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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2009年9月15日(火)

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知事記者会見

2009年9月15日(火)


質疑応答1
質疑応答2
質疑応答3

質疑応答1

<知事>

     2週間前の定例記者会見の時に、熊本県と福岡県にFDAとJALでそれぞれ行き帰りすると申し上げました。熊本県では大変歓待してくださいまして、本来静岡県にございましたホンダが熊本に大きな工場を移して大変発展しており、しかも素晴らしい環境を活かして、環境を大事にする企業として熊本県の皆様方に大変高く評価されていると分かりまして嬉しく思いました。福岡県に行ってまいりましたが、みなさん聖一国師は御存知でしょうか。聖一国師を知らなければ静岡県を語る資格なし、と言われるくらい大事な人でして、1201年に生まれて、1270年代まで御存命だった駿河の方ですが、実はその方は宋に渡って博多に帰って来られて、そこで疫病が流行っていて、その時に台の上に乗って水を撒かれました。それが今日の博多祇園山笠の起源です。それを知らない博多の方はいないのです。駿河の聖一国師が博多の祇園山笠を始めてくださったということで、承天寺というお寺で非常に大事にされています。それから、博多織があるでしょう、博多織も唐織というのがあり、聖一国師が唐、外国の織物、当時の中国ですが、その織物が基になっています。それから饅頭ですね、これも実は聖一国師が持って来られました。それから博多人形、これも起源は聖一国師です。それから博多うどん、今はラーメンとなっていますが、うどん、こちらでは蕎麦打ちというのが聖一国師が持ってこられた技術と言われていますが、向こうではうどんだそうです。ですから聖一国師を抜きにして博多は語れないということを向こうの方から聞かされました。駿河の聖一国師ということだったのですが、駿河と静岡が結びつかないのですね。何たることでしょうか。それで、静岡県の一部でありますと、向こうの町衆の方やいろんな委員会の方がこちらにお越しになりたいということになりまして、これから福岡と富士山静岡空港との交流はさらに盛んになるものと確信して帰ってまいりました。これがこの間御報告したことに対する、行ってきたという御報告です。

    <記者>
     2点、代表して質問します。1点目は、JAL福岡便の搭乗率保証の進捗状況についてです。知事が先に西松社長と会談をして、その結果を御報告していただいたところですが、他方、石川嘉延前知事と西松社長との間では覚書が結ばれていて、それにもいわゆるスケジュール、11月末あるいは11月以前、それぞれの協議のあり方について定められています。この覚書に基づく手続きはどのように進めていくのでしょうか。あるいは、知事が既に西松社長とお会いになったのはこの覚書に沿ったものだったのでしょうか。もう1点ですが、全国知事会でも協議になったところですが、国と地方との話し合いを法制化していく動きについて、現状で国と地方とのやりとりは一部知事会と民主党との話し合いがあったようですが、その辺りの期待と課題を今どのように思っていらっしゃいますか。以上の2点をお願いいたします。

    <知事>
     覚書については、しっかりとした公的なものでございますので、これは尊重せねばなりません。一方、その覚書については、双方の合意があれば変更できるということがございまして、その合意に向けて今動いているということです。搭乗率保証というのは、当時の時局の中で表明されたものです。しかしそれが県民の負担を間違いなく招くだろうという懸念が非常に強く持たれて、県議会の方でも、「双方が努力をして7割という高い搭乗率が満たされる努力をすること」というようにわざわざ付帯決議をなされています。ですから、まともに聞けばおかしいと、しかしJALに飛んでいただくためには保証をせざるを得ないという当時の事情があったと思います。当時の事情は当時の事情で、今の事情と違います。一方、一会社の極めて厳しい四面楚歌にある、しかも2千億という経費が必要とされているところに、日本中どこにも無い搭乗率保証をしているということの問題があると思いまして、道義的な正当性が無いと、私は確信しているものですから、この協議を継続していくということで西松社長と同意をしております。ただ、今、JALが国並びに海外の航空会社との資本提携など、今日の新聞に出たばかりですので、しばらく、このJALにとっての嵐が収まって、西松社長御自身が少しワンクッション置かれた頃に、今度は私の方から出向いて、搭乗率保証を廃止する方向で交渉に臨むということです。廃止できない場合には、覚書に則った形での約束を守るということになるかと思います。ただ、来年度以降それを更新することはさらさら考えておりません。さて、もうひとつの質問で、いわゆる地方と国との協議の場を設けるということですが、これは非常に結構なことだと思っています。まだ法制化されてはいませんが、民主党政権になりますと、地域分権の方向に向けて、一歩も二歩も踏み出されるだろうという期待もあります。事実、そのように公約でも言われておりましたので、私としましてもその期待に応えると、その期待を持っております。それから、県と市町との関係にも当てはまるのではないかと思っております。県と市町との間でも円卓会議とでも言いますか、そういうものを考えております。静岡県の場合は、一方的に御負担を願うというものではなくて、(道路について言えば)維持管理費などというのは取っていません。熊本県の場合はそれを廃止する、取らないということになったのですが、本県はずっと前からそうしています。それ以外にもどうしても市町の範囲を超える事業がありますが、そうしたものについても一方的に説明をするのではなくて、協議の上で、なるべく対等の立場で意見を言い合えるような環境を作ろうということで、いつだったでしょうか、市町の首長さん全員とお目にかかって、名前は正式ではありませんが、円卓会議を設けて、県と市町との風通しを良くしていこうということで考えています。一方、県と国会議員との関係がございます。県選出の国会議員の先生方との関係です。これまで定期的に要望に行くと、立派な要望書を作り上げて、それを国会議員の先生方に一堂に集まっていただいて御説明申し上げた後、これこれのことを御要望申し上げる、ということをされていたようですが、こうしたものは、今後改めたいと思っています。むしろ、県選出の国会議員の先生方がこの間何をしてくださったのか、こちらから御質問申し上げて、そしてまた彼らが働きやすいような環境をこちらも整える、というような意見交換の場に変えていきたいと思っています。これまでのように、県が頭を下げて国会議員の先生方に陳情するという姿勢を改めようと思っています。この間も実は、事務局から、要望書を持って行くのでこういう次第でやっていくのだと言われたのですが、私はこれまでの形式は御破算にいたします、お集まりいただいて対等に議論をする、むしろこの間何をされましたか、何をされようとしていますか、という地域に対する公約もそれぞれの先生方はなさっておられるので、その実績について御質問などをしたり、また、こちらで地域のために県のためになるということがあればそれをお聞きしてこちらも御要望をお聞きする形で互いに対等に意見交換をする場に変えたいというふうに思っています。つまり、陳情という形式を止めて、そういう姿勢を取ることで、地方と国とが対等で協議をするという今後の流れに県としても沿う形でやってまいりたいと思っています。

    <記者>
     熱海市役所の耐震強度の問題で、かなり厳しい状況で、移転計画も頓挫したようですけども、先程の円卓会議というか意見交換会でもその話題が出たようなんですけども、熱海市の今回の対応というのを知事はどのようにお感じになっているのでしょうか。

    <知事>
     もう同情を禁じ得ませんね。市長が公約で言われたことが議会の中で認められなくて、白紙に戻されたということですね。ただ公式の席上で出たものではなくて、伊豆市でしたかね、おいしいお酒と料理を振舞われていただいて、そういう懇親の場へ市長さんがお越しになられて、私が同情を申し上げますと、本当に困っていると。公式の場でも言っておられますね。市庁舎の建て替えに、県がどこまで援助できるかということですね。私も同情しているということ以外、言えなくて。何とかああいうこと自体が、震度5強ですか、最低のEランクで危なくなるという、それを承知で仕事をしている訳ですね。市民から選ばれた方々は。それを放っておいていいのかと。これ以上申し上げませんけども。移しもしない、耐震化も強度があるものにしない。市政を預かられる先生方に、あるいは市民の方々に、この問題を放置してよろしいのですかという危機感だけはもっと強く持っていただきたいと思っております。
     
    <記者>
     県として、援助の手をさしのべることの難しさというのは、どういう理由からなのですか。

    <知事>
     市庁舎というのは、各市が建てるものではないですか。37市町の修理補強などについて、県がやった先例があるようなら、行政上問題がないならば考えてみたいと思いますが。私が知っている範囲では、熱海市が市の責任の範囲においてやることだと。パラオというところに行ったことがあるのですが、そこの議会はパラオ共和国です。素晴らしいところです。かつて南洋庁がおかれたところです。国務省とか大統領府とかあるのですけども、掘建て小屋でした。ともかくですね、安全を確保するためにいろいろなやり方があると思いますが、そのことを第一に考えていただいて、現状のままで放っておくことについての、危機感を私は持っておりまして、熱海市として市長以下市議会の先生の方々、あるいは市民の方々、この件について放置できる状態ではございませんでしょう、ということだけは強く申し上げておきたいと思っております。

    <記者>
    原発に関してですが、今日 4号機が再開して、まだ、点検中の 3号機と想定以上の揺れを感知した 5号機がまだ点検中なのですが、県として、国と中部電力に対してどういう姿勢で今後、運転再開を前にして取り組んでいくお考えでしょうか。

    <知事>
    5号機の揺れが 400ガル以上だったんですね。後は 100ガルの前半と100から 150くらいだったということで、5号機の揺れがきわめて大きかったと、これが一番大きな不安材料だと思いました。それで私、向こうにまいりまして、隈なく見せていただきました。これは前にも申し上げたことだったでしょうか、視察した時に、外的な損傷というのは土地を掘って岩盤の上に原発を建てる訳ですが、埋め戻したところがあるのですが、埋め戻したところ、そこに土とか、がれきを入れる訳です。それが 5センチから10センチ下がっているということを除きますと、外的な損傷というものは認められなかったということがあります。どうして5号機だけが大きく揺れたのかということですけれど、これは駿河湾の東から揺れが来たということです。東海地震は東からの揺れを想定していなかったそうです。南側からの揺れを想定していたからではないかということで、今、その点を理由が明確にするために調査しているとのことでございました。ただし、1000ガルまで、通常 800ガルまででよろしいということですが、余裕を持たせて1000ガルまで揺れても大丈夫という、そういう構造になっているということは説明を受けておりますので、それを信頼しています。それからまた、やはり何といっても安全性が第一なので、向こうの責任者の方々とじっくりお話しをいたしまして、同時にこちらの希望といたしまして、もう少し原子力の正確な知識を、単に科学者によって安全性が保証されているというのではなくて、どういうことをしているのか、中身がどうなっているのかということについて、啓蒙的な活動という意味も合わせて行っていただく、そのために経験者、学識者による会を立ち上げたいと思っていると申し上げたところ、大賛成ということで、有馬先生がアドバイザーのトップだったのですが、有馬先生とコンタクトをとったかとらないかという段階ですが、そう遠くない将来に、1、2カ月と申し上げたいと思いますが、非常に広く、原子力だけではなく防災も含めた委員会を浜岡を軸にした形で議論していただく、また市民に開かれたそういう機関を設けてみたいと思っております。

    <記者>
    国と事業者に対しては、どういう姿勢で臨んでいきたいと思われていますか。

    <知事>
    事業者に対しては信頼しております。とりあえず、15パーセントほどの電力を原子力に頼っておりますので、それをいきなりゼロにしますと、単純計算では 1週間に 1日が真っ暗闇になるというようなことです。これを止める訳にはいかないので、安全性を確保しながら原子力技術も磨いていただきながら、それを研究の場といいますか、これから中国ほか、アジアの諸地域も原子発電に頼る場面も出てくる気配も見えますので、そういう方々がここで勉強もできると、実際、研修施設もございまして、私もそこに入ってみたのですが、コントロールルームと全く同じ造りになっておりまして、8月11日の 5:07に地震が起こったその時、どのようにパネルが反応したかというふうなことも、それを再現できる部屋があるのです。そこで研修生の方々が勉強していました。さらに、失敗から学ぶという部屋もございました。そこでは、かつて(5号機のタービンの)羽が飛びましたね、現物がそこに展示されておりました。そこから学ぶというような部屋も造られておりまして、今回もそうですけれど、徹底的に反省して学ぶということをやっておられるので、やはり過剰な心配というものはないようにしたいということで、目下のところ私は、国というよりも中部電力の浜岡原発の総合事務所長さん以下、水谷さんでしたかね、所長さん以下人的関係もしっかりとつくりあげながら情報公開に努めると。その情報公開された内容について、特に近くの方、また県民の方々がその知識を共有すると、原子力のエキスパートになりたいという青年も出てくるということが、将来、原発の平和利用についての人材の育成にもなるというふうに期待しているところでございます。

    <記者>
     まもなく民主党の政権が発足いたしますが、その関係でお伺いしたいのですが、民主党が今年度の補正予算の一部執行停止という方針を変えておりません。その点について知事の御所見をお伺いします。

    <知事>
     そうですね、これは公約ですからね。その公約を彼らは実行する義務があると思います。ただ、補助金については多年度にわたるものもありますね。そうものについては思い切って見直されるのではないかと思われますが、現在の近々の雇用に関わるものについては民主党であろうが自民党であろうと事態の深刻さというものは認識しているはずでなので、無茶なことをされるということはないと思います。特に今年度というか来年度にまでまたがるような基金というものがあると思いますが、その基金についてはいろいろな使用上の制約がかかってっている訳です。雇用に使う基金でも新規雇用は何パーセント以上だとか、期間は何ヶ月以内でないといけないとか、非常に使い勝手が悪いわけですね。ほとんどの基金がそういうものになっています。一部の基金でも、上がってきたものについては何か査定をして基準に合ったら出してあげるということで、もう少し民主党が地方分権ということを言われるならば裁量権を与える、自由度を高めていただくようなそういうような基金に変えてくださいと。そうでないと補助金と変わりませんから。そこは強く申し上げたいと思います。

    <記者>
     関連してですけれども民主党は地方を重視ということを示していますが国家戦略局に地方の代表を入れるというようことを求める声もありますが、知事はその点についてどのように思っていますか。

    <知事>
     まあ、お手並み拝見というところですね。言っていらっしゃることが制度上どこまで実現できるのか、これはまあ、明日、明後日である程度人選が見えてきますので、その評価もおそらく人を見れば分かるということがありますので、現段階ではおそらく国家戦略局、事務次官会議廃止、まあこうしたことが政策決定・意思決定にどのように反映されていくのか、しっかり見ていきたいということでございます。

    <記者>
     2点ほどありますが、搭乗率保証の確認ですが、先程知事がおっしゃったのは廃止できなければ覚書に則って約束を守ることになるということですが、あくまで知事は廃止を求めていくことであって70パーセントを60パーセントにするというようなそういうようなことは特に求めていないのでしょうか。

    <知事>
     そもそも搭乗率ということがおかしいということですので、これは西松社長とこちらの当事者側とが合意すればこの契約は廃棄できるということですので、実際上、それ以上のことは考えていないです。




質疑応答2

<記者>
 なかなかそう頻繁に会うということも不可能ですし、そうしているうちに今年度も終わりに近づく中で、70パーセントに届かないということになればならないということになれば、これは覚書に則って払うべきものを払う、約束に則ってということになるのでしょうか。

<知事>
 本年度、大分ありますよ。

<記者>
 まあ、半年ありますけれども。

<知事>
 それで、7月の末からお目にかかりたいということを言ってようやく8月27日に会っていただいた。まあ、一ヶ月は私にとってはすごく長かった訳です。そして、27日にお目にかかって、もう搭乗率保証と言うか文書を前提にした提案を西松社長は持ってこられた訳ですね。言わば話し合った結果、こうするというんじゃなくて、一方的にこういうふうにしますと話しただけで、それを最後出さなかった訳ですね、最後置いていかれただけで。そもそも論からやると。したがって、交渉を継続するということでした。今、JALに対する世間がものすごいですよ。果たしてアメリカン、デルタ、KLM等々にどっちがどういうふうになっていくのかと。国庫の補助金が入るのかという状況で今、まさに渦中の会社になっておりますので、この時点で西松さんにお目にかかると言ってもですね、それこそ本当に御多忙の真っ只中なので、従ってそういう意味でのクッションを置くということで。時は絶対に浪費いたしません。浪費しません。半年もあると。

<記者>
 あくまで廃止を求めていくと。

<知事>
 当然です。

<記者>
 70パーセントを60パーセントにするとか、そういう細かい議論は特に望んでいないと。

<知事>
 そもそも論というのがありますから。

<記者>
 もう一点ですけれども、3か月の利用者数というのがこの前発表になって、15万ちょっとでした。これ、単純に4掛けることの1年間の利用者というふうにすると、60万ちょっとですか、65万くらいだと思うんですけれども、138万人という需要予測を出して、これを根拠に空港建設事業を進められてきた中で、非常に乖離していると。実態としてですね。それがさらに鮮明になってきたんですけれども、この乖離については、単なる「間違っていました」というだけで終わるのか、あるいは何か県としてけじめをつけるおつもりがあるのか、その点教えてください。

<知事>
 空港の実態を御覧になると、来年の2月にFDAがもう一機導入されますね。そうしますと、今5機停められるんですけど、そのうちの一機が例えば故障したと、そうするとですね、それは動きません。そこにもう一機入ろうとしたらどうするんですか。置き場所がないですよ。そういう状況があります。ですから、0番線っていうのか、1番口の手前に今原っぱになっているところがありますけれども、ああいうところが今まったく無駄になっていますね。それから、見学者はまだ絶えません。そういう見学者と乗客とのすみ分けもうまくできるような状態に空港はなっていないと。ごっちゃになっていますから。そういうことでですね、あそこの使い良さがもう少し改善されますと、乗客数は変わると。先程、熊本や福岡の例を申し上げましたが、今日も鹿児島からですね、人がお見えになって、こういう促進する気持ちがあるので、ということを伝えてくださいましたが、今までのそれを単純に4倍にするということはできない。実際、8月27日で2,500メートルになりましたから、これは大きな変化です。これは発展的な変化ですからね。そういう意味で、あそこで一つの区切りができたと。空港建設という。本当にようやく区切りができて、まだ2週間です。ですから、これから完全運用ができる条件が整って、利活用に思い切り、力を尽くしていきたいという状況でございますので、もう少し見ていてください。

<記者>
 もうちょっと様子を見てから、県としてけじめをつけるとか。

<知事>
様子を見ながら、利活用を促進する方向で様子を見る、という。こまねいているということは一切しません。動いています。今日も、地元の人たちにとって良い空港であるべきだというふうに私は思っておりますものですから、今日の夕刻7時から、あの土地を譲ってくださった方々がございます。その方たちの御意見も聞こうということで、牧之原の方に出かけるつもりでございます。

<記者>
 搭乗率保証について伺いたいのですが、あくまでも廃止を求めていくというお考えは理解しましたが、実際、日航がこういった状態の中で見通しがどうなるかという点についての御認識と、利活用の点で、石雲院で会議を開かれたり周辺も含めて利活用を考えていることは分かりましたが、実際に今の時点でどんな施設を作るのか、どんな利用をするのか、見えてきたものはありますか。

<知事>
 搭乗率に縛られると、この間の日航側から提示された小型機に変えるという、  76人乗りに変えるということで、半分になる訳です。そうすると、午前と夕刻の便が7割を超えておりますので、積み残しというか、乗れない方が出てくるくらいの状況が生まれるでしょう。したがって、搭乗率は飛行機が小さくなると上がる、技術的にはできますが、大切なことは福岡という九州の中心、アジアの玄関口というところとつながれている訳です。いかにして交流を深めるかが一番大事です。私は搭乗率に捉われていること自体がおかしいと思っています。それに捉われて、それを上げるために飛行機を小さくするという技術論ではないでしょう。福岡便をもっと活発にすることが、実はお互いの搭乗率を上げるための努力の中に入っている精神ではないかと。そうしたら、けしからんことに、昼の便はグループの予約を認めない訳です。76人乗りのうち50人は日航が確保して、残り20数席をパック旅行に販売するという。実際には各会社、20数人だと(パック旅行は)組めないと、一度も組んだことがないと。これはおかしいと西松さんに言いまして、そして1週間たって改まらないので、もう一度確認したところ、返事が返ってきました。今のまま、50席は日航が確保して、残り26席を民間で売っていただくと書いてあったので、けしからんと私は思っております。本来なら、自由にお客さんを九州や静岡に来ていただくために、朝の便はパック旅行を組めばいいのですが、昼の便はそうなっていないようです。西松さんの名前で返事が来ていますが、どうも西松さんが直に書いたとは見えないのです。その件については正したいと思っていますが、言い換えますと、両方がJAL側と県が努力をして乗客を増やそうとして、そういう努力において、日航側の努力に非常に問題があると、そういうこと(努力)をやっていると全く見えないということで、憤懣やるかたないと思っています。

<記者>
 今度会って、それがすべて知事のおっしゃる方向で白紙に戻せるかどうか、見通しはどうですか。

<知事>
 意思決定権を持っている人が相手ですから。静岡県に、自分の故郷に、何としても飛行機を飛ばしたいと夢がある少年がJALに入られて、そしていろいろな無理を重ねて県の希望を聞いて、社内を説得するために、本当に将来性があるかどうかについて不安がある中で、JALも敢えて福岡便を飛ばすという御決断をなさった。そのときに社内向けに7割保証をするということを取り付けてJALの福岡便が導入されることになった訳です。その背景にある西松社長の気持ちは故郷の空に飛行機を飛ばしたいという故郷を思う気持ちがあった訳です。その同じ気持ちで91%以上の人たちが搭乗率保証反対だと言っている。その県民の声をあなた自分のハートによく照らして聞いてみてくださいと。でないと県民全体が実質反対しているということであれば、契約を破棄することさえも辞さないということにもなりかねない。私はそういうことはしたくない。むしろお互いこの福岡便を育てていくために、そうした当時の事情、今は変わって、地元に立地したFDA「フジドリームエアラインズ」が国内に3機も、日本海側、しかも九州に、熊本、鹿児島に飛ばしているでしょう。FDAの立場では、熊本も鹿児島も将来性はありますが、しかし人口では福岡は圧倒的です。福岡の便の方がはるかに魅力があるでしょう。そういう福岡便だけでなく、熊本、小松、鹿児島にまで地元に立脚した航空会社が運航するようになっている訳です、7月の下旬から。そうした中で事情が変わって、福岡便は将来性があるというときに、当時の本当にそれがペイするかどうか疑問が持たれていたときと違いますので。ですから故郷を愛するなら、西松さん、ここで静岡県民の声に耳を傾けていただきたい。もし彼がトゲを抜いてくれれば西松ファンクラブを作って、ファンクラブ会長になって、皆さん、四面楚歌の中で自ら街頭に立ってJALのキャンペーンをされている、この方に対して、かつて我々に対してやってくださった、飛行機を飛ばしてくださったその恩義に応えようではないか。ただ、大義名分がなければ、搭乗率を上げるためにやっても、搭乗率そのものを反対するんですから、できないですよ。

<記者>
 もう1点、利活用の点でお聞きしたいのですが…。

<知事>
 ともかく空港ビルは危険です。多くの人が来すぎて、乗客と見物者の区別がつかない。あそこが最高のビルだと考えている役人から社長になられた方の意見に相違して、有識者の人たちから最低のデザインだと評価を被って、それに対して向こうの社長さんは、そこは県から独立した組織なのでつべこべ言うなという意味のことを丁寧に言いました。要するに干渉するなということです。しばらくそれを見守っているという話ですが、それならそれでよかろうということですが、ともかく乗客と見物客が入り混じって、しかも狭いですから、チェックインというか、セキュリティを通るところも、出てくるところも狭いです。そういうところにいろんな人が出入りするので、従来の展望台のところを、御前様=石雲院の御住職、地元の方にお目にかかり、そこの面積をしっかり計算していただきました、空いている面積です。本県が持っている170平方メートル、それと杉の林、森がありますが、そこのところまで若干草が切り取られていますが、そういうところを計算しますと、1,000平行メートルぐらいあります。さらに駐車場からアプローチを考えますと、それなりの面積があります。そうしたところを活用したいという檀家の皆様方がいます。ただその方たちの意見を入れるためには、プロがどういうことができるかと言っていただかなくてはならないので、建築家とか、ランドスケープの専門家とかの意見を賜って、東側の方、石雲院の方はそれで地元の方々の意見を聞きながら、そこに見物客を集めることができる。西側の方は、だだっ広い中に一つだけあずまやがあり、そこで見ていらっしゃいますが、大変たくさんの方がいます。行ってみますと、暑くて、水もないお茶もない、日陰もない。どうしたらいいですかと言ったら、こうしてほしいとああしてほしいと。自分で行ってみればすぐ分かります。何で空港ビルに来られるかは、あっという間に、そこに立ってみればすぐ分かります。そこのところをどのようにしたらいいかということについては、今度そこを有識者の会で見に行きますから。それから、あそこはお茶の里ですから、お茶をキーコンセプトにしてグランドデザインを描くというところまで有識者の会の中で暫定的結論をいただいておりますので、そこのグランドデザインを描こうと思っています。

<記者>
 現時点では施設を作るなり、お茶を飲めるところを作るなど、そういうところまでいっていないということですか。

<知事>
 アプローチしていますが、県としては作りません。しかし、民間の業者が、実際に営業される方々が興味を持たれれば、そこで…。空港ビルを作るについては二つの意見があり、一つは必要最小限のビルを作る、もう一つは賑わいのあるビルを作りたい、結果的には必要最小限の四角四面の何の変哲もない、ある人に言わせると田舎の空港のビルで恥ずかしいと言われるようなビルを作った訳です。それは必要最小限、ありとあらゆるものを全部削り取ったからです。しかし、賑わいのあるビルを作りたいという地元の有力な企業も複数ある訳です。そういうところは関心を示されています。賑わいのあるビルをどういう形で作ればいいのかと。私は昨日、「沼津魚がし」の(沼津)港店(本店)に行って、あそこ(空港ビル)に魚がし店が入っていますね。食べました?本店に行かれました?ああいうものが何で流行っているかということを自分で見ないと分からないから。そういうことを、そういう商売をしている人はすぐ分かる訳です、どうしたらいいかというのは自分たちだけでは言えないので、県と有識者と地元の皆様方と関わりながら、牧之原台地の上にお茶を作られ、さらに開かれたということで喜ばれるものにするために、施設というものは中長期的に必ずできあがるものになると思います。県がそこにどのくらい関与するかということは別です。県が関与するのは空港の安全です。例えば滑走路…。

<記者>
 まとめて恐縮ですが、民間の力を活用して、そこに何らかの施設を作る方向で話を進めているということでよろしいですか。
 
<知事>
もうそこまで「イエス」と言うにはまだ準備不足です。

<記者>
 方向性を示したいということですか。

<知事>
 方向性は出ていますが、施設を作るという断言はできないです。

<記者>
 県と国会議員との対等な意見交換の場については、構想段階なのか、取り組みが始まっているのか、どのような段階にあるですのか。

<知事>
 つい数日前のことですけれども、企画部長が要望書を持ってきて、日程を調整して、県出身の国会議員の先生を集めて、20分ばかりその要望書の要点を説明してお渡しすることをこれまでやってきたことなので、やってほしいと言われたが、それはしません。いろんな人がいて、その人に、「この道路を作ってください」とお願いしても本当にやれますか。実効性がないことを頼んだとしてもしょうがないでしょう。国会議員が国の予算に関わることについて意思決定でやってくれるということがあれば、その問題に即してやります。国会議員全員の先生に対して、要望書を渡して、よろしくお願いしますという儀式はやらないということです。
たとえば、袋井と掛川の病院が、新しい病院を作るということで努力されてますね。そういうところには、ものすごくお金が掛かります。そういうときに資金を援助できるという基金が国にある。それは全国で10箇所しか取れないという競争です。そういうときに、東部の先生だとか、中部の先生ではなくて、特定の先生に頼まないといけない。その問題を、本当に自分の問題として捉えている先生に。そういう場合には、しっかりと陳情というか、これがあなたの仕事ですとお伝えに行くというふうに変えるということです。
ですから、法制化して地方と国とが対等で協議をするという背景にある精神を国の本県出身の先生方とお目にかかるときにも、その精神で臨むということですね。
要望や陳情して、よろしくお願いします。国会議員の先生のところに行きました。それで終わりです。という馬鹿げた儀式はやりません。それだったら県民のためにもっと働きますよ。



質疑応答3

26
<記者>
 搭乗率保証の問題に戻って恐縮なんですが、県民の91%が反対していると、一方的な破棄もありうると知事はおっしゃっておりましたが、話がまとまらない場合には、一方的に県が破棄を宣言する場合もありうるということですか。


<知事>
 ありとあらゆる可能性は排除しませんが、私は和を持って尊しとなすというところで臨みたい。喧嘩をしたくない。彼の郷土を愛する心に何としてでも献上花を添えて、彼の応援団になりたい。本当にそういう気持ちです。

<記者>
 そこでまとまらない場合は。

<知事>
 まとめてみせたい。何としてでも。

<記者>
 全ての可能性は否定しない?

<知事>
 しません。

<記者>
 仮定の質問で恐縮なんですが。覚書上、一方的に破棄した場合は、JAL側は訴訟もありえるという見解を示している訳なんですが、それについては。
 
<知事>
 それはもちろん、法律上の手続きはいろんなことがありますよね。

<記者>
 それも了解の上で・・・

<知事>
 ありとあらゆる可能性は否定しません。しかし、最大の眼目は99.99%、和を持って決するということですね。それは決断が要ります。こちらも協力しないといけない。福岡の方々が、聖一国師ではありませんが、改めてふじのくにについての魅力を再発見されている真っ只中です。ですからいろんな可能性があるので、一緒にやっていこうじゃないかという機運を盛り上げるためのきっかけがほしいと。西松さん決意してほしいというのが私の渾身の叫びですね。

<記者>
 開港延期についての県の対応の行政監査がありまして、去年の一連の立ち木問題に関する、空港部の方が再回答という形で、行政監査自体は手続きとしてはこれで終了というような方向で、ただ、代表監査委員は見解の相違がいくつかあるというコメントも出されておられるんですけれども、様々な課題がもちろん見えてきた問題だと思うんですけれども。知事はこの問題をどう総括して、そして今後この課題をどう生かしていこうとお考えですか。

<知事>
監査委員の監査報告。県側の再回答に対する、富永代表監査委員のコメントが出ておりましたけれども、もっともなことだと思いますね。やっぱり第三者が客観的にこれまでの経緯を見て、それなりの判断を下されたということでございますので、それは尊重しております。空港部に関しましては、地元とですね、建設に関わるときにいろいろと御迷惑をかけたりしておりますので、その問題もまだ継続中ですから、これに対しては真摯に、むしろ前向きに解決の方向に向けて、私は乗り出したいと思っておりますので、したがって建設のための空港部がなくなって、維持管理のための空港局として建設部の中に残る。一方、そこの中で出てきたいろいろな係争については、窓口をしっかり従来よりも明確に、どなたが対応してくださるかが残る形で残しまして、そこについては私の責任においてですね、解決の方向に向けて、極力、地元の方の御理解を賜れるように努力をするということで、従来の空港部がなくなるため窓口がなくなるんじゃないかという御心配は無用であるということです。従来の空港部の対応に対して、監査委員の方から厳しい御判断が出た訳でございますけれども、私もその一部には共感するところがあります。

<記者>
 立ち木問題の公表が遅れたのは、県は個人情報の保護が理由だったと言っていますが・・・

<知事>
 情報は出します。これまで、どんな事情で情報を出さなかったか知りませんが、個人の情報でその方に迷惑がかかる場合は別として、公的に収用した訳であり隠すべき理由はどこにも無いと考えています。空港の問題にかかわらず、諸事全てを公明正大にしたい、透明性を確保したいというのが基本姿勢です。

<記者>
 笹の問題も立ち木の問題も、隠した人たちがそれなりの処分を受けていない。だから、笹の問題も繰り返された。知事として隠す行為に対して厳しい処分をすることが無ければ、なかなか変わらないのではないでしょうか。

<知事>
 まず、隠さないという態度で臨むことに尽きます。すべて見ていただき、行き過ぎがあったり不十分な対処があったりということであれば、行き過ぎについては謝らなくてはならないし、足らざるところは補っていくということに尽きます。そういう態度に改めていく。後ろ向きな態度であのときこうすればと言い出せば士気にも関わります。今は前向きに空港を育てていく時期であり、隠さずすべてを有り体に皆さんに知っていただく。裁判所に関わることは、裁判所のほうで判断していただくのが良いと思います。両方に言い分があるのは当たり前で、こちらの言い分だけ正しいとは思っていません。私は県庁だけでなく県民の立場にも立っています。県民や監査委員から見て、問題があると言われれば、その問題の部分を明るみに出して膿を吐き出すしかないと思っています。

<記者>
 知事に報告すると、全部明るみに出されてしまうので、知事に報告するのはやめようということになりませんか。

<知事>
 大丈夫です。県庁には約2千人いますが、今までに少なくとも100人の人と食事を共にしています。2ヶ月で100人とすれば、1年で600人、3年経てば1800人になり、そうして一人一人を知ることができると考えています。出先を入れれば数千人になりますが、わずか2千人だと思っています。
人がやっていることですから、隠したとしても分かります。従来は独特のスタンス、県に隠すという体質があったかもしれない。そういった体質が、隠すという行為を生んでいたかもしれません。それが問題であった以上、その体質を変えるということです。

<記者>
 空港部の再編に関して、4月にも異動があることを考えると、年度いっぱいまでは空後部を残し来年度から再編する方がスムーズではないかと思われますが、この点はどのようにお考えですか。

<知事>
 経緯を御覧になれば分かると思いますが、空港部が局から部になったのは、本来の4月の部局再編時ではなく夏でした。ある意味で暫定的な組織として作ったというのが、空港部の出生の秘密です。そのときの説明で、空港建設のために空港部を早く作りたい。建設が終わって空港会社やサービス会社ができればそのときに見直すということが、空港部が成立する時点で述べられているので、それに則っております。空港運営会社もありますし、私を本部長とした県庁をあげての利活用の戦略会議もできていますので、それらに即した部に変えていくテイクオフの段階です。空港部による建設が終わって、今は利活用のために動いています。動きながら、最もふさわしいのはどういう名称でどのような人が入ればいいのか。テイクオフしながら、滑走路を走っている段階です。

<記者>
 次の年度末まで空いているのは、異動なのでややこしい部分がありながら、あえて急ぐ理由は何ですか。

<知事>
ややこしい部分はできません。空港部の一部は企画部の中に入って、利活用に関する検討を1ヶ月やっています。名称が変わって新しい部局に変わるための準備は、すでにやっています。



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