡大についてであります。

 静岡県防災用品普及促進協議会におきましては、台湾防災産業協会と平成26年9月に「産業協力に関する覚書」を取り交わしております。本年10月には台湾で初めて商談会が開催されることになりました。この商談件数は40件ございました。防災用品の販路拡大に取り組んでいるところであります。こうした取り組みの成果として、今回初めて、県の防災協定締結先である基隆(キールン)市消防局との間で、長期保存食260セットおよび組立式災害用トイレ8個、本県の台湾駐在員事務所の仲介によりまして、台北日本人学校との間で使い捨て災害用トイレ2000個の商談が成立いたしました。

 12月に、台湾から五つの防災関係企業および団体のキーパーソンを静岡県へ招聘(しょうへい)申し上げ、商談を行います。その他、県の防災関連施設のご視察をしていただき、自主防災訓練の参加体験などの実施を予定しているところであります。県としましては、引き続き日本貿易振興機構(JETRO)と連携し、協議会が行う台湾での防災用品の販路開拓を支援してまいりたいと存じます。

【「ジャポニスム2018」へのSPACの参加】

 三つ目の発表項目でございますが、「ジャポニスム2018」へのSPAC、静岡県舞台芸術センターの参加についてであります。

 去る22日、2018年にフランスで開催される「ジャポニスム2018」の公式企画として、本県が世界に誇るSPACが、演劇『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』を上演することが正式に発表されました。

 「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、日仏友好160周年に当たる2018年に、日本とフランスの両国が連携し、芸術の都フランス・パリを中心に“世界にまだ知られていない日本文化の魅力”を紹介する大規模な複合型文化芸術イベントでございます。パリ市内を中心に20を超える会場で、展覧会、舞台公演、映像、生活文化他の四つのカテゴリー、50を超えるさまざまな文化芸術が約8カ月にわたって紹介されます。

 SPACは今年の7月、フランス南部のアヴィニョンで開催されました世界最高峰の演劇祭「アヴィニョン演劇祭」におきまして、アジアの劇団で初めてオープニングを飾るなど、世界に向けて、SHIZUOKAブランドを発信しています。『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』は、2014年、今から3年前に「アヴィニョン演劇祭」で公式プログラムとして上演された演目であります。最近は、歌舞伎でも演目となりました。アヴィニョンで開かれたときは、客席の360度を取り囲むリング状の舞台、重厚な語りと動き、俳優の生演奏による、壮大で華麗な舞台は、満員の観客から総立ち、スタンディングオベーションでたたえられたのは、記憶に新しいところであります。現地のマスコミの劇評論でも高い評価が得られました。

 「ジャポニスム2018」では、2018年11月20日から25日まで、パリ市内ラ・ヴィレット公園のホールにおいて、全6公演が予定されております。「ジャポニスム2018」公式企画への参加を通じ、本県の「世界クラスの資源・人材群」の一つであるSPACへの評価がさらに高まることを期待いたしております。静岡県の魅力がさらに高まることを期待するものであります。

 私からの発表項目は以上であります。




幹事社質問:リニア中央新幹線計画

(幹事社)

 では、発表項目についての質問などはございますでしょうか。特にないということですので、幹事社の方からの質問をさせていただきます。

 今日の質問は1問だけとなっておりまして、リニアの中央新幹線の計画についてです。JR東海は今月24日の会見で、大井川を流れる水の減少分を全て川に戻すという従来の考え方を強調し、年内に流量減少対策を、流域の自治体に説明する方針を示しました。静岡県は、17日JR東海の柘植社長の発言に対し、難波副知事が行かれまして抗議をしているというふうに思いますけれども、その後、JR側からの回答や説明はありましたでしょうか。

 また、ないとしたら、こうしたJR側の説明を聞いての受け止めをお聞かせください。

(知事)

 はい。難波副知事がJR東海を訪問いたしまして申し入れを行ったのは、柘植社長が「全量が何かはっきりしない中で、全量を戻すという約束はなじまない」という主張をされたことによって、申し入れたものでありまして、柘植社長の発言は、大井川流域減少問題への認識の低さを表していると。同社の信用を失墜させる問題発言であるということによって、申し入れが行われたわけです。

 利水者および県がJR東海に求めているのは、トンネル湧水の全量を恒久的かつ確実に大井川に戻すことであります。本年4月3日付け知事意見書に明記した通り、本県境界内で発生するトンネル湧水は、貴重な水資源の賦存量の一部でございますので、トンネル湧水の全量を大井川に戻すことは、当然の利であります。県としましては、これまで長い時間と労力をかけて、JR東海と下流の利水者との協定締結に向けた調整を行ってきました。しかし、社長自らが全量の定義が分からないという認識であれば、協定は白紙撤回もやむをえないという、そういう姿勢でJR東海の柘植社長への認識を問うたということであります。その結果、11月の24日の記者会見で、利水者や県が主張している全量が、トンネル湧水の全量であるということを、初めてご理解されたということが分かりました。その認識については確認できたと考えております。

 しかし、中下流域での河川流量の減った分を計測し、その分を全て戻すことで影響が出ないように取り組むと、これまでの主張を繰り返されておりますが、従って、まだ全量について明確な判断は持ってらっしゃらないのではないかと思います。河川流量というのは、もちろん天候、あるいは自然条件などで日々変わるものですから、われわれが協定を締結するに当たりまして求めたのは、トンネル工事で流量が減少する、その全量を戻すべきであると、トンネル内の湧水全量を流域に戻すこと。当たり前のことを言っているわけで。それをですね、協定も結ばないで半年以上放置してきたという不誠実を厳しく批判しているわけでございます。

 利水者への説明を概ね終えたと述べられていますが、到底納得が得られているとは思いません。例えば、つい先頃、中部電力社長、勝野社長がこの水質への影響また流量への影響などについて、疑念を表明されました。これも一つで、従って利水者への説明が終えたなどというふうに述べられているのは、全く認識の不足というものを示していると思います。

 さらに言えば、そもそも平成26年の6月に南アルプスが、エコパークに認定されたわけであります。従ってそうしたところに傷を付けると、そこを環境破壊するということ自体がしっかり捉えられていないのではないか、そのことの問題性が、自覚が不足しているのではないかと思っております。もちろん、一番大切なのは大井川の水は単なる川の水ではないということでありまして、去る11月の10日だったでしょうか、国営の大井川用水農業水利事業というものが、20年近い、丸19年の年月をかけて完成いたしました。これは、もう江戸時代以来というか、大井川が水を活用するようになってからの歴史以来ですね、戦前戦後と続きまして、一番最新式の工事、600億円近く掛かっているんですね。この工事が完成した。それは、いかに大井川の水が重要であるかということでですね、そこに関係している静岡県下の四つ、五つの土地改良区の皆さま方、これは一生懸けて願ってこられたことが、ようやくできたもので、こうした形で何十万という人たちが生業を営まれております。そういう水なんですね。

 ですから、そもそも利水者への理解というものが、いかに大切かということについてですね、ただ10キロ走るからそこでのトンネルを掘らしてくれと。掘るのはいいにしても、流量が減少するから、それは毎秒2トンあるだろうと。それはそれなりに対処するとおっしゃったのが、川の流量が減った分を戻すことだと思ってるとかですね、その流量もなかなか全量と言ったって分からないとかですね、おっしゃっているわけですから。基本的に、認識が不足しているというふうに思います。ですから、この自然破壊に対しましての認識の不足、利水者に対する理解の不足、そして説明不足というものもございまして、回答が一応出されたということではありますが、ようやく湧水全量が全量の意味だということが分かったということでありますけれども、その程度であったかという考えを持ちました。以上です。

(幹事社)

 確認ですけれども、JR側からは県に直接回答があったということですか。

(知事)

 いいえ、記者会見で24日になさったということ。恐らくこちらの申し入れ、難波副知事からの申し入れに対する回答として、記者会見で表明されたものだというふうに受け止めております。

(幹事社)

 この件に関連した質問、各社さんいかがでしょうか。




記者質問:リニア中央新幹線計画

(記者)

 関連して、そうすると11月24日のJR側の記者会見でですね、柘植社長が大井川の水の減った分を全て戻すと、つまり2トン減ったら2トン戻すという意味合いのコメントをしていると思いますけれども、それは知事の求めている全量ということとは、やはり違うものということなんでしょうか。

(知事)

 協定の真ん中に、トンネル工事で出る湧水は全量戻すというように、ずっと前からうたっているわけですね。だから大井川で流量が減ったと、それを戻すと。流量は毎日違います。季節ごとに違います。そして、気候によって違いますね。天候、雨が降ったときとか、渇水のときだとか、違いますので。そうしたことではないんですね。

 自分たちがする工事の倫理的な責任というものをですね、明確にすると。それはトンネル工事で流量が減るということは当たり前です。これは沢も枯れるでしょう。しかも下流域だけについて流量を戻すとおっしゃっていますけれども、上流域だって沢枯れますよ。ですから、こういう工事そのものについてですね、これほどの認識不足で工事をしているのかというふうに思っています。

 今のご質問につきましては、彼の全量というのが、今までこれほどの大きな工事についてですね、トップが認識を持っていなかったということを明かしたというふうに受け止めております。

(記者)

 以前に知事が会見の場で、そもそも流量全体を戻すことを約束すること自体も、なかなか無謀なことというふうにもおっしゃっているんですけれども、その範囲は具体的に言いますとどういうことなのか、額面通り捉えちゃうと無謀な約束をJR側に迫っているということなんでしょうか。

 そこはどうでしょう。

(知事)

 いや、無謀な工事であるということなんですね。工事自体が無謀であるということであります。

(記者)

 そうすると、トンネルの湧水全量を下流域からではなく、上流からちゃんと戻すべきだと、具体的に言うとそういうことなんでしょうか。

(知事)

 具体的に言うと、トンネルの工事で出る湧水、これは川に流れないわけですから戻すと、それに尽きますね。それをこちらから言われて初めて分かったということじゃないですか。そもそも、そういう認識でですね、工事をやっていたということで、しかも約束もしなかったと、半年以上ですよ。4月末まで待ったわけです。なおかつ延ばしてきたということで、私は10月の会見でですね、もうこういう工事をすること自体が無謀だと。約束しているではないかと、ちゃんと戻すと。そういう中身のない約束をすること自体もおかしなことだというふうに思いましたし、今回、まだ流量が、つまり川の流量を減った分を戻すというふうな認識をまだお持ちのようでですね、それは違うでしょうと、自分たちが工事をして自然を痛める。流量が減る、生態系を痛める。そのことについて、そういう工事をするということの無謀さを、そして、そのことについての認識の甘さがあるという中で工事をすることの無謀さを、従って、難波副知事が申し入れたときにはですね、文字通りこれは白紙撤回に値すると、そういうつもりで申し上げたわけです。

 とりあえず、ようやくトップが、このトンネル工事で出てくる湧水は全量戻しますよというふうに言ったと。「何年かけたのかと、今まで」というふうにすら思いますね。

 まったく、何という会社かと、何という自然に対する冒瀆(ぼうとく)かと、南アルプスを何と心得るかと。南アルプスは大井川の水源です。水源にいかに多くの人々が、子々孫々ですね、これからまだ依存していかなくてはいけない。しかも今回、11月の初めに20年ほど掛けてようやく大井川の水をですね、市域でも大井川に接している所以外にも、農業用水として、それで7450ヘクタールぐらいものすごい農地がですね、これによって潤されているのですよ。そこが干上がったらどうするんですかということを考えたことがありますかと。

 恐らく農水省もですね、この認識を知って驚いたと思いますし、中部電力もですね、改めて「こんな認識か」ということで、うちの水量はどうなるんだと、水質はどうなるんだと、泥が入ってきたらどうなるんだと、発電にいろいろと支障をきたすだろうというようなことでですね、勝野社長が自らああいう発言をされたということは、JR東海の、静岡工区における認識の甘さに対する警鐘であるというふうに存じますし、私はこれは、認識を持たれたことは遅まきながらいいとしてもですね、その程度であったかという考えを改めて持った次第であります。

(記者)

 すみません、もう1問お伺いしたいんですけれども、そうしますと、そういった状況の中で、今推定で毎秒2トン流量が減るんじゃないかという検証の下で、なるべくその2トンに近い状況に戻すということで、導水路の工事の発注をしたという、まあ一方でそういう動きをJR側も見せていますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。

(知事)

 よくもまあそこまでやったなという感じですね。地元の理解、利水者の理解、流量に対しての見識の不足、そうした中で工事は発注すると。工事なんてできっこないというふうに私は思っておりますがね。

 この発注をしたのは勇み足だったと思っています。

(記者)

 分かりました。




記者質問:リニア中央新幹線計画

(記者)

 同じくリニアについてなんですけれども、先ほど白紙撤回もありうる中で、今回一定程度の全量への文言が返ってきたということで、今後は協定案についてはどのように進めていく予定なのか。

(知事)

 今回、ようやくトンネル工事で出てくる湧水を戻すと、それが湧水全部を戻すという当たり前のことについての認識を持たれたということは評価します。そんなことはいろはだと思いますね。自分たちが傷をつけたものはちゃんと元通り直しますよというのは当たり前のことです。

 しかし、よく考えてみればですね、何のためにそれをするのかと、静岡県にとって何のメリットがありますか。水が減ることは間違いないと、できるだけその減った部分は返そうと思っていますと、できるだけというのは、これは客観的ではありません。要するに、何のメリットもないわけですね。この工事自体が。そもそもリニアが静岡県を通るということも、天から降ってきた話です。

 ここを通すことについて、その前にですね、静岡県に話があったわけではありません。私自身はリニア新幹線の関係する委員会がございます。長野県に住んでおりましたので、長野県の学術委員会代表の、たった1人なんですけれども、出て行ったわけですが、各県から1人委員出ているんですよ。静岡県から誰も出てこなかったし、静岡県を通るなどということはですね、平成23年の3月だったでしょうか、あのときに突然、その案が決まりましてですね、それで初めて知ったということなんですね。当然そこを通るということになれば、前もって相談もあるべきであります。なかったんですよ。

 私は、言ってみれば長野県側の当事者の1人として、それを知っています。ただですね、私自身の認識不足もありまして、これは前の記者会見でも申しましたけれども、リニアが通れば、既存の新幹線の活用方法が変わりますね。いわば二つルートができるわけですから。その結果、既存の新幹線において、ひかりとこだまの本数が増えると、さらにまた報告書にはですね、実質空港の下に駅を造るということもうたわれているんですね。ですから、これは静岡県にメリットがあると思ったわけですが、そのときに私自身の認識不足は、水の問題についてですね、全く認識していなかったということです。

 改めまして、気が付けば済むことなのですが、気が付いて、早川町に大井川の上流で水がかなりの分発電のために流れ、人工的に流量が変えられているんですね。それを元に戻せないかどうか、現場を見に行きました。それは難しいということも分かりました。早川町の町長さんともお話をいたしました。そうした中でですね、一方こういう利水に関わる関係者がいかに多いかということも知ってですね、それからまたエコパークにも認定されたということが分かってですね、実は最大の問題は、既存の新幹線の活用で静岡県にもメリットがあるということにも増して、そんなことはもう第二、第三のことでですね、一番肝心の水というものが、水源地が場合によっては一部枯れると、そして影響がかなりのところに出てくるということでですね、これはもう捨て置けないということであります。その認識は恐らく、柘植社長あたりはですね、あまり厳しく捉えられていなかったんじゃないでしょうか。私ですらそうでしたから。

 ましてもっといろいろ考えてらっしゃる、静岡県だけじゃなくで、他の地域のことも考えてらっしゃる方にとっては、10キロだけ掘るだけだったぐらいのつもりだったんじゃないかと思いますね。だけど、われわれにとってはこれは死活問題なんです。メリットなしということです。デメリットだけだと、静岡県370万、天下の大井川、傷つけてですね、何が公共事業かというふうに思っています。

(記者)

 リニアの関係で11月24日のJRの会見においては、社長がおっしゃったのは、県が求めているのはトンネル内の湧水の全量であるということを分かっているということをJR東海がおっしゃったのであって、トンネル内の湧水全部を戻すということはJR東海はまだ約束していない状況だと思うのですけれども、今JR東海が言っているのは、減った分の全量を戻すという従来の主張のままだと思うのですけれども、この状況で、県として利水者側とJR東海の間に立って協定の交渉を前進させるってことは、今の段階で可能だと考えてらっしゃるのか、無理だと考えてらっしゃるのか、いかがでしょうか。

(知事)

 記者さんが今言われたとおりですよ、現状は。全量というのはトンネル工事でできる湧水全部だということは分かってると。だけど一方で減った分だけ戻しますよと言ってる。だからこれ乖離しているんですね。そんなところでですね、協定を結ぶために県が調停をするということはあり得ないです。

 あなたもそう思ってらっしゃるでしょ。ご質問が実際そういうご質問ですよね。いかにひどいかということですね。相手の姿勢が。白紙撤回に近いところにまで、まだ私たちは立場を持って、本当にこの工事これでいいのかというふうに思っております。

 大井川はですね、実は非リプレイサブルなんですよ、取り替えが利かないんですね。ところがですね、リニアはルートでもう公案が出されてですね、いろいろとものすごい議論がありました。だから実は代替があるんですね。代替案というのが。

 だけどこちらはないんですよ。水が失われると、これによって失われる産業、あるいは場合によっては生活、あるいは町、村、農場などがあるんですね。あるいは小水力発電もあります。こうしたものが全部台無しになるということでございまして、そういうことになればですね、代替案があるルートと、全く代替が効かない大井川という自然の賜物と、どちらが大事ですかと。このかけがえのないものは、きっちり守らなければならないという、そういう考えでおります。

(記者)

 今のお話ですと、現状ですと、静岡を通らないでいただいて結構だと、そういうような思いでいらっしゃるということかと。

(知事)

 そこまで言うとね、せっかく長い議論されてお決めになったことですから、ですからもう一度頭冷やして考えていただきたいと。工事をする前にやることもあるでしょう。関東平野を掘る、あるいは名古屋から伊奈の方にまで掘っていくという、いくらでもやることはあるわけです。

 難工事から始めると、しかも、それを人の迷惑も考えないでやるというような状況ですから、できることから先にやったらどうでしょう。私は別にリニア新幹線に反対しているわけではありません。そもそもその促進論者の1人でありましたし。しかし、この問題とそれとは違うと、リニアに反対しているわけではありません。大井川の流量が減るということについての認識に甘さに対して、厳しく指弾しているということであります。




記者質問:リニア中央新幹線計画

(記者)

 すみません、続けて質問なんですけれども、JR東海側としては、もう知事が10月10日の会見でおっしゃったときに、基本協定の締結は最終の詰めの段階だったというような認識だったようなんです、JR東海の方としては。でも依然として県のいう全量と、JRの言う全量は異なったまま現状に至っているわけですけれども、知事としては、基本協定ですらも認識が違ったままですと結び難いという思いでいらっしゃるのですか。

(知事)

 それはそうです。共通の認識を持たないで協定などできません。

(記者)

 考え方によっては、基本協定の後に本協定という段取りだと思うんですけれども、本協定で県のいう全量を認めればよいというような考えもあるかとは思うんですけれども、知事は基本協定から同じ認識の全量というのを約束しなければ、難しいという考え。

(記者)

 そうですね。そもそも工事をするということ自体が、静岡県に対してデメリットをもたらすものだけで、本協定といえ、基本協定といえですね、結果的に協定を結べばメリットが増しますか。メリットが出てきますか。一つもありません。

 そんなこと、協定をする前から、基本方針としてJR東海が言うべきほどのものですよ。こちらが申請をして、流量が減った分は戻してくださいと申請をする性質のものではありません。要請をするような性質のものではありません。戻してやると言われるような形でですね、そういう上から目線でJR東海がですね、こちらに戻してやるから安心して工事させろと、そんなような筋のものではないということで、一番の倫理の基本です。

 しかも、さらに言えば人間の権利の問題もありますが、川の権利、自然の権利、環境権というものもいえばですね、環境が持っている権利というのは、今国際社会でも認識されつつありますけども、こうしたものに対しての冒瀆(ぼうとく)であるということも含めていいますと、そもそも協定、本協定という名の背景にあるJR東海の姿勢と、哲学というものはなっていないと思っております。この南アルプスのトンネルに関してはですね。

(記者)

 もう1問だけいいでしょうか。10月10日の会見で、知事はJR東海に誠意を示すことが大事であるというご発言をされたんですけれども、そこから1カ月ぐらい、1カ月以上経過していますけれども、あの誠意というのはどういう意味なのかというのが、聞いた人によっていろいろな捉え方があって、一番私が聞く中で多いのが、新幹線の空港新駅の話を言っているのではないかと、誠意のことの意味は。というような見方をする人がかなり多いんですけれども、私はそんな単純なものではないんじゃないかなというふうには思っているのですけれども、知事の中で、あそこでおっしゃった誠意というのはどういうイメージのものなのかというのを、もう少し分かりやすく教えていただけないでしょうか。

(知事)

 JR東海が、いわば準公共機関ですよね。そうしたところが、今回の工事について、既に4月の末までに要請していたわけです、締結をね。その後、ずっとなしのつぶてだったでしょ。まあ1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月と待っていたわけですね。そうした中で、社長の発言があったわけです。私のこの誠意がないという、これが協定に関わるJR東海に対する私の判断ですよ。

 そうして出てきたのが、全量についてはよく分からんと、しかしなるほど、今彼らが、つまり私たちの言っていることが分かったと、トンネル工事の湧水全てだということがわかったと。その分かって、じゃあどうするんですかと、減った分は返しますと、言っているわけでしょ。トンネル湧水全て戻すといわない。ですからもう、この辺りで駄目だなと、この会社のトップが。そうなるともう、協定が結べるような状況ではないなというふうに思っていますね。

 誠意については、先ほども申した通り、協定に関わることについて、誠に乱暴なこれまでの態度であったと思っております。理解不足ということで。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 では、ずばっと聞いちゃいますけれども、今、記者さんがおっしゃってたようなJRの新幹線の新駅について、JR東海側が検討する余地があると言い出したとしても、大井川の問題についてはこれは筋は別のものであると、知事はお考えだということでしょうか。

(知事)

 これはね、リニア新幹線が2027年、仮に予定通り完工されたとすると、その2027年の段階で、既存の新幹線とリニア新幹線のサービスが両方、同時並行的に行われるわけですね。従って既存新幹線の活用の仕方ということについても、交通政策審議会中央新幹線の小委員会で報告書に書かれてるんですよ。そのときには、既存の新幹線で新駅、実質、空港の真下の駅のことなんですね。この共通理解があるわけです。それを小委員会の委員長であらした家田先生、また葛西さん含めてですね、名前をうたわれていないけれどあるんですよ。だから、いずれこれはできるんですよ。私はそれはどうせ造るのであれば、前倒しで造るということがあっていいと。その理由は、一つは2027年にリニア新幹線のサービスを開始するとおっしゃったその後に東京オリンピック・パラリンピックの誘致が決まったということがありますね。そのために外国のお客様の処理能力が今の首都圏の空港では足りないということがありました。それから御嶽山の噴火がありましてですね、それで富士山の噴火というのもあり得ると。噴火をいたしますと、例え小噴火でも空港の使用は非常に難しくなります。つまり羽田とか、場合によっては成田とか、横田とか非常に難しくなるわけですね。従って、うちの空港の重要性が出てくると。それから、さらに言えば、大規模な広域防災拠点というのも、後に決まったわけです。リニア新幹線を2027年に完成すると言われた後に決まったものですから。だから、こういう重大事案に照らすならば、どうせ造るならば先に造ったほうがいいと。いざというときのためにね。そういうことを言ってきたわけですが、それを何も今度のことにひっかけて言っているわけではありません。できたときにはできることになるわけですから。いわば、「のぞみ」機能の大半がリニアの方に移るわけですね。つまり大都市間を結ぶ超特急はリニアにとって代わられるということです。従って急行と鈍行になる、「ひかり」と「こだま」になるんですね。平均13本走ってるうちの9本が「のぞみ」ですから、「ひかり」と「こだま」の世界にこれからなると。その場合、「ひかり」と「こだま」の本数が増えると。そしてさらに、横に長いこの静岡県の場合には空港の真下に新幹線が通ってるというメリットを生かそうということで、そこに駅を造るのが望ましいというのが、小委員会の共通理解でもあるわけですね。それはそれでいいんですよ。誘致しようっていうよりも、あとは時期だけの問題であったわけです。そんなことに引っ掛けて、水の問題とこれとどちらを取るかというのは、次元の違う話です。




記者質問:リニア中央新幹線計画、日馬富士の引退について

【リニア中央新幹線計画】

(記者)

 すみません、たびたび、そうすると大井川のこの問題なんですけれども、これ環境アセスの問題といわゆる協定の対利水者の問題でちょっと分けて考える必要があると思うんですけど、JR側が2トン流量が減れば2トン全量を戻します。必要ならポンプアップもしてというふうに回答していますけれども、会見で言ってますけれども。そうするとそもそもトンネルの湧水というものが、そもそも全部大井川に行くものであるのかどうかというのが分からない中で、そもそも論になると思うんですが、なぜこのトンネル内の湧水を全て戻す必要があるというふうにお考えなんでしょうか。そこをちょっと教えていただきたいんですが。

(知事)

 それは水が減った分は全部戻す。なぜ減るか、工事によって減ると。工事によって出る水の量は、そのまま大井川に流れないわけですから、それを戻すということであります。

 その量がどれくらいかというのが推測で、まあだいたい1.3トンぐらいはですね、導水路で戻せると。しかしちょっと高いところがありますから、そこの分は、0.7トンぐらいはポンプアップして戻すと。こういうものは机上の計算なわけですね。しかし、ポイントはですね、工事をすることによって流量が減るというのは素人でも分かります。沢が枯れるわけですね、水脈に傷を付けるわけですから。ですから、流れが変わることは明らかなわけですね。そういうことをする結果に対して責任を負いますよと。じゃあどういう責任かと言えば、出たところのいわば傷口は全部補塡(ほてん)しますということですから。それがトンネルの工事における湧水の全量を戻すということなわけですね。量がどれだけかということじゃなくて、全量を戻すという意味はそういうことです。

(記者)

 ありがとうございます。

 大井川のトンネルの工事の地元に当たる地域住民に対して、JR東海さんが今後説明の動きが一部にあるかと思いますけれども、こうした動きに出てることについて、内容はまだこれからのことかも知れませんが、その後出てくることかと思いますが、そうした動き自体についてはどのようにお考えでしょう。

(知事)

 リニア新幹線はどこを、大月と甲府の間を通したわけですね、その後どういうふうに造るか、どういうふうに名古屋まで結ぶかについては、ものすごい長い時間の議論があったわけです。そのぐらいかかるんじゃありませんか?

(記者)

 ありがとうございます。となりますと説明は例えば着工に至るまでの限定的なものというよりは、かなり丁寧に回数を重ねなければならないものと?

(知事)

 そもそも論からやらんといかんと思いますね。そもそもここに通すということの正しさも含めて地元の説明もしなくちゃいかんというふうに思います。

 そもそも長野を通す、岐阜を通す、愛知を通す。三重から奈良を出て大阪に至ると。それぞれ通るところについてのご説明をされてきたわけです。長いこと。うちにはありませんでしたから。これからですね。覚悟していただきたいと思っております。

(記者)

 分かりました。ありがとうございます。

(幹事社)

 よろしいでしょうか?では、それ以外の質問がある方はお願いします。

【日馬富士の引退について】

(記者)

 昨日、横綱の日馬富士関が引退されました。モンゴル出身ということで本県ともご縁のある方ですし、知事を訪問されたこともあります。横綱の引退について知事の感想を教えてください。

(知事)

 日馬富士関を愛してますので、本当に残念です。真っすぐな人ですから。よく勉強する人です。努力する人です。礼儀正しい人です。芸術に対する理解もある人です。弾みってのがあるかも知れませんが、ともかく土俵外でですね、けがをさせたということに対して責任をお取りになったということであります。使命感の強い人ですから、横綱の責任という言葉がたびたび出ましたけれども、その辺りのところの胸中を察すると余りあるということであります。

 相撲について精進されるのは当然のことでありますが、一方で大学院にも行かれてですね、大学院の先生の評価も真面目で立派だというふうなことなんですね。ですから、何事によらず一生懸命に取り組んでいる方なので、その一生懸命さというものが他人に対して出たときに、ああいう形にたまたまなったということでしょう。彼はお酒で乱れることはないというふうに言われていましたが、私もお酒というのはですね、いっぱい私自身も自ら反省するところがありますので、お酒はほどほどにということが大事かなと思いますが、やっぱりお酒を飲まれていたということが、しらふならそういうことはなさらなかったというふうにも思いまして、返す返すも残念です。

(記者)

 ありがとうございました。




記者質問:清水LNGについて、日馬富士の引退について

【清水LNGについて】

(記者)

 清水のLNGの件なんですけど、先ほど市役所の方で署名を集めてらっしゃる住民の団体の方たちが2万3千くらいまで署名がいって、ここのところ事業者が見直しを表明してから3カ月くらいだいぶ関心が高まっているというお話をされていました。

 その一方で事業者からはなかなか地元などに対してコンタクトがないということを繰り返して、不安の声もあるとおっしゃったんですけど、なかなかその後、前に進んでないことについて、知事は地元の方ともお会いされてると思いますけれども、どういうお気持ちをお持ちですか。

(知事)

 清水区民の気持ちはですね、ぜひ、市の方で十分にくんでくださるようにお願い申し上げたく存じます。それが行政の役割じゃないかと思っております。ですから、これほどまでにも盛り上がってきたということですから、自らその区民の心を心として、事業者と対峙するという、そういう姿勢が必要なのではないかと思っております。

 目下のところ私に対して何かしてくれということはありませんので、来たときには県、市共同でやらなくちゃいけないと思いますけれども、区民が一番の頼りになる基礎自治体というのは区役所なんですけれども、区役所として機能してるかどうか分からないので、市役所に来られてるんじゃないかと思いますのでね、市として担当の方、またトップもですね。どういうようにすると本当に清水の港を活性化できるかと。それは清水の港に生活し生業を営んでいる方々の気持ちを上手にくみ上げて、そしてできる限り膝を交えて議論をしてですね、市と市民が一体になることがとても大切だと思います。そうしないとですね、まあ単に調停みたいになるし、あるいはどっちかの意向を、どちらの意向を反映しているのかよく分からないことがありますからね。われわれは常に市民の側に立つべきだと思っております。しかも代替案も出てるんじゃないですか。かつて新聞にも出てたでしょ。あれほどの大きなお金を掛けてですね、静岡新聞かなんかに、バーンと出たじゃないですか。あれ百万単位の広告費を使われたじゃないですか?ですからもうここまで熱心な静岡市民というか清水区民の方がいらっしゃるわけですね。市会議員の方々が、その代表でもあり、また静岡県議会の方でも清水区選出の先生方もいらっしゃいますので、ぜひですね、力になってあげてほしいと思いますね。今までどちらかと言えば清水区民は人口流出も一番厳しいところでありますのでね、やや放って置かれてるという感じがあるんじゃないんでしょうか。一方でちゃんと金は出してやってるじゃないかというふうな態度でやるとですね。結局またしこりを残すだけになりかねないので、今事業者の方は静観されてますね。別にやめたとおっしゃってるわけじゃないんですよ。ですから、どうしたらいいかということを事業者の立場にも立ち、そして特に市民の立場にも立って、徹底的に知恵を出し合うという時期ではないかと思います。なるべくけんかしないでね。それが大事だと思います。

【日馬富士の引退について】

(記者)

 日馬富士関のあれに戻っちゃうんですけど、恐縮なんですけど、知事と横綱とのお付き合いというのはどういう、何かエピソード的なものはございますでしょうか。

(知事)

 そうですね、ありますよ。まあ朝青龍関もありますし日馬富士関にもありますが、モンゴル出身の方、旭鷲山さんもそうかな。関取だからというよりもですね、うちはモンゴルとの関係が深いですよね。日馬富士関が来られたこともあります。で、そのときにですね、今日は絵を持って来ようと思ったと、富士山の絵を持って来ようと思ったと、だけど県知事室にある牧野宗則先生の版画の富士を見て、持って来なくてよかったとおっしゃったですよ。面白いこと言う人だなあと思って、初めてですね、日馬富士さんが芸術を愛されている方だと知ったとかね、というのがあります。それから富士山場所というのが巡業で過去4、5回来られてます。この間もふじさんめっせで行われました。その前はこのはなアリーナのこけら落としも実はお相撲さんにしていただいたんですよ。4月の初日辺りにやってもらったんですが、そのときにお目にかかってますが、そのときに一緒に写真を撮ったり、一言二言ですけど声を掛けるわけでありまして、私は彼がけがをしながら一生懸命務めを果たしているときにですね、一言二言多少なりとは言え会話してまいりました。長いです、付き合いは、従って。

 さらにですね、横綱審議会の委員を矢野弘典という人がやってるわけです。この人は元NEXCO中日本のトップだった人です。退かれたので、今は静岡のふじのくにづくりセンターの理事長をお務めいただいてるんですよ。その方が横綱審議会の委員だということもありまして、そういう繋がりもあるんですね。

 さらに言うとモンゴルに行きますでしょ。そうするとテレビ出演が2、3回ありました。その時にモンゴル相撲のことも私言いますね。あるときはたまたま矢野さんもご一緒に向こうに行って、彼はテレビの番組の生放送ですな、自分も見たいとおっしゃっる。じゃあ、あなたもこっちにいらっしゃいよということで、それでいいですかと言ったらテレビ局の人もオーケーしてくれて、それでゴンボスレンさんという、彼は今年北極星勲章をもらわれた方ですけど、彼が通訳をしながらモンゴルの国民に向かって話をするわけですが、そのときに日馬富士関あるいは鶴竜関などのことについて、矢野さんが話をするということを通して、われわれは横綱と深い関わりを持つ人が県にいて、かつそれを誇りに思っているということも言ってきましたのでね、常に彼の立場に立つ、そういう姿勢を貫いてきたわけであります。

(幹事社)

 では、時間もないということですので、今日の会見は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

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