(幹事社)
ありがとうございます。幹事社質問に関連して、質問のある社さんはいらっしゃいますでしょうか。
それでは、その他の質問に移りたいと思います。質問のある社さんは挙手をお願いします。
(記者)
静岡新聞社と申します。新県立中央図書館の木材利用についてお伺い致します。
県議会の9月定例会常任委員会で、整備を所管する県教委、県の教育委員会の方が、県の木使い推進プランに基づく数値目標を超えて、積極的に木材使用を目指すという姿勢を示されました。
整備自体は、県の教育委員会の所管になりますが、これまで、川勝知事御自身も実践委員会などの場で、設計者を選定する際の水準書に、木材利用の目標値が書かれていなかったことなどを指摘されて、県産材を積極的に利用していくべきだという姿勢を、考えを示されてきたというふうに承知しております。県の木使い推進プランに基づけば、この新図書館の木材利用量は約200立方メートルが目標値となります。一方で、過去にはこのはなアリーナで940立方メートルを使われたなど、県産材がふんだんに使われた施設整備というものが行われてきました。これを踏まえて2点お伺いしたいんですけれども、知事御自身はこの新図書館の整備に当たって、木材利用量の目標をどう設定するべきだとお考えでしょうか。
あともう1点は、その木材利用にあたってはコストの問題に直結すると思うんですけれども、ウッドショックですとか、資材の高騰もあって、コストの増大も懸念されるわけですけれども、木材利用自体は脱炭素社会の実現だったり、県の林業振興にも資するものだと思います。この県産材利用とコストのバランスをどういうふうに取るべきだとお考えでしょうか、お聞かせください。
(知事)
県産材を県の公共建築物に使うっていうのは、もう基本的方針なわけですね。それをうっかりされたのだと思いますけれども、県立中央図書館のコンペにおきまして、それが謳い込まれていなかったんですね。ですから、全部コンクリートだけのものもあったりしてですね、それを受けて、審査委員長はですね、選ぶものがないとおっしゃったわけです。
しかし、あえて選ぶならばっていうことで、現在の赤松さんの設計が選ばれたわけですね。それで、委員長の方から、1等に選ばれた赤松さんの方にそれを伝えられて、そして、わかりましたということで、それで県産材を使うということが大切だということでですね、大変、なんて言いますか、こちらの方針を大事にしていただいて、このはなアリーナをはじめですね、県内の、もうこの10年ほどでできている公共物ですね、空港もはじめ、あるいは茶の都ミュージアムや、つい最近では、総合、なんですか、社会健康大学院大学の改修したところの新しいとこですね、あれ1,000本使われてますからね、あんな小さなとこでもですね、もうですからそれ大方針になってるわけですね。それは赤松さんも初めて知ってですね、もうこれは大事なことだということで、それからまたあの県議会の方といいますか、関係者の方からもですね、この点は重要だということで、常任委員会でも話題になったようです。
さて、目標値をどのぐらいにするかってことですが、やはり図書館とそれから他の施設と同列に扱うことはできませんけれども、やはり、このはなアリーナがですね、木材利用、県産材利用で7,000本近くですか、丸太換算でですね。それはですね、何となく基準になるかなという。それの2倍の広さなわけですね。それを図書が中心でございますから、消防との関係もございますので、それと折り合いながらですね、考えなくちゃいかんということでございますけれども。赤松さんの方は、このはなアリーナというのを御覧になって非常に感銘を受けられまして、それを基準に、今、どこにどういうふうにこの県産材を使えるかということをお考えになっておりまして、ものすごいものが、今、出来上がりつつあります。というのはですね、コンセプトがですね、東静岡駅のこちらで、磯崎新さんのグランシップを意識してやられたわけですね。
ところが静岡県、なかんずくこの中央図書館にはですね、葵文庫があると。それから久能文庫もあるということでですね、「徳川さん」、「駿府」、「駿府城」ということになってですね、そしてグランシップは「船」だと、その間に緑があると、緑の芝生が、こちらにあるのは、駿府のシンボル「お城」だと。ですから、この「知の集積」としての駿府城のイメージをですね、抱かれているようであります。
そういうわけで、目下のところはですね、どのぐらい使えるのかと。まず。そして大きな基準としては、このはなアリーナ、そして、コストというのはですね、もちろん彼女のグループはですね、強く意識されておりますし、県議会の方もそうですね。また一方でですね、中央図書館に決まったときと違って、今はですね、紙媒体からものすごい勢いで、活字が紙を媒体にするところから、オンラインであるとか、画面で見ることができるような時代に、急速に変わりつつあるのでですね、図書館というよりもこれは、彼女の言葉で資料体って言ってましたね。図書館には美術的なものもあると。しかし、情報の発信地になるってことなると、アーカイブズとかインフォメーションとかっていう、そういうものが合体したような施設にならなくちゃならないということでですね、当初出された物が起草にはなっておりますけれども、そこに文化的な、この静岡県ならではのものが加わっておりまして、それを全部書き切ったときにですね、今はおそらく、最初は4合目ぐらいだったんですね。とりあえず図書館だっていう感じだったわけですけど、それからコンセプトが決まってまいりまして、だんだんとそのコンセプトに応じた形で形が決まって参りまして、そして、木材をどこで使え、どこまで使えるかってことで、スウェーデン(正しくは、「フィンランド」)とかですね、イギリス(正しくは、「ノルウェー」)まで行ってですね、研究されたということでもうびっくりしましたけれども。もちろんあれは秋田のですね、もう全部木材できた小学校、名建築家が作ったものを見に行ったりですね、それから奈良でできたこの新しい文化センターみたいなの見に行ってこられたりして、どういうふうに、木材を図書館の中で活用できるかと。それからまた、今度、家具がうちの中心だってこともございまして、これが駿河の家具、もちろんこれは、東照宮だとかですね、それから浅間さんとか、それから駿府城とか、そうした時にいろんな職人が来て、それを作ったと。その伝統があるってことで、駿河の家具がすごくレベルが高いと。その家具のものもですね、上手にこの、いろんな家具がございますから、それをこの入れ込むことも大事だということでですね、今、8合目まで来たかなという感じですね。もうちょっと詰めて、それで、どこが削れるかとかいうような話になっていくと。ということで、今、具体的な数字をですね、上げられるような段階ではありません。彼女も、あるいは、彼女のグループもですね、まずはコンセプトをしっかり決めて、どなたに出しても恥ずかしくないような形を、市民県民にですね見せたいというようにされてるということで、ちょっと正確なお答えになってませんけども、現状はそういうことです。
(記者)
できる限り、このはなアリーナの利用量を念頭に、できる限りの県産材利用を追求した中で、最終的にはコストとのバランスをとっていくという、そういうお考えでしょうか。
(知事)
おっしゃるとおりです。
(記者)
すいません、静岡朝日テレビと申します。よろしくお願いします。昨日、退職されました、難波さんの件なんですが、この後、静岡市長選出馬を表明するとみられているんですが、このことについての知事のお考えを聞かせてください。それとですね、以前お伺いしたときに、特に出馬しても応援する予定はないというようなことをおっしゃっていたんですが、そこはお変わりないでしょうか。お願いします。
(知事)
昨日、辞表をいただきました(正しくは、「昨日をもって退職されました」)。そして、今日、午後3時半から記者会見をされるということで、昨日、最後の県職員としてですね、差しでお話する機会がございまして、間違いなく、市長選に出馬されるであろうという確信を得ました。それを念頭に置いて、この間、仕事をされてきたと思います。
特にですね、リニアの問題につきまして、水問題、ここまで、しっかりと、JR東海と、また、国交省ともやり合ってですね、やってきたということと、それから、今、生態系に有識者会議の力点が移ったっていうことでですね、はっきりと区切りがついたと。それから、また、いくつかJR東海に対して、明快な答えが出てないものについて、昨日付でですね、いわゆる高速のボーリングですね、横串を刺す、これについての明快な説明を文書で答えるように、次の専門部会できっちりと答えるようにとかですね。やるべきことを全部やられたんじゃないでしょうかね。
それから、もう1つ、土石流ですけれども、熱海の。これについても、いわゆる代執行もやって、今、彼から次の方に移れるようになってると。私どもも、それを踏まえましてですね、難波本部長の代わりに、森副知事。そして、森副知事は、まだ、7月に御就任されたばかりですから、法令にも明るい、石川政策本部長(正しくは「石川政策推進担当部長」)を充てるということにもいたしました。熱海の土石流につきましてもですね、やはり、くらし・環境部、並びに、くらし・環境部で良かったんですね。そうですね。上は、森君。森君になっておりますので、今、実質担当しているのは光信さんですけども、それで、継承ができるようになっているということで、彼は安心してですね、こっから巣立ったということで。私は、誠に有終の美というか、飛ぶ鳥跡を濁さずっていうかですね、ギリギリまでですね、全身全霊で仕事をされたなということで。特に、前半と後半に分けますと、1期と2期でやられましたからですね。後半の仕事ぶりはですね、文字通り、仕事、仕事人として、あるべき姿を見せたなという感じで。森君とあの石川君が2つ合わせても、ちょっとそれは足りないぐらいです。やっぱり、その、これまでの実績からすると。ですから、われわれ、残されたっていうとおかしいですけども、後、引き継ぐことになったものに対してですね、ものすごい、いい刺激を与えられたということですね。それから市長選に応援するかどうかってことですけれども、応援はいたしません。約束いたしました。はい。
(記者)
ありがとうございます。
(幹事社)
その他よろしいでしょうか。
(記者)
すいません、朝日テレビです。他にいらっしゃらないようなので、続けて質問させていただきます。先日、リニアに試乗されたときに、部分開業は困難だというようなことをおっしゃられたんですが、今までの主張をちょっと変えられたということで、改めてそこをお伺いしてもよろしいでしょうか。
(知事)
もちろんです。JR東海さんが国に出された資料に基づいて、期成同盟会の副会長として、試乗したわけです。私は、時速500kmをですね、体感したいから乗ったのではありません。
コントロールセンターってのがありますが、コントロールセンターで、いわゆる実験線をですね、43km、今、運用してるわけですね。私が最初に乗った2000年の時は18kmで、それが43kmだと。しかし、だからですね、コントロールセンターで、もし、甲府駅と橋本駅、要するに神奈川駅ですね。山梨駅と神奈川駅が72kmですから、これがコントロールできるならですね、そこで部分開業ができるということで、それを聞きに行ったわけです。
そしたらですね、実は変電器、変電施設が1つしかないと。変電施設は、今、マキシマムでこの43kmだと。変電施設がない以上、それを延伸できないと。で、変電施設を作る気はというと、一応、用地は取得してあると。あと甲府駅までですね、コントロールセンターから甲府駅の方に、28kmできてるんですよ。あと6kmのところに、甲府駅が設置できるわけです。そこの、どこかに変電所がなくちゃいけない。変電施設を。駅自体にはですね、何らコンピューター置かないんだそうですよ。
それから、一方、神奈川の方に向けては、神奈川県内20km、そして、山梨県内3km、あと23km、掘り進めなくちゃいけないんですけども、そこにもう1つ置かなくちゃいけないと。そこ用地取得がですね、はっきり言われませんでしたけど、まだできてないなっていう印象を持ちました。それを、そこで変電所を作るという気がなかったのでですね、部分、部分開業というか、実験線の完成から間断なく、その、事業を進めていくというふうに、JR東海は謳ってるので、延伸完成というのが、どこかということがわかったわけですね。43kmだと。それ以上できないということだったんですよ。だったら、部分開業というのはできませんね。それからまた、変電所もですね、東京と名古屋まで300km弱あるじゃないですか。286kmだったでしょうか。そうすると、30kmと考えてもですね、10ぐらいいるわけですよ、変電所は。1つもつくられてません。たった1つあるだけです。
それからまた、用地取得もできてないということですね、車両基地の。その他諸々の厳しい状況がございましてですね、東京・名古屋間のみならず、一番のですね、これまで数十年にわたり運用されてきたこの実験線もですね、需要があるにも関わらず、御本人たちが言ってました、乗りたい倍率が30倍ぐらいだと。だけど、それで、営業する気はさらさらないということをですね、明言されましたので、これは本当に無理だなと。だから、方針を変えられない限りですね、しかも、技術的に、あと6kmで駅ができるのに、駅を作るっていうですね、段取りに入ってらっしゃらないんですね。駅がなければ、これは営業できませんから、ですから、この体制では、もう全く営業する気はないというのを感得したということでございます。
(記者)
すいません、変電所の件なんですけど、試乗する前にはそこはわからなかったという認識でいいんでしょうか。
(知事)
そうなんですよ。
向こうは説明したわけです、30分か40分ぐらい。で、それで私はですね、今、申しましたことを説明したら、お聞きしたわけです。コントロールセンターで72km、コントロールできますかと。できません。どうしてですか。変電所がないからです。えっ、変電所ってのはどういう役割ですかって言ったらですね、今のコントロールセンターがやっている、その変電所の、だいたい10mのぐらいの高さの、建屋でございましたけれども、それがだいたい30kmを軸にして、30kmずつぐらいに作っていかなくちゃいけない。今、偶々、42km、43kmか。43kmを運用してると。それ以上はこの変電所ではできないって言われて、そのときに初めてわかったわけです。はい。
(記者)
わかりました。ありがとうございました。
(知事)
はい、変電所のこと、知らなかったですね。おそらく誰も知らなかったんじゃないですか。
(幹事社)
じゃ、質問、出尽くしたようなので、ありがとうございます。
(知事)
3時半、どうぞ、よろしくお願いします。 |