(記者)
SBSテレビです。先ほど鉄道局長の話もありましたが、近々で何かリニア問題で、事務方レベルでも結構なんですけど、予定されていることなどありましたら教えてください。
(知事)
ありがとうございます。有識者会議で中村報告が出ましたので、私どもは47項目、流量とか水質とか、残土とか或いは監視とか生態系とか、いくつかの項目がありまして、これ目下のところは第1回目の有識者会議は流量に関するものでした。今回は生態系に関するものでございます。残土の問題も若干入っておりますが、こうしたこのわれわれの47項目に応じた形で、今まで、大きくは2つの有識者会議が開かれたわけですね。これで明らかになったことと明らかになっていないこと、これについてですね、本県の副知事が、本部長を務めているところで今、まとめておりまして、2月の5日、2月の5日にですね、この件について御発表させていただきます。
(記者)
それである程度、問題は解消できる部分ってあるんでしょうか。
(知事)
問題点がどこにあるかが明らかになると思います。問題が解消されるっていうよりも、問題点がどこにあるのか。それが今回、明らかにされることだと思いますね。生態系に関してではありますけれども。
(記者)
すいません、日本経済新聞と申します。何点かあるんですが、1点目がリニアの関係で、工事ヤードに関する件でお伺いさせてください。先日の会見の中で、JR東海の静岡工区における工事計画で、ヤードの整備が遅れていると。そして三ツ峰落合線のトンネルの工事が遅れているから、従業員の命に関わるような状況が起こりかねないというような形で、知事が注文をつけられていたんですが、先日のJR東海のリニア説明会における向こうの見解で言うと、工事ヤードの周辺作業が終わっていて、いわゆる、なんて言うんですかね、工事に必要な部分のヤード整備に関しては、県に建設の許可を申請したが認められていないと、それでそこに着手できない状況が続いてるというようなお話でした。加えてトンネル工事に関して遅れは認めたんですけれども、一方で、トンネル工事ができないからそのヤードの整備が進まないというようなものではないと、ヤードの整備とトンネルの工事とは直接的に関係がないというようなお話でした。先ほどの部分開業に関しては、1つのアイディアというような意見があったんですけれども、このヤードをめぐる認識に関しては、なんて言うんですかね、こうこうしろというよりも、おそらく、明らかなる誤認かなと思ったんですが、この件に関して見解があれば伺いできたらと思います。
(知事)
御案内のとおりヤードは2つあるわけですね。いわゆるこの、活動拠点を整備するヤードの工事と、それから掘削、トンネルを掘削するための、そういうヤードを作るという、その工事がありまして、そして活動拠点整備工事っていうのは、全体で4.9ヘクタール未満になってるわけです。これは協定結ぶ必要がないので、既ににされてるわけですね。しかし、されましたけれども、もう数年前、豪雨が襲いまして、全部流されました。それ以降ほったらかしだと思います。ですからですね、ヤード整備には、今、申しましたように、宿舎であるとか雨水排水等の活動拠点のヤード整備というのがあります。もう1つ、トンネル坑口のヤード整備、あるいは、濁水処理施設等のトンネル掘削工事に必要なヤード整備の2つがあります。このうち、JR東海が御指摘になっております、了解が得られなかったヤード整備とは、トンネル掘削工事に必要なヤード整備のことでありまして、これは明らかに5ヘクタール以上になりますので、協定が必要なわけですが、現在これに関しましては、トンネル掘削に伴う水資源あるいは生態系への影響、JR東海との対話を、これらについて進めている最中です。ですから、これらについて理解が得られるまで、このヤードに整備着手できないということは、JR東海はよく御存じのはずであります。私の発言は、ヤード整備を行いたいということであれば、その前の準備として、緊急時における、資材を運ぶことはできると、そこに300人ぐらいの人たちが働かれるわけですが、そういう厳しい環境の中でですね、もし事故とか、あるいはけがとか病気とかなった場合にですね、どうするんですかといった場合にはですね、そういう危機管理の面でできてないというのが、三ツ峰落合線のトンネル工事がまだだということについて言ったわけです。
(記者)
すいません、ちょっとよくわからなかったんですけど、トンネル工事の遅れによってヤード整備が遅れているというような指摘をされているような気がしたんですけど、それはそうでなかったということで。
(知事)
トンネル整備をしないとですね、ヤードで働く、ヤードっていうのは単に資材を持っていってそこでものを組み立てるんじゃなくて、宿舎で300人ぐらい働かれると。1500メートルを超すところでございますから、ですから天変地異があった時にも、それから病気になったとき、けがしたときと、いろいろありますよね。そうした時にですね、どういうふうにしてその人達を、街中に輸送するんですかという時にですね、そのために、その三ツ峰落合のトンネルを掘るってことになってるわけですね。それは静岡市と金子社長、2018年6月にですね、協定を結ばれたわけです。突然、6年前のことです。それがまだトンネルは掘られてないと承知しておりますが、ですから、工場ヤードに資材持っていっても、そこに人が行って、もしもなにかあった時どうするんですかということがありますので、やっぱり人々の危機管理、安全にするために、そういうトンネルを、まずもって作らないといけないでしょうと、それができてませんよという話です。
(記者)
ありがとうございます。そうすると、トンネル工事に必要なヤード整備に関しては、専門部会等の環境保全の議論が終わらない限りは、認めない構え。
(知事)
トンネル掘削工事に関わる工事はですね。できません。
(記者)
トンネル掘るのじゃなくて、その周辺の工事自体も認めないと。
(知事)
5ヘクタール以上になりますと県との協定が必要になって参ります。
(記者)
分かりました。あとトンネル自体も、そもそも協定の際には、緊急時のトンネルといった話はなかったかと思うんですけど、その辺は認識が違うんですか。
(知事)
トンネルといっても、これは南アルプストンネル工事に係るトンネルではなくてですね、工事ヤードに行くために2つの山を越えなければなりません。大井川筋から行くか安倍川筋から行くかっていうことなんですけれども、安倍川筋から行くということに静岡市とJR東海の方でお決めになられて、そしてその道を、資材を運ぶだけでなくて、いざというときに、人を救急車で搬送するためにもですね、これは必要だということで、2018年に協定を結ばれてるわけですね。これはですね、トンネル工事そのものではありません。工事ヤードで人々が生活するのに、安全管理のために必要な、山の中に入る、井川の集落に入るための道路の整備ということです。それができてないということですね。
(記者)
わかりました。ちょっと行ったり来たりになるんですけど。もう1点伺いしたかったのが、何度かの他の記者さんからも質問が出てる部分開業に関してなんですけれども、これも去年の会見でも伺ったような気がするんですが、部分開業めぐって歴代のトップ、それから先日のJR東海の会見で、もう再三にわたって否定をされ続けているわけなんですが、ここまで否定をされていると、おそらくも実現可能性がゼロに等しいかと思うんですが、リニアの建設を促進する同盟会の一員として、部分開業以外に何かアイデアを出すとかそういったものも必要になると思うんですけど、その点いかがなんでしょうか。
(知事)
そうですね。アイデアを出す必要があると思いますよ。まずは基礎的なアイデアといいますか、基礎的な事業計画は、今、2027年以降に名古屋までの開通を延ばすというふうになってますのでね、どういうふうにされるんですかというのは、われわれが言うよりもまずはJR東海さんが言われるというのがふさわしいと思いますし、それを今、議論しているというのを、社長さんがおっしゃり、昨日、先ほどですか、今日29日か、今日何日ですかね、沢田執行役員もですねそう仰ってるそうですから、間もなくどういうふうにやっていくのかっていう工事計画が、新しい工事計画が示されると思います。
(記者)
知事自身は再三否定されてる部分開業以外に何かないですかね、なんか、それ以外の部分開業、部分開業って言っても多分話が進まない気がするんですけど。
(知事)
その部分開業っていうのは、どのことをおっしゃってるんですが、いわゆる実験線。
(記者)
神奈川と甲府とか、多分その辺は。
(知事)
甲府と品川は。
(記者)
いずれにせよ多分。
(知事)
あるいは大阪・名古屋は。それは出てるわけですね、具体的に。
(記者)
いや、その部分開業、いわゆる、品川から名古屋の開業以外の開業っていうのは可能性としてほぼゼロに等しいと思うので、そういったもの以外のアイディアって何かあるんですか。
(知事)
それはもちろん持ってますけど、ともかくこれはですね、事業主体が今、検討されてるということですから。しかも南アルプストンネル工事以外に困難なところがある、正確にそういうと、品川・名古屋間の各工区の進捗を確認しつつ工事全体の進め方について検討を始めたというふうに、社長さんが1月18日に言われてるので、この検討結果はですね、なるべく急いで皆に共有されるようにして欲しいと思っております。
(記者)
今、おっしゃっていただいたような、例えば、橋本から甲府とか、そういった部分開業以外の何かって、考えられているものって、何があるんですかね。
(知事)
おそらくあの、実験線がですねなぜあそこに持ってこられたんでしょうか。山梨県、宮崎から持ってこられた。それはですね、山梨の人は東京に出たいからですね。ですからこの甲府・大月間でずっとやってそれを延伸してきたわけでしょ。ですから、今の知事さんが甲府から品川まで先の開業も、可能性として探ってみたいとおっしゃってるのはですね、従来のそういう経緯を見れば、自然の発言であると思っております。あるいは、このリダンダンシーということで、3つの都市を結ぶってのは大きな目的ではありませんか。交通政策審議会の最終答申は、このリニア新幹線はこの3つの都市を全部結んで初めて、本来の機能が発揮されるんだと、そう言ってるわけです。ですから、それをですね、東京・名古屋っていうのも1つですけど、大阪・名古屋も1つでしょう。だからそれ大阪・名古屋もあるんじゃないのっていうふうにですね、関西の知事さんが言われるのも、そういう報告書見ればですね、自然に出てくることですね。ですけども、それぞれについてですね、この1月24日の沢田常務執行役員と木下さん(正しくは、「木村さん」)が言われたのは、名古屋までが先で、そのあと大阪までだと。それ一辺倒でですね。
(記者)
質問と回答があってないので。東京から名古屋を開業をして、そして最後、東京から大阪を全線開通するっていう事実しかないと思うんですけど、それで今までこう、こことここを開けたらどうかっていうような知事の意見があって、それを再三否定されて今に至ってるんですけど、ここまで否定されると多分、東京から名古屋開いて、で最後大阪まで開くっていうもの以外の選択肢がないと思うんですけど、そうするとリニア促進において、他に知事のアイデアはあるんですかという御質問だったんですが。南アルプスの解決はあると思いますけども。
(知事)
まあともかくは、下駄はJR東海さんが、検討を始めたわけですからね。どういうふうに言われるのか、事業主体ですから。それは誰も知らないわけです。今のところ。私は考えがありますけれども。呼ばれれば言いますけども。
(記者)
それは何ですか。その考えってのは何ですか。
(知事)
まあともかく、リニアを建設促進することですね。
(記者)
何ですか、その考えというのは。
(知事)
ですから、具体的な事業計画についてはですね、今、検討を始めたとおっしゃってるので、その検討を待ちたいと思います。
(記者)
それはちょっと今は言えない、その考えは言えない?
(知事)
検討を待ちたいと思います。もし相談に乗ってくれと言われたら、即座に相談に乗ります。
(記者)
わかりました。 |