令和3年度以前知事記者会見

2015年12月16日(水)


知事発表:「清水港―大分港RORO船航路」の新規開設について、東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について、静岡市の歴史文化施設の整備について
知事発表(記者質問):静岡市の歴史文化施設整備について
幹事社質問:軽減税率制度について、富士山世界遺産センター(仮称)について、富士山閉山日の統一について
幹事社質問(記者質問):軽減税率制度について、富士山の登山期間について
記者質問:静岡市との連携について
記者質問:静岡型県都構想の主な説明実績について

知事発表:「清水港―大分港RORO船航路」の新規開設について、東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について、静岡市の歴史文化施設の整備について

(知事)

 本日の花は、なんと黄色いチューリップですね。今ごろチューリップとは、温室ですかね。それからスイートピーですね、かわいいですね。それから、カスミソウということでございます。

【「清水港―大分港RORO船航路」の新規開設について】

 さて、発表項目でございますが、清水港と大分港との間を結ぶRORO船航路の新規開設についてであります。

 RORO船というのは貨物を積んだトラックがそのまま船の中に入って、そして、貨物整理みたいなものですね、それが、このたび、川崎近海汽船株式会社が、清水港と大分港を20時間でダイレクトに結ぶRORO船航路の運航を平成28年10月から開始するということを決定なさいました。

 船の型は11,400tで、40フィートコンテナ、1フィートが30cmですから、40フィートなので、約12mでございますが、この40フィート運搬トレーラーの荷台部分を160台分搭載することができるということです。

 現在、九州と関東・甲信越地区を結ぶ物流は、主にトラックによる陸上長距離輸送によって賄われております。この航路開設によりましてモーダルシフト、トラックによる貨物輸送を環境への負荷が軽くかつ大量輸送が可能な海運、これは又、鉄道にもモーダルシフトという言葉を使いますけれども、トラック、海運、これがシフトするということでございます。トラックから海運にシフトすると、陸上輸送から水運にシフトするということで、この動きが加速しまして、何よりもトラックドライバーの労働条件の改善や担い手不足の解消に貢献できるものと期待されております。

 また、現在、新東名、東名、圏央道に加えまして、平成29年度に開通が予定されている中部横断自動車道といった充実した道路網を有する清水港が、西日本における関東・甲信地区への玄関港としてポテンシャルを発揮することとなります。

 航路、上りが週3便、下りも週3便ということでございます。例えば、火曜日の午後11時半に大分港を出航いたしますと、翌日の夕方7時半に清水港に到着するといったような具合でございまして、今までこの大分−東京間というのは陸上輸送で1,200km、往復で最低でも2泊3日掛かっていたわけですけれども、この長距離輸送で大変ドライバーには負担が掛かっていたわけですが、これが大幅に軽減できるということでございます。

【東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について】

 それから、朗報ですが、確か木公室長がお持ちでありますけれども、実はですね、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長武藤敏郎さんから私宛て、平成27年12月10日付けで、東京2020オリンピック競技大会における自転車競技の競技会場について報告というこの手紙が昨日届きました。一部大事なところを読み上げますと、当委員会は国際オリンピック委員会IOC及び関係団体等と東京2020オリンピック競技大会の会場評価について協議を進めてまいりました。このたび、12月9日にスイスローザンヌにて開催されたIOC理事会におきまして自転車競技の会場が承認されました。その際にトラック競技及びマウンテンバイク競技の競技会場として日本サイクルスポーツセンターにある伊豆ベロドローム、伊豆マウンテンバイクコースが承認されたことを御報告申し上げます、ま、こういうわけでございます。

 既に、新聞報道がなされていますけれども、正式の通知がまいりましたので、御報告を申し上げる次第であります。見たい人は後でどうぞ。12月10日付けですけれども、届いたのは12月14日、今日、何日でしたっけ、1昨日届いたのですね。めでたいことでございます。

【静岡市の歴史文化施設の整備について】

 それからですね、これは発表項目ではなかったのですけれども、ちょっと驚いたことがありましたので、それは、静岡市の歴史文化施設の整備について、中日新聞で家康と駿府が中心になって城下町疑似体験の博物館を造るという記事が出ましてびっくりしました。この歴史文化施設の整備について、一言、私の考えを述べます。

 静岡市は県庁所在地、すなわち県都です。私は県と市が一体となってまちづくりを進めることが重要だと考えております。特に人口減少社会を迎える中、言い換えますと税収が減ります。こうして大きな危機感を抱いているわけですが、それだけに県と市が手を携えて魅力ある地域を創造していくことが不可欠です。これまで、例えば三保松原につきまして、最初は掘っ立て小屋のような案内施設を造られて、これは何事かと聞きましたらば、仮設だとおっしゃって、そこに数千万円を掛けられたわけですね。で、それよりも大事なことは、三保松原の枯木、あるいは砂浜の整備、さらに道路のくもの巣のようなですね、電線の整備というようなことがございまして、こうしたことにつきまして、県市一体になって協力するということで、委員会を開き、それぞれに前向きの検討が進み、さらに実施されているところでございます。

 それからまた、東静岡地区の件につきまして一緒にやろうということで、県側の所は文化の殿堂、そして市の側はスポーツの殿堂ということで、決まりまして、静岡市にも御参加いただきまして東静岡の文化の殿堂につきましては有識者会議を開き、そして、今、さらにこれを実際上設計するに当たりまして、(東大名誉教授)伊藤滋先生をキャップにいたしまして、御報告を今、上げていただく委員会を開いていただいております。

 さらに、日本平山頂の施設につきましても、これも私どもが内陸のフロンティアを国の総合特区に指定していただくように申請した折に、静岡市は日本平の山頂の施設、そこにエレベータを造って、上に山頂施設を造るという、それを申請されたということを知って、初めてその施設の整備について知ったのですけれども、それはもう、途方もなく幼稚な考えなのでですね、当然蹴られたわけですね。そうしたことがありましたので、山頂につきましては一緒に考えましょうということになりまして、山頂、そこが360度展望できる、馬が走ると書いて「馬走」ということで、聖徳太子が、おそらくですね、そうした「馬走」というヤマトタケルの伝説が元になって、聖徳太子が甲斐の黒駒に乗って富士山に登って3日で都に帰って来たと、そうした伝説もあると。聖徳太子と言えば法隆寺です。法隆寺と言えば聖徳太子の似姿と言われる百済観音が夢殿にございます。夢殿は八角ですから、東西南北、東北、東南、西南、西北という方角を示すということがありますし、誰の歌か知りませんけれども、「富士の嶺に 駒立てて上る 厩戸の 太子見守る 救世の観音」といったような歌があるでしょ。そういうことでですね、方角が分かるように八角形の、通常夢殿ということで、静岡市も入っていただいてですね、芳賀(徹)先生他、優秀な方々に入っていただいて整備を進めて、これもですね、一緒にやったわけです。県と市で協定まで結ぶというところまでなりました。これは、県が派遣しております山田君が非常に尽力されたということを申し添えたいと存じます。静岡市長は制度と実質は別にして、実質的なことをおっしゃっていますが、これは議論としては間違っていますね。制度の上に現実があります。現実と制度は分けられないわけですから、この発言はもうやめた方がいいと思いますけれども、いずれにしても具体的なことは一緒にやっていこうということになっているわけです。そうした中で、静岡市が青葉小学校跡地、それは私の知事室の横です。真横ですね。今、真横にですね、こういうブラインドではなくて、もともと透明ガラスだったわけですが、そこに障子風のすりガラスにして、障子に見えるようにしているのはどうしてか御存知ですか。それは、お客様がですね、あまりにも市の景観が見苦しいと。こんな汚い県知事室の景観は見たことがないと言われまして、それを隠しているわけです。それから、反対側に座るとですね、耐震性のための筋交いがボーンとあるので、それも上手に隠しているので、お入りになると、何か、和洋折衷の良い感じになっていると思われませんか。記者さん、どうでした、この間来られて。(まじまじと見ていないです。)見なかった。人類は2つに分かれるそうですね。そういうデザインが分かる人と分からない人が2つに分かれるそうなんですが、分かる人はすぐに、「何だこれは」、ということで。はい、そういうわけでひどいことも言われたわけです。その横に造るっていうのですね。ですから、そうしたことを見ましてびっくりして、そこに62億掛けるってわけでしょ。今、私どもは富士山世界遺産センター、27億数千万だったものを5億円あまり増加するということで、それは多すぎると言われて、3億円までに、1千万、2千万積み上げてやっているわけですね。ですから、こうしたことはハコモノですので、よほど注意して一緒に考えてやらねばならないわけです。市の博物館は、県都の博物館になる可能性が非常に高いですよね。私から見るとそうです。ですから、こうしたものは、県民、市民、あるいは県外の人、市外の人、一緒に考えてですね、ハコモノは大変お金が掛かるし、いったん建ててしまうと後で取り返しがつかないので、よほど注意しなくてはいけないということなんです。

 それで、このたび、現在はクリエイター支援センターとなっている場所に歴史文化施設の建設を進めるということを報道で知ってびっくりしたわけです。県庁の隣接地っていうか、県知事室の道路を隔てて反対側ですね。にも関わらず、事前に御説明がなかったというのは、誠に残念です。

 検討委員会の報告書を読みました。歴史や文化を活かして世界に輝く静岡をつくるという、その考えはもう、私も同じ考えですから、全く賛成であります。そこで、それをどういうふうにつくるかという時にですね、東静岡の地区に「文化力の拠点」の整備を進めておりまして、静岡市さんにも入っていただいて、そこでは、地域学の研究を含めて文字通り研究施設、学習施設、啓蒙施設、富士山がある静岡にふさわしいですね、それをつくるということで、今、進めているわけでございますが、こうしたものとの役割分担をどうするかということがあります。それから、これを読みますと駿府城そのものを研究したらという意見も出ておりまして、そうしますと駿府城はどうなっているんですかと。駿府城はそこに2つの櫓が建ちまして、これから埋蔵物を調べるということで、これは寄付でやるのだということになっておりますね。もし、駿府城についてやる、あるいは、歴史と文化の一番の核になるのは家康公であり、そして駿府城でございますから、例えば、駿府城の下にですね、今川の遺構があったとすれば、今川が、小和田哲男先生によれば、2m、3mの所にあるということでございました。その昔、この城の中に博物館を造るというその動きがあった時に、下に今川の埋蔵物があると、遺跡があるということで、それで、これは掘り起こすだけで大変だということで、沙汰やみなったということがあります。しかし、掘ればですね、遺構が出てくるでしょう。それをしっかりと、例えば、土台を組んで上に今の強化ガラスを置けば、遺構を上から見ることができますね。これくらい、今川について、あるいは今川と徳川家康さんとの関係、今川を全部踏み潰した形で駿府城を建てたというふうに小和田哲男先生は言われていますけれども、そうしたことも実感できます。駿府城、それ自体がですね、歴史施設になるわけであります。そうしたものに対しまして、城代跡と、駿府城の城代の屋敷跡ということに、こうした鉄筋コンクリートのもので、中に入れば一応そういう研究施設や、学習施設や、ビジターゾーンを造るということなのですけれども、そうしたものを造っても、単なるハコモノに終わると。本当に歴史文化のまちをつくりたいのなら、私は駅を降りた所から御幸通りを歴史文化のまちに降り立ったということが分かるようにすることの方が、よほど観光になると思いますし、駿府城の方については寄付を募り、こちらについては、62億円もの税金を投入するということのちぐはぐを思うわけです。同時に、やっぱり連携をしなくてはいけないということを言われている以上、こうしたことを突然言われてもですね、本当に、東静岡との関係は、駿府城はどうなさるのですかという疑問がすぐ沸いてまいりますので、そうしたことでございますから、これから整備に当たりましてはですね、もう私ども、まだまだ検討すべきものがあるというふうに考えますので、歴史文化施設の整備をやろうということはもう、誠に結構なことですけれども、連携しなくてはならないということです。

 しかも、この報告書を読みますと、今川のこともやると、それから東海道という幹線についてもですね、しっかり連携できるようにしたいと、こういうふうに書かれているわけですけれども、こうしたことについて、東海道についての勉強をするのであれば、例えば蒲原だとか、由比だとか、そういう街道のイメージが残っている所を活用した方が良いとも、という考えもすぐ出てまいります。そうしたことも含めまして、駿府城の天守台、天守閣との役割分担、東海道という視点での県内の他の宿場との連携、東静岡の、なんと言っても、今、一緒にやっている「文化力の拠点」との役割分担をどうするかというようなことをこれから考えていただいて、コンセプトはいいと、どうするかと、お金を使う前にですね、それを考えねばならないということでございます。多額の税金を費やしてつくるのであれば、これを十分に県市一体で検討することが県民、市民のために重要であると考えます。

 実は、これは計画では来年度に施設の整備を検討されるということでございますけれども、これは、県がぜひ一緒に入ってですね、やりたいということでございます。この連携の動きをここで止めていただくことのないようにお願いをしたいというふうに思います。

 それから、東静岡の北口のスポーツの殿堂ですけれども、これにつきましても、突然ローラースケートの話が出てまいりまして、予算までも計上されたということですが、アリーナの話はどうなったのでしょうか。あるいは、今回エスパルスがJ2に降格しましたけれども、そういうスポーツの殿堂としてサッカー場の話もありました。あの話はどうなったのでしょうかね。ですから、それについてもですね、文化の殿堂、スポーツの殿堂としてお互いに情報を交換しながらやっていこうということで、文化の殿堂の方は市に入っていただいて一緒にやっております。というようにですね、突然決まって、突然報道されるということについて、決まった以上しょうがないと思いましたけれど、また、今回、この歴史文化施設について突然出てきましたので、これでもう終わりにしていただき、まだ、お金、使っておられないのでですね、ぜひ、この辺り、仮設であるとかというふうなですね、二重にお金の掛かるようなことのないようにしていかねばならないというふうに思います。

 私の方は、山田君が市の企画の方にいるので、その人を通じて言ってきてもらえばいいと思いますし、こちらの連絡役はですね、私に直接言うのがなかなかしんどいということであれば、この吉林君(知事戦略監)が、山田君の連絡側の、私の隣に吉林さんは部屋がありますので、密に連絡をしておりますのでね、そういう関係をもう1回、大事な大事な歴史のまち、文化のまちをつくるということにつきましても、同じ気持ちを持っていますから、連携をしていっていただきたいと、こういうふうに思う次第であります。

 以上、申し述べました。

(幹事社)

 はい、ありがとうございました。発表項目について、何か質問のある方は、お願いします。




知事発表(記者質問):静岡市の歴史文化施設整備について

(記者)

 すいません、よろしくお願いします。

 今のお話なんですけれども、静岡市の進めるこの歴史文化施設の今のお考えというのは、静岡市側、例えば市長にもう、お伝えになっているものなんでしょうか。どうでしょうか。

(知事)

 はい、これをまとめられたのは、中村羊一郎先生です。この記事が出てすぐ、翌日にですね、先生にお電話を差し上げまして、先生、昨日来られまして、先生の方の御説明をお聞きしました。ですから、先生がこれまで座長になられて、この報告書をまとめてこられまして、その報告書がここにあるわけですけれど、それ全部拝読してですね、そのコンセプトは誠によろしいということなんですが、(旧)青葉小学校に決めたのもつい最近のようです。そこも、運動場の所でしたよね。運動場の下には、校舎の建っていた所には、おそらく埋蔵の調査をされたと思いますけれども、運動場の所はですね、埋蔵物の調査が行われていないので、ひょっとしてそこに今川のものが出てくればですね、大変に長引くことになると。そうすると、どちらをするのがいいかと。お城の中の駿府城と内堀の中ではありますけれども城代の屋敷跡と、どちらに建物を建てた方がいいのかというようなことも、やっぱり考えるべきではないかというようなことを、中村先生に申し上げまして、さらに、東静岡の「文化力の拠点」というものとの連携も一切書かれていないので、今、われわれ一緒にやってますので、その点をお含みいただきたいということを申し上げました。

 彼の方からは、市の方に伝えるとおっしゃっていましたけれども、それが昨日のことです。

(記者)

 ありがとうございました。まずは、検討委員会に、先生を通して市の方に伝える御意向と言いますか、それから直接。

(知事)

 そうですね、おそらく、もう伝わっていると思いますし、山田君の方がですね、吉林戦略監の方に報告に来ているみたいです。吉林君も、全く新聞に出るまで知らなかったと。中村先生の方はですね、県のアンテナが低いのではないかと言われていましたけれども、やっぱりこれ、突然出てきたという感がありまして、誰も知らなかったです。私は、特に、「隣の空き地に囲いが出来た、へー、言ってみな。」っていうふうに、昔、木久扇の師匠が言ったそうですが、そこにハコモノが出来る、しかも62億も使う、場合によっては、埋蔵物が出てくるかもしれないと。埋蔵物については、向こうは寄付に頼っていると。そうしたちぐはぐを感じまして、私の方から中村先生にとりあえず、座長先生ですからね、こちらの考えを伝えたということですね。

(記者)

 ありがとうございました。

(幹事社)

 他に質問のある方はいらっしゃいますか。

(知事)

 ちょっと、付け加えてよろしいですか。

 私はね、どうせ埋蔵調査をするなら、そこは城代の跡地であるということはですね、絵図がありまして、これ、絵図なんですけれども、この黄色い部分、ここに私の東館があります。それのこちら側なんですね。江川町側です。真横ですよ。ここは城代跡っていうのが書いてあるんですよ。で、ここが本丸のあった所ですね。そこに、駿府城を造るという志を持った方が良いと。そしてもう、今川と徳川と、そして東海道が3つのテーマだと言われていますので、そうなれば、本気でですね、今川に復元するっていうよりも、今川の遺構を見せながらその上に駿府城を建てる形で、そして、そこに、葵文庫などのような重要な文書もですね、展示すると。そうすると、もう、いわばお城の中で研究するので、同時にそれは観光施設になりますから、ですから、駿府城をもう一つ別に建てるっていうよりも、駿府城の復元というところと合わせてやった方がいいというのが、差し当たっての私の考えです。

 付け加えました。以上です。




幹事社質問:軽減税率制度について、富士山世界遺産センター(仮称)について、富士山閉山日の統一について

(幹事社)

 よろしいでしょうか。

 それでは、幹事社質問に移らせていただきます。

 幹事社質問は、3点になります。

 1点目は、軽減税率についてです。消費税率を10%に引き上げる際の軽減税率について、10日の自公協議で、生鮮食品に加工食品を加えた食品全般を8%に据え置く方針となり、必要な財源は1兆円規模になることで大筋合意しました。結果とこれまでの協議の経緯についてなど、知事の受け止めをお聞かせください。

 2点目は、富士山世界遺産センターについてです。15日の常任委員会で、事業費の見直しも含めて、可決されました。知事の率直な受け止めをお願いします。

 3点目です。環境省が提案した静岡・山梨両県の閉山日統一についてです。環境省が、先日の、静岡・山梨両県と山麓市町の関係者で構成する富士山における適正利用推進協議会で、閉山日の統一、開山期間の統一について言及がありました。知事の受け止めと、富士山に絡み、今後どのように山梨県と歩調を合わせていく方針か、知事の考えをお聞かせください。

 以上です。

(知事)

【軽減税率制度について】

 まず、軽減税率制度についてですけれども、最初の印象は、自民党の党税調というのも力をなくしたなというものでした。すなわち、10%数年後に上げるということでですね、例外なしという、基本的にですね、そういう立場だったわけですね。だから、その昔は、山中貞則というすごい政治家がいらして、党税調として首相にも勝るお力を持っておられたわけですけれども、今や見る影もなくなったと思いました。それから、低所得者層に配慮するというのは、極めて重要なことです。そうした観点で、毎日のことでありますので、飲料や食料につきまして、これに軽減税率を設けたらどうかという公明党さんの案ですけれども、これは説得力がありましたね。ただですね、低所得者層に配慮するやり方って、幾つもあると思うのですよ。こういう、税率はなるべく簡明にして、誰もが分かるようになればいいということでございます。ですから、仮に間接税を10%にすると、その代わり低所得者層には、それなりの御支援をするという方法もあったかと思いますけれども、今回は、もともと社会保障費に当てるべき消費税の増税分が、1兆円分足りなくなるということでございますので、それをこれから探るというか、探すという、非常に不透明なですね、結果になっておりますね。税収を上げるための、これは措置だったわけですけれども、しかも社会保障費がこれまで以上に掛かるということは誰もが分かっているわけですから、それが足りなくなるということでですね、この辺りのところが、どうもしっくりこないところがあるというふうに思っております。ただ、自民党の税調のですね、権威が落ちたということですね。そして一方で、内閣の指導が非常に強まったということがあります。今回、公明党に相当譲歩されたわけですけれども、これはいわゆる安保法におきましても、北側さんを中心に公明党が、国会での承認とかですね、そうしたことで相当に頑張られましたね。公明党の存在感は、今回のこの軽減税率の導入ということで、示されているのではないかということで、この庶民の立場に立つという、そういう公明党のお立場は、今回も、あるいは国民の立場に立つという、そういうお立場は貫かれたのではないかというふうに思っております。

【富士山世界遺産センター(仮称)について】

 2つ目の、富士山世界遺産センター。これ常任委員会の方で御可決いただいたということですが、非常に率直な意見を、各委員の先生がなさったということで、その中に十分な説明がなかったというふうなこともございまして、またデザインと機能性とのバランスについても、デザイン重視になりかねないような選定をしない方が良いという、そういうお叱りも頂いておりますので、これ非常に謙虚に受け止めて、二度とこういうふうなことのないようにしたいと。ともあれ、今回、いろいろと削減をいたしまして、なんとかですね、30億円をちょっと上回るところまで押さえ込んだのは、西田部長他、相当に汗をかいたという印象がございます。その辺りのところを、議員の先生方もお認めいただいたというのは、感謝の気持ちでいっぱいであります。なんとかこれで、前に進んでですね、イコモスあるいはユネスコの方に堂々と報告書を2月1日に届けたいというふうに思っているところでございます。なんと言いましても、世界遺産になりますと、なぜそれが世界遺産であるかという、そういう研究や、PRや、交流や、それなりの施設というものを造らないといけないという約束なわけですね。それが静岡県にはありませんでした。初めて出来るものなのでですね、相当に良いものを造ろうということがございまして、結果的に奇抜なデザインで、逆さ富士で、しかし水に富士を写すと。富士山は水の供給源でございますので、それはまた湧水を使うということでございますから、中々にユニークなアイディアでですね、これを委員の先生が認めていただいたので、このデザインはなんとか残したいと思っていたわけですけれども、残ればいいなと思っていたわけが、それを含めて、規模はちょっと縮小しますけれども、認めていただいたというのは、大変ありがたく思っております。今後はですね、議員の先生あるいは県民の皆さま方に、関係者なかんずく私の方からですね、聞かれれば言うまでもありませんけれども、ことある事に丁寧に説明申し上げるというようにしたいと思っているところであります。

【富士山閉山日の統一について】

 それから、富士山開山、富士山閉山日の統一について、環境省の方から御指示がございまして、開山日をですね、一緒にするということの難しさは、これまで経験いたしました。山梨県側は7月1日にお祭があると。長く続いているお祭で、これを変えることができないと。私どもは谷間の所を通りまして、そこが雪が溶けないのでですね、危ないので、開山日をずらしているわけですけれども、一方閉山日の方はですね、あわせられるのではないかと思っておりまして、まずは、この辺りからですね、これまでの協調関係がございますので、その蓄積の上に、来訪者にとって分かりやすい開山日、閉山日。差し当たっては、閉山日からというふうな方向に歩んでいきたいと思っております。
 以上です。




幹事社質問(記者質問):軽減税率制度について、富士山の登山期間について

【軽減税率制度について】

(幹事社)

 ありがとうございます。幹事社質問について、何か質問のある方いらっしゃいますか?

 それでは、私から。軽減税率についてなのですけれども、今の知事のお話では、公明に寄り添ったということですが、一方で食品について、線引きをどこにするのかというところで、今、議論がだいぶ進んでいるところなのですけれども、静岡県内の飲食店でも、存分に影響が出るところがあるのではないかと思うのですが、それについて知事のお考えをお願いします。

(知事)

 それは影響出るでしょ。食品全て、いわゆる外食を除いてですね、上げるということが、いったん議論されて、そして据え置かれるということで、低所得者層にとっては、安心だったのではないかというふうに思いますね。これは、新聞もそうでしたかね。活字も。よかったですね記者さんも。そうした日々の生活に関わってかつ弱い立場にいる人には、配慮しなくてはいけないし、一方で、弱い立場の人のためにも社会保障制度があるわけで、それにもお金が要りますから、その案配をどうするかということで、食品と人々を啓蒙する、あるいは現実を知るための新聞といったところでの軽減税率というものの導入が図られたと。それなりに説得力があるのではないかということで、歓迎する動きが食品関係者にあるのではないかと、拝察しております。

(幹事社)

 ありがとうございます。

 他御質問のある方いらっしゃいますか?

【富士山の登山期間について】

(記者)

 よろしくお願いします。

 富士山の登山期間につきまして、お聞きしたいのですけれども。これまでも、かなり難しい、その登山期間の相違というのはですね、難しい問題としてずっと2年間・3年間やって来たと思うのですけれども、この閉山日をあわせるというのは、来夏の登山期間から、やっぱりあわせるべきなのではないかというお考えなのでしょうかというのが、1点とですね、それとこれ今年から言えば、10日と14日と、2つ日にちがあったわけですけれども、静岡が山梨側に合わせるのか、あるいは山梨側が静岡に合わせてほしいのか。あるいは真ん中をとって、どっか違う日を設定すればいいのか、この辺りいかがでしょうか。

(知事)

 そうですね、できればもう来夏から、統一できるように、お互いに努力するということですね。そして、山の負担を軽減するということで、2か月を登山期間というふうにしておりますのでね、そうするとおのずとですね、9月10日ということになるのではないでしょうか。7月10日に静岡県が開山して、閉山が9月10日ですね。なるべく山に負担を掛けないという観点です。そこに商売気を出してですね、なるべく多くのお客様に泊まっていただくとか、買い物していただくというのはですね、われわれは富士山を大事にするという、後世に継承するという観点でございます。そうした中で、商売のためにというのはですね、もう一度再考していただきたいと。特に、世界水準という観点から言えばですね、富士山の前に、山で最初に世界自然遺産になったのは、アルプスですね。スイスアルプスやなんかですけれども、そうした所の、山小屋の哲学というのは、山に来られる方に、できる限りサービスをすると。環境に負荷を与えないために、市民の方がボランティアで掃除をするといったようなことで、しかももちろん入山料なんか取りません。皆市民の人たちが、学校ででもですね、掃除に行ったりするわけですよ。ですから、全ての人がアクセスできるように、皆でこれを後世に伝えていこうということでしょ。ですから、山小屋もすごく清潔ですし、外から見た感じもですね、ユングフラウですか、相当高い所にですね、山小屋がございますでしょ。そしてそこに、007にも出てきましたけれども、公共交通機関のようなものが行っているわけですね。あれは100年くらい前に造っていますでしょ。だから、そういうことを、ぜひ世界の宝物になった以上ですね、山小屋の人たちもできる限り自分たちが儲かるようにとかという観点が必要なことは分かっていますけれども、それを言ってしまえばですね、かえって品がなくなるということがありますので、世界の宝物の山というのは、どのようにして山小屋が造られているのか。こうしたものを勉強していただきたいと思いますね。そんな意味で、山に負担を掛けない。で、2ヶ月というのは、そこから決まってきたという、そういう、もうこれからはですね、世界水準にあわせた形での、議論ができるようにしていきたいと。しかし、山梨県側もですね、例えば、山中湖のあのボート、あれ自分たちにとって商売だったということだったのです。しかし、世界遺産にできるかどうか。山中湖のボートの係留がおかしいということで、一気呵成にですね、一番最後の段階で、全員がわがままを抑えて、そして何と言いますか整理されたのですね。そういうことのできる人たちですから、分かればなさるということがございまして、これから世界水準の山小屋、世界水準の開山日・閉山日における、誰にも分かるようなですね、ことに統一していくことが大事だと思っております

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:静岡市との連携について

(幹事社)

 他質問のある方いらっしゃいますか。

 それでは、発表項目と幹事社質問以外で、質問のある方いらっしゃいますか。

(知事)

 忘年会ぼけですか?あ、記者さんどうぞ。

(記者)

 まだぼけていませんので、大丈夫です。あの最初の話で、ごめんなさい。戻るのですけれども、静岡市の関係の話なのですけれども、論点が幾つかあったかと思うのですね。ローラースケートを造るということと、青葉小跡地に文化施設を造ること、これいずれもやっぱり、良いお話だというふうには受け止めていらっしゃるのですか。歴史文化施設の方は、非常に歓迎されていらっしゃるような御発言だったかと思うのですけれども、ローラー施設については、いかがお考えでしょうか。

(知事)

 そうですね。線路隔てて反対側は、一緒にやっているわけですね。何を造るか。それを、では最終的に、どういう形状にしていくかなどの今具体的なことに入る、その前提条件は、静岡市さんもお入りになって、当初は確か、市長さんも来られたのではないかしら。そういうことだったですね。一方は、スポーツの殿堂だと。スポーツの殿堂についてもですね、これは基本的には、サッカーかアリーナかということだった。差し当たって、アリーナに対しては、もう出来たと。このはなアリーナが出来たということで、話はないと思うということで済んだと思うのですよ。そもそも、アリーナの話も、県市一体でやるというところから始まっているのですね。草薙の総合運動場が、建ぺい率の問題で、大きな体育館ができないというのであれば、市の場所を提供するから、そこに造ってくれと。提供するからということだったわけです。しかしながら、総合運動場の敷地が、静岡学園でしたかね、静岡学園が移設されたので、建ぺい率の限界をクリアできたので、今、素晴らしいものがぱっぱっと出来たわけです。それを受けて、どうなさいますかということで、突然、東京オリンピックがあるからとかですね、いうふうなことが出てきましたけれども、それとこのこととは関係ないです。静岡市も県民のために、そこにスポーツの殿堂をどう造るかということについて、何かあっという間に決まったような感じがします。私、新聞で、青年たちがですね、市長室に行って、ローラースケートを造ってくださいと。まあ、いろいろな意見があるかなと思っていたのですけれども、それがそのまま通ってしまったと。では、アリーナの話はどうなったのですかと。それから、J2に降格したエスパルスは、なんの、いわば希望を持つのにですね、例えば、あそこに3万人収容できる、国際基準にあったようなスタジアムが出来るとなれば、やっぱりこう気持ちの入れ方も違ってくると思うのですけれどもね。そんなの一切議論しないで、少なくともこれから4年間何もしないというわけでしょ。絶対にローラースケートだと。しかし、それでもお金が掛かりますからね。だから、広場ですから、一等地ですから、いくらでも使えますけれども、ある意味で、宝の持ち腐れという面もあります。どうせお金を使うなら、今から少しずつお考えを一緒にしながら造っていった方がいいと思うのですよ。県市一体はですね、もうあの、そうだ資料がありましたよね。それですか。静岡市内と浜松市内の県職員数と、それからもう一つですね、静岡市内・浜松市内の県有施設。この資料配ってあげてください(資料配布)。そうするとですね、静岡市内の県有施設というのは、圧倒的に多いのですよ。これは、施設運営費だけで、おいくらかな。170億円以上、県有施設に掛かってますね、静岡市内の。ところが、浜松市内は、これ3、40億円でしょ。ここにまたハコモノを造るということが、やっぱり文化施設の問題です。だから、しかし、駿府城については、「ノー」と言う人は中々いないと思います。ですから、これはいいとして、しかし、スポーツの殿堂についてはですね、約束違反ではないかと。一緒に考えるということを、御本人おっしゃっているわけですから、勝手に決めないでくださいということですね。ちなみに今、お配りした資料はですね、県都構想、県民・市民の方々、それから静岡市内の市長、それから県議会の議員の先生方、国会議員の先生方、それから全国知事会、その他で、これまで半年ほどの間に、このことについて説明した表でございますが、これ以外にも説明しておりますけれども、こういう方たちはですね、県都構想が何かということを聞きたいということなのですね。ですから、これ説明しているわけです。一方、これについては、やはりあの、特別自治市との比較をするのが一番良いと思うのですよ。

 それから、特別自治市については「大都市制度の見直しについて」、この表がありますでしょ。これは、改訂したものです。特別自治市に静岡市がなりますと、静岡県はこの静岡市によって東側と西側に分断されるわけです。こんなことになっていいのですか、ということでもあります。ですから私は、特別自治市だけ論じるという市長さんの姿勢ではありますけれども、それと県都の構想と比較考量して議論した方が良いと。今度、東静岡のこともそうですけれども、やがて県都が出来ればですね、県都の博物館になります。そういう意味でも、市の博物館もたくさんありますのでね、市の施設もたくさんありますから、そうしたものを、これからは連携とか、ネットワークとか、役割分担というのは不可欠なのですね。税収の減っていく、つまり、人口減で税収が減っていくような時代に入っておりますので、こうしたものを今度、民間の団体がですね、また説明してくれということで、こういう今お配りした資料は、その時のために用意した資料ですので、こうしたものを配ることを通して、市民の方々にとってどちらがいいかという考える材料にしていただきたいと思っています。

(記者)

 歴史文化施設も、ローラーコートもですね、寝耳に水だったということですか。

(知事)

 そういうことですね。

(記者)

 それでよろしいですか。

(知事)

 よろしいです。ただし、私だけではありません。(知事)戦略監もそうです。それから企画広報部長もそうです。その、いわばブレーンの一人が、今、山田君が、向こうの企画の要職に入っているのですが、彼からの連絡もなかったということですから。ただ、繰り返しますけれども、東静岡を一緒にやるとか、あるいは、日本平を一緒にやるとかということについて、山田君は部下もいないのですけれども、相当汗をかいて一緒にやるところまで持って行ったというのは彼の功績なのですが、ですから、一緒にやるということの方向性はようやくですね、出てきているわけですが、こうしたお金の掛かる問題、あるいは、将来に先送りをよく分からない形でする問題についてはですね、はっきりものを言っていくべきだということで、今回も、その一環であります。

 こういうことを言うのは、本当にエネルギーが要ります。

(記者)

 ありがとうございました。

(知事)

 はい、どうも。

(記者)

 すみません、今のところに関連してなんですけれども、知事のお考えを確認させていただきたいのですが、その東静岡の件も、文化施設、東静岡は特に18年までに方向性を決めると市長はおっしゃっていて、また、今回のローラースポーツは補正予算を提出し、採決されましたけれども、なので、県と一緒に考える機会は、これからもあると思うのですが、なので、東静岡の北口の部分も文化施設の部分も、今後は県も一緒に検討委員会なりに入っていきたいというお考えでよろしいですか。

(知事)

 そうですね。そうするべきだと思います。

 ただ、ローラースケートの件もそういうふうに整備しないといけないでしょ。これにもおそらく、最低でも一千万弱のお金が掛かると思いますね。で、やがてそれをまた違う施設にするとなるとそれが無駄になるでしょ。ですから、中長期的にやっぱり考えるべきであってですね、お金を使うようなことをするっていうことであれば、あるいは、予算でそういう議論をするっていうことであれば、少なくとも戦略監なり、企画広報部なりですね、関連のところで意思疎通ができていないと具合が悪いと思いますので、今回を最後にして、こういうハコモノとか、大きなお金が掛かるものにつきましては、同じ敷地の中にあるので、つまり、静岡市っていう敷地の中に、しかもこれは県庁所在地です。ですから、これは彼が言うようにですね、市長さんがおっしゃるように、一緒にやっていくということを、大原則にしていただかないと困るということです。

(記者)

 ありがとうございます。




記者質問:静岡型県都構想の主な説明実績について

(知事)

 記者さん、どうぞ。

(記者)

 これなんですけれども、県都構想の主な説明実績ですが、今後の予定として熊本や新潟といったその比較的条件が似通った知事の方や市長の方に説明したりすることってあるのでしょうか。

(知事)

 差し当たってはありませんが、熊本市にはですね、静岡市長が話されたそうなんですね。そう私に言われました。はっきり反対だと言われて、その後、記者さんが確かめたら、そんなこと言った覚えはないと。だから、どちらかが事実と違うことをおっしゃっているわけです。熊本市長さんか。ですから熊本市長さんはこの問題について御存知でしょう。今、前熊本市長さんが県知事に立候補されているのではないですか。ですから、今、そんなことを話しているような状況ではないかと思いますね。それで、新潟市長さんについても反対だと、それは自分で確かめたというふうに静岡市長がおっしゃったので、私は、新潟市長さんが新聞記者の時から知っていますから、電話を差し上げたら、反対を言った覚えはないと。つまり、反対も賛成もないと。これはこちらのものなので、彼らは新潟州構想というのをやろうと思っているからということでですね、ですから、そういう意味で私は一応コミュニケーションはして、彼らは県都構想について御存知だと思います。ただ、これはですね、静岡市というよりも、実は、北は北海道の札幌から、南は熊本に至るまで、全ての大都市というものが、今まで特別自治市だけのこの何と言いますか、方向性を共有していたわけですね。これ、法律も何にもないでしょ。しかし、特別区については、一応、大都市、言い換えると政令指定都市における特別区設置法というのが出来たわけです。ただ、中身が実際上は大阪にしか当てはまらないような中身になっているということで、私はこの件について改善の余地ありと、あるいは、場合によっては、はっきり言うと欠陥だと、公平性に欠けると、大都市問題は、大阪だけの問題ではないでしょうということで、大都市については特別自治市がふさわしいコンパクトな所、例えば、川崎市とか、あるいは横浜市とか、あるいは京都市とかですね、かなりコンパクトですよ。そうした所では、特別自治市というのは非常に現実性があります。だけど、こんなに面積が大きい所、しかも県庁所在地があって、どうしてもいろいろな大きなお金が掛かる所についてはですが、特別区を設置して住民に身近なサービスはそこで選ばれた区議会の議員先生や区長さんがなさるというふうにすればいいということで、私は、選択肢が出来たということで、全ての特別自治市を今まで主張せられた方々に対して、つまり、政令指定都市、全ての市長さんに対して大阪だけが、今、特別区のことができるので、大阪はそれを活用しましたけれども、実際ちょっといじくればですね、13字ですよ。「道府県庁が所在する指定都市」っていう、これを一文付け加えただけで、特別区が政令市15においてできるのですね。一番分かりやすいのは、政令市全て特別区を設置できると、選択肢をあげるのが一番良いと思いますよ。そうすべきというのではない、できるという条件を出されればですね、すぐ使えるわけですね。

 ちなみに、メリット、デメリットというのがポイントにありますけれども、デメリットはないと、一緒に考えたのですよ、県都にする。分割するのではありませんから。市の図書館は県都の図書館になるわけですね。市民が都民になるわけですから。ただし、今の静岡市の市長さん、市民の方だけですけれども、静岡県都の都民ということになりますから。文京区の出身の方、あるいは世田谷区の出身の人は、自分は東京都民ですというふうに言います。一方で、時には文京区に住んでますとか大田区に住んでますとかの言い方をなさいますけれども、しかし、基本的に東京都民でしょ。同じように県都民ですから、何か元のもくあみになるということでは、もちろんないわけですね。県都として、いわば、私から言わせると格が上がるということで、行政コストも掛からないと、今回のような問題も生じないと。市だとか県だとかという縄張り争いになることをしなくても済むということであります。

(幹事社)

 ありがとうございました。御質問のある方、いらっしゃいますか。

(知事)

 ありがとうございました。