(知事)
はい。今日の花は、黄色がバラ、薄いピンクがトルコギキョウ、そして白がワックスフラワーでございます。
私の発表項目は四つであります。
【中央新幹線南アルプストンネル工事】
最初はですね、中央新幹線の建設に係る南アルプストンネル工事についてであります。
リニア中央新幹線整備に伴う大井川の流量減少問題に対しまして、現在、水資源の保全に関する協定について調整が行われておりますが、リニア中央新幹線について、改めて申し上げたいことがございます。
私は、かねてよりリニア中央新幹線は重要な事業と認識いたしております。もともと、これを推進する委員を務めたこともございました。さて、そうした中で、計画が明らかになった時点で、これは平成23年の春のことでございましたけれども、その年の内に2度も現場に入りまして、発生土置き場などにつきまして、いろんな情報をJR東海などにも差し上げたりして、静岡県として積極的に歓迎する意見を述べるなど、誠意を示してまいりました。
しかし、不明にして私が分からなかった、気付いていなかったことが明らかになりました。それは県議会をはじめ、各方面から出された水問題であります。水問題を中心に多くの課題についてご指摘を頂き、JR東海に対してトンネル湧水の全量戻しなどを求めてまいったところであります。現時点で、これに対するJR東海からの誠意ある回答はまいっておりません。平成23年、今、平成29年でございますので、丸6年以上経過しているということであります。
この工事では、何本ものトンネルを掘られます。当然、大井川の流量が減ります。これが一番大きい問題ですね。第二には、残土を南アルプスに処分するということです。第三に地形が改変されます。第四に生態系が壊れます。こうした問題がございます中で、JR東海は、トンネルが掘られることによる水問題につきまして、全量を戻すと明言されていないわけであります。利水団体が求める水の確保について、JR東海が約束をして水を戻すのは当たり前のことであります。
また、県内には既存の東海道新幹線が走ってるのはご承知のとおりで、これはJR東海道(新幹線)、東京と大阪を結ぶわけでありますが、全走行距離のおおむね3分の1が通っています。本県は、JR東海にとって重要な経営基盤であります。にも関わらず、しっかりとした説明がないまま、ルートが設定され、静岡県にとっては全くメリットがありません。
この水問題に関しましても、具体的な対応を示すこともなく、静岡県民に対して誠意を示すといった姿勢がないということに対し、心から憤っております。
現時点では、JR東海への協力は難しいと言わねばなりません。リニア中央新幹線工事に先行して、静岡県民に、例えばこの工事によって、どのような地域振興なり、地域へのメリットがあるのかといったことについて、基本的な考え方もないまま、勝手にトンネルを掘りなさんなということでございます。厳重に抗議を申し上げ、その姿勢に対して猛省を促したいと思っております。
【第12回マニフェスト大賞優秀賞受賞】
二つ目の発表項目でありますが、第12回を数えます、マニフェスト大賞優秀賞の発表についてであります。
去る10月5日木曜日、第12回マニフェスト大賞の優秀賞が発表されました。主催者から、静岡県知事が「マニフェスト推進賞」の「首長部門」の優秀賞に選出されたとのご連絡を頂きました。
マニフェスト大賞は、早稲田大学マニフェスト研究所を中心とする実行委員会が、毎年実施いたしております。政策本位の政治、生活者起点の政策を推進するために、地方自治体の首長や地域主権を支える市民の活動等を表彰されているものであります。
本年は、過去最多の応募がありました。その件数は2597件とお聞きしております。その中から38件が優秀賞として選出されました。2597分の38件でありますから、これはパーセンテージに直しますと1.46%、2%にも満たないものであります。この38件の優秀賞の内訳のうち、何と本県関係が6件も選ばれております。38分の6ですから、6分の1弱が本県で占められるということでありまして、これはもちろん全国最多であります。
また、「マニフェスト推進賞」の「首長部門」には、県知事の他、藤枝の北村市長さん、小山町の込山町長さんが選ばれております。6件のうち半分が静岡県勢で占められたということでございます。また、「市民部門」には、6月の知事選挙に際し、公開討論会を開催なさいました「若者による静岡県知事選公開討論実行委員会」、また、「成果賞」には、「富士市ユニバーサル就労検討チーム」、「シティズンシップ推進賞」には、「伊豆市選挙管理委員会」が選ばれました。
これは、静岡県また静岡県下の市町をはじめ、地域主権を支える県民・市民が一体となって進めてきた取り組みが、全国的に極めて高く評価されたということでございます。大変喜ばしく、誇らしい結果であると考えております。
私自身は、平成24年度の第7回マニフェスト大賞を受賞いたしました。再度、評価をいただいたことを誠に光栄に思っております。今回の受賞は、静岡県政に対する評価であり、職員はもとより、県政に関わる大勢の方々の地道な努力が認められたものと受け止めております。ご同慶の至りであります。これを励みとして、本年度、次期総合計画を策定し、「美しい富士(ふじ)の国(くに)」静岡県の実現にまい進していこうという気持ちを新たにしたところであります。県民の皆さまのご支援、ご協力を賜りますように改めてお願いを申し上げます。
【エアソウル就航一周年記念式典】
三つ目の発表項目でございますが、エアソウルの就航一周年記念式典についてであります。
エアソウルが昨年10月に静岡ソウル線をアシアナ航空から引き継がれまして就航して、おかげさまで一周年を迎えることになります。これを記念した式典が、今週13日、10月13日金曜日でありますが、エアソウルの柳(リュ)社長も参列いただきまして、空港で開催されることになりました。
エアソウルは、就航時には週5便、今年7月からは週6便に増便していただきまして、さらに12月24日、クリスマスプレゼントとして、デイリー運行を決定されることになったとのことでありまして、大変感謝しております。静岡ソウル線のデイリー運行復活は、平成25年の秋以降、約4年ぶりということでございまして、多くの県民が待ち望まれていたことと存じます。
式典当日は、就航一周年に加え、デイリー運行の決定を祝います。そして、利用者の皆さまへの記念品の配布などを実施いたします。今後とも、静岡ソウル線の利用促進に、エアソウルと連携いたしまして取り組んでまいります。
【2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定】
最後の発表項目でございますが、2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定についてであります。
県ではこれまで、障害者アスリートに対しまして、国際大会などに参加する遠征費用などへの助成はしてまいりましたが、今年度から、新たな取り組みとして、競技活動に安心して集中していただき、競技力を伸ばしていくことができるように、平成28年度の約10倍の予算を計上いたしました。オリンピックアスリートと同様の助成制度を創設したのはご案内のとおりであります。県は指定強化選手に対しまして、アスリートなどのご要望も取り入れながら、各種大会に参加するための旅費、用具などの備品購入など、選手活動において必要となる経費について助成を行います。
障害者スポーツの専門家から成る選定委員会で、指定強化選手候補をご選考いただきまして、県に推薦されました21名を指定強化選手として、皆さまのお手元にございます一覧表のとおり決定をしたところであります。
先日のロンドン世界パラ陸上選手権では2冠の佐藤友祈(さとうともき)選手、また山本篤(やまもとあつし)選手、昨年のリオパラリンピックでボッチャ団体に銀メダルをもたらした杉村英孝(すぎむらひでたか)選手などは、皆さまもよくご存知の選手であります。その他、ボッチャの渡邉湧太(わたなべゆうた)選手は中学3年生です。自転車の福井万葉(ふくいかずは)選手は高校2年生であります。こうした若い選手も支援いたします。
リオパラリンピックでは日本が獲得した24個のメダルのうち7個が本県関係の選手によって獲得されました。これまでも世界クラスの実績を残しており、リオパラリンピックに出場した12名の選手には、障害者スポーツ応援隊として、特別支援学校での指導など、障害者スポーツの普及と振興にご協力いただいているところであります。
今回指定された21名の選手が、3年後の東京パラリンピックで活躍することを大いに期待し、楽しみにしているところであります。
私の発表は以上であります。 |