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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年6月11日(火)

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知事記者会見

2019年6月11日(火)


知事発表:北京訪問の成果
知事発表:静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション、静岡県多文化共生総合相談センターの設置、定住外国人への介護保険制度の周知、ラグビーワールドカップ2019大会開催100日前記念イベント、「未来を切り拓くDream授業」の開催
幹事社質問(記者質問):静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション、リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、静岡大学の再編統合
幹事社質問(記者質問):東京2020オリンピック聖火リレールート、富士川水系の濁り等の調査結果

知事発表:北京訪問の成果

(知事)

 本日の花は、あじさいですね、それからピンクがバラ、黄緑色がトルコギキョウですね、これがカンパニュラですか、葉っぱがフサスグリ、細い葉、これですかね、かるかやというそうであります。

 さて発表項目でございますが、6点ございます。

 まず、2019年北京国際園芸博覧会出展に伴う北京訪問についてであります。2019年北京国際園芸博覧会、通称北京花博というものですけれども、4月29日から10月初旬まで開かれておりまして、そこへ北京市の方から依頼がございまして、本県としましても協力を喜んでするということで展示をすることになりました。その本県の出展に合わせまして、6月6日木曜日から9日の日曜日の朝まで、北京を訪問してまいりました。

 北京花博会場では、世界的なガーデンデザイナー石原和幸さんのデザインによりまして、本県が日本一の生産量を誇るガーベラ約5000本を用いて、世界文化遺産である富士山をモチーフにした展示を行いました。春夏秋冬を表した背景のもとで、生花で作られた赤富士の美しさに驚きの声が上がるなど、来場者に楽しんでいただけたところでございます。展示には茶室も設けまして、「花の都」とともに、「茶の都」である本県の魅力をPRいたしました。なお、石原さんはチェルシー・フラワーショーガーデンコンテストにおいて8年連続11回目の金メダルを獲得されたと。これがそのメダルに係るカードでございまして、しばらく預かっていていいということでございます。ちょっと回しましょうか。2019、これは前世紀から続いている世界で最も権威のあるフラワーショーでありまして、今世紀に入ってからは石原さんがそこで女王陛下の拝謁をできるほどよく知られる人になったと、その人がうちに手伝ってくれたと。ちなみに北京花博では世界から5人のガーデンデザイナーを選びました。そして、その5人のガーデンにつきましては半永久的にそこで展示を続けるということでありますが、アジアでたった一人選ばれたのが石原さんです。桃源郷と名の付けられましたそこは、他の4人の方々に勝るとも劣らない素晴らしい日本の里山の風景を庭にされているもので、大変素晴らしい。私のところにはその石原さんが花の富士山を作ってくれたと、こういうわけであります。

 合わせまして、その会場に、というのは日本政府館の会場でございますが、ヤマハの現地法人「ヤマハ中国」の協力によるピアノの自動演奏が行われました。これは実際にピアノでキーを打つ形になって音が鳴るという、それと「さくらさくら」の音楽が鳴ったのですが、それと合わす形で映像が春夏秋冬、富士山に関わる映像がその場で流れるという、誠にすごいものでありまして、うちの展示は2週間ごとに交代するんですよ。この6月8日から2週間なんですけれども、前日の夜まで別の人が展示してるんですね。ですから夜来て変えるわけですね。徹夜して変えてですね。内覧会は8時過ぎに始まりまして、そのときには完璧にできている。実は内覧会、私も内覧会に行ったわけですけれども、10分前にできたと言ってました。ですから、うちの職員もそこへ砂利を運んだり、いろいろな肉体作業をしてやったというもので、そしてそこに、会場には6月8日土曜日、9日までの2日間で2万人以上訪れたと、記録的な数字になりまして、狭い空間ですけれども、いかにごった返したかが分かりますが、本県の魅力が大いに発揮されて、その魅力を堪能していただいたということでございます。

 また、中国国際放送局など現地メディア6社の取材を受けるなど、現地での評価の高さを感じました。実際、各社ビデオとかテレビとかラジオとかですね、その人たちに囲まれまして本県のPRをしっかりしてまいりましたけれども、記事になったり、放映されたり、ラジオで流されたりしたとのことを聞いております。

 このほか、以上が花博に関わることでございますけれども、6月6日、初日の日ですね、中国政府の諮問機関、中国人民政治協商会議、日本でいえば参議院に当たるのでしょうかね、それの副主席に夏宝龍(かほうりゅう)さんがなられております。夏宝龍さんはかつて浙江省の省長、かつ書記をお務めになって30周年のときにはこちらで二胡を演奏していただいて、非常に仲の良い関係ですけれども、釣魚台にお招きいただいてですね、そこでいろいろと意見を交換するという機会を得たところであります。また浙江省、北京市との交流をはじめとする中国での本県活動への協力も要請したところであります。

 それから6月7日金曜日は、政府系シンクタンク、中国商務部国際貿易経済合作研究院というのがありまして、そこの于広生(うこうせい)副院長と会談をいたしました。本県は、この研究院から30年以上にわたって海外技術研修員を受け入れております。そのほか、平成28年度には研修・研究交流に関する覚書も結んでおります。一昨年には県立大学グローバル地域センターと研究交流も開始しておりまして、今後の一層の協力強化を互いに合意したところであります。

 このほか6月7日金曜日には、2019年北京国際園芸博覧会事務協調局、実行委員会の周剣平(しゅうけんぺい)さんでございますが、常務副局長さんを訪問しまして、展示を通じた本県の知名度向上への支援をあらためて依頼したところでございます。実際、食事も招いていただきまして、さらに食後、外国人として初めて、そこに永寧閣という楼閣が建っているのですが、その上まであげていただくという光栄に浴しまして、もちろん私だけでなくて、随行員全体がですね。そして延慶区という区なんですけれども、北京からどのくらい行くんでしょうね、車で2,3時間かかるところなんですけれども。そこが2年で、いわば荒れ野原だったところが一朝にして園芸の都みたいになっているわけですが、そこに高い建物が建てられておりまして、中国風の。その最上階に上げていただいて、楼閣から全体を見渡すということになりまして。中国人の馬力というのは、何しろ600ヘクタールとか900ヘクタールという、大阪万博の3倍とか4倍の巨大なものであります。だから歩いて到底回れません。カートで回るんですね。巨大なもので。そういう町が出現したんですよ。しかもそこまで高速道路が走って。しかも、本来なら今頃は新幹線がそこまで来ているんですって。造られてるんですけど。もうちょっと間に合わなかったということで、9月に開通するそうです。北京市の市街地から都の西北の方向に行ったところにある、そこからさらに行くと今度の冬季オリンピックが開かれるところがあるんですよ。河北省の。計画的に、都市計画をしっかりとして、開発につなげているというのを行けば実感できます。米中摩擦で何となく不利益を被っているかのごとく見えますけれども、そういうものを一切感じさせないすさまじいパワーを感じさせる園芸博でございました。

 もう少し詳しく日程について申し上げますと、6月8日土曜日には、北京市の王紅(おうこう)副市長を訪問いたしまして。土曜日でしかも旧暦における端午の節句の季節だったのですけれども、あえて会ってくださって。北京花博会場での富士山の展示、ヤマハ中国の最先端技術を活用した自動演奏などをご紹介申し上げるとともに、北京市としてもこれが成功していることを喜んでおられまして、その私の感想も述べまして、これからは北京市でもヤマハを通じて音楽教育をはじめ、パートナーシップを組んで、スポーツ、文化観光など幅広い分野での交流促進について、今後の可能性について意見交換を行ったところであります。

 今回の訪問を機にいたしまして、浙江省と長年にわたる交流を続けてまいりました本県の強みが生きているなと実感いたしました。またこれを今後に生かしていって、今後も本県と北京をはじめとする中国との交流を一層活発にしてまいりたいと思っております。




知事発表:静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション、静岡県多文化共生総合相談センターの設置、定住外国人への介護保険制度の周知、ラグビーワールドカップ2019大会開催100日前記念イベント、「未来を切り拓くDream授業」の開催

(知事)

静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション

 二つ目の発表項目であります。これは子どもの安全確保に関する対策アクションでありますが、散歩中の保育園児の交通死亡事故、あるいはスクールバスを待っていた児童が襲われた事件等々がございまして、県は、子どもの安全確保に官民一体となった「オール静岡」で取り組むことといたしまして、5月30日に関係部局で構成する「静岡県子どもの安全確保緊急対策会議」を立ち上げたところであります。

 本日、2回目の会議を開催し、この会議の総意として、県が取り組む「静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション (県庁版)」を取りまとめました。

 この緊急アクションは、危機感を共有し、現状よりもさらに広い視野で考え、スピード感を持って取り組むことを基本方針としまして、防犯対策や交通安全対策について、いわば防犯対策と交通安全対策を二本柱といたしまして、緊急に31の対策を行うことといたしました。

 「防犯対策」の方は、「子ども自身の防犯力の向上」、「子どもを守る、見守る体制の充実・強化」、「学校、幼稚園、保育園等の施設の安全確保」、「通学路、通園路等の安全確保」、「子どもが集まるイベント等における安全確保」などからなっております。

 また、「交通安全」に関しましては、「子どもへの交通安全知識の普及」、「通学路、通園路等の安全確保」、「自動車、自転車の安全運転の徹底の促進」という観点で取りまとめております。

 今後は、本日この後で開催いたします「しずおか防犯まちづくり県民会議」などを通じて、市町や民間の皆さまと基本方針を共有いたしまして、市町・民間のそれぞれの立場の取り組みや、県がさらに取り組む対策、県や市町と民間の協働の対策の提案をお願いし、「オール静岡」で取り組んでいきます。オール静岡、ラグビーのワールドカップがありますので、One for All、All for Oneにかけまして、One for All Children、All for Every Childというのをキーワードにして取り組んでまいりたいと思っております。

静岡県多文化共生総合相談センターの設置

 3番目の報告事項でございますけれども、多文化共生に関わるものであります。多文化共生総合相談センターを設置いたします。外国人県民の方々が増えております。この方たちが安心して暮らしていただけるように、医療、福祉、教育など、生活上のさまざまな相談に多言語で対応する静岡県多文化共生総合相談センターを静岡市内水の森ビル、駅南のところにございます水の森ビルに設置いたします。この7月1日に開設いたしまして、同日の開所式には私も出席をいたします。

 愛称は「かめりあ」です。カメリアは英語に慣れてる人は、ああツバキかということでしょうけれども、これはチャノキの学術名は「カメリア・シネンシス」というわけですね。照葉樹林の一つでありますが。本県特産である「チャノキ」の学術名である「カメリア・シネンシス」からとったものであります。英語名はですね、「Shizuoka Assistance Center for Foreign Residents」というふうにしました。「Shizuoka Assistance Center for Foreign Residents」ということでございます。外国人にとってもなじみのある花で、特にカメリアはたぶんヨーロッパでは咲かないのではないでしょうか。咲いたとしても寒冷な地に合うように品種改良されたものに違いありませんで、大変な貴重種とされております。これは照葉樹林ですからね、日本でも基本的に西日本といいますか、東日本ですと落葉広葉樹になりますけれども、常緑の葉の厚い樹というのは西日本にしかない、お茶もそうですね。そういうものでございます。

 このセンターでは、相談員により、日本語、ポルトガル語、フィリピノ、英語、中国語、ベトナム語、韓国語、スペイン語に対応します。日本語を入れたこの8言語のほか、テレビ電話通訳や翻訳機を活用しまして、インドネシア語、ネパール語、タイ語を加え、合計11言語以上で対応が可能な体制を整えます。

 また、広域的な支援を行うために、各健康福祉センターおよび支所、東部・西部の県民生活センターにタブレットを配置いたしまして、外国人の県民が相談にお越しになった場合に、テレビ電話機能を利用してセンターの相談員に相談できる体制の整備や出張相談も行います。

定住外国人への介護保険制度の周知

 同じように、四つ目の発表項目も県内に在住されている外国人の皆さまへ関わるものでありますが、定住外国人への介護保険制度の周知についてであります。

 近年、外国人県民の方々が増加しています。それとともに、介護保険の外国人被保険者も増加しております。介護保険制度は専門用語などもございまして難しいところがあります。そういうことから、内容が理解しやすいよう工夫した外国語のパンフレットを作成いたしました。昨年秋に開催した静岡県産業成長戦略会議においてご意見をいただきまして、それを実現させたものであります。このパンフレットは、介護保険の保険者である市町に提供し、広く県内に在住する外国人の県民の皆さまにご案内いただくことにしております。

 本県に在住する外国人の出身国の上位5カ国のポルトガル語、フィリピノ、英語、中国語、ベトナム語、韓国語のパンフレットを用意いたしました。介護サービスの種類や内容、利用するための手続きなどについて、分かりやすく説明しております。こうした対応を行うことで多文化共生の地域づくりに努めてまいろうということでございます。

ラグビーワールドカップ2019大会開催100日前記念イベント

 5番目でございますが、ラグビーワールドカップ2019開催100日前記念イベントであります。明日6月12日で、ラグビーワールドカップ2019が開催100日前を迎えます。大会機運の盛り上げを最大化するために、開催100日前を記念したイベントを静岡市内で開催することにいたしました。

 まずは、第1部として、ラグビーワールドカップ2019静岡県開催推進委員会の特別アドバイザーである清宮克幸さんと星野明宏さんに加えて、スポーツ文化評論家の玉木正之さんを交え、私も登壇いたしまして「100日前記念トークショー」を開催いたします。その後は青葉シンボルロードに会場を移し、第2部は「100日前カウントダウン祭」を実施いたしまして、オープニングでは「100杯の乾杯セレモニー」を行います。私も参加いたします。

 また、関連イベントとして、今週6月16日の日曜日には、静岡市のショッピングモール「マークイズ静岡」におきまして、ラグビーワールドカップ2019開催都市特別サポーターの五郎丸歩選手が出演するトークショーを開催します。大会の見どころ等を存分に語っていただく予定であります。

 開催まで100日を切りました。交通輸送やファンゾーン、ボランティアなどの大会準備も大詰めを迎えております。県としても、このイベントで機運を高めるとともに、大会運営に万全を期して大会を成功させ、静岡県ふじのくにを世界にアピールをしてまいりたいと考えております。

「未来を切り拓くDream授業」の開催

 最後に、六つ目でございますが「未来を切り拓くDream授業」の開催であります。昨年は2泊3日だったわけですけれども、大変好評でございましたので、今回は8月6日から3泊4日の日程で、「未来を切り拓くDream授業」を開催することといたしました。将来、日本や世界で活躍したいという夢、希望、これらを持っている中学生諸君に、学校や日常生活とはひと味違う学びの場を提供するものであります。

 なぜ中学生かということなんですけれども、15にして学に志すということもありますけれども、将棋でいえば藤井聡太七段、あるいは卓球の伊藤美誠さんのように、十代半ばで前半でですね、自らの「生きる道」を見出し、その道で活躍する少年、少女さんがいらっしゃいます。このDream授業は、トップクラスの活躍をしたいと夢を持っている子どもたちに、一流の講師陣の講義を提供するものでありまして、お互いに刺激し合える仲間を県内各地につくって、自らの能力をさらに伸ばしてもらいたいという願いをもって開催いたします。

 昨年度初めて開催しましたが、参加した生徒さんや保護者の方からは「夢を持った仲間と出会え、高め合うことができた」あるいは「苦手なことを克服するために、何をしたら良いかを考え、努力するようになった」など大変高い評価を頂いております。

 2回目の開催となる今回は、日程を1日延ばしました。講師は若村麻由美さん。今、ふじのくに観光大使として本県と関わりが深い女優さんですがドラマ、映画、舞台などで大活躍であります。近いところでは、「ロダンとカミーユ」の一人舞台に近いような舞台を一昨年にやっていただいた方です。また小野澤宏時さん、今ではラグビーワールドカップ2019の開催都市特別サポーターで大活躍の選手、小野澤さんですね。それから斎藤成也さんご存じでしょうか。国立遺伝学研究所の教授でありまして、今、日本人の起源について、縄文人弥生人プラスアルファでゲノムから日本人の由来を特定する歴史の書き換えをされている最先端の学者であります。それからまた「地域自立のための『人づくり・学校づくり』実践委員会」の委員の方々など、各界でご活躍の先生方に講師をお願いし、私も頼まれましたので、初めてですけれども子どもたちに授業を行うことにいたしました。

 今月中旬から、県内全ての中学1・2年生に案内チラシを配布いたします。7月8日まで参加希望者を募集いたします。このDream授業を通じて、子どもたちがこの静岡の地から羽ばたいていって、将来活躍することを、大きく世界や日本の舞台で活躍することを期待しております。

 私からの発表項目は以上であります。




幹事社質問(記者質問):静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション、リニア中央新幹線

静岡県子どもの安全確保緊急対策アクション

(幹事社)

 知事、どうもありがとうございました。今の発表項目について何か質問がある社はありますでしょうか。

 幹事社から一つ伺います。子どもの安全確保緊急対策アクション、今日午前中の会議、傍聴させていただきまして、緊急でこのようなものが取りまとめられて、非常にスピード感がある対応がとられていると思うのですが、この31項目をご覧になっての知事の所見を伺えたらと思うのですが。

(知事)

 ともかく、これまでよりも広く、スピード感をもって子どもの安全のために、全てのものが、できる限りのことをやってみようということですね。それで全体会議を開きまして、やれることを挙げてもらったわけです。出てきました。これはソフトでできるものと、ハードというか、前の記者会見で質問があったかと思いますが、ハードでやらなくてはならないものもあります。これをやるためには、補正予算を組むための6月議会に間に合わせなくてはいけないということで、皆張り切って案を出してくれたということであります。そんなことで防犯ならびに交通安全と、この二つの柱でまとめてしっかり練っていただいて、北京から帰ってきた日曜日にわざわざ東京事務所を開いて、そこで最後の詰めを行いまして、今日を迎えていると、こういうわけでございます。

 One for All Childrenと、本当にそういうつもりでないといかんと思うんですね。やることは分かっているなら即やろうじゃないかと、こういうことであります。All for Every Childということでございます。

リニア中央新幹線

(幹事社)

 そのほか、何か発表項目についてございますか。

 それでは幹事社質問の方に移らせていただきます。リニア中央新幹線についての質問です。知事が13日に南アルプスの工事現場を視察されると発表がありましたが、どのような点に注目して視察するお考えでしょうか。工事の内容によっては、今後のJR東海側への対応や要求が変わる可能性がありますでしょうか。同じくリニアについて、JR東海の金子社長が、静岡県との協議が全体の工事の遅れにつながる可能性があるという言及がありました。この発言を知事はどう受け止めでしょうか。

(知事)

 これオール静岡で取り組んでいるんですけれども、まず最初の質問ですけれども、私が建設予定地を視察というか、入りましたのは平成23年の5月です。平成23年の3月か4月にルートが発表されまして、まだ南アルプスの中腹ぐらいまで雪ですからね、ですから入れないと言われたんですけど、5月の連休にあえて当時の交通基盤部長と一緒に入りまして、ルートを確かめたんです。それが最初です。かなり奥深い所を通ると、目分量でも3千メートルの山々がありますから、私は二軒小屋に泊まったんですけれども、泊りがけで行ったんですね。二軒小屋だけでも1500メートルの高さですからね、そこからさらに上がって、伝付峠という所へ上がって全体を見ると。すると相当土被りがあるということが分かりました。その日はそれで終わりまして、秋にもう一度行きました。今度は土被り、要するにトンネル掘るとものすごいたくさん土砂が出ます。これを本県としてどこに捨てられるかと、捨てると言うとおかしいですけれども、危険のない形で処理できるかということで、それを探しにいったんですよ。それはJR東海に、こういう形で本県は協力できますよ。そのとき以来行っていません。

 そのときはご案内のように、ともかく日本の誇る技術をなるべく早く多くの人が均霑(きんてん)できるようにした方がいいとぐらいにしか思っていなくて、水の問題について認識はゼロだったと言っていいですね。それが、いわゆる大井川のかんがい、これが20年近くかけて農水省が、国の総力を挙げて600億円、700億円かけてようやく大井川の左岸のざる田、右岸の高台、ここに依拠している方たちがたくさんいて、その方たちが、早川のダムができたとき以来、水の問題ですごく苦しんでこられたということを知って、あらためて大井川と、それから本県の生活、産業、命に関わる問題に気が付き、さらに南アルプスがエコパークになりました。平成23年に見に行って、平成26年に南アルプスが世界の人類の共有財産になったんですね。そしてレッドデータブックなども編んでいただきまして、それ非常に重要なところだということで、これでこういう事態がこの6,7年の間に起こったわけです。

 今、工事現場に関係者が入っておられますので、その後どうなっているかということを見に行くというのがまずありますね。それから専門家の方が、委員会、静岡県二つ持っておりますけれども、都合のつく方にも一緒に来ていただきたいというふうに思っております。一つには現場を見まして、安全に工事がなされているかどうかということですね。もう一つは自然生態系に対する破壊が進んでいないかどうか、これを専門家の方たちにも、私も自分の目で確かめたいということです。三つ目は、仮に普通に工事が行われ、それが終わりますと、工事現場に通ずる道などというのは、これは観光の道になりますね。今建てられているであろう作業所であるとか、さまざまな建築物はやがて休憩所とか宿舎だとか、場合によってはホテルのようなものに変わる可能性があります。これ全部観光に、後に役に立つように造られているというふうに思っております。私は実は一番最後の方に関心を持っておりまして、今エメラルドネックレスといいますか、緑のネックレスですね、これを本県2市町、それから長野の4市町村、それから山梨県の4市町で、全体南アルプスをわれわれ、そこに預かっているもので守っていこうと。インフラもきっちり整備しつつ、かつここに来られる方ですね、山登りに来られたり、自然を愛でに来られたりする方たちが安全に安心して行けるような、そういう地域づくりをしていこうということでやっておりますので、こうしたものにどういう形でこれが生かせるものになるかというのを確かめにいくと。現状を見るということ、破壊がされていないかどうか、それから観光に役に立つようなインフラ整備があるかどうか、このあたりのところを見たいというのが私の目的であります。一方、二つ目ですね。これポイントはリニア中央新幹線トンネル工事、かっこ付きですけれども、に伴う水資源、自然環境への悪影響は回避するというのが基本姿勢であります。

 二つ目のご質問ですけれども、金子社長の発言ですね。まあ、事業には事業計画を立てるはずですね、どこの会社でもそうだと思いますけれども。事業計画、通常数年だと思いますけれども、長くても10年ぐらいのものではないでしょうか。このリニア新幹線などは、やはりそうした計画の下に進められているということですね。一方、こういう巨大なインフラ整備というのは、国家百年の大計という言葉もあります。一方ですね、タイムスパンはいろいろあります。例えば杉なんかについて、年数を上に被せた言い方があるでしょう。千年杉とか、あるいは縄文杉だとか、屋久島の縄文杉などは6千年、8千年のオーダーなんですね。それを支えている山、「山高きがゆえに貴からず」ということがあります。すなわち、緑で生命を育んでいるから山が貴いんだというのがありますけれども、そういう所に生えているのは、千年杉とか言われたりします。実際、私は川根本町の「千年の学校」の学長をやっていたこともあります。実際のいわゆる学校ではありませんけれども、そういう森を大事にしようという試みの運動のトップに立っていたこともあります。

 だからタイムスパンが違うんですね。事業計画のタイムスパンと南アルプスを考えるときのタイムスパンは全く違うので、その事業計画におけるタイムスパンについて言われたと。私は、静岡県の県民の安全ならびに南アルプスの生態系また自然の保護という観点でのタイムスパンで考えておりますので、事業計画のタイムスパンに何ら影響されるところはないということであります。それから、JR東海さんは今、工事をなさっていらっしゃるので、ユネスコエコパークに登録されている南アルプスの自然環境へ悪影響を及ぼしていないかどうか、南アルプスを源流とし、生活用水、農業用水、工業用水など多岐にわたり利用され、流域の住民の生活や産業発展に不可欠な財産である大井川の水資源に悪い影響を生じさせていないか。こういう懸念が今あって、この間、中間報告書をまとめましたけれども、JR東海自身はわれわれが望みもしない、いきなり土足で入ってこられたわけですから、こうした不安を払拭(ふっしょく)する義務があります。それが先決であると存じます。JR東海は日本を代表する鉄道事業者です。世界のモデルとなる事業を行う施工者、技術集団を擁されているということで、その矜持(きょうじ)を持った真摯(しんし)な対応を求めたいと思っております。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線

(記者)

 ありがとうございました。ただいまの幹事社の質問に関連して質問がある社はお願いします。

(記者)

 リニアに関連して2点お伺いします。1点目が、先日知事が中部圏知事会議に出席された際に、国への提言案の中で「事業計画に基づいて」というところを修正するべきであるという意見をおっしゃいました。翌日、リニアの期成同盟会の方でも同じ趣旨の決議案が出されていて、知事としては期成同盟会の加盟を申請しているわけですけれども、もし加盟がなった際には、リニア期成同盟会の決議についても同意ができるのか、それとも修正を求めていくのか、知事としての対応を1点目お伺いします。2点目として、この間、中間意見書をJRの方に提出しまして、その中でこれまでのJRの対応が誠意のないものだという厳しい批判をされています。JRとしては、これまで誠実に対応してきたということで、そもそもの対応の姿勢のところで見解の違いがあるようなんですけれども、そうすると他県の人にとっては、県とJRがどこでもめているのかというところが非常に分かりにくい状況になっていると思うんですけれども、専門部会、これまで何回か開かれてきて議論、かなり深めていると思うんですが、その議事録を、希少生物は難しいかもしれないですけれども、公開して沿線他県への理解を求めるということも必要なのかと思うんですが、そこについての対応、お考えを伺います。

(知事)

 はい。まず第一の質問ですけれども、工事の事業計画に従ってということは、相手が自然ですのでね、なるべく早くで十分だというふうな私は考えを持っております。リニア新幹線の建設は安全を確保しながら、なるべく早く進めてくださいということで十分だろうと。JR東海の事業計画にこびを売る必要は全くないというふうに思っております。なるべく早くということと、工事計画、事業どおりにということで無理があって、事故を起こすようなことがあっても工期守らなくてはならないということであれば、これは具合が悪い。それは中部横断自動車道造るときに、一応今頃全部開通しているはずだったんですね。ところが軟弱土質にぶつかった、あるいはヒ素が出た、あるいは水が湧き出してきた、あるいは壁にひびが入ったと、これで結果的に1,2年遅れたわけではありませんか。私は工事現場に行きました。南アルプスと比べれば小さな山ですよ、わずか100メートルほどの土被りのところで右往左往されている姿を見たわけですね。それ工期どおりにやれと言ったらどんなことになりますか。事故が起こります。つまり軟弱土質の所を十分に梁(はり)を入れないで、あるいは壁の厚さも倍にしないでやろうと思ったらできたかもしれませんけれども、そんなことするとえらい安全に影響するということでありますので、工事計画というのはあくまで計画であって、なるべく早くするということで十分だということです。工事の実態を知っているものであれば、そういうことがよく分かるということであります。

 二つ目の件はもっともですね。やはり今までやってきた利水者との会議がありますけれども、これも今まで非公開でやっていたんですか。これを公開にすればいいでしょう、まず。これからは公開にすればよろしいと、特段これを非公開にするべき理由はないというふうに思っております。そんなことで、皆さんもそれをお聞きになって、そしてこれまで何回かやりとりがありました、そうしたものは、一部公開されているものもありますけれども、全部公開してもいいと。どこにも秘密にするべきものはないというふうに思っておりますので、ぜひ取材をしていただいて、同時に私どもも事実を知らせるために、関係各位にそれを広く知っていただく資料として情報提供することに、やぶさかではないということであります。

 それから期成同盟会との関わりにつきましては、何しろ期成同盟会に入っている方を見てくださいませ。東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、それから三重、奈良、大阪です。なぜ京都とか和歌山が入っていないんでしょうか。造られる予定がないからですね。大阪や奈良や三重が入っていますが、まだルートは決まっていません。しかし、確実にそこがルートになるというふうに見込まれ、かつそのようにJR東海さんも大まかながら公表されているので、期成同盟会に入っているわけです。

 私どものところはなぜ入っていないか、言ってみれば、福井県がリニア新幹線の期成同盟会に入っていないのと一緒です。もともとルート上になかったからですね。ルート上に入って、期成同盟会に何を求めてきたんでしょうか。もともとのリニア新幹線の目的は大都市を超高速で結ぶと、短時間で結ぶということに目的がありました。

 従って途中駅、これは造らないという方針だったんですね。ところが期成同盟会の圧力に屈して、都府県、1県について1駅という、そういう原則を出されましたね。今度は「では誰が造るのか」ということになった。これについても、やはり圧力団体とJR東海さんとでやりとりがあって、高いお金は貧乏県ではなかなか出せないので、なるべく多くJR東海さん出してくださいということで皆圧力をかけて、結果的にどうなったでしょうか。JR東海さんが全額負担することになったわけですね、それが期成同盟会の趣旨です。

 ですから、期成同盟会が求めているのは、地域に資する施策をきちっとJR東海は責任を持ってやってくださいと。それをしっかり約束してくださいということだったと思います。われわれのところに、地域に資する何か約束がありますか。皆無です。ですから、そういう意味で期成同盟会の方たちには、うちはもともと造るというルートじゃないなとするのであれば、そのようにするべきだと思いますし、今やルートが決まっていますから、当然それは入るべきだと。

 ですから、どのぐらいの県への貢献というのができるかということが当然論点になりますね。そのことが、今回の中間報告にもうたわれています。何と言っても水の問題ですから、水の量、水の質、それから全体の土砂の管理ですかね、それから監視。最後にこの代償、というのが入っているでしょう。代償措置と、もしも損害を与えた場合に、その代償措置というものをだいたいどれぐらいに当たると思われますかね。例えば、生態系がやられるから数百万積むとかそういう話ではないでしょう。ですから、東京、神奈川、山梨、岐阜、長野、愛知それらの所にはすでに工事が入っていますので、そこで地元に対して、要求に応じた形で駅を造るお金を支払われていると思いますけれども、その全体の平均ぐらいは、額としては目安になるんじゃないかと思いますね。

 もし、期成同盟会に入れないということであれば、それでは道を外してくださいと。ですから、1問目とも関わりますけれども、急ぐということであれば、昔から急がば回れという言葉がありますから、そういうふうになさったらどうですかということも私どもの立場であります。取りあえず南アルプスかリニアかということであります。人類の共有財産を大事にするのか、それとも東京と大阪まで名古屋を通じて結ぶということを最優先にするのか、どちらを選ぶかと。それは静岡県民は明らかに南アルプスを選ぶと、なぜか。それが命の源である水の供給源だからですね。しかも今はかつかつでやっているということだからであります。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線

(記者)

 すみません、今のお答えに関連するんですけれども、このタイミングで知事が期成同盟会への入会をしようと思った狙いというのは、つまり水の問題というのを他の沿線の県に理解してもらうということころが、まず趣旨として大きいということでいいですか。

(知事)

 そのとおりです。やはり何より議論が平行線になってはいけません。だから事実を知ってもらう必要がありますね。ですから、実態把握を通じた上でないと行動が起こせません。なぜこういうことをしているのか、まず建設のために皆これまで数十年間苦労してこられました。何もJR東海だけではありません。各都府県もすごい協力してきたわけですね。ですから、そうした形の結果がルートになっているわけです。ルートにこう入っているではありませんかと、どう考えているんですか、この実態どういうふうになっているかご理解くださいということで、中間報告ぐらいはすぐにでも配れると思いますけれども、先ほど別の方からご質問ありましたように、どういうことが議論されてるのか。これお知りになりたい方は、資料が膨大なので、インターネットでもあるいは他の手段でも、全て公開してもいいと。何もこれを、誰にも非公開にして交渉の材料にするというつもりは全くありません。

(記者)

 すみません、期成同盟会の会長である愛知県の大村知事が、昨日の記者会見、先週知事も知事会議の中でお話をされたと思うんですけれども、JRと同じように開業時期の懸念を示された上で、国が静岡工区の調整をするべきだといったような発言をされていますが、この国が介入してくるということについて、知事のご見解っていかがですか。

(知事)

 これ国の事業じゃないですよね。何と言ってもJR東海さんの事業計画で国が認可されているということではないかと思います。何しろ国土に大きな変更を迫るものですから、国も関与するということで。私どもも例えば沼津に関して、国と鉄道局と相談しにいったこともございますから。ですから、国の大きなプロジェクトの一つと、いわゆるスーパーメガリージョン構想というのが国交省にもうたわれておりまして、そうしたことで一番利益を得るのは、差し当たっては愛知県です。ですから、愛知県が県を挙げて、その代表として大村知事さんが、ぜひ早くリニアの開業をしてほしいというふうに今回、会長として言われているのは十分すぎるほど分かっております。そして、そこに国が、今まで期成同盟会の陳情も受けられているわけでしょう、それから前回の期成同盟会の総会では、JR東海のトップも来られて来賓として祝辞も述べられているというふうに承知しておりますけれども、そういうところになぜ私どもがいないんでしょうか。私どものところも通るわけですね。私どものところの工事について議論されているわけです。私どもに対して、何の期成同盟会からのアプローチもなかったということもございまして、これは一緒に国の発展のために何ができるかということを考えたいということで、しっかり受け止めていただいたということはありがたく思っております。

(記者)

 そういう意味でいうと、国が間に入ってJRとの問題を解決してくれる一役を担ってくれることを期待している。

(知事)

 そうですね、国はやはり南海トラフで本県に対して、防災の最先進県モデルとして中央防災会議の、内閣府の行われていたワーキンググループでも静岡県にはいろいろな問題が、危機が有り得るということで、ご関心が高いと思いますよ。それからまた、内陸部については、いわゆる内陸のフロンティアを拓くという試みについて、申請すればすぐに特区を認めてくださったですね。さらにまた、その取り組みが県を挙げてやっておりますので、3回ぐらいゴールドメダルに輝いているわけです。内陸のフロンティアを拓くというやつがね。そのさらに内陸でしょう。そこの問題、これは内陸は通常土砂崩れだとか水の洪水という、どちらかという水の過剰で人々が苦しむという形だと思いますが、今度は水が足りなくなると。水が干上がるということの可能性が極めて高いということでございますから、そういう方面も水問題として同じように公平無私の形で、愛知県の知事さんが愛知県の立場から言われるのはもっともなことです。これは大村さんというのはまじめな立派な方で、農水省で鳴らした方ですからね。こういう水の問題については理解のある方だと思っています。お立場上は、愛知県としてはなるべく早くと言わざるを得ないと、私の立場としてはこれは南アルプスを大事にしたい。そこのところは、国、国民としてどうなるのが一番最善の解決策かというのを、公平無私の観点で考えることができるのは国の立場であろうというふうに思いますね。そのあたりのところを、大村さんは期待をされて発言されたのだと思います。

(記者)

 それに関連してなんですけれども、先ほどもあったように期成同盟会に加盟を申し入れるということ、現在認めるかどうかというのは保留になっているということですけれども、それについての受け止めと、先日、石井国交大臣もJR側と静岡県と鋭意協議を進めていただきたいという発言もありました。先ほどの話の中で、愛知の大村知事も2027年度の開業は遅れるということは到底受け入れることができないというような発言で、あたかも静岡県がリニアの開業を遅らせていると指摘されているような形にもなっているのかなという感じもするんですが、そのあたりについてはどんなふうにお考えでしょうか。

(知事)

 まず、最初の期成同盟会に入るべき理由というのは先ほど申し上げたとおりで、ルート上のところが期成同盟会の構成員になっているわけですね。まだ建設すらされていない、ルートすら決まっていないところも入っているわけです。なぜでしょうか。例えば三重県でどこに駅が造られますか、ご存知ですか。奈良県でどこに駅が造られるか、それは奈良県さんも三重県さんも、ここに欲しいという所があるわけです。だからそれを挙げながら、ここにルートを設定して欲しいということを言われるために、ですからルート上というのは、期成同盟会に入る人たちにとってはそれが地域に利益があるという観点なんですね。私どもは実際上ここに入ってますから、工事まで一部取り掛かられているわけですからね、入っていないのは本当におかしいと。ですから、恐らく期成同盟会の構成員の方々もそのあたりの筋論は分かってらっしゃると思いますね。ただ、今日言って明日という感じだったわけですから、保留になったというのは、そのこと自体については何とも思っていませんが、入るべき筋のものだと。いったん入れば、各都府県が、何と言いますか均霑(きんてん)されている、その数字の上ではその額ですね、その額ぐらいの分はちゃんと代償として積まないといけないということがまずありますね。駅は造れないんですから、最低限ね。それが私の受け止めです。

(記者)

 あとこうした、今言いましたけど、静岡県がリニアの開設を遅らせているんじゃないかという形になっているというか、そういう指摘にも聞こえるような発言が相次いでいることについてはいかがでしょうか。

(知事)

 これはフェアじゃないですね。仮に2027に開業するといわれて、さまざまな事情でJR東海さんが、今回の水問題がなくてですよ、やっていて早まることはなかなかないにしても1、2年遅れると言われたら、それでどう言います、駄目だと言わないでしょう。例えば中部横断自動車道、重金属が出た、水漏れがあった、軟弱土質にぶつかった、その他もろもろ言われて、私は中日本株式会社の担当部門と国の直轄部門のところに視察に行きました。事情が分かればこれはやむを得ませんねと、じゃあ県民の皆さんにも我慢していただいて、開業を少し遅らせるということではありませんか。ですから、自分とこの会社の立てた事業計画の年次に対して、それを何か金科玉条のごとく立てて相手に押し付けると、無礼千万というふうに思うくらいです。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、静岡大学の再編統合

リニア中央新幹線

(記者)

 関連の質問なのですが、昨日の会見で、大村知事は川勝知事に対して「意見を言ってもできることとできないことがある」と、JRとよく話してほしいという趣旨の、苦言とも取れるような発言もしています。この発言については、知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(知事)

 意見を言わないと事実が分からないですね。私の背景には、南アルプスがもし痛められて、それが流量や水質や生態系、生活、さまざまに影響があればどうなるかという観点から申し上げると。これは意見です。その背景には意見を言うべき事情があります。ですから、これを言わないと駄目なんですね。私はそれを言ったということでありまして、大村さんのお立場が先ほど申しましたように、これはもう1970年代からですね、このリニアということについて、愛知県の再活性化のために、中部国際空港のもう1本の滑走路とともに非常に重要なインフラなわけですよ。私はもし愛知県の知事であれば、同じように言うと思います。ただですね、静岡県がこういう状態になっているということも彼は三河のご出身ですから、要するに隣のご出身なんですね。だから東三河に副知事さんも設けてらっしゃるでしょう。東三河と遠州とは一体でやっていくという、まあそういう考え方をいわば政策で表された方ですから、そういう立場に立てば、私のような意見が出てくるのはしょうがないなと思っていらっしゃると思いますよ。私も彼がそういう意見を言われるのはしょうがないなというふうに思いますね。

 そうしたところで、それ以外にまだ全然造られていない奈良県だとか、今事業が途中の所もありますから、そこの所の方たちが、私どもの置かれている、静岡県の置かれている立場についてどうお考えなのか、まもなく結論を言われると思いますけども、まあそれはそれぞれの地域の代表のご意見として、全部が全部大村知事と同意見だとは思いません。

静岡大学の再編統合

(記者)

 幹事社ですけど1問よろしいですか。リニアを離れてちょっと一つ質問します。静岡大学の再編統合についてなんですが、先日、静岡市長の記者会見の中で、田辺市長が大学経営協議会というのが、この間の分離再編計画の発表の前々日に行われ、3月27日に行われた大学経営協議会の議事録に、川勝知事の発言と静岡市長の発言が学長の言葉の中で引用されていまして、それについて田辺市長が「私はこういうことは言っていない」ということで、大学側に訂正を求めたということを記者会見で明らかにされてます。質問は、川勝知事が言ったことというのは、この経営協議会の議事録の中では、川勝知事については、もともと遠州大学と駿河大学のように大学を二つに分けることを提案されており、このたびの再編計画に賛成していただいていると学長が述べているんですね、3月27日に。

 その直後だったと思うんですが、私たちの定例記者会見のときには、知事はこの大学の再編については「私が口を差し挟むことではございません」と言っていたので、その発言とは若干矛盾すると。疑問点の一つ目は、もともと二つに、遠州大学と駿河大学のように大学を二つに分けることを提案されたのは知事なのかということと、知事は大学の再編、この度のような静岡大学を二つに分けて、西部と浜松医科大学の合併という形のこのような再編統合に賛成しているのか、この2点について、現在の段階での知事のお考えをお聞かせください。

(知事)

 駿河大学なんて初めて聞きました。ですからそういう発言はありませんわね。静岡大学の方がいいんじゃないですか、名前としてはね。急に駿河大学なんていうのをつくるより。まあそれはそれとして、大学の自治というのは極めて大切で、政治家が容喙(ようかい)してはならないと、これは大原則です。私がこの立場にいるのも、その大学に政治が持ち込まれたと、学問の独立が侵されたということに反発してやめたんですから、大学に抗議をして。今それをいわゆる大学経営者、理事長ですね、これが天下りであったわけですね、教育長あるいは副知事さんの、別に悪いとは言いませんけども、これはいかんということで今、尾池先生ならびに有馬朗人先生に経営をお願いし、一切容喙(ようかい)しませんよ。大学人として、いろいろとお決めになるということについては、それを尊重するというのが私の立場です。

(記者)

 さかのぼること1年前の知事会見の中では、知事は記者の質問に対して、静岡大学の西部キャンパスと浜松医大の経営統合についてどのようにお感じでしょうかと言われたときに、「私も文芸大の教員であったときに、西側の公立大学と静岡大学の西部キャンパスと浜松医大と、何かの形で連携できないかということを探ったことがあって、伊東学長ともそのようなお話をしたことがあって、地域に立脚している、立地している大学同士がさまざまに連携するというのはいいと思います。その上で、同じ地域に立地していたからこそできたこと、連携ができたこともあるので、再編統合についてはぜひ真剣に考えてほしいと思っております」という発言をされているんですけども、介入しないと言いながら、この程度のことは言っておられると。それを、また学長さんが、知事は東部と西部に大学が一つずつあるのが望ましいと曲解されたのかどうなのか分からないのですが、若干突っこんだ発言を1年前にはしておられて、今知事としてはどっちが本意なのかなと。

(知事)

 今、言われたとおりですよ。私が申し上げたことはそのとおりです。静岡文芸大、公設民営でしたね、実質県立ですよね。一方、静岡大学は工学部と情報学部があって、私が大学の学長をしていた頃には、当時伊東さんは情報学部の学部長をされてたわけです。そうしたことで、向こうは割と男の子が多いと、うちは女の子が多いと、それで交流したらどうかということで、単位の互換もしようかということで、そことやっていたわけですね。ですからそれはそのとおりですよ。もちろん静岡大学の、こちらの教育学部とうちがなると、これはもう授業10分間休憩で移動せんといかんから、できやせんです、それはね。ですから地域が近いからできるということがあると、そのとおりです。

 それから今ですね、大学がたくさんできたために、私もいわゆる第1次安部内閣のときに一番最初に教育再生会議というのが開かれたときの、四つくらい部門があったんですよ、私は高等部門の座長を仰せつかっていたと思います。ですから、全体の座長が野依良治先生だったと思うんですけども。それはともかくといたしまして、これからの大学の未来をどう考えるかということがありました。それはいわゆる旧帝大のように世界に打って出てやるところと、地域に密着したところと、あるいはまた専門性を大事にするところと、いくつかのカテゴリーに分けられていました。そうした大学再編はですね、今定員の定員を満たさない大学が増えてきて、再編はやむを得ないんですね。ですから、私もこの再編についてはいろいろ起こることについては当然だと思っています。今、大学は生き残りをかけていろんなことをされているということですね。

 ただあの学長というのは静岡大学の学長先生ですか、何とおっしゃったっけ。あの哲学者ですよね、立派な方ですよ、尊敬してますよ。ですからね、そのお考えでどういうふうに言われると、私はそれに対してとやかく言うもんじゃありませんけども、大学の再編について日本はそういう流れの中にあるという認識を持っております。むしろ、そういうものを促した教育再生会議の委員もしていたわけですから。私は静岡県の場合は、地域立脚型の大学が最も生き残る上でふさわしいというふうにも、つまり旧帝大がいわゆる国際派、国際的に活躍するところというふうに位置付けられてましたのでね、そこにたくさんのお金が投入されるんですよ、国から。研究費がないと十分な教育ができません。そうした中で多くの旧公立大学はですね、そういう方向につまり地域密着型の大学へのかじを切っているんですね。そうした流れの中で学長先生も発言されているんではないかと思います。

(記者)

 言っていないことを言ったといわれたことに関しては、田辺さんは訂正を求めたいと言っていたのですが、川勝知事はそのようなお考えはありますか。

(知事)

 もうね、言っていないことをしょっちゅう書かれているので、ですからそんな事いちいち腹立ててたらきりがないと。ただ、政治家の場合には言ったこと有言実行しなくてはいけないでしょ、有言不実行の方がそんな事を言う資格があるかと言いたいですね。




幹事社質問(記者質問):東京2020オリンピック聖火リレールート、富士川水系の濁り等の調査結果

東京2020オリンピック聖火リレールート

(記者)

 先日、聖火リレーのルート概要が発表されました。IOCは一筆書きでということで、途中で聖火が途切れないようにというふうなことが基本だったと思います。一方で、県の方はいろんな市町を通ってほしいという思いがあって、リレーのルートを決めるのは結構苦労されたのかなというふうな思いがあります。去年の8月だったと思うんですが、ルートを決める上で安全な陸路を通るというふうな基本的な考えがあったと思うんですが、それに対して実行委員会の中で、静岡は陸路だけではないということで駿河湾フェリーもあるじゃないかということをおっしゃっていて、今回の概要の中では、それが入っていなかったのがちょっと意外だったというか、これが外れた理由と、今概要の段階ですけれども、詳細が決定される中でこれがまた何らかの形で使われるような可能性というのがあるのかどうかというのをお聞かせ願いますか。

(知事)

 これはね、万機公論に決すなんですね。わがままを言う訳にはいかない。だから3日間しかないでしょ、1日に何人の走者というふうに決まっているわけですね。だから35市町全部回るわけにはいかないと、しかし合宿などを誘致して、オリンピックのために努力されている市町もあるので、本当にそれぞれの意見をお聞きすると。それぞれ恐らく記者さんも意見があると思う、皆ありますよ。それをこちらでもんで組織委員会に投げて、また向こうから返ってきて、でまたこちらでもんで委員会やってまた投げると、こういうことで事務局の方は各市町と密に協力してやらなくてはいけないので、この作業は本当に大変でした。そうした中でようやく市町の公表されるところまできたということですね。具体的なルートについては、安全でかつPRができて多くに人に楽しむというか参加していただくといういくつかの原則の下にやっておりますので、223の問題は、県道223ね、「2(ふ)・2(じ)・3(さん)」はね、知ってもらいたい、個人的には知ってもらいたい、日本中の方に知ってもらいたいと思っておりましたので、そういうことを申し上げましたけども、会の席で押し付けたことは一度もありません。しかも私は座長ですから、ですからまさに万機公論に決すというそういう態度で今回のが決まりました。だから、ふたを開けてみてどういう形になるのか楽しみにしていてください。12月の末ですかね、12月頃に最終決定ということですね。今そこまでしか言えないということです。

富士川水系の濁り等の調査結果

(記者)

 先日山梨県の長崎知事が、雨畑川の汚泥投棄現場の方に視察に行きましたけども、これに関して何か思われていることがありましたらというのが1点と、撤去作業が行われているのですけども、南アルプス、リニアの話ではないですけども、そこから流出して富士川に流れて、もしくは民間企業の導水管を通って駿河湾に流れ込んだ可能性があるのですけども、これに関して知事が思われることがありましたら教えてください。

(知事)

 まず、長崎幸太郎知事さんに電光石火というか即現場に赴かれて、そして濁水も確認されて指示をされたということに、心から感謝をしたいと思っております。濁水については、3回調査して濁りがいくつかの所で確認されましたね。それやっていない所もあります。これについて、今あなた導水管のことも言われました、その導水管から出たことについては確認されているのでしょうか。今日、中平君がいらっしゃいますので、ちょっとそのあたり。

(中平水産業局長)

 導水管の所につきましては、その手前の所で調査をしているところでございます。その数値は比較的高かったということでございますので、引き続きその点も注視しながら、ここの調査を続けてまいりたいと考えております。以上でございます。

(知事)

 ほっとしていると言っていたけどどうですか。ほっとされているの、あなたは。

(中平水産業局長)

 ほっとはしておりません。ほっとしているということを山梨の方で会見で述べたということがございますけども、われわれとしては当然富士川の県境の所の値が低かったのは良かったということがございますけども、導水管を通じて、早川から直で駿河湾の方に流れていくルートもございますので、その手前の段階の数値は比較的高かったというようなことでございますので、その部分は重大な関心を持って、今後も調査を続けてまいりたいというふうに考えております。以上であります。

(知事)

 ですから、担当の中平氏も長崎幸太郎氏も、基本的にこの憂慮すべき状況だという認識を持っておられて、一部山梨県のどなたかが、ほっとしているとかっていうコメントが出たということに対しては、恐らく相当憤っていると思います。違いますか。

(記者)

 今の発言で確認なんですけども、山梨県側の記者会見の中でのほっとしているという発言に憤っていると思っているとおっしゃいましたが、知事個人としてはその発言についてはどのように受け止められているのでしょうか。

(知事)

 県境の所で、山梨県側から静岡県に迷惑かけていないということをおっしゃったと思いますけどね、全体として濁水が流れ込んでいると、あるいは濁水が早川に見られるというご認識はお持ちなんですね、山梨県側さん。なるべく迷惑をかけたくないというお気持ちがそういう言葉になったんだろうと、そういうふうに思っています。ですから裏返して言えば、なるべく迷惑をかけたくない、何とか早く処理をしたいという意味では同じ姿勢ではないかと、つまり、これでアクションをやめるということであれば問題ですけども。




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