(記者)
静岡新聞です。かねてから質問させて頂いております、熱海の土石流の行政文書の問題について、何点か伺いたいと思います。えっと法務課の方からあのいろいろと説明を頂いてまして、これなぜ判読できない状態になったのかということに関しては、法務課の複写機で設定、デフォルトモードを変更した設定をして白黒にして濃度が濃くなったという御説明をいただいているんですけれども、ええとこの件については知事はいつどういう状況で把握されたのか。この設定変更していたということ、職員が設定変更したということについて知事はどういう状況でどの時点で把握されてたのでしょうか。
(知事)
これはあなたの指摘がきっかけだったんじゃないかという記憶がありますが。
(記者)
それはいつ、いつですか。私4月、3月4月から質問させていただいてますけれども。
(知事)
私がそれを知ったのはいつかということですか。ああ、その時だと思いますよ。
(記者)
4月から設定変更の話を。
(知事)
それをですね。正確にもし、その前に報告を受けていた可能性もありますけども。御質問いただいてから、この問題を認識したということです。
(記者)
この場ではそういう話を説明されてなかったと思うんですけども。今まで説明されてこなかったのは何故なんでしょうか。
(知事)
いや、説明してきたと思います。質問に対しまして。
(記者)
その職員2人が設定を変更したという話を説明されてなかったと思うんですが。
(知事)
設定を変更した?どいういう設定を、どっからどういうふうに変更したんですか?
(記者)
複写機の設定を、スキャナーするときに、白黒文字モードという、まあ濃くなる、白黒で濃くなる設定に変えてたという説明なんですけど。
(知事)
それはあの、写しが下に出てですね、特定の個人情報等々が判明する場合があるので、そういう場合にしっかり黒塗りをするんだという説明を受けてたというように記憶しております。
(記者)
その職員2人が、そういうふうにやったと聞いているんですけれども、まあその経緯ですね、経緯について、なぜそのカラーのものを白黒にしたのかというふうに報告を受けてるんでしょうか。
(知事)
そこのところだけ特定してたんじゃなくて、たくさんのものを複写して、そして資料作らなくちゃいけないという作業の中で、それが起こったんだというふうに思います。そういうふうに報告を受けております。
(記者)
5月の記者会見の時には、カラーだということに気づかなかったというふうな説明を知事されてますけども、それは正しかったんでしょうか。
(知事)
もともとカラーであったという認識も、その前後にいただきまして、あるいは、あなたの方から最初からカラーだったものが黒白で出てきてるというふうに言われてたら、その時にそうだったと思います。その時に知ったと思います。
(記者)
ええとその、もともとカラーのものが当然あったんですけれども、それを気づかないで作業した結果、白黒状態になって、白黒でコピーした結果そういうふうになったという説明だったと思うんですけども、最近法務課が説明してくれてる内容とだいぶ違うんですけれども。
(知事)
法務課の説明を、今日法務課来てますか?お願いします。
(法務課長)
法務課長の森でございます。この不鮮明になった問題に関してはですね、最初はコピーの際が原因だと思いまして、不鮮明になったという説明をしておりました。6月の末か7月の頭ぐらいに、業者さんの方から、コピー機でスキャナーをかけるときに、原稿の種類を白黒文字モードにしてカラー写真を読み込むと不鮮明になることがあるという情報を得ましたので、それに基づいて、コピーじゃなくて、スキャナ、スキャンの作業が原因だということで調査をしましたので、当初はちょっと私の方のコピー機に対する知識が足らず、適切でない説明を知事、もしくはこの場で差し上げたことは誠に申し訳ございませんでした。
(記者)
当初はその白黒コピーをしていたという御説明されたと思うんですけれども、それは担当した職員にきちんとヒアリングした結果だったんでしょうか。
(法務課長)
うちの機械が白黒の機械なので、白黒だということで最初は認識しておりました。
(記者)
それは、職員に聞いた。
(法務課長)
私が総合的に判断いたしました。
(記者)
その当時は担当してたその2人の職員というのはどういうふうなことを言ってたわけですか。
(法務課長)
当時は、最初は聞いてません。私の方で推論して、確かにコピーは経験的に、何度もかけると見にくくなるという経験はございましたので、それが原因であろうと。
(記者)
そうすると、当初はヒアリングをせずに調査結果を発表してたということですか。
(法務課長)
調査結果は、発表はしてないと思う。記者さんには説明しましたけど発表という形ではしてなかったと思うんですけど。
(記者)
ここの記者会見の場で、5月の記者会見でそういうふうな説明をされてるんですけれども。
(法務課長)
いや、私は5月はしていませんと思いますけれども、私がしてます?
(記者)
記者会見の記録で残ってるので間違いないと。
(法務課長)
そうですか、すいません、その時は、当然私の経験的なところでお話をしたと思います。
(記者)
で、その担当の職員2人に対してヒアリングをしたのはそうするといつからなんでしょうか。
(法務課長)
この7月ぐらいだと思います。
(記者)
でその職員は、まあその理由ですね。なぜ、そういうふうな白黒のモードを使ってしまったのか。カラーで出てきた文書を白黒にしたのかということを言ってるんでしょうか。
(法務課長)
私がその時、調査しなければいけないと思ったのは、なぜ原稿、写真が不鮮明になったということで、業者さんの方から、白黒文字を、原稿の種類を白黒文字として設定してスキャナをかけるとそうなると聞いておりましたので、白黒文字で、スキャナしましたかっていう聞き方をしました。
(記者)
聞き方はそうなんでしょうけれども、なんていうふうに答えたのかを知りたいんです。回答を知りたいんです。職員の。
(法務課長)
そういう記憶がありますだったと思います。
(記者)
で、なぜそういったことをしたのかについては。
(法務課長)
聞いてません。
(記者)
なぜ聞かないんですか。
(法務課長)
だから先ほど申し上げましたけど、なぜ不鮮明になったのかっていうことを私は調べていたので、白黒文字モードであると。原稿資料を白黒文字でスキャニングをすると写真が不鮮明になると聞いてましたんで、じゃあ「そういうことがありましたか」「ありました。そういう記憶がございます」ということであれば、それをやったのが原因ということを御報告すればいいというふうに私は当時考えていたはずです。
(記者)
今の時点での見解で構わないんですけれども、なぜ、その職員、なぜ職員がそういうことをやったのか、職員はなんていうふうに答えているんですか。
(法務課長)
今の時点で総合的に判断をいたしますと、情報公開において、黒塗りするとかあるんですけど、そこには個人情報とか、企業さんの重要な情報が入っておりまして、それを外に出すことはまずいということがございまして、それが裏写り、裏写りというか浮き出して、その結果を見た人がわからないようにするために、消したところですね、何が書いてあったかが出ないようにするために、一生懸命やって、その結果ちょっとその写真の方まで気が回らなかったというふうに、私は心証を形成しております。
(記者)
職員はそういうふうに答えているんですかね。
(法務課長)
私がそう思ってます。
(記者)
職員は何と言うふうに答えてるんですか。
(法務課長)
私がそう思ってますんで。この調査は、なぜ不鮮明になったかっていうことなんで、そういう調査をしておりますので。
(記者)
知事すみません、そこのところはヒアリングが不十分だと思うんですが、そういったことで県として事実認定してしまっていいのか。どうでしょうか。
(知事)
まずですね、情報を隠す意図はなかったというのが一貫していると思います。結果的にですね、白黒になったので、本来カラーであったらば分かった情報が出てこないということですが、これがカラーであったということがわかった時点で、すぐにホームページも含めて、これをカラーにして皆様方にお知らせすると。同時にですね、そこに個人情報なり、企業が特定できるようなことがあってはならないので、その点でそれが、カラーにした場合でも大丈夫かどうかということはもちろん確認したうえで、公表したのではないかというふうに私は受けとめております。
(記者)
知事が、隠す意図はなかったというふうに判断した根拠というのを教えていただければ。
(知事)
これは県の基本方針として、皆様方が共有しているものというふうに私は確信しております。
(記者)
共有してるからか隠す意図がなかったという、そのまあ何てんすかね。その理屈がよくわかんないんですけれども。
(知事)
御本人たちからもですね、隠す意図はなかったと。情報公開条例に基づいて、開示されるべき、要求されたものについては、それを開示するという、基本的にそれに忠実に対応してきたと。したがってそれは隠すということは違うと。開示するという、そういう目的に沿って仕事をしたというふうに聞いております。
(記者)
そうするとそのカラーの文書だという認識がなかったんですか、本当に。そういうふうに言ってるんですか。
(知事)
いや聞いてませんが。
(記者)
それ聞いたほうがいいんじゃないかということなんですけども。ヒアリングが不十分じゃないですか。
(知事)
基本的にカラーの資料であったということが、あなたの御指摘によってわかったので、これはすぐに、問題ないものであるならですね、皆さんにわかるような情報を提供するのが情報開示の趣旨ですから。そうしてくださいということで、そうなったと。
(記者)
そのカラーの文書と認識しながら、なぜ白黒でそういう濃くなるようなモード設定をしてやったのか、そこが非常に不自然なんですね、知事はそういうふうに思わない。
(知事)
私の今の、課長のですね、御説明の通りであろうというふうに思っております。
(記者)
それは何を根拠にしてるんですか。ヒアリングはしてないのに、何で判断するんですかね、そういうふうに。
(知事)
ですからなぜ黒になったのかということで、そのコピーの、コピー機の、コピーの仕方、これが原因だったってことがわかって、実際にそういうふうになるってこともわかって、それならば原因はわかったと。今度のカラーのコピーは情報開示していけないものかどうかということがポイントになって、それは問題ないということを調査した結果、個人情報がそこに含まれてない、地番もですね、別に特定できないということであれば、それを開示できるということで開示に至ったということで。
(記者)
本来、開示すべき情報が開示されていなかったという、非常に重大な案件だと思うんですけどそういう認識はないんでしょうか。
(知事)
いや、ですから、それがわかった時点で開示するということにしたわけです。
(記者)
わかった時点で開示してもこの1年半以上こういう状態だったわけですよね。
検証作業や、訴訟に影響を与えているわけなんですけどもそこの責任は感じないんでしょうか。
(知事)
ともかく、分かった時点で正しい方向に舵を切り返すということ以外に方法はないと、私は思っています。
(記者)
法務課からは謝罪の言葉があったんですけども、知事としては謝罪はしないという。
(知事)
いや、これ記者さん一生懸命取材されてるのでですね、取材に支障きたしたことに対して、組織として大変まずかったというふうに思っております。
(記者)
取材に支障をきたしたのもそうでしょうけれども、被災者や遺族に迷惑がかかっているという認識はないんでしょうか。
(知事)
被災者遺族に対してですね、大迷惑がかかったと思いますよ。まずは、ああいうその悲惨な惨事になったわけですから。もうそれはもう基本中の基本です。ですからいかにして残された者がですね、元気に生きていけるかということ、これをするのがわれわれの義務だということで、安全を講じつつ、堰堤や、あるいは残ってる土砂を取り除き、そして二次災害にならないようにと、こういう炎天下ですから。そうした中でですね、われわれは、この自分たちの気持ちを仕事に変えてやってきたということですね。ですから何か機械的にやってるのとは違いますので、ただその1つの文書がですね、すべてのこういうものの、1つの、唯一の原因だというふうには思っておりません。
(記者)
改めてちょっと確認ですけれども、ヒアリングをしないまま、隠す目的、隠す意図がなかったと判断していると、そういうことでよろしいでしょうか。
(知事)
目的意識があればヒアリングしたでしょう。だけどその法務課長が申し上げていますようにですね、何故そこが白黒になってたかっていうことの疑念を聞いて、そしてそれがわかったということで、その疑念は解消されたと。
(記者)
そうすると、知事の所見を聞きたいんですけれども、職員2人、作業した職員2人が独断でやったというふうに見ているということでよろしいでしょうか。
(知事)
私は一生懸命やってたと思いますね。ともかく情報開示がきて、それに真っ正面から答えるという事で、多くの文書をコピーするなりしてですね、そしてその個人情報が漏れないように、特定の、この企業が特定されないように、地権者がわからないように、そうした作業が基本的に開示する場合に、どうしても必要ですから、そこに重点を置いてやってたんだというふうに思っております。
(記者)
いろいろ専門家にも伺って、複数の方に伺ってるんですけれども、現場の職員が、カラーの文書を白黒でというのを、独断で判断することは、まああり得ないだろうというのが、専門家の一致した見解なんですけれども、知事は独断でやったというふうに見ているということでよろしいでしょうか。
(知事)
意図的にやったのでは全くないと思っています。
(記者)
独断でやったのかどうかを聞いてるんですが。
(知事)
広い意味で、この資料について、地番ですね、そうしたものがわかると具合が悪いっていうふうに思ったんだろうということは想像がつきますね。ですから、それはわからないようにするためにってことがあったかもしれませんが、しかしながら、たくさんの資料を処理する中で、そこの資料に、D27でしたか、その資料に特定するような形での意識を持ってなかったと思います。
(記者)
ごめんなさい。確認ですけれども、担当職員のヒアリングが不十分な中で、これ、職員2人の責任に押し付けるようなことがあってはならないと思うんですが、知事は2人が独断でやったと判断しているということで。
(知事)
2人は一生懸命やったと思ってますね。
(記者)
独断でやったかどうかということで。
(知事)
独断という言葉が適切であるとは思いません。
(記者)
そうすると他に関与してるものがいるという。
(知事)
いや、そういうふうな邪推は全くありません。
(記者)
こういう場合は邪推、邪推といいますか、正に他の関係職員、指示した可能性を含めてですね、しっかりヒアリングして調べるべきだと思うんですが、そういう考えはないんでしょうか。
(知事)
今、この間、法務課長ほか担当者と、何度か折に触れて、もう議論しておりますけれども、それなりの、この件につきましては何か情報を隠すとかですね、それから意図的にこの白黒にしたとか、そうしたことはなかったという、暫定的ではありますけどもそういう認識を持っています。
(記者)
この開示作業自体が、設定変更した2人の方も含めて6人の法務課の職員が関わっているというふうに聞いてて、そのうちの1人は課長だというふうにも聞いてるんですけれども、それでもその当事者がヒアリングした結果を、ヒアリングも不十分な中でですけども、その当事者からの報告を信用して、知事は判断する、組織の判断をするそういうことでよろしいでしょかう。
(知事)
基本的に職員を、全面的に信頼してます。
(記者)
わかりました。ありがとうございます。 |