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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2018年8月8日(水)

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知事記者会見

2018年8月8日(水)


知事発表:南アルプス自然環境有識者会議の設置、ラグビーワールドカップ2019ファンゾーンin静岡県の開催場所の承認、オリンピック・パラリンピック文化プログラムに係る認証制度の開始
知事発表:モンゴル訪問の成果
記者質問:南アルプス自然環境有識者会議の設置
幹事社質問:駿河湾フェリー、夏休みの予定、中央新幹線
幹事社質問(記者質問):中央新幹線
幹事社質問(記者質問):駿河湾フェリー、中央新幹線

知事発表:南アルプス自然環境有識者会議の設置、ラグビーワールドカップ2019ファンゾーンin静岡県の開催場所の承認、オリンピック・パラリンピック文化プログラムに係る認証制度の開始

(知事)

 今日の花はですね、オレンジがピンクッションという花でございます。黄色はひまわり、赤はヒペリカム、緑がトウガラシ、トウガラシも観葉植物なんですね。これはモンステラ、これはアレカヤシでございます。

南アルプス自然環境有識者会議の設置】 

 発表項目は、今日は4点ございます。まず、南アルプス自然環境有識者会議を設置したことについてであります。

 南アルプスにおける生物多様性の重要性を再認識して、リニア中央新幹線トンネル工事が南アルプスの自然環境や大井川水系の水資源に及ぼす影響を明らかにするために、「南アルプス自然環境有識者会議」を設置いたしまして、県内外の自然環境、地質、水資源に関する有識者10名の方々にご就任をいただきました。

 この有識者会議は、生物多様性部会と、地質構造・水資源部会の二つの部会で構成されておりまして、本日午前中に、第1回会議を開催いたしました。

 全体会議におきまして、私から委員の皆さまに対しまして、県民の皆さまにとって不可欠な財産である南アルプスの自然環境と大井川の水資源が、リニア中央新幹線工事によって生じる影響を回避していくための具体策について学術的な見地からご意見を賜るよう、お願い申し上げたところであります。

 本年度中に、各部会を今回も含めて3回程度開催いたしまして、南アルプスの貴重な自然環境や大井川水系の水資源を保全していくための報告をとりまとめていただく予定でございます。

 この二つの部会につきましては、地質構造・水資源部会は、皆さまにオープンで行われました。流域内の水に関する基本的な考え方として、表を流れる水ですね、これは、流域内で使うのが世界的に見ても大前提で、水循環基本法でも水循環の基本は流域単位となっていると。環境の維持を考えることが不可欠だというご意見が出たり、あるいは、トンネル工事に伴う課題として、必要に応じてポンプアップするというやり方は、不誠実な対応であるとか、また、長年の間たまっていた地下水というのは、一気に噴出して水源となるべき地下水がなくなると、今度はそれが埋め合わされることはない、というようなご意見、さらにまた、工法、工程、データ等をしっかり公開して、事業者が影響について判断するのではなくて、科学的な議論をすべきであるといったご意見もいただいたと報告を受けております。

 生物多様性部会は、レッドデータブックに載っているものもございますので、生物保護の観点から、クローズドなセッションになりましたけれども、これまで大きな開発の影響を受けてこなかった分、大規模な開発による影響を受けやすいというご意見がございまして、作業員がたくさん入り込みますから、その生活排水等が貴重な水生生物や魚類に与える悪い影響は大きいと考えられるといった意見、あるいは大井川については、非常に特徴的なドロノキという河岸林、林がございますけれども、こうしたものの植生が変化しかねないと、全体の生態系が守られることが重要だといったような活発な意見が出されたというふうに報告を受けております。

ラグビーワールドカップ2019ファンゾーンin静岡県の開催場所の承認

 二つ目のラグビーワールドカップ2019ファンゾーン、静岡県におけるファンゾーンの開催場所が承認されました。

 ラグビーワールドカップ2019の大会期間中、日本代表戦ならびにエコパスタジアムでの試合開催日に、ファンゾーンとして、パブリックビューイングや飲食物の提供、ラグビーの普及活動を行うイベントスペースが設けられます。

 本県の会場は、このたび、大会運営機関であるラグビーワールドカップリミテッドに承認されて、静岡市におきましては『駿府城公園』、浜松市におきましては『ソラモとえんてつホール』の計2カ所が会場として選定されました。

 浜松市は、当初、『浜松城公園』を候補地として申請されていたんですけれども、ラグビーワールドカップリミテッドとの調整の結果、『ソラモおよびえんてつホール』に変更となったということでございます。

 ファンゾーンというのは、チケットを持っていない人でもパブリックビューイング等で大会の感動と熱気を共有することができます。誰もが気軽に集って、ラグビーを楽しむことのできるイベントスペースで、国内外から訪れるラグビーファンと市民との交流の場になります。地域全体のにぎわいの創出や地域の活性化にもつながる重要な場所であります。

 今回の「ファンゾーン」の承認を受けまして、スタジアムの中だけでなくて、ファンゾーンにおきましても、国内外のラグビーファンに本県の魅力を発信し、世界最高峰のラグビーの祭典を多くの人が楽しめるよう、今後、静岡市と浜松市と連携いたしまして、具体的な実施内容を検討してまいります。

オリンピック・パラリンピック文化プログラムに係る認証制度の開始

 三つ目の発表項目でありますが、オリンピック・パラリンピック文化プログラムに関わる認証制度の開始についてであります。

 オリンピック・パラリンピックは、オリンピック憲章に定められているとおり、「スポーツの祭典」であると同時に「文化の祭典」であります。開催国には、音楽、演劇、美術等、文化プログラムの実施が求められております。

 2020年の東京大会につきましては、今から6年前の秋の全国知事会議で私が提言し、日本全国で「文化プログラム」を展開する方針が採択されました。

 大会組織委員会および内閣官房では、日本全国で文化プログラムの認知度の向上を図るため、一定の要件を満たした文化事業を「東京2020参画プログラム」、あるいは「beyond2020プログラム」として認証しております。

 本県は他県に先駆けまして、2016年に静岡県文化プログラム推進委員会を立ち上げて、さまざまな取り組みを進めてまいっておりますけれども、このたび、オール静岡としての一体感や統一感を醸成するため、本県独自の「静岡県文化プログラム認証制度」を設けました。

 認証した文化事業等につきましては、静岡県の頭文字「S」、あるいは富士山、駿河湾等の地形をモチーフに作成した、本県独自のシンボルマークを使用していただくとともに、専門家による相談の対応、情報発信等の支援を行うこととしております。

 また、国と歩調を合わせるため、文化プログラムの推進を図るために、7月27日、二週間ほど前に、本県は「beyond2020プログラム」の認証組織となりました。県内の団体は県への申請をもってbeyond2020プログラムの認証を得ることができるようになりました。

 今後、本県の認証、またbeyond2020プログラムの認証等、複数の認証をお持ちいただくことも問題ないわけでありますが、こうした認証等を活用していただいて、本県で実施される多くの文化プログラムを積極的にPRしてまいります。

 ちなみに、2012年のロンドン大会におきましては、イギリス全土で約12万件もの文化プログラムが実施されまして、観光や地域振興等で大きな効果を生んだことは知られています。2020東京オリンピックまたパラリンピックに向けまして、県内各地域で多彩な文化プログラムを展開することによりまして、本県の文化的魅力を高め、国内外から多くの方々に本県を訪れていただきたいと考えているところであります。




知事発表:モンゴル訪問の成果

(知事)

 四つ目、最後の発表項目であります。

 平成30年、今年7月27日金曜日から、8月1日までの日程で、富士山静岡空港からモンゴル・ウランバートル空港までの民間チャーター便を活用しまして、経済団、高校生交流団、伊豆の国市、島田市等々の団に、県民観光客などを含めて総勢160人がモンゴルを訪問いたしました。私は全国知事会が北海道であった関係で、2日遅れて、29日から8月1日までの日程で、参加いたしました。私は残念ながらウランバートル以外のところには行けなかったのでありますが、ウランバートルにおきましては、大統領府を訪ねましたところ、昨年に続きまして、バトトルガ大統領と親しく懇談をすることができました。

 バトトルガ大統領からは、ドルノゴビ県からはじまった本県とモンゴル国とのスピード感のある交流の進展に、高い評価をいただきました。また、モンゴル国における観光振興策などについて、本県の協力を得たい旨のお話もいただきました。今後の本県との交流に関わる取り組みに、全面的に協力したい旨のお言葉を頂いております。

 私の方からは、大統領閣下に、高校生の青少年交流、教員研修など本県が実施している人材育成の具体的な交流事例を紹介いたしました。また、技術団の受け入れについても、紹介を申し上げまして、大統領から改めて感謝と評価をいただいたところであります。また、訪日の折には、ぜひ、静岡県を訪問してくださいと申し上げたところであります。

 その面談が終わりまして、車で移動中に、突然、連絡が入りまして、ぜひ夕食に来てくれということで、大統領の方からお招きがありまして、本当に驚きましたけれども、参った次第でございます。11時までご一緒しておりました。何しろ、モンゴル柔道協会の会長さんで、向こうの格闘技、レスリングでもなく柔道でもない、サンボの世界チャンピオンなんですよ。それで、あなた柔道協会の会長で、プーチンさんも柔道やってると、どっちが強いんだと聞いたんですね。それはもう聞くまでもないと。俺は世界チャンピオンだと。あっちは村のチャンピオンだと。どちらが強いか、言うまでもなかろうと。だから相手は決して私に試合を挑んでこないと言っておられました。非常に仲がいいことが分かりました。そんな気楽な話も含めてですね、長い時間ご一緒する、1対1で。通訳は入りましたけれども、通訳はゴンボスレンさんがやってくれました。ともかくですね、一度ゆっくりと仕事以外のことで二人で話をしてみたいと思っていた。2010年の8月から私は個人的には付き合いを、当時彼は日本で言うところの国交省大臣だったわけですね。その頃からの付き合いでございまして、友情を、オールドフレンドとしてですね、大事にしていてくれたことを感激した次第でございます。

 ちょっと脱線いたしましたけれども、このほか私自身は、教育・文化・科学・スポーツ省で、ツォグゾルマー大臣閣下とも親しくお話をいたしました。また、食糧・農牧・軽工業省では、バトゾリグ大臣と今回会談をすることができました。さらに今回はですね、警察庁、国の警察庁ですね、からぜひ会いたいということで、遇遇(ぐうぐう)、珍しく雨が降ってですね、洪水だということで、長官はウランバートル郊外に出られなくちゃいけなかったということで、副長官のオトゴンジャルガルさんと懇談をすることができました。

 いわゆる日本の文科省、ならびに日本の経産省に関わるこの両省では、これまでの交流の実績が高く評価されまして、それぞれ、現在の覚書を、更新するということでおおむねの両省の合意が得られました。また、警察庁では、自然災害に対する対応などを本県から学びたいという申し出がありまして、今後の交流につながるという感想を持った次第でございます。

 視察につきましては、新モンゴル高校という、日本語で高校生に教育している学校がございます。その高校で日本語で講演してほしいと頼まれまして、果たして通じるものかどうか、1時間半余りの時間を頂きまして、講演をしたところ、大変に能力の高い高校生がいることに驚いたと同時にですね、日本熱の高さを感じた次第でございます。ちなみにこの新モンゴル高校の理事長先生は、今、日馬富士関が国で小中高一貫の学校をほぼ建設が終わりまして、9月から開校と、それも日本式でやるということで、この新モンゴル学園高校の理事長さんの経営と協力してやっていくという話も出てまいりました。そのほか、日本のODAで今、「新ウランバートル国際空港」の建設が最終段階を迎えておりますけれども、この新しいウランバートル国際空港も見てまいりました。この件についても、非常にしゃれた矢ですね、向こうは弓矢ありますけれども、矢の形してる部分、きれいですね、ってなこと言ってたんですよ。この話を遇遇(ぐうぐう)、大統領閣下とお話をしてたらですね、あれ俺がデザインしたんだと。びっくりしました。というのは、彼は芸術大学を出てらっしゃるんですね。だから「文・武・芸」三道鼎立(ていりつ)ということでありましょうけれども、従ってこの件につきましてはですね、高岡大使閣下がですね、これまでの静岡県との関わりからするなら初便は静岡県から飛ぶのが一番ふさわしいという話まで承ったわけですが、そういう「新ウランバートル国際空港」が、まもなく運営が開始されるということでございました。また、先の大戦で異国の地で倒れられて、望郷の念を抱きながら、帰らぬ人となられた方々をお祭りしている、「日本人死亡者慰霊碑」を皆で訪問いたしまして、哀悼の誠をささげてまいりました。

 これが私の二日間の日程でございますけれども、私以外の皆さま方は、ドルノゴビ県を訪問していただきまして、モンゴルの聖人、活仏、生き仏としてあがめられている、ダンザンラブジャー師生誕215周年を記念する、極めて大掛かりのナーダム、夏祭りが開催されまして、ドルノゴビ県のエンフトゥヴシン知事閣下からはお招きがあったわけですけれども、県関係者、ならびに高校生の少年少女たちが、現地でとても温かい歓待を得て、大きな経験をなさったということでございます。

 ちなみに、県内から25人の高校生が参加した高校生交流団は、ドルノゴビ県におきまして、現地の高校生との文化紹介などの交流、遊牧民生活体験などを行い、将来の両国の交流を担う人的交流の礎を築くことができました。

 そのほか、向こうから頼まれている大きな事業の一つとして、下水道技術支援というのがあります。この下水道技術支援プロジェクトの関連で、モンゴルの汚水処理整備に関心を持つ県内の企業関係者もドルノゴビ県に入っていただきまして、日本の水処理技術、あるいは製品の紹介などを行っていただきました。現地情報の収集も進めていただいて、次期プロジェクトの事業調整を行いました。

 そのほか、通商関係では、ドルノゴビ県での下水道技術支援プロジェクトに加えまして、ウランバートル市内で、本県が覚書を調印している食糧・農牧・軽工業省と協力し、ビジネスミーティングを開催いたしました。本県からは企業2社、2団体が、モンゴルからは企業28社39人が参加して、熱心な交流をなさいました。

 農業分野におきましては、覚書を調印しているセレンゲ県、農業県ですが、最大の農業県です。モンゴルにおける。そのセレンゲ県に、本県の農業職員を派遣いたしまして、ソバや野菜の栽培助言などの技術協力、また、現地調査を進めました。現地のソバの生育状況は順調であるということが確認されております。

 まとめですけれども、バトトルガ大統領やモンゴル国政府の大臣と毎年面談することで、モンゴル国と強い信頼関係が構築できているというのを実感したところであります。このような人的ネットワークを今後の両国間の関係強化に生かしてまいりたいと考えております。

 バトトルガ大統領との面談の際、高岡正人 在モンゴル日本大使閣下がご同席をなさいました。高岡大使閣下からは、日本政府としても、モンゴル国と本県との交流に極めて注目しているということでございました。本県の地域外交施策が評価されてるということで、西ジャワ州に行ったときにも、向こうの大使館からもそれを言われましたけれども、心強く感じた次第であります。

 今回、160人乗りの飛行機で、満席で訪問したんですが、このうちですね、60人、高校生団が25人、伊豆の国市中学生団が21人、浜松開誠館高等学校の方たちが13人、合計59人が、中学生・高校生でした。

 このほか、焼津市内の高校生諸君が、現在、今ですね、8月現在、モンゴルを訪問していると伺っており、今年の夏は、恐らく90人近くなるのではないかと。こうした多くの青少年のモンゴル派遣が実現していることを、心から喜んでおります。

 モンゴル訪問を通じまして、これからの時代を担う青少年が、静岡県とモンゴル国との架け橋となって育っていくことを大いに期待しております。

 このほか各団についても、所期の目的を達成して帰国したとの報告をいただいて、安堵しているところであります。

 以上が私の準備いたしました発表項目であります。




記者質問:南アルプス自然環境有識者会議の設置

(幹事社)

 ありがとうございました。

 発表項目につきまして、幹事社から1点だけ質問させていただきます。

 南アルプスの有識者会議の開催の件ですが、リニア中央新幹線の工事に絡みまして、大井川の水量が減ったり、南アルプスの自然に何らかの影響があるということは、以前から言われてることです。なぜこのタイミングで県が独自に有識者会議を設立する運びとなったのかをお聞かせください。

(知事)

 以前から言われてるんですけれども、きっちりと体系的にですね、意見を頂きまして、それをオール静岡で取り組んでいるわけですが、そのときの、いわば懸念であるとか、心配であるとかではなくて、科学的なデータ、科学的な知見に基づいて交渉していくということが必要であるということから、このたびオール静岡での取り組みと合わせる形でですね、学術の先生方の会議を開催し、しかも表面の生態系、それから中身の地質や水環境に関わる二つの部会に、それぞれの専門の先生方に入っていただきまして、全体として南アルプスについての知見を深めると、そしてリニアの工事が及ぼす悪影響を回避するという明確な目的を持って開催したと。快く引き受けていただいたと。つまり、ご懸念を皆お持ちだったのでですね、今回こういう形で異なる専門の先生方がご一緒になったということは、先生方の方からの、言ってみれば潜在的なご希望があったということを実感した次第であります。

(幹事社)

 ありがとうございました。そのほか、発表項目に関して質問がございましたらお願いします。

(記者)

 今の有識者会議のことで、関連してなんですけれども、地質構造・水資源部会の報告が年度末を予定しているという理解でいますけれども、一方で利水者らと基本協定をJRが結びたがっている状況にあります。知事としては、この部会の報告が出るまでは、利水者がJR側と基本協定を結ぶっていうのは難しいというふうに考えているということでよろしいでしょうか。

(記者)

 難しいと考えております。そもそもトンネル工事の影響は予測できないことが多いということがありますね。それから、事業者が影響について判断していると。その判断をわれわれがお聞きするということは、一方的なのでですね、一方、利水者の方たちが、本当にそうなんですかと疑念を持っていらっしゃるわけですね。これこれの流量が失われると言われても、科学的根拠が何ですかと言っても明確に答えていただいておりません。そういう基本的なことも知らないままっていうことなのでですね、今回、工法、工程、データ等をしっかり公開すべき、科学的な議論をすべきという意見がですね、地質構造・水資源部会で出たということでございますが、こうしたものを踏まえて初めてですね、この実態を知って初めて協定ということになるんじゃないでしょうか。その意味で、今おっしゃったとおり、今年度末までに部会を開いていただいて、報告をいただき、それを皆さんに情報提供してですね、そしてそれの下で協定うんぬんについて、検討するということになるということでございます。

(記者)

 ありがとうございます。すみません、もう1点よろしいですか。一方でですね、JRは工期に余裕がないとずっと言っていまして、今の政権も地方創生回廊につながるとか、成長戦略の一つにリニアを捉えていると思うんですけれども、静岡県が基本協定を結べない状態が長引けば長引くほど、JR東海にとっては着工が遅れることになって、全体の工事が遅れるリスクというのが、JR東海の方から見ると増えてくると思うんですけれども。全国的な視点から見て静岡県の対応はこれでいいのかという疑問が今後湧いてくる可能性があるかと思うんですけれども、その点については知事は今、どのようなお考えでしょうか。

(知事)

 私は基本的に全国の学識者から、今は地方の代表としてですね国土審議会の委員を務めておりまして、そこでスーパーメガリージョンの形成ということが合意されておりまして、私はそれを賛成している一人です。もともと、数十年にわたって一貫してこれに賛同しているということですね。しかしながら、南アルプスというところの理解が不十分なままにこれまで進められてきた可能性が極めて高いという認識も持っておりまして、ですから今回南アルプスの水の問題、生態系の問題、水環境の問題、それから水に関わる生活をしている方たちが、静岡県下人口の6分の1にも及んでいるということでですね、こうした問題は、もちろん全国レベルでスーパーメガリージョンをつくるということと併せてですね、これらを全く無視してできるというようなものではありません。

 なぜかというと、スーパーメガリージョンをつくるというのも、日本の活性化のためということなんですね。そこで何十万人もの人がですね、水が出ない、そして農業が営めない、水質が悪化する、あるいは一部南アルプスの地質の中には重金属が入っているというご報告もありまして、そうしたものが仮に大井川に流れ込んだらですね、どうするんですか。こうしたようなことについては、まったく情報がないままにルートが決まったということがございます。ルートは、いくつものルートが検討されてきたんですね。そうした中で今回決まったわけですが、こうしたルートを恐らく県民の皆さま方、寝耳に水というか、だったんじゃないかと思いますよ。私自身もそうでしたから。20世紀の末からリニアについては、実際実験線にも乗ったりしてですね、推進するためのエッセーまで書いたりしてきた者として、この静岡県のことなど、誰もそこがリニアのルートになるというようなことはですね、想定していなかったということがあります。なぜかというと、南アルプスのあの巨大な山体にですね、しかも最も活動が活発な山体ですよね。年間4ミリぐらい隆起しているわけですから。しかもフォッサマグナのど真ん中にトンネルを掘るということですね。そうしたものがもたらす悪影響についてですね、トンネルが掘れるからじゃあ行こうというくらいのことだったんじゃないかと。私は自ら、自分の反省として申し上げているんですけど、平成23年の春にルートが発表されまして、ここを通るのかということでですね、当時交通基盤部長をしていた国交省からの派遣職員ですけれども、森山部長と一緒にですね、まだ雪が残っているような頃だから行くべきではないと言われた中、連休にですね二軒小屋まで行って泊りがけでですね、さらに全体を見通すために伝付峠まで、標高2千メートルまで上がりまして、そこ地図を見ながらですね、あの辺がルートになりそうだということで、本県として、これにどう協力できるかということで、また日を改めてですね、また泊りがけで出掛けまして、当然全部トンネルですから明らかに、じゃあ土捨て場をどうするかということでですね、そうしたところも検討して回っていたんですよ。土捨て場にどれぐらいの量がトンネルから吐き出されてですね、それが周りの生態系にどんな影響を与え、かつ水質にどんな影響を与え、また流量にどれぐらいの影響を与えるかといったことについてはですね、解決ができると思っていました。というよりも、問題意識としてですね希薄だったということであります。

 しかしながら、今申しましたようなことでですね、このリニア新幹線に非常に深く関心を持って、国土審議会の委員もして、いろんな情報を持っている私ですらですね、この土地の持っている水との関わりについてはですね、この一両年で急速に認識を深めまして、これは由々しき問題だということで、これは日本のためにはなりませんよと、きっちりとこの点解決しないとということで、今こうした有識者会議を立ち上げたということでありまして、何も原則的に反対しているとかですね、スーパーメガリージョンに対して反対しているとかということではありません。

(記者)

 ありがとうございます。

(知事)

 さらに言えば、ルートは変えられるんですね。もともといろんな選択肢があったわけですから。ちなみに、大阪と名古屋をどう結ぶんですか。京都の代表は京都市を通せと言っているじゃないですか。まだ通せる可能性があるわけですね。だけど、もともとの案ではS字案ですから、大阪からぐっと下がって、奈良から三重に出て名古屋に出るぐらい。どこを通るかって、誰も知らないですよ。そういうようないくつもの太いS字型でですね、そこの中でどこを通るかなということでやってきて、最終的に長野県だと松本も通らない、諏訪も通らないといったようなことでですね、いきなり最短距離、静岡が出てきたということなんですね。ですからこのルートがなければ、スーパーメガリージョンができるかできないかというような議論じゃないんですよ。私は2020年までにはですね、スーパーメガリージョンはできないので、オリンピックもルートが発表されてから、オリンピックが東京で行われるという発表があったり、御嶽山の噴火があったり、富士山静岡空港が大規模な広域防災拠点になったり、空港の首都機能、首都空港の補完空港としての位置付けが決まったりですね、それにまた、富士山が世界文化遺産になったというようなこともその後のことでした。ですから、富士山を1周させたらどうかと。リニア新幹線で甲府まで出て、 そして富士山の西側を回ってですね、既存の新幹線で東京に戻ると。これだったら2020年までに可能じゃないですかということでですね、リニア新幹線を日本の技術のPRにね、生かしたらどうかと。1964年の既存の新幹線を10月1日に完成して、10月10日の開催日にですね、間に合わせてですね、技術の日本を世界にPRしたんですね。同じように、そういうことが、関東平野だと地質構造が分かってるから、それができると。かなり強くですね、リニア新幹線の2020年までの工程表として、こういうのを出したらどうかということは、相当強くあちらこちらで訴えたということもあります。

 ですから、工事についてですね、いろんな意見があり得るのでありまして、今はここにきれいなお花があるから、これを蹴飛ばしてでも行くかといったときにですね、避けて行かなきゃいかんというのは、事実が分かればそれに応じた形で臨機応変な対応をしていかなければならないと。そういうものとして南アルプスという人類共有の財産がですね、今そこにあるということを、JR東海さんは肝に銘じないとですね、この工事は取り返しのつかないことになると。

 例えば前の社長さんがですね、ここであちこちたまってる水がですね、出るから流量が多くなると言ったでしょ。これは、いかに水について知らないかということを専門家が言われてます。いったんそれが、たまってる水が出てしまうと、もうそこにたまりませんから。だからしょっちゅう出てくるわけじゃないと。とんだレベルの低い意見だという学者がいるんですね。そうしたことを一部の学者の見識を引用するんではなくて、総合的な知見をベースにして、この問題はやらなきゃならないと。急がば回れということです。




幹事社質問:駿河湾フェリー、夏休みの予定、中央新幹線

(幹事社)

 各社さん、他はよろしいでしょうか。では幹事社質問に移らせていただきます。駿河湾フェリーの事業存続に向けた会合が3日に開かれ、議論が大変進捗(しんちょく)しましたけれども、事業継続に向けて今クリアすべき最も大きな課題はどのようなことだとお考えなのかお聞かせください。もう1点目は、夏休みはどこでどのようなことをして過ごされるご予定なのかお聞かせください。

(知事)

駿河湾フェリー

 まず最初のご質問ですけれども、第2回駿河湾フェリープロジェクトチームが3日に開かれましたね。そこでは駿河湾フェリーの利用促進に向けて、可能な取り組みから直ちに実施する。環駿河湾地域の市町と調整して、さらなる取り組みを展開していくという方針が確認されたとのことでございます。また、事業継続に向けてということで、これが太字で書くべきところでありますが、さまざまなパターンの運行スキームについてメリット、課題等を協議していただきました。今回の会議では、まだ残念ながら事業継続の手法をどうするかという結論が出なかったということなので、引き続き検討を進めるということでございました。

 ただ、今回の会議での収穫の一つとしまして、船所有に関わるコストを除いた運航経費と営業収入だけの比較ではございますけれども、現在の利用を20パーセントから25パーセント伸ばせば、すなわち、16万とか17万という年間の利用者数を20万あたりまでですね、伸ばせば収支が均衡するという試算結果が確認されたということでございます。そうしますと、利用をどのように伸ばすかというのが、これまた大きな課題ということだと思います。私自身、一昨日、月曜日、清水港発の一番の船に乗りまして、残念ながらフェリーは、前は曇っていたために富士山が見れなかったんですけれども、それでもですね、伊豆半島も、もやの向こうに見えてきたりですね、三保松原すぐ近くを通りますから、素晴らしい航路を体感したわけでございますが、イルカが泳いでいましたね。そして親子連れが浜松から来たりしてですね、それで船長さんが親切に操舵(そうだ)室ですね、かじを切るその船長さんのお部屋に親子連れを招いてですね、子どもがもう本当に大喜びして見ておりました。どうして私は浜松から来られたんですかと言ったのは、「皆さんのおかげだ」と。つまり、「あのフェリーなくなるの」と、「それじゃあ3月までに乗っておこうじゃないの」ということでですね、浜松から来られたというようなこともございまして、なるほどPRもこれからもっとしなくちゃいけないなということも感じました。それから鈴木社長さんの方と、乗船しながらお話をしたんですけれども、首都圏、中部、西部あるいは中京圏、乗船している方たちの車を見ればどこから乗ってらっしゃるかが分かるのでですね、その推移なども統計的に分析した結果を見せていただきまして、やることが相当あるという印象を持ったわけで、必ず2割以上の需要を伸ばすことができると、私は確信したということでもございました。

 それで今後はですね、県、関係市町、団体等が連携いたしまして、社会総がかりで駿河湾地域の魅力を高め、需要拡大を図ると共に、事業継続に向けまして関係者と協議の上、9月末までに県の対応策を公表させていただきます。以上です。

夏休みの予定

 それからもう一つ、夏休みですね。これはもう、ありがたいことに7月から土日も公務がありまして、曜日がもう分からなくなっていたんですけれども、今週末8月11日、山の日ですかねこれ。土曜日から8月15日水曜までの5日間と、8月17日金曜から8月20日の月曜日までの4日間、計9日間も、これ平日は5日ですけれども、公務入れてくださらなかったのでですね、残念というかうれしいというか、子どもみたいなものでございまして、学問三昧といいますか、晴耕雨読という生活をして心身のリフレッシュを計りたいと思っております。

(幹事社)

 ありがとうございました。すみません、幹事社からリニア新幹線工事につきまして追加で1点質問させてください。先日、大井川の利水関係協議会が設立されました。ただ、こちらの会議には静岡市さんが加わっておりません。静岡市さんは今、JR側と個別に合意している状況なんですけれども、このことについての所感をお聞かせください。あと、協議会が設立したことでオール静岡の体制が整ったということにもなりますが、この協議会の設立による交渉の進展への期待があればお聞かせください。

(知事)

中央新幹線

 はい。リニア新幹線がらみのご質問でございますけれども、この8市2町の皆さまがですね、一丸となって取り組んで、県と一緒にやっていきたいという要請を8月2日になさるということは、私、モンゴルに行く前に聞いておりまして、それで静岡市はどうなさるんですかということで、どうしたらいいかという関係者からのお話が、当然ぜひ入っていただくことが大事だということだったわけです。で、この8市2町の皆さま方もそういうお考えであるということだったのでですね、そういうことになればいいなと思ったんですが、モンゴルにいまして8月1日ですね、帰国の日ですけども、大井川利水関係協議会に静岡市は加わらないことになりましたというメールが増井外交監に入ってですね、皆驚愕(きょうがく)いたしました。だからどういう理由か分からなくてですね、これは関係8市2町と静岡市さんとの協議の中で決まったというふうに聞いております。

 しかし、水も漏らさずちゃんとすると、完璧にするという言葉もありますし、水は方円の器に従うという言葉もありますが、この方円というか、形が違ってもちゃんと水はそれに応じて流れてくれるわけですね。そこに穴が開いているとですね、水漏れがしてうまくいかないということがございます。ですから、できる限り一緒にやるのがいいというのが私の考えですね。それから、11の利水者ならびに利水関係8市2町の皆さまと県が一丸となって取り組んでいく組織ができたことは、大変心強く思っております。そして利水者の代表者、利水関係市町の首長、静岡県副知事で構成される協議会で決定した事項は、オール静岡の総意というべきものであります。県の既存の組織である中央新幹線対策本部が、その総意をもってJR東海と粘り強く交渉を行い、この大井川の流量減少問題の解決に向けて取り組んでまいります。

 協議会設立の一つの契機となった首長の皆さま方の要請につきましては、JR東海と交渉窓口を持っていない8市2町が協議した中で、今回の枠組みになったと伺っておりまして。ちなみに、静岡市とJR東海さんの合意事項は地域振興に関わるものですからね、水問題と直接関係はないので、別個だと考えております。あそこで落合三峰線のトンネルをですね、JR東海さんがやってくださるのは本当にありがたいと。しかし、やはり川根本町さんにとっても同じような道路アクセスの問題があります。閑蔵線についてまったく触れていないというのは、やはり神経を逆なでしたんじゃないですか。ですからやはり、皆それぞれの利害関係を持っております。そして水の問題は特にですね、一味同心といいますか、心を一つにしなくちゃいけないところがございまして、できる限りですね、もし静岡市長さんも一緒にやるということであればですね、大歓迎だということであります。

(幹事社)

 ありがとうございました。ということは、知事としてはこの協議会にも、静岡市さんは当然入るべきだし、入るものだと思われていたということなんでしょうか。

(知事)

 そうですね、もちろんですよ。こういうものは一つ一つね、静岡市、次は島田市、次は川根本町ということで、JR東海さん側としてはそういう形での交渉の方法もあったと思いますけどね、それぞれやはり抱えている事情が違うから、そうするとあちらどう、こちらではどうだということになって、なかなかに足並みがそろわなくなって、結果的にですね、前に進めなくなるということは目に見えています。特に水の問題はそうですね。

 しかもこれまで、水問題で静岡市民の方たち、静岡県民の人たちは本当に苦労してきました。特に大井川問題につきましては。ですから、これは一つであるということが一番いいんですよ。1回、何か信頼を失うようことをするとなかなかですね、もう1回こう戻すというのは大変だということなので、なるべくこの傷口が大きくならないうちにですね、一緒にやるというところに戻ってこられた方がいいのではないかと。まあ、怒られた首長先生がいらっしゃるのも知っていますけども、それはそれ、これはこれで、全体の公益を上げるためにみんなの知恵を合わせるということが大事だと。まず地域振興についてはですね、私ども、閑蔵線などがどうして入らなかったのかというのは、島田にとっても川根本町にとってもすぐ出てくると思います。同じようにリクエストしてたわけですからね。そうしたことも含めて、ぜひ、まずはこういう優先順位でやっていこうとかですね、ということも含めて、共に足並みをそろえるために、皆さんも大きな器量を持っていただくことが大事だというふうに思っています。

(幹事社)

 ありがとうございました。では幹事社質問につきまして、質問ございましたら各社さんお願いします。




幹事社質問(記者質問):中央新幹線

(記者)

 このリニアの問題についてもう一つなんですけれども、昨日静岡市の井川地区でJR東海側から住民への説明会が行われまして、その中で8月の末から作業員の宿泊施設とか、林道の整備などの工事に着手するというようなことが話されました。JR側は、大きな意味でいえば南アルプスの工事の着手だというふうに考えているということのようですけれども、現在この流量の減少問題の未解決のままでこうした工事が行われると、はっきり説明があったわけなんですけれども、それについてはどのような受け止めをされているのか教えていただけますでしょうか。

(知事)

 これについては、私どもに一切こういう説明がなかったのでですね、この点は遺憾であると思っておりますが、林道の整備をしてくださるのは大変ありがたいということでございます。林道の整備、いわばこれ地域振興に非常に役に立ちますしね。JR東海さんをお使いになって、そしてこちらに、静岡県にお入りになって、そして南アルプスに登ったり、あるいは高山植物を楽しんだりですね、春夏秋の登山の安全に、そっちに行けるようになるというのはわれわれにとって誠にありがたいことで、JR東海さんにとっても、広くDCキャンペーンのですね、目的にもからむのではないかというふうに思っています。

 このことと水問題とは別個だという認識を持っております。

(記者)

 はい。あと総合してですね、先ほどの有識者会議のこともそうなんですけれども、年度末に結論が出るという方向で進めていかれるということですが、ルートの話でもありましたけれども、その結論によっては、例えばこの工事の進め方ということだけではなくて、例えばこのルートそのものについても、何かこう打診をしていくというか、変更を求めるとか、そういった可能性もあるということなんでしょうか。

(知事)

 まあ、いろんな可能性があると思いますけれども、差し当たってですね、何も知らないままトンネル工事ができると、どこのトンネルも掘れば必ず水が出てきたり、軟弱土質にぶつかったり、重金属が出てきたり、いろいろな問題が必ず出てきますね。そうしたことが克服できるということで進められたと思いますけれども、南アルプスはやはり特殊ですね。エコパーク、すなわちバイオスフィアリザーブ、人類共通の財産に、つまりルートが決まった後に決まったということがありますね。

 それから大井川の水がですね、実はもうカツカツの水で静岡県の方たちが、6分の1の方たちがですね、生活、産業、に活用されていると。特に大井川の右岸ですね、ここは高台になっていますから、今ままでため池が使われていたわけですけれども、これを大井川の水を上手に活用してですね、例えば牧之原で5、6千ヘクタールぐらいあると思うんですけれどね、そこで使う水の量は、1秒間に失われる量よりも多いと思いますよ。

 それがもう枯渇するとか、減るとですね、もう影響は火を見るよりも明らかです。ですから、そういうことも含めて、南アルプスというものが持っている歴史的な、また地質的な、生態的な、水環境的な、水質、流量含めて総合的に知った上で、じゃあできると。じゃあ掘るというのと、取りあえず後から私のようにですね、認識をしたというのがありまして。JR東海さんは明らかにですね、水問題については流量ぐらいのことしか考えていなかった可能性が高いと思いますね。これは科学的な調査をしっかり踏まえた上であったと、これまでの経緯から見るに、また社長さん、幹部の方々のご発言から見るとそういう背景はないというように思っております。従って、出てきた結果によってですね、事実が分かればその事実に基づいた方針が出てくるというふうに思っております。予断なく議論していただきたいと思っているわけです。

(記者)

 分かりました。ありがとうございました。




幹事社質問(記者質問):駿河湾フェリー、中央新幹線

【駿河湾フェリー】

(記者)

 フェリーの件で1点教えてください。9月議会に何らかの予算措置を講ずる、フェリーに関係する予算を講ずるような方針はあるのでしょうか、もしその場合はどういったものを考えていらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 9月に方針が出ますからね、そこまで考えてくれてたら大したものですよ。どうですか戦略監。(今検討しているところです。まだやるとかやらないとかという話までは。)まだプロジェクトチームの手法は決まっていないので、ひょっとしたら出せれば大したものですよ。9月といっても8月末に内部でやっていますからね。まずはこれでやろうということになればですね、予算に計上できるんじゃないかと思っております。さもなければ12月になってしまうので、私としてはできる限り分かっていることはやるということで、目下のところは9月補正にフェリーにかかる予算要望は出てきていません。

(記者)

 現状出てきていないけれども、議論が進めばその可能性はあるということですか。

(知事)

 あります。

(記者)

 どういったものになるかという予想はありますか。

(知事)

 16、7万の年間利用者を20万にすればいいということであればですね、観光案内でですね、伊豆半島に首都圏の人が来られる時にですね、伊豆半島の地図しかないんですよ。伊豆半島の土肥から沼津から西の方でですね、これについてはここからフェリーが出てますよと書いてあるけれども、そのフェリーが清水に来ると、清水から日本平だとか久能山だとか三保の松原だとか一緒に楽しめますよというふうな観光案内図になっていないんですね。一方、首都圏から首都圏ナンバーのですね、実は自動車も来てるんです。潜在的には非常に高いんです。これは圏央道にミッシングリンクがなくなりまして群馬県とか栃木県とか北関東から来てます。この方たちに例えば伊豆縦貫通りますと有料道路を通りますね、その有料道路の領収書を見たことはありますか。裏をご覧になりますとですね、確か伊豆半島の名物が印刷されているんですよ、そこに仮にフェリーのことが載っていたらフェリーがあるんだということがあったりするでしょう。

 ですからいろいろとですね、観光客を誘導する策というのがですね、確実に見込まれるということであれば予算計上できますよね。そういう意味で手法は決まっておりませんけども2割り増しすれば収支がとんとん、いやプラスが出るということが分かった以上、需要喚起策といいますか観光客誘致策というものでこれはいけるということで衆目一致すればそれをやってみようということでございます。

中央新幹線

(記者)

 リニアについてなんですけれども、有識者会議で知事は急がば回れという話をされましたけれども2027年の開業の予定については、知事についてはそこまで意識はされていないというお考えなんでしょうか。

(知事)

 2027年に開業するということをおっしゃったのはいつでしたかね、2013年ではないですか。そのとき以前にですね、また各県に一駅造ると、一駅につきましては誰が負担するのか決まってなかったんですね。県も各県も負担しなさいと、突然JR東海さんが自分が全部負担しますということを言われたでしょ。そうすると各県もっと協力しますよね、そういうふうに現実動いていますからね。仮に南海トラフの巨大地震みたいなものがですね、起こっちゃいけないですけどもあったりするとこれどころじゃなくなりますからね。 富士山が噴火しても同じようなことです、ですから何が起こるか分からない、私はそういうものだろうと思っております。2027年は一つの目標として出されたと、企業としてはこの目標に応じて工程表をつくってやっていると、談合問題で世間に指弾を浴びるというようなこともあったりしてですね、そうすると工事できないじゃないですか、あるいは東京オリンピック・パラリンピックが降ってきたと、あるいは富士山が活火山だということでこれに対する対処もしなくちゃいけないと、富士山空港が大規模な広域防災拠点になった等々ですね、それから水問題が、実は従来知られていなかったほど重要な問題であると、いうことが認識されたということになれば、当然、全て公益のためでありますから、リニア新幹線をつくるために全て犠牲にすればいいというものではありませんのでね、これは事業目標ですから。もしそのときにできて一将功成りて万骨枯るようなことではですね、静岡県民の命が失われるということになったら、何のためのリニア新幹線かということでですね、日本の歴史に禍根を残すということになりかねないので、それを防ぐためにわれわれは急がば回れと言っているのであります。




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