(知事)
お願いします。春でございます。今日のお花は、黄色いチューリップ、フリージア、ソリダコという三つであります。
発表項目は合計三つございます。
【世界クラスの資源・人材群が68件に!】
まず、世界クラスの資源・人材群が68件になったということであります。ふじのくに地球環境史ミュージアムが、ドイツデザイン賞を受賞いたしました。
今月の9日、ふじのくに地球環境史ミュージアムが、ドイツデザイン協会が主催するドイツデザイン賞におきまして、”Fair and Exhibition”カテゴリーのWinnerを受賞いたしました。ドイツデザイン賞は、1969年にドイツ政府が設立したドイツの公式デザイン賞が前身であります。既に国際的に評価の高い賞を受賞していることが前提となるもので、推薦されただけで名誉ある賞とされておりますが、基本的に、デザインの発展に貢献する先駆的な作品を選ぶということであります。ふじのくに地球環境史ミュージアムは、これまでに「FX国際インテリアデザイン賞:博物館展示空間部門」の「最優秀賞」ならびに、ドイツの「iF デザイン賞」を受賞しておりまして、今回の推薦に至ったものでございます。
今回の受賞は、廃校になった校舎の教室をかつての学校什器を活用し、知的な刺激を与える展示デザイン化で「思考を拓くミュージアム」を展開したことが高く評価されたものであります。受賞履歴の確認ができる2012年以降、日本の展示デザインでのWinner受賞は今回が初めてであります。
皆さまのお手元にお配りしておりますとおり、本県の「世界クラスの資源・人材群」は今回の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」を加えますと、合計68件となりました。1ページ目、だんだん空間がなくなりまして、一番トップは“ふじのくに”のシンボルであります富士山が、毛書体で書いてありますけれども、そこから1ページ、2ページ、3ページ、ついに4ページとなりまして、4ページ目も今年、相当埋まるんではないかと、多くの人が予想しております。
来年度からの新しい総合計画のスタートを控えまして、1カ月に1件を超えるハイペースで世界的評価を得ておりますので、本県は今や、“世界の静岡”ということと、世界のひのき舞台に立ったという自覚意識を持つことが大切ではないかと思っております。この機を逃さずに、富国有徳の「美しい“ふじのくに”」づくりに、スタートダッシュするということで、一気呵成に取り組んでまいりたいと考えております。
【「富士山万葉集」の全20巻の完成】
二つ目の発表項目でありますが、「富士山万葉集」全20巻が完成いたしました。
先週も会見で触れましたけれども、「富士山万葉集」の巻(まき)十八から最終巻の巻二十が完成いたしまして、明日、富士山の日、2月23日に発行する運びと相成りました。皆さまには、1日前にお配りしてございます。
静岡県では、平成21年の12月、「富士山の日条例」を制定いたしまして、翌2月23日、外国の大使などをお招きいたしまして、富士山をことほいだわけでございます。2月23日、「富士山に想いを寄せて、後世に引き継ぐことを期する日」と条例にうたってございます。
この「富士山の日」を祝う行事の一つとして、一番最初に富士山の日をことほいだ平成22年度に、古今の歌人の詠んだ富士山の短歌の中から100首を選考いたしまして、「富士山百人一首」を編さんいたしました。さらにその翌年から、つまり平成23年度から、富士山の普遍的な文化的価値を広く普及するために、富士山の短歌を募集することといたしまして、現存する最古の歌集「万葉集」が全20巻ということにちなみまして、「富士山万葉集」と名付け、20巻を目標に編さんを始めました。
これら県による短歌集の編さん事業は、富士山が、古来、信仰の対象であるのみならず、文化芸術の源泉であるという、その経緯に照らしまして、こうした文化的な営みに連なる事業でございます。
富士山万葉集につきましては、これまで全国の皆さまから、延べ21519首の応募をいただきました。その中から各巻100首、20巻ございますので、全2000首が選ばれてございます。日本のみならず海外在住の方からも応募をいただきました。また大人だけではなく、小学校への万葉集出張授業などを通じて小学生からも応募をいただいております。歌の道、敷島の道でございます。日本古来の道ということで、敷島の道とも言われる歌の道の裾野を広げた事業であったと考えております。
何といいましても、編さんにあたりまして、最高の選者を選びました。国文学者で万葉学者、文化勲章もお取りになっておられる中西進先生が選考委員長であります。女流歌人のトップ、馬場あき子さん、また佐佐木信綱さんの、一番最初の文化勲章をとられたわけですが、そのお孫さんの佐佐木幸綱さん、また本県ご出身の田中章義さん、合計この4人の方々に委員として、7年間にわたり大変にご尽力を賜りまして、改めて深く感謝を申し上げたく存じます。そうしたお礼の意味も込めまして、この4名の選考委員の先生方をお招きして、富士山万葉集の完成を記念したシンポジウムを、来年度に開催したいと考えております。
富士山万葉集全20巻には、ご希望の方にはお送りいたします。また県のホームページでもご覧になれます。今後は、富士山世界遺産センターが、小・中・高校生や公民館で行う出前授業、出前講座などでテキストとしてご活用いただき、より多くの皆さまに、新しい富士山の短歌を楽しんでいただきたいと考えております。
【エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備を更新】
三つ目の発表項目でございますけれども、エコパスタジアムの大型映像設備、音響設備が更新されたということでございます。
ラグビーワールドカップ2019に向けて進めております、小笠山総合運動公園エコパスタジアムの改修工事のうち、大型映像設備と音響設備の更新工事が完了いたしました。エコパスタジアムは平成13年5月の供用開始から16年余りが経過いたしております。施設・設備の老朽化が進んでおりました。ラグビーワールドカップの開催が決定したことを受けまして、昨年度から、老朽化した施設・設備につきまして、国際基準に適合するように改修を進めております。
今回の更新で、大型映像設備は解像度がこれまでの11万画素から288万画素に向上いたしました。従来、アナログ放送並みの画像でありましたが、フルハイビジョン放送並みの高精細な映像が表現できるようになった次第であります。また音響設備は、デジタル化によりましてノイズの少ない、よりクリアな音質を提供できようになりました。
更新された設備は、2月25日のJリーグの開幕戦、ジュビロ磐田と川崎フロンターレの試合で初めて使用されます。新しく生まれ変わった大型映像設備と音響設備により、より臨場感をもって楽しんでいただけるものと期待を込めております。
エコパスタジアムにつきましては、引き続き、2019年のワールドカップ大会本番に向けまして、競技用照明の改修、トイレの洋式化など、全ての工事が平成30年度末、平成31年3月までに完了することを目指して、計画的に整備を進めております。
以上であります。 |