(知事)
本日の花は、なんと黄色いチューリップですね。今ごろチューリップとは、温室ですかね。それからスイートピーですね、かわいいですね。それから、カスミソウということでございます。
【「清水港―大分港RORO船航路」の新規開設について】
さて、発表項目でございますが、清水港と大分港との間を結ぶRORO船航路の新規開設についてであります。
RORO船というのは貨物を積んだトラックがそのまま船の中に入って、そして、貨物整理みたいなものですね、それが、このたび、川崎近海汽船株式会社が、清水港と大分港を20時間でダイレクトに結ぶRORO船航路の運航を平成28年10月から開始するということを決定なさいました。
船の型は11,400tで、40フィートコンテナ、1フィートが30cmですから、40フィートなので、約12mでございますが、この40フィート運搬トレーラーの荷台部分を160台分搭載することができるということです。
現在、九州と関東・甲信越地区を結ぶ物流は、主にトラックによる陸上長距離輸送によって賄われております。この航路開設によりましてモーダルシフト、トラックによる貨物輸送を環境への負荷が軽くかつ大量輸送が可能な海運、これは又、鉄道にもモーダルシフトという言葉を使いますけれども、トラック、海運、これがシフトするということでございます。トラックから海運にシフトすると、陸上輸送から水運にシフトするということで、この動きが加速しまして、何よりもトラックドライバーの労働条件の改善や担い手不足の解消に貢献できるものと期待されております。
また、現在、新東名、東名、圏央道に加えまして、平成29年度に開通が予定されている中部横断自動車道といった充実した道路網を有する清水港が、西日本における関東・甲信地区への玄関港としてポテンシャルを発揮することとなります。
航路、上りが週3便、下りも週3便ということでございます。例えば、火曜日の午後11時半に大分港を出航いたしますと、翌日の夕方7時半に清水港に到着するといったような具合でございまして、今までこの大分−東京間というのは陸上輸送で1,200km、往復で最低でも2泊3日掛かっていたわけですけれども、この長距離輸送で大変ドライバーには負担が掛かっていたわけですが、これが大幅に軽減できるということでございます。
【東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について】
それから、朗報ですが、確か木公室長がお持ちでありますけれども、実はですね、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長武藤敏郎さんから私宛て、平成27年12月10日付けで、東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について報告というこの手紙が昨日届きました。一部大事なところを読み上げますと、当委員会は国際オリンピック委員会IOC及び関係団体等と東京2020オリンピック競技大会の会場評価について協議を進めてまいりました。このたび、12月9日にスイスローザンヌにて開催されたIOC理事会におきまして自転車競技の会場が承認されました。その際にトラック競技及びマウンテンバイク競技の競技会場として日本サイクルスポーツセンターにある伊豆ベロドローム、伊豆マウンテンバイクコースが承認されたことを御報告申し上げます、ま、こういうわけでございます。
既に、新聞報道がなされていますけれども、正式の通知がまいりましたので、御報告を申し上げる次第であります。見たい人は後でどうぞ。12月10日付けですけれども、届いたのは12月14日、今日、何日でしたっけ、1昨日届いたのですね。めでたいことでございます。
【静岡市の歴史文化施設の整備について】
それからですね、これは発表項目ではなかったのですけれども、ちょっと驚いたことがありましたので、それは、静岡市の歴史文化施設の整備について、中日新聞で家康と駿府が中心になって城下町疑似体験の博物館を造るという記事が出ましてびっくりしました。この歴史文化施設の整備について、一言、私の考えを述べます。
静岡市は県庁所在地、すなわち県都です。私は県と市が一体となってまちづくりを進めることが重要だと考えております。特に人口減少社会を迎える中、言い換えますと税収が減ります。こうして大きな危機感を抱いているわけですが、それだけに県と市が手を携えて魅力ある地域を創造していくことが不可欠です。これまで、例えば三保松原につきまして、最初は掘っ立て小屋のような案内施設を造られて、これは何事かと聞きましたらば、仮設だとおっしゃって、そこに数千万円を掛けられたわけですね。で、それよりも大事なことは、三保松原の枯木、あるいは砂浜の整備、さらに道路のくもの巣のようなですね、電線の整備というようなことがございまして、こうしたことにつきまして、県市一体になって協力するということで、委員会を開き、それぞれに前向きの検討が進み、さらに実施されているところでございます。
それからまた、東静岡地区の件につきまして一緒にやろうということで、県側の所は文化の殿堂、そして市の側はスポーツの殿堂ということで、決まりまして、静岡市にも御参加いただきまして東静岡の文化の殿堂につきましては有識者会議を開き、そして、今、さらにこれを実際上設計するに当たりまして、(東大名誉教授)伊藤滋先生をキャップにいたしまして、御報告を今、上げていただく委員会を開いていただいております。
さらに、日本平山頂の施設につきましても、これも私どもが内陸のフロンティアを国の総合特区に指定していただくように申請した折に、静岡市は日本平の山頂の施設、そこにエレベータを造って、上に山頂施設を造るという、それを申請されたということを知って、初めてその施設の整備について知ったのですけれども、それはもう、途方もなく幼稚な考えなのでですね、当然蹴られたわけですね。そうしたことがありましたので、山頂につきましては一緒に考えましょうということになりまして、山頂、そこが360度展望できる、馬が走ると書いて「馬走」ということで、聖徳太子が、おそらくですね、そうした「馬走」というヤマトタケルの伝説が元になって、聖徳太子が甲斐の黒駒に乗って富士山に登って3日で都に帰って来たと、そうした伝説もあると。聖徳太子と言えば法隆寺です。法隆寺と言えば聖徳太子の似姿と言われる百済観音が夢殿にございます。夢殿は八角ですから、東西南北、東北、東南、西南、西北という方角を示すということがありますし、誰の歌か知りませんけれども、「富士の嶺に 駒立てて上る 厩戸の 太子見守る 救世の観音」といったような歌があるでしょ。そういうことでですね、方角が分かるように八角形の、通常夢殿ということで、静岡市も入っていただいてですね、芳賀(徹)先生他、優秀な方々に入っていただいて整備を進めて、これもですね、一緒にやったわけです。県と市で協定まで結ぶというところまでなりました。これは、県が派遣しております山田君が非常に尽力されたということを申し添えたいと存じます。静岡市長は制度と実質は別にして、実質的なことをおっしゃっていますが、これは議論としては間違っていますね。制度の上に現実があります。現実と制度は分けられないわけですから、この発言はもうやめた方がいいと思いますけれども、いずれにしても具体的なことは一緒にやっていこうということになっているわけです。そうした中で、静岡市が青葉小学校跡地、それは私の知事室の横です。真横ですね。今、真横にですね、こういうブラインドではなくて、もともと透明ガラスだったわけですが、そこに障子風のすりガラスにして、障子に見えるようにしているのはどうしてか御存知ですか。それは、お客様がですね、あまりにも市の景観が見苦しいと。こんな汚い県知事室の景観は見たことがないと言われまして、それを隠しているわけです。それから、反対側に座るとですね、耐震性のための筋交いがボーンとあるので、それも上手に隠しているので、お入りになると、何か、和洋折衷の良い感じになっていると思われませんか。記者さん、どうでした、この間来られて。(まじまじと見ていないです。)見なかった。人類は2つに分かれるそうですね。そういうデザインが分かる人と分からない人が2つに分かれるそうなんですが、分かる人はすぐに、「何だこれは」、ということで。はい、そういうわけでひどいことも言われたわけです。その横に造るっていうのですね。ですから、そうしたことを見ましてびっくりして、そこに62億掛けるってわけでしょ。今、私どもは富士山世界遺産センター、27億数千万だったものを5億円あまり増加するということで、それは多すぎると言われて、3億円までに、1千万、2千万積み上げてやっているわけですね。ですから、こうしたことはハコモノですので、よほど注意して一緒に考えてやらねばならないわけです。市の博物館は、県都の博物館になる可能性が非常に高いですよね。私から見るとそうです。ですから、こうしたものは、県民、市民、あるいは県外の人、市外の人、一緒に考えてですね、ハコモノは大変お金が掛かるし、いったん建ててしまうと後で取り返しがつかないので、よほど注意しなくてはいけないということなんです。
それで、このたび、現在はクリエイター支援センターとなっている場所に歴史文化施設の建設を進めるということを報道で知ってびっくりしたわけです。県庁の隣接地っていうか、県知事室の道路を隔てて反対側ですね。にも関わらず、事前に御説明がなかったというのは、誠に残念です。
検討委員会の報告書を読みました。歴史や文化を活かして世界に輝く静岡をつくるという、その考えはもう、私も同じ考えですから、全く賛成であります。そこで、それをどういうふうにつくるかという時にですね、東静岡の地区に「文化力の拠点」の整備を進めておりまして、静岡市さんにも入っていただいて、そこでは、地域学の研究を含めて文字通り研究施設、学習施設、啓蒙施設、富士山がある静岡にふさわしいですね、それをつくるということで、今、進めているわけでございますが、こうしたものとの役割分担をどうするかということがあります。それから、これを読みますと駿府城そのものを研究したらという意見も出ておりまして、そうしますと駿府城はどうなっているんですかと。駿府城はそこに2つの櫓が建ちまして、これから埋蔵物を調べるということで、これは寄付でやるのだということになっておりますね。もし、駿府城についてやる、あるいは、歴史と文化の一番の核になるのは家康公であり、そして駿府城でございますから、例えば、駿府城の下にですね、今川の遺構があったとすれば、今川が、小和田哲男先生によれば、2m、3mの所にあるということでございました。その昔、この城の中に博物館を造るというその動きがあった時に、下に今川の埋蔵物があると、遺跡があるということで、それで、これは掘り起こすだけで大変だということで、沙汰やみなったということがあります。しかし、掘ればですね、遺構が出てくるでしょう。それをしっかりと、例えば、土台を組んで上に今の強化ガラスを置けば、遺構を上から見ることができますね。これくらい、今川について、あるいは今川と徳川家康さんとの関係、今川を全部踏み潰した形で駿府城を建てたというふうに小和田哲男先生は言われていますけれども、そうしたことも実感できます。駿府城、それ自体がですね、歴史施設になるわけであります。そうしたものに対しまして、城代跡と、駿府城の城代の屋敷跡ということに、こうした鉄筋コンクリートのもので、中に入れば一応そういう研究施設や、学習施設や、ビジターゾーンを造るということなのですけれども、そうしたものを造っても、単なるハコモノに終わると。本当に歴史文化のまちをつくりたいのなら、私は駅を降りた所から御幸通りを歴史文化のまちに降り立ったということが分かるようにすることの方が、よほど観光になると思いますし、駿府城の方については寄付を募り、こちらについては、62億円もの税金を投入するということのちぐはぐを思うわけです。同時に、やっぱり連携をしなくてはいけないということを言われている以上、こうしたことを突然言われてもですね、本当に、東静岡との関係は、駿府城はどうなさるのですかという疑問がすぐ沸いてまいりますので、そうしたことでございますから、これから整備に当たりましてはですね、もう私ども、まだまだ検討すべきものがあるというふうに考えますので、歴史文化施設の整備をやろうということはもう、誠に結構なことですけれども、連携しなくてはならないということです。
しかも、この報告書を読みますと、今川のこともやると、それから東海道という幹線についてもですね、しっかり連携できるようにしたいと、こういうふうに書かれているわけですけれども、こうしたことについて、東海道についての勉強をするのであれば、例えば蒲原だとか、由比だとか、そういう街道のイメージが残っている所を活用した方が良いとも、という考えもすぐ出てまいります。そうしたことも含めまして、駿府城の天守台、天守閣との役割分担、東海道という視点での県内の他の宿場との連携、東静岡の、なんと言っても、今、一緒にやっている「文化力の拠点」との役割分担をどうするかというようなことをこれから考えていただいて、コンセプトはいいと、どうするかと、お金を使う前にですね、それを考えねばならないということでございます。多額の税金を費やしてつくるのであれば、これを十分に県市一体で検討することが県民、市民のために重要であると考えます。
実は、これは計画では来年度に施設の整備を検討されるということでございますけれども、これは、県がぜひ一緒に入ってですね、やりたいということでございます。この連携の動きをここで止めていただくことのないようにお願いをしたいというふうに思います。
それから、東静岡の北口のスポーツの殿堂ですけれども、これにつきましても、突然ローラースケートの話が出てまいりまして、予算までも計上されたということですが、アリーナの話はどうなったのでしょうか。あるいは、今回エスパルスがJ2に降格しましたけれども、そういうスポーツの殿堂としてサッカー場の話もありました。あの話はどうなったのでしょうかね。ですから、それについてもですね、文化の殿堂、スポーツの殿堂としてお互いに情報を交換しながらやっていこうということで、文化の殿堂の方は市に入っていただいて一緒にやっております。というようにですね、突然決まって、突然報道されるということについて、決まった以上しょうがないと思いましたけれど、また、今回、この歴史文化施設について突然出てきましたので、これでもう終わりにしていただき、まだ、お金、使っておられないのでですね、ぜひ、この辺り、仮設であるとかというふうなですね、二重にお金の掛かるようなことのないようにしていかねばならないというふうに思います。
私の方は、山田君が市の企画の方にいるので、その人を通じて言ってきてもらえばいいと思いますし、こちらの連絡役はですね、私に直接言うのがなかなかしんどいということであれば、この吉林君(知事戦略監)が、山田君の連絡側の、私の隣に吉林さんは部屋がありますので、密に連絡をしておりますのでね、そういう関係をもう1回、大事な大事な歴史のまち、文化のまちをつくるということにつきましても、同じ気持ちを持っていますから、連携をしていっていただきたいと、こういうふうに思う次第であります。
以上、申し述べました。
(幹事社)
はい、ありがとうございました。発表項目について、何か質問のある方は、お願いします。 |