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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2018年3月13日(火)

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知事記者会見

2018年3月13日(火)


知事発表:世界クラスの資源・人材群が70件に!
知事発表:「ふじのくに茶の都ミュージアム」の開館、職員の長期療養の現状と対策
記者質問:職員の長期療養の現状と対策
記者質問:職員の長期療養の現状と対策
幹事社質問(記者質問):世界ジオパーク、旧優生保護法、リニア中央新幹線の工事について
記者質問:伊東市メガソーラー
記者質問:リニア中央新幹線の工事について、公文書の管理、財務省の決裁文書改ざん問題
記者質問:リニア中央新幹線の工事について、新たな都道府県別健康長寿、伊東市メガソーラー

知事発表:世界クラスの資源・人材群が70件に!

(知事)

 はい。今日は、ご覧じあれという感じです。素晴らしいでしょ。本当にすごいんですよ。この赤いバラ、それからこれはガーベラですね。それからカーネーションですが。これはですね、第67回関東東海花の展覧会で、農林水産大臣賞を受賞したバラとカーネーションと、そしてガーベラであります。まず、このグリーンのカーネーションですけれども、東伊豆の田村安雄さんの40年の歴史の中で丹精を込めて、初めて受賞したとおっしゃってました。バラは磐田市の佐野範幸さんの作品でありまして、彼もバラ作り15年、その前にキャベツを作っておられて、その前にバラを作っておられたということで、正確には分りませんけれども20年以上のこういう仕事をされてきた方です。いわば匠ですね。それから、このガーベラですけど、非常にガーベラとは見えないような、ヒマワリみたいなすごく大きなガーベラですけど、これを作られたのは、浜松市の伊藤憲孝さん。お父上がガーベラに入れ込まれて作っておられたんですが、お坊ちゃまですね、それほど熱心ではなかったんですよ。ところが奥様が義理のお父上とご一緒に作っておられて、ある時、やろうと思ってですね、それでこのガーベラづくりに精を出されまして、お父上亡くなられたそうです。だから、そのお母様、ご存命なんですけれども、それと彼の奥様、抱き合って喜んだそうですよ。

 こういう形で、実は昨日、3人がお見えになったんです。それで、僕はぜひですね、皆さんに知っていただきたいと思いまして、今日ここでこれを、そもそも持って帰られるかもしれないので、お借りできますかと言ったら、いや、これを差し上げると言われたので、じゃあ、今日ここでご披露申し上げてよろしいかと言ったら、どうぞということだったのでご披露申し上げる次第であります。 3人も同時に農林水産大臣賞を受賞するというのは、静岡県政史上初めてだそうです。そんなことで大変ありがたいことですけれども、花の都づくりにこれからまい進しようと思っている矢先ですので、非常にうれしいです。本当に見事ですね。これだけの大きな深紅のバラなんてのは、これ一輪だけもらったってハートが燃えるんじゃないですか。そういうわけでございます。ご披露申し上げました。

世界クラスの資源・人材群が70件に!

 二つ目のご披露は、世界クラスの資源・人材群が70件になったことであります。

 新聞でも報じられておりますけれども、吉野彰博士が、この方は旭化成株式会社の名誉フェローでありますが、リチウムイオン電池開発の功績が認められて、日本国際賞を受賞されることになりました。吉野博士は、平成17年8月、富士市にある旭化成株式会社富士支社に吉野研究室をお構えになって、約10年間にわたり、リチウムイオン電池の開発に携わった経歴をお持ちです。日本国際賞は、国際科学技術財団による、科学技術の分野における権威ある国際賞です。全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を上げ、科学技術の進歩に大きく寄与したと認められる人物に与えられる賞であります。1990年代初めから始まったデジタル化やIT革命、モバイル革命は、リチウムイオン電池なくして構築できないものでございます。吉野博士の独創的で飛躍的な成果は、技術・産業面での礎となっておりまして、社会に果たした役割は極めて大きいということで、特筆すべきものであります。

 二つ目ですけれども、「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定されました。

 今月8、9日にイタリア・ローマで開催されました国連食糧農業機関の審査会におきまして「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定されました。本県では、平成25年5月に「静岡の茶草場農法」が認定されております。今回の認定で、二つの世界農業遺産を有する国内唯一の県と相成りました。これまで認定に向けてご尽力頂きました関係の皆さまに、心から感謝を申し上げます。武内和彦先生が、これの日本代表の委員でありますが、東大の先生ですけれども、うちの「美しく品格のある邑づくり」の推進委員長などもお務めいただいておりまして、本当にお世話になっております。「茶草場農法」の世界農業遺産認定のときも、武内先生にお世話になりました。武内先生には、特段に御礼を申し上げたく存じます。

 世界農業遺産は、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を認定する制度です。今回の認定は、本県がワサビ栽培発祥の地であり、江戸時代初期に栽培が始まって以降、400年にわたり、豊富な湧水を利用した独自の生産技術が守り継承されていること、わさび漬をはじめ独自の食文化が根付いていることが評価されたものと存じます。県としましては、地域の皆さまとともに、ワサビ田を取り巻く自然環境の保全、伝統栽培の後世への継承に、使命感を持って取り組んでまいりたいと思います。

 皆さまのお手元にお配りしておりますが、本県の「世界クラスの資源・人材群」は今回の「吉野彰」博士と「静岡水わさびの伝統栽培」の2件を加えた結果、合計70件となりました。平成25年6月の富士山の世界遺産登録を皮切りに、1カ月に1件を超えるハイペース、今年に入りましてからは1カ月に2件というペースです。本県の地域資源・人材群が世界的な評価を得続けております。来年度から新しい総合計画のスタートを控えておりまして、本県は今や、“世界の静岡”として、世界のひのき舞台に立ったのではないかと思います。この機を逃さず、「美しい“ふじのくに”」づくりに、スタートダッシュで一気呵成に取り組んでまいりたいと考えております。

 皆さん、伊豆半島は割と行きやすいですよね。映画にもなりました。井上靖先生の「わが母の記」の映像が映されてましたけれども、有東木はちょっと山奥なので、見に行きにくいとこですけども、ずっと安倍川沿いを上がっていきますと、1時間ほどでその場所に着くんですが、実に素晴らしいところですね。標高5、6百メートルのところに、一気に大地が開けまして、100軒余りの人たちがお住まいになってるんですよ。もう湧水が素晴らしいんですね。この間、大雨の後に行ったんです。ところが、水が全然濁ってないんですね。本当にきれいな水で、そこに「うつろぎ」という食堂があるんですよ。ワサビ尽くし。そこで食べるわさび丼のおいしいこと。それから、そばが手打ちです。そこに採りたてのワサビを擦っていただきますと、最高ですね。それからさらにずっと上がっていくと、またぱっと視界が開けまして、そこで育苗してるんですね。そこも、3万株位できるとおっしゃってました。10万株にしたいとおっしゃってましたけれども。まぁ、実にすごいところですね。静岡でも最も美しい景色のところではないかと思いますし、またそこでワサビ作りに精出している青年たち、若いんですね、皆、大変頼もしく思った次第であります。その日はまだ認定が来ていなかったので、その日の午後8時に届いたわけですけれども、彼らにとっても大変、喜ばれていることでしょう。私もご一緒に喜びたいと思っております。

 発表項目に移ります。




知事発表:「ふじのくに茶の都ミュージアム」の開館、職員の長期療養の現状と対策

(知事)

【「ふじのくに茶の都ミュージアム」の開館】

 最初の発表項目、全部で二つありますけれども、最初は「ふじのくに茶の都ミュージアム」の開館についてであります。

 いよいよ「ふじのくに茶の都ミュージアム」が3月24日に開館いたします。ミュージアムは茶の都の拠点であります。お茶の産業、文化、学術などのさまざまな情報を集積、発信する本格的な博物館です。施設は、日本一の牧之原の大茶園と調和を図るため、小堀遠州の「綺麗さび」、江戸時代初期の文化、キーワードが「綺麗さび」というものでありますけれども、小堀遠州の「綺麗さび」を取り入れた、お庭もございますけれども、「綺麗さび」のコンセプトを生かした県産材の吹寄せ壁を設置いたしました。面目を更新しております。それから、入口の動線を変更いたしましたので、国内外からの多くの来館者の皆さまが衣替えした博物館、ぜひご覧いただきまして、魅力ある茶室、日本庭園を利用しやすくなっておりますのでご覧いただきたいと存じます。

 それから、動線の中に中庭を通らなくちゃいけないですが、そこは単なるコンクリートの空間だったんですが、そこにイギリスの20世紀の初めからございます世界最大のお庭のショー、チェルシーフラワーショーというのが、毎年初夏に、5月かその頃に、ロンドンのチェルシーでフラワーショーが開かれるんですが、そこで21世紀になってずっとゴールドメダルを獲得し続けている、石原和幸さんという方がいらっしゃいますが、この「緑の魔術師」というふうにエリザベス2世から言われている石原さんが、小堀遠州の壁を隔てた中庭のところを造園していただきました。大変な魅力のある庭でございます。

 さて、静岡の茶祖であります、聖一国師がお茶をお伝えになって、800年の歴史を閲してまいりましたけれども、日本一の茶の生産量と流通量を誇る、この「茶の都しずおか」から、多彩で豊かなお茶の世界を、この拠点を通して紹介してまいりたいと思います。全体として、地域をティーガーデンシティーというふうに呼んでおりまして、こうしたガーデンシティーの実現に向けまして、周辺の茶関連施設や空の玄関口である「富士山静岡空港」も、歩けばどれくらいでしょうか、40分位ですかね、3キロ位ですか、30分で行けますね。自転車で行くと5分、10分位で行けると思いますけれども、そういうところなので自転車も含めて、富士山静岡空港との連携を深めたいと思っております。地域には多彩な地域資源もございますので、その中核を富士山世界遺産センターとともに、このミュージアムが担っていくようにしたいと思っております。初代の館長は、熊倉功夫先生であります。

職員の長期療養の現状と対策

 続きまして、発表項目、最後でありますけれども、本議会で県職員の長期療養の現状について、私はほとんど知らなかったので、調べるように指示をいたしましたところ、結果が出ましたので、その結果を調査の責任者であります藤原局長がいますので、藤原さんの方からご説明お願いします。

(藤原職員局長)

 失礼します。本会議でご質問がありました、県職員の長期療養の状況につきまして、調べましたのでご報告いたします。

 資料がお手元にあろうかなと思います。資料は3枚にわたっておりまして、1枚目がふじのくにのマークが入ったもの、あとは資料の1、2、これに従いまして、ご説明申し上げます。

 職員が病気によって1週間以上休む場合は、人事管理の観点から、各所属長が「健康状況報告書」なるものを、各部局の人事担当及び人事課に提出するということとなっております。また、30日を超えて休むということになった場合には、健康管理の観点から、職員安全衛生管理規程に基づきまして、所属長は「長期療養報告書」を、総括安全衛生管理者でございます経営管理部長に提出するということになっております。これらの報告によりまして、短期、長期問わず、職員の健康状況を把握して、必要な支援を行っております。

 資料1をご覧ください。上の方の表でございます、メンタル不調による30日を超える長期の療養者は、過去5年間の平均で67人、発生率で申し上げますと1.13パーセントとなっております。その下の表でございます、都道府県・指定都市全体の長期療養者の発生率は、過去5年間の平均では1.25パーセントとなっております。本県の発生率は全国平均よりもやや低いということが見て取れます。ただ、この都道府県・指定都市職員につきまして、各団体ごとの状況については公表されていない状況でございます。その下の参考の2と書いてあるのは、本県の休暇、休職、負傷疾病による、これを治すための制度でございます。最初は90日以内の特別休暇取得、精神病などの場合には、それが180日以内、さらにまだ療養が必要だという場合には、3年以内で休職ができるという制度になっているものでございます。

 資料2でございます。民間企業の状況でございます。厚生労働省が14000の全国の事業所を対象に実施した調査、平成28年度、27年11月から28年10月までの1年間でございます。1カ月以上休業した労働者の割合は、合計で0.4パーセントとなっております。企業規模で申しますと、本県がだいたい知事部局5800人程度と申しますと、だいたい5000人以上、これが0.5パーセントとなっています。一方で、その下の方の産業という欄、ご覧いただきますと分りますように、実は業種によって大きな差がございます。情報通信業1.2パーセント、金融業・保険業1.0パーセントから、生活関連サービス業・娯楽業の0.1パーセント、宿泊業・飲食サービス業0.0パーセントと、業種によってはさまざまということが見て取れます。本県のメンタルヘルスの不調の発生率、この率そのものについて、これが一概に高いとは言えないのではないかと考えておりますけれども、1.13パーセント、88人に1人の割合で発生しているという自体は、大きな問題であると認識しております。

 質の高い行政サービスを提供するため、また、職員自身やそのご家族が豊かな生活を送っていただくためにも、職員が心身共に健康であることはその基本でございます。職員本人のみならず、ご家族、職場も対象に、メンタルヘルス不調の未然防止、これを一次予防と申しますけれども、それから長期療養になった場合の職場復帰、三次予防と申しますが、それに至るまで総合的なメンタルヘルス対策、これを今後ともさらに充実させてまいりたいと思っております。以上でございます。

(知事)

 ということでございます。議場のやりとりですと、民間が0.4、うちが1.13なので、3倍だということでショックを受けたわけです。その数字は間違ってないんですね。一方、都道府県全体で1.25だから、うちより高いと、それと比べると高くないということなわけです。ですから、これはなかなか統計をどう読むかっていうのは、統計それ自体は客観的な数字ですから、そこにどういう判断を下すかっていうのは、一種の目的意識を持ってやりますんで、88人に1人というのは決して少ないとは言えないと思いますね。そして、業種によって、宿泊業・飲食サービス、生活関連サービス業、娯楽業、0.0とか0.1ですか。そういうところで働いてるとメンタルヘルス不調にならないそうです。ジャーナリズムはどうかな。情報通信、1.2でございます。静岡県庁より高いそうで、皆さまのお仲間にもそういう方がいらっしゃいませんか。できる限り、そういう不調に陥らないようにしないといけないと。私は、農業・林業、いわゆる第1次産業ですね、これが極めて低いですね。ですから、こういう一番基本的な産業ってのは健康な産業じゃないかと。それから、人様にサービスするという、文字通り、宿泊業とか飲食サービス業がそうですけども、皆、人を幸せにするような産業で、こうしたところが0.0っていうんですから、これから若い青年に仕事を選ぶときに農業・林業を薦めたいものです。県庁は88人に1人にならないようにしなくちゃいけませんよというようなことを言いますか。そういうことで、皆さんも気をつけてください。

 以上で、私の方からの発表を終わります。




記者質問:職員の長期療養の現状と対策

(幹事社)

 知事、ありがとうございました。今の知事の発表事項について質問がある方、お願いします。

(記者)

 長期療養者についての調査について伺いたいんですが、ご説明いただいた数字は納得できる部分も多々ある一方でですね、昨年の12月議会で県職員の自殺者の人数というのが話題になったかと、ご記憶かと思います。その時も記事を書かせていただいたんですけれども、そのときは、亡くなった方、自死と言ってもいいのかもしれませんけれども、8年で17人ということで、全国平均の2倍だと、多いんじゃないかというような議論だったと記憶しております。長期療養と自ら亡くなる方のことというのは、直接、因果関係とか関係のあるものとは、必ずしも限らないのかもしれませんけれども、何らかの関係があるケースも多々あるのではないかと思われます。県庁の知事部局に限らない話かもしれませんけれども、職場環境、あるいは職員の方々の心身の健康が保たれる状況にあるかどうかについて、危機感をどの程度お持ちなのかということについて伺いたいです。

(知事)

 自分の家族が、突然、命を絶つというのは、その家族の人にとって、どれほどのショックかというのは想像に余りあるものがあります。そうした自死を選ばれた方が、同僚の中にいるということになると、これは深刻ですね。ですから、危機感は非常に高いです。同時にこのメンタルヘルス不調も他の職種に比べて、決して低いとは言えないということもございまして、それがどの程度、連関しているか、連関している可能性もありますね。なるべく追い込まれないようにしなくてはいけないと。そのためには、上司と部下という、責任の大きさしか違わないんですけども、そこで威張らないとかですね、下が何かへつらうような形でいびつな上下関係が作られないようにしなくちゃいけないというふうに思っております。そんなことで、私は公務に携わるものは、身に私を構えてはいけないと。それから、今、話題になってますけれども、嘘をついてはいけないということですね。公務員たるもの。政治家も同じですが。これは人間の基本だと思うんですけど。嘘をつかない。上にへつらわない。下に威張らない。弱い人はこれを助けるというような基本的な8カ条を皆さんにご紹介申し上げてるんですが、ともかく、その上下関係が上手くいかないと、特に、仮に上に立つ方がですね、年齢が低くて責任が小さいところにいらした方よりも人物が小さいと、相当苦しみますね。それは誰も経験していることではなかろうかと思いますが、私ですら、こういう学問の世界ですらあります。ですから、やはり上に立つ人はいかにして一緒に働いている部下といいますか、同僚といいますか、そうした地位から、窮屈だなぁとか、煙たがられてるなぁとか思われないように、反省することが必要だと思いまして。もちろん自殺される理由だとか、メンタルヘルスの不調が兆される理由は、いろいろあると思います。ご家庭の事情があったり、一概には言えませんけれども、職場の中で不健康な人間関係が続いて、それがメンタルヘルスの不調につながったということは、誠にもって避けなくてはいけないので、できる限り、職場の環境がオープンになってることが大事だと思います。それから、職場の環境を、この花も今日持ってきましたけれども、今、静岡県庁を皆さん歩かれると分りますが、皆さま方の報道室にはお花の1本もありますか。しかしながら、知事室にしろ部長室にしろ、各部局に行かれますとですね、一輪の花をどなたかが持って来て、花瓶でもガラス瓶でも挿してるわけです。そうしたちょっとのことですけれども、ほっとするところがありますからね、そういうふうな職場にしていくことを通して、気が付かない不調の兆しみたいなものが取り除かれればいいなというふうなことは、私、この9年間、心掛けてまいりました。それが必ずしも、メンタルヘルス不調の減少につながっているかどうかはわかりませんけれども。

(記者)

 ありがとうございます。重ねてのご質問で恐縮ですけれども、昨年の12月の県議会でのやりとりがあったきっかけの一つだと思うんですが、一つ二つということでいうと、国の方で大企業の雇用者が亡くなるというケースが目立ったということとか、県庁内でいうとですね、昨年の上半期に、年度ではなくてですね、結構集中した形で亡くなる方がいたようなふうに見受けられたということがあったかと思います。その中には、公務災害認定を模索されてるようなケースもあるやに伺っております。ハラスメントに当たるような可能性も声としては上がってる状態なんですけれども、そういった状況については把握されてらっしゃるというふうに考えていいでしょうか。

(知事)

 いや、それは今聞きました。初めて聞きましたけれども、分かれば、その具体的なことが分かればですね、即、救済というとおこがましいですけれども、手当てをするために動きます。今、その事案がまだ継続してるなら、今日でも明日でもすぐに動きたいと思います。

(記者)

 ありがとうございます。今ここで具体的なことを僕が申し上げるわけにもいかないので、しかるべき把握をされたら対応されると。

(知事)

 もちろんです。

(記者)

 あともう1点。昨年の知事選で、これは関連するかどうか、ちょっと迷いながらのご質問なんですけれども、相手候補の方から、知事の県政運営が高圧的ではないかというようなご発言もあったと思います。社長が社風を必ずしも100パーセント左右するものではないとは思いますけれども、知事の過去のご発言の中に、幹部職員に対する訓示として、だと思うんですが、事実が違っていたらすみませんけれども、倒れる寸前まで働けと、それが公僕としての役目というか役割ということのご趣旨だとは思うんですけれども、そういうご発言が一度ならずおありだったのではないかと思います。その点について振り返って、どのようにお感じでいらっしゃいますか。

(知事)

 そうですね。3月31日、救急車で運ばれるくらい働いてくださいと、私は僕の先輩から言われました。博士論文書き終えたら、あるいは修論書き終えたら、その時、救急車で運ばれるくらい、ともかく打ち込んでやれと。ともかく、そういう励ましというか、一心不乱に勉強しなさい、仕事しなさいということなんですね。人を追い込むためのものではもちろんありません。しかし、それが高圧的ととられたかどうかは分かりませんけれども、選挙の中で言われた高圧というのはですね、ある特定の事案について差しているだけで、これは政治的な言辞であるというふうには受け止めておりました。ですから、今おっしゃったことと結び付けてはいません。

(記者)

 一方で、これも邪推かもしれませんけれども、今年に入ってと言っていいのか、年末年始以降というのか、知事の訓示でいくつか拝見している中で、心身の健康を大切にいうような趣旨のご発言があったように記憶しております。何か発言されるときの、県庁内での姿勢や表現について心掛けたこと、あるいは変化したことっていうのはおありでしょうか。

(知事)

 常に、私は書いてあるものを読みませんのでね。ですから、例えば2018年4月1日に職員に対して言うのは、2017年に言ったことと違うと思います。違うことになると思います。なぜかというと、書いたものを読まないからですね。ですから、その時点で一番大切と思うことを、心を込めて申し上げるというふうにしておりますので。要するに、何を言うかというよりも、どのように言うかってことがとても大切でですね。正しいことを言うということと、それが相手に伝わるかということとは別です。ですから、ハート・トゥ・ハートということがとても大事で、本当に自分がそう思ってないことをですね、ただ言ってることの中身は間違いじゃないからということで言っても、伝わりませんでしょ。ですから、私は、常に職員の皆さま方が、職責を全うするよう元気に仕事してくださいというのが基本ですのでね。それから、先ほども申し上げました、同じことを繰り返すとすれば、身に私を構えてはいけないと、嘘を言ってはいけないと、上にへつらうと、下に威張るということをしないでくださいといったようなことはですね、これはもう基本的な姿勢として申し上げますが、こうしたことはほとんどは釈迦に説法なことなんですが、本当に自分が信じて言ってることであれば、皆さんも、自分もそうするかと。私も年上ですからね。その分、一応、年長者が言ってることだということで尊重していただけるものであれば、尊重していただきたいというつもりでは言っております。命令したことはありません。




記者質問:職員の長期療養の現状と対策

(記者)

 一方で知事は自治体の首長さんは任命権者であって、やっぱり権力なり権威を、特に学者、研究者出身の方なので、権力だけでなく権威もしかるべき選挙も経て身に帯びていらっしゃる立場だと思われます。現にそうなんだと思います。そういうお立場から周囲の方が知事のご発言から受け取ることというのはご自身がお感じのことよりももっと風圧が強いということがあるのではないかと思うんです。その点について仏になるというご発言がおありであったり、配慮されてる面もあるのかなとお察し申し上げるんですけれども、やっぱりこう職員の方全員と接しられてるわけではないとしてもですね、どういう職階の方が亡くなったかどうかというのは、現時点のデータは分からないんですが、上意下達というのか、風が上から下に吹く、雰囲気づくられるということは、どんな組織でもあると思いますので、その点についてより自覚的に今後行動されるようなご予定はありますでしょうか。

(知事)

 今までも、これからもですね、いつもそういう心構えです。すなわち僕は覚悟してきましたので、それは年長であるとか先輩であるから立派な学説を言ってるわけじゃないんですね。ですから、事実と異なれば、たとえ若い人がそれを主張してもですね、認めなくちゃいけないでしょ。ですから、ゼミのときからそうですけれども、川勝を抜きなさいと。これ基本ですよ。ですからその意味でですね、一般論で言えば、広く会議を興し万機公論に決すということで、風通しのいい環境づくりに努めておりますが、今職員の方たちのどの方よりも僕の方が年長になりましたのでね、そこのところだけは、皆さんが怖がるとか、煙たがるとかということのできる限りないように常に心掛けております。

 それからまた、上意下達という言い方で、権力を持っている、権力というのは権限があるんですね。その権限は何のために使うかということなんですが、それは正しいこととか、それから人々の生活や財産やですね、あるいは命やこうしたものを守るためにあるわけです。逆にそれと反することをするということに対して、不善をなすものに対してですね、それを止めると、あるいはそれに明確に反対するというふうなことはあっていいと思うんです。権力はいわば正義を実現するための自由と、自由度が高いというふうに思っております。

 つまり下の者を従わせるためのものではないということですね。むしろ強い力というのは、強い力を持ってない人がいるじゃないですか、その人たちを助けるために使うというふうに思っています。

 それから学問はですね、とても大切で、学問をしない人はする人よりですね、やっぱりあんまり褒められないんじゃないでしょうかね。日本国民の統合の象徴である天皇陛下もですね、先帝のいわゆる海洋生物の研究でつい最近、下田辺りで発見されたウニだったですかね、それが新種であることが最近分かったということでございますけれども、前の昭和天皇も今上陛下も、それから皇太子殿下ほか皇室の皆さまみな学問をされております。これは日本の皇室、日本の文化の伝統ではないかと思いますね。ですから、それを権威付けに使っているということであれば、それは誤りだと思いますね。しかし、そのように見る向きがあることを記者さんから聞いて初めて分かりました。

(記者)

 すみません、最後、1点だけにします。

 過去に県職員の方で現職で自ら命を絶った方について弔問に訪れた経験はおありでしょうか。

(知事)

 いいえ、ありません。

(記者)

 今後、ご予定はありますでしょうか。

(知事)

 そういうことはもう、当然のことだと思いますね。仮にもし、どなたでも、それは別に知らない人でもですね、たまたま一緒にやってるとか、亡くなられた方を存じ上げなくてもですよ、自分の知ってるものの同僚の縁者が亡くなられたとか、それは全てに優先すると。私は1回きりのお別れはですね、きちっとすべきだというふうに思っておりまして、仮にお通夜であるとか葬儀にその時間、どうしても都合がつかない場合でも、皆さんにお知らせしませんけれども、ご家族のところに行ってお線香を上げると、あるいはお悔やみ申し上げるということは常にして参りました。ですから死因が何であれですね、そういう人が不幸な死を遂げたときにはとりわけ家族の方が嘆かれてるでしょうから行くのが当たり前だと思いますが、そうしたことについてですね、報告が上がったのに行かなかったとかね、あるいは行ける時間があるにも関わらず行かなかったということがあったならば問題ですけれども、9年間それはなかったと思いますよ。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 同じ長期療養の話ですが、情報通信は高いという指摘の中で恐縮なんですけれども、民間ではやはり業種ごとにかなりの差があるという情報提供がありました。県庁の仕事も多岐にわたると思うんですけれども、部局ごとの長期療養者の内訳というのは、知事は把握されていらっしゃいますでしょうか。

(知事)

 それはお願いします。

(藤原職員局長)

 部局別ということでございます。実は部局は規模によってだいぶ、大小あります。経営管理部、健康福祉部、経済産業部、交通基盤部、これで大体職員の8割くらいになります。やっぱり長期療養者の率で見ても、そこが8割くらいを占めております。

 一方、本庁と出先という見方をしますと、大体職員の4割が本庁、6割が出先機関でございます。やっぱり長期療養者の発生の割合もそれと同じでございます。そういう意味で、どこそこの部が多いということは言えないのかなと思っております。以上です。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 重ねてですみません、先ほども申し上げかけたんですが、今の関連で、職階別というのか、課長、部局長、要するに幹部に近い方が多いのか、平職員の方が多いのか。何か傾向があったら教えてください。

(藤原職員局長)

 ちょっと一概に、今明確な数字がない中で申し上げて申し訳ないんですけれども、今までの経験からしますと、40代とかが多いのかな。やっぱり人生の抱えるものがだいぶ変わってきまして、40歳で太陽が真上に来ます。そこからの先って、日の当たり方も影の付き方も変わります。いろんなことが変わるときでございます。そういうときがやはり一番多いのかなというふうには思っております。以上です。

(知事)

 僕の周りには部長さん、局長さん、課長さんが出入りされますわね。その方の中で不慮の自殺のようなことをされた方は9年間いなかったと思います。




幹事社質問(記者質問):世界ジオパーク、旧優生保護法、リニア中央新幹線の工事について

(幹事社)

 他にございますでしょうか。じゃあ幹事質問に移らせていただきます。幹事質問は2問あります。2問続けていきます。

 まず、世界ジオパークの審査を担当するユネスコの専門評議会が伊豆半島の認定を勧告しました。知事の受け止めを教えてください。もう一つが、旧優生保護法の下で障害を持つ方に本人の同意なく不妊手術が行われていたという問題が持ち上がっていて、他県では当事者の救済を探る動きも出ていますが、県は現状把握している範囲でどのような状況であったか、また今後の対応などについてお聞かせください。以上、2問お願いします。

(知事)

世界ジオパーク

 はい。まず最初の質問はユネスコ世界ジオパーク認定についてでありますけれども、3月6日付けのユネスコのホームページで、来月4月4日から17日にかけてフランス・パリで開催されるユネスコ執行委員会の議案が公開されまして、その中身がですね、伊豆半島を含む13のジオパークが新たにユネスコ世界ジオパークに推薦されたというものです。

 この議案が承認されますと、正式決定となります。世界認定は確実に近づいていると考えておりまして、ユネスコ執行委員会が最後の関門です。何としてでも悲願を達成したいと。現時点でですね、いつどのような形で発表されるのかについては、明確な情報はございません。昨年度の場合、ユネスコ執行委員会の閉会日に、新たに登録されるユネスコ世界ジオパークの情報がホームページ上に掲載されていましたので、今回も同様の扱いになると思われますので、情報の収集に努めます。

 なお、富士山のときのようにフランスに行くかどうかということなんですが、ユネスコ執行委員会は加盟国の政府代表のみによる会議で、傍聴などもできないということでございますので、現時点では現地に行く予定はございません。ともかく、このジオパークというのは、私が知事になりましたのは平成21年の7月ですけど、そのとき6月議会というのが開会中でありまして、そこで提起したものです。なぜ提起したかというと、小山眞人先生ですね、静大の。新聞にジオパークについて書かれていまして、それを拝読いたしまして「これだ」というふうに思ってですね、そこで提起したのが結果的にこうした運動になったということで、僕にとってもですね、とても思い入れのあるものでございます。

 それから鳥取県で、まだユネスコになる前に、ジオパークがいわゆるNGO組織だったときに行ったんですけど、残念ながら保留になったわけですね。あのときは本当にがっくりきましたが、一方であのときの鳥取県知事さん、平井さんとおっしゃいますけど、なぐさめてくれましてね、いい人だなと思いましたね。ですから、一緒に登録して日本のジオパーク、これが共有財産として世界に登録されればいいなと思ってらっしゃる方がいらっしゃると思いますので、静岡県だけのためにはならないと、日本全体のためでもありますし、特に私は伊豆半島、これからオリ・パラも来ますしデスティネーションキャンペーンもございますし、韮山反射炉もございますので、これにもう一つ花が添えられるということで、すごく喜んでいるところであります。何としてでも、正式な登録を鶴首するといいますか、鶴のように首を長くして待っているということでございます。

旧優生保護法

 二つ目のご質問、旧優生保護法に関わることでございますけれども、まず、これは平成8年に母体保護法に名称と目的が改正されました。静岡県の公文書につきましては、10年間というのが最長の保存期間ということでありますので、従って平成8年は10年以上前のことでありますから、従ってこの優生保護審査会および優生手術に関わる個人の特定できる公文書は、廃棄処分されております。ただし、歴史的公文書として昭和35年から50年の優生保護統計報告は保管されております。

 この件につきましては、宮城県のご夫人が国を提訴されて初めて問題を知りました。旧優生保護法というのを読んでみたのですけれども、当時の思い込みというか、正しいと思ったことを通して議員立法でこれを通されたんですね。ですから、そこにはやはり今から見ると誤りがありますね。そして、特に悲劇だと思いますのは、自分の意思に反して不妊手術を強制されたというのは本当に不幸なことでですね、そういうことはやはりしてはいけなかったと思います。ですから、国の法律とはいえですね、そこには確かハンセン病、らい病と書いてたと思いますけれども、その名称も入っていたのではないかと記憶しておりますが、ハンセン病に対する誤解もあったわけですね。しかし、過ちは改める以外にないんじゃないですか。ですから、過ちと分った時点で、これは従って母体保護法に変わった時点ということになると思いますけれども、やはり誤ったという認識の下に優生保護法から母体保護法に変わったわけでしょう。その時点でですね、謝罪をしっかりするべきだったと思いますね。

 そして今、ようやく訴えられて国の方は右往左往されている感じを受けます。ですから、これは国民全体に関わることでもありますので、早急に、これ議員立法でもともと成立した法律ですから、国会議員としてはその責任を取るべく対応していただきたいというふうに思っております。

 特に静岡県は、自分の意思に反して手術をされた方が、報道によると530人ぐらいいるということだったんですね。決して少ない数字じゃないですよ。その方たちもかなり高齢だと思いますけれども、無念を抱えてらっしゃる方がいるとすればですね、この機会にそうした過ちを早く正すということが大切じゃないかと思います。

(幹事社)

 ありがとうございました。今の幹事質問について何かご質問のある方、どうぞ。

 ないようでしたら、それ以外の質問についてある方、お願いします。

リニア中央新幹線の工事について

(記者)

 今月、リニアの不正をめぐって特捜から大手ゼネコンが逮捕されましたけれども、静岡県に関係することでJR東海、大きく関係してくると思うんですけれども、大手ゼネコン含めJR東海などに対してどのように思われるかをお願いします。

(知事)

 リニアの新幹線の工事というのは9兆円。そのうち3兆円は財政投融資で国の、つまり国民の税金が使われるわけですね。これを大手ゼネコンの4社が談合していた疑いがかけられているんですね。これはまだ黒白がはっきりしていませんので、しかし談合していたとすれば、けしからんことであるというにふうに思います。ですから、不正がはっきりした場合はですね、それに応じた、仕事が回せないんじゃないですか、そちらに。それに応じた形で対応したいと思っておりますが、うちにとってはですね、リニアは水問題と絡んでいるので、その認識をこの際、JR東海さんはしっかり持っていただきたいなという気持ちはございますね。

 何か、今のご質問と直接関わりませんけれども、「リニアが通れば既存のダイヤが変わるので、ひかりとこだまが増えますよ」というそんなことをわざわざ言ったJR東海の関係者がいたみたいですが、何を寝ぼけたことをおっしゃっているんですかと、それ平成23年から分っています。リニアが通れば、既存の新幹線との補完関係になりますのでね、のぞみの今の大都市を結ぶもの皆リニアにいきますから、既存の新幹線のダイヤが変わるのは共通の認識なんですよ、関係者の。皆知っているわけです。それを静岡県に私自身は言っていたつもりです、県民の方にね、折に触れて。しかし、JR東海さんは今まで言ってなかった、言い換えると全く静岡だの一顧だにしていなかったという、そういう表明だったと見てますよ。しかもですね、これはリニアのルートが変わってもですよ、ダイヤは変わるんですよ、既存の。つまり、リニアのルートが仮に静岡のアルプスをかすめないで、当初言われていた松本とか諏訪とかあちらの方に行って、静岡の水問題については全く心配がないということになってもダイヤは変わりますから。だけど今の問題はですね、あれば大林組がするんでしたかね、南アルプスは。大成建設ですか。これをいわゆる談合に関わっていると言われている会社の一つですよね。そこ今できませんよ、こんな状態ですから。だから頭冷やして考えていただきたいと、ルートもそれでいいのかと、しかもあのサービスといういろはですね、サービスが増えるといういろはを今頃言うことからすると、水問題について静岡がいかに大井川で苦しんできたかということを全くご存じないということが想像されました。はい。




記者質問:伊東市メガソーラー

(記者)

 伊東のメガソーラーの件が話題になっていることもありまして、改めて県のエネルギー政策について伺いたいのですけれども、県の方では再生可能エネルギーを非常に推進しておられますけれども、太陽光に限らず風力や水力にしてもそうなんですけれども、広大な土地が必要であったり、また太陽光パネルが、黒いパネルを広いところに敷き詰めなければならないので、景観への影響とか環境への影響というのはどうしてもあるのかなというものになりますので、再生可能エネルギーの推進という県の方針と環境保護や景観の保全というのはどうしても矛盾するものかなと思ってしまうんですけれども。知事は、この2点の整合性については今どのようにお考えでしょうか。

(知事)

 はい、CO2を出してはいけないということで、当初は原子力発電が一番環境に優しいといわれていたわけですね。環境との関わりで、原発が推進されてきたのが国策でした。しかしながら、福島第一原発の悲惨な事故によって、これが環境に極めて重大な影響を及ぼしかねない施設であると。同時に、原子力は安いというふうに言われてきたことも、実際はそうでないということも今は共通認識になってます。

 一方、CO2を出さないというのは共通認識でありますので、従って、再生可能な自然エネルギーに変換しようということで、本県も太陽光エネルギーあるいは小水力発電あるいは風力、地熱、温泉とやってきたわけですね。そうした中で、今おっしゃったような環境、あるいは景観と、この太陽光パネルとの関係について、矛盾する場合がもう既に出てきていました。それは富士山麓です。そして富士宮の須藤市長は、この富士山麓の景観を阻害するということで、大型の太陽光発電施設は許さないということを言ってこられたわけですね。こうしたことで、私も認識していたんですけれども、取りあえずですね、そういう景観とのバランスが取れるということであれば、太陽光はぜひ推進したいというそういう考えでまいりました。

 今回、伊豆半島のこのメガソーラー、八幡野のところの。これは明らかに景観も、環境も、観光もそれから生態系も、ありとあらゆる観点から考えて非常に不適切な施設だと思っております。ですから、個別に考えるのが大切ではないかというのがあります。

 一方でですね、森林破壊というのは、これはやめなくてはなりません。特に水資源というのもございますので。ですから、これからちょっとこの森林に、森林を伐採してそこに太陽光パネルを設置するということに対しては大きく規制していこうということで、これは伊東市長さんも、伊東市議会も、県の方も似たような動きをしているわけですね。ですから何とかこの両立を図りたいと。あれかこれかということではなくて、両方、景観も大事にし、太陽光パネルの設置がふさわしい場所と、利用のし甲斐がないけれども太陽が当たる斜面があって、そこは景観上、人々に不快な感じを与えないというところであればですね、それは規制する理由がないかなとは思ってます。

(記者)

 そういう意味では、太陽光発電そのものに反対ではないけれども、今回の伊東のメガソーラーについてはどうしても容認できないということでらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 そうです。

(記者)

 ありがとうございます。

(記者)

 伊東のメガソーラーに関係して2点伺わせてください。1点目は明日、森林審議会を開かれますが、難波副知事も出席されるご予定と思いますけども、森林審議会にどのようなことを知事としては求めたり期待したりしているかということが1点と、あともう1点は、結局、事業者に許可を出すかどうかというのは、最終的には都道府県知事の判断になると思います。森林審議会で、事業者に瑕疵(かし)がないと認められたとしても、知事の判断でそれを覆す可能性というのはあるのでしょうか。その2点を伺わせてください。

(知事)

 まず、森林審議会に何を期待するかということですが、今の伊東市における事情をですね、できる限り正確に知っていただきたいと思っております。ですから、事務局から資料を通してご説明を申し上げたいと思っているわけですが、その中に現在のメガソーラーがもたらすであろうマイナスの要因がたくさん書かれています。訴訟にもなっています。そうした情報をしっかりとお伝えするということしか今のところはできないですね。

 審議会は、これは公正公平に審議されるところなので、そこに容喙(ようかい)をすることはできないということがあります。ですから、ぜひ慎重にご審議賜りたいと思っております。1回で結論が出なくても、1回で結論出さなくてはならないということでないと思いますので、これもちろん森林審議会のご裁量の分野ですけれども、そうしていただきたいと思っています。

 これに関しては、行政の裁量権というのは極めて限られています。そうした中で、森林審議会の持つ役割は極めて大きいのでですね、祈るような気持ちで森林審議会のご審議を待つというのが今の私の姿勢であります。

(記者)

 すみません、2点目の質問なんですけれども、森林審議会で出た結論に対しても、知事のご判断でそれを覆すような可能性というのはあるんですか。

(知事)

 それが法律上できないそうですね。そういう法律だそうですよ。コンプライアンスは守らんといかんということがあります。法も、現状を認識していない場合には悪法という形になる場合もありますからね。ですから、今のこれほどの大量のメガソーラーがですね、造られるなどというのは、東日本大震災以前は考えられていなかったんですね。われわれだって、わずか9万キロワットぐらいだったのが、今は100万キロワットになったでしょう。それを誇っていたぐらいです、さっきの記者さんのご質問にもございましたような、それは進めてきた面がありますね。

 一方で、それが明らかに環境破壊、生態系破壊、生業への破壊と、しかし生業への破壊が出てきた場合には、お金で解決しろというような向きもありますけれども、それはちょっと待っていただきたいなという気持ちはありますね。お金で補償していただければ悪いことしてもいいよと、悪いことというか、少々駄目になってもいいよというようなことは、静岡県民はとっていただきたくないなと。これは共有財産ですからね、そういう考えを持っていただいて。森林審議会というのは、本来そういう公正公平な立場からなさるところなので、個別具体的にこの伊東の八幡野のところにおけるメガソーラーが、いいのかどうかということを第三者の観点からご審議いただきたいということ以上は言えないですね、今のところ。




記者質問:リニア中央新幹線の工事について、公文書の管理、財務省の決裁文書改ざん問題

【リニア中央新幹線の工事について】

(記者)

 先ほどリニアに関連してですね、知事先ほどのご発言だと不正がはっきりした場合は仕事は回せないという形で対応したいという点なんですが、例えば東京都さんですと都の入札に参加できなくなる指名停止処分を既に逮捕された大成建設と鹿島にする方向で今調整してるみたいなんですが、例えば静岡県が発注する工事の入札だと、まだ捜査中ではありますけど、起訴された段階だとか、裁判で有罪が一審で出たとか、どういう基準になってるんでしょうか。

(知事)

 不正したらそこに仕事を回せないという条例などがありますね。ただまあ、やぶ蛇かもしれませんが、東富士演習場のところね、これも今危ないです。そこがやろうとされている。これも議決がいるんですけれども、この議会の最終日までに不正が明らかになった場合はどうするか、こうした問題も抱えておりまして、基本的にわれわれはコンプライアンス、条例などにのっとった形でやっていくということでございますが、不正があるところが堂々と仕事をするということはあってはならないということです。

公文書の管理

(記者)

 もう1点すみません、今財務省の決裁文書改ざん問題については、知事はどのように考えていらっしゃるかということと静岡県さんの公文書の管理、決裁文書のあり方はどういう形になっているのでしょうか教えてください。

(知事)

 旧大蔵省の公文書の改ざんはですね、一言で言えばあってはならないことですね。私は旧大蔵省の方々と全てではありませんが、今名前が出てる人は存じ上げませんけれども、親交があります。立派な人たちです。その人たちがですね、このようなことをするということはちょっと想像ができないと、言い換えるとそうせざるをいけない状況があったということですね。で今これから国会を挙げて徹底究明をすると言われておりますが、徹底的に究明していただきたいと思っております。

 それからまあ決裁文書に変更を加えるなどということは、恐らく静岡県で今まで起こったことがないんじゃないでしょうか。少なくとも私が知っている限りありません。従って、その管理もそれ相応にされているものと信じております。

 今、公文書は田町にある文庫などに保存されていて、田町の文庫では10年をマキシマムにですね、保存しているということでございますので、それも閲覧可能ですから、きちっと規則に応じた形で保存をしていると思ってます。しかも今、県史の編さんをしております。ですから学者先生も出入りされておりますので、公文書の管理ができていないと、そういう調査もできませんから、その点でも言ってみればチェックが働いてるかなと思っておりますね。

リニア中央新幹線の工事について

(記者)

 先ほどリニアの話の中で規制について、伊東市の方は今規制に向けた条例案を作るということをしていますけれども、県としても大きく動きたいというようなご発言があったと思うんですけれども、そうした伊東市と似たような独自の条例ですとかそういったものを作るといったようなお考えというのはあるのでしょうか。

(知事)

 ありますよ。ただ、今調べていただいたらですね、規制はできるということのようなんですね、条例を待たなくても。従って今ちょっとその辺のところを精査いたしまして、基本的に森林を破壊するような形でのメガソーラーの建設とかいうのができないようにしていこうと。あるいはその範囲を思いっきり狭めるとかですね、そこのところを難波副知事がキャップになって規制の方向で検討しているところです。

財務省の決裁文書改ざん問題

(記者)

 すみません、関連2問と全く別のこと1問、多くてすみません。計3問です。

 まず、1点ですが、財務省の関連の件ですけれども、現在の問題について麻生大臣や首相の責任を問う声もありますが、知事としてはどの辺まで責任を求めるべきだと思われますか。

(知事)

 政治的圧力があった可能性を否定できませんね。そうすると圧力を掛けられる人物というのは特定されてくると思います。特定された段階で責任をお取りになればよろしいかと。ですから徹底究明する必要がある。官僚がうそを言ってはいけないんですね、公務員ですから。そこに不正というもののベースにはうそをつくということが、佐川さんは明らかにうそを言われた。確信してうそを言われた。つまり事実がそうでないにも関わらず、ある圧力があってうそを言われたと僕は思っております。そういうことは本来、ああいう方々はする方たちではない。なぜ一人の職員が自殺しなくちゃならなかったのか。そういう思いを抱いている人がですね、財務省、国交省、あるいは他の省庁にもですね、いらっしゃると思いますね。公務員全体が悪いと思っていませんけど、こうした一種の不正を強要するといいますか、圧力は、国民としても、われわれ地方自治体を預かる行政の機関としても厳に慎まなければならない、してはならないと思っております。




記者質問:リニア中央新幹線の工事について、新たな都道府県別健康長寿、伊東市メガソーラー

【リニア中央新幹線の工事について】

(記者)

 また別で、1点目ですが、先ほどリニアの関連で大林組のJVの話が出たと思うんですけど、東富士演習場の工事の関係で、今回の議決に係っている件ですが、これが先の建設委員会で16日の議決がもし、それまでに不正が分からなくて通ってしまった場合は、現在仮契約の状態のものが自動的に本契約になってしまうという県の契約自体の構造にちょっと問題があるのではないかというような議員の方から意見がありました。そういったことについて、今回のような巨額の工事をめぐっては国のような不測の事態が起きると思うんですけれども、現在の県の仕組みについて知事はどのようにお考えですか。

(知事)

 これは個別具体的な問題で、16日までに不正が明らかにならなかった場合にはそれが本契約になって工事をするということになりますね。それを止める権限は僕にはありません。ですから16日までにどうなるか注視しているということです。

(記者)

 仮に仮契約が本契約になった場合は、それを変える考えはないということですが、仮契約が自動的に本契約になるという県の契約の仕組みについては、知事は見直す必要がありとお考えか現状のままでいいとお考えかお聞かせください。

(知事)

 こういう場合は、今回の場合ですけどね。特に東富士演習場、亡くなられましたからね、お二人。そして皆さまも映像でいかにスラッシュがすさまじいものがある。それが堰堤(えんてい)で防御されてるんですね。極めて重要な人の命に関わる工事なのでですね、これを遅らせることはかえって正しくないという面もあります。ですから、個別具体的な事案として今回のものは早く工事しなくちゃいけないという気持ちは全ての人が持ってらっしゃると思いますね。とりわけ貴重な人命を失ったということがございますので、それだけにそういう思いが強いと思うんですよ。ですからまあ、それ以外のことについてはですね、16日までにそういう不正が明らかにならなかった場合には、なるべく早く工事をしてくださいということでございます。

新たな都道府県別健康長寿

(記者)

 ありがとうございます。

 もう1件全く別の件なんですけれども、厚労省の先日の調査で健康寿命の調査があったと思うんですが、静岡県はこれまで過去に1位を取ったこともあって、本庶佑先生も呼んで社会健康医学に力を入れてらっしゃる中で、男性が6位で女性が13位と大きく順位を落としたと思います。この点について知事はどのようにお考えかお聞かせください。

(知事)

 この点だけ見るともうがっくりですね。言葉がないです。なんでこんなに落ちるんだと、みんな頑張ってるからだろうということで、別にうちが落ちたわけじゃないんですね。健康寿命それ自体が、ただ他の県が頑張ってると。ただ、厚労省の方からですね、2010、2013、2016とやってるわけですね。これはほとんど差がないので、3年平均の順位を公表されてるんですよ。それを使ってくださいとおっしゃるにも関わらず、記者さんはですね、なるべく厳しいところにご関心があるというのは、これまでの書き振りからも分かっておりますが、それはまあしょうがないです。言論の自由ですから。ただ、それで言いますと3カ年で見ると2位です。山梨県が1位、静岡県が2位、そして愛知県が3位です。どうしてこれを公表してくださらないんでしょうか。

(記者)

 記事の一文に触れさせていただきました。

(知事)

 大きく報道してください。そうしてくださいというふうに厚労省の方は言っています。

(記者)

 ありがとうございます。

(知事)

 いずれにしても、落ちたことは間違いありませんからね、それはそれとして、ただし健康寿命について全国的に関心が高まっているということは明らかなので、1位、2位も大切かも知れませんけれども全体として上げていくということで、うちがトップクラスにいるということは間違いありませんね。

(幹事社)

 他にございますでしょうか。

伊東市メガソーラー

(記者)

 メガソーラーの関係で、先ほど条例化の話が出ましたけれども、条例で規制するという方向もという話が出ましたけれども、先ほど知事は、その森林を破壊するということはどうなのかとおっしゃいましたが、知事が今考えている規制というのは森林を破壊するメガソーラーはということなのか、それとも景観を破壊するメガソーラーは規制すると、いずれの方向なんでしょうか。

(知事)

 両方です。今ね、条例と思ってたんですよ。ところがよく規則を読んでいくと規制ができるという報告を受けたんですね。今ちょっと明確にお答えできないのは恥ずかしいんですけども、いずれにしても景観も森林も両方踏まえた上で、景観を破壊するようなメガソーラーは富士宮市がそうでありましたように、やはりよろしくないと思っております。景観については、われわれ景観に関わる規制を皆で申し合わせております。景観を悪くしないようにね。それからもう一つは森林の問題、これももちろん大切なので、あれかこれかじゃなくて、両方ですね。

(記者)

 ありがとうございました。

(幹事社)

 他にございませんでしたら、これで終わりにします。知事ありがとうございました。

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