令和3年度以前知事記者会見

2023年1月4日(水)


幹事社質問(年末の過ごし方、新型コロナウイルス感染症に関する呼びかけ)
一般質問(インフルエンザ、今年の県政運営テーマ、熱海土石流災害)
一般質問(経済支援、リニア中央新幹線関連)

幹事社質問(年末の過ごし方、新型コロナウイルス感染症に関する呼びかけ)

(知事)

あけましておめでとうございます。

何か御質問ございますか。

 

(幹事社)

じゃあ、幹事社の静岡新聞からお尋ねします。2023年が始まりました。

様々な課題を越年させたまま、県政運営がまた始まりましたけれども、今年一年にかける抱負を聞かせてください。

 

(知事)

今年、正月三が日、富士山が三日ともすごく崇高で美しくて、改めて、‟ふじのくに”づくり、これを追求していこうと。これが日本の理想、これからの理想であるという思いを強くした次第でございます。

 

(幹事社)

三が日、年末年始、知事はどのような形で過ごされましたでしょうか。

 

(知事)

はい。28日に静岡を離れまして、軽井沢の別宅の方で、2日まで過ごしましたが、今年は富士山に暮れ、富士山に明けた感じでございました。

12月31日、偶々、あまり見ないんですけどテレビを見ておりましたらば、多分BSだったと思いますけれども、ベートーヴェンの第九のですね、日本の最高の、いわゆる音楽家たちが集まって、作ってるオーケストラがあると。ハレ交響楽団(正しくは「ハレオケ(トリトン晴れた海のオーケストラ)」)というらしいんですよ。

それが、第九を作り上げていく過程が、ビデオに収められておりまして、感動して聴いてたんですけど、それが終わったらすぐにですね、富士山になったんですよ。7時半から9時ぐらいまで。山梨県出身の三浦友和さんという俳優さんと、静岡県御出身の女優さんが、それぞれ山梨県の富士山、静岡県の富士をやっておられまして、1月1日は御案内の通り、駅伝を見ておりまして、2日も駅伝ということで、富士山が背景に写って、私自身も2日にこちらに戻ってきたんですけれども、国道141号線、それから、須玉JCT(正しくは、「須玉IC」)から中央道に乗りまして、双葉JCTまで、中央道はずっと正面にですね、富士山が実に美しく、崇高に姿を見せておられてですね、これまでやってきた、日本の理想郷ふじのくにづくり、これを今、ついに静岡県は、国家公認の、言ってみれば日本の文化の顔、文化首都として認定されておりますので、ふじのくにづくり、これの門出の年になったというふうに思いまして、今日は門出のネクタイをしてまいりました。

これは、大井川門出駅(正しくは、「大井川鐵道門出駅」)で食材が、新鮮な食材が売られておりますけれども、そこで販売されているネクタイでありまして、文字が刻まれております。門という字と出るという字が、一字の如くにまとめられてるわけですが、このグリーンは、多分お茶の色だと思いますけども、信号で言えば「進め」ということでありますので、これで、静岡県が日本のフロンティアになったなと。ふじのくに静岡県の、ふじのくにづくりが、日本の理想、これを作り上げる。そういうフロンティアの地域になったという思いを非常に強くいたしました。

もし今、何やってたかということであれば、1つだけ、実は昨年秋に平朝彦先生、地質学の世界的権威ですけれども、と対談をいたしました。そのゲラが27日の、12月27日の午後に上がってまいりまして、そのゲラ、これ長い対談を、1時間ぐらいの対談を、短いものにまとめるので、まあプロがまとめるわけですけれども、そこにもう既に、平朝彦先生御自身の手が入っておりまして、残りは私自身が、字数オーバーしないようにまとめるということだったわけですけど、非常に重要なメッセージが、先生言われていたんです。それを書き落とされないっていうか、それが削られないままですね、載せられていたんですね。これ1月下旬に発売(正しくは、「発行」)されるということで、これは、日本のためになるなという、そういうメッセージでございましたので、先生がそこのところを削り取られなかったってことを大変嬉しく思いまして、私の方も丁寧にそれに対応する形での、当時の、この対談のエッセンスをまとめるということで、「ふじのくに」の、今度は51号になると思いますが、その「ふじのくに」における知事対談の校正を主に、今、しておりました。

 

(幹事社)

もう1問、幹事社から。

 

(知事)

どうぞ。

 

(幹事社)

新型コロナが、年末にかけて、また増加、ならびに高止まりしている状況というのが続いてまして、現状認識並びに県民に呼びかけたいことがありましたら。

 

(知事)

あります。新型コロナはもちろん、これは毎日ですね、私はどこに居ようと、FAX等で、また電話等で、川口くんから、秘書課長ですけれども、連絡がその都度ございまして、よく知っておりますけれども、今、病床のひっ迫率が極めて高いということで、危機的状況であると。ともかくですね、なかなかこの感染が止まらない中で、先生方が困られているという状況です。そこでですね、今朝一番、相談をしたのは後藤参事です。後藤参事の方からですね、お聞きしたことを、私が今ここで申し上げてもいいんですが、後藤参事来ていますので、今、われわれがなすべきこと、また、心構えとしてどういうものを持つべきかということについて、私先ほどお聞きしましたら、なるほどその通りだなと思ったことがございますので、後藤君の方からお願いいたします。

 

(健康福祉部参事)

皆さんこんにちは、健康福祉部の後藤でございます。日頃から御報道ありがとうございます。また本年も、どうぞ御報道よろしくお願い申し上げます。

お正月の、年末年始私はずっと静岡におりましたけども、主な業務としましてはですね、自己検査をされて、県の自宅療養者の支援センターの方に届け出をされた方の、最終、医師の判定のチェックもしておりましたが、皆様方の御協力で自己検査がすごく増えておりまして、自己検査陽性で県の方に受付に届け出された方は、皆さんきちんと検査をされていて、正しい届け出で、本当に感謝申し上げたいと思います。そうした方もいらっしゃいますけども、発熱外来を、この年末年始のお忙しい中、分担で開いていただきました診療所の先生方からは、大変患者さんがたくさんいらしてですね、とても朝8時半から夕方5時といった通常の勤務時間には終わらずにですね、診療が終わらずに、夜の10時、11時まで診療をされて、そこから会計をしたりとかですね、公費負担の申請をしたりとか、HER−SYSといった入力システムに入れたりとか、大変、日にちをまたいで診療されていたということを聞いております。また入院の方も、大変、先ほど知事からもありましたように、コロナ患者様の病床が大変ひっ迫していて、受入病床の80%近いところも受け入れていただいていると。また院内のクラスターも増えてきている。そして、そういった状況ですので、コロナ患者様以外の、冬場寒うございますので、心臓や脳の血管の梗塞や、出血といったですね、緊急性の高い患者様を搬送する、救急搬送困難事案も、年末年始の分、今各消防にお聞きして集計中ですが、おそらく1週間に100件を超えるんじゃないかという数まで、過去最大の数まで救急搬送困難事案も増えております。そうした状況でございますので、県民の皆様におかれましては、今年はですね、もうコロナに関しましては、お若い方、基礎疾患の軽い方、オミクロン対応ワクチンの接種を済まされたという方につきましては、普通の風邪に近い症状であることが、もう確実にわかっておりますので、いたずらにですね、心配をされないでですね、自己検査等をしていただいて、陽性が判定されれば、県や政令市さんの届出をしていただいて、日頃から買って置いてある解熱剤や、総合感冒薬で、ぜひ様子を見ていただきたい。それでも症状が悪化する場合や、大変心配な場合に受診をお願いしたいと。今年1年間かけまして、ぜひコロナが、皆様方に、普通の風邪に似たような症状であると、心配する病気ではない、感染症ではないといったことを、ぜひ、この1年かけて認識していただいて、それとともに、日常生活が2019年以前に戻りますようにというふうにお願いしたいと思っております。以上でございます。

 

(知事)

今、後藤参事がご説明申し上げたとおりですけども、一言、今、私が聞いて彼が言わなかったことですが、それはですね、静岡県の累積感染者数の数が70万人になったと。これは、人口の約2割ですね。つまり段々と抗体を持つ人が出てきていると。要するに免疫がある人が、2割になってるということでですね、徐々にではありますけれども、またいきなりマインドセットを変えるのは難しいですけれども、怖がらないで、ウィズコロナの時代を生きるということでございますが、インフルエンザないし風邪くらいのことで、普通に生活ができる状態になりつつあるんだと、こういうメッセージをいただきました。一昨日、さきおとといですか、スポーツ、ラグビーとか、それから駅伝ですね、ございましたけれども、沿道には本当にたくさんの方が来て応援されていると。こういう日常もございますのでですね、だんだんこういうものを常態化していくと。ただし、用心を怠らない。なかんずくですね、医療従事者のところに負担が、今、きておりますので、そのことに御配慮いただいてですね、自助という、その気持ちを持って、対処してくださるようにというふうに私は承ったわけです。ありがとうございました。それからちょっと私、余計なことですけどですね、もし質問がなければ私の方で、実は昨年暮れですね、朝がけっていうんでしょうか、いわゆる朝に直接、家出たところでテレビカメラとマイク突きつけられるってやつですね。最近めったに無かったんですけど、よく知ってる、ここにいらっしゃる、実は、女性がですね、結婚の報告に来られまして、報告に、何か一言っていうことだったんです。おめでとうございました。おめでとうございます。はい。そういうことも、めでたいことがございましたので、皆様方にも御披露申し上げておきます。失礼しました。

  

(幹事社)

幹事社からは以上です。各社さん、御質問あれば。




一般質問(インフルエンザ、今年の県政運営テーマ、熱海土石流災害)

(記者)

関連で、すいません。読売新聞です。インフルについては、後藤さんになるのかもしれませんけれども、昨年末に流行入りを宣言されましたが、ちょっと現状について簡単で結構ですが。知事でもいいです。

 

(参事)

年末の28日でしたかね、夜の遅い時間に報道提供させていただき、大変申し訳なかったと思っておりますけども、速報で、28日の時点で、県内139の定点医療機関、合わせて139人の診断がつきましたので、コロナ。失礼しました。インフルエンザの診断がつきましたので、定点あたり1という値になりましたので、流行期に入ったといった御報道の提供しました。また、お休み中でありましたので、一旦、今週の統計の値は下がると思いますけども、学校等も始まりますので、1月中旬にかけて、インフルエンザは流行が増えてくると思います。先ほど年末に、私の知人の開業の先生からも、1日で55人、コロナの陽性の方が診断をして、また、3人インフルエンザの方も診断した、といった数字をいただいておりますので、発熱した方の、お正月の時点では、20対1ぐらいの比率で、コロナとインフルエンザの方がいらっしゃると。今後は、インフルエンザも増えてくるということになりますので、まだ、間に合いますので、インフルエンザワクチンの方もぜひ、オミクロン対応コロナワクチンとともに御検討をお願いしたいと思います。

 

(幹事社)

幹事社からの質問は以上ですので、各社さん、質問ありましたら、お手を挙げてください。

 

(記者)

テレビ静岡です。今年もよろしくお願いします。

昨年の年頭会見で、知事、危機管理を徹底するというような形で、県政運営のテーマ設定をされたかと思いますけれども、本年もそういう意味でいった、今年1年の県政運営のテーマ設定といいますか、そういった部分は何かありますでしょうか。

 

(知事)

はい。危機管理は何事にも優先するというのが、これまで通りでありますけれども、特に昨年は、台風15号と。それから、いたいけない子どもが車の中で亡くなるという事故も、事故というか、事件に近いようなですね、悲惨なことがございまして、こうしたことを二度と起こさないということが大切で、まずは、水害につきましては、今年は、今までの津波、それから地震、あるいは噴火、あるいは原発といった重点項目がございましたけれども、それに合わせまして、風水害ですね、これに備えなくちゃならないということは、徹底してまいりたいと思います。

それから、子どもさんは、とても大切な社会の宝でございますから、日本全体で、こども庁もできますので、良くなっていくと思いますけれども、静岡県がこうした問題を、全国の人たちに知らしめたということもございますので、われわれとしては、子どもを大切にする。みんなで見守りながらですね、特に、お子様を預かってらっしゃる保育園だとか、あるいはこども園だとか、幼稚園ですね。もちろん、それから小学校、中学校もそうですけれども、子どもを大切にしていくという、この考え方をですね、教育委員会とも協力しながら、徹底してまいりたいと思います。

それから、今、インフルエンザ並びにコロナ、これがまだ、収束しません。また、どんな変異株が出てるかもわからないということで、今年はですね、4月に感染症の専門センター(正しくは、「(仮称)ふじのくに感染症管理センター」)が三島にできます。ですから、私どもは、防災先進県ということで自他ともに認められてきましたけども、防疫先進県と、疫病から県民を守る、防疫先進県というふうに言われるようなですね、体制をしっかり整えていきたいというふうに思っております。

 

(記者)

ありがとうございます。もう一件、昨日1月3日で、熱海の土石流災害から1年半を迎えました。昨年、新しい盛土条例を施行するというような部分もありましたし、一方で、県や熱海市が訴えられるというようなフェーズにもなったわけですけれども、この1年半経過して、今年、まだ終わる話ではないですけれども、この熱海土石流災害について、どのように県として向き合っていきたいか、お聞かせください。

 

(知事)

はい、家族や友人を亡くしますとですね、こういう、命日といいますか、1年経ったとか、あるいは、1年半経ったとか、月命日になったとか、2年目とか、あるいは3年目というのはですね、この状況がまざまざと蘇ってまいりまして、そして、場合によっては気落ちしてですね、御本人自身が、危ういようなことになりかねないということは、よく知られております。ですから、われわれとしましては、そうした住民といいますか、県民がいらっしゃるということをですね、ゆめ忘れることなく、司直のといいますか、この裁判の問題は、裁判の問題として、これは法的な問題ですから、それはそれとして議論していただきますけれども、われわれとしては、できる限り早くですね、被災された方々が、もとのというよりも、もうこれで安心して生活できるという状況をですね、できる限り早く、熱海市と協力しながら、取り戻して差し上げたいというふうに思ってる次第です。




一般質問(経済支援、リニア中央新幹線関連)

(幹事社)

その他ありませんか。

 

(記者)

日経新聞です。あけましておめでとうございます。

 

(知事)

おめでとうございます。

 

(記者)

昨年末にですね、日銀の金融政策の修正もありまして、住宅ローンの金利が、これから1月から上げていく銀行も増えていくということもありますし、一方で、ウクライナの情勢も、まだ、続いております。そういう意味では、県内の経済も、危機管理の話と合わせて、県内の経済は、今年1年、どういう年になっていくか。かなり、いろんな問題が複雑化してきているというのが、かなり、中小事業者を含めて、問題だと思うんですけども、そこに県として、どういう経済政策、どういう支援のやり方を、これから、この1年、求められていくかと。

 

(知事)

そうですね、今、日銀の政策も、インフレ2%になりましたけれども、これは政策によってというよりもですね、外的な要因によるということですね。物価が高騰し、エネルギーが高騰し、円安、そうしたことが、2%のインフレになったということで、決して、私は、黒田総裁の御功績によったのではないというふうに思っております。

そして、また、この間、国債の半分以上、日銀が買い支えているという状況で、非常に不健全な状況だと。したがって、金利が上がりますと、国債がどうなるかという、いわば、火種を抱えている状況だということで、この点は非常に心配しております。一方でですね、他の国、例えば、イギリスやドイツなどと比べますと、インフレ10%とかですね、もう10%に近い形で、実にこの、生活に直撃を与えてるインフレです。そうした中で、日本の場合はですね、まだ、デジタル都市国家、デジタル田園都市国家の形成を図っていくというようなことを言われたりして、比較的、その、比較的でございますけれども、政策をとる余地があると。私は、今、地方といいますか、首都圏以外のところの出番が来たなというふうに思っております。これはやはりですね、GDPの半分以上、6割近くを占めるのは、個人消費ですね。ですから、この個人消費を上げるっていうことが、実はポイントで、これまで、どうしてもやっぱり、生産を励ますために投資をもっとしていただこうという、そういう観点から技術をされてきたわけですけれども、むしろですね、個人消費が増えるのは、やはり家が広くなるってことじゃないかと思いますね。

ですから、40平米の家が70平米になったとなれば、ま、たいていの人は嬉しいということで、それで空いた部屋にものを買いましょうとか、あるいは、少し、もっと広くなったらですね、おじいちゃんおばあちゃんも泊まっていただきましょうってことになります。そうすると、その人たちのための耐久消費財ですね、テレビもう1台買いましょうかとか、いうことになったりしてですね、消費が増えます。消費は、しかも、それは自分の意思で増えるわけで、決して誰かに強制されるものではありませんから。そういう意味でですね、18歳以降、賢い消費者になるようにっていう運動もございますけれども、消費とは自己表現なんですね。自分が自由にそのお金を使う、そして、自分が幸せになるという。場合によって、お金を使って人を幸せにするということもございます。そういう意味ではですね、あの、広い暮らしの空間を持てるということが、デジタル、オンライン、Web、こうしたものが時代のキーワードになることによって、できるようになったと。そうした中で、静岡県は首都圏から近接していると。山梨県、長野県もそうですけれども、こうした、いわゆる「山の洲」3県はですね、この首都圏の方たちの息苦しさ、これを助け、かつですね、彼らが持っていらっしゃる貯金、これはもう、個人金融資産というのはですね、60歳以上の人たちに今、圧倒的に集中してるわけですね。特に。そこが狙われて、オレオレ詐欺みたいなことになるわけです。ですから、こうしたお金が、いわば、生きた形で使われるようにする必要があると。そのためにはですね、自分の肉親、特に孫とか、あるいは子供とかですね、そうしたところに使えるようにするってのがすごくいいというふうに思います。ですから、私は、静岡県はですね、住み心地の良いところだと。そして、東京のマンションの生活も1つでございますけれども、同じマンションでもですね、2区画分を使えるとか、それから、場合によって庭があるとかですね、、そしてもちろん、家の中で、オンラインで仕事ができるような空間、これは静岡県は補助してるわけですけど、そうした住み心地の良さと同時に、働くにもここだと、Face to Faceで会いたいってことであれば、すぐに新幹線でも、高速道路で車でもですね、行って、Face to Faceの仕事もできると。一方で、オンラインで済ませるもんならオンラインで済ませることができると。それの実験場になるなと。そして、しかも文化の顔、文化首都になってくださいということでですね、今年は文字通り、この日本の中で、静岡県が、言ってみれば檜舞台に立ったと。私は、世界の檜舞台に立ったと。富士山絡みで、10周年ですから、今年は。世界クラスの地域資源・人材が133件、この9年半でですね、登録されてるわけです。1か月に1件以上ということで、どこに出しても恥ずかしくないというわけでですね、国連とも連携しながらと思ってるんですけれども。こういう場所で住んで、働いて、子育てをする。これがですね、理想ですよと。富士山を借景にして。これをですね、つまり皆が元気になると。それは具体的には、日々の生活ですから、暮らし、暮らしは家ですから。家族団らん、あるいは、何て言いますか、お友達や、その、3世代一緒に生活できる可能性

をですね、ここなら提供できると。ですから、生産と分配の好循環ではなくてですね、生産とですね、消費の好循環を。「消費」、これをですね、「バイ・シズオカ」「バイ・山の洲」これは、みな、それを念頭に置いた政策でございますけれども、それをもっと大きく、パイプを大きくしていきたいと、太くしていきたいと。

ここでですね、医療が充実してるってことが大事であります。教育も受けられるっていうことが大事です。食べ物に困らないってことも大事です。食べ物の方はOKです。医療も完全とは言えないまでもですね、充実した方向に進んできております。医療・医薬品生産額はもうトップクラスでございますし。ただ、教育はですね、まだ、十分にインターナショナルとは言えないというところがございますが、少なくともですね、住み心地が良いと。働いてもここで住み続けられると。こういうですね、ことが、消費を拡大させて、それが生産にフィードバックされると。こういうですね、それは何といっても日々のものでありますから、第一次産品、第1次産業ですね、ここを励ますことになると。だから、県産材を使う、県産の食材を使う、県産の、できれば医療を買っていただくと。そういう中でですね、給食ですね。今、先ほど、記者さんの方から出ましたけども、子どもの件でですね、やっぱり、ひとりごの、つまり、あの母子家庭とか父子家庭というのが増えてるわけですね(※)。統計上を見ますと、非常に年収は厳しいです。ですから、なかなかに苦労されてるってことは、もう、数字の向こうに見えてますからですね、そういうお子さまたちが安心して、美味しいものが食べられるようにですね、これは、教育委員会で諮らなくちゃいけませんけども。また、単に県の教育委員会ではなくて市町の教育委員会とも足並みを揃えなくちゃいけませんけれど、できるところからですね、医療の無償化は、市町との協力でできてきました。何とか給食をですね、なるべく無償に近い形でですね、提供できるシステムを作り上げることができないかと。食べるものに困らないっていうことをですね、それができないかということはですね、何とか、前に進めたいなと。まだ、十分に関係者と話しているものではありませんけども、そういう考えを持っております。

 

※国勢調査によると、県内のひとり親世帯数は近年減少している。

(H27:37,130世帯→R2:33,758世帯)

 

(記者)

NHKと申します。知事、あけましておめでとうございます。

 

(知事)

あけましておめでとうございます。

 

(記者)

今年もよろしくお願いいたします。リニアについてお尋ねいたします。去年を振り返ってみますと、約2年ぶりにあの水資源の専門部会が再開したりですとか、あと知事はJR東海の金子社長ともお会いされたりと、いろいろ動きもありましたし、知事の一文字も水でした。今年もまた引き続き専門部会ですとか有識者会議も続いていきますが、知事が今考えていらっしゃる、今年のJR東海との議論の大きなテーマや、キーワードあれば教えてください。

 

(知事)

やはりあの、去年一番大きかったことはですね、JR東海の大黒柱と目されてきた、葛󠄀西敬之さんが5月の下旬に亡くなられたと。そして、6月になって閣議決定、自民党の公約、そしてリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の、いわゆる決議案ですね、6つの決議案の第1決議。全部同じ文章になりましたね。これは、従来、東京・大阪の早期実現ということだったわけですけれども、それが、静岡工区と名指ししてるのもありますが、東京・名古屋間におけるですね、問題として、水資源並びに南アルプスの自然環境、これを保全するということを踏まえて、リニアを進めなくちゃならんと。これは、私どもの言っていることと同じなのでですね。この6月の視点というのは、6月のこの関係者の姿勢の転換ですね。これは非常に大きいと。ただ、これと同じ姿勢をJR東海という事業主体、営業主体であり、かつ建設主体として、国交省から2011年の5月に認められたわけですが、そこは共有しているとは思わないのでですね、ぜひ閣議でも、与党の公約でも、それから建設期成同盟会(正しくは、「建設促進期成同盟会」)の決議でもですね、6月にバタバタバタっと、こういう動きがあったということを踏まえてですね、あまり無理なことは、つまり、今どうしてもやらなくてはならないことでなければですね、やればいい。実際に、ゆっくりと検討すればいいと。じっくりと検討すればいいと。また、47項目のうち、全量戻しについてのみですね、有識者会議で終わったに留まってます。これからは、それとの関連で、田代の取水抑制案もありますけれども、これについてはですね、昨年の4月からの宿題ですから。そこで問題提起といいますか、解決案として出されたJR東海は、それをどのように解決するつもりなのか、または、当事者でもない水利権について、当事者である東京電力との関係をですね、明確に、専門部会で明らかにされる必要があると。これは検討の余地があると思います。それからですね、私はあの、改めて思うんですけれども、この富士山が、今年の6月22日で登録10周年を迎えると。この富士山とですね、赤石山脈、南アルプスのことですが、これはですね、静岡県にとって、言ってみれば両親みたいなものですね。例えがよくないかもしれませんが、県民はそこの子供みたいなものだという気持ちがあります。というのも、富士山は川はありませんけれども、柿田川の湧水など有名ですが、あるいは、源兵衛川の湧水も有名ですけれども、こうした命の水になってるわけですね。それからもちろん、南アルプスに源流を持つ富士川にしろ、あるいは大井川にしろ、南アルプスの西側を流れている天竜川にしろですね、こういう、山から染み出てくる水が支流になったりして、それによって、人々の命や生活、それから産業を支えられてるわけですね。そうした形でずっと何千年来、ここで人々の生活が営まれてきたと。その意味でですね、こういう富士山と赤石山脈は、本県の、ふじのくにのですね、両親であると。両親に対してですね、傷をつけるというようなことはですね、本当にやむを得ない場合を除けばですね、厳に慎まなきゃならないと。親孝行をしなくてはならないということであります。そういうつもりでですね、私としては臨んでまいりたいと。富士と赤石は、2つなが

ら、両親だと。どちらを父、どちらを母にするかは、それはですね、見る人の気持ちによると思いますけれども、そういう両親のような存在であるということをですね、改めて、私はこの富士や、南アルプス、これを遠望しながら、そしてまた、これまでのこういう山が作り上げてきたですね、この風土の魅力ですね、こうしたことを思いますと、ここは大切にしなくちゃいかんという、その気持ちで1年間、リニアの問題に対しても対処していきたいと思っております。

 

(記者)

ありがとうございます。つまり、大きい、具体的な、大きいテーマとして知事が注目してらっしゃるのはやはり田代ダムの取水抑制案ということ、という理解でよろしいですか。

 

(知事)

具体的には他にもありますね。差し当たって、今、検討しなくちゃならない、この喫緊のテーマは、取水抑制案が本当に現実性があるのかということですね。これはあの、JR東海さんが言い出しっぺですから。それはきちっと説明責任を果たされる義務があると。これはあの、場所としてはですね、専門部会で言われたので、これまでの4回の議論では、それが尽くされておりませんから、これをする必要があるし、それを、その専門部会の先生方も、お待ちになってるというふうに思ってます。しかしながら、生態系の問題もございます。盛土の問題がございます。水質の問題があります。そうした事柄もですね、同じくらいに重要であるというふうに思っております。

 

(記者)

ありがとうございました。

 

(幹事社)

その他ございますでしょうか。ないようですので、以上で終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 

(知事)

今年1年、良い年になりますようにお祈り申し上げます。