(知事)
今日の花はですね、オレンジがピンクッションという花でございます。黄色はひまわり、赤はヒペリカム、緑がトウガラシ、トウガラシも観葉植物なんですね。これはモンステラ、これはアレカヤシでございます。
【南アルプス自然環境有識者会議の設置】
発表項目は、今日は4点ございます。まず、南アルプス自然環境有識者会議を設置したことについてであります。
南アルプスにおける生物多様性の重要性を再認識して、リニア中央新幹線トンネル工事が南アルプスの自然環境や大井川水系の水資源に及ぼす影響を明らかにするために、「南アルプス自然環境有識者会議」を設置いたしまして、県内外の自然環境、地質、水資源に関する有識者10名の方々にご就任をいただきました。
この有識者会議は、生物多様性部会と、地質構造・水資源部会の二つの部会で構成されておりまして、本日午前中に、第1回会議を開催いたしました。
全体会議におきまして、私から委員の皆さまに対しまして、県民の皆さまにとって不可欠な財産である南アルプスの自然環境と大井川の水資源が、リニア中央新幹線工事によって生じる影響を回避していくための具体策について学術的な見地からご意見を賜るよう、お願い申し上げたところであります。
本年度中に、各部会を今回も含めて3回程度開催いたしまして、南アルプスの貴重な自然環境や大井川水系の水資源を保全していくための報告をとりまとめていただく予定でございます。
この二つの部会につきましては、地質構造・水資源部会は、皆さまにオープンで行われました。流域内の水に関する基本的な考え方として、表を流れる水ですね、これは、流域内で使うのが世界的に見ても大前提で、水循環基本法でも水循環の基本は流域単位となっていると。環境の維持を考えることが不可欠だというご意見が出たり、あるいは、トンネル工事に伴う課題として、必要に応じてポンプアップするというやり方は、不誠実な対応であるとか、また、長年の間たまっていた地下水というのは、一気に噴出して水源となるべき地下水がなくなると、今度はそれが埋め合わされることはない、というようなご意見、さらにまた、工法、工程、データ等をしっかり公開して、事業者が影響について判断するのではなくて、科学的な議論をすべきであるといったご意見もいただいたと報告を受けております。
生物多様性部会は、レッドデータブックに載っているものもございますので、生物保護の観点から、クローズドなセッションになりましたけれども、これまで大きな開発の影響を受けてこなかった分、大規模な開発による影響を受けやすいというご意見がございまして、作業員がたくさん入り込みますから、その生活排水等が貴重な水生生物や魚類に与える悪い影響は大きいと考えられるといった意見、あるいは大井川については、非常に特徴的なドロノキという河岸林、林がございますけれども、こうしたものの植生が変化しかねないと、全体の生態系が守られることが重要だといったような活発な意見が出されたというふうに報告を受けております。
【ラグビーワールドカップ2019ファンゾーンin静岡県の開催場所の承認】
二つ目のラグビーワールドカップ2019ファンゾーン、静岡県におけるファンゾーンの開催場所が承認されました。
ラグビーワールドカップ2019の大会期間中、日本代表戦ならびにエコパスタジアムでの試合開催日に、ファンゾーンとして、パブリックビューイングや飲食物の提供、ラグビーの普及活動を行うイベントスペースが設けられます。
本県の会場は、このたび、大会運営機関であるラグビーワールドカップリミテッドに承認されて、静岡市におきましては『駿府城公園』、浜松市におきましては『ソラモとえんてつホール』の計2カ所が会場として選定されました。
浜松市は、当初、『浜松城公園』を候補地として申請されていたんですけれども、ラグビーワールドカップリミテッドとの調整の結果、『ソラモおよびえんてつホール』に変更となったということでございます。
ファンゾーンというのは、チケットを持っていない人でもパブリックビューイング等で大会の感動と熱気を共有することができます。誰もが気軽に集って、ラグビーを楽しむことのできるイベントスペースで、国内外から訪れるラグビーファンと市民との交流の場になります。地域全体のにぎわいの創出や地域の活性化にもつながる重要な場所であります。
今回の「ファンゾーン」の承認を受けまして、スタジアムの中だけでなくて、ファンゾーンにおきましても、国内外のラグビーファンに本県の魅力を発信し、世界最高峰のラグビーの祭典を多くの人が楽しめるよう、今後、静岡市と浜松市と連携いたしまして、具体的な実施内容を検討してまいります。
【オリンピック・パラリンピック文化プログラムに係る認証制度の開始】
三つ目の発表項目でありますが、オリンピック・パラリンピック文化プログラムに関わる認証制度の開始についてであります。
オリンピック・パラリンピックは、オリンピック憲章に定められているとおり、「スポーツの祭典」であると同時に「文化の祭典」であります。開催国には、音楽、演劇、美術等、文化プログラムの実施が求められております。
2020年の東京大会につきましては、今から6年前の秋の全国知事会議で私が提言し、日本全国で「文化プログラム」を展開する方針が採択されました。
大会組織委員会および内閣官房では、日本全国で文化プログラムの認知度の向上を図るため、一定の要件を満たした文化事業を「東京2020参画プログラム」、あるいは「beyond2020プログラム」として認証しております。
本県は他県に先駆けまして、2016年に静岡県文化プログラム推進委員会を立ち上げて、さまざまな取り組みを進めてまいっておりますけれども、このたび、オール静岡としての一体感や統一感を醸成するため、本県独自の「静岡県文化プログラム認証制度」を設けました。
認証した文化事業等につきましては、静岡県の頭文字「S」、あるいは富士山、駿河湾等の地形をモチーフに作成した、本県独自のシンボルマークを使用していただくとともに、専門家による相談の対応、情報発信等の支援を行うこととしております。
また、国と歩調を合わせるため、文化プログラムの推進を図るために、7月27日、二週間ほど前に、本県は「beyond2020プログラム」の認証組織となりました。県内の団体は県への申請をもってbeyond2020プログラムの認証を得ることができるようになりました。
今後、本県の認証、またbeyond2020プログラムの認証等、複数の認証をお持ちいただくことも問題ないわけでありますが、こうした認証等を活用していただいて、本県で実施される多くの文化プログラムを積極的にPRしてまいります。
ちなみに、2012年のロンドン大会におきましては、イギリス全土で約12万件もの文化プログラムが実施されまして、観光や地域振興等で大きな効果を生んだことは知られています。2020東京オリンピックまたパラリンピックに向けまして、県内各地域で多彩な文化プログラムを展開することによりまして、本県の文化的魅力を高め、国内外から多くの方々に本県を訪れていただきたいと考えているところであります。 |