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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2018年2月22日(木)

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知事記者会見

2018年2月22日(木)


知事発表:世界クラスの資源・人材群が68件に!、「富士山万葉集」の全20巻の完成、エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備を更新
幹事社質問:富士山入山規制、伊豆市オレンジゾーン
記者質問:富士山世界遺産センター来館者
記者質問:伊東市メガソーラー
記者質問:伊東市メガソーラー
記者質問:文化力の拠点

知事発表:世界クラスの資源・人材群が68件に!、「富士山万葉集」の全20巻の完成、エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備を更新

(知事)

 お願いします。春でございます。今日のお花は、黄色いチューリップ、フリージア、ソリダコという三つであります。

 発表項目は合計三つございます。

世界クラスの資源・人材群が68件に!

 まず、世界クラスの資源・人材群が68件になったということであります。ふじのくに地球環境史ミュージアムが、ドイツデザイン賞を受賞いたしました。

 今月の9日、ふじのくに地球環境史ミュージアムが、ドイツデザイン協会が主催するドイツデザイン賞におきまして、”Fair and Exhibition”カテゴリーのWinnerを受賞いたしました。ドイツデザイン賞は、1969年にドイツ政府が設立したドイツの公式デザイン賞が前身であります。既に国際的に評価の高い賞を受賞していることが前提となるもので、推薦されただけで名誉ある賞とされておりますが、基本的に、デザインの発展に貢献する先駆的な作品を選ぶということであります。ふじのくに地球環境史ミュージアムは、これまでに「FX国際インテリアデザイン賞:博物館展示空間部門」の「最優秀賞」ならびに、ドイツの「iF デザイン賞」を受賞しておりまして、今回の推薦に至ったものでございます。

 今回の受賞は、廃校になった校舎の教室をかつての学校什器を活用し、知的な刺激を与える展示デザイン化で「思考を拓くミュージアム」を展開したことが高く評価されたものであります。受賞履歴の確認ができる2012年以降、日本の展示デザインでのWinner受賞は今回が初めてであります。

 皆さまのお手元にお配りしておりますとおり、本県の「世界クラスの資源・人材群」は今回の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」を加えますと、合計68件となりました。1ページ目、だんだん空間がなくなりまして、一番トップは“ふじのくに”のシンボルであります富士山が、毛書体で書いてありますけれども、そこから1ページ、2ページ、3ページ、ついに4ページとなりまして、4ページ目も今年、相当埋まるんではないかと、多くの人が予想しております。

 来年度からの新しい総合計画のスタートを控えまして、1カ月に1件を超えるハイペースで世界的評価を得ておりますので、本県は今や、“世界の静岡”ということと、世界のひのき舞台に立ったという自覚意識を持つことが大切ではないかと思っております。この機を逃さずに、富国有徳の「美しい“ふじのくに”」づくりに、スタートダッシュするということで、一気呵成に取り組んでまいりたいと考えております。

「富士山万葉集」の全20巻の完成

 二つ目の発表項目でありますが、「富士山万葉集」全20巻が完成いたしました。

 先週も会見で触れましたけれども、「富士山万葉集」の巻(まき)十八から最終巻の巻二十が完成いたしまして、明日、富士山の日、2月23日に発行する運びと相成りました。皆さまには、1日前にお配りしてございます。

 静岡県では、平成21年の12月、「富士山の日条例」を制定いたしまして、翌2月23日、外国の大使などをお招きいたしまして、富士山をことほいだわけでございます。2月23日、「富士山に想いを寄せて、後世に引き継ぐことを期する日」と条例にうたってございます。

 この「富士山の日」を祝う行事の一つとして、一番最初に富士山の日をことほいだ平成22年度に、古今の歌人の詠んだ富士山の短歌の中から100首を選考いたしまして、「富士山百人一首」を編さんいたしました。さらにその翌年から、つまり平成23年度から、富士山の普遍的な文化的価値を広く普及するために、富士山の短歌を募集することといたしまして、現存する最古の歌集「万葉集」が全20巻ということにちなみまして、「富士山万葉集」と名付け、20巻を目標に編さんを始めました。

 これら県による短歌集の編さん事業は、富士山が、古来、信仰の対象であるのみならず、文化芸術の源泉であるという、その経緯に照らしまして、こうした文化的な営みに連なる事業でございます。

 富士山万葉集につきましては、これまで全国の皆さまから、延べ21519首の応募をいただきました。その中から各巻100首、20巻ございますので、全2000首が選ばれてございます。日本のみならず海外在住の方からも応募をいただきました。また大人だけではなく、小学校への万葉集出張授業などを通じて小学生からも応募をいただいております。歌の道、敷島の道でございます。日本古来の道ということで、敷島の道とも言われる歌の道の裾野を広げた事業であったと考えております。

 何といいましても、編さんにあたりまして、最高の選者を選びました。国文学者で万葉学者、文化勲章もお取りになっておられる中西進先生が選考委員長であります。女流歌人のトップ、馬場あき子さん、また佐佐木信綱さんの、一番最初の文化勲章をとられたわけですが、そのお孫さんの佐佐木幸綱さん、また本県ご出身の田中章義さん、合計この4人の方々に委員として、7年間にわたり大変にご尽力を賜りまして、改めて深く感謝を申し上げたく存じます。そうしたお礼の意味も込めまして、この4名の選考委員の先生方をお招きして、富士山万葉集の完成を記念したシンポジウムを、来年度に開催したいと考えております。

 富士山万葉集全20巻には、ご希望の方にはお送りいたします。また県のホームページでもご覧になれます。今後は、富士山世界遺産センターが、小・中・高校生や公民館で行う出前授業、出前講座などでテキストとしてご活用いただき、より多くの皆さまに、新しい富士山の短歌を楽しんでいただきたいと考えております。

エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備を更新

 三つ目の発表項目でございますけれども、エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備が更新されたということでございます。

  ラグビーワールドカップ2019に向けて進めております、小笠山総合運動公園エコパスタジアムの改修工事のうち、大型映像設備と音響設備の更新工事が完了いたしました。エコパスタジアムは平成13年5月の供用開始から16年余りが経過いたしております。施設・設備の老朽化が進んでおりました。ラグビーワールドカップの開催が決定したことを受けまして、昨年度から、老朽化した施設・設備につきまして、国際基準に適合するように改修を進めております。

 今回の更新で、大型映像設備は解像度がこれまでの11万画素から288万画素に向上いたしました。従来、アナログ放送並みの画像でありましたが、フルハイビジョン放送並みの高精細な映像が表現できるようになった次第であります。また音響設備は、デジタル化によりましてノイズの少ない、よりクリアな音質を提供できようになりました。

 更新された設備は、2月25日のJリーグの開幕戦、ジュビロ磐田と川崎フロンターレの試合で初めて使用されます。新しく生まれ変わった大型映像設備と音響設備により、より臨場感をもって楽しんでいただけるものと期待を込めております。

 エコパスタジアムにつきましては、引き続き、2019年のワールドカップ大会本番に向けまして、競技用照明の改修、トイレの洋式化など、全ての工事が平成30年度末、平成31年3月までに完了することを目指して、計画的に整備を進めております。

 以上であります。




幹事社質問:富士山入山規制、伊豆市オレンジゾーン

(幹事社)

 ありがとうございました。発表項目について質問のある社はお願いします。

 では、幹事社質問に移ります。2点ありまして、1点目が富士山の保全管理策を検討する15日の「富士山世界文化遺産学術委員会」で、登山者数に上限を設ける入山規制は行わず、富士宮口で1日当たり2000人などの「望ましい登山者数」を定めた静岡、山梨両県の指標案が承認されました。入山規制を実施しない理由を改めて伺うとともに、指標達成に向けた具体策についてお聞かせください。

 2点目が、伊豆市が全国に先駆けて進めている津波災害特別区域、オレンジゾーン指定で特別区域の愛称を決める投票が始まりました。伊豆市は今年度中に、県からのオレンジゾーン指定を目指しています。オレンジゾーン指定のメリットや効果と、今後の課題をどのようにお考えか。以上2点よろしくお願いいたします。

(知事)

 はい。ご質問ありがとうございました。

富士山入山規制

 まず、最初の富士山入山規制に関わるご質問でありますが、もう既に学術委員会の方でご説明されていることを繰り返すことになりますけれども、今回お示ししました1日当たり2000人という数字は、「望ましい登山者数」を意味するものではありません。超過した場合、すなわち2000人を超えた場合には登山の安全性、快適性が損なわれる目安となる登山者数であるということであります。

 平成27年から3年にわたって実施いたしました登山者の動態調査、意識調査の結果が出まして、それをベースに富士山における著しい混雑は、恒常的に発生していないということが分かりました。しからば、いつ発生しているかといいますと、特定の日時と場所であります。特定の日時というのは、週末ならびにお盆で、しかも御来光前後の時間帯、場所は山頂付近ということが分かりまして、そうした場所に限り、そうした日時に限り発生しているということであります。富士宮口におきましては、著しい混雑発生の目安となる1日当たり2000人を超えた日数は、開山期間中、2日から4日程度であるということも分かった次第です。

 さらに、登山者数に係る指標は、来訪者管理の目標であります「望ましい富士登山のあり方」の実現に向けた複数の指標の中の一つでもございまして、日、時間などの分散化することで、限定的にしか発生していない著しい混雑の緩和を目指すことにした次第であります。

 従いまして、定めた数値をわずかでも超過してはいけないといったような入山規制を行うものではありません。

 では、実現に向けた具体策として何をするかということですが、やはりまだ弾丸登山が後を絶ちません。そこで、弾丸登山をしないよう引き続き呼び掛けてまいります。それからまた、あらかじめ混雑の予想される日時、また山頂以外で御来光が見られる場所など混雑予想カレンダーを作りまして、これをご配布申し上げると同時にオフィシャルサイトでもですね、見られるようにいたしまして、多くの登山者が登山開始をされる前に混雑回避に向けた検討ができるように情報提供を行うこととしております。

 なお、この指標案が出たわけでございますが、正式に決まりますには、まず3月15日に開催予定をしております第14回富士山世界文化遺産協議会作業部会における地元関係者との合意形成を図ることが、最初の段階であります。最終的には同じ月、3月27日に開催予定の第10回富士山世界文化遺産協議会において承認、決定するという予定であります。

 ちなみに、この富士登山混雑予想に関わるパンフレットがここにございますので、こうしたものを配り、ここにはこうしてカレンダーがございまして、7月、8月、9月であります。この赤のところが混雑が予想される日であります。それから黄色のところは混雑日ほどではないものの、前提に登山者の数が多くて登山道によっては行列、渋滞が発生するということでございます。

伊豆市オレンジゾーン

 二つ目のご質問でございますが、伊豆市のオレンジゾーン指定ですね。オレンジゾーン、正式には津波災害特別区域指定でございますけれども、このオレンジゾーンの指定によりまして、義務付けられることがあります。それは区域内でお子様、高齢者、障害者など、いわゆる要配慮者が利用される施設の新築、増改築が行われる場合、これは地震や津波に対して安全な構造とすることが義務付けられます。

 このため、この指定の直接的な効果というのは、今後これらの施設が設置される場合には、施設の利用者や管理者が避難することなく、施設にいながらにして津波を避けることができるという、そういうメリットがございます。

 また、今回の区域指定は、伊豆市が津波防災に積極的に取り組む地区であることを住民や観光客などに内外に宣伝することを意味するものです。従いまして、今後の課題としましては、区域指定にとどまらず、名実ともに津波に強い地域であると、また地域とするということを目指しまして、実効性のある対策を積み重ねていくことが求められることになります。

 私どもとしましては、全国に先駆けた伊豆市の取り組みが、津波防災地域づくりのモデルケースとなりますように、国とも連携しながら支援をしてまいりたいと考えております。これは、区域指定のマイナスイメージをプラスに転換しようという意欲的な取り組みとして私は評価をしております。

 また、このメリットでございますけれども、津波災害警戒区域あるいはイエローゾーンのようなものもあります。これは警戒区域ですね。これは避難場所の確保、ハザードマップの公表、避難確保計画の作成が当然進められねばなりませんので、逃げる体制、避ける体制というものが確実になるということでございます。仮に、イエローゾーンで建物を建てる場合には、宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」によりまして、取引対象の物件が津波災害警戒区域内か外かの情報を確実に得ることができるというメリットがございます。以上であります。




記者質問:富士山世界遺産センター来館者

(幹事社)

 ありがとうございます。幹事社質問に関しての質問がある社はお願いいたします。

 では、その他の質問も含めてよろしくお願いします。

(記者)

 すみません。富士山関係なんですが、富士山の世界遺産センターがですね、間もなく、恐らく来館者が10万人を達成しようかということになりました。かなり早いスピードなのかなという印象も受けるんですけれども、明日、富士山の日ですが、この10万人という数字に関しては、知事はどのように思われてますでしょうか。

(知事)

 記者さんと同じ感想だと思います。そういういい質問をいただきまして、ありがとうございます。2月19日、3日前ですか、そこで98480人だったんですね。だから、あと千数百人だなという感想を持ちまして、19日は休みで、昨日、今日、明日ということでですね、10万人を超えると。2カ月で10万人ですから、そうすると12カ月ですのでどのくらいになりますかね。60万とかものすごい数になるなと。もともと30万人を目標にしておりました。それをはるかに上回るペースで来館者が引きも切らないということで、大変喜んでおります。十分に時間をかけ、議会でももんでいただいて、建物もコストも予定された価格に収まるように工夫を凝らし、展示内容につきましても、しかるべき方々に工夫を凝らしていただいて、ソフト面、ハード面、両方において、リピーターも含めて、お越しになる方が増えているということでございます。

 そして、明日は富士山の日ということで、富士吉田の方に参りまして、これは富士山の日を、山梨県側も私どもよりも少しく遅れてお決めになられましたので、それでは一緒にことほごうということで、毎年、隔年、開催地を変えまして、今年は山梨県ということでやるわけですが、これで館長も決まりました。こちらの館長は遠山敦子先生です。そして、山梨県側の館長は、海の先生、秋道智彌(あきみちともや)先生、昔からの友人ですけれども、海のことを研究されてるんですね。それが山に登られまして。彼と敦子先生が、対談、トークショーのような感じでお話されるというのも、昨年の12月23日に館長のお披露目をして、そのときに秋道先生とお目にかかられて、こういう企画も決まりましてね。両方どういうふうに連携してくかという話になっていくと思うんですが、山梨県と静岡県との連帯感、一体感、ふじのくにとしての共通性がございますので、これが一層高まるということを期待しております。

 また、展示内容などにつきましては、お互いに情報交換することになっております。もちろん、両センターだけではなくて、関連する学術機関、あるいは博物館とも情報を共有して、全体として相乗効果を上げていこうと、こうしたことが申し合わされることになるんではないかと思っております。




記者質問:伊東市メガソーラー

(記者)

 すみません、前回もお伺いしたお話なんですけれども、伊東市のメガソーラー問題について、先週金曜日に伊東市の小野市長が会見を開かれました。それで、伊東市側の許可が出る見通しという状況だと思うんですが、改めてお伺いしたいんですけれども、県の森林審議会あるいは林地保全部会にですね、年度内にこの問題が話し合われる予定があるかどうかについてお伺いしたいと思います。

(知事)

 はい、まず基本的な私ならびに県庁のスタンスでありますけれども、住民の方々が、市長も、市議会も、関係者も、それから市外の方たちですね、県外も含めて、皆反対しているわけですね。私も断固反対です。県庁も挙げて反対をしております。

 一方、それとは別個にですね、行政手続きというのが法律で定まっているということです。必要な書類が整ったということですね、それを整ったにも関わらずそれを放置することができません。また、われわれ、伊東市長さん会見もされておりますので、正確なお考えにつきましてご意見も求めていこうと思っております。こうしたことを踏まえた上で、今後行政を預かるものとして何ができるかということにつきまして、止めることのできない手続きがあります。これについてですね、これまで地元との折衝などについて、いろいろな経験を積んで今副知事を預かってもらっている難波副知事がですね。これはどういうことをしなくてはならないか、何ができるかということについて、私は彼から説明を受けて、私自身がそれを申し上げてもいいんですが、今日は難波副知事が同席しておりますので、難波副知事の方から説明をお願いします。

(難波副知事)

 森林の許可の件ですけれども、森林審議会にかける必要があるわけですけれども、先ほど知事のお話の通り、書類は整ったということですから、森林審議会にはかけるということになります。その上でですね、森林審議会の意見を聞いた上で許可、あるいは不許可、そういった判断をしていく。そういうことになります。

(知事)

 もししない場合、森林審議会を。

(難波副知事)

 森林審議会を開かない場合はですね、これは書類は整っているわけですから、それなのに行政の裁量によって開かないというのは、法律的な用語で不作為といいますけれども、作為の「不」ですね。不作為ということになりますから、これは行政の手続き上よろしくないということになりますので、行政手続きとしてそういうことをやってはいけないということで、これは森林審議会にかけると、こういうことになります。

(知事)

 仮に不作為をした場合に、どういう次のアクションが考えられますか。

(難波副知事)

 これは事業者の方の判断だと思いますが、場合によってはそれについて不服があればですね、不服についての行政上の手続き、不服審査のようなこともありますし、あるいは訴訟ですね、そういったこともあり得ると思います。これはやるべきことをやらないということはですね、不適切な行政運営だということで、そういった判断をされる事業者もいるかなとは思います。今回そうなるかということではなしにですね、一般論としてはそういうことも考えられます。




記者質問:伊東市メガソーラー

(記者)

 ありがとうございます。重ねてのご質問で恐縮なんですが、行政の手続き上の、制度上の問題ということと、一方でその視点を変えるとですね、県民利益にとっての大所高所からの行政のあり方ということを、これを裁量という場合もあるかもしれませんけれども、裁量にもいい裁量、悪い裁量というのか、価値判断は除くとしてもですね、ある程度の一定の幅を持って地元の合意について行政指導を図るとかですね、そういったまだ余地があるではないかというような声もあるかと思います。その点について、なかなか可能性がない、止める手立てがないというようにお受け止めでしょうか。

(難波副知事)

 行政判断の裁量とですね、県が、先ほど知事が明確に反対であるという表明をされましたけれども、それとは別だというふうに思っております。そして、その手続きは手続きとしてやりながら、やはりこれは住民の理解が得られていないのではないかとか、そういったことについてですね、さらに住民理解を得るようにとか、そういった指摘をするということは、これは行政として当然やるべきことだと思います。

 それからもう一つ、地元に根強い反対があるということですから、これについてはですね、やはり不安が残っているということだと思うんですね。これは行政の裁量うんぬんの問題ではなくて、そういう不安が残っている状態で、許可をする、不許可をするという判断をするに当たってはですね、相当慎重な検討が必要だと思っていますし、その後ですね、説明を求められなくても、やはりその、こういう不安を持っておられる方々に納得していただけるように、あるいは理解していただけるように、こういう判断に基づいて許可なり不許可なりをしたということを明確にお伝えする。いわゆる説明責任を果たす必要があるというふうに思っております。

(記者)

 ありがとうございます。1点だけすみません。

 念のためなんですが、森林審議会は年度に何回か開催されると思うんですが、次回に延期ということは、可能性はあるわけでしょうか。

(難波副知事)

 森林審議会は年に今4回開催をしていますので、今度の開催は3月になりますので、3月に開催をするということになります。先ほどの条件が整っていますので、条件、資料が整ってますので、その資料を審議会に提示をして、審査をしていただく、審議をしていただくと、こういう手続きになります。

(記者)

 分かりました。ありがとうございます。

(知事)

 行政手続きというのはしゃくし定規なんですね。非常に不愉快なことです。言ってみればですね、いい例かどうか知りませんけれども、受験をしたいということで、受験資格を得たということだと思います。内申書も出しなさい、内申書が出てきたと。内申書に何が書いてあるかと、例えば住民への説明責任というのがあるでしょうと。説明会を開きましたかと。開きましたと。だけど、とてもいい加減な説明会であったと、住民の同意書を得られるということを前提にした説明会であるはずなのに、同意書もない、協定書もない。かくもいい加減なものが受験をいたしますという、そういうですね、先生の意見なんですよ。

 そういうことでですね、クラスの誰からも嫌われてるけれども、しかし、受験をしたいという意志、成績もそれなりに、ここに全ての科目について付いていると。出席日数も足りてると、従って受験資格を奪うことはできないと。さて、受験した後ですね、受かるかどうかというのは、また別問題だというふうに考えてよろしいのではないでしょうか。

 ですから、これからとりあえず審査していただくと。先ほど難波副知事の方からご説明申し上げましたように、ものすごい不満と不安と、この反対が渦巻いているわけですね。そうした中で、森林審議会がどのようなご判断を示されるのか、またどうした付帯条件をお示しになられるのか。そこでまた、付帯条件が示されたものに対して、今度はこれを徹底的にですね、一つ一つ、こう逐一県が前に立ちましてチェックしていくと、それを守っているかどうか。そうした事柄は、次にできるんじゃないかと。従って、今度、仮に大学受験だとしますと、1年で落第するのか、2年に進級できるのか、まともに卒業できるかどうかは分らないということで、とりあえず受験資格ができたので受験をさせざるを得ないと。その日時はもう決まっていると、つまり3カ月に1回ということでですね、その日時が3月に予定されていると、こういう状況ですね。

 僕は受験資格はないと思っているんです、実質的に。だけど形式上ですね、瑕疵(かし)がないので、一応大学側としてはその受験の申請を受け入れたということで、これから審査に入るということです。そのようにご理解いただけると分りやすいんじゃないかと思いますね。ですから、反対される方の気持ちを重々分っております。私も全く一緒ですが、そういうふうにご理解いただいてですね、まだ終わったわけではないというようにご理解いただければと存じます。

(幹事社)

 その他、いかがでしょうか。




記者質問:文化力の拠点

(記者)

 先週、県立中央図書館の移転に関する有識者会議の2回目が終わりまして、今、基本構想をまとめている最中だと思いますが、その中で延床面積2万平方メートル、200万冊の蔵書という具体的な数字が、人口規模などから考えて望ましいんではないかというようなお話が、有識者の方々から出たんですけれども、この点に関して知事は、他の県立図書館なんかとも比べまして、妥当であるのかというか、どういったお考えなのかお聞かせください。

(知事)

 いわゆる町の市民図書館とか区民図書館とかございますね。そこは2、30万冊で皆オープンスタイルと言いますか、棚のところに行って、好きな本を読むということですよ。今度の図書館はですね、県立の中央図書館ということで、稀覯(きこう)本も入っておりますし、そして人口370万の人たちが読むに堪えるだけの資料を整えているべきものでなければならないということでですね、200万冊というのは妥当かなと思います。

 ちなみに私は図書館の副館長を務めたときにですね、早稲田大学の中央図書館がありまして、その図書館は中央図書館、70万冊規模だったんですよ。そこは実際120万冊ありまして、それがもうぎゅうぎゅう詰めに入っていたのでですね、もうこの図書館としてはもう入らないと。だから新しい中央図書館を造れというふうに運動が起こりました。私はですね、1千万冊規模の大図書館を建てようと言ったわけですが、それは実現しませんで、500万冊規模の中央図書館が旧の安部球場のところに建てられました。1880年から歴史を持って、社会科学、自然科学、人文科学全ての図書を網羅する、そういう中央図書館でですね、500万冊規模、しかし、当時早稲田大学で持っていた図書全体で200万冊でした。そのぐらいの感覚で思っていただければですね、200万冊という規模があります。オックスフォード大学の図書館は800万冊です。これは世界トップクラスの大図書館ですから。決して200万冊はむちゃくちゃ多いとは思いませんけれども、決して少なくないというふうに思いますので、200万冊全部整うにはかなり時間が掛かるとは思いますけれども、それぐらいの余裕がありますとですね、いい図書館として使えるのではないかというふうには考えております。

 こうした、いろんなことをご存知な方たちが出された数字なので尊重した方がいいと思っております。

(記者)

 重ねてなんですが、当初の文化力の拠点の構想だと、3万平方メートル超というような、全体がですね、だと思うんです。その中で2万平方メートルというと、かなりの規模感になると思うんですけれども、その点に関してはいかがでしょうか。

(知事)

 まず、あそこは数年前からですね、北側の市有地と南側の県有地と合わせて、かつですね、中央図書館、ミュージアム、大学、埋蔵文化財センター、SPAC、それから日本平、さらに下って三保松原と、そこ全体をですね、今、地球環境史ミュージアムが入ってますけれども、全体をどのように整えるかという、そうした委員会を、芳賀先生とか高階先生などを交え、市長さんもお越しになって徹底的に議論したわけなんですね。

 そして、北側はスポーツの殿堂にすると、南側は文化の殿堂にする。それは当然のことでしょう。そこにグランシップがありますからね。先ほど残したのは草薙の運動場も入ってましたが。そうしたもの全部含めて、いわば陸の玄関口として造ろうということで、グランシップがあり、そこで演劇のSPACの劇場も、有度山の中にある野外の劇場と合わせてしっかりしたものを持っているし、いろいろな文化的な活動が行われています。ですからもう、全会一致でここは文化力の拠点にするということになったわけですね。従って、そこにアリーナを造るとかですね、スポーツ施設を造るというようなことは、始めから退けられて文化力の拠点にするということだったんです。

 じゃあどうするか。やっぱり若者を集めなくちゃいけないと、若者は勉学のために来て、また胃袋が大きいので食事もすると、にぎやかな空間をつくろうと。それから学芸員も来るであろうと、従って、宿泊、アコモデーションに大きなお金が掛かると経済的に厳しいので、それを持つと。ありとあらゆる意見が出ました。そして、それに必要な大きさはどのくらいかと。それから音楽会や演劇を見た人たちがですね、出演者ならびにお客様がお泊まりになるようなホテル機能も持った方がいいというような案も出ました。それから、大きさにつきましてはですね、グランシップの高さを超えないと、グランシップの高さと合わせようということになりました。そういう形で大きさと平米が決まり、一方その大きさに応じた形で駐車場のスペースが必要になるわけですね。規定に応じて駐車場のスペースを一定以上取らなくちゃいけないと、そういうところから決まったわけです。

 その中に一般の全ての人々が、いろいろな文化的な情報に接することができるということで図書館機能というのは、初めから入っていました。で、そのときの図書館機能は県立の中央図書館と、どのように役割分担するかというところまで話されました。そして、中央図書館の方は研究図書館として、大学のすぐそばにありますからね、研究図書館として。そして、東静岡の方はどちらかと言うと一般向けの、多くの人々が利用するような、そういう書物にしましょうという、そういうほぼ合意も得ていたわけです。

 ところが、ご案内のように中央図書館それ自体が、中央図書館との、初めから連携を踏まえた上での図書館機能を持たせるということだったわけですが、中央図書館それ自体が活用できないと、今危険だということで、そうすると、それにつきまして、全部移すのがいいということになりました。それで結果的に先ほど言われたような大きさが出てきたということなんですね。

 全体として、これが文化力の拠点であることには変わりはないと。他のところについては、圧迫されることになるから、どういう機能を残すか、どういう機能をどういうふうに割り当ててやっていくかと。しかしそこにですね、私はにぎわいの空間、若者が来れるように、一般の人たちがいろんな形で文化を享受できるようにするためには、食堂というんですか、食の都の一端を感じていただけるようにもしたいというのがございましたので、それも入るということは間違いないと思います。そうした大きさなどが、今後、まず図書館は今自由に使えない状況でございますからね、そこはまず先行投資してやっていこうと、こういう事情であります。

(幹事社)

 他はいかがでしょうか。

(幹事社)

 よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。




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