(知事)
そして、5つ目の件でございますが、数日前にですね、朝日新聞に私の海外出張に関わる宿泊施設が規定を超えるものがかなりあるということが載りまして、これを機会に全て洗い直そうということで調査をお願いいたしました。その調査結果が出ましたので、これを御報告申し上げたいと存じます。
まず、資料をですね、皆さま方のお手元にお配りいただけますか。配りましたか。では調査を担当した局長さんですね、局長の方から御報告を申し上げます。
(藤原職員局長)
失礼します。職員局長の藤原です。よろしくお願いします。
お手元に資料が6枚ほどお配りしてございます。最初の1枚目、2枚目を主に使います。
知事の海外出張における宿泊料の取扱いにつきましては、「特別職の職員等の給与等に関する条例」という条例がございまして、この別表におきまして、地域区分ごとに海外出張における宿泊料の上限が定められております。
この金額により難い場合は、その条例の第7条の2によりまして、「知事が別に定める額」とすることができるとされております。
その額とは、運用通知によりまして、公務上の必要その他特別の事情があり、宿泊の地域、施設が限定される場合、こうした場合には、現に利用した額を支給することができるとされております。例えば、先方からこのホテルに、この部屋にという指定があった場合、あるいは先方の方でイベント等と重なりまして、著しくお値段が上がっていると、そういうような場合、こういった場合もこれに該当します。
実際の宿泊先の選定に当たりましては、危機管理上の安全確保、交通の利便性、しっかりとした通信設備、部屋での執務や随行員との打合せに支障のない広さ、この4点を慎重に考慮しておりまして、結果として条例の別表に定める上限金額を超えていた事例が多数あったということでございます。
理由としまして、1枚おめくりいただきまして、2枚目の2の表にございますとおり、上限金額を超えた54件につきまして、制度を所管する人事としまして、第三者的立場から確認したところ、まず、主催者等から宿泊施設の指定、推薦されたものが20件、ラグビーワールドカップなど、世界的なイベントによるホテル価格の高騰、これが6件、指定した条件のホテルに空きがなかった、これが5件、要人との面談を予定していたため、ふさわしい部屋を確保すると、そういう理由のものが3件となっております。
その他、20件と書いてございます、この残りの20件を含む全体の54件の8割については、下の3の表にございますとおり、割合で言いますと、約8割、これが上限金額が低い乙地方及び丙地方という地域指定がありまして、それに指定されている中国、モンゴル等でございます。これらは急激に経済発展が進みまして、物価上昇、これが著しいということも超過した理由として挙げられると考えております。
今後ですけれども、一番下です、施設選定の際には、できる限り条例別表に定める上限金額以内に収めることといたしまして、施設及び部屋のグレードを慎重に選定するということを徹底してまいります。
また、知事の旅費につきましては、現在、総額のみ公表しているところでございますが、今後は県民の皆さまの理解や手続きの透明性の観点から、宿泊料の上限金額を超えている場合は、併せてその理由も公表していきたいと、このように考えております。
以上でございます。
(知事)
どうですか、記者さん。ともあれですね、一番高かったのがウランバートルなんですね。これがクラブスイートだったと。平成27年、昨年の8月4日から9日で、規定額は17,400円、それが52,000円であるということです。宿泊先は前回、平成25年度に宿泊したチンギスハーンホテルを指定したが、当該ホテルが国際会議、中国経済省副大臣団協議のため部屋の予約がとれず、業者から同等クラスの現行のホテル、トゥーシンホテルを提案され、部屋のグレードについても他に空きがなかったために、選定したというようなことなんですね。
ともかくまあ、そうは言いましてもですね、8割も上回っていたということなんですが、向こうから指定された時はしようがありませんけれども、この甲乙丙の丙というのが、いわゆる、この決まったのが昭和59年だそうです。1984年ですね。ですから、30年以上前ということで、32年前ということになりますけれども、その時のままだと。そして、この甲乙丙という古い、甲乙丙丁の、そういう場合、Aランク、Bランク、Cランクという、Cランクに当たる国がですね、丙地方と称しまして、知事は17,400円だと。そこに中国、台湾、モンゴル、ブラジル、アルゼンチン、インドが入っているのです。今言った所は、全て訪れている所です。
そこで気が付かれますと思いますが、BRICS、ブラジル、インド、チャイナ、それからSは何でしたっけ、(サウスアフリカ。)サウスアフリカと。サウスアフリカは別にいたしまして、この発展著しい3国が入っているのですね。そうしたことがあって、この金額が妥当かどうかということがあると思います。
しかも、これからですね、8月にリオデジャネイロに行くと。今、舛添さんがリオデジャネイロには行きたいというふうに強く言われているわけですが、リオデジャネイロはどうなっているでしょうか。私は、そこに2つの目的で行きます。
1つは、いわゆる静岡県のPRですね。誘致活動、合宿等の誘致活動でございます。もう1つはサンパウロ、そこから飛行機で1時間弱の所でございますけれども、ブラジル最大のエンブラエル社という会社がありまして、そこがITAという大学を持っているのですね。その大学と静岡県下の(静岡)理工科大学、並びに最近東海大学の山田学長先生も大変関心があるということで、理工科大学の理事長、それから、東海大学の副学長先生と御一緒に行きまして、できれば、何かですね、学術教育上の協定まで持っていきたいということで、既に、その創設者のオジーレス、シルバ・オジーレス博士、84、5歳の人格者でありますけれども、大まかなところでは合意を得まして、既に向こうからも人が派遣されて、空港も見ていただき、関係者とも会っていただいておりまして、そこで、関係者同士が会いまして、何らかの合意にまでもって行きたいと、こういう目的で行くというのが、2つ目の目的です。
さて、宿泊はどうなっているでしょうか?
(鈴木スポーツ局長)
スポーツ局長の鈴木でございます。
今回、今、知事の方からお話しがございましたように、リオデジャネイロオリンピックの事前キャンプ等の誘致というトップセールスをやっていただくと同時に、サンパウロの方で、ブラジル航空技術大学等の訪問をしていただくということで、私どもの方で路程を調整したところでございます。
そうしましたらば、まず、リオデジャネイロでございますけれども、先ほどのいわゆる旅費の規定がございますので、それを踏まえてですね、旅行代理店3者に見積もり合わせを行ったところでございます。そうしましたらば、これがですね、20万円から14万円という数字が1泊当たりの数字で出てまいりました。これはとてもそういう中で、難しいということで、私ども職員の方が直接ですね、インターネットの方で宿泊地、宿泊先の方を予約することをいたしました。まあ、そういう中でもですね、今、8万円というところで、宿泊を調整しているところでございます。
一方で、全体の旅費を圧縮するためにリオデジャネイロで当初は2泊していただく予定でございましたけれども、2日目の夜にサンパウロの方に移動していただいて、そちらの方がやはり、リオデジャネイロよりかなり安くて、38,000円、それでも先ほどの規定を超えておりますけれども、そういう額で宿泊できるということが分かりましたので、今そういう方向でですね、旅費の、日程を調整しているところでございます。
以上でございます。
(知事)
まあその、14万円から20万円するそうです。東京都知事だとどのぐらいの値段に泊まられるのでしょうか?8万円ほどの部屋があったということですね。一方、サンパウロの方は、(38,000円。)38,000円だそうです。事務官の方たちは、一部屋を2人で分有するということのようなんですが、それでもですね、随行員の規定も超えるということになっています。
先ほど藤原(職員局長)さんの方から、この規定内に収めるというふうに言われて、早速8月に規定を、17,400円を、まあ8万円ですから、62,600円ほど上回るということ、これよろしいでしょうかね、記者さん、どう思います?
(記者)
正当な理由があればと。
(知事)
私は、もうこれは、今、藤原(職員)局長がですね、これ17,400円だから、規定に従ってそこに抑えると言っているので、行くべきでないと思います。その、月々15万円で生活している人もいるのではないですか、ね。8万円は、なるほど一番こう、旅行代理店を通して安いので、14万円だと。それよりは、8万円は安いと。しかし、絶対額が泊まるだけでですね、8万円も掛かると。朝食代が入っているかどうか知りませんが、こういうあの、法外な、これが現実だということですね。サンパウロの方も、なるほどリオデジャネイロよりは、半額ぐらいだということなんですが、それでもですね、38,000円とかという、大きな額になっているわけです。
さて、こうした時、どうしたらいいのかということですが、もし、事務局の方針が今、舌の乾かぬ先にですね、いきなり17,400円をはるかに3倍以上上回るですね、4倍ですか、上回るような額が提示されて、本当にとまどっておりまして、これは行くべきでないというのが、今の差し当たっての結論です。
記者さんは、行く理由があったら行っていいと言うのですか?
(記者)
記事にも書いたように、3倍を超えると、今の裁判の判例上、なかなか認められないというような事情もあると思います。
(知事)
そうなんですよ。ですから、ルールはルールなのでですね、ルールが現実に合っていなければ、ルールを改める必要があると思うのですよ。ただし、ルールにのっとってやりたいというふうに藤原(職員)局長、人事の方で御方針を今、発表されたばかりなので、これは、ルールにのっとるということが正しいのではないかと。
しかしながら、その事前合宿に誘致はしなくてはなりません。また、本県でもオリンピックの1種目が開かれるので、その感触をつかむということも大事でしょう。また、さらにサンパウロの方はですね、これは、前回の訪問の最初の成果が出つつあるということで、私が行かなくても大学関係者にはぜひ行っていただいて、必要最小限で、できる限り、いわゆる公金のですね、支出を控えることができないかというのが、今の差し当たっての私の立場であります。
ちなみに、シリコンバレーに行ったことがあります。そこに泊まった時に、私はモーテルに泊まりました。それでも33,000円だったそうです。他の知事さん、いわゆるルース(前アメリカ)大使の御縁で出来た日米カウンシルで、他、4、5県の知事さんと御一緒に行ったのですけれども、モーテルに泊まったのは私だけという。それでもですね、甲地方、いわゆるAランクの国ですが、24,200円です。ですから、この規定が本当にですね、現実に即しているかどうかというのは、やはり疑わなくてはならない時に来ていると思います。ましてや、昭和59年以降、放置したままということはですね、おそらく同様の事情は、これは国がお決めになったものに準じてやっていますから、国の大臣閣下他、国会議員の先生方、あるいは他の首長先生にも同じような、他のというのは県知事や立派な政令市の市長さんとかですね、そういう方たちのこの規定と現実が果たして合ってるかという問題があると思うのですよ。ぜひ、記者さん、せっかく良い問題に突き当たられたので、どうしたらいいかというですね、ことを他のジャーナリストの方も一緒にお考えいただいて、私としては、全部透明にしたいと。ただし、ルールの違反はしたくないという、そういう考えでおります。
これについては、以上であります。 |