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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2017年10月10日(火)

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知事記者会見

2017年10月10日(火)


知事発表:中央新幹線南アルプストンネル工事、第12回マニフェスト大賞優秀賞受賞、エアソウル就航一周年記念式典、2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定
幹事社質問(記者質問):中央新幹線南アルプストンネル工事
幹事社質問(記者質問):中央新幹線南アルプストンネル工事
幹事社質問:衆議院選挙、三大都市圏連携
幹事社質問:三大都市圏連携

知事発表:中央新幹線南アルプストンネル工事、第12回マニフェスト大賞優秀賞受賞、エアソウル就航一周年記念式典、2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定

(知事)

 はい。今日の花は、黄色がバラ、薄いピンクがトルコギキョウ、そして白がワックスフラワーでございます。

 私の発表項目は四つであります。

【中央新幹線南アルプストンネル工事】

 最初はですね、中央新幹線の建設に係る南アルプストンネル工事についてであります。

 リニア中央新幹線整備に伴う大井川の流量減少問題に対しまして、現在、水資源の保全に関する協定について調整が行われておりますが、リニア中央新幹線について、改めて申し上げたいことがございます。

 私は、かねてよりリニア中央新幹線は重要な事業と認識いたしております。もともと、これを推進する委員を務めたこともございました。さて、そうした中で、計画が明らかになった時点で、これは平成23年の春のことでございましたけれども、その年の内に2度も現場に入りまして、発生土置き場などにつきまして、いろんな情報をJR東海などにも差し上げたりして、静岡県として積極的に歓迎する意見を述べるなど、誠意を示してまいりました。

 しかし、不明にして私が分からなかった、気付いていなかったことが明らかになりました。それは県議会をはじめ、各方面から出された水問題であります。水問題を中心に多くの課題についてご指摘を頂き、JR東海に対してトンネル湧水の全量戻しなどを求めてまいったところであります。現時点で、これに対するJR東海からの誠意ある回答はまいっておりません。平成23年、今、平成29年でございますので、丸6年以上経過しているということであります。

 この工事では、何本ものトンネルを掘られます。当然、大井川の流量が減ります。これが一番大きい問題ですね。第二には、残土を南アルプスに処分するということです。第三に地形が改変されます。第四に生態系が壊れます。こうした問題がございます中で、JR東海は、トンネルが掘られることによる水問題につきまして、全量を戻すと明言されていないわけであります。利水団体が求める水の確保について、JR東海が約束をして水を戻すのは当たり前のことであります。

 また、県内には既存の東海道新幹線が走ってるのはご承知のとおりで、これはJR東海道(新幹線)、東京と大阪を結ぶわけでありますが、全走行距離のおおむね3分の1が通っています。本県は、JR東海にとって重要な経営基盤であります。にも関わらず、しっかりとした説明がないまま、ルートが設定され、静岡県にとっては全くメリットがありません。

 この水問題に関しましても、具体的な対応を示すこともなく、静岡県民に対して誠意を示すといった姿勢がないということに対し、心から憤っております。

 現時点では、JR東海への協力は難しいと言わねばなりません。リニア中央新幹線工事に先行して、静岡県民に、例えばこの工事によって、どのような地域振興なり、地域へのメリットがあるのかといったことについて、基本的な考え方もないまま、勝手にトンネルを掘りなさんなということでございます。厳重に抗議を申し上げ、その姿勢に対して猛省を促したいと思っております。

【第12回マニフェスト大賞優秀賞受賞】

 二つ目の発表項目でありますが、第12回を数えます、マニフェスト大賞優秀賞の発表についてであります。

 去る10月5日木曜日、第12回マニフェスト大賞の優秀賞が発表されました。主催者から、静岡県知事が「マニフェスト推進賞」の「首長部門」の優秀賞に選出されたとのご連絡を頂きました。

 マニフェスト大賞は、早稲田大学マニフェスト研究所を中心とする実行委員会が、毎年実施いたしております。政策本位の政治、生活者起点の政策を推進するために、地方自治体の首長や地域主権を支える市民の活動等を表彰されているものであります。

 本年は、過去最多の応募がありました。その件数は2597件とお聞きしております。その中から38件が優秀賞として選出されました。2597分の38件でありますから、これはパーセンテージに直しますと1.46%、2%にも満たないものであります。この38件の優秀賞の内訳のうち、何と本県関係が6件も選ばれております。38分の6ですから、6分の1弱が本県で占められるということでありまして、これはもちろん全国最多であります。

 また、「マニフェスト推進賞」の「首長部門」には、県知事の他、藤枝の北村市長さん、小山町の込山町長さんが選ばれております。6件のうち半分が静岡県勢で占められたということでございます。また、「市民部門」には、6月の知事選挙に際し、公開討論会を開催なさいました「若者による静岡県知事選公開討論実行委員会」、また、「成果賞」には、「富士市ユニバーサル就労検討チーム」、「シティズンシップ推進賞」には、「伊豆市選挙管理委員会」が選ばれました。

 これは、静岡県また静岡県下の市町をはじめ、地域主権を支える県民・市民が一体となって進めてきた取り組みが、全国的に極めて高く評価されたということでございます。大変喜ばしく、誇らしい結果であると考えております。

 私自身は、平成24年度の第7回マニフェスト大賞を受賞いたしました。再度、評価をいただいたことを誠に光栄に思っております。今回の受賞は、静岡県政に対する評価であり、職員はもとより、県政に関わる大勢の方々の地道な努力が認められたものと受け止めております。ご同慶の至りであります。これを励みとして、本年度、次期総合計画を策定し、「美しい富士(ふじ)の国(くに)」静岡県の実現にまい進していこうという気持ちを新たにしたところであります。県民の皆さまのご支援、ご協力を賜りますように改めてお願いを申し上げます。

【エアソウル就航一周年記念式典】

 三つ目の発表項目でございますが、エアソウルの就航一周年記念式典についてであります。

 エアソウルが昨年10月に静岡ソウル線をアシアナ航空から引き継がれまして就航して、おかげさまで一周年を迎えることになります。これを記念した式典が、今週13日、10月13日金曜日でありますが、エアソウルの柳(リュ)社長も参列いただきまして、空港で開催されることになりました。

 エアソウルは、就航時には週5便、今年7月からは週6便に増便していただきまして、さらに12月24日、クリスマスプレゼントとして、デイリー運行を決定されることになったとのことでありまして、大変感謝しております。静岡ソウル線のデイリー運行復活は、平成25年の秋以降、約4年ぶりということでございまして、多くの県民が待ち望まれていたことと存じます。

 式典当日は、就航一周年に加え、デイリー運行の決定を祝います。そして、利用者の皆さまへの記念品の配布などを実施いたします。今後とも、静岡ソウル線の利用促進に、エアソウルと連携いたしまして取り組んでまいります。

【2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定】

 最後の発表項目でございますが、2020東京パラリンピック「ふじのくに」スポーツ推進事業指定強化選手の決定についてであります。

 県ではこれまで、障害者アスリートに対しまして、国際大会などに参加する遠征費用などへの助成はしてまいりましたが、今年度から、新たな取り組みとして、競技活動に安心して集中していただき、競技力を伸ばしていくことができるように、平成28年度の約10倍の予算を計上いたしました。オリンピックアスリートと同様の助成制度を創設したのはご案内のとおりであります。県は指定強化選手に対しまして、アスリートなどのご要望も取り入れながら、各種大会に参加するための旅費、用具などの備品購入など、選手活動において必要となる経費について助成を行います。

 障害者スポーツの専門家から成る選定委員会で、指定強化選手候補をご選考いただきまして、県に推薦されました21名を指定強化選手として、皆さまのお手元にございます一覧表のとおり決定をしたところであります。

 先日のロンドン世界パラ陸上選手権では2冠の佐藤友祈(さとうともき)選手、また山本篤(やまもとあつし)選手、昨年のリオパラリンピックでボッチャ団体に銀メダルをもたらした杉村英孝(すぎむらひでたか)選手などは、皆さまもよくご存知の選手であります。その他、ボッチャの渡邉湧太(わたなべゆうた)選手は中学3年生です。自転車の福井万葉(ふくいかずは)選手は高校2年生であります。こうした若い選手も支援いたします。

 リオパラリンピックでは日本が獲得した24個のメダルのうち7個が本県関係の選手によって獲得されました。これまでも世界クラスの実績を残しており、リオパラリンピックに出場した12名の選手には、障害者スポーツ応援隊として、特別支援学校での指導など、障害者スポーツの普及と振興にご協力いただいているところであります。

 今回指定された21名の選手が、3年後の東京パラリンピックで活躍することを大いに期待し、楽しみにしているところであります。

 私の発表は以上であります。




幹事社質問(記者質問):中央新幹線南アルプストンネル工事

(幹事社)

 ありがとうございます。ただ今の発表項目についてご質問させてください。

 一番最初の発表になりますが、JR東海が水量問題について具体的な対応が示されてないということで、抗議を促すとおっしゃっていましたが、これはどのような形でJRにお伝えをする予定でしょうか。

(知事)

 今日のこの抗議が明確な発表であり、JR東海にしっかりとお伝え願いたいと存じます。

(幹事社)

 知事からJRに対して、例えば抗議文を渡すとかというわけではない?

(知事)

 そうですね。ともかく、静岡県には何のメリットも目下のところないと。一体どういうお気持ちで工事をされているつもりなのかと。もともと、東京から愛知を経て大阪に至るルート、その中に静岡県は入っていなかったのです。東京、そして神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知それぞれにつきまして、さまざまな協議がなされておりまして、私も一時期、長野県の代表の学者として参加していたこともありますけれども、そのときに一度として静岡県の名前が出たことはありません。当初、この工事を進めるに当たりまして、JR東海は、各県に一つの駅を造るというふうに言われていました。ただし、駅を造るについてはそれなりの県の負担も要求せられていたのでありますが、特に長野県の厳しいルートについてのご意見などで大変な反目を買いまして、なかなかルートが決まらないといったときに、駅もまたJR東海さんご自身で造られるといったことで、そうしたメリットが各県に申し出られまして、そうして今回の工事に入るということになったわけでありますね。しかしながら、平成23年の交通政策審議会中央新幹線小委員会におきまして、突然ルートが発表されまして、そこの中に静岡は10キロ余りかすめるということがございまして、私も驚き、多くの人が驚かれたわけでありますが、その時には、2027年にこれが完成したときには、既存の新幹線に駅を、これは具体的には空港の下に駅を造るということだと、その小委員会の委員長の家田先生から私は承りましたけれども、そうしたことが一つのメリットかなと思っていたわけであります。しかし、これはメリットというよりもですね、トンネルを掘るということがもたらすデメリット、デメリットしかないんですね。何のメリットもありません。リニアそれ自体については。こうしたことについて、反省の弁もない、説明もないと。ただただ流量が減っても戻すからと、その戻すのも全量戻すと約束しないと。そして6年たって、この4月には協定を結ぶと言っていたのも伸ばし伸ばしにして今日に至っていると。この態度はけしからんというふうに思っているところであります。

(幹事社)

 6年たってということですが、今回のこのタイミングで訴えるというのは、何かきっかけがあったとか理由があったんでしょうか。

(知事)

 そうですね。リニア新幹線というのは国家的な、言ってみればインフラストラクチャーとして、国も深く関与されているわけですね。そして、リニア新幹線のルートが発表された後に、オリンピックが東京で開催されるということも決まったわけです。そうしたことと、リニア新幹線を日本における世界的なスポーツの祭典にどう生かしていくかということについて、何の言及もありませんね。これは1964年に日本でオリンピックが初めて開催されたのは10月10日のことでしたけれども、既存の新幹線の開通は10月1日でした。言うまでもなく、この既存の新幹線をオリンピックにお越しになる方々に乗っていただいて、また日本の技術の高さを世界の人々に知らしめるという目的があって、オリンピックの開会日に間に合わせる形で、技術者が必死で造ったわけですね。その結果、日本のイメージ、富士山、桜、芸者という三大セットがあったわけですけれども、これが桜吹雪の中で富士山を借景にして新幹線が疾駆するというイメージに変わり、技術の国としての日本というのが戦後世界の中に登場したということでございます。それに当たるのが今回はリニアだと思うんですけれども、リニアと東京オリンピック・パラリンピックに関わる国家的な戦略が示されてないというのもございまして、少し考え直したらどうかという意味合いを持っております。

(幹事社)

 ありがとうございます。発表項目について質問のある社はお願いします。

(記者)

 まずリニアの関係で、水の利水者との協定を検討しているというふうに聞いているんですけども、当初は4月中というふうに回答を求めていたと思いますが、現在、その協議はどのような状況になっているんでしょうか。

(知事)

 この協議の詰めが行われているんですけど、そもそも極めて傲慢(ごうまん)な態度で臨まれているという認識を持っております。あたかも、水は一部戻してやるから、ともかく工事をさせろという、そういう態度であるということで、私の堪忍袋の緒が切れました。

 協定を結ぶということによって工事が進むってことなんですが、工事によって何のメリットもありません。むしろ水が減るという現実を作り出すということ以外にないわけです。この時点で全量戻せるかどうかも分かりません。つまり何が起こるか分からないまま工事を始めるということなんですね。言い換えると、全てデメリットしかないということで、この工事を静岡県下ですることに対し、断固猛省を求めたいと、考え直せということです。

(記者)

 今の点で、このままでいきますと協定が結べるような状況ではないというふうに知事は思ってらっしゃると。

(知事)

 そうですね。協定を結んで何をするかといえば、流量を戻せということですね。そんなこと当たり前のことです。そもそも協定を結ぶべき筋のものではなくて、それを前提にして工事に入って、どのようなメリットをもたらすかということについての協定を結ぶというのが筋で、はじめからデメリットをもたらすような工事の協定を結べというのは、こちらの静岡県の関係者の皆さま方がおとなしいのをいいことに、この傲慢(ごうまん)な態度をとり続けられて、しかもこの6年間、不誠実にわれわれに対処されてこられたということに対しまして、じーっと我慢しておったんですけれども、さすがに半年たちまして、これはおかしいということで、今日申し上げたということでございます。




幹事社質問(記者質問):中央新幹線南アルプストンネル工事

(記者)

 同じことでもう1点あるんですけども、知事が一番初めにおっしゃった内容の中で、地域貢献の考え方ということが一つと、あと水の流量減少への対応という二つの点があったと思うんですけども、知事はそのどちらに対しても回答を求めていると、そういうことでよろしいでしょうか。

(知事)

 当然です。もともとリニア新幹線というのは大きな工事なので、地域の協力がなければできません。その地域の協力は、地域に対する貢献をするということと合わせて協力を得るということであったわけですが、うちの協力はデメリットになることについて協力をしろということですね。そういうことで、協力というものが値しないということで、まずは一体県のために何をJR東海はなさろうとしてるのか、それも提示ないまま、工事に入らせろと、入ったときには流量は戻すと、ただし全量かどうかは分からないと、これでずーっとですね、この間6年間を経過したということに対し、改めて原点に立ち返って、誰のためのJR東海のリニア新幹線なのかと。370万人の何のメリットもないリニア新幹線など静岡県には要らないんです。そういう態度です。

(記者)

 最後に、回答の期限などについて何かお考えはありますでしょうか。

(知事)

 取りあえず、今回、明確に態度を申し上げまして、私はリニア新幹線に大きく貢献する一人を任じていたわけですね。そのために、何か私に対する甘えもあったかと存じます。一度、あるときには、トップの方からリニア新幹線に対する理解と、私自身、土捨て場を見に行ったり、ルートを見に行ったり、その間でどういうことが静岡県としてできるかという、JR東海に対する厚意しか示してこなかったんですね。従って、相当の甘えというか、誤解もあるかと存じまして、今回、折に触れては申し上げてきたわけですけども、そうした甘えをお持ちになってるのは、基本的に誤りですと。今は流量の問題、水の問題が最優先であると、アルファアンドオメガであると、こうした問題をそもそももたらすような工事をして、何のメリットがあるかと、国民に対して。そういう観点ですね。

(記者)

 関連してなんですけれども、今のお話を聞く限りですと、流量全量を保全するという約束をJR東海がしてくれない限りは計画には断固反対であるという理解でよろしいでしょうか。

(知事)

 そういった理解でもよろしいですし、そもそも流量全量を戻すということを約束すること自体もなかなか無謀なことです。どういうことが起こるか分からないわけですから。

 ですから、こうした中で全量を戻す努力をすると。そんなこと当たり前のことでですね、工事に入らせろと。起こることは流量の減少です。水脈の変更です。地質の改変です。生態系の破壊です。環境の破壊です。この間に南アルプスはエコパークになりました。従って、手をつけては相成らぬということこそもう一度考え直すべき視点であろうと思っておりまして、ですから、現行のこのルートは恐らく鉛筆をなめながら一番近いルートをJR東海さんがお決めになったというふうに見ております。しかしこれがものすごい犠牲を伴った形でなされるということで、その犠牲の全てが本県の大井川を利用する方、南アルプスを愛する方々の犠牲においてなされるというのは国民に対する冒瀆(ぼうとく)であるということで、許さないということです。

(記者)

 繰り返しになるかもしれないけれども、JR東海が今後工事を進めていくために逆にどうしてくれれば、知事はそれをオーケーを出すというふうに言えるでしょうか。

(知事)

 誠意を示すことが大事だと思っております。

(記者)

 具体的には?

(知事)

 それは向こうがお決めになることでしょう。これまでは不誠実そのものであると思っております。

(記者)

 まあ一応計画を進めるに当たって、知事の認可みたいなものは必ずしも必要ではないわけであって、無理やり進めることもできなくはないと思うんですけれども、今後の展開によっては、例えば司法の場に訴えるとか、そういうことも考えてらっしゃいますか。

(知事)

 いろんな措置が考えられるんじゃありませんか?流量が減ればですね、これは命の問題、産業の問題、生活の問題に関わってきますので、当然こうしたことは覚悟されねばならないと、相手側がですね、そう思っています。

(記者)

 関連した質問なんですが、直近でJR東海さん、リニア関係の方と知事はお話をされて、こういったお考えに至ったんでしょうか。

(知事)

 リニア関係については、この間、そうですね。一度は社長さんもお見えになったこともあります。大分前のことですね。それからまた、会長さんもお見えになったこともあります。これも大分前のことですけれども。折に触れて私の考えを申し上げてましたけれども、まあ今回協定ということで具体的な工程表も決められて争点が明確になった。水の問題、流量の問題、環境の問題であるということでですね、こうしたことについてはこれまで話してはいませんでした。

(記者)

 工程表などが出てから、この期間中に話は、直接知事室に来られたりとか別の場所で会われたりということはないんですか。

(知事)

 これは担当者と言いますか、水関係者ですね、この方たちがJR東海の関係者と丁々発止の議論をされているので、それを見守っていたということでございます。

(記者)

 その経過を担当の方から聞かれて、そのようなご判断になられて?

(知事)

 その経過をずうっと丹念に見ておりました。

(記者)

 ありがとうございます。

(知事)

 まあこのことが今回の選挙戦でも誰一人言おうとしないということも不思議な感じをしております。それが今回、今日から選挙に入りましたので、誰もそれを言わないということの不思議を持っています。オリンピックが来る、日本の技術がそこにある。それについての関係を誰も言わないというのは不思議な感じがします。




幹事社質問:衆議院選挙、三大都市圏連携

(幹事社)

 他に各社さん質問はありますか?ないので幹事社質問に入りたいと思います。

 今日、衆院選が公示されました。今回の選挙の構図や争点について、川勝知事の考えをお聞かせ願います。また、特定の党派を応援に出ることはないとの姿勢に変わりはありませんかという質問と、もう一つ質問がございます。

 愛知県の大村知事が今月2日の記者会見で、小池都知事、松井府知事と合意した三大都市圏の連携に、川勝知事も参加するよう呼び掛ける考えを示されました。その後、大村知事からの呼び掛けはありましたでしょうか?また、連携について、改めて川勝知事のお考えをお願いします。

(知事)

【衆議院選挙】

 今日は選挙の公示日ということに相成りまして、皆さま大変お疲れの顔をされてる。この間皆さま方、新聞記者の方々が、いかに大変かというのは目の当たりにしているところであります。

 さて、選挙の争点ということでございますけれども、これは何と言いましても、安倍総理と小池都知事さん、このお二人が主役ですね。そして、この二人、一人はこの10月の20日過ぎに選挙に打って出ると言われた。これは、民進党のごたごたの隙を突いて、選挙で勝つという攻め込みだったわけですね。一方、小池都知事は、それを受けて希望の党をつくったわけです。結果的に、民進党に関して創造的破壊という、そういう帰結を生んでいるなと思っております。民進党は自己再生能力をなくしていました。そうした中で、この安倍、小池コンビが打ったそれぞれの総選挙、希望の党によってですね、現在の社会党は社民党になって風前のともしびのような状況になっておりますけれども、民進党の中にあった旧来の社会党系の健全な立憲主義というのが分裂する形で一つにまとまったと、もう一つそれ以外の方たちが希望の党にまとまり、若干それにも入らない方たちが出ているということで、民進党は創造的に破壊されたというふうに見ておりまして、このおかげで争点が明確になったわけであります。小池さんを取るか、安倍さんを取るかということじゃないでしょうか。

 しかしながら、来年は1868年の明治維新から、ちょうど数えて150年ということですね。この間、明治、大正、昭和前期というのは戦前の憲法下で、この国の富国強兵策が功を奏しまして、軍事大国になったわけですね。結果的にはすさまじい犠牲を払ったということで、戦後、新しい民主主義の下で経済立国という形で突き進んできたわけですね。そのベースにあったのが、軍事に対してお金を使わないという戦後の憲法であったと思っております。こうしたことを踏まえますと、この明治150周年という時期に、明治以降の日本の近代に対して、国家ビジョンを持って争点とする政党がないのを憂いています。

 例えば、憲法については、一つだけ出ているのは、希望の党で党首討論の中で出てきたものでありますけれども、憲法第8章、つまり地方自治についてこれを強化すべきだと、要するに地方分権、地方主権ということですが、脱中央集権というところまで言ってませんね。東京時代というものについての集約も総括もありませんね。ですから、いわゆる国家ビジョンというものがないまま、目下そこにある危機だという北朝鮮の危機をあおる方と、それから、この人は国民の信望を失っているというそういう人との争いになっておりまして、それは、あまり国にとっては有益ではないと思いますが、いずれにしましても、これが大きな国家ビジョンに関わる政党のビジョンの戦いみたいになってないのが、国にとっては残念なことですね。それから先ほどの、例えば2020年のオリンピック・パラリンピックを前にして、日本という国の技術力をどう見せるかということは、今大きなチャンスが巡って来ているわけでありますが、たくさんの人に来ていただいて観光、あるいは日本の文化を世界の方々に発信しようというのはいいんですけれども、何と言っても東京から名古屋に向けてですね、リニア新幹線、これスーパーメガリージョンという言葉で国交省も言っているわけですけれども、こうしたものとの関わりを誰も言わないと、皆、目先の票を獲得することにきゅうきゅうとされているということでですね、例えばリニア新幹線をどう生かすかといったようなことについて、これも2027年にならないと出来ないわけですけれども、どういう形でリニア新幹線の最高の技術ですね、空飛ぶ新幹線ですから、こうしたものをオリンピック・パラリンピックのためにお越しになられる数千万の外国人の方々に対して見せるかといったようなことについてもありませんね。

 それから、先ほど申しました繰り返しになりますけれども、やはり脱中央集権ということが今の希望の党他、国民主権などと言われているところに孕まれている議論ではないかと思うんですけれども、それが政策にまで立ち上がっていっていないということを残念に思っています。

 どこかの党派に応援に出ることがないかというご質問ですけれども、これまでも一度もそういうことをしていません。ただ私も選挙中ですね、そのときにたまたま一緒になった方と応援をするということがありましたけれども、市長選、あるいは県議選、市議選、町長選どれにも関わったことはありませんし、県外の選挙にも関わったことは一度もありません。同じ姿勢であります。

【三大都市圏連携】

 それから、二つ目の三大都市圏連携について、大村さんから連絡があったかということですが、ありました。まだ9月の中旬頃だったと思いますけれども、大村知事から連絡がありまして、9月30日に東海連合に関わるシンポジウムをするので、その発起人になってくれないかというお電話がありまして、喜んでなるというふうに言ったわけですが、実際は、まさか解散をなされるというふうに思っておられなかったので、このシンポジウムは流れたわけであります。

 それから、河村市長さんからも同じ時期、9月中旬に連絡がありまして、ぜひ会いたいということで、お目にかかりました。9月26日頃で、そのときは河村さんがこちらにお越しになるということで、ご一緒に食事をしながら歓談をしたということがございました。

 大村さんと河村市長さん、必ずしも連携がうまくいっていないなという印象を持った次第です。今回、三都連合ということで、小池さん、大村さん、松井さんが一緒に、9月30日に会われたわけですが、その直後に今度は大村さんから連絡がございまして、3人で話し合ったときに、誰か他に連携する人がいないかということで、大村さんの方から川勝の名を挙げられたそうです。そうしたら小池さんが、それはとてもいいということなので、ぜひお考え願いたいという留守電が入っていました。

 それに対して返事はしていません。連携についてということですけれども、やはり私どもとしては神奈川と山梨と長野と愛知県と接しているわけですね。そういう連携の動きは、東海地域として三遠南信で進んでおりますので、この連携をですね、これ選挙運動ではありませんけれども、地域自治の増進に役立っていると、県境を越えた連携ですから。こうしたものについて、真剣に考えるということについては賛成ですし、また、富士、箱根、伊豆という観光立県、三県が一緒にやっていますけれども、こうしたところで、これが政治的な連携になっていけばいいと思うんですけれども。これは目下のところは観光にとどまっていますからね。そうしたところでの動きがないということで、まだ地域連携というものはうまくいっていないなと。三都連合についても、大村さんと河村さんがご一緒に応援に出られるというのは、ちょっと考えにくいようなお二人の関係のように思っております。

 私はそこに一緒に加わるようなことはありません。




幹事社質問:三大都市圏連携

(幹事社)

 ありがとうございます。先ほどですね、返事はまだされてないということでしたが、大村知事に対しての返事はされていないということでしたが、今後回答する予定はありますでしょうか。

(知事)

 そうですね。大村さんと東海連合をやりたいと思っていますけれども、河村さんとの連携も大事だと思っておりまして、まず中京都構想で二人仲良く立ち上げられたと思ったんですけれども、それがどうもうまく進んでいないようですね。私としましては、大阪都構想をお持ちの松井知事さんが、これは法律上の人口200万人以上の政令市のところで成り立つ特別区設置を許可する法律ですね。これを、政令指定都市と県庁所在地が、あるいは府庁所在地が一致しているところにおいては、そういう選択肢を持てるようにするというような動きを、例えば松井知事さんがなさればですね、私としてはこれを一緒にやりたいと思っているわけです。もともと橋下知事さんのときにそれが僅差でできなかったわけですが、その後、コメントを求められまして、この形がいいと、特に静岡県は、浜松市と静岡市が大きな面積を持つ政令市になっているわけですね。

 大きな面積を持つということは、基礎自治体として難しいですよ。県のような大きな権限を、小さな人口でやるというのは難しいのでね、特別区のようなものを設置した方がいいというふうに私は思っているんですけれども、こうしたことについて、せっかく法律があるので若干の字句を加えるだけでですね、大都市の特別区設置法というのが15市ほどの、上から札幌、仙台、千葉、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、岡山、福岡、熊本などは、そういうところで選択肢になるんですね。ですから、私はそういう動きを大阪中心主義ではなくて、政令市が持っている問題について一番大きな問題を取り上げられたのが大阪でしたからね。従って、そういう同じ問題について非常に関心を持っている県知事、あるいは市長さんがいるということをですね、勘案していただければ、相当その連携も広がりを見せるんじゃないかとは思っておりますが、今のところそういう動きはありませんね。

(幹事社)

 ありがとうございます。幹事社質問に対して、関連の質問のある方はお願いします。

 それ以外の他の内容について質問のある社がございましたらお願いします。質問がございませんので、これで。




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