(幹事社)
その他ありませんか。
(記者)
日経新聞です。あけましておめでとうございます。
(知事)
おめでとうございます。
(記者)
昨年末にですね、日銀の金融政策の修正もありまして、住宅ローンの金利が、これから1月から上げていく銀行も増えていくということもありますし、一方で、ウクライナの情勢も、まだ、続いております。そういう意味では、県内の経済も、危機管理の話と合わせて、県内の経済は、今年1年、どういう年になっていくか。かなり、いろんな問題が複雑化してきているというのが、かなり、中小事業者を含めて、問題だと思うんですけども、そこに県として、どういう経済政策、どういう支援のやり方を、これから、この1年、求められていくかと。
(知事)
そうですね、今、日銀の政策も、インフレ2%になりましたけれども、これは政策によってというよりもですね、外的な要因によるということですね。物価が高騰し、エネルギーが高騰し、円安、そうしたことが、2%のインフレになったということで、決して、私は、黒田総裁の御功績によったのではないというふうに思っております。
そして、また、この間、国債の半分以上、日銀が買い支えているという状況で、非常に不健全な状況だと。したがって、金利が上がりますと、国債がどうなるかという、いわば、火種を抱えている状況だということで、この点は非常に心配しております。一方でですね、他の国、例えば、イギリスやドイツなどと比べますと、インフレ10%とかですね、もう10%に近い形で、実にこの、生活に直撃を与えてるインフレです。そうした中で、日本の場合はですね、まだ、デジタル都市国家、デジタル田園都市国家の形成を図っていくというようなことを言われたりして、比較的、その、比較的でございますけれども、政策をとる余地があると。私は、今、地方といいますか、首都圏以外のところの出番が来たなというふうに思っております。これはやはりですね、GDPの半分以上、6割近くを占めるのは、個人消費ですね。ですから、この個人消費を上げるっていうことが、実はポイントで、これまで、どうしてもやっぱり、生産を励ますために投資をもっとしていただこうという、そういう観点から技術をされてきたわけですけれども、むしろですね、個人消費が増えるのは、やはり家が広くなるってことじゃないかと思いますね。
ですから、40平米の家が70平米になったとなれば、ま、たいていの人は嬉しいということで、それで空いた部屋にものを買いましょうとか、あるいは、少し、もっと広くなったらですね、おじいちゃんおばあちゃんも泊まっていただきましょうってことになります。そうすると、その人たちのための耐久消費財ですね、テレビもう1台買いましょうかとか、いうことになったりしてですね、消費が増えます。消費は、しかも、それは自分の意思で増えるわけで、決して誰かに強制されるものではありませんから。そういう意味でですね、18歳以降、賢い消費者になるようにっていう運動もございますけれども、消費とは自己表現なんですね。自分が自由にそのお金を使う、そして、自分が幸せになるという。場合によって、お金を使って人を幸せにするということもございます。そういう意味ではですね、あの、広い暮らしの空間を持てるということが、デジタル、オンライン、Web、こうしたものが時代のキーワードになることによって、できるようになったと。そうした中で、静岡県は首都圏から近接していると。山梨県、長野県もそうですけれども、こうした、いわゆる「山の洲」3県はですね、この首都圏の方たちの息苦しさ、これを助け、かつですね、彼らが持っていらっしゃる貯金、これはもう、個人金融資産というのはですね、60歳以上の人たちに今、圧倒的に集中してるわけですね。特に。そこが狙われて、オレオレ詐欺みたいなことになるわけです。ですから、こうしたお金が、いわば、生きた形で使われるようにする必要があると。そのためにはですね、自分の肉親、特に孫とか、あるいは子供とかですね、そうしたところに使えるようにするってのがすごくいいというふうに思います。ですから、私は、静岡県はですね、住み心地の良いところだと。そして、東京のマンションの生活も1つでございますけれども、同じマンションでもですね、2区画分を使えるとか、それから、場合によって庭があるとかですね、、そしてもちろん、家の中で、オンラインで仕事ができるような空間、これは静岡県は補助してるわけですけど、そうした住み心地の良さと同時に、働くにもここだと、Face to Faceで会いたいってことであれば、すぐに新幹線でも、高速道路で車でもですね、行って、Face to Faceの仕事もできると。一方で、オンラインで済ませるもんならオンラインで済ませることができると。それの実験場になるなと。そして、しかも文化の顔、文化首都になってくださいということでですね、今年は文字通り、この日本の中で、静岡県が、言ってみれば檜舞台に立ったと。私は、世界の檜舞台に立ったと。富士山絡みで、10周年ですから、今年は。世界クラスの地域資源・人材が133件、この9年半でですね、登録されてるわけです。1か月に1件以上ということで、どこに出しても恥ずかしくないというわけでですね、国連とも連携しながらと思ってるんですけれども。こういう場所で住んで、働いて、子育てをする。これがですね、理想ですよと。富士山を借景にして。これをですね、つまり皆が元気になると。それは具体的には、日々の生活ですから、暮らし、暮らしは家ですから。家族団らん、あるいは、何て言いますか、お友達や、その、3世代一緒に生活できる可能性
をですね、ここなら提供できると。ですから、生産と分配の好循環ではなくてですね、生産とですね、消費の好循環を。「消費」、これをですね、「バイ・シズオカ」「バイ・山の洲」これは、みな、それを念頭に置いた政策でございますけれども、それをもっと大きく、パイプを大きくしていきたいと、太くしていきたいと。
ここでですね、医療が充実してるってことが大事であります。教育も受けられるっていうことが大事です。食べ物に困らないってことも大事です。食べ物の方はOKです。医療も完全とは言えないまでもですね、充実した方向に進んできております。医療・医薬品生産額はもうトップクラスでございますし。ただ、教育はですね、まだ、十分にインターナショナルとは言えないというところがございますが、少なくともですね、住み心地が良いと。働いてもここで住み続けられると。こういうですね、ことが、消費を拡大させて、それが生産にフィードバックされると。こういうですね、それは何といっても日々のものでありますから、第一次産品、第1次産業ですね、ここを励ますことになると。だから、県産材を使う、県産の食材を使う、県産の、できれば医療を買っていただくと。そういう中でですね、給食ですね。今、先ほど、記者さんの方から出ましたけども、子どもの件でですね、やっぱり、ひとりごの、つまり、あの母子家庭とか父子家庭というのが増えてるわけですね(※)。統計上を見ますと、非常に年収は厳しいです。ですから、なかなかに苦労されてるってことは、もう、数字の向こうに見えてますからですね、そういうお子さまたちが安心して、美味しいものが食べられるようにですね、これは、教育委員会で諮らなくちゃいけませんけども。また、単に県の教育委員会ではなくて市町の教育委員会とも足並みを揃えなくちゃいけませんけれど、できるところからですね、医療の無償化は、市町との協力でできてきました。何とか給食をですね、なるべく無償に近い形でですね、提供できるシステムを作り上げることができないかと。食べるものに困らないっていうことをですね、それができないかということはですね、何とか、前に進めたいなと。まだ、十分に関係者と話しているものではありませんけども、そういう考えを持っております。
※国勢調査によると、県内のひとり親世帯数は近年減少している。
(H27:37,130世帯→R2:33,758世帯)
(記者)
NHKと申します。知事、あけましておめでとうございます。
(知事)
あけましておめでとうございます。
(記者)
今年もよろしくお願いいたします。リニアについてお尋ねいたします。去年を振り返ってみますと、約2年ぶりにあの水資源の専門部会が再開したりですとか、あと知事はJR東海の金子社長ともお会いされたりと、いろいろ動きもありましたし、知事の一文字も水でした。今年もまた引き続き専門部会ですとか有識者会議も続いていきますが、知事が今考えていらっしゃる、今年のJR東海との議論の大きなテーマや、キーワードあれば教えてください。
(知事)
やはりあの、去年一番大きかったことはですね、JR東海の大黒柱と目されてきた、葛󠄀西敬之さんが5月の下旬に亡くなられたと。そして、6月になって閣議決定、自民党の公約、そしてリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の、いわゆる決議案ですね、6つの決議案の第1決議。全部同じ文章になりましたね。これは、従来、東京・大阪の早期実現ということだったわけですけれども、それが、静岡工区と名指ししてるのもありますが、東京・名古屋間におけるですね、問題として、水資源並びに南アルプスの自然環境、これを保全するということを踏まえて、リニアを進めなくちゃならんと。これは、私どもの言っていることと同じなのでですね。この6月の視点というのは、6月のこの関係者の姿勢の転換ですね。これは非常に大きいと。ただ、これと同じ姿勢をJR東海という事業主体、営業主体であり、かつ建設主体として、国交省から2011年の5月に認められたわけですが、そこは共有しているとは思わないのでですね、ぜひ閣議でも、与党の公約でも、それから建設期成同盟会(正しくは、「建設促進期成同盟会」)の決議でもですね、6月にバタバタバタっと、こういう動きがあったということを踏まえてですね、あまり無理なことは、つまり、今どうしてもやらなくてはならないことでなければですね、やればいい。実際に、ゆっくりと検討すればいいと。じっくりと検討すればいいと。また、47項目のうち、全量戻しについてのみですね、有識者会議で終わったに留まってます。これからは、それとの関連で、田代の取水抑制案もありますけれども、これについてはですね、昨年の4月からの宿題ですから。そこで問題提起といいますか、解決案として出されたJR東海は、それをどのように解決するつもりなのか、または、当事者でもない水利権について、当事者である東京電力との関係をですね、明確に、専門部会で明らかにされる必要があると。これは検討の余地があると思います。それからですね、私はあの、改めて思うんですけれども、この富士山が、今年の6月22日で登録10周年を迎えると。この富士山とですね、赤石山脈、南アルプスのことですが、これはですね、静岡県にとって、言ってみれば両親みたいなものですね。例えがよくないかもしれませんが、県民はそこの子供みたいなものだという気持ちがあります。というのも、富士山は川はありませんけれども、柿田川の湧水など有名ですが、あるいは、源兵衛川の湧水も有名ですけれども、こうした命の水になってるわけですね。それからもちろん、南アルプスに源流を持つ富士川にしろ、あるいは大井川にしろ、南アルプスの西側を流れている天竜川にしろですね、こういう、山から染み出てくる水が支流になったりして、それによって、人々の命や生活、それから産業を支えられてるわけですね。そうした形でずっと何千年来、ここで人々の生活が営まれてきたと。その意味でですね、こういう富士山と赤石山脈は、本県の、ふじのくにのですね、両親であると。両親に対してですね、傷をつけるというようなことはですね、本当にやむを得ない場合を除けばですね、厳に慎まなきゃならないと。親孝行をしなくてはならないということであります。そういうつもりでですね、私としては臨んでまいりたいと。富士と赤石は、2つなが
ら、両親だと。どちらを父、どちらを母にするかは、それはですね、見る人の気持ちによると思いますけれども、そういう両親のような存在であるということをですね、改めて、私はこの富士や、南アルプス、これを遠望しながら、そしてまた、これまでのこういう山が作り上げてきたですね、この風土の魅力ですね、こうしたことを思いますと、ここは大切にしなくちゃいかんという、その気持ちで1年間、リニアの問題に対しても対処していきたいと思っております。
(記者)
ありがとうございます。つまり、大きい、具体的な、大きいテーマとして知事が注目してらっしゃるのはやはり田代ダムの取水抑制案ということ、という理解でよろしいですか。
(知事)
具体的には他にもありますね。差し当たって、今、検討しなくちゃならない、この喫緊のテーマは、取水抑制案が本当に現実性があるのかということですね。これはあの、JR東海さんが言い出しっぺですから。それはきちっと説明責任を果たされる義務があると。これはあの、場所としてはですね、専門部会で言われたので、これまでの4回の議論では、それが尽くされておりませんから、これをする必要があるし、それを、その専門部会の先生方も、お待ちになってるというふうに思ってます。しかしながら、生態系の問題もございます。盛土の問題がございます。水質の問題があります。そうした事柄もですね、同じくらいに重要であるというふうに思っております。
(記者)
ありがとうございました。
(幹事社)
その他ございますでしょうか。ないようですので、以上で終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
(知事)
今年1年、良い年になりますようにお祈り申し上げます。 |