令和3年度以前知事記者会見

2010年8月24日(火)


発表事項(1)モンゴル出張の成果及び今後の対応
発表事項(2)ふじのくに3776友好訪中団第2回公式訪問団帰国報告
発表事項(3)沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催(4)県道島田吉田線バイパスの供用開始(5)平成22年度静岡県総合防災訓練の実施
FDAの冬のダイヤ計画
モンゴル出張の成果及び今後の対応
沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催
トリノ・エジプト展の展示品破損事故
民主党代表選、本県でロケをした中国のテレビドラマ

発表事項(1)モンゴル出張の成果及び今後の対応

【モンゴル出張の成果及び今後の対応】

    <知事>
     まず、私の方から御報告申し上げます。
     モンゴルに出張してまいりました。8月14日から18日にかけて行ってまいりましたが、この間、モンゴル―日本国会交流協会会長である国会議員の先生はじめ、日本の文部科学副大臣にあたる方、運輸大臣、ミアットモンゴル航空のCEO、副社長という方々とお目にかかることができました。
     もともとの目的は、私自身は北東アジアにおける若い青年たち、リーダーを養成するというプロジェクトがございまして、そこで、講師の一人としてお話をするということでございました。「東アジアにおける日本の役割」と題しまして、1時間30分の講義、質問、議論というのをやって帰ってきた訳でございます。
     同じ時期に、新潟県からも代表団がモンゴル入りしていまして、総勢約150名で、知事を団長としまして、コアメンバーだけでも40名弱だったようでございます。私どもは、私を入れて、県庁内の方、掛沢ソウル事務所長、それから県議会議員の阿部卓也議員を伴った訳でございます。
    公務としての仕事といたしましては、チャーター便を用意してほしいということでした。もう一つは人材交流ということでございました。それぞれ、チャーター便については文化・観光部の職員、そして人材交流に係ることについては教育委員会の職員が、それぞれの部局から派遣されてきた訳でございますが、大変大きな仕事をされました。
    まず、運輸大臣にお目にかかった後に、ミアットモンゴル航空にお邪魔したのですが、チャーター便を飛ばしていいというお話があったぐらいです。ただし、いくつかの条件が整えばということだったのですが、これは、運輸大臣とお話をしたときに、本県の持っている可能性や魅力に大変関心を示されましたと同時に、話がどうもスムーズに進みそうだということで、運輸大臣はビジネスマン上がりの大変精力的な御仁で、大変気が合いまして、あっという間に話が進むということがございました。おそらく、運輸大臣の方からミアットモンゴル航空の方にお電話がありまして、そして、条件さえ整えば、チャーター便をこの秋にも飛ばすということになった訳でございます。これは担当職員のホームランということでございます。
    それから、教育副大臣とお目にかかった訳でございますが、このときにもいろいろな人材交流をしたいと。子どもたち、青年、それから各分野における交流も果たしてまいりたいということだったのですが、話をしているうちに、大統領夫人が、がんの問題に取り組まれているということも分かりまして、基金まで立ち上げられて、モンゴルの人たちが肝臓がんにかかりやすいということから、そうした問題に、もう少し啓蒙であるとか治療であるとかについて、モンゴル全体のレベルを上げたいということでございました。大統領御夫妻がこの11月に公式訪問されるということでございましたので、そういうことであれば、日本にいくつものがん研究センターや病院がございますが、最近、私どものところには評価の高い県立がんセンターがあるというお話をしましたところ、大変強い関心をお示しになりまして、そして大統領夫人の方から、ぜひ滞在中に会いたいというお話までありましたが、我々の残された1日半くらいの時間ではどうしてもそれが叶いませんでした。しかしながら、モンゴル大統領夫人の11月の来県が確定いたしました。その前に、モンゴル大統領顧問のサラントボスさんが、9月13日から15日、県立がんセンターを中心に事前調査にお越しになるということでございます。そんなことで、担当職員、人材交流ということにおきまして、それまで予定されていなかった大統領の、少なくとも御夫人の来県が確定した訳でございます。
    これに関しましては、同行してくださった阿部卓也県会議員が、向こうの友人にハスバートルさんという方がいらっしゃいまして、そのハスバートルさんを通じて、本当にショートノーティスと言いますか、短期的な中でいろいろな方との面会が可能になるようにしていただいたということで、阿部県議並びにハスバートルさんに対して改めて御礼を申し上げたいと思っております。
    ハスバートルさんは、弟さんが、「まかいの牧場」のところで、モンゴル人としていろいろ協力されているということで、御兄弟そろって本県の、日本のファンということでございます。特に、モンゴルは今、ロシアと中国という大国に挟まれて、資源も非常に豊かであるということから、大変なアプローチをされているところでございます。しかしながらいろんな意味での技術が不足しているということで、韓国のイ・ミョンバク大統領が非常に強い働きかけをされております。今回、短い滞在ではありましたが、モンゴルの方たちが、遊牧生活をしながらゆったりとした優しい心情を育んできた。これは日本の文化と相通ずるところがあるので、日本との交流を強く求めていることが分かった次第でございます。
    前後いたしますが、訪問いたしました二日目の夕刻には、在モンゴル特命全権大使の城所(きどころ)大使と親しく歓談する機会を得ました。また、ウランバートルというのはモンゴルの北東の方にあるのですが、その南の方には有名なゴビ砂漠があります。ゴビ砂漠は御承知のように大変な資源に恵まれているところですが、そこにドルノゴビ県というところがあります。そのドルノゴビ県の県知事さんが、ウランバートルから400kmくらい離れているのですが、何と10時間も列車に乗って会いに来られました。また、会いに来てそのまま帰るという大変な熱い思いを伝えてくださった訳です。この方は日本語が非常に堪能で、城所大使、ドルノゴビ県知事、私とで、日本語で親しくお話をした訳ですが、ドルノゴビでは、美しい満天の星を仰ぐことができるというふうなことがございまして、来年、(同県発足)80周年を迎えるということで、ぜひお越しいただきたいという要請を受けました。ついては、またドルノゴビの県知事さんが10月にお見えになるという予定ということなので、いろいろな話も申し上げたいと思っております。ウランバートルのちょっと郊外にあります。ウランバートルというのは、100万人が住んでいるのですが、(モンゴルの)合計人口が270万人くらいで、本県の人口よりも100万人少ないと。しかし、国土の面積が日本の4倍もあるという、広大なところであります。そういうところで、ウランバートルから少し離れますと、月が出てないと、満天の星を仰ぐことができると。我々が行ったときには、偶然月夜ではなかったので、満天に素晴らしい、降るような星を仰ぐことができて、たくさんの流れ星も見ることができまして、行った者すべてが感動した訳です。
    ともあれ、最少人数で、最大の効果を上げたモンゴル訪問であったというふうに思っておりまして、いろいろな関係各位に対しまして、厚く御礼申し上げます。これをベースといたしまして、この秋に、大統領御夫妻、さらにドルノゴビ県知事、もし御来日のときにお目にかかる機会があれば、お礼も兼ねて熱烈に歓迎をいたしたいと思います。




発表事項(2)ふじのくに3776友好訪中団第2回公式訪問団帰国報告

【ふじのくに3776友好訪中団第2回公式訪問団帰国報告】


同じ時期に、ふじのくに3776友好訪中団の第2団といたしまして、それぞれ大村副知事、岩瀬副知事を団長といたしまして、交流の成果を上げてまいりました。それぞれ大村副知事、岩瀬副知事から簡単に御報告をいただきたいと思います。

<岩瀬副知事>
 御報告をしたいと思います。
 5月の浙江省友好訪中団、第1回の公式訪問団に続きまして、今回は第2回の公式訪問団ということで、8月15日から18日まで大村副知事、その後引き続きまして私が18日から22日まで、団長ということで、訪中団第2回公式訪問団、浙江省と上海の方へ行ってまいりました。
 私が行ったときが2,000人達成をしたときでございまして、ちょうど静岡ウィークに参加をした磐田市の中学1年生の方が2,000人目ということでした。当日は、2,014人まで数字がいった訳ですが、今日は2,381人ということで、この1週間ほどの間に、いっぺんに400人弱の方が行っていただいたということで、大変ありがたく思っております。
 浙江省の訪問では、8月17日に大村副知事が、浙江省党常務委員の蔡奇(さいき)さんという方とお会いしました。同時期に県議会の調査団も、岩瀬副議長を団長に浙江省を訪問いたしまして、私と両方で対応をさせていただきました。浙江省の人民代表大会副主任の馮明(ひょうめい)さんとお会いをいたしました。両氏ともに、浙江省と静岡県の更なる友好関係を深めることで、大変効果のある、意義のあることだという歓迎の言葉をいただきました。二人で向こうの省庁と協議をいたしまして、特に2年後に友好提携30周年がございますし、秋には知事を団長としまして3回目の友好訪問団が予定されていまして、これを踏まえまして一層の交流拡大に向けた具体的な事業を話し合うということで、調整会議というものを設けまして、例えば、民間団体同士で防災協定を締結しようとか、あるいは静岡フィルハーモニー管弦楽団と浙江省交響楽団の文化交流協定、そうしたものを締結して、より幅広い交流を進めましょうということをお話しまして、基本的に合意をいたしまして、知事が次回訪問をするときまでに、中身を詰めましょうということを話してまいりました。
 上海におきましては、中国東方航空へ、私どもは訪問いたしまして、8月16日に大村副知事が唐兵(とうへい)さんという副総経理の方とお会いしまして、私が19日に董波(とうは)服務総監さんというサービス部門のトップの方とお会いしました。中国東方航空からは、静岡には富士山をはじめ様々な魅力があるということで、特に、今後中国の方から静岡への、向こうからするとアウトバウンド、こちらからするとインバウンドですが、それについて取り組んでいただきたいというお話をしまして、例えば、9月にこれから東方航空の方が向こうの旅行会社を連れて静岡県に来るということも聞きましたので、そういうことも静岡県を紹介するいい機会だということで、ぜひこちらの方で一生懸命取り組むという話をしまして、今後、両方でPR活動に力を入れていきたいという話をしました。
 そして、上海万博では、8月16日から22日まで日本産業館で静岡ウィークを開催したしまして、24の市町から約400人の県民の方に来ていただいて、ステージでPRをしていただきました。日本産業館も非常に好評で、待ち時間が4時間から5時間という状況でございまして、なかなか外でPRをするという機会が他のところではないのですが、ちょうど日本産業館の外側にステージがありまして、そこで入れ替わり立ち代わり静岡をPRするものですから、非常に好評でして、たくさんの現地の方が立って御覧いただいたりしておりましたし、また、時間が来ると、だいたい次のステージのときまで待っていて、15分間隔でやっておりますので、たまに他のところでは、やるときは一週間通しで同じものをやるのですが、私どもは毎日、日替わりメニューで、時間でやっていましたので、非常に人気が高いというふうなことでございました。
当日、16日は、大村副知事に中国語で開会宣言をしていただいて、各市町の方が非常にいいパフォーマンスをしてくれたのではないかなと思っています。地元のメディアにも相当取り上げられて、静岡県をPRするよい機会になったなと思っています。
 特に、今回の第2回公式訪問団では、浙江省との今後の交流拡大につながる意見交換が非常にできたのかなと。上海万博で本県のPRを行うことについても、大きな成果を上げることができたと思っております。特に、2時間半のフライトで中国と直接結びつくということを多くの方に理解していただきましたし、これから中国、韓国の方がしょっちゅうお見えになるという機会が設けられておりますので、直接こういうやり取りをできるようになったということは、非常に大きいことだなと思っております。
今後、9月10日に予定されております中国国際友好都市大会における表彰や、10月の第3回公式訪問団を通じまして中国との交流拡大をさらに進めていきたいというふうに思っているところでございます。
 私からは以上です。

<大村副知事>
 今、だいたい岩瀬副知事の方からお話があったとおりですが、もう一つ、私の方で、8月16日に、牧之原市の西原市長と、上海市の閘北(ざーべい)区というところに訪問しております。
 上海市は東京都と同じようなもので、特別市ということですが、その中に区を持っております。区長さんがいて、それなりの自治体があるのですが、その閘北(ざーべい)区というのは、お茶の集積地としては中国でかなりトップをいくところです。お茶を縁とした交流ということを静岡県内の市町も望んでおりまして、私どもの方で牧之原市を御紹介し、今回、牧之原市長に一緒に行っていただいて、向こうの区長と初めて会談をいたしました。今回が初めてでしたので、これを皮切りにして、今後、上海市閘北(ざーべい)区と牧之原市との友好交流を始めようと。最終的にはそうした協定の締結までもっていきたいということを念頭におきながら、交流を始めようということでございます。それが一つございました。
 先程、岩瀬副知事からお話がありました調整会議を今回初めてやりましたが、協定も、この他にも環境局の環境関連での双方の交流なども含めて、知事の10月の第3回公式訪問に向けて、今後調整をしていこうということになっております。
 それから、東方航空もそうですし、上海でも話題が出ましたが、今、中国で「杜拉拉(昇進記)」(ドゥーラーラー)というテレビドラマをやっていまして、これが静岡県でロケしたものが2回分くらいありまして、そういったこともありまして、かなり静岡に対する観光の需要が高まるだろうということは、東方航空からもありました。先程お話がありましたように、今後、そういった観光のPR、富士山静岡空港の利用ということについて、かなり前向きに取り組んでいきたいというメッセージをいただきました。
 前段の、我々が行く前に、馬(ま)総経理、社長さんが、こちらに来られて知事と会談しておりますので、それをあちらが持ち帰って、その後いろんな対応を考えていただいたということだと思います。私からは以上です。

<知事>
 以上のような次第でございます。
 先程お話がでました蔡奇(さいき)浙江省党常務委員、組織部長という肩書きを持たれている方ですが、ちょうど大村副知事が向こうに行かれるときに、向こうでホスト役になられました。その直後にこちらに来られまして、これは8月19日のことでした。いろいろな歓談をしましたところ、2月23日の富士山の日というものの重要性も認識していただいて、それを浙江省だけではなく国のしかるべき方にもお知らせしたいというお話まででまして、大変盛り上がった次第でございます。その翌日には程(てい)大使が本県を御訪問になられたことは御承知のとおりでございます。本来ならば、まず6つある総領事館を回ってからというところを、こちら側に途中で先にお越しいただきまして、3776友好訪中団につきまして、お礼と感謝と激励をいただいたということでございました。
 そうした中で、浙江省としては、我々の人口の10倍以上の5千万人以上いらっしゃる訳ですから、向こうとしては礼の国ですから、万の単位でいかにしてこちらに返礼の訪ふじのくに団を組織したらいいか、非常に考えているところであるという話も、これは蔡奇(さいき)さんの方から出たものです。そのようなことで、我々は、防災、あるいは教育、あるいは経済、様々なレベルにおきまして、浙江省、上海というところを一つの切り口にいたしまして、日中間の友好を深め、特に本県の方々には、こういう機会に国際的な感覚をぜひ身に付けていただいて、新しい静岡県の顔に脱皮していっていただきたいというふうに強くお願いしております。




発表事項(3)沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催(4)県道島田吉田線バイパスの供用開始(5)平成22年度静岡県総合防災訓練の実施

【沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催】


<知事>
 さて、続きまして、沼津駅鉄道高架事業に関する有識者会議でございます。
 6月の記者会見でこの件については発表いたしましたが、第1回の会議を9月8日(水)午前11時から県庁別館9階第2特別会議室において開催いたします。
 会議のメンバーは、森地茂(もりち しげる)東大名誉教授、現在の政策研究大学院大学教授をはじめとした10人でございます。これは、公開で行いますが、部屋の大きさに限りがありますために、予約をしていただきたいということで、ぜひそういう手続きをとった上で、お越しいただくようにお願いを申し上げます。


【県道島田吉田線バイパスの供用開始】

<知事>
 続きまして、県道島田吉田線(船木工区)の供用の開始についてでございます。
県道島田吉田線バイパスの船木工区、延長1kmでございますが、これが9月29日(水)午前10時に供用を開始いたします。
これで、(東名高速道路吉田インターチェンジから富士山静岡空港まで)現在(混雑時に)20分を要しているものが、その半分の10分程になるということでございまして、この色尾(いろお)交差点、道悦島(どうえつじま)交差点における、かねてからの懸案でございました渋滞の解消あるいは緩和につながるであろうと期待しているところでございます。


【平成22年度静岡県総合防災訓練の実施】

<知事>
最後に、防災訓練でございますが、8・11(昨年8月11日)の地震からほぼ1年経ちまして、また、9・1の関東大震災、1923年、97年前のあの大震災で14万人が死者・行方不明者となりましたが、それを軸にして行われる防災訓練です。今年は伊東を中央会場に設定した次第でございます。東海地震を想定した総合防災訓練です。今回で32回目。今年の総合防災訓練は、35の全市町において、延べ71万人の参加を予定しております。
メインとなる9月1日には、県下30市町で約45万人が参加する見通しでございます。先程申しました中央会場となる伊東市におきましては、市内に5つのエリアを設定いたしました。港でございますので「うみエリア」、それから「救援エリア」、「防災拠点エリア」、「共助エリア」、「そらエリア」。こうした5つのエリアに分けまして、それぞれのところで必要な防災訓練を住民と協働してやるということでございます。
観光地でありますので、観光事業者等と連携することも大事なことになっております。観光客の避難支援訓練も併せて実施することになっています。
この伊東市における訓練会場に、菅直人総理大臣が団長となって、政府調査団が派遣される予定になっていると伺っています。歓迎申し上げたいと存じます。
詳細につきましては、明日25日に危機管理部の方から報道機関各社に対しまして御説明を申し上げることになっています。




FDAの冬のダイヤ計画

【FDAの冬のダイヤ計画】


<記者>
 幹事社からの質問です。
 FDAが冬のダイヤから、静岡−札幌便の運休を計画していますが、これについて知事の所感と、運休した場合の対応をどうされるか伺います。

<知事>
 これはまだ正式発表されていませんね。私は新聞報道で知りましたが、一方、8月10日に興津の港の視察にまいりまして、その帰り道に鈴与の本社に寄りまして鈴木与平社長と様々な問題について歓談をしました折に、そういうことを漏らされておりましたが、飛行場と札幌便を完全に運休するというのではなくて、松本経由で札幌に運ぶということを考えているのだというふうに言われておりましたので、札幌に行けなくなるという訳ではないと理解しております。
 それから、小松便が非常に不調なので、この点についても懸念を表明されておりましたが、これは団体客を受け付けていないということにも一つの不振の原因があるかということで、団体客を受け付けますと、料金が安くなるということですが、そのために結果的にお客様を失っているとなれば何にもならないと思っておりまして、教育旅行を石川県あるいは北陸地域と太平洋側の本県とができるようにするのがいいということを申し上げましたところ、強い賛意を示されまして、そうしたことで、今、FDAとしましては、新しい飛行機をあと2機、間もなく活用(導入)されると。そうした一方で名古屋空港、他方で松本空港というところの利用も、それぞれの状況になっておられて、そうした中で、一番住民にとって最大級のサービスができ、かつ、FDAにとっても合理的な経営ができるというところで、いろいろと御検討されているようでございますが、それをしっかり見守りながら、本県の方々の富士山静岡空港を介してのサービスが低下しないように、そこのところをしっかりと、FDAの動向を見守ってまいりたいというのが現在のところでございます。




モンゴル出張の成果及び今後の対応

【モンゴル出張の成果及び今後の対応】


<記者>
 先程の、モンゴルからのチャーター便についてお尋ねします。
 条件が整えばということがございましたが、どういった条件が整えば可能になるのでしょうか。

<知事>
 まずお客様がいるということですね。それからまた、モンゴルは、夏はモンゴルの方々は、ウランバートルには3分の1強が住んでいますが、つい、本当に近年まで遊牧生活をされておられて、ウランバートルの中にもゲルという昔ながらの住居がある訳ですが、そういう本来のゲルの生活が懐かしいらしくて、夏はすごしやすいのですね。直射日光が当たると非常に暑いのですが、しかし陰りますと一挙に涼しくなるというか、乾燥していて、風が涼しくてすごしやすい。ですから夏はそこ(ゲル)にいるのです。冬は、厳しいときはマイナス40度くらいになるので、冬は外に行きたいと。今は、良いか悪いかは別にして、格差が拡がっているということで、比較的余裕のある方も出てこられて、冬の最高のリゾート地が、(韓国の)済州島になっているということなのです。これは、韓国側の強い働きかけがあると思います。しかし、伊豆半島を御存知かというと、まず御存知ないということでした。そうした中で、とりあえず調査に来てみたいということです。私は、まず、予想を絶対に裏切らないと。済州島の茶畑は、静岡県に比べれば、本県は日本最大でございます。素晴らしいし、温暖ですし、そしてモンゴル人の大好きなイチゴもあると。彼らはイチゴが好きなのだそうです。みかんもある。そして海産物、景色、どれにおきましても、劣るものは一つもないということで、たぶん大きな期待に沿うだろうと。あとはお客さんが揃い、こちらから帰りの便に乗っていかなくても来られるそうですよ。そういう形です。ですから、今回調査に来られることを機会としまして、しっかりと見ていただいて、本県の良さをPRして、チャーター便の実現に向けたいというのが私の姿勢です。

<記者>
 手応えをかなり感じていらっしゃるのでしょうか。

<知事>
 そうですね。思いもかけない運輸大臣との面会になりました。これは、先程申しましたハスバートルさん、向こうでいろいろやっていただいて、お目にかかれるかは不確定だったのです。結果的にお目にかかれた。しかも夏休みなのですね。ですから皆様方は休暇を取って外国に行っていらっしゃる中で運輸大臣が会ってくださった訳です。そして、本県の空港事情を担当職員がしっかりと説明してくれまして、大変関心を示されまして、そして、我々の希望でチャーター便のことを言いまして、他にもいろいろと彼から聞いたことがあります。これは国家レベルに関わることなので、いろいろと親しくお話をしていただきまして、それが単刀直入に、いわゆる用意された文章を読むということではなくて、臨機応変な形でのやり合いができるということで、大変好感を持たれたという印象を持ちました。私も彼に好感を持ちました。
 その後、ミアットモンゴル航空会社の本社に行った訳ですが、最初は手応えがないかなと思っていました。まあ、そのお話だけ、空港の紹介だけしておこうと思っていたのですが、もう最後の方は、行くことを前提にしたような話になって、私の関心ですが、ミアットモンゴル航空の副社長は、前の運輸大臣なのですよ。とても人柄のよさそうな人で、そして、現在の社長さんは、今の運輸大臣が任命された方なのです。ですからツーカーなのですね。電話が一本入っていたのだなということで、話がスイスイと行ったということです。後は、お越しになる方の目もありますし、天候にも左右されるでしょうし、いろいろな条件が、向こうの方たちにとっても、いい調査結果になるようにということで、うまくいくと、今年中、冬ということです。紅葉が一番きれいなのはいつですかときかれましたから。10月ですかと聞いてきたので、写真をお見せしました。だんだん温暖化で10月はまだ紅葉は早いだろうと。11月の下旬から12月という、まあ11月だったら紅葉がありますということでございました。そういうふうに申し上げて、そういう話が実際にできました。富士山の1月から12月までの写真をお見せしたら、大変な関心を示されました。もう全然違いますから。ここは内陸、こちらは海があると。この緑滴るというのでしょうか、向こうは水が不足した乾燥地帯です。こちらは本当に水が豊かなところなので、お互いその景色の美しさには、感動する。司馬遼太郎さんが向こうの景色に感動されて、草原の景観を激賞されましたが、草原と同時に、言わば草原に寝そべって夜空を眺めることの美しさを、ぜひ本県の方々に経験していただきたいと。これは夏がいいと思いますね。

<記者>
 それについて、県も何らかの研究ですとか働きかけなども考えていくのでしょうか。

<知事>
 そうですね。今回、先程言おうとしましたが、中国と言いますか、北側におきましては、掛沢ソウル事務所長がいるだけです。現地事務所で現地の方を雇っておりますが、ソウルとウランバートルの間は、しょっちゅう飛行機が行っている訳ですね。それで掛沢所長に前もって行っていただいたのですが、いい仕事をしてくれましたよ。私は、もう少し充実した、地域外交と言わざるを得ないくらいに広がりが出てきましたので、そうしたことを本格的に考える時が来ているなという印象でございます。




沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催

【沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議の開催】


<記者>
 沼津駅鉄道高架事業有識者会議について伺います。
 会議の位置付けですが、事業を客観的かつ俯瞰的見地から検証するということですが、事業そのもの自体の必要性について、今一度検証するという考え方でよろしいのかということと、有識者会議第1回とありますが、最終的にこれは何回くらいを経て、何らかの結論を出す類の会議になるのかどうか、そのあたりの位置付けをお願いいたします。

<知事>
 事業の妥当性の検証をお願いしています。私、と言いますか、県並びに沼津の住民の方々の大きな意思といたしましては、この沼津中心市街地の交通が混雑しているという現実があります。また、南北が分断されるような状態になっているという状況もございますので、この中心市街地の低迷をどのように抜本的に解決するのかということにおいては、現在のところは高架というのが一番大きな解決方法であるというふうに見ているのです。
しかしながら、手続き上、ともかく事業を評価しなければならないということになりまして、それで、検証それ自体は、予断を一旦、一切なしに、森地先生他、専門の相当立派な先生方が今回選ばれています。もうローカルで選びませんから。全国区の先生しか選ばないと。これだけではなくて、ローカルなところで人を集めて県の決まっていることを後で承認していただくというような馴れ合いの会議はしません。しっかりと見ていただいて、その意見を容れて、こちらの意見も踏まえていただいた上でではありますが、客観的、これが地域のため国のためになるのかという観点から検証作業をしていただいて、答申は平成23年の春ごろを目途に意見とりまとめをお願い申し上げたいと思っております。回数につきましては、2ヶ月に1回ぐらいのペースで、5、6回は行いたいと思っております。
森地先生は御承知のように、下河辺淳、伊藤滋、中村英夫、そして森地茂という、これまでの国土計画の学識者のトップ、シモさんはもちろん官僚ですが、東大の工学部で博士号を取っている方で、ほとんど学者として許されている。そういう系列にいらっしゃる方でございますので、全国の中での物を見る目を持っていらっしゃいます。また、メンバーには武内和彦さんという、国土審議会で活躍された方ですが、国連大学の副学長をされている方で、景観であるとか街づくりであるとかということについて国際的に活躍されている方です。こうした人たちが入っていますから、小さな利益だけのことでこれを裏付けしてくださいというふうな無礼なことは到底できるような相手ではありません。

<記者>
 現地調査も行われるということですが、知事は以前、意見交換会で地元の方々の意見を伺うということをやりましたが、例えば有識者会議として地元の意向を聞くとかいうようなことはしますか。

<知事>
 そうですね。1回目の現地調査のときには、地元の意見をまんべんなく聞くということにはならなくて、現場を見ていただくということですね。そして、必要に応じてですね、森地先生が委員長ですので、そこでお決めになって、必要とあればそういうこともしていただくというのは、問題ないと存じます。




トリノ・エジプト展の展示品破損事故

【トリノ・エジプト展の展示品破損事故】


<記者>
 県立美術館で開かれていたトリノ・エジプト展で、撤収作業中に石像が壊れるという事案がありました。このことについて、知事の所感をお願いします。

<知事>
 ショックです。本当に驚きました。運ぶ機械ごと倒れたようですね。ただ、像の顔は潰れなかったと。若干、傷があったと。冠のところが壊れたと。ところが、この像に関しては、前にも破損したことがあって、その破損した部分のところが、また剥がれたと言いますか。
 私の聞いておりますところは、これは修復可能だということでございます。これはもう記者発表されているかと思いますが、発表するについても、所有者の御許可があってはじめてできることなのですが、所有者の方が、どうぞ発表してくださいということで発表なさったのだと思いますが、後は、修復をこちらでするのか、あるいはトリノの方にお持ち帰りいただいてからなさるのか、そういうことでありますが、とりあえず修復可能という報告を聞きまして、不幸中の幸いかなというふうに思っております。誠に、一番最後のところでひっくり返ったということで、残念の極みというふうに思っております。

<記者>
 原因はまだ調査中ということですが、知事御自身は御報告を聞かれて、責任はどちらにあるとお考えですか。

<知事>
 そうですね。これは日通がやっているのですね。日通は御承知のように、こういう美術品を傷付けないで博物館・美術館の間を搬送する日本における最高級の技術集団だということなのですね。ですから、そこの方々が一番、なぜこういう事故になったのかということを御承知だというふうに思いますので、それを承ってから、論評したいというふうに思います。




民主党代表選、本県でロケをした中国のテレビドラマ

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【民主党代表選】

<記者>
 国政の話を伺いますが、知事とも関係が深い政府民主党ですが、近く代表選が行われます。その際に、小沢一郎さんが出馬するというような憶測もありますが、地域の知事から見て、この一連の動きをどのように御覧になられていますか。

<知事>
 まあ、勝つ見込みがないと立たない人じゃないですか。信があって立つという方と、勝ち試合として立つ、後者じゃないかと思います。その結果、民主党が二つに割れるというのは、民主党にとって不幸なことだなと思っております。

<記者>
 知事自身は、菅直人首相の再選を御支持されるというような立場でしょうか。

<知事>
 私は、投票権を持っていないので、論評を差し控えたいと。煮え切らない話ですが、どっちもどっちだなと思っております。

<記者>
 政権がもし替わるようなことがあったら地域にも混乱があると思うのですが、その点の御心配というのはないでしょうか。

<知事>
 それはしていません。日本全体における地域への影響はあると思いますが、政権が替わるような事態にはなっていないですね。首相が替わるかもしれないという状態ですが、これは民主党内部におけることなので、その変更と、あるいは菅さんが続けるにしても、本県に対する影響というのはそれほど大きなものはないと思っております。
 特に、軽井沢の勉強会に、元副幹事長の方も御出席されていなかったということですしね。ですから、本県として一つの民主党としてのまとまりのようなものは崩れていないのではないかと。私は、県連民主党の団結というものに対しては非常に強い信頼を持っておりまして、それに連なる方たちが民主党の他にたくさんいらっしゃいますが、そうしたところまで広がりはいたしますが、基本的に県連の民主党は、国政における民主党の分裂気味の状況に振り回されていないというところにおきまして、地域への影響はほとんどないというふうに見ております。


【本県でロケをした中国のテレビドラマ】

<知事>
 「杜拉拉(昇進記)」(ドゥーラーラー)の記事が出たのですよ。杭州市の新聞に。それから北京市の新聞にも出たのですよ。その新聞記事を翻訳してくれた、私の通訳をしてくれた方がいます。すごいですよ、「杜拉拉(昇進記)」(ドゥーラーラー)というのは、こちらでロケをしたと。主人公二人が、何かのことで日本に来ることになった。そしてその景色がきれいだったそうで、これは静岡に行かない手はないというような、何かものすごいブームが起こりそうだということを書いている記事があります。それも翻訳もされていますから、これもぜひお手元に。
ロケをしたのは去年の冬ですが、いよいよ放送になって、こちらにそれこそ秋田が韓流ドラマの舞台になってそこにたくさんの人が行かれたように、中国から相当のロマンスを求めた人たちがお越しになる可能性が高いということでございます。映画と言えば、「青い青い空」。書道ガールズも昨日試写会がございましたが、これも富士山。そして浜松。書道。こういうふうなすばらしい地域性を配した、いい映画ができておりますが、文化・芸術と。その中にはもちろん景色が生み出す文化がありますが、こうしたものが、内外の方々の注目を秋にかけて高めていくのではないかと期待しております。